最終更新日:2012/9/12 水曜日

ご挨拶

 
獣医の医療ミス 管理人



 
《私の記憶はあの医療ミスの日から氷のように凍てつき、時計の針は止まったまま動いていません。残された家族一同支え合い、理不尽な逆風に負けてはならないと外見的には元気に振る舞おうと努めています。しかし深い悲しみに包まれた心の傷は生涯消え去ることはないでしょう。
 
医療ミスを回避するために慎重に動物病院を選び、長年付き合ってきた末に受けたこのつらい経験と悲しみは二度と味わいたくありません。また他の飼い主の皆様にも絶対に経験して欲しくありません。
 
「安全で安心な獣医療を求めたい」  この強い気持ちは永遠に変わりません。》
 
無我夢中で突き進むうちに、あっという間に10年が過ぎました。 2002年夏に抜歯手術の麻酔ミスで愛犬を亡くしたことをきっかけに立ち上げたHPです。
 
動物病院選びとその後の付き合いは本当に難しいものです。
 
事故当時、それまで幾度となく試みた獣医との信頼関係構築の努力がいかに一方通行でむなしいものであったかと沈痛な気持ちでした。ホームドクターとして通院中、「いい先生になってください」と支援し関わってきた日々は水泡に帰しました。
 
 該当病院では最近も、犬避妊手術に飼い主に無断で脾臓を摘出し、しかも創感染で再手術した例がありました。飼い主への説明もなく、安全に行うべき避妊手術でさえ満足にできず、治療の進歩も改善もないままに医療ミスを繰り返しています。
この5年間、その後も同じ場所で繰り返される飼い主の方々の悲しみを聞くにつけ、あの謝罪文の意味は何だったのかと思わずにいられません。
「もっと崖っぷちの覚悟でお仕事してください」
愛犬の遺骨を抱きながら、そらそうとする獣医の目を捕らえて言った最期の言葉が何故届かないのでしょう。 
 
 
 
今回の事故後、私は麻酔内容との因果関係について、当時評価を得ている複数の病院に意見を求めました。
 
「麻酔に事故はつきもの。お気の毒ですが、わんちゃんの運命ですね。」
 
「モニターをつけない手術は、特に不当なことではありません。心電図を持っていない先生もいますからねえ。」
 
「心電図だけでは駄目ですね。うちのは6項目いっぺんに測れますよ。術中管理責任の欠如? そういうこ と言われてもねぇ、 ははは。」
 
「モニターは、何か重大な病気がある場合につけるもので、健康な個体には特別つけなくても構わないものです。抜歯のような簡単な手術ではまず普通はつけませんね」
 
「麻酔レシピが間違っているとは言えない。麻酔法は先生それぞれが独自に選択している。」
 
「命あるものはいつかは死ぬものだ。そんなことよりこのように原因について他院に 意見を求めるのはこれまでお世話になった先生に対して失礼ですね。無礼千万、もってのほかです。」
 
「御愛犬を亡くされたお気持は十分に理解できますが、悲しみを獣医師にぶつけるのは如何がなものでしょうか。そういうことでは信頼関係が困難になります。御愛犬の成仏のためにもそんな考え方は止めるべきです。」
 
「私も同じようなミスをするかも知れない。何か問題が起こった時に訴えたり批判するようなら信頼関係は作れない。安心して診療などできない。」
 
「後になって文句を言うくらいなら、さっさと転院すればよかったんですよ。」
 
「そのようなミスは誰にでもあることだ。私だって間違うことはある。あなただって間違うことはあるでしょ。お医者さんを見ても分かります。ミスを取り沙汰して騒ぎ立てられたら困るのは同じです。」
 
「ああ、その先生ついやっちゃったんだねぇ。あるんだよねぇ、これは知り合いの話だけど、麻酔で似たようなのが結構あるみたいだねぇ。」
 
いずれも、今回の麻酔管理と麻酔方法に関して獣医師は何ら責任を負うものではないとの意見でした。
 
『獣医療の国家資格を有し、術者の任を負う立場であるからには、医療水準に照らして最善の麻酔薬と麻酔方法を実践するのが当然である。手術の基本として、麻酔下では術者の絶え間ない看視が必須である。いかに優れたモニター機器であっても人間の解釈が重要であり、万一に備えて適切に対処する能力を持って初めて手術を受託すべきである。』
術者の資質についてこのように考えていた私は、上記回答をいただいて残念な気持ちでした。本質的な病態把握を省略するその場しのぎの獣医療臨床と獣医師の責任のなさを感じたからです。獣医師が真実を糊塗する現状を如実に示しています。
臭いものに蓋をする意識と、都合の悪いことは飼い主の目をそらし、いずれ追求されなくまる時期を待つという無責任体質そのものです。
危機管理の意識が不足していては医療の質は保証されません。獣医師が「動物を物とは思っていない」といかに声高に叫んでも飼い主の信頼に応えているとは言えないでしょう。診療、看護、接遇などが今のように粗雑では飼い主と動物を十分に守れません。
飼い主が家族の一員である動物を信頼して預けられるように、獣医師はより高い意識を持ち、医療の質向上にこだわる必要があります。
 
