「スーパー・ブラックオニキス」作品解説



 1987年、東京創元社より発行。各単語の頭文字をとって、通称「SBO」と呼ばれる。詳しい期日は不明だが、創土社からリメイク版が出版予定らしい(2003年12月現在の状況)。

 前作「ドルアーガの塔」三部作と同じく、コンピューターRPGのゲームブック版である。

 ゲームブック化という作業は人それぞれ。忠実にオリジナルの空気を再現する作家もいれば、開き直って独自の要素で塗り固める人もいる。「SBO」は前者にあたる作品で、特に「パーティプレイ」の複雑なシステムを取り込んでいるのはお見事としか言いようがない。

 迷路はおなじみとなった双方向性で、多彩な怪物・罠がプレイヤーを待ち受ける。単なる経験値やお金稼ぎの連中ばかりでなく、一癖も二癖もあるキャラを混ぜてダンジョンに味付けをしている。600という限られた分岐数をやりくりするテクニックはなおも磨きを増しているかのようだ。
 前述したパーティプレイの導入やクリアフラグの増加のため、必要な記号チェックはやや多め。そのため鈴木氏が述べているように初心者向けではないかもしれない。だが、コンピューターのみ可能だった「パーティ結成→ダンジョン→戦利品でパーティ強化→再びダンジョンへ」という一連の流れを再現するには、これだけの複雑化は仕方ない。
 オリジナルの骨組みを残しつつ、ゲームブックという「読んで考えて解く」作業にふさわしい場面や謎を用意する。この二本柱をうちたてる手腕こそが、鈴木直人氏を日本最高のゲームブック作家と呼ばせているものではなかろうか。



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