TIPS&TRICKS
 

Kerkytheaに挑む(その2〜ライト光源を利用したレンダリング編)

   
 
 以下は特に注釈がない限り、旧バージョンである1.304に基づい
  て記述されていますが、現行バージョンの1.41でも基本的には
  同じですので、適当に読み代えてご覧下さい。
 また、GSUは5が基準になってますが6でも同様です。

今回は「Kerkythea Rendering System」(以下KTと略す)でライト光源を使ったレンダリングに挑戦してみましょう。

最近のレンダラーではライト光源を使わず、マテリアルに照明属性を設定することで任意の3Dモデルを光源そのものにしてしまう手法が主流になっています。もちろんKTにはそうした機能も搭載されていますが、それとともに伝統的?なライト光源も利用(併用)することが可能となっています。

ライト光源の利点は、光源の数にもよりますが一般的にレンダリング時間が短くて済む点と、光のメリハリが初心者にでも付けやすい点があげられます。逆に欠点は光源数が多くなると管理や設定が大変になることと、レンダラーによっては面や線形の光源を表現することが難しい点などがあげられます。
あまり複雑で微妙な照明効果を表現するのでなく、手軽でメリハリのある表現に向いている・・・と考えておくと良いと思います。

なお、KTとSU2KTの入手、インストール、基本的な使い方、太陽光源を使った最も基本的なレンダリングについては「Kerkytheaに挑む(その1〜セットアップと最初の第一歩編)」をご覧下さい 。

1) ライトコンポーネントの準備

ライト光源はKTの編集画面でも新規に設定することが可能ですが、非常に操作しにくいため、ひとつやふたつならともかく、いくつかの光源を使いたい時はGSU上であらかじめ配置、設定しておく方が圧倒的に楽です。

でもGSUではそもそも太陽以外の光源は設定出来ませんので、SU2KTでは、「PovRay」というレンダラー(正確には3DCG記述言語)のためのプラグインである「SU2POV」に付属するライトコンポーネントを便宜的に流用して、仮想的にライトを配置、設定する方法を採ります。
(現在、使えるライトはポイントライトとスポットライトの2種類です)
したがってあらかじめSU2POVをインストールしておく必要があるのですが、わざわざこのためだけにSU2POVをインストールするのも面倒な話ですので、ここではちょっとした裏技を使ってSU2POV
をインストールせずにライトコンポーネントだけを手に入れることにします。
なお、既にSU2POVをインストールされライトコンポーネントが使える状態の環境の方は以下の作業は不要です。読み飛ばして 2)へお進み下さい。

ここで役に立つのが、SU2KTのプラグインに付属するチュートリアル「SU2KT_Tutorial.skp」です。
実はこのデータの中にSU2POVのライトコンポーネントが含まれて おり、それを自分のGSUに登録すれば良いのです。以下にその手順を紹介します。

まず「SU2KT_Tutorial.skp」を開きます。(”SU2KT_Tutorial.skp”はSU2KTを入手した時の圧縮ファイル内に同梱されています)
[メニュー]>[Window]>[Components]を開き、”in Model”を選択すると下のような4種類のコンポーネントがあることが判ります。赤丸で囲んだものがライトコンポーネントで、左がポイントライト、右がスポットライトです。

それぞれのコンポーネントを選択して右クリックし「Save As」で保存先をGSUのインストールフォルダ下のComponentsフォルダか、その中の適当なフォルダに保存して下さい。
(あらかじめ”SU2KT”などの半角英数字の名前のフォルダを作成しておいても良いです)

これでライトコンポーネントの準備は完了です。保存したコンポーネントのフォルダを開いて保存を確認の上、「SU2KT_Tutorial.skp」を終了させて下さい。
スポットライトは”in Model”では非常に小さかったですが、保存しなおすとちゃんとしたサイズになりますのでご安心を...

