@ ダミーをつくる。パステル、色鉛筆
 などで簡単に着彩し、実際の本の大
 きさにしてみて検討する。

A 色見本帳で4色(アカ、アオ、キ、
 スミの各系統)の色を決める。「もも
 んちゃんあそぼうシリーズ」の場合
 は特色4色。

B ダミーをもとにして原画作業に入
 る。鉛筆で下描きする。

C りんかく線を墨色で描く。

D スミ版を下に置いてライトテーブル
 で透かしながら色分け版をつくって
 いく。一見開きで大体3〜6枚くらい。

E 重ね合わせた原画の上にトレー
 シングペーパーをかけて、印刷所の
 人が解りやすいように色指定に近い
 色を色鉛筆で着色していく。

F 色指定ナンバーをひとつひとつ記
 入していく。

G 一見開きページ完成。

● 「ももんちゃんあそぼうシリーズ」の原画制作過程 ●

● バルボンさんのおでかけの絵本ができるまで ●

【アイデアが生まれる】

【ためしにつくってみる】

【原画をかく】

一つの場面を(A)、(B)、(C)の三枚に分けてイラストをかきます。そして三枚のイラストにそれぞれ色指定をします。最後に一枚に
刷り合わせると、絵本のページになります。

イラスト(A)
家の壁や草木の部分になります。

イラスト(B)
バルボンさんの体やとなりのお父さんの洋服、
家の扉や草木の部分になります。

イラスト(C)
りんかく線になります。

色の指定をしたトレース紙。印刷所の人がわか
りやすいように、仕上がり色に近い色で彩色し
ています。

手・顔
イラスト(A)墨の部分
(ア)色40+(ウ)色30


これはイラスト(A)の墨の部分を
(ア)の色の40パーセントの濃さ、
(ウ)の色の30パーセントの濃さ
で混ぜ合わせた色にすることを
意味しています。

このあと、原画をもとに大きな紙に印刷します。
それを本の大きさに切って、ページを合わせて
表紙やカバーをつけると・・・絵本のできあがり!

現在のとよたさんの作品の原画はみなモノクロで、原画展で作家さんのナマの筆のタッチや色彩を期待した方には、あれれ、と感じられるかも知れません。一見、色のついた原画らしき展示があっても、実は印刷所の人への単なる出来上がり色見本と知って、がっくり・・。でも、赤ペンでびっしり書き込まれた各種の指定・指示を目の当たりにすると、そのイメージの豊かさと確かさ、細やかさにただただ驚くばかりです。

2004年8月21日焼津市立図書館絵本
原画展「とよたかずひこ 絵本の世界」の
展示物を、とよたさんからHP掲載の許諾
を得て撮影しました。

★ 絵本作家 とよたかずひこさん プロフィール

1947年生まれ。高校までを宮城県仙台市で過ごす。早稲田大学第一文学部卒業後、フリーのイラストレーターを経て、娘さんの子育てを通して絵本の創作を始める。最初の絵本は1983年『ぼくはやっぱりとりなんだ』(講談社)で、以後多くの作品を発表する。1998年『でんしゃにのって』(アリス館)で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を、2002年『どんどこももんちゃん』(童心社)で第7回日本絵本賞を受ける。小学1年生国語教科書(東京書籍)に『あめですよ』掲載。多摩ニュー
タウンに住み、近所の子どもたちにとっては、いっしょに遊んでくれるいいおっちゃん。

これは、とよたさんが言うところの「描き分け色指定原稿」「色指定、版分け方式」によるもので、版画のように色ごとに版(原画)を作成し印刷することで、印刷用インクによる直接的な彩色表現が可能になりました。赤・青・黄の三要素が複雑に混ざり合った一枚絵の原画の彩色をそのまま印刷して表現するのは技術上どうしても困難なのですが、この方式のメリットとして、部位ごとの色指定によりイメージ通りの彩色が可能であること、そして「発色あざやかなピンク、オレンジなど今まで自分が持ちあわせていなかった色を使えるようにな」ったことがあげられます。逆にデメリットは、一場面について部位ごとの複数の原画が必要であること、作業途中で色を見ることができないことです。

ここでは、そのとよたさんと、とよたさんの絵本制作について、紹介していきます。

● わたあめおばけ ●

● おまけ ●

『バルボンさんとさくらさん』のダミー本。完成し
た本にはない結婚式の場面があります。

『でんしゃにのって』初期のラフスケッチ。あれ、
うららちゃんの服が青い?

『どんどこ ももんちゃん』ダミー本。草ぼーぼー。

  性別:男
  年齢:33歳、独身
      ただしジャングル付きマイ
      ホーム有り
  血液型:O型
  勤務先:仙台八木山動物園

バルボンさん2作目『バルボンさんのおうち』を
制作する際に設定したバルボンさんのプロフィ
ール。(八木山動物公園は実在)



仕上がりを想定して作るダミー本。まさに
手づくり絵本です。使用済み用紙の裏面
を再利用しているらしく、いろいろな文字や
絵が透けて見えます。

いわゆるアイデア帳、ネタ帳ですね。

● とよたさん 絵本のできるまで ●

※ BGMは『ももんちゃん のっしのっし』のテーマ曲で、とよたさんも好きな『ユーモレスク』です。

※ 以下、キャプションの文字が黒色は原画展からの転載、緑色は管理人によります。

『バルボンさんのおさんぽ』のダミー本。完成し
た本にはない、傘をさしてお出かけする場面が
描かれています。

原画展の撮影をはじめ、とよたさんにはHP作成にあたってご理解とご協力をいただきました。本当にありがとうございました。(とよたさん撮影は2004年6月)