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君を咲き誇ろう
美しく花開いた
その後はただ静かに
散って行くから…
貴方を想う。
ただそれだけ。
今の私は、もう貴方に会うことすらかなわないの。
会いたいのに、会えない。
私はここから出られない、籠の鳥。
知らなかったの。
ここがどんなところなのか。
巫女が、どのようなものなのか。
全てを火竜王様に捧げなければいけないの。
この夜が明けたなら
私は火竜王様のものになる。
でも、心は変わらない。
貴方だけ、想う。
ただ、貴方のためだけに
私を綺麗に咲かせたかったのに。
…今更、この運命を嘆いても仕方のないことですね。
心のままに、動けばいい―
未来は一つきりではなく、いつでも自身の手の中にある。
流れに任せきるのではなく、おまえ自身が―
忘れてしまったのかい?竜の子よ…
運命の輪を回す者よ―
…誰かの、声が、聞こえた。
それは、一度っきりの魔法。
闇月夜には、神殿の火竜王の力がほんの少しだけ弱まるから。
おまえはあの子に会いたいかい?
それを強く望むかい?
ならば、手を貸そう。
おまえ以外の神殿内の全ての者に深い眠りを与えよう。
おまえを縛り付ける者から、一時解放してあげよう。
束の間の逢瀬を、楽しむがいい。
そう、おまえはあの子を選んだ。
おまえが属する世界の王ではなく
今はまだ微睡みの獣の子―
闇から生まれた、わたしの子供。
それが、運命なのだろうね?竜の子よ。
光から生まれた、わたしの子供。
賢しく、愚かな愛し子達よ
さあ、走り出すがいい―
声に導かれるままに…
綺麗に咲いた一輪の花。
ただ、貴方のためだけに―
今宵、一夜の・・・
君を咲き誇ろう
美しく花開いた
その後はただ静かに
散って行くから…
今はもういない、私。
瞳は何も映さず
唇は言葉を紡ぐこともない。
魂は体から離れ
混沌の無に帰す。
未来への願いを抱き締めて
貴方と再び、出逢えますように…
君を咲き誇ろう
美しく花開いた
その後はただ静かに
散って行くから…
ha la ha la...
おまえの願いは叶うだろう。
今、この時は『始まりの終わり』にすぎぬ。
おまえは暫しこの母の子宮の中で微睡むがよい。
かわりにあの子が目覚めるから―
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