体長1メートル近い大きなアジ

ダイビングの素朴な疑問

ダイビングを始めたいと思ったきっかけは人それぞれだと思いますが、だいたいの人は南の抜けるような青い海で色とりどりの熱帯魚に囲まれて泳ぐ姿をイメージするのでは。。。そのためにはCカードと呼ばれるものが必要です。ただしこのカードは国や国際機関が認定する公的なものではありません。

ダイビングにはPADIやNAUIが有名ですが指導団体というものがあり、そこが選んだインストラクターが「この人は自己責任で潜れます」と証明したのがCカード。潜る時間や深さ、そして潜る場所を自分の技術に合ったレベルにすることで初めて、自分も周りの人も、水中世界を楽しむことができるのではないでしょうか。

★スクーバダイビング(Scuba Diving)ってなんですか?

スキューバともいいますが、SCUBAとは"Self-Contained Underwater Breathing Apparatus"の頭文字からきています。どひゃ〜って感じだと思いますが、直訳すると「単独水中潜水器具」、つまりこの器具を使って他人の助けを借りずに潜ることを言うわけです。フランス人の海洋学者ジャック・クストーが開発しました。

圧縮した空気(エア)が入ったタンクを背負い、タンクの空気圧を呼吸に適したものに下げるレギュレーターという呼吸器具を使って潜ります。よく「酸素ボンベ」っていうことばを耳にしますが、タンクの中に入っているのは空気で、厳密には酸素ではありません(エベレスト登山などに使うものとは全く異なるということ)。濃い酸素を水中で長時間吸うと、「酸素中毒」になることがあります。

★危なくないですか?

ダイビングは、きちんとした知識を持って潜らなければ危険なスポーツです。

人間は陸上で生きるようにできている生き物ですから、器材の助けを借りるとはいえ海中は「不自然な場所」。器材に問題があれば、すぐ呼吸に支しつかえて、命の危機にさらされる場面に直結してしまいます。また、予期せぬ出来事から水中でパニックを起こし、それが重大な事故につながることもあります。

また、水中は陸上より圧力がかかります。海抜ゼロメートルのところでは1気圧が体にかかっていますが、水深10メートルになると2気圧、20メートルで3気圧、とどんどん圧力が高くなります。ダイビングというより「潜水」をお仕事にしている方たちは別として、一般の人が遊びとしてダイビングをする場合は一般的に深度は30メートルまでが限界とされています。もちろん、物理的には30メートルよりも深く潜ることはできますが、それに伴ってリスクも高くなります。

たとえば、圧力は身体にかかるだけでなく、呼吸している空気にも影響してきます。ダイバーはレギュレーターと呼ばれる器材の力を借りて、常にタンクから空気を供給されるわけですが、水深20メートルで一呼吸したときの空気の量と水深10メートルで一呼吸したときの空気の量は、実は異なっています。深いところではより強い圧力がかかった状態のためです。

ポテトチップなどの袋を飛行機の中に持ちこむと、フライト中の機内ではパンパンに膨らむことがありますよね。あれと同じ仕組みです。ですから、例えば息を止めた状態で急激に深度を変える(特に深いところから浅いところへ移動する)と、肺が破裂する、なんていう事故もあるとか。

また、こうして圧縮された空気を一定の時間吸っていると、空気の主な成分の窒素が体の関節や筋肉などにたまっていきます。いったん蓄えられた窒素は陸上に上がると排出されていくので本来は人間の身体に悪い影響は残しませんが、ある条件を満たすと「減圧症」という体内に残った窒素がきちんと抜けず、骨や関節、その他の器官を傷める病気になることがあります。

症状がひどいと死んでしまうこともまれにありますが、人工的に高い圧力を体にかける装置に一定時間入り、窒素を体内から排出させる治療法が確立されています。ただしこの装置(チャンバーといいます)、どこにでもあるわけではなく場所によっては搬送に時間がかかって症状が悪化することも考えられます。

また、完治しない場合もあるらしいので、減圧症にはならないにこしたことはありません。潜水深度や時間をきちんと管理すればほぼ防げるといわれていますので自分を過信しないことと、ダイビングの仕組みをよく理解することが大事だと思います。

さらに、海の中には毒をもつなど、危険な生き物もいます。ただし、こうした生き物たちはいたずらに人間を傷つけたりは、しません。私たちダイバーが相手の生き物のなわばりをおかしたり「威嚇された」と感じたときに危害を加えられてしまうわけです。海の中は魚や動物、植物などに触らないように楽しみたいものです。

★ダイビングは始めたいのですが、一緒に講習を受けられそうな友だちがいません。

なぁんて言っているとずっと始められないですよ〜。というのは冗談ですが、1人で申し込む人の方が全体に多いようですので、心配ありません。

一緒に初めての講習を受けた仲間とは、泊まりがけで一緒に食事やお風呂を共にしますし、お互いへたっぴ同士だったことを知っているので親しくなり誘い合って潜りに行くグループができることもあります。また、国内外を問わず、潜りに行った先でたまたまバディを組んだのがきっかけで意気投合してその後も誘い合わせて一緒に潜る、なんていうこともしばしば。ダイビングの世界は広いようで意外と狭いので伊豆の海に潜りに行ったら知り合いにばったり、なんていうのもよくある話です。

新しい友だちをたくさんつくるチャンスと考えてみては。

★Cカード(Certificate Cards)って何?

certificateとは「認定」という意味です。潜るためには、上に述べたようなことをひととおり理解している、ということを証明してくれる認定カードが必要になります。このカードを出すと、圧縮空気の入ったタンクを借りて、潜ることができます。

認定カードを発行する団体を「指導団体」といいます。日本には約20の指導団体があるそうです。中には海外に行ったときにCカードとして通用しないものもあると聞いていますので、外国の海で潜りたい人はそうしたことをチェックすることも必要かも。カードを手にするには、器材の使い方、潜水の仕組み、体にかかる圧力や窒素、酸素の影響などを勉強してテストに合格し、さらに、まずプールで練習し、最後に実際に海で潜って基本的な潜り方を学ぶことが必要です。といっても、インストラクターのいう通りにやれば、そんなに難しいものではありません。

★Cカードはどこで取ればいいですか?

