環境変化とカエルの大量死、奇形の発生

近年の環境変化に伴って、カエルの大量死や奇形の発生が問題になっています。これらの真の原因を探る研究が米国や オーストラリアなどで盛んに行われていますので、これらについて簡単に紹介しましょう。

1. カエルの大量死
オーストラリア
数年前、オーストラリア西南部の港町Perthの農場で、多数のカエルが死んでいるのが見つかりま した。この農場では、化学物質や農薬を一切使っていないのに何故 カエルが大量に死んだのか?その原因を調べた結果、死んだカエルはchytridという ツボカビの1種 (Batrachochytrium dendrobatidis)に 感染しており、これが大量死の原因であることが明らかとなりました。 この病気について、過去の資料を調べてみると、1993年、Queensland (オーストラリア北東部)の北端でこの病気の大流行があり、12種以上のカエルが大量死し、 そのうち4種は消滅しています。その5年後には、このカビは オーストラリア中央部Nullarbor砂漠6,000Kmを飛び越え、 オーストラリア西部に広がってきたことになります。実際にはQueenslandからのバナナの箱に 入っていたカエルが原因であったようです。さらにさかのぼって調べてみると、1979年 に、Brisbane(オーストラリアの東岸、中部)港の北側で カエルの減少が起こっています。従って、このカビは1970年代に多分外国からの荷物に紛れ込んだ カエルから導入され、年に100Kmの割合で北上し、さらに大陸を横断して西岸にたどりついたものと 考えられます。

アメリカ
これはオーストラリアだけの問題ではなく、中米パナマ、コスタリカ、あるいは北米でもカエルの大量死が見られます。
1970年代以降、アメリカ大陸でもカエルの種の絶滅、生息密度の低下あるいは奇形の出現などの 諸現象が起こっており、この原因を突き止めるために広範な研究とモニターリングが行われてきました。不思議なことに多くの 場合、人の滅多に入らない原始林や保護域でカエルの個体群や種が消滅していることが分かりました。保護域のカエルがどうして こんなに減少したのでしょうか?カエルは炭坑のカナリアのように、環境変化に敏感で、生態系診断の指標として働いているので はないかと考えられ、紫外線の増加、地球温暖化あるいは汚染物質などの環境変化についての研究が続けられてきました。しかし、 この10年間の精力的な 研究にもかかわらず、カエルの突然死と環境因子に弱い相関が見られたものの、実際にカエルを殺している因子を見出すことは できませんでした。ツボカビ(chytrid)が初めて指摘された時ですら、科学者の多くはそれを単 なる一過性のものに過ぎず、時と共に忘れ去るものとしか見なしませんでしたが、今回のオーストラリアで起こったカエルの大量死の 原因がこのカビにあることが証明され、今までのカエルの大量死の原因はツボカビ(chytrid) であることが確実になりました。

ツボカビ(chytrid)
アメリカの研究チームは実験室でchytridが健全なカエルを殺すことを実証しました。また、過去の サンプルを検証することによって、1974年のColorado Rockiesで のleopard frogsRana pipiens)の大量死やアリゾナ のlowland leopard frogsの消滅などのも、このカビが原因であることも確認されました。勿論、 あくまで環境変化が原因で、chytridが原因である とする説に反対している者も一部にはいます。
この病気で死んだカエルからchytridを分離し、健全なカエルに摂種するとカエルはすぐに死に、 さらにこの実験で死んだカエルから分離したchytridも病原性を持っています。病原性のない菌を 接種した群では死亡は見られなません。これらの事実から、この病原菌は病原性のないchytrids から変異によって、病原性が高まったものと考えられます。また、このカビの遺伝子解析の結果から、中米のカエルに感染 したchytridsはオーストラリアのものと同じであることも確かめられています。

