
早稲田大学 慶應義塾大学 上智大学 国際基督教大学
明治大学 青山学院大学 立教大学 中央大学 法政大学
早稲田大学

1882(明治15)年、大隈重信が東京専門学校として設立。1902(明治35)年、早稲田大学と改称。政治経済、法、商、第一文、第二文、教育、理工、社会科学、人間科学、スポーツ科学、国際教養(2004年設置)の11学部。
【キャンパス】
西早稲田キャンパス
政治経済、法、商、教育、社会科学、国際教養学部がある早稲田の中心となるキャンパス。
正門の正面にそびえ立つ「大隈講堂」は昭和2年落成の早稲田の象徴。「人間は125歳まで生きられる」という大隈重信の言葉にちなんで、時計塔の高さは125尺(38メートル)。一日数回、決まった時間に鐘が鳴ることは意外に知られていない。
正門からメインストリートを進むと、両側には古びた校舎が立ち並び、その並木道は「これぞ大学」という風情たっぷり。約5万人の学生が集う西早稲田キャンパスの喧騒を歩けば、きっと誰もが早大の魅力にとりつかれることだろう。1号館1階には入試資料コーナーがあるので、受験生は足を運びたい。過去問のコピーもできる。
正門から奥に進む正面には大隈重信銅像。大隈重信は昭和7年からここに立っている。ガウンを羽織った銅像の背中に回って、銅像と大隈講堂を撮影するのがオススメ(上の写真)。ここは定番の撮影ポイントとなっている。
このほか、私大一の膨大な蔵書を誇る中央図書館、2つの博物館(坪内博士記念演劇博物館、會津八一記念博物館)、大隈庭園、大隈ガーデンハウス(学生食堂。地下には就職を扱うキャリアセンター)、24時間パソコンが使える国際教養学部の基本棟22号館など、見どころはたくさん。大隈講堂の前にある案内所の裏には、大学グッズを売るカフェもオープンした。
戸山キャンパス…第一、第二文学部。別名文キャン、戸山女子大学。独自の学食、カフェテリアのほか、巨大な記念会堂、そして学生会館もこっちにある。
★第一文学部
総合人文学科の1学科で、2年次から19の専修に進む。1年次の10月に説明会があり、11月には進級希望分野を届け出て、12月には結果発表。科目登録に失敗すると恐怖の『教養留年』。1年生をもう一度くり返す羽目になる。行きたい専修に入れなかったといって教養留年をする人がいるが、あまり度が過ぎると1年生のまま退学になる(教養留年は4年までできるが、1年生を4回やることになる)。
2年次から進級する19の専修のどれを選ぶかによって、まったく違った人生が待っている。1学年130人を超える大所帯の人文専修(言語文化、文化人類学、異文化コミュニケーション論を学ぶ専攻)は、専任教員が4名しかおらず、他の専修の教員から学ぶことになる。江中直紀、佐藤亜紀、関川夏央、久間十義、宮内勝典という豪華なメンバーをそろえた文芸専修も1学年120人以上の大所帯。いちおう創作指導を受ける科目もあるが、本当に作家を目指している人は大学にあんまり来ないという声もあり、作家養成コースと考えるのは安易か。
このほか、人気の高い社会学、心理学。メジャー言語の英文学(専任教員は24名)、日本文学も100人規模となっている。社会学専攻は専任教員が12名おり、社会学を学ぶ環境としては多くの分野が学べて充実している。教育学専修も教育学部と学問分野は重なっているが、1学年40名、専任教員8名と少人数教育が売り。専修合宿を年2回行なうなど、比較的専修内は仲が良い。
哲学、東洋哲学、東洋史学などの比較的人気のない分野や、フランス文学、ドイツ文学、ロシア文学専攻(五木寛之をはじめ著名作家を多数輩出)などは、20名規模の少人数教育で、専修内部の学生同士も仲良しだ。だが、「ゼミがない専修がほとんどで、サークルやバイト以外に友達が出来にくい。一文はドロップアウトする人が多いけど、その原因は居場所が見つからなかったからという人も結構いる」という声もあり、選んだ専修によって人生が左右される。
演劇映像専修は演劇の盛んな早稲田らしいユニークな専修。最近は映像に関心のある学生が増えたので、演劇コースと映像コースに分かれ、新校舎にはスタジオも完備された。あくまでも実技を目的としてはいないが、実習科目はある。「映画や演劇が大好きで、授業をサボってでも見に行く」という学生が少なからずいる。美術史学専修(女子学生がほとんど)も珍しい。早稲田の文学部は芸術関係の科目や教員が充実しているといえる。
★第二文学部
タモリ、吉永小百合、辺見庸は第二文学部出身。辺見庸は第二文学部で創作指導をしている。第二文学部では、社会・人間系専修の科目を中心に履修することで、第一文学部では取得できない「社会福祉士」の国家試験受験資格が得られる。
●学生会館…サークル棟。2001年に出来たばかりで新しいが、大学側の管理が行き届いており、不便な場所にあることなどが不評。322の部室、カフェテリア、コンビニあり。各部室には情報コンセントもある。
国際教養学部特設ページ
大久保キャンパス…理工学部。西早稲田からは徒歩15分以上かかるが、もうすぐ目の前に地下鉄の駅ができる。
所沢キャンパス…西武池袋線小手指駅からバス。人間科学部、スポーツ科学部。
★人間科学部 どの学科でも認定心理士が取得できる。
・人間環境科学科…生物・環境学、社会学、文化学、心理学などを学ぶ学科で、人文系の内容が中心。中学の社会、高校の地理歴史、公民の教員免許が取得できる。著名教授…蔵持不三也 吉村作治教授は国際教養学部に転出してしまった。
・健康福祉科学科…社会福祉士の育成が目的。臨床心理学、医用工学なども学べる。
・人間情報科学科…「情報」と付くがコンピュータを専門に学ぶ情報系学科というわけではなく、教育工学、認知科学、人間工学など、コンピュータと人間の関係を学ぶ学科。
【早稲田の図書館】
その歴史は1882年、東京専門学校の図書室に始まる。1991年、安部球場跡地に国際会議場と中央図書館からなる総合学術情報センターができた。このほか、4つのキャンパスの図書館、各学部・研究科・研究所等の教員図書室、学生読書室、資料室などが29箇所あり、全蔵書は450万冊。
●中央図書館
200万冊の蔵書と13.000タイトルの学術雑誌、国宝2点、重要文化財187点を収蔵。年間100万人以上が利用する。
▼開館時間 月〜土(9:00〜21:00)、日(10:00〜17:00)。時期により変動あり。
▼見学 誰でも見学できる。受付で来意を告げれば、見学者バッジがもらえる。ただし見学は30分以内。当然だが閉架書庫には入れない。
▼貸出冊数 学部生10冊、大学院生25冊
▼構造 地下2階から地上4階まであり、入口は2階。2・3階の一般図書コーナーが主に学生が使う。大学の規模を考えると閲覧席は少ない気がするが、本は確かに多い。地下は研究書庫、4階は資料室、AVルーム。
●高田早苗記念研究図書館
1991年に総合図書館ができるまで長い間こちらが中央図書館だった。今は主に教員、大学院生、研究者向けの蔵書を揃えている。
●戸山図書館
文学部のキャンパスにあり、人文系を中心に30万冊の蔵書がある。9:00〜22:00(土21:00)。
●理工学図書館
大久保キャンパス。理工系を中心に40万冊の蔵書がある。
●所沢図書館
所沢キャンパス。人間科学関連を中心に15万冊の蔵書がある。
【単位互換】
・早稲田、学習院、学習院女子、日本女子、立教の各大学で“f-campus”という制度があり、それぞれの大学の授業が受けられる。
・東京女子医科大学、武蔵野美術大学、東京家政大学とも単位互換している。
・同志社大学に1年間国内留学できる。
・大学コンソーシアム京都加盟の京都の42大学の集中講義が履修できる。
★キャンパスツアー
早稲田では普段から学校を案内するキャンパスツアーを開催している。広報室広報課(03-5286-1276)に事前に電話予約する。案内は学生。
▼西早稲田キャンパスツアー
金曜10:30〜12:30、土曜14:00〜16:00 大隈会館1階校友サロン集合。定員約30名。大隈講堂時計室に入れる。
▼大久保キャンパスツアー
水曜14:00〜15:30、土曜15:00〜16:30 55館1階第一会議室集合。定員約15名。研究室訪問あり。
▼学生会館&戸山キャンパスツアー
月2回土曜日10:30〜12:00 学生会館2階アトリウム集合。定員約20名。
★大学院
政治学研究科…政治学専攻(修士、博士後期) 政治学以外にも地域研究やマスコミ関係の講義がある。
経済学研究科…理論経済学・経済史専攻、応用経済学専攻(修士、博士後期) 専用の端末機で一人一台のコンピュータ環境。
法学研究科<昼夜開講>…民事法学専攻、公法学専攻(修士、博士後期)、基礎法学専攻(修士のみ)
文学研究科…哲学専攻、東洋哲学専攻、心理学専攻、社会学専攻、教育学専攻、日本文学専攻、英文学専攻、フランス文学専攻、ドイツ文学専攻、ロシヤ文学専攻、中国文学専攻、芸術学専攻、史学専攻、日本語日本文化専攻(修士、博士後期) 日本最大規模の18専攻を持つ。慶應義塾、学習院の大学院の履修も可能。
商学研究科…商学専攻(修士、博士後期) 経営管理(経営、マーケティング・国際ビジネス、ファイナンス)、会計、産業・経済(理論・計量、公共政策、経済史)の3コース制。
理工学研究科…機械工学専攻、建設工学専攻、環境資源及材料理工学専攻、応用化学専攻、化学専攻、物理学及応用物理学専攻、数理科学専攻、生命理工学専攻、ナノ理工学専攻(修士、博士後期)
教育学研究科…修士課程(学校教育専攻、国語教育専攻、英語教育専攻、社会科教育専攻、数学教育専攻)、博士後期課程(教育基礎学専攻、教科教育学専攻)
人間科学研究科…生命科学、社会科学・環境科学、行動科学・臨床心理学、人間行動システム、スポーツ科学の5専攻領域(修士、博士後期)
社会科学研究科(夜間)…地球社会論専攻、政策科学専攻(修士、博士後期)
★独立大学院
アジア太平洋研究科…国際関係学専攻(修士、博士後期)、国際経営学専攻(修士のみ) 国際経営学専攻は2003年からビジネススクール=国際経営専門大学院(MBA)を名乗る。
国際情報通信研究科…埼玉県本庄市。国際情報通信学専攻(修士、博士後期) 情報通信システム、マルチメディアサイエンス、社会環境の3コース。
日本語教育研究科…日本語教育学専攻(修士) 世界で活躍する日本語教師を育成する。
情報生産システム研究科…北九州市。九州早稲田大学かと騒がれたが実際にはこんな結果に。3割が留学生。情報アーキテクチャ、生産システム、システムLSIの3分野。北九州は都の西北なのか?