なお、少し補足しておきますと、実のところは「su2pov_spotlight」と「su2pov_pointlight」と言う名前のコンポーネントであればどんな形のものでも使えますので、自作したデータでもOKです。
また、公式サイトの[Download]>[Integration]>[SketchUp]でDL出来る「SU2KT Light Components」もチュートリアルに含まれるコンポーネントと全く同じものですのでこちらを使ってもかまいません。

2) ライトコンポーネントを使用したモデル作成

それでは早速、ライト光源を使ったシーンを作成してみましょう。
ライトを利用する上でのポイントは、コンポーネントフォルダから持ってきたライトは必ず一度定義
(設定)しなければならない...という点が唯一の注意点です。

ライトの定義は、ライトを選択して右クリック>「Edit Spotlight」(スポットライトの場合)または「PointLight」(ポイントライトの場合)で表示される設定ウィンドウで一度「OK」を押すことで行えます。必ずしもパラメータを変更する必要はありません。
一度、定義したコンポーネントはコピーしてそのまま使えますが、コンポーネントフォルダから持ってきたものは毎回定義する必要があります。

スポットライトの設定パラメータの意味は、「Hot Spot」が明るい部分の角度で、値が小さいほど絞り込んだ光になります。
「Falloff」は暗くなる部分の角度で、「Hot Spot」と「Falloff」の差が小さいほどくっきりとした光輪になり、差が大きいとぼんやりした光輪になります。
「Light power」は文字通り光の強さですが特に客観的な基準があるわけでもないので適正値の判断は色々と試してみて雰囲気を掴む以外にないようです。
「Light name」はライト名称ですが、重複していても特に問題はないようです。
コンポーネントを着色するとその色の光になります。
また、 回転させるとその方向に光が投射されるようになります。光の向きは円錐の頂点から底面に向かって投射されます。

ポイントライトはスポットライトと比べると設定出来るパラメータが少ないですが、意味はスポットライトに準じます。

「OK」ボタンを押すと、続いて点灯/消灯ウィンドウが表示されます。Offにすると消灯状態になりますので、昼夜の区別や色々な照明バリエーションを作りたい時に便利です。
また、このウィンドウは現在設定されている光の色の確認ウィンドウも兼ねており、上部にライトカラー名が表示されています。デフォルトは「White」ですが例では「Gold」に変更してあります。
変更はコンポーネントを着色することで行えます。

完成したら、[メニュー]>[Plugins]>[Kerkythea Exporter]>[Export Model]でKT形式のデータとして出力します。ファイル名と保存先フォルダ名は必ず半角英数字にして下さい。

3) KTでのレンダリング

KTを起動して先ほど出力したデータを読み込みます。
必要に応じて視点の変更を行いますが、太陽光の時と同様、基本的にKTではレンダリング方法と解像度を選択する以外の設定は特に必要ありません。

もちろんその気になれば、ライト設定の変更なども行えます。(選択ツール)
で選択モードにした上で電球形のライトを選択し(光が影響する範囲が表示されます)、移動はライトの周囲にあるハンドル(方向矢印)をドラッグすることで行えます。また、明るさの調整は、スポットライトならHot Spotは編集画面右上のスライダ(上段)、Falloutは下段を調整することで、ポイントライトはLightPowerのみ調整出来るようになっています。

また、メニュー>[Setting]>[Scene]の「Lights」で色や光の強さなどを個々のライト毎に設定することも可能です。

KT2007になって扱えるライトに「Projector Light」が増えましたが、今のところGSU上で設定することは出来ないようです。メニュー>[Insert]>「Projector Light...」で追加して下さい。

レンダリングは太陽光の時と同様に(Start Render)をクリックして設定ウィンドウを開いて行います。この例のような複数の光源を組み合わせたようなシーンでは、間接光の表現に長けたGI系やPath Tracing系をお薦めします。Ray Tracing系と比べるとレンダリング時間は長めになりますがその分リアルな仕上がりが期待出来ます。

この例ではレンダリング結果がかなり暗めに上がったので、イメージウィンドウ上でExposureの数値を大きくして明るくしてあります。

次回は光源の形そのものもモデリング可能なエミッタ照明についてご紹介します。

 

 

 
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