Cカードは指導団体が認定したインストラクターが発行します。そのためにはテニススクールなどと同じで自宅や職場、学校の近くにある「ダイビングショップ」といわれる所に通うか、沖縄や海外のリゾートなどに休暇のときに行って一気に取る方法の2つがあります。かかる費用は千差万別ですので、十分に下調べをしてください。

★お金はいくらかかりますか?

日本でダイビングにはまっている人でお金もちという人には、実はあまり会ったことがありません。

まず、最初のCカードを取るための費用がかかります。講習自体を19,000円など非常に「安い」値段で広告しているダイビングショップがありますが、その値段ではすまないことは間違いありません。今の日本のダイビング講習のシステムでは、講習の時に器材を買わなくてはならない、あるいは買いたくなるような仕組みができあがっていることが多く、その器材は決して安いものではありません。

ただ、本来は講習を受けてみて、自分がこれからダイビングをずっと続けていきたいと決めたうえで器材を買うかどうか決定するべきなので、最初から器材を買う、というより買わされるような雰囲気になったら注意が必要です。

また、ダイビング器材は買ったあと、一定期間をおくとオーバーホールが必要になります。基本的に塩水の海に漬かる物なので、部品の劣化がないか、高圧の空気を通して問題がないかチェックする必要があります。潜った本数や器材の取り扱い方法、さらに器材メーカーのサポート体制などで変わって来ますが1回のオーバーホールには2万円くらいはかかるかも。

さらに、せっかくダイビングをするなら海外に、沖縄に、と潜りにいきたいと思いますよね。そのための費用もばかになりません。というわけで、始めるときにはおサイフとよ〜く相談しましょう。

★どこで潜れるんですか?

潜る場所は世界中の海や淡水の湖です!日本だけを考えても、沖縄だけでなく、東京に近いところでは伊豆半島や伊豆諸島、相模湾、房総半島でダイビングを楽しめます。北海道で流氷の下を潜るアイスダイビングもあれば、富士五湖のひとつ、本栖湖での淡水ダイビングもあり、国内のあちこちにダイビングスポットがあります。海外で超有名なのはパラオやモルディブですが、水温が一定以上の暖かい地域に行けば、いろんなところでダイビングが楽しめます。エーゲ海や地中海、南アフリカなんかでもダイビングはできるらしいです。

★泳げなくても平気ですか?

ダイビングショップによっては「あ、平気へいき」って言うところもありますが、そういうところで講習を受けるのはやめたほうがいいでしょう。

「泳ぐ」ということばから持つイメージとダイビングで水中を移動する行為は多少異なります。基本的に身体に浮力があるウエットスーツなどを着て、足にフィン(ひれ)をつけていますからプールでそのまま泳ぐのとは違います。また、水面にいてもシュノーケルを使って顔を水につけたまま呼吸をすることもできます。

このため意見は分かれますが、自分の身を守るためには、泳げたほうがいいと思います。

いちばん問題だと思うのは、「泳げない」人は泳げる人に比べて水への恐怖感が強いことだと思います。つまり、上に「シュノーケルを使って顔を水につけて呼吸できる」と書きましたが、顔を水につけること自体がちょっとコワイということ、ありませんか?

水中では「どきっ」とすることが時々あります。そうしたときに冷静に対処できるかどうか、水への恐怖感が大きく影響するのは間違いないでしょう。最低限、水が嫌いなほどではダイビングは難しいかもしれません。

ただ、1時間も2時間もの遠泳ができるような泳力は原則必要ではないように思います。ダイビングをやって水面に戻ってきたらボートがいなくて漂流してしまった、とか潮流にのって流されてしまうこともないとは言えません。そういうときに生き残るためには、泳げたほうが、というより「泳げる」と思っているほうが精神的に楽になるのではないでしょうか。

試験をきちんとやるところはどうも少ないようですが(私も講習のとき、泳ぎませんでした)、PADIの場合はCカードを取るときに180メートル泳げることを条件にしています。

★目が悪いんですが--体の問題

潜るときには鼻と目をカバーするマスクをつけて潜ります。このマスクのレンズを度付きにすることができます。また、賛否はあるようですが、慣れてくるとコンタクトレンズで潜っている人も見ますので(常に賛否両論の議論が繰り広げられます)、目が悪いことはそんなに障害にはならないでしょう。

それよりも、耳鼻科系の持病を持っているひとはダイビングを始める前にかかりつけの先生に相談してみてください。潜るときには水圧が高いところに行きますので、体の内側の圧力と外側の圧力を同じにするために「耳抜き」をすることが必要です。飛行機に乗ったときに高度がかわると耳がつ〜んとする、あれと同じです。それができないとダイビングを楽しめません。これは健康な人でもたまに上手に耳が抜けず耳が炎症を起こしてしまったりしますので要注意です。

それから、虫歯もキチンと治しておきましょう。まれに、虫歯の詰め物がちょっと壊れていて歯の中に隙間ができていると、そこの空気が圧力で縮んだりしてひどい痛みに襲われることもあるらしいです。

shall we scuba dive top