 
荒涼とした時間が過ぎる中、食事も睡眠も一切受けつけなくなった家族がある時、ぽつんと言った言葉。
「動物の医学は進んでいるのに、現実に動物を診てくれる動物病院ときたらまるで医療過疎地域の有名無実の診療所か野戦病院みたいだ。医療行為で本質的に避けて通れないはずのエラーを自らコントロールする気も能力もなければ、言うほどの診療能力を維持できる訳がない。
まさに飼い主と動物は未だに医療難民かも知れません。
 
愛犬の受けた医療ミスを当HPで紹介してからも、重大な誤診とミスが全国で続発しています。
多くの被害報告を耳にするたびに、飼い主の願いがいっこうに聞き入れられない獣医療に憤りを覚えます。ワクチンやフィラリアなどのプライマリーケアを通して飼い主が獣医師によせる信頼感を、いざというときに簡単に断ち切る行為が横行しています。こうした現状を見るにつけ、悲しみは増すばかりです。
 
70歳の飼い主の方からいただいたメールには次のように書かれていました。
「長年犬と暮し、病気にさせないように健康には充分気をつけてきた。必要とあればどんなに遠くの動物病院へも行ってみた。治療を受けて良かったことは否定しない。しかし、ほとんど一時しのぎの対症療法に過ぎなかったと後になって判った。動物病院の実情を知るにつれ、今ではとても怖くて病院には連れて行けない。どこも頼ることができない。」
 
 
「先生は、私の家族を守ってくださる方と考えてよろしいでしょうか?」
 
例え心の中の声であっても、診察室でこの問掛けをしなければならないのは飼い主にとって情けないことです。治療に際して、飼い主が動物を獣医師から守らねばならない異様な状況は本来あってはなりません。
 
現在までHPを続けてきて、獣医療界に深くはびこる命軽視の医療倫理と、動物の苦しみさえをも練金する営利追求体質の高い壁、を感じています。
 
また、旧態依然の獣医師観が支配する獣医療社会は、高い志を持つ新しい世代の獣医師の将来をことごとく潰してきました。獣医療の本質から目をそらしてきた結果が今の獣医師界の惨状であり、動物と飼い主達がその犠牲となっているのです。
 
当HP掲示板には、獣医療ミスは特殊な事例であって医療ミスの議論はあたかも間違いであるかのような獣医療者の意見が多数寄せられてきました。
 
 最近では、
「獣医師を否定するサイトを開き続けるなら、あなたのペットが病気になったとき困るのはあなたとペットではないですか? 獣医師のご機嫌次第でペットの命はいかようにも料理できますよ。生命を生かせる力量があるという事は、その逆は造作ないという現実に気がつきませんか?
 もし、あなたが亡くしたわんちゃんの他にペットを飼っていればの話ですが。  ペットの命を賭けて自己陶酔じみた安っぽい正義感を貫くお覚悟なら、それはそれで見上げたものですね。」
、などの忠告メールを受け取りました。
 
当HPは、獣医師及び獣医療を否定するものではありません。真摯で誠実な獣医療の発展を望んでいます。
しかし、実際には獣医療ミスはいたる所で発生しています。医療ミスの存在と内容を議論してこなかったために、いつまでたっても同じミスが繰り返されています。
悲しむべき事に、当掲示板では、図らずも実際の診療現場で飼い主が直面するのと全く同様の問題、すなわち、
「社会性の欠如、社会化トレーニングの不足、未熟な倫理観、あまりにも不十分な臨床応用力、さらには医療事故回避にもっとも重要な危機管理意識の希薄さ」
を見るに至りました。これは医療ミスを議論する以前の段階です
 
 「誠実さ」を、あたかも、飼い主の愚かな戯言であるかのように嘲笑する卑怯な獣医師が存在は、かりにごく一部であっても、その獣医師が勢力争いに勝って地位を築き、獣医療社会の主流になる可能性もあるだけに、飼い主は言いようのない不安を覚えます。 
 
決して平坦ではなかった6年間を振り返るとき、これまで断念せずにHPを続けてこられたのは、ペットを家族の一員として愛し獣医療問題で苦悩している多くの飼い主の皆様の賛同があったからです。
 
また、心ある獣医師の方からの励ましも頂戴しました。
「飼い主様の声は、獣医師個人の力ではどうにもならない業界体質を変える原動力になります。頑張ってください。」
 
獣医療向上を求めるたくさんの皆様のご意見はHP運営の大きな支えとなっています。
 
ごく ささやかな個人サイトではありますが、ペットの健康を守るために、より多くの方々にこうした医療問題を考えていただきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
 
 
 

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