この病原性のchytridはカエルの表皮のケラチンを栄養とし、無性的に分裂増殖します。カエルは 水分を皮膚から摂取するので、カビが皮膚を覆うことによって、水分不足で死ぬのではないかと考えられています。この病気の感染 は環境因子が補助的に作用する日和見感染ではなく、よい環境においても感染し、免疫系に障害を受けて死ぬことが明ら かになっています。
一方、病原性chytridは低温で、湿った所を好むので、比較的低温の山間地に多くいます。 このカビはオタマジャクシにも寄生しますが、オタマジャクシを殺すことはなく、変態してカエルになって死にます。従って、 カエルの多くは冬眠中に死に、繁殖のため池に帰るカエルの数が減っているのです。冬の間は研究者は山の奥深くまで観察に行く ことはなく、春になってやせ衰え、池の周辺で息絶えたカエルを観察していたのです。皮肉にも、研究者が調査のため頻繁に奥地に 入ったのもカビを広めた原因の1つとなったようです。

大量死の原因がchytridであることは確かですが、環境要因を全く否定することもできないでしょう。 例えば、カエルの減少は生息地が減少したためであることも事実です。そして、小さい群のカエルがchytrid やその他の病気に対して弱いとも考えられます。汚染物質や紫外線のような環境因子がカエルの健康状態を悪化させ、 カビの感染を受けやすくしていることも考えらます。 研究者達はそれを証明しようとしていますが、未だ明確な解答は得られていません。

オーストラリアでは、chytridが広がるのをストップさせようとキャンペーンを張っています。 しかし、米国の科学者は野外での注意を怠ってはいませんが、あくまでも環境因子を強く主張しています。 「環境問題」とすれば、研究費が潤沢に得られることがchytridsを 受け入れない原因の1つにもなっています。

2. カエルの奇形
手長のカエル
ホルモン作用物質がカエルなどの両生類や爬虫類に異常個体(奇形)を作ることが知られています。オタマジャクシの手首を切断する と、手首は再生されますが、この時レチノイド(ビタミンAとその関連化合物を総称してレチノイド という)を投与すると、手首が再生されるべき所に肢の基部から全部が再生され、手長ガエルができることをインド のS. Niazi1960年代に見つけました。 この奇形はカエル以外の両生類や爬虫類では一般に起こります。何故このような現象が起こるのか?はまだよく解明されていま せんが、体には中心から末梢に向かって何らかの濃度勾配があって、位置によって濃度が異なり、これを位置価と呼んでいます。 レチノイドは位置価を狂わすと考えられています。

殺虫剤として用いられているメソプレンは昆虫の幼若ホルモン(幼虫脱皮に不可欠なホルモン)の類縁化合物で、幼若ホルモンの 作用を持っています。従って、変態(幼虫から蛹に変わる)時にメソプレンを投与すると、正常な変態が妨げられて、幼虫と蛹の 中間の奇形を生じます。メソプレンの化学構造はレチノイドに似ていますが、メソプレンはカエルの手を長くする作用はありません。

肢や指が余計にある奇形のカエル
肢が余分にあったり、あるいは指が10本ついたりした 奇形のカエル も見つかっています。1995年、 ミネソタのある学童がこのような奇形のカエルを見つけました。世界中でカエルの大量死が問題になっている時だけに、 環境変化が動物たちに悪影響を及ぼしているのではないかと関心が高まりました。 最初は化学物質が犯人ではないかと疑われてましたが、2つの研究論文から、犯人は寄生虫である ことが判明し、化学物質の疑いは晴れました。スタンフォード大学の研究チームは扁虫(trematode) の一種の寄生虫Ribeiroia sp.が犯人であるこ とをつきとめました。Ribeiroia spは水棲のナメクジ( Planorbella tenuis) を終宿主としていますが、オタマジャクシやイモリなどを中間宿主として寄生します。この寄生虫はオタマジャクシの体中で変態し、 オタマジャクシに四肢が生える時期にシストを形成します。このシストが細胞間を動きまわって、物理的に細胞の位置を変えるため に、余分な肢や指ができると考えられています。