公共経営研究科…国際機関、自治体、NGO・NPO、ジャーナリストなどの専門家を育成。行政、公共政策、公共経済の3分野。近代国家建設に尽力した創立者大隈重信に続く国家経営の偉人を輩出するべく、英語名は「大隈記念大学院 公共経営研究科」という意欲作。社会人のための1年制コースがあり、現役公務員も学んでいる。
法科大学院(ロースクール)…定員300人で2004年設置。
ファイナンス大学院…2004年、日本橋に設置。
★学生活動★
早稲田に行くと、祭でもないのやたらと学生であふれていて、大変にぎやかである。講演会やイベントの立て看が乱立していて、そこらじゅうで学生が思い思いにたむろして騒いでいたり、ベンチで読書していたりしている。早稲田の素晴らしいところは、大学生活をきちんと謳歌している人間がたくさんいること。ここで何かをつかもうともがけば、無限の可能性が手に入る。それはもう活気のない大学とは比較にならない。この早稲田のエネルギーは大学当局の施策や教授、図書館などの設備といった「ハード面」だけではなしえないもので、教授、そして膨大な学生、社会との交流(すなわちソフト面)が、早大生に力を与え、また、新たな創造性も与えているのだ。受験生もふだんのこうした早稲田に足を運べば、早稲田のエネルギーを、きっと肌で感じられるだろう。
理工展 (2002年11月3日取材)
6年ぶりに復活した早稲田祭の喧騒をよそに、大久保キャンパスでひっそりと催されていたのが、理工学部の学園祭「理工展」である。人ばかりいて騒いでいる早稲田祭に比べ、むしろ落ち着いてじっくり見ることができるため、早稲田祭はほどほどに、こちらへ来た。ちょうどキャンパスツアーをやっていたので参加する。これは学生が理工学部の校舎を1時間ほどめぐって説明してくれるものだ。
最初に65号館に入る、化学科・応用化学科が主に使用する校舎で、化学の実験などの危険性を考慮して、他学科棟よりも壁が厚くなっている。続いて56号館の基礎実験室。早大の理工学部は全国の理系大学のなかでも実験に力を入れており、すべての1年生が基礎実験を必修で行う。今回見学したのは「エアホッケーの物理実験」の機械で、エアホッケーのおもちゃとパソコンがある。これはエアホッケーをゲームとして楽しみながら、摩擦の少ない平面滑走台上における円盤同士の衝突、円盤と壁との衝突、跳ね返り運動などを調べ、これらの運動の力学過程においてどのような量が保存されているかを検証し、ビデオカメラで録画したものをコマ送りして円盤の位置を読み取り、運動量、角運動量、力学エネルギーを計測し、これらの量の間にある物理的関係を考察するというもの。こうした基礎実験を入学直後にやって、理工学の基礎を身に付ける。
続いて57号館の製図実習室。教室を埋め尽くすたくさんのドラフター(製図機)が圧巻である。

授業が聞きやすいように、中央の柱にはテレビモニターがある。また、CADの授業で使うため、右の写真のようにパソコンのディスプレイと合体したようなドラフターもある。製図の世界も随分ハイテクなのだ。建築、土木工学などの学科で使用することが多い。
ここから、理工学部のシンボルである18階建ての51号館(1967年竣工当時日本一高かった)を抜けて、59号館に入る。ここは「材料実験室」で、2階まで吹き抜けになっていて、2階から下を見ると、謎の工業機械がたくさんある。この部屋の機械は各種構造材料の強度試験、物性実験、分析実験をして、授業のほかにも学部生、院生が自由に使うことができる。具体的には、1階に大掛かりな実験を伴う万能試験機、耐圧試験機、環境制御下疲労試験機、疲労試験機、回転曲げ疲労試験機、オートグラフ、振動試験機、2次元振動台、コンクリートミキサ、恒温乾燥炉など、2階には非破壊試験関係の走査型電子顕微鏡、X線解析装置、X線応力測定装置、光弾性実験装置、各種硬さ試験機、金属顕微鏡、測定器類は動歪・静歪測定器、変位計、荷重変換器、X-Yレコーダー、FFT、動弾性系数測定機器などがある。ここで日夜学生たちが研究に励んでいると思うと、本当に文系と理系は同じ大学生でも随分様子が違うものなのだなあと思った。私がゴロゴロとモラトリアムなんて言っている間に、こんなことをしている人たちがいたなんて。それこそノーベル賞ではないが、もっとこうした理系の地道な努力は評価されるべきだ。大学生は遊んでいるなんてのは甚だしい偏見だ。
55号館に移動。地下にある「物性計測センターラボ」を見学する。厚い扉の向こうには大きな装置が設置され、重苦しい音が響いてきてなかなか緊張する。この研究室は24時間365日研究に使用され、普段はなかなか立ち入ることが出来ないので、こういう機会は貴重だ。ここでは「核磁気共鳴装置」を見た。この機械は非常に強い磁場のなかに実験の試料(サンプル)を入れて、その物質の原子核と磁場の相互作用により発生したシグナルから構造を決定するという実験装置。すごい磁場なので、フロッピーや携帯電話などはあまり近づけるとアホになってしまう。下の写真の白い機械がそれで、磁石のように鉄製品は張り付いてしまうそうだ。
高分解能核磁気共鳴装置
この「物性計測センターラボ」には、ほかにも、X線回析装置、質量分析装置、熱分析装置、透過電子顕微鏡、有機微量元素分析装置、無機組成元素分析装置、原子間力顕微鏡、光電子分光装置、赤外分光光度計、レーザーラマン分光装置、電子スピン共鳴装置などが設置されている。これらの装置を理工学部のさまざまな学科、研究室が使用し、日夜研究に励んでいる。
さて、次は「環境保全センター」。実験が盛んな理工学部では、どうしても有害な廃棄物が出てしまう。それを管理・処理、あるいは分析するための施設で、有害化学物質の分析装置もあり、学生も廃棄物質の処理をしたり、研究のために分析するという。ゴミを捨てるのまで学問にしてしまうところが凄い。ここは実験による廃棄物の管理だけでなく、理系の学生にきちんと環境について考えてもらえる、とても良い施設である。
こうして約50分でキャンパス見学ツアーは終わったが、これだけでも大久保に来た甲斐があると思えるほど充実したものだった。理工学部の行事としてはこの他に、研究室見学、科学工作、公開授業、公開実験なども行われており、一応はオープンキャンパスと銘打って説明会や受験相談もやっている。
だが、理工展には当然サークルの展示も出ているので、次はそちらを見学。参加団体は少なく、なんとなく閑散とした雰囲気ではあるが、各教室には親子連れが集まって科学実験や工作をしていたりと、なかなかほほえましい。中庭は地域住民のフリーマーケットや模擬店がポツポツあるだけだが、むしろ模擬店しかないような文系大学のつまらない学園祭よりは、私はこっちのほうがはるかに充実していると思う。
環境資源工学科名古屋研究室による「ガス爆発実験」「粉じん爆発実験」。どちらも実際に起きるとシャレにならない事故であるが、ここではそのメカニズムを、学生たちがシンプルな機械で面白おかしく説明してくれた。ガス爆発はアセトンガスを使い、アクリル製の筒に薬包紙で蓋をして密閉し、ガスと空気を爆発範囲(5〜15%)の割合に設定し、着火すると…
ボンッ!
と大きな音がして、筒から何かが薬包紙を吹き飛ばして出て行った。写真は爆発直後のもの。筒の上が開いているのは爆発で薬包紙が吹き飛んだから。
粉じん爆発のほうは、同じような筒に小麦粉などを入れて、600℃の熱エネルギーを与えると、粉の粒子表面が熱分解を起こし、気化して粒子の周囲に放出され、この気体が空気と混合して、爆発性混合ガスを生成し、発火。火炎を生ずる。その火炎で生じた熱はさらに粉じんの熱分解を促進し、次々と混合ガスの燃焼を伝播継続していくというものだ。こう説明すると時間がかかるように思えるが、実は熱と空気を与えてから爆発まではほんの一瞬である。実験をする学生たちが「この実験は炭鉱の事故と同じ原理ですから大変危険で、致死率50%ですが私たちも頑張ります」などとシャレにならないギャグをユーモアたっぷりに説明してくれた。
このほかにも、応用化学、土木工学などの分野の展示があったほか、無線、パソコン、環境、数学などの理系サークルによる展示や実験が行われていた。オーディオ研究会はとても美しい音を出す自作のスピーカーから音楽を流したり、来場者にアンプの自作を指導したりしていた。航空宇宙研究会は、壁を垂直に上るロボットを動かしたり、鳥人間コンテストに出場した人力飛行機の展示とそのメカニズムの説明など、盛りだくさんの展示内容で非常に見ごたえがあった。
鳥人間コンテストで使用した人力飛行機
この機体は600m飛行した。わずか600mなどと思ってはいけない。人力なので時間は結構長い。放映されていたビデオを見ると、これは努力と叡智の結晶であるということがわかった。飛行機の設計からカーボンパイプなどの素材選び、機体の一部とみなされる乗員は、想定された体重54キロにするために自分で登山などトレーニング。理工学部の学生たちが自分たちの力を出し切って挑戦するその姿勢、情熱がうかがえた。
学園祭は、実はその大学の学生たちが楽しむものである。部外者(=客)は来るには来るものの、結局は自分たちが遊んだり騒いだりして楽しむもの。そういう印象を受ける大学がかなり多かった。そんな大学を見ていると、部外者の私は、あくまでも見学者であり、学園祭を主催している学生と同じようには楽しめないというのが実情である。その孤独感といったらたとえようもないほどで、「もう俺学生じゃないし、若くないんだなあ」とイヤな感慨にふけってしまう。だから私は、各サークルの学生たちがやたら騒いでいるような学祭よりも、静かな環境で理系の研究をじっくり見せる理工展には、強い魅力を感じた。
慶應義塾大学
図書館旧館
1858(安政5)年、福澤諭吉が蘭学塾として開設。1864(慶応4)年に慶應義塾と改称。法、経済、商、文、医、理工、総合政策、環境情報、看護医療の9学部。
福沢諭吉以来の伝統を誇る三田キャンパスは狭いので、文系3・4年(文学部のみ2年次から)だけで、1・2年の日吉キャンパスがもっとも活気がある。理工学部3・4年次の矢上キャンパスは日吉に隣接するが山を下るので遠い。医学部(3年次以降)の信濃町は便利、湘南藤沢キャンパス(SFC)は不便。
●図書館
図書館は5キャンパスにそれぞれあり、メディアセンターと名乗っている。三田、医学メディアセンターは日曜も開館。大学全体の蔵書は380万冊。ほとんどが開架。三田の図書館旧館は明治時代に作られた重要文化財。
●メディコム(メディアコミュニケーション研究所)。マスコミ就職に超強い。
http://www.mediacom.keio.ac.jp/
●なんと他学部のゼミでも学べる
全塾ゼミナール委員会 http://www.zenjuku.net/
★文学部
1年生の7月に専攻案内が配布され、11月中旬から12月には教員によるガイダンスを開催。1月上旬に専攻志望票を提出し、3月には専攻が決定する。希望者が多い場合は選考もある。
17専攻のうち、100人以上の規模になるのは美学美術史学、社会学、人間科学の3専攻で、ほかは20〜60人規模。この3専攻と、人気の高い心理学専攻以外は、比較的希望どおりに進める。哲学、倫理学の両専攻は西洋思想が中心で、早稲田のような東洋思想はあまりやらない。図書館・情報学専攻は3年次から図書館、情報検索、情報メディアの3コースにわかれる。後の2コースは情報処理やコンピュータを専門に学ぶ印象が強く、図書館学という言葉のイメージだけでは括れない部分もある。
社会学専攻は人気が高く、毎年選考が行なわれる。心理学専攻は実験心理学を中心に学び、受験生の多くがイメージする臨床心理学系は大学院も含めほとんどやらない。人間科学専攻は社会学、社会心理学、人間関係学などの分野の教員が集まっている。
★学園祭
三田祭 2001年11月24日取材
やはり慶應の学園祭は他を圧倒していた。数年前に行ったときは、ただ賑やかなだけのナンパな学園祭だと思ったが、それは私がしっかり学園祭を見ていなかったからである。慶應の学園祭が他と決定的に違ったのは、アカデミックのひとことに尽きる。
模擬店数75は他と比べて優れて多いとは言えないが、狭いところにぎゅうぎゅうあるので、非常に活気のあるように見えた。日本酒を飲ませる店などもあり、禁酒学園祭の盛り下がりを知るものには嬉しいものであった。
で、慶應がどうアカデミックかというと、ゼミの展示が非常に多いのである。慶應の学生は「学園祭でゼミが研究発表をするなんて当然だろう」というだろうが、東大、法政、学習院、筑波、上智、立教など名だたる大学の学園祭はほとんど壊滅的にゼミ発表などやっていないのである。
慶應の三田祭では、経済学部の50のゼミ、商学部の48のゼミが研究発表をしており、普段の勉強の成果を発表していて、研究冊子を配布していたり、専門用語を解説していたり、客がいるのに気づかずに車座になってダベっていたりしていた。法学部と文学部のゼミが合わせて23しか出ていないのは少々もの足りないが、他にもゼミ主催の討論会をやっていたりと、とにかくちゃんとやっていて、偉い。
なかでも私が注目したのは「メディア・コミュニケーション研究所」である。学部を越えて教授が集まり、マスコミ研究などを行う組織で、定員を設けて各学部の学生を選抜し、優秀な約50名だけが英才教育を受けられるという精鋭軍団。マスコミ就職実績も良い。ここの水元豊文助教授とお話したのだが、もともと新聞研究所だったものを改名したもので、企業による講座などで、マスコミの第一線で活躍する人たちから指導を受かられるなど、まるで三田のSFCとでもいう組織で、マスコミで活躍する人材を養成するのに慶應がここまで本気なのかと驚嘆し、学園祭で研究展示をして多くの人と交流を図ろうという姿勢に深い感銘を受けた。
ただ、ゼミの展示はどこも基本的には「慶應の1年生」を見学対象としており、彼らが将来ゼミを選ぶためのものであるので、私がいろいろ聞いてもちょっと異邦人扱いである点が少々残念ではあった。それでも、慶應の学生や教授と専門教育の話ができるこういう機会は非常に貴重である。受験生は必ず行くべきだ。
そんなわけで、多彩なゼミ発表に感激してゼミの話ばかり書いてしまったが、普通の学園祭っぽい展示や舞台、コンサート、模擬店なども見ごたえがあるので、行って損はない。慶應の学生の底力を見せつけられてたじたじになった一日であった。
日吉キャンパス 銀杏並木
矢上祭 2002年10月12日取材
日吉に来るのは随分久しぶりだ。美しい銀杏並木の坂を登る。なぜか付属高校の生徒がたくさん駅に向かって歩いていたが、髪を金や茶に染めたりレゲエみたいな頭になっていたり制服以外は大学生のようなのがたくさんいて、すでに遊び人の風格を漂わせている。慶應義塾大学は2割が付属出身者だというが、彼らが独自の文化を築いているような雰囲気を感じた。
真新しい研究棟「来往舎」に入る。7階建てでてっぺんまで吹き抜けのガラスを多用した綺麗なインテリジェントビルなのだが、ここの教授の研究室は勝手に入れなくて、受付があり、「面会ルーム」なるサロンまであり、随分閉鎖的だ。ここの一室で偶然市民団体による「平和のための戦争展」なるものが開かれていた。
戦時中、慶應の日吉キャンパスには地下壕があり、旧日本海軍の連合艦隊司令部が昭和19年から終戦まであった。その地下壕は今でも保存されていて、毎週第四日曜には市民団体による見学会が開かれている。この展示もその団体の企画で、地下壕の写真のみならず、昭和初期の慶應義塾と戦争に関わる写真展示がしてあった。軍事教練をする塾生たちの写真、特攻隊員の遺書、武運長久と書かれた日の丸の旗、塾長が戦意発揚の文言をちりばめた新聞など、貴重な資料の数々を見て、いろいろ考えさせられた。先ほどのレゲエ頭の塾高生も、ここで50年以上前の先輩たちの遺したものを見たのだろうか?
