
12時半ごろにキューケンホフ公園の駐車場(というよりも、ロープを張っただけの牧草地)に到着…。
左:駐車場入り口
右:入ったら目の前に広がる、開園中だけ駐車場になる牧草地
道中、陽射しも出てきて車の中は暑いくらいでしたが、公園のロケーションは北海沿岸だけあって、内陸よりも風があり、ちょっと涼しいくらいです。

左:チケットブースその1
右:入り口に向かう人たちの装いはあんまり春らしくない。
入り口のチケット売り場へ行ってみると、あいている窓口は3つほどで、どれもそれほど長い列を作っているわけではありません。今年初の春らしい週末だというのに、大丈夫か、キューケンホフッ!? と思いましたが、まだ時期的に早すぎたのでしょう。ちょうどこの一週間後、4月11日からの復活祭3連休には、来場者数が10万人を超えた日もあり、予想外の大盛況だったそうです。
さて、入り口のゲートをくぐると左右に広がるのは、お土産屋さんとカフェテラス。水路に架かった橋向こうでは、オランダのショッピングエリアでしょっちゅう見かけるストリートオルガンが、いつもの調子で、♪てろれろれろ、ふんがっ、ふんがっ♪と、独特のレトロメロディを奏でて、お祭り気分を盛り上げています。そして当然のごとく、オルガンの前には、金属製のマグをもったおじさんが立っている。いたいけな子供たちから巻き上げた(?)小銭が、マグの中で、ジャッ、ジャッ、とえらそうな音を立てて踊ります。
そのオルガンのほぼ向かいでは、リエージュ・ワッフルの屋台が繁盛しています。店主は朝のうちにごっそり焼いておいたワッフルを温めなおすのに余念がありません。
あ、これは別にインチキでもいい加減なのでもなく、そういうものなんです(笑)。余談ですが、ベルギーのブルージュに行ったとき、某リエージュ・ワッフル屋で、「温め直したのじゃなくて、焼き立てが食べたい」と言ったら、「俺のワッフルはフレッシュだ!」とドヤされて、店から追い出されそうになりました(爆)。

左:ストリートオルガン
右:リエージュ・ワッフル(別名:ゴワゴワッフル←勝手に命名)
(これらの画像はネットで拾ってきたもので、公園で撮ったものではありません)
キューケンホフ公園の入り口は敷地の南角にあるのですが、この一画の庭は木立に覆われているせいか、まだ空気がひんやりとしていて、あまり目ぼしい花見ポイントはなし。
でも、「アイスピック」の綺麗にとがった花びらが目を引きます。

クロッカスのシーズンは終わりを迎えつつあり、他に見られるのは、ヒヤシンスや早咲きのチューリップなど。

左:純白のヒヤシンスと赤のチューリップ
右:矮小種のチューリップ
クロッカスからチューリップにバトンタッチする途中で、葉っぱばかりの区画も見受けられました。こうして同じ部分に球根をまとめて植えて、移り変わりを楽しめるようになっているんですね。

この紫のクロッカスはもうおしまい。
さらに進むと公園の西側を占める池のほとりにたどり着きます。視界も広がり、遠目に花畑が見えてきて、ちょっとウキウキしてきます。

クロッカスとチューリップが一緒に咲いているとこんな感じ。

しばらく歩いて出くわしたのが、桜の木。桜の季節に帰国することが全くないので、実家近くの桜並木が懐かしく思い出されます。この写真には含めていませんが、この桜の木々の背後には、選挙候補者のポスターでも貼られそうなボードに、カラフルなウォーホール風・自由の女神の絵が掲げられていました。理由はともかく、桜にはまったく調和していません。公園デザイン、もうちょっと細かい気配りがあってもいいかもしれません。

公園内には、オランダの歴代女王や現皇太子の名前を冠したパビリオンもあります。各種展示や、飲食コーナー、トイレなどが備えられていますが、この日立ち寄ったのは2つだけ。ひとつ目は現女王の名前を戴く、「ベアトリックス・パビリオン」です。ここでは、蘭を中心にエキゾチックな品種が展示されていました。

左:薫るような淡いピンク色をした、春を体現する蘭。
右:オランダのお花屋さんでは必ず見かける蘭4色。

もうひとつ、蝶々のような、小ぶりのグリーン・オーキッド。

左:エアプラントならぬ、エア蘭?おそらく、バスタブには水が張られているのでしょう…
右:思わず目を奪われる、鮮やかで芳醇なカトレア
ベアトリックス・パビリオンの近くには「トラディッショナル・ジャパニーズ・カントリーガーデン」もあります。入り口の朱の鳥居は、笹に囲まれるようにして立ち、「お、中はどんな感じ?」とちょっと期待してしまいましたが、入ってみるとなんだかすっかり開店休業状態。庭木が中心なのでしょうか…ここで愛でることができたのは木蓮だけで、他に花らしい花も見当たりません。別のタイミングで来たら、もうちょっと楽しめる庭なのかもしれませんが。。。日本の庭を意識したと思われる、苔に覆われた妙に小高い丘のような庭景も、「うーん???日本のカントリーガーデンってこんなもん?」と、なんとも中途半端な感じ。
園芸通なら唸るような植物が植わっていたのかもしれませんが(笑)、素人の目に留まるものは特になし。しかも、日本庭園の背後には、威風堂々たるオランダの風車がそびえている。もうちょっと配置を考えればいいのに…。