この事実は実験室でオタマジャクシに寄生虫を寄生させることによって確認されました。また他の研究者はシストの代わりに プラスチックのビーズをイモリの肢に移植し、余分な肢を作ることに成功しました。
寄生虫で誘導された奇形とレチノイドで誘導された奇形を比べると、前者では肢全体あるいは肘や手首部分から先が鏡像二重体であ るのに対して、後者は肘や手首から肢全体が生えた手長の奇形である点に明瞭な違いがあります。

199983日 のTBSニュースと、その後、噂のチャンネルで、北九州市で肢の数が多いカエルが見つかったことを 報じていました。環境学の専門家と称する人が、そこは米軍使用地の跡で、過去に多量のDDTが用いら れたためではないか?と見事な三段論法を論じていました。これは、上に述べた2つの奇形を混同し、レチノイド構造に近い メソプレンが殺虫剤(農薬)として用いられ、DDTは農薬(すでに禁止になっている)だったこと をごちゃごちゃに混ぜ合わせ、先入観で推理したものでしょう。これらの報道により、多くの人はカエルの 奇形はDDTであると信じていることでしょう。先入観から、いい加減な結論を導くのは、真の原因を 見失うことになりますので、厳に慎むべきだと思います。

奇形のカエルは過去にも発生していた
寄生虫によるカエルの奇形は1995年に発見されたのですが、この事実はすでに何十年も前から知られ ていたことが米国の生態学会(2003年)で報告されました。
余計な肢を持つ両生類の報告は今に始まったものではなく、1700年代の初めに遡ることができます。Johnson と共同研究者は、古い時代に見つかった奇形も寄生虫が原因であるのではないかと疑いを持ち、California からMississippiに至る7州の池で得られ、博物館や収集家が保存 している標本を追跡調査しました。これらは1946年から1988年に 得られたものです。その結果、9つの池の中6つの池の標本 でRibeiroiaのシストが見つかり、現在の寄生虫と同じであることが明らかになりました。 彼らはこれらの池に行って、3つの池にまだ奇形の両生類や寄生虫が多数いることを確認しています。 カエルの奇形の出現は今に始まった現象ではないので、心配するには及ばないということを意味するものではありません。 この5年間で、新たに50箇所で奇形の両生類が見つかって います。彼らが調査した池では農薬は検出されませんでした。牧場や農地から栄養物が流れ込み、寄生虫の終宿主であるナメクジ の棲息密度を高めたのではないかと考えられています。

ホメオーシス
体の付属器官が他の器官に置き換わった個体、例えば目や尻尾の部分に肢が生えているような個体、は古くから両生類や爬虫類に 見られる現象で、これをホメオーシスといいます。これは1894年にベーツソンにより名付けられました。その後、 ショウジョウバエで形態形成に関与する多くの遺伝子が見つかり、これらをホメオティック遺伝子と呼んでいます。 ホメオティック遺伝子の中で、肢や触角などの付属器官の形成に関与する遺伝子群に、アンテナペディアおよびバイソラックス 複合遺伝子群があり、これらの遺伝子に突然変異(ホメオティック突然変異)を起こすと、このような奇形を生じます。従って、 この奇形は前の二つの奇形と違って、遺伝子の突然変異に基づいて生じる奇形です。

3. 雄のカエルの雌化
アトラジンという除草剤は低毒性で、自然界での分解が早く、選択性があるので、米国のみならず世界的に最も多く主にトウモ ロコシ畑に使われている除草剤です。ところが最近、アトラジンが米国のいろいろな地域にいる野生のアカガエル (leopard frogsRana pipiens)に生殖異常を起こすことが 明らかとなりました。オタマジャクシを実験室内で、孵化直後から尻尾がなくなるまでの間、アトラジン溶液に暴露させると、 雄の生殖器の矮小化や雌雄同体性(雄の雌化)などの生殖異常が起こります。 このような異常はアフリカツメガエル(Xenopus laevis)やコオロギガエル属 の1種(Acris crepitans)の雄にも見られます。 アトラジンは雄性ホルモン(androgens)を雌性ホルモン(estrogens) に変える酵素(アロマターゼ)を誘導することによって、雄の体内で、雄性ホルモンに代わって雌性ホルモンが合成・分泌されると 考えられます。
このように水系のアトラジンは両生類に対して(爬虫類に対しても?)外因性内分泌撹乱物質(いわゆる環境ホルモン)として働く ために、その使用は著しく規制され、一部の国では使用が禁止されています。