これは「横浜・川崎平和のための戦争展実行委員会・日吉台地下壕保存の会」という市民団体が企画した行事だが、私はあくまでも矢上祭見学の途中に偶然立ち寄って見ただけで、別にこれについて深く語る意図はまったくない。ただ、機会があれば是非この地下壕は見てみたいものだ。とてつもない広さで、真っ暗闇を懐中電灯で照らしながら案内してくれるという。
それはさておき、今回の取材は矢上祭である。慶應義塾の理工学部はご存知のように1・2年生が過ごす(SFC除く)日吉キャンパスから徒歩10分の、谷を越えた矢上キャンパスにあり、3・4年生と大学院生が学んでいる。あまりに専門的で堅いイメージのキャンパスだが、早稲田の理工展に刺激され、独自の学園祭をはじめた。その歴史は浅く、今年でまだ3回目である。
前回取材したときには工事中だった巨大な校舎「創想館」が出来上がっていて、威容を称えていた。この校舎の入り口でパンフをもらう。ステージではマジックショーをやっていて、たくさんの親子連れが見ていた。模擬店は7軒しかない。ただ少ないだけあって客が集中するので結構繁盛していた。その先は地元の人によるバザーが5・6件、だがいろいろ掘り出し物があり、私もシャツ2着とジーンズを合わせて500円と格安で買えたので良かった。グランドでは運動会が行われている。ここでは理工学部生たちが日ごろの運動不足を解消しようとサッカー、リレー、綱引き、ドッジボールなどを、子供のように楽しんでいた。すぐそばの体育館ではファンケル提供の青汁試飲とバイオスコープでお肌チェックをしており、お肌チェックは女性客で行列が出来ていたので、客の少ない青汁を飲む。マズイ。林檎ジュースで薄めたのも飲んだ。これはまだ飲める。さらに生協学生委員会のイベント「健康診断」に参加。これは血圧、アルコールパッチテスト、貧血チェック、ヤニ検査などをして、栄養相談もやっていた。
教室展示は約15。「自動車工学研究会」は自分たちでバイクのエンジンから自動車を作り、アメリカでの大会に出場したりしている。やはりアメリカの大学は強敵のようだ。真っ暗な部屋で臭いほど香を焚き(アロマテラピーらしい)、ミキサーでつくったミックスジュースを飲ませるという意味不明なサークルがあった。とかいいつつミックスジュースを買って飲む私。桃とオレンジの混じった固形物のようにドロドロしたジュースに200円も投資してしまった。
新棟「創想館」の展示はなかなか面白いものがあった。矢上祭実行委員による「受験相談」は、模擬試験と称して手作りの物理、数学、英語、化学などの問題集を見学者に解答させる。模擬試験さながらの雰囲気にさっさと退散しようとしたが、怖気づいて問題を手に取らなかった私にも景品のお菓子をくれたので恐縮してしまった。問題にはチャレンジしなかったものの、彼らが学生にアンケートを取った結果が壁に貼ってあったので見ると、理工学部の1年生は普段は1日0.2時間、試験前は4時間しか勉強しないという体たらくらしい。まあ、文系と違って学年が上がると死ぬほど勉強する羽目になるのでしょう。そのお隣では理工学部らしく「科学教室」が開かれ、親子連れが白衣を来た学生たちと一緒に楽しい科学実験を行っていた。ちなみに高校生諸君には楽しい実験だけじゃなくて背景にある物理法則の解説とクイズもあるという本格派である。
そのお隣の部屋は環境サークルE.C.Oによる「リモネン・リサイクル実験」。オレンジの皮から抽出した成分が発泡スチロールを分解してしまうというのをソニーが研究し、これをいかしたリサイクルを提唱。ミカンの成分で解けて液体になった発泡スチロールは、再度熱するとリモネンだけが蒸発して発泡スチロールの原料だけ残るので、無限にリサイクルできる。処理による二酸化炭素の排出量も激減し、再利用できるという非常に地球に優しいシステムである。このしくみを実験で見せたり、お子様には発泡スチロールをリモネン液で溶かして字を書いたオリジナルスタンプを作って遊んでもらったりなど、芸が細かい。
だが、これで終わってしまってはただの地味な学園祭である。矢上祭の真髄はその先にあった。研究室による展示である。
創想館の地下2階の広い部屋に、19の研究室の学生が集い、それぞれの研究室の機械などを展示して、自分たちが行っている研究を発表しているのだ。ここは受験生から近所の人まで来て賑わっていたが、ものすごい高度な内容にいったいどれだけの人がついてこれたのだろうか。
全部を見る時間はないので、いくつかに絞った。最初は物理情報工学科荒井研究室。光治療工学が専門で、「細径内視鏡」という細くて光る管を血管の中に通し、その画像を見るという機械を拝見。要は血管の中に入っていくカメラ。これを駆使して光による治療を研究するという。
「ゲノムのネットワーク解析」などという大きな張り紙をしてある研究室はどうせ説明を聞いても理解できないのでパス! というわけで次は物理情報工学科小池研究室へ。「フォトニクスポリマーの応用」が研究テーマで、ファイバーを作ることから解析までやる。光散乱ポリマー導光体を用いた表示デバイスの提案と称して妙な機械が置いてある。その中のひとつは携帯電話の中の液晶ディスプレイの説明。携帯電話の画面はなぜ光るのかというと、液晶ディスプレイそのものは光らないので,その下に板とライトとなる部分がある。ドックライトの光を通すプラスチックの板が仕込まれていて、その部分の開発もするのがこの研究室。まだあまり実用化されていない新素材もあった。
超伝導で遊べる研究室もあって、一瞬だけだが磁石を浮かせている液体窒素に触れてみる。体温で蒸発してしまうため水に手を入れたような感覚は残らない。
最後に情報工学科大野研究室・山本研究室の展示へ。ここでは3Dスキャナーでレーザー計測した顔の写真を加工して、ファントム(Phantom)という3次元マウスの触覚のような機械で、自分の顔のデータに触れるというもの。まずは顔を撮影。するとポリゴンみたいな自分の顔がパソコンのディスプレイに映し出される。不気味だ。これをぐるぐるまわしてさまざまな角度から自分の顔を見ることができる。さらにそのデータをファントムのほうに送ると、顔のでこぼこがデジタル化されたさらに不気味なものが画面に表示された。これを3Dマウスのファントムでいじくると、顔のでこぼこの感触がざらざらと伝わってくる。一体これが何の研究に使われているのかよくわからないが、この研究室ではCG処理を研究してソフト開発などをしているそうである。
3Dスキャナー、ファントムはそれぞれ1台300万円也
展示に参加した研究室は研究室見学ツアーなどもやっていた。出口でアンケートに答えたが、そこの受付の学生は2人とも明治学院大学の戸塚まつりの実行委員だった。こんなところで交流しているとは、不思議なものだ。
図書館に入ってみる。ここは理工学メディアセンターといい、30万冊の蔵書がある。日吉と違い、来意を告げたら名簿に記入して入館させてもらえた。なんて矢上の図書館は親切なんだ。っていうか日吉はなんて閉鎖的なんだ。同じ大学とは思えないな。中はかなり充実した書庫があり、論文や海外の文献なども貯蔵されていた。静かな閲覧席も多く、多くの学生が勉強に励んでいた。
学園祭から離れ、校舎をブラブラ見て歩く。矢上の核である研究室が校舎内にあるのだが、どの研究室も学生の部屋と教授の部屋があり、熱心に勉強できる環境である。驚いたことに、それぞれの研究室の前の壁には、その研究室の研究内容が、写真やカラーイラストや図説などで詳しく解説したパネルが張ってある。これはどうやら学園祭とは無関係にやっているらしい。なかには「見学大歓迎」などと書いた研究室もある。いくらなんでも一般人ではなく研究室選びを控えた低学年の学生のためだろうが、受付でシャットアウトされる日吉の研究棟と比べてこの開放性はなんだ? 産学共同研究といい、文系に比べて理工学部はものすごく開放性にあふれている様子で、驚きである。
いろいろな分野の研究室があったが、情報工学科中川正雄研究室が随分説明が詳しいので読んでみた。この先生は電気通信技術審議会委員をされている偉い先生のようで、専攻はスペクトル解析、CDMA通信、Multicarrier通信、無線LAN、無線HomeLink、WirelessITSという分野だそうである。無線LANより20倍も早く、TVとビデオ、あるいはパソコンとビデオがワイヤレスで結ばれるシステムを開発しているということや、白色LEDの光から出る情報の受信、つまり、たとえば将来的には信号機から出る電波(?)から渋滞情報なんかが受信できるようになるというしくみなど、最先端の情報工学分野を研究しているところらしい。その隣の情報工学科笹瀬研究室も情報工学や光の分野の研究室で、相当凄いらしく、「21世紀COE(Center
of Excellence)プログラム(世界的研究・教育拠点、旧称トップ
30)に選定されました」などと研究室の前に新聞記事が張ってある。学生にも相当高い水準を要求し、論文をどんどん書かせたり、「一流研究者・技術者は自ら事業を選ぶ時代」などと勇ましいスローガンが貼ってある。研究室の前に張られたこうした活動報告を見るだけで、どんなに高度な研究が行われているのかと察するだけで恐ろしくなってくるほどだ。できればこれらの研究室も展示に参加して欲しかった。
SFC(湘南藤沢キャンパス)

総合政策学部・環境情報学部
1990年、既存の大学教育に革命を起こすべく設立されたいわゆる学際系学部。10年以上を経たその評価は賛否両論であり、この学部を選ぶ際には、よく調べて、自分に合っているかどうかを慎重に考えてからのほうが良いだろう。ここでは幅広くいろんな学問に触れる教育が行われているので、様々な分野の学問を学びたい人には悪くないかもしれない。また、有名な先生を多く擁しているので、事前に調べておけばより有意義だろう。ほかの大学でいうゼミにあたる研究会は1年生から所属でき、同時に2つの研究会に在籍することも可能(ただししんどい)。
カリキュラムは2002年からクラスター制というものが導入されている。これは総合政策学部と環境情報学部共通の15の履修モデルで、いわばこれがこの学部の専門といえる。別にこれにこだわらず自由に科目は履修できるが、気をつけないと何を学んだかわからない4年間になってしまいそうなので、自分の目標はしっかりしたほうがいいだろう。
【総合政策系クラスター】
○パブリック・ポリシー 公共政策のデザインと意思決定。
○経営・組織ポリシー 企業と非営利組織(NPO)の戦略と運営。
○金融・評価工学 金融市場等をモニターし資産や組織を評価する。
○ワールドエコノミー 世界経済のダイナミズムを理解し政策を提言する。
○グローバル・ガバナンス 地球化時代の個人・国家・国家群の関係をデザインする。
【複合領域系クラスター】
○言語コミュニケーション 人間コミュニケーションのダイナミズムの解明と応用。
○ソシオ・インフォマティクス ITを活用した教育や、組織の新しいあり方を模索する。
○ネットワークガバナンス ネットワーク環境を実践基盤として社会問題に取り組む。
○開発と環境 自然環境と融合した国土・地域開発を計画する。
○地球環境 地球規模の自然・人間の複合システムを解明・デザインする。
【環境情報系クラスター】
○インフォメーションテクノロジー コンピュータシステムや情報ネットワークをデザインする。
○バイオインフォマティクス 遺伝子・ゲノム・細胞から生命をコンピュータで解明する。
○認知・身体科学 認知・知覚・身体のメカニズムを解明・システム化する。
○メディアデザイン コンピュータによるアート・エンターテイメント等の創作。
○環境デザイン 建築・景観・都市にまたがる空間のデザインと計画
七夕祭
七夕祭は、地域との交流を旗印にしているSFCの学園祭。7月の第一土曜に開催される。地元住民によるフリーマーケットが開催され、盆踊り、太鼓、よさこいなどのイベントがあり、みんなで楽しく遊ぶという感じ。わたあめ、ヨーヨーといった子供向けの模擬店もある。展示は文化系サークル中心だが数は少ない。学生によるキャンパスツアーがあり、校舎を案内してもらえる。浴衣を着ている学生が多いのが風情があり、この時期は浴衣で授業に出てもいいらしい。11月には「秋祭」がある。
★著名教授
有澤誠 コンピュ−タ科学、コンテンツ工学、交通運輸情報論。交通運輸情報プロジェクト(JR東日本寄付講座)がユニーク。
稲蔭正彦 コンピュータ・グラフィックス、アニメーション、メディアアート、デジタルエンタテイメント
冨田勝 生命情報科学、遺伝子情報処理、
分子生物学、自然言語処理、 自動翻訳、 人工知能。
福田和也 文芸批評、文明論、 社会批評、フランス文学。
佐藤雅彦 超有名CMプランナー。1954年生まれ。東京大学教育学部卒。電通クリエイティブ局などを経て、94年、独立。99年より慶應義塾大学教授。
90年にクリエーター・オブ・イヤー賞、90、91、92年ADC賞受賞。主な著書に『Kino』『佐藤雅彦全仕事』(マドラ出版)『クリック』(講談社)ゲームソフト『I.Q.』
(ソニー・コンピューターエンタテインメント)など
小熊英二 歴史社会学。
★学生・OB
佐藤知一 現役市会議員。
家本賢太郎 15歳で社長になった。
吉本龍司 この人も社長。
★リンク
SFC CLIP SFC★MODE J-station(塾生総合研究所) SFC霞会
上智大学

国際基督教大学

リベラル・アーツ教育を標榜するプロテスタント系大学。おそらく、大学で学ぶということに対して、これほど真摯な大学は日本ではほかにない。敷地はとても広く、東京ドーム13個分。600mの桜並木や、森に囲まれた学生寮が点在している。
【研究・教育】
ICUのリベラル・アーツ教育とは何か。ICUには教養学部に人文科学、社会科学、理学、語学、教育学、国際関係学の6学科があるが、実際にはどの学科の科目も比較的自由に取れる。特定の学問分野だけでなく、広く、深く学問の基礎を学ぶという考えに立っている。自分の所属学科以外の先生の指導で卒論を書くことも可能。かつてはプロテスタントの教員しかいなかったが、最近はキリスト教徒以外の教授もいるらしい。
