陸軍大学校卒業徽章 31/01/2006

久しぶりに手に入れたオリジナルのご紹介です。
「陸軍大学校」は明治18年に設立され、昭和20年に最後の卒業者を出すまで陸軍の指導層を生み出してきた教育機関でした。そもそもは「将来参謀官、高等司令部副官及ビ教官ニ充ツル」人材の教育・育成を目的としておりましたが、後年には事実上エリートの早期抽出による「将官への登竜門」となって大いに弊害を生じたことは皆さんがご存知の通りです。この陸大卒業者に更に選良意識を植え付けたものは、形而下では金モール輝く「参謀飾緒」と「陸軍大学校卒業徽章」でした。
ここに取り上げたものはその「陸軍大学校卒業徽章」です。「アジア歴史資料センター」にある一次資料では、明治20年10月7日の「陸軍大学校条例」に「卒業証書及ヒ之ヲ表章スル徽章ヲ付与ス」とあるのが最も古い記録でした。これを着けたエリート将校の振舞が部内でも問題になったと見え、ニ・ニ六事件の直後である昭和11年5月に「粛軍」の一環としてでしょうか、廃止されております。この廃止が現実に効果があったかどうかですが、参謀飾緒がそのままであった以上はさほどの効果はなかったと思います。

本品はオークションで入手したもので、出品者がミリタリア方面でない方だったので入手経路は推定しかありませんが、私個人としては大正期のものと推測しております。その、たいへん誠実な出品者の方が掲示された詳細な画像を、そのまま使わせていただいてコンテンツと致しました。

かなり使い込んでいるようで、表面に傷はないものの、磨耗しているようです。星は金色なのですが退色しております。 厚みをご覧ください。 菊紋の変形と思われる楕円形の意匠は光線(花弁)が二重になっていますが、上下だけは切れており、その間にピンが見えます。
裏面はフラットですが、裏に板を当てており二重になっています。汚れていますが銀台と思いますので磨けば光るはずです。 ピンの裏にはメーカーと思われる刻印「K.H.」があります。この徽章のメーカーは他に服部(銀座四丁目の和光)製を見たことがあります。クリックして拡大画像をご覧ください。 以前持っていた陸軍大学校卒業徽章2種類です。明らかに大きさが異なります。裏面を見ると裏板がなくて凹型になっています。右の徽章は章自体の大きさが小さいのにピンは短くなっていないと見え、ピンが表から見えます。
クリックして拡大画像をご覧ください。


図版「勅命特定陸軍各徽章種類図式等に関する件」明治45年
(出典:「アジア歴史資料センター」)

トップページにもどる→