4. カエルからのメッセージ
地球温暖化で懸念されることの一つは病原菌の感染率が高まることです。一般に地球が温暖化すると、病原菌の活動が活発になり、 感染病による生物の絶滅の可能性が高くなると考えられています。 Global Amphibian Assessment(GAA)によると、 両生類の約1/31,856種)は地球規模で絶滅危惧種に指定されています。 中央および南アメリカには、固有種であるヤセヒキガエル属(Atelopus属) 110種が知られていますが、このうちの67%が 過去20年間で死に絶えてしまいました。また、同じヒキガエル科に属するオレンジヒキガエル (Bufo periglenes)も同じ 運命をたどっています。右図は パナマにいるヤセヒキガエルの1種で、まだ生存してはいますが、 その数は激減しています。
絶滅の原因はこれらのカエルの皮膚に感染する病原菌 (ツボカビの1種、chytrid, Batrachochytrium dendrobatidis)によるものです。 そして、この絶滅の約80%は、 この地域全体が異常に暖かかった年に起こっています。 ところが、ツボカビは比較的低温を好み、17-25oCで生長し、至適温度 は23 oCです。28 oCで生長は止まり、 30 oCでは死ぬということです。これは、異常高温でカエルの死亡が高まる ことと矛盾しています。
この矛盾を解くために、Poundsらは カエルの生息地の海抜とその土地の微気象との関連を詳細に調べました。 海抜0-199mでは、ツボカビの感染は全く見られません。低地では、このカビは全く病原性がなく、 死体などにのみついて生長しています。 海抜が高くなるにつれ、感染による死亡が高まり、海抜1,000-2,400mでは 90.2%が姿を消しています。これ以上高くなるとまた、感染率は著しく低下します。 ヤセヒキガエルの多くの種は、海抜1,000-2,400mの高地に生息していて、 この高度の微気象がツボカビの最も好む条件に一致したためであることが明らかとなりました。
では、このツボカビが何故突然出現してきたのでしょうか? このツボカビの最も古くから知られた宿主はアフリカツメガエル (Xenopus左図)で、 1938年に南アフリカで記録されています。アフリカツメガエルの組織を用いた妊娠テストが開発 されて、アフリカツメガエルの世界的な取引が1950年代に急速に広まりました。 現在では、アフリカツメガエルは発生生物学の研究材料として、多くの研究室で使用されています。
この写真は東京大学の浅島 誠先生の許可を得て、掲載しました。
記録によると、この病原菌が世界中に広まったのは1960年代です。皮肉なことに、、 アフリカツメガエルの取引を通じて、この病原菌は広まったと考えられます。予想もされなかったことが、現実のものとなってしまった 結果なのです。


ヤセヒキガエルとツボカビが、地球温暖化が生物多様性に影響する唯一の例ではありません。北極圏の温暖化は ジャコウウシの寄生線虫のライフサイクルを二年から一年に変え、数が増えているとのことで、ジャコウウシの生存や生殖に大きな 影響が予想されます。 同様に、米国西部山岳地では、温暖化によりキクイムシ(Dendroctonus ponderosae右図の左)の ライフサイクルが2年から1年に なっています。このキクイムシはゴヨウマツ類発疹さび病菌(右図の右) を伝播し、キクイムシの数が増えるにつれて、ロッキー山脈の高地の森林のマツに重大な被害を与え始めています。
地球温暖化は前例のない速さで進んでいます。したがって、アリからシマウマにいたる多くの種がヤセヒキガエル属が直面していると 同じような試練を受けていると考えなければなりません。また、予想外のことを予想しなければなりません。 カエル達は人々に、生物多様性の将来と大気の重要性を守る必要があることについて、警鐘を送り続けています。