1年次にはELP(English Language Program)という英語の集中教育がある。これはあまりの厳しさに学生にとっては悪魔のごとく怖れられていて、英語教育というだけでなく英語によって現代の諸問題や歴史や古典文学を学ぶというもの。週に11コマ×70分なんて学生もいて、他の授業が取れないほど。英語は習熟度別だが、できの良し悪しで差別は特に無い。セクションといわれる20人ほどのクラスで少人数教育。また、エッセイを書いたり英語でディスカッションしたりとスパルタ教育をするので、みんな家に帰ってから勉強している。人によっては5〜6時間も。また、専任教員一人あたり学生18人というのは、私立大学の中では少人数教育。
◎専攻領域
人文科学科…美術・考古学、文学、音楽、哲学・倫理学、宗教。
社会科学科…経済学・経営学、歴史学、政治学、社会学・人類学。
理学科…生物学、化学、情報科学、数学、物理学
語学科…英語学、フランス語学、日本語学
教育学科…教育学、心理学、教育工学・コミュニケーション
国際関係学科…国際関係、国際経済・経営、比較社会文化、言語論
●ICU Festival
11月に開催される学園祭。芝生の広場にはいろいろな店が建ち並んで、家族連れが芝生で思い思いに遊んだり食事したりとゴロゴロして楽しんでいて、フリーマーケットも開催されている。学生主催で、受験生向けのキャンパスツアーや個別相談もやっている。本館の中の展示はアカペラカフェ、ジャズ喫茶などの喫茶店系の出し物が多い。ステージでは武道の演武やチアリーディングなどをやる。
【学生生活】
アメリカっぽい大学といわれるが、それは教育方針がそうだからであって、別に留学生がうじゃうじゃいるというわけではない。男女とも真面目な学生が多い。学内の活動に忙しく、他大学との交流はあまりない。
ICUの学生と話していて思ったのは、みんな明るくてフレンドリーだということ。全部で3000人しかいない小さな大学で、クラスやサークルでもみんな顔見知り。すぐに友達ができやすく、友達の友達が友達なんて事もしょっちゅう起こる。大学に行けば絶対に知った顔に会える。ある意味マンモス私大に行くよりも知り合いは増える。私が取材した学生たちもみんなでワイワイやっていると思ったら、「今日友達になりました」なんて人もいた。いい大学じゃないか…。
いい意味で個性が確立していて、学生時代に自己主張をする経験を積んでいる。しかもコミュニケーションをとるのも上手、さらに英語ができることから、非常に好感をもたれやすく、就職に強いのはやはり教育の賜物かも。ここの学生のポテンシャルはとても高い。国連に勤務している人もいる。大学を見て、学生から話を聞いて感じたことは、たぶん大学というのは本来どこもこうあるべきなんだということ。ICUが特殊なのではなく、これが本当の大学というものなのだ。
ICUの深みに嵌まる 2004.6.5
リベラルアーツ教育に対するかつてない関心の高まりから、ICUのオープンキャンパスに行ってみた。雲ひとつない晴天。バス乗り場の行列の女子高生たちが「SFCはすごく混んでいた」などと話している。やはりSFCとICUを比較する受験生は多いようだ。
キャンパス到着後、最初に、教養学部長M.ウィリアム スティール先生による基調講演「責任ある地球市民を育むリベラル・アーツ」を拝聴した。
●ICUの掲げる理想について
スティール先生はICUで25年も教えているベテラン。専門は日本史(幕末・明治)で、授業は英語でやるという。
ICUは他の日本の大学とどこが違うのか。一般の大学はTeaching、ICUはLearning、対話する大学だという。ICUが目指しているのは「Critical Thinking(批判的分析思考)のできる人」の育成。3000人という小さな規模なのに広大なキャンパス、教員の半数が学内に住み、学生との交流も活発、30%が外国人教員、Flexibleで柔軟性のあるカリキュラムなどICUの魅力を説明した。「研究室で、学食で、芝生で、学生と教員がコミュニケーションを取り、語りあう姿が見られます」
ICUは職業教育や狭い意味での専門教育を行なう大学ではない。リベラルアーツとは、「リベラル=自由」、自分なりの考え方を育て、人間を解放する教育だという。
「私の授業でも、私が教えることを鵜呑みにしてはいけない『Don’t Believe me』。自分はどう思うか『What do you think?』を学生に常に問います。受身ではいけません。自分で考えるのです」
「狭い意味での職業教育はしていませんが、広い意味での職業教育はしているともいえます。広い意味でリベラルアーツとは職業教育なのです。世界でリーダーシップをとり、責任ある仕事をする。グローバル化する経済のなかで、生涯を通じて、新しいチャレンジができる。Job Marketの特定分野ではなく、いろんなドアが開かれる、無限の可能生に満ちています」
「大切なことは、好奇心、柔軟性、よく考えて、相手の言う事もよく聞いて、自分にFeedbackする。こうして得た能力を、どう使うか?『How use your mind?』。Guns or Butter? Gunsとは“Weapon”武器のことですね。Butterは食料品を象徴しています。私たちはむろんバターを選ぶような学生を育てます。Critical Thinking、そして理念、価値観、責任などをICUでは学べるのです」
「入学者は全員、国連の世界人権宣言にサインをします。この世界をより良い場所にするための社会的責任、平等、差別のない社会、平和、異文化理解、倫理、環境などに責任があるのです(このへんやや省略ぎみ)」
「私の専門は幕末ですが、最近の学生は第二次世界大戦に関心を持つ人が多いです。歴史は遠いものではありません、自分たちと関係あるのです。『Who make history?』、政治家? お金持ち? NO.『We can make history』」
「日本にはまだあまり根付いていないのですが、ICUではService Learningを重視しています。サービスとは「奉仕」。責任ある地球市民は、人間社会の多様性を理解している、大きな問題に関心を持ち、議論できるように情報を持つ。そして、自分の立場から思いやりや弱い人をたすける「奉仕」の精神を持つのです」
「教育は自分の頭を良くする、柔軟にするためだけのものではありません。それを生かし、世界を良くしていくものです。かつての教育勅語では教育は国のためのものでした。しかし、教育は自分のため、自立した個人、社会人となるためのものです。そして、他人のために奉仕する。これがICUの理想です」
「グローバル化する社会は希望と危険に満ちています。ICUはそのための準備をする場です。皆さんの学ぶものが何であろうと、正義、平等、人権を重視することに変わりはありません。この世界がすべての人にとって住みやすい世界になることを、私たちは目指しています。ぜひICUに来てください。『Change your Life』」
……というような講演でありました。個々人の感想はともかく、ICUはこういうことを目指す大学であるということはご理解いただけたでしょうか。
配布された資料をまとめてみますと、不透明化、複雑化する社会で、新しい価値を提示できる創造的な人材が求められており、グローバリゼーションが進む世界では、違う価値観を持つ他者を尊重し、対立を解決することが求められている。専門分化していく学問を後追いするのではなく(それをやっているのが藤沢かなあ…)、その根本を学ぶことで、総合的判断力を持つ。専門性に固まらない総合的視点を持つリーダーを育成する。
あとは、科学技術と自然環境、文系・理系を超えた総合的な学び、異文化を尊重し日本の伝統や文化も知る、ヒューマニズム・宗教も重視などが付加される。
だが、こうした話は多分に理想主義的である。いくら口で異文化理解、平和への理想、環境との共生を語ったところで、世界を支配する圧倒的なPower(軍事力、経済力)の前に、こうした努力は無力ではないのか? という疑問が生まれた。この点については後述する。
●理学をやることの意味(世界はサイエンスに満ちている)
学科ごとに相談ブースがあるが、どこも閑散としていて、学生同士でダベっていたりしている。見学者が少ないのは私としてはありがたいのだが、あまり参加者の少ないオープンキャンパスというのは侘しい。やはりICUはマイナーな大学なのだろうか。
どうせならマイナーを究めてやろうと、もっとも地味なイメージのする理学科のブースへ。古来の自由七科(文法、修辞、弁証法、算術、幾何、天文学、音楽)の中で算術、幾何があるように、リベラルアーツにとって自然科学は重要な分野の一つであるが、どうしても理系はオマケ扱いの雰囲気がする。実態はどうなのか?
ICUの理学科は、1学年100人以下の小さな学科で、その中に物理、化学、生物、数学、情報の5分野がある。これらが実質的には学科に相当する。2年次から3年次への進級の際に分野を決め、4年次から研究室に所属する。「とにかく少人数で、数学科なんかは先生が4人(=研究室が4つ)で学生は先生1人あたりに2〜3人しかいない。国立大学だと教官は恐れ多い存在だけどICUはフレンドリーで先生のお宅に遊びにいったりもする」とは学生の弁。
大学院になると国立大学に行く人がとても多いが、国立大学の院は東大、東工大などでも1研究室に20人などマスプロ化しているところもあるらしい。学費の面から国立の院に進学を選ぶ人も多いわけだが、どちらがいいかは一概には言えない。理学科の大学院進学率は50%だという。やはり理系は修士を出ると就職の幅が拡がるらしい。
生物物理学の先生からもいろいろ聞いたが、私も含めそもそも「生物物理学って何?」という人がほとんどではないかと思った。みんな理系離れしてはいかんよ。
*生物物理学 Biophysics
複雑かつ多種多様な生命現象を、物理学的手法により解析し、分子レベルで理解していこうという「物理学」の一分野。「生物」は生きたモノを見る、「物理」はモノの法則を調べる。つまり「生物物理」は「生きたモノの法則を知る」学門である。理学系の大学ならどこにでもある研究室らしい。
ICUの理学科の魅力は、やはり他の学問も幅広く学べる点にある。お話を伺った大学院生の方は、学部時代に宗教や哲学に関心を持ち、これらの単位を30も取ったという。ICUでは150人以上の大講義は存在せず、10〜40人の授業が多いらしい。「社会科学科の科目では日本思想史を学んだり、グループワークをしたりもしました」。文系学科も履修できる実験系の講義では、先生3人に学生20人という少人数講義でやっている。ICUでは学生一人に年間298万円のお金をかけて教育をしている計算だそうで、初年度納入金158万円でも安い(?)らしいが、赤字じゃないんですか? 謎だが聞くに聞けない。
理学科は理系の基礎的な部分しかやらないが、大学院では工学や医学に進む人もいるという。基礎をきちんとやっているので、少々異分野でもついていけるそうだ。また、少ないが教員になる人もいる。リベラルアーツで広い視野を身につけた先生は単に理科や数学を教えるだけではない、優れた教師になれるというが、数が少なすぎて恩恵にあずかれる生徒は稀だ。
ICUが誇る恐怖の英語教育ELPについては、話せるようになるわけでもなく、TOEICの点数が上がるわけでもないという。しかし、英語で学ぶための訓練にはなるため、英語にびびらなくなり、英語ができるというだけでむやみに尊敬したりすることがなくなるという。「本をゆっくり読む時間もないほど忙しいのが難点ですが」。
ちなみに敷地内にはICU高校がある。大学附属とはいえ、推薦で入学してくる人は限られていて、日本人ばなれしたユニークなカルチャーが育っているらしい。ちなみに内部進学者は「ハイスクールあがり」なので「這い上がり」と呼ばれている。
その後、「数学の美しさ」という話で盛り上がるが、正直会話においていかれそうだった。また、なぜ自然科学が物理科学から生命科学に移行しているのかというと、物理学や化学の発展は限界が見えているが、生物学はまだ未知なるフロンティアに満ちているからだという。むしろ私には、いままでずっと嫌って避けてきた数学こそフロンティアであるが。
*自然科学の美しさを知る本
『センス・オブ・ワンダー』 レイチェル・カーソン 新潮社
『フラクタル幾何学』 ベンワ・マンデルブ(広中平祐訳) 日経サイエンス社
『はじめてであう すうがくの絵本』 安野光雅 福音館書店
『数学的センス』 野崎昭弘 日本評論社
『博士の愛した数式』 小川洋子 新潮社
そのほかにも、私大で生物学をやる大学は少ないとか、ICUの学食は競争原理が働いていないからマズイ。あらゆる学問に国際性があるのに、国際関係学科は必要なのか、総合研究大学院大学は人気がなく、他大学に学生を取られてしまうなど、話は多岐に及んだ。いや、本当にICUには申し訳ない話ですが、受験生の参加者が少ないおかげでいろんな話が聞けました。ありがとう。
●人文科学は生き残れるか
残るは人文科学科、社会科学科、語学科、教育学科、国際関係学科の文系5学科だが、ここは学問の真髄を極めるべく、やはり人文科学であろう。理学科で1時間以上話しこんでしまい、全部の話を聞く時間はとてもないし、今、自分が一番関心がある哲学や宗教といった問題は、ICUでも根源的な問いであるはずだ。
結果から先に言うと、ここでは大変なことになった。
ここでお話を伺ったのは、人文科学科の学科長田中敦教授(哲学)。ハイデガーの専門家である。気さくな雰囲気の中に、なんかもう哲学オーラが全身から出ている感じだった。
*マルティン・ハイデガー(1889〜1976) ドイツの哲学者。フッサール(1859〜1938)の現象学を発展させ、「存在」そのものの意味を問う「実存哲学」をつくる。代表作『存在と時間』は、第二次世界大戦後のフランス実存主義などに多大な影響を与えた。
*『存在と時間』 ギリシア以来のヨーロッパ哲学の宿題である存在一般の意味を、限りある個々の人間の根本構造の分析を通じて、時間の視界から決定しようと企てる。20世紀前半の哲学の大勢を制し、形而上学の復興、またそれ以後、実存哲学の発展に、大きな影響を与えた名著。
さて、まずは何から伺うべきか…。
昨今、資格や就職など「実学」的な視点で大学選びをする受験生ばかりで、雑誌も書籍もそのようなテーマばかり扱っている。また、専門職大学院も、究極的には「いいサラリーマンを養成する」のが目的だ。職業に直結しない人文科学は、どうあるべきか。また、教養としての人文科学の存在意義はどこにあるのか? 哲学や歴史学、宗教学について考えることは、無意味なのか、心理学まで職業に直結するかのように実学に取り込まれそうな今、人文科学はどうすればよいのですか?