日本庭園を出た左手、風車の裏手に流れる水路の向こうには、球根畑が広がっていました!!
これを見てようやく、ああ、オランダ(リッセ)に来た、という満足感が味わえます。

しかしここ最近になって、オランダの顔である球根畑が姿を消すかもしれない、という話が持ち上がっています。EU本部から、球根栽培に使用する肥料(牛の肥やし)を削減するよう、お達しが出たからです。
肥料にたくさん含まれるリン酸塩で地下水が汚染される、というのがEU新規定の根拠ですが、肥料を減らせば花の質はもちろん低下。特に、チューリップ、ヒヤシンス、水仙、クロッカスの栽培には肥料が欠かせないため、新規則がそのまま導入されれば、オランダの花卉産業は大きな打撃を受けます。もちろん輸出経済にも影響が及ぶでしょう。
でも経済的なこと以上に、オランダの文化の象徴として、球根畑はかけがえのない存在です。オランダ議会でも早々に肥料規制について議論されますが、なんとか上手い解決策を見つけてもらいたいところです。
さて、このあと立ち寄った、公園内で一番大きいパビリオン「ウィレム・アレキサンダー(現皇太子)」では、どこから見ようか、と目移りしてしまうほどに、多種多様な球根花が咲き乱れておりました。
4月のはじめでは、まだまだ室内咲きのほうが充実しています。お目当ては、やっぱりチューリップ。

左:Ninja(ニンジャではなく笑、オランダ語で可愛く「ニニャ」と呼びたい一品)
右:これもひとつのチューリップ。単に開きすぎかも?のエキゾチック・エンペラー
そして、なんだか見てはいけないものを見てしまったような(笑)、まだ咲いていないパロットチューリップ。
辛うじて一輪咲いていたので誤解は免れましたが、そうでなかったら病気に罹っているのかと思うところでした。この花びらの縮れ具合が、病気に罹ったスモモの葉っぱによく似ているのです。

”自然”の放つ色彩は、どのような色合いであっても、完全無欠の美を誇ります。


これくらいの人出であれば、好きなところで立ち止まってゆっくり鑑賞したり、写真を撮ったりできるので、雰囲気も和やかで◎。

そして可憐としか言いようのない、矮小種のレモンイエローのチューリップ。隣のベビーピンクは通常の大輪チューリップです。

公園内を散策しながら、来年の春に我が家の庭で楽しみたいチューリップをいくつか見つけたので、球根を注文しようと、とある球根販売小屋に立ち寄りました。でもそこには、ほかの小屋で見かけたような分厚い球根カタログはなく、20種類ほどのチューリップの鉢植えと、20種類ほどの球根が示された壁のポスター、そして、スキポール空港でも売っているアイリスの球根の箱が詰まれているだけ。探している種類の球根はまったく見当たりません。公園内の球根販売小屋が、すべて同じ販売・輸出業者によるものではないんですね。
分厚いカタログを置いている販売小屋にたどり着き、店先に群がる人をやり過ごすと、中は意外に空いていました。カウンターに控えていた女性に、カタログの写真を指さして「この球根がほしいのですが、、、」というと、まずは注文システムについて説明がありました。球根は単品(ミニマム注文数量の指定あり)またはセットで注文、秋口に宅配されるそうです。球根は今年咲いた花が終わってから収穫されるため、今はまだ球根畑に植わっているんです。
「注文はこの場でされてもいいですし、インターネットでも可能です。今年の8月まで待てば、全国各地のガーデンセンターで新しい球根を直接手に入れることもできますよ」
なるほど。手渡されたパンフレットのURLを見て、じゃ、インターネットで注文します、とその場を後にしました。送料のことを考えれば近くのガーデンセンターに行った方が安上がりなのでしょうが、どこのガーデンセンターでも同じ品揃え、というわけにはいかないので、ほしい種類の球根に限って見つからないパターンも十分に予想されます。今のうちにネットで注文しておけば確実でしょう。参考までに、ネットショップの一例はこちら→ http://www.warmenhoven-export.com/ (英語表記あり)
ちなみに託送サービスは、アメリカやカナダ、日本を含む欧州圏外各国も可能だそうです。
最後に、出口へ向かう道すがら見かけた、これまた小さな可愛らしいチューリップ。
室内でまばゆいばかりに輝く大輪のチューリップもいいですが、こうして庭でそっと咲く花も素敵。見ているだけで心が和みます。

以上、拙い写真ではありましたが、鮮やかな色合いと雰囲気を楽しんでいただけたら幸いです。
屋外でチューリップが咲くのは、あまり暑くなりすぎない4月後半までではないかと推測しますが、今春のキューケンホフ公園は、5月21日までオープンしています。
ゴールデンウィークの頃は、オランダでも初夏の陽気が最高に楽しめるベストシーズンです。
夜8時を過ぎてまだ明るい空も、一日をたっぷり使いたい旅行者にはうれしいプレゼント。散策するも良し、テラスにゆったり腰かけて、ビールのグラスを空にするも良し。
この春は、オランダ、そしてキューケンホフ公園にぜひお越しください♪
それではまた、次回まで。ダァ~ッハ!
あめでお