ニューヨークのBronx動物園の両生類展示館のプラスチック製の水槽の中に (右図ー右)にマスタード色をした指の爪ほどの 小さなカエルが飼育されています。 このカエル(右図ー左) はKihansi spray toadNectophrynoides asperginis)といい、ヒキガエル科、コモチヒキガエル属に属しています。 このカエルは12,800 kmも離れたタンザニアの Udzungwa山にあるKihansi渓谷からやってきました。 この渓谷は、Kihansi川が 100mも落ち込んだ大きな滝に始まって、曲がりくねって流れる 下流4kmの大きな渓谷で、水は一年中流れています (下図)。 滝つぼ周辺は絶え間なく水しぶきがあがり、水しぶきが作る風が舞う特殊な環境です。この特殊な環境で、このカエルや 他の固有生物が、何百万年もかけて進化してきました。この渓谷の滑り易い岩肌と凶暴な流れが長い間人を近づけなかったので、 この水しぶきの中の生物は誰にも邪魔されず、見つかることもなく生存してきました。
このカエルは特殊な環境で進化したため、形態的にも、生理的にも他のカエルとは 違っているとのことです。例えば、水しぶきを拭き取るために、鼻にワイパーが付いているし、急流に流されないように、卵と おたまじゃくしのステージがなく、胎生のようです(私自身もこのカエルのライフサイクルは知りません)。 滝の音にかき消されないように、チャット、チャットという鳴き声は振動数が高すぎて、人には聞こえないほどです。 しかし2000年、この渓谷の上流に水力発電のダムが作られ、 水の90%が水力発電にまわされたため生態系が崩れ、今はもう現地では このカエルは見られません。この動物園の水槽の中だけがこのカエルの唯一の生息地なのです。

ダム建設の前にダム周辺の環境アセスメントを行ない、環境にやさしいプロジェクトであるとの結論を得たのですが、 滝つぼの周辺にまでは環境アセスメントは実施されていませんでした。 ダムの基盤整備が一部整った時点で、下流域の環境アセスメントの必要性が叫ばれ、科学者による滝つぼの環境調査が行われた 時に初めてこのカエルが見つかりました。ダム建設による生息地の環境悪化が予想されたので、 この生息地を守るために、もとの水量の10%をパイプで作った人工のスプリンクラーに流し、もとの 面積の1/4程度ではありますが、一応生息地を確保することに成功しました。 その結果、20036月には、2万匹 のカエルが生存しているのが確認されていますが、それが20038月には40匹、 20041月には5匹が確認されたに過ぎず、それ以後は 鳴き声を聞いたという人もいますが、実質的には絶滅したと考えられます。

では、何故カエルは絶滅したのでしょうか? このカエルの絶滅の直接の原因は、前述のツボカビ(chytrid)にあったようです。 このツボカビは以前はいなかったのですが、カエルが絶滅する前には存在が確認されています。ツボカビをここに持ち込んだ のはスプリンクラーのパイプか、あるいは4大陸から集まってきた多くの研究者の長靴ではないかと 考えられています。 ダムの上流でトウモロコシを栽培する農家が増え、彼らが用いた殺虫剤が原因であると主張する人もいます。 しかし、これらは直接の原因に過ぎません。本質的には、渓谷の環境が破壊されたために、カエルの個体群は弱り、 化学物質や感染病がその仕上げを行ったと考えられています。
生息地を守るために、人工スプリンクラーを作るなどの対策は施したのですが、人工のスプリンクラーでは上流の堆積物を運んで くることもなく、水しぶきが作り出す微妙な風も起こりません。堆積物や風がどのようにカエルの生長に影響するのかは 分かっていませんが、自然の現象を人工的に再現することの難しさを物語っています。
タンザニア政府および関係者は、「このダムの建設計画は生物多様性保全と経済的発展のバランスを保つようデザインされ、 これを誠実に実行した」と自負していますが、実際にはタンザニアは電力は得ましたが、貴重な生物種を失ったことに なります。これを教訓に、開発に当たっては環境アセスメントを最重要視しなければなりません。

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