先生の話されたご意見をまとめてみる。「確かに人文科学は最近人気がないですね」と笑いながらおっしゃってはいたが、ここから有意義なお話が1時間以上続くこととなった。
「今、三菱のリコール問題がありますね、あるいは雪印や、東海村のJCO臨界事故(ここで村上陽一郎の「安全学」の話が混じるが割愛)、これらはみな、「人間性の欠如」、「企業の倫理(=利益)」を優先した結果なのです。大学は、学生や社会の求めに応じるままに、目先の役に立つことばかりを教えてきた。そしてエリートとして社会に出してしまった。人文学の軽視。本当の意味での知識や教養、自国の文化の理解、人間関係などを学んでいないのです。
奥泉光(小説家・ICU人文科学科卒)がこう言っていました。「ICUには『留学経験のない』『クリスチャンでない』『男』が入学すると最も多くの物を得る」と。なぜなら、異質な文化と触れられるからです。ICUには「留学経験のある人」「クリスチャン」「女子学生」がとても多いからです。
哲学とは、自分とは違う考え方があることを知ること。それには意味がある。自分を広げる。自分を絶対化しない、相対化して見る。他者を理解する。常識を疑う。こうした訓練をするのです」
異なる背景を持つ人を理解すること、これを学ぶ事の重要性は、言うまでもない。異なる文化を持つ人に、自国の価値観を押し付けてはいけない(ブッシュ、聞いてますか?)、そして、企業ならば顧客の気持ちを考える。三菱自動車は、こうした最低限の配慮が、できなくなってしまったに違いない。これは、こうした企業に人文学的な力がまったく存在しなかったということを、はからずも暴露した。
企業は利益を追求するだけでなく、その事業を通じて社会に貢献するべきであり、人を幸福にするべきである。私は利潤を追求する事自体は悪だとはいわないが、ブッシュも、三菱も、利益の魅力の前に人間性が敗北したといえよう。
●東洋哲学は、存在しない
これだけ聞いただけでもなんとなく人文科学を学ぶ意義はあるような気はしたが、例によって会場は閑散としているので、もう少し深い話を聞いてみることにした。
「先生は西洋哲学がご専門ですが、東洋哲学の存在はどうお考えですか?」
「『東洋哲学』というものは、『存在しない』んですよ」
ハア?(゚Д゚) ……何を言っているんだこの人は?(´Д`)
「古代ギリシアの『哲学』に対比するものが、すべての文化圏にバックボーンとしてあるとは限らない。むろん、『哲学』のない国が劣るわけでもない。仏教やヒンズー教などは、いわゆる西洋哲学に対する東洋哲学として対比して存在しているのではなく、独自の思想体系なのです」
ここから、Inter culture Philosophyをドイツ語に訳した話とか、ウィーン大学の哲学科の話とか、津田左右吉の話とかに話が飛びまくるが、基本的にはエドワード・サイードの『オリエンタリズム』を参考に、西洋VS東洋という概念がつくりものにすぎないという話をする。だから、「(西洋哲学と対比した)東洋哲学は存在しない」という話になるのだ。納得。
*エドワード・W・サイード(1935〜2003) 英領パレスチナ・エルサレム生まれのアメリカの比較文化学者。ヨーロッパ中心主義・オリエンタリズム的世界観を具体的に指摘・批判する研究で知られる。主な著作は『オリエンタリズム』『知識人とは何か』『パレスチナ問題』。「東洋」という概念は、ヨーロッパ人が「自分たち西洋より劣るもの」と対比して、西洋人の頭の中だけで作られた概念に過ぎないとする。エジプトと日本が同じまとまりの文化圏であるはずがない。そして、日本人こそが「オリエンタリズム的世界観」にどっぷりと浸かっている。ヨーロッパ中心の世界観は根底から疑われるべきだ。
*『オリエンタリズム』 「オリエンタリズム」とは西洋が専制的な意識によって生み出した東洋理解を意味する。本書はその概念の誕生から伝達までの過程をあますところなく考察した1冊。東洋(特にイスラム社会)を専門とする西洋の学者、作家、教育機関などの例を挙げ、彼らの考えが帝国主義時代における植民地支配の論理(「我々はオリエントを知っている。それは西洋とはまったく違った、なぞめいた不変の世界だ」)から脱却しきっていないと厳しく批判している。サイードは言う。西洋人が東洋人を描くときの表現と、実際の東洋人とは何の対応関係もないのだ、と。なぜなら「オリエンタリズム」という言葉は、西洋人が東洋をどのように見ているかに他ならず、西洋の中にある東洋のことでしかないからだ。
あろうことか、私たち自身が、西洋的価値観で自国を、そして東洋を見ている。恥ずかしい限りだ。しかし、そう考えると東洋大学という名前自体もその存在が厳しく問われるな。なぜなら東洋という概念自体が西欧の思いつきだから。しかし、明治の日本人にそれを求めるのはあまりにも酷か。だからこそ、当時よりは相対化した私たちが、「東洋とは何か」を考えていかなくてはいけないのだ(東洋大学のことじゃなくて)。しかし、イスラム、インドや中国思想、神道などもきちんと勉強したいと思ってはいるのだが、なかなか手がつけられない。
もはやICUがどうなのかという話ではなくなってきた気もするが、こうした深遠なテーマに挑んでいくことは非常に尊い。無論、専門分野として先生のように追及することも大事だが、むしろ大衆が教養として考えていきたい問題だろう。私たちは人文学で他者を理解する力、自分を知る力を手にいれて、人間性を取り戻すべきなのだ。人文学は、人間性を獲得するための戦いなのだと思った。
結論…他者を理解し、自己を確立するために、教養として人文科学を学ぶべきだ。
●世界平和を叫ぶのは、空しいか
さて、さらにICUを深く理解するために、私の疑問をぶつけてみた。スティール学部長の講演では、ICUは平和、人権、正義、環境といった大きなテーマに、高い理想を掲げている。しかし、現実の世界はどうか。アメリカは戦争大好き、グローバリズムは固有の文化を破壊し、世界の貧困層をさらに苦しめているではないか。いくら異文化理解、平和への理想を語ったところで、何の役にたつのか、反戦デモ行進をしている人は自己満足だろう。ICUは口だけじゃないのか? ……とさすがにここまでは言わなかったが、理想というものは概念、極論すれば空想で終わりがちではある。圧倒的なPowerの前に、とても無力な印象を受けるが、いかがなものか? という問いを投げかけてみた。
「何をもって勝利とするのかという問題があります。確かにデモ行進や平和を叫んで戦争を防ぐことはできないかもしれない。では、これらの行為は意味がないのか、現実に対抗することはできないのか。そうではない。こうした行動は、後の世代の希望となるのです。ナチスの虐殺に反対して殺された神学者がいます。彼の行為は無駄だったのでしょうか? そうではありません。彼の行動が、今を生きる私たちの基盤となり、希望となっているのです。ですから、私たちが行動することも、後の世代の支えになっていくのです。私たちが歴史を作っているのですから」
本当はこの話のなかにドイツのワイゼッカー元大統領の「荒野の40年」の演説や、ワイゼッカーのお兄さんがノーベル賞を獲った物理学者であるとか、マックスウェーバーとゲバルトの関係とか、ドイツを中心とした政治、哲学に関する深遠な話が沢山あったのだが、残念ながら全部はおぼえていない。何せ私とは比較にならないほど頭の回転が速いので、会話についていくのが必死なのだ。
ただ、一つわかったことは、平和とか叫んでも無駄だと小馬鹿にしている連中は、本当に何もできないということ。決してきれいごとではなく、理想を口にして、本当に努力をすれば、世界は変わりうる。ガンジーもホーチミンもネルソン・マンデラもキング牧師もケマル・パシャも毛沢東もそうやって世界中に小馬鹿にされながら勝利を勝ち取ってきたのだから。
*リヒャルト・フォン・ワイゼッカー 元西独大統領。1985年5月8日ドイツ敗戦40周年記念講演「荒野の40年」での「過去に目を閉ざす者は結局のところ、現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、また新しい感染の危険への抵抗力を持たないことになるでしょう」という言葉で知られる。ただし、彼が単なる反戦論者ではないということは、ニュルンベルクの軍事裁判に対する「この裁判は勝者が敗者を裁いた。判決は事前に決まっており、この裁判はドイツ国民に対する報復以外の何物でもない。勝者は公平であるはずがなく、ドイツ国民に任せるべきであった」という発言からもわかる。現実の政治の世界は実に複雑だ。
*マックス・ウェーバー(1864−1920) ドイツの社会学者、思想家。
*マックス・ウェーバーとゲバルト マックスウェーバーは「正当な暴力(ゲバルト)を独占し得る唯一の組織、それが国家である」と定義した。 正当なゲバルトには「警察力」「処罰権」「交戦権」の三種類があると彼は論じている。
結論…人間は高潔な理想を語っても良い。それには意味がある。個人の力は小さいが、歴史は変えられる。嘲笑する連中は歴史に名が残らないだけでなく、後の世代に何も残さない。
私は、「彼の勝利は世界を永久に変えた」という映画『ガンジー(1982)』の宣伝コピーを思い出した。
●哲学と教養
先生のお話は今度は哲学、教養論に続いた。
「高校生たちが大学に入ってきて、私がデカルトの話をすると、「そんなこともう知っているよ」という。受験で出てきたからでしょうか。でも、教養というのは「自分が『知っている』と思っていることがいかに不完全か」を理解することなんです。ニュートンが自分を砂浜で遊んでいる子どもに例えました。自分が知っていることは、子どもが砂浜で遊んでいる程度の部分にすぎないと。学ぶとは、自分が知らないということを受け入れることなんです。「教えるもの」と「学ぶもの」の違いがわかりますか? 教えるもの(教師)のほうが多くのことを知っているということではない。むしろ、学ぶもの(学生)のほうが、物を知らないぶん、逆に学問に確信をもってしまっている。キルケゴールがこんなことを言っています。「ソクラテスを真に理解している者は、自分がソクラテスから何も学んでいないということを知っている」。大切なのは、自分で学ぶことなのです。ソクラテスは、何も教えなかった。彼はひたすら質問するだけ。教えるとは、奪うこと。教師が正解を教えてしまうのは、学生が自ら学ぶ機会を奪っているのです。教えられることをただ頭に詰め込むのが大学である筈がない」
ここからまた哲学、考古学、キリスト教、デカルトの『方法序説』の話が延々と続くが、もうメモをとる余裕がなかった。
*セーレン・キルケゴール(1813−1855) デンマークの哲学者、神学者。今日では実存主義の創始者、またはその先駆けと評価されている。当時とても影響力が強かったヘーゲル哲学を痛烈に批判した。主著に『死に至る病』。
*ルネ・デカルト(1596−1650) フランスの哲学者・数学者・科学者。「近代哲学の父」。「我思う、ゆえに我あり(Cogito ergo sum コギト・エルゴ・スム)」はあまりにも有名。幾何学に代数的方法を適用して解析幾何学を創始し、『方法序説』(1637)では、人間の理性に頼り、自然現象を数学的に解明することを説いた数学的自然観を確立した。
●キリスト教自体は批判の対象となるか
最後に、キリスト教精神を基盤とするICUにとって、神は批判の対象になるのか、そして、なぜICUには神学科がないのかという長年の疑問を伺ってみた。
「ICUにとってキリスト教はプロパガンダではなく大学の原理。ICUではあらゆる思索、文化が問われ、批判の対象となる。ゆえに、人間の営みである宗教、思想としての神は批判の対象になりうる。プロパガンダをしないから神学科は存在しない」
「なぜ人間は宗教で戦争をするのでしょうか?」と聞いてみた。
「宗教の戦争といいながら、その実、それは政治や生活など世俗の力関係が中心になっている。預言者アブラハムがアラビア語でイブラヒムとなっているように、ユダヤ、キリスト、イスラムは本来近しい関係です」
「翻訳は翻訳者の解釈、思想、文化的背景が入るから、原書で購読すべき。ハイデガーの『存在と時間』も、厳密には「時間」とも「時代性」とも訳せる。ハイデガー自身も多義性を持ってつけたタイトルです」
……とりとめがなくなってきたが、時間の都合でこれにて終了。いや、講演費を払ってもいいほど良い話を沢山聞いた気がする。「ぜひICUの魅力を多くの方に伝えてください」と頼まれたので、責任もってプロパガンダさせていただきます。
最後に「高校生にオススメの本はありますか?」と質問したら、ロビン・ジョージ・コリングウッド(R.G.Collingwood
1889-1943)の『思索への旅(原題 An Autobiography)』(未来社)をオススメされた。イギリスのすぐれた歴史思想家・哲学者として多くの良心的読者をもつコリングウッドの自伝。大学での思想形成・同時代の学者への批判等、危機意識に色どられた名著。
書店にあるといいのですが…。
●まとめ
人文科学も本気でやれば命がけであるということは、ご理解いただけたでしょうか。ICUがどうこうじゃなくて、田中教授が凄い先生だという印象であったが、こうした勉強ができるICUはやはり素晴らしい大学である。願わくば自分も受験生であったらこうした大学でとことん勉強がしたい。
ICUをマスコミに強い大学とか(就職者の1割がマスコミ)、国際的な職業に強いとか、「結果」から評価する声は多々あるが、本当に大切なことは、彼らが何を学んだかという「過程」ではないだろうか。就職論ばかりの風潮にはこの「過程」がスッポリと抜け落ちている気がする。
一見実用的でない学問から、対話によって他者を理解したり、深い思索で自分を高めたりなど、たくさんの大切なことを学ぶことができる。実用的な教育を受けて、社会で自分の選んだ職業で働くと言うことは、確かに尊い。しかし、私は実学偏重の大学の風潮には断固として反対するものである。そのような大学はすべて専門学校にすればよい。東大法学部だって、フランスのグランゼコールの行政学院のように、真に官僚養成の専門学校にしてしまうのも手だ。
本当に大学の名に値するのは、こうした教養教育を大切にする学校のことであろう。教養は英語ではCultureだが、ドイツ語ではBuilding(建設)という。たとえばヘルマン・ヘッセの『車輪の下』はビルディングスロマン(成長物語)と呼ばれる。大学で人間形成をする、自分を成長させるために、教養教育はとても大切である。今回お話を伺った理学(自然科学)、そして人文科学は、大学で真摯に学ぼうという人にとって絶対に必要なものである。
でも、本当は私は知っているのだ。高度なリベラルアーツ教育を真に必要としている人は、ごく限られているということを。日本の大学生の大半は、高度な教養など求めていない。就職できれば、技術があればいいのだ。はからずもICU自身が言っているように、社会で責任ある、指導的な立場に立つ、リーダー的存在こそが、高い教養を持つべきであって、職業教育を目的とした人は高度なリベラルアーツなど求めていない。偉い人たちは、自分の知性を物差しにするから、高いところばかりに目が行くので、リベラルアーツの必要性を声高に叫ぶが、私は、それを必要としない人が沢山いることを知っている。
ただ、私自身は、リベラルアーツを自分自身に求めている。それは、社会的地位の高さを求めているのではなく、自分自身の探究心に過ぎない。それでも、ただ就職が目的で大学に行く人と、リベラルアーツ教育を求めて大学に行く人は厳然と違う立場であると思う。無論、それは優劣を論じるものではないのだが。
しかし、社会が管理する側とされる側にはっきりと二極分化し、正社員とフリーターの差が天と地ほど開く時代が到来したとき、「上」にいる人たちというのは、ただテクニックを身につけた人ではなく、リベラルアーツを見につけた専門家であるような気がしてならない。私は別としても。そして、三菱のような不祥事を起こさないためには、リベラルアーツの精神を身につけた、優れた人間がトップに立つべきだ。
結局は形而上的な話になってしまった。大学としてのICUには、学食がマズイとか、忙しすぎるとか、思ったほど他学科の科目が履修できないとか、キリスト教色が強すぎるとか、学費が高すぎるとか、そのくせ理学科にばかり資金が回るとか、本館がボロいとか、メールボックスの無駄なチラシが地球にやさしくないとか、多くも不満の声が学生から挙がっているのも事実である。しかし、60万冊の蔵書を誇る図書館はほとんどが開架で閲覧室も広く、素晴らしい。何より、学生、教授の意識の高さが圧倒的である。こうした環境で自分を高められる優れた勉学を究めることは十二分に可能であろう。何より少人数教育であることが良い。もうマスプロ私大は消えてくれ、本当に。まあ、多くの私大が退廃的だからICUが光っているともいえるが。
●おわりに 不正乗車をするセコい障害者に人間の多様性を見る
三鷹駅行きのバスに乗り、ICUを去った。途中のバス停で、50歳代ぐらいの男性が、よろめきながら杖をついてバスに乗ってきた。口に定期券入れを加えている。見るからに体の具合は悪そうだ。しかし、彼がパスを見せてバスに乗った瞬間、運転手の顔つきが変わった。
「お客さん、運賃払ってませんよ。前もそうやって乗ったでしょう!!」
どうやら、このパスは障害者割引であって、無料パスではないらしい。
「堤さんのときは乗せてくれたのに…」
「そういう問題じゃないの。ちゃんと110円払ってください」
「500円しか持ってないので…」
「私が払いましょうか?」と初老の男性が話しかけてきた。運転手は、
「いえ、結構です。困ります。会社に報告しますからね。今度同じことをしたら、大変なことになりますよ」と激昂している。
しかし、この障害のある男性は、自分が悪いことをしている、あるいは、叱られているという認識は、ほとんどないようだった。まるで、犬が飼い主になぜ叱られているのかわからないというような、キョトンとした顔をしている。不正乗車の常習犯だとしたら、それなりに肝っ玉は座っているのかもしれない。
障害者は天使だなんて、障害者にも迷惑な幻想だよなあ……と思いつつ、バスに揺られていく私であった。
明治大学
駿河台にそびえ立つリバティータワー
★立地・設備
神田神保町や秋葉原に近い駿河台キャンパス(文系3・4年)にはかの有名なリバティータワーがそびえ、図書館も学食も綺麗になったし、サークル部室もちゃんとある。和泉(文系1・2年)も交通の便がよい。理系の生田だけ隔離されているが2学部あるのでまずまずの規模だし、意外にサークル活動が盛ん。
●図書館 中央図書館(駿河台) 月〜金(8:30〜22:00)、土(8:30〜19:00)、休日(10:00〜17:00)
和泉図書館 月〜金(8:30〜20:00)、土(8:30〜19:00)
生田図書館 月〜土(8:30〜19:00)、休日(10:00〜17:00)
休日開館は立派。中央図書館はリバティータワーにあり、蔵書百万冊(開架20万冊)。閲覧席がとても広い。地上1階から地下三階まで透明なエレベーターも上下している。基本的に部外者は立ち入り不可。和泉図書館は建物がボロくてごちゃごちゃした印象。三階建て。「山手線コンソーシアム」によって、立教、学習院、法政、青山学院、明治学院、國學院、東洋大学の図書館を利用できる。
★就職
就職に燃えてこそ明大生ぞ! そんなわけで就職部を見てきました。
駿河台キャンパスの就職部は、明治大学の勢いが詰まった部署である。20台ほどのパソコンと、常駐した相談員があなたを待っている。そして、卒業生たちの血と汗と涙の結晶、就職活動報告書、企業別就職者名簿(業種別)、OBOG名簿(毎年1500社から送られてくる)、Uターン就職資料、公務員活動ファイルなどを自由に閲覧し、自らの活動の指針とすることができる。各企業のエントリーシートも見られる。独自の産業分類法により、いわゆる大手優良企業に勝手にコード番号を振って、学生の志望を聞き、対応するなど、大手指向が強い。中堅大諸君、これが現実だ。3年生に配布される「就職の手引き」という冊子も懇切丁寧。就職活動の進め方、会社四季報の読み方(こんなことまで指導する大学は少ない)、メールの書き方、さらにはイメージに惑わされない職種の研究(企業のいろんな部署の役割紹介)、OB訪問、リクルーターとの接し方、履歴書、エントリーシートの書き方まで書いてある。
人気のマスコミ就職についても、記念受験者やあこがれだけの人が多いから決して臆するな、明大生なら「前へ」と威勢がいい。「実体験に基いた裏づけのある発想力を身につけろ」「入社後にやりたいことを具体的にアピール」「広告業界は積極的にOB・OG訪問を」「大手ばかりでなく、本当に現場で創る仕事がしたいなら編集プロダクションや番組制作会社も視野に入れろ」など的確なアドバイスをしている。
さらに、内定連絡票、就職活動報告書が始めから「就職の手引き」にくっついている。これにより、就職者が大学に報告しないのを未然に防いでいる点も注目に値する。よく「内定率は本当はもっと高いけど、内定者が書類を提出しないので実態がわからない」などという大学があるが、そういうのは「怠慢」というんのだ。
大学の歴史、建学の精神などを聞かれたときのために、これらを冊子に書いてあるのはどこも一緒だが、さらに明治大学は週刊ダイヤモンドの数字を列挙。ちなみに早稲田の入試課ではこの週刊ダイヤモンドを独自に編集した冊子を配布していたから、そうとう権威と確証があるらしい。どちらも就職に自信のある大学だからできる芸当だろう。
【数字で見る明治大学】 <週刊ダイヤモンド5月1日号『2002年度版役に立つ大学』>
@人事部長が選んだ役に立つ大学ランキング 17位(文系) 37位(理系)
A上場企業の役員・管理職における明大出身者数 7位(3,473人)
B夏季オリンピック出場者(シドニー、アトランタ) 4位(15人)
C公認会計士試験合格者 7位(27名 2001年度)
D新聞記事登場回数に見る大学の注目度 13位(記事件数1,299件)
学生たちにアピールさせて、ちゃっかり大学の宣伝もしている気がする。個人的に、「受験では不本意だったけど就職で挽回」といえるのはMARCHまでかなあとも思う。
「就職の手引き」には「体験報告編」という別冊もあり、著名企業内定者たちの熱い思いが読める。2002年の個人的ヒットは、二浪、英検三級、農業経済学科という三重苦を背負いながら、フジテレビに内定した男。でも、彼は、アメフトの主将だった! 凄い、まさに明治!
●リバティー・アカデミー
大学生・社会人のための公開講座。年間180コースを開講し、約6,000人が学んでいる。在学生のスキルアップが本来の趣旨だが、卒業生、社会人はおろか、他大学生も受講できる。一般の資格予備校よりも安価な授業料設定、明治大学の教室を使うので便利なことから人気を博している。各種資格の合格者も全国平均より高い。教育訓練給付制度で受講量の80%が免除になる場合もある。資格講座だけでなく、実務、語学、就職対策まで、いろいろ用意されている。
これらの講座は、いまさら資格だけで就職に有利というわけでもないとはいえ、大学側が学生を焚き付けて勉強させようという姿勢は悪くはない。どうせ学生は放っておいたら何もしないからだ。また、就職熱心でない大学に入ってしまい、危機感を感じている他大学の学生にも門戸は開かれている(明大生より受講料は高いが)。
明治の秘蔵っ子 農業経済学科 2003.9.27
秋空が高い快晴の日、明大前駅に降り立つ。本日は明治大学和泉校舎のオープンキャンパスを訪問した。文系のオープンキャンパスは理系のように実験施設の見学などがなく、教員や学生とイスに座って話す相談会や模擬授業を聞くだけで、正直あまり興味を惹かれないのだが、別に文系はダメだというつもりもないので、気の向くままに参上。
さすがに高校生の参加者でどこもごったがえしている。だがしかし、ある小さな教室をのぞくと、なんだか手持ち無沙汰な先生と学生2名がダベっているブースがあった。
その名は「農業経済学科」。本日の和泉キャンパスのでの説明会に、文系であることからわざわざ農学部の生田キャンパスから出張してきたのである。だが、行列を作って説明にいそしんでいる文系の他学部に比べると、なんとも寂しい感じであった。受験生でごった返すブースで時間を割いて学部の内容を聞くのは受験生に悪いので遠慮して、受験生が現れるまではこの農業経済学科のお話を聞いてみることにした。
農学部は最近、自然への回帰や環境問題への傾倒からか非常に人気が高まっている。女子学生もかなり多い。動植物やバイオといった話題は華やかである。そんな中、文系の農業経済を学科規模でやっているのは、かなり珍しい。
農業経済学はどうして地味なイメージなのか。「学科の名前で損しているのかなあ……」という話になる。先生によると、もともと農業経済学はマルクス経済学から誕生したそうで、「近経(近代経済学)の農業経済なんか聞いたこともない」そう。おかげでイメージはなんとなく共産圏の管理農業という感じである。コメコン、コルホーズ、人民公社……、まあ、いまやあまりポジティブなイメージではない。
だが、現在の潮流はかなり変化している。特に食糧問題、環境問題、国際開発問題など、人類の生存に関わる重大な課題を、文系の経済学と、学部の農学という二つの分野を混ぜて学ぶ農業経済学科は、文理融合の学際的な学科であるといえよう。
イギリスには「プロジェクト・オフィサー」という、農業の視点から地域開発をする専門家がいて、過疎の村の再生や、住民と行政のなかだち、食料ビジネスなどをやるという、アメリカではエージェント、フランスではアジャンツという同じような人がいる。日本でもこうした役割の人はいるが、それを専門にやる職業はない、ただ、農業経済学を学ぶと、そうした「農学という理系のわかる、文系出の人」になれる。しかも「農学士」。
基本は経済、経営を学ぶ学科である。他の有名大学の経済学部の滑り止めという不名誉な評判も若干聞くし、事実、学生にはやはりそういう感じの人も多い。農家の息子はあまりいない(もちろん少しはいる)。「親に、なんで農業経済なんだ? と言われました」なんてありさまで、世間での知名度も低そうだ。
でも、農業経済学を専門にやるという固定観念をちょっと外してみると、じつは、ほとんどの文系大学の経済、経営学部と遜色はない上に、農業、食料問題などの専門知識も身につくし、農学部の他学科や理工学部の授業も履修でき、文系でありながらかなり理系の勉強ができる、超おトクな学科である。受験生は「人間環境」とか「国際関係」などという学科があると飛びついてしまうが、農業経済学科には「地球環境資源論」「環境保全農業論」といった環境系の科目、「国際食料需給論」「国際アグリビジネス論」などの科目もあり、彼らのイメージする現代の環境問題、あるいは国際的な学問を学ぶという要求には十分に答えられるのではないだろうか。
それなのに、農学部で唯一、女子学生が少ないという。なるほど、確かに学科名で損はしているかも。だからといって東京農大みたいに国際食料情報学部なんて名前になってしまうのもそれはそれで寂しい。農業経済学科は学問の特性上、国際的に「ならざるを得ない」学科である。環境問題にだって農学博士の教授から学ぶことができる。もっと受験生人気が出てもいいのに。実に不遇だ。
ゼミ(研究室)は「農業」という枕詞の付く、経済、政策、市場、地域社会などの分野である。私個人としてはどれも面白そうで興味を惹かれる。タイや中国に短期の実習に行くが、ただの語学や文化の修得ではなく「農村調査実習」であり、現地の農業を体験して学ぶことができる。「国際的なビジネスマンになる」などといって、アメリカ的な「搾取する側」にまわる人よりも、アジアの各国の庶民の実情を知ることができるのではないだろうか。たとえばEUというテーマに対しても、先進国農業、流通などを中心に研究したり、ゼミを進めたりしている。学生「国内の農村調査実習では山形県天童市でさくらんぼを作るのを手伝いました。実際にやってみると大変です」、先生「今の学生は、ほとんどが実際に農業を体験していませんから、田舎に行って、現場を実体験させることはとても価値があると考えています」とのこと。ここで先生と、アメリカがいかに農業、そして政治経済軍事などの分野で世界の破壊者であるかという熱い議論を戦わせたが、割愛。
国際的といえば、農業経済学科は2年次に台湾でホームステイならぬ「ファームステイ」をやっている。農学では世界的な評判のある台湾大学の協力を得て、台湾大学の教授による授業、農場や農産物加工工場の見学などを行なう。同じ留学ならこっちのほうもなかなか面白そうなのですが、どうでしょうか。
気になる就職だが、顕著な特徴がある。まず食品、薬品、流通業界に強い。次に、農協系など金融機関に強い(就職者の2割が金融)。これは、就職を重視した文系としては、なかなか特徴的である。お話をうかがった学生は2人とも来年から食品業界とのこと、もちろんファミレスではなく、作る側である。
受験生の目が肥えたのかここ2、3年はかなり受験倍率が上がってきていて、今後はさらに人気のある難関学科になるかもしれない。
おや、農業経済学科の話を聞きたいという受験生がいらっしゃった。邪魔者はおいとまさせていただきましょう……。
農業経済学科・追加情報 2004.6.19
・生命科学概論が必修「難しいけどためになる」
・「哲学」「日本語」「英語」「ドイツ語」「フランス語」「保健体育」の教養ゼミナールがあり、やる気があれば専門と2つのゼミに所属できる。とくに語学系は重宝されている。
・文系学部と違ってフリーター率が低い。
・各研究室ごとに学生研究室がある。教授の研究室に隣接していて、パソコン完備。3・4年生が入り浸って勉学にいそしんでいる。夜10時まで使える。
・農業経済学がやりたくて入ってくる人と、明治ならなんでもいいからという人が半々。
・農学部の専門科目の履修が自由なので昆虫やバイオの勉強もできる。
青山学院大学
1874(明治7年)、米国メソジスト監督教会宣教師が創立。文、法、経済、経営、理工、国際政治経済の6学部。2003年に厚木キャンパスと世田谷キャンパスが相模原キャンパスに統合移転し、青山と相模原の2キャンパスになった。
★図書館
青山キャンパス 9:00〜21:30(火・金21:40、土21:00)
約110万冊の蔵書。一日1.500人が利用する。地下2階から地上3階まである。キャンパス内の女子短期大学部の図書館も利用できる。
相模原キャンパス 9:00〜20:00(土16:00)
メディア・センター1〜3階が図書館。地下の自動書庫に25万冊の蔵書があり、学生が館内OPAC(蔵書目録検索システム)から出庫指示をすると資料が上がってくる。開架はわずか8万冊。3階にはドリンクコーナーがある。
★先端技術研究開発センター(CAT)
相模原キャンパスK棟内にあり、様々なプロジェクト研究が行なわれている。平成8年、文部省の「私立大学ハイテク・リサーチ・センター整備事業」に伴って設置された。
▼文学部
教育学科では小学校の教員免許が取得できる。史学科は日本史、西洋史、東洋史、考古学、芸術史の5コース。心理学科は臨床心理学、応用心理学、基礎心理学の3分野。認定心理士と学校心理士の資格が取得できる。
▼法学部
2年次から総合法律、企業法務、公共政策、法曹(司法試験対策)、隣接法曹(司法書士、行政書士、弁理士など)、国際渉外法の6コースに分かれる。
▼国際政治経済学部
2学科の垣根は低く、グローバル・ガバナンス、ファイナンス・マネジメント、国際コミュニケーションの3コースはどちらの学科でも所属できる。
★アドバイザー・グループ…教員主導のサークル活動
≪青山学院大学相模原キャンパス見学オフ会≫ 2003年4月某日
生まれ変わった青学を見に行く
2003年4月×日。横浜線淵野辺駅に勇士が集結した。管理人山内、青学OB、浦島、智乃の4名である。こんなすさんだサイトでもオフ会が出来るとは(涙)。青学OB氏は母校の成長ぶりを、理系学生の浦島氏は理工学部に注目して、そして紅一点の智乃氏はサイトの愛読者という理由で、まったく面識のない者たちが、存分に青学を味わうべく集結した。
淵野辺駅…。この何の変哲もない郊外の駅が、青学のためか綺麗に改装されている。橋上駅の改札を出ると、桜美林大学淵野辺ステーションキャンパスに続くぺデストリアンデッキ。だが、私たちは階段を下りて商店街を歩く。電気店、携帯電話屋、居酒屋、カラオケ…どこにでもある駅前風景だが、町は時ならぬ特需で沸き返っていた。「歓迎 桜美林大学 青山学院大学」という文字が電光掲示板に表示され、祝賀ムード一色。駅前商店街といえば郊外型大規模小売店の進出で青息吐息というのが定番だが、青学の進出によってどこも間違いなく売上は上昇するはずで、嬉しいのも当然だろう。1万人もの学生が来ることによる淵野辺のイメージアップも計り知れない。
駅前通りから、青学へと抜ける横道に入る。急に雑然とした町並みから、瀟洒な雰囲気に変わった。電線がないのだ。代わりにオシャレな街灯がポツポツと立っている。赤レンガの歩道。街まで青学に合わせてイメチェンしたらしい。できたばかりの喫茶店やパン屋がまぶしい。そして、その先に、目指す青学の校舎が見える。黄色くて四角いハコはまるでアウトレットモールみたいだ。手前にカルピス物流の倉庫がでーんと構えているのが興をそぐが、ご愛嬌だろう。
県道を横断歩道で渡る。ここは量販店や飲食店が建ち並んでいて、自動車の客向けの店が多いが、青学生の利用も増えることだろう。何もなかった厚木とは雲泥の差である。古本屋も「歓迎青学」などと紙を貼っている。また、青学に最も近いコンビニ「スリーエフ」がある。
特筆すべきは、この県道沿いにラブホがあること。鮮やかなオレンジ色が塗りたての中世的なビルだが、パタパタゆれる自動車入口の緑色のカーテンがすべてを物語っている。もちろん県道利用者を狙っての出店だったのだろうが、経営者は今や青学特需で笑いが止まらないことだろう。さすがに「歓迎 学生割引」などとポスターを貼るわけでもなく、そしらぬふりをしているが、ここで青学生たちがさまざまなドラマを織り成すことは想像に難くない。
県道を渡ると、いよいよ青学への直線道路となる。ここまで公式には徒歩7分とされているが、道が平坦なこと、店もあることなどから、気分的には5分ぐらいの感じがした。やはり駅に近い大学は良い。
相模原キャンパス到着!
大学の正面の道路は、何の変哲もない住宅街の道だったが、今や青学のメインストリートということで、綺麗な舗装になっている。ただし、道には古びたアパートや倉庫が立ち並び、決しておしゃれではない。でも、もはやそんなものはどうでもいい。だって、この直線道路は、正門から奥の校舎までまっすぐに続く、青学のメインストリートと一体化しているのだから。門の前には叶ツ山なるパン屋があったが、青学との関係は謎である。
正門に到着した。奥へとのびるケヤキ並木は、厚木から移植されたものなので、よく成長している。そして名物の鉄の門柱。青学の伝統はしっかりと受け継がれているようだ。
ケヤキ並木の両側に立ち並ぶ落ち着いた色の校舎。そして、並木道の奥の正面に鎮座するガラス張りの巨大な校舎「B館」。視覚効果を考え尽くした、理想的な美しさである。さっそく中に入ると、左手にガラス張りの警備員室があった。おしゃれである。敷き詰められた石畳、そして両側の校舎には円を描いて続く中世ヨーロッパ風のコリドール(回廊)。もうたまらん。このキャンパスは「雰囲気」までも演出しているのだ。
青学といえばチャペル
最初にB館に入り、事務所を見てやろうとしたのだが、青学OB氏の「青学といえばチャペル」という意見に従い、チャペルに行く。育成中で入れないが緑色の芝生が広くて美しい。
チャペルの概観は、厚木にあったものにそっくりである。厚木キャンパスは日産に売り飛ばしたので、このチャペルの内装は厚木から移築してできているとのこと。さっそく重い扉を開けて入ってみる。
中は以外に小さい。聖書が用意された木のイスがなかなかの雰囲気だ。3枚の極彩色のステンドグラスに日が差し込んで輝いている。キリストが描かれたステンドグラスの下には、2階建ての家ぐらいの大きなパイプオルガン。だれもいないその空間で、偶然にも一人の女性がパイプオルガンを演奏していた。奏でられる荘厳な調べ。おお、神は青学を祝福せり。苦難の旅路を経て、約束の地に至る。ちなみに青学は1限と2限の間(10:30〜11:00)に毎日礼拝の時間がある。
無駄に豪華なB館
B館
続いて、メイン校舎のB館に入る。回転ドアは無駄な経費の気がしたが、中にはもっと無駄なものがあった。3階までぶち抜きのエスカレーターである。意味あるんだろうか。シャンプーのCMに使えそうだ。とりあえず登って見る。3階にも図書館の入口があったが、入れないので下に戻った。このエスカレーターを挟んで、B館はEastWingとWest
Wingに分かれている。成田空港じゃないんだから。
スチューデントセンターと名乗る学生部に入る。ここもガラス張り。中はとても広く、ゆとりのある設計。職員思いだなあ。ダンスが出来るほど広いホールのような空間の両側に、事務部門がある。左手は国際交流課と就職関連の部署で、求人票やパンフ、企業案内が用意されていて誰でも見られる。理工学部が4年間いることもあり、1年生から就職に関心を持たせるのは良いことだ。なぜか就職と国際交流の部署が合体しているのも便利でいい。西側の学生担当部署も開放的な作りだ。ただ、入試担当部署が2階の庶務課というのは、ちょっと不便である。ここにも受験生は沢山見学に来るだろうに、配慮が足りない。
このB館は正面からメインストリートの延びた終点にある、相模原キャンパスのシンボル的校舎である。最上階はガラス張りの展望室になっていて、眺めが素晴らしい。当然見に行く。
課題の残る図書館
続いてB館West
Wing1階の万代記念図書館に行ってみる。自動改札で部外者立ち入り禁止だが、頼み込んで少しだけ中を見せてもらう。今回だけですよと言われたので今後はたぶん入れてもらえないので、くれぐれもマネしないように。
図書館は3階まで吹き抜けが中央にあり、その両側が書庫と閲覧室になっている。音の出ない静かなクッションのような床で、本棚までガラスでつくられていてとてもさわやか。机には情報コンセントが設置されている(常識!)。さすがに新しいハイテク図書館といった感じであるが、やや難点も目につく。
まずエレベーターがない。図書館は1〜3階まであるにも関わらず、業務用エレベーターしかないのは、体の不自由な方にやさしくない。明治みたいに中央の吹き抜けに透明なエレベーターをつくるべきだ。また、書棚に「総記」「経済」などの分類が明記していないので、どの本がどこにあるかまったくわかりづらい(さすがに今後改善するとのこと)。また、3階にドリンクコーナーがあるが、わざわざ図書館でジュースを飲む人もいないだろうに、あまり必要な設備とは思えない。
25万冊の閉架書庫が地下にあり、OPACで検索すると専用のベルトコンベアーで本棚ごと各階まで本が移動してきて、職員がそれを取り出してくれるが、どう考えても開架のほうが便利だ。開架図書は公式パンフでは8万冊とのことだが、職員の方に伺ったら15万冊と言われた。どっちが本当か謎だが、見た限り8万冊よりは多く開架図書があるように見えたのでおそらく後者か。それでも1万人以上の学生が集い、理工学部が4年間をすごす図書館にしては少ない。せっかく新しいキャンパスなのに、少々工夫の足りない図書館である。本来なら入ってはいけないのを好意で見せてもらってこういうことを言うのは気がひけるが、事実そう思ったんだからしょうがない。
学食行ってこその大学見学
さて、そろそろ食事の時間だ。学食に足を運ぶ。学食は3つあるが、うち2つがG棟という校舎にある。このG棟はサークル部室や購買会もあるいわば厚生棟で、正門を入ってすぐ、教室棟にも近く、学生の導線をよく考えた設計になっている。
木を使った内装が素敵な学食は非常に広い。厚木もそうだったが、でかい学食をどーんとつくるというスタイルが青学らしく、これはどうかと思う。意匠をこらした様々な学食が何ヶ所かあったほうがいいような気がする。また、学食3つだけというのはどうも趣きに欠ける。せめてキャンパス内にエクセルシオールカフェでも入居させてほしかった。
せっかく4人できたので全員違うものを注文する。青学らしくオシャレなメニューでもあるかと思ったが、結局はカレー、ハッシュドビーフ(各300円)、ラーメン(260円)、すき焼き丼(360円)といかにもな組み合わせ。ただ、カレーを頼むだけでサラダやスープがついてくるのはサービスがいい。冷水機があるのにお茶とお湯しかボタンがないのはジュースを買わせる策略か。これはマイナスだ。味はまあまあだった。青学OB氏は「青学といえばソフトクリームっすよ」と豪語してメロンソフトをデザートに召し上がっていたが、何か納得のいかない顔をしていた。
食後は同じG館の3〜5階にある部室を見学。学食と部室が一体となった校舎は日本の大学では珍しいが、海外では常識。非常に便利なので普及してほしい建築である。ただ、学食から部室等に行く通路は入り組んでいて迷ったので、青学もまだまだ使いやすいとはいえない。
理工学部と厚木のサークルが一つのサークル棟に一同に会したため、約100のサークル部室がある。1サークル8畳は狭いが妥当なところか。早速「相模原祭実行委員」が部室を構えていた。ここもガラス張りで部室の中がのぞけてしまうが、おそらく今後は学生たちがポスターなどで塞いでしまうだろう。また。細長い部室棟なのに片方の階段しか使用できず、反対側の階段が非常用として閉鎖されているのはいかにも不便だ。まだ活動をはじめたばかりで学生の活気はあまり感じられなかったが、今後年月を経ればいい味を出してきそうである。また、学園祭も、理工学部との合体で盛り上がることだろう。
おっと、A棟のアリーナを忘れていた。学食、サークル棟見学の後は、体育館見学である。先ほどから弓なりになった銀色の屋根がカッコイイ体育館が気になっていたのだ。さっそく入ってみる。2階の閲覧席へ。おお、天井が高い! しかも何やらいろんな機器がぶら下がっている。バレーボールコート3面分の体育館自体は思ったより狭い。なぜなら2階、3階が柔らかい折りたたみイスの観覧席になっているのだ。こんなに豪華な観覧席にしてどうするつもりなのか。しかもA34などと番号が振ってある。すでにコンサートを想定しているらしい。体育館の床には青学のマスコットである鷲(イーグル)のEAGO(イーゴ)ちゃんの顔が描かれている。
格好悪い…
鷲は聖書に登場する動物だそうだが、同じミッション系でも韓国の延世(ヨンセ)大学のマスコットの鷲のほうが頭身が高くてカッコよかったとか余計な事を言ってみる。
充実の教室棟
学生たちの青春の学び舎である教室棟に入る。まず目につくのは広いラウンジ、机とイス、自販機が設置され、いくらでもダベったり、あるいは自習が出来る。相模原キャンパスは学生が長く居たくなるキャンパスを目指し、あちこちに学生が溜まれるスペースを用意している。こうした発想は既存のマンモス大学にはほとんどなかった。
教室棟は、5〜6メートルはあろうかという広い廊下が特徴的。3つの校舎は横でつながっており、移動は楽。ただ、エレベーターがやや少ない。教室は大小そろっており、十分ある感じだ。廊下を挟んでキャンパスの内側にある教室からは、どこからでもチャペルが見える。よく考え尽くされた設計だ。隣接して女子寮がある。校舎はどこもガラス張りで大変美しい。
まとめ 80点を君に
そのあとは和風の庭園を抜け、コインが投げられている泉を眺めたり、理工学部校舎を覗いた。理工学部は専用の理工学部棟(一体となったJ・K・L棟)とその裏のI棟(大型実験施設)だけかと思いきや、新日鉄のビルを再利用して、1階に小さなカフェテリアのあるN棟、文系も使う理科実験室があり、将来文理融合系の新学部も計画されているO棟も実質的に理工学部の実験・研究棟であり、相模原の校舎の約3分の1は実は理工の物である。田舎に移転したとはいえ、随分研究環境は良くなったのではないだろうか。最新の設備に理系の浦島氏は感動の連続で、うらやましいの連発であった。
そのあと、音楽サークルだけ隔離された音楽部室棟を覗く。ちょうど学生バンドがコンサートをやっていて、なかなかの来客だった。学生に少しだけ話を聞いたのだが、やはり厚木とは雲泥の差とのこと。ただし、自動車、バイク通学は禁止になった。最後に國學院から購入した野球場と健康管理施設を外からながめて終了。
全体を見た感想としては、「青学よくやった」。厚木の苦い失敗に学び、考えうる最高のキャンパスを作ろうとした努力は高く買う。が、図書館や学食などには微妙に改善の余地がある。80点。
その後、ついでに近所の桜美林大学も行ったが、疲れたので見学記は割愛。長文でしたが読んでくれた方もお疲れ様でした。
オフ会参加者の感想
青学受けようと思っている受験生も、そうでない人でも一度見てください。正門からまっすぐ伸びた並木道、窓が大きく、明るい雰囲気の校舎。あちこちにある学生がたまれるスペース…。見事に「おしゃれなミッション系大学」を演出していま
す。理工学部が同じキャンパスに同居しているのも高得点。総合大学のメリットは色々なタイプの学生がいることですが、関東地方の私立大学だと理系学部だけ隔離されているケースも多いです。同居していると授業や課外活動などを通して活発に人的交流が行われます。確かに離れていても交流はあると思いますが、毎日顔をあわせているのとでは全然違います。青学と言うと文学部のイメージが強いですが、研究水準も高いので理工学部もお勧めです。後数年早くできていれば、もっと受験勉強がんばったのに(笑 (浦島)
青学相模原キャンパスは、新築だから当然ですが、とにかく綺麗!そして広い! ガラスが多用されており、全体的に明るい雰囲気です。校舎そのものも綺麗ですが、建物の配置も美しく、とてもよく考えられていると思いました。ほとんどの校舎の中に入ったのですが、たいていどこからもチャペルが見えました。今まで世田谷に押し込められていたせいか、理工系の実験室、研究室が中心のようです。サークル部室や、自習室、フリースペースなども充実。学生のことを考えて作られたキャンパスです。学食は二つあります。値段も手ごろ。
その後、桜美林大学へ。青学に対抗して作ったと思われる駅前キャンパス(雰囲気も酷似)から、スクールバスで10分程度。普通のキャンパス。青学を見た後なのでかなり見劣りしました。ホールにフロイトだのニュートンだのザビエル(ここだけミッション系っぽい)といった名前がついているのはどうかと。ただ、ここには畳のある部屋があるのです!
座布団まで完備
これはポイント高いです。そこで色々な話をした後、スクールバスで駅前キャンパスまで戻ってきました。スクールバスは付属中高校生で一杯で、「いいなぁ、高校生は」と思いつつ帰路につきました。(智乃)
青山学院・・。どれほどこの名前に感動しただろうか。
青山学院に入学した私にとって、厚木から、相模原に移転したというのは、昼夜が逆転するほどの事態だった。4月某日。青学相模原キャンパスに行く。厚木時代と違い、駅からの近さに驚く。前はバスに乗らないといけないのに、徒歩5分ほど!!
そして、栄光と伝統に裏打ちされた正門を仰ぐ。この正門にどれだけ青春の思いをぶつけたことだろう。この思いが後輩諸君に伝わっているといいのだが。
青学のシンボルともいえるチャペルに入る。厚木から持ってきた重層なパイプ・オルガンの響きにしばし、心を奪われる・・。まさに、「この響き、この祈りこそ、青学よ」って感じで狂おしいほど激しく感動。いろいろ、教室棟を見てまわるが、どこからもチャペルが見える!ガラス張りで、ものすごくきれい!!計算しつくされたキャンパスにさらに感動!!
学食にも行く。おなじみのカレーを食べる。青学のカレーは最近、青山も含めて味が変わったような気がします。俺はいつも、青学のソフトクリームを日本で三本の指に入るほど「おいしい!」と豪語しているのだが、ソフトに限って言えば、青山と相模原のソフトは微妙に違う。特にコーンのところが。これも、(株)青学サービスの戦略かななんて、思ったりして・・。
図書館にもはいるが、開架にデッドスペースが多い! 和書・洋書いっしょの分類!本の数が少ない! 職員の態度がよくない!(ハートに矢が刺さるぐらいかわいいのに・・・。もったいない)「オリエンテーションをやってます!」みたいな広告がない!(青山は学食に広告を出すほど熱心)
その後、いろいろ見て回るが、大好きなヨハネ像も、青山学院の院歌を書いた石碑も厚木から相模原に引越ししていて、ホッとしました。はぁ、もう少し早くこのキャンパスができていれば・・。と思い帰宅するのでした。(青学OB)
立教大学
★立地・設備
繁華街に近く、池袋はほとんど「俺の庭」状態。春になると新入生を餌食に夜の池袋を徘徊するよからぬ輩(←誉め言葉)がぞろぞろ現れて壮観。遊びたい人にはオススメ。キャンパスは繁華街の中にありながらもツタと赤レンガのモリス館が威厳を保つ。冷房のないボロ校舎が多かったが、近年狂ったように新校舎を増築、旧校舎を改築し、見違えるほど設備が良くなった。
★研究・教育
建物の近代化に合わせてカリキュラムも変化。「英語の立教」を前面に出して習熟度別クラスにしたり、強化科目なるものも導入など、以前に比べて力を入れてきている。もともとミッション系はマンモス校でも質実剛健系に比べてマスプロ教育をやらないで少人数教育に力を入れる傾向があり、これは賞賛される点だ。理学部があるので一般教養で理系科目が多いのも魅力。
●サークル
▼テニサー
テニスサークルの略。立教にはこれがやたらとある。「関東団体戦」にも参加する「四強」、その次に来る「12団体」(春には「スプリング」という12団体だけのトーナメントを開催)、「5団体」(春には「プランタンオープン」という団体戦をやる)、理テニ(理学部男子と全学部女子で構成され、「理工系リーグ」出場)の4つが大きな分け方で、この4つが秋の「立教オープン」で覇を競う。新座にもHEARTSという公認テニサーがあるが、「立教オープン」には不参加。このほか、非公認団体のテニサーが無数に存在する。
▼St.Paul’s
Campus…ミニコミ誌を年3回発行。全学共通カリキュラム紹介、サークルインフォメーション、著名人インタビューなどを掲載。部員が十数名と少なくいつも存亡の危機。
▼放送研究会…OB・OGには関口宏、みのもんた、徳光和夫・鈴木君枝(NTV)・川端健嗣(CX)など、放送業界に数多の人材を輩出する立教の名物サークル。会員数が立教大学で2番目に多いという噂。(古舘伊知郎はテニスサークル出身)
▼立教スタイル ポータルサイト
●図書館
池袋キャンパスは本館、文学部図書館、社会科学系図書館の3つ。
●ベンチ
池袋キャンパスは狭いが無理やり緑を演出しており、やたらとベンチがある。ここで学生はくつろぐ。
●学食
老朽化した建物を改築した「1食」はカツ丼が定番メニュー、2002年に改装オープンした「アイビー(旧2食)」は焼きたてパンが人気、サークル棟「ウィリアムズホール」内にある「山小屋」は存在感が薄い。どこも小規模だが近所に食事の出来る店は死ぬほどあるので不便は感じない。
●センプラ
1階が文具・食品、2階が書店の「セントポールズプラザ」は生協ではないが割引もするし結構広い。
●ウィリホ
ウィリアムズホールという名前のサークル棟。奇抜な概観だが中が空洞で使いづらいとの評。それでもサークル部室のあるサークルは少ないので貴重な存在。
●8円コピー
立教周辺の民間店。いろいろある。テスト前になると混雑。
●ラーメン屋
池袋ラーメン戦争勃発!立教周辺には行列のできる有名ラーメン店がたくさんある。
●飲み屋、カラオケ
当たり前だが池袋なので大学から徒歩圏内に死ぬほどある。都心にあるので娯楽には事欠かない大学だ。
●就職
キャリアセンターが五号館1階にある。広くて綺麗。1年次から就職をサポート。新座にもある。営業時間は9:30〜18:00(木曜16:30土曜は12:30)。全学共通カリキュラム総合B群「仕事と人生」(2003年は金曜4限)という授業では各分野の専門家が労働環境や雇用状況、職業の多様な実態、組織で働くこと等について講義をする。低学年次から就職に対する意識を高められると好評。
学生を対象に「就職情報ナビゲーション」というサイトを用意しており、新着求人、卒業生名簿検索(個人情報保護のため学内からのみ)、企業来校情報、求人継続企業、マスコミ関連就職情報、教員求人情報、就職活動体験談WEB版、卒業生からのメッセージ・アドバイスなど、非常に内容が濃い。部外者は見られない。
●資格取得・就職対策講座
「キャリアアップセミナー」を開催。LEC東京リーガルマインド、TAC、資格の大原、ELSランゲージセンターと提携、通常の通学講座より30%〜50%割安の価格で受講でき、学内夜間開講なので移動時間がなく、大学の教室でいながらにして学べ、合格実績の高い専門学校の講師陣とテキストをフル活用できる。TOEIC、公務員、公認会計士、社会保険労務士、初期シスアド、ELS中級・上級英語、税理士、社会福祉士(新座)、精神保健福祉士(新座)、ファイナンシャルプランナー3級、立教マスコミ塾などがある。
●立教マスコミ会
立教卒業生のマスコミ人で構成される校友会。「立教マスコミ塾」をバックアップしている。「立教マスコミ塾」は◆マスコミ業界・業種の正しい理解 ◆マスコミ面接対策 ◆エントリーシート対策を主目的とし、自己分析、自己PR、試験分析、併願対策などを綿密に行なっている。マスコミ特有の一般常識試験、クリエイティブテスト、作文、小論文、性格テスト、適性テスト、マナー、OB・OG訪問、インターネット活用法まで指導。放送、新聞、出版、広告、映画・音楽、芸能プロダクションに対象を特化している。在校生だけでなく卒業生も受講可能。期間は2003年9月〜10月で、受講料は20,900円、テキスト7,100円。時間帯は18:30〜21:30、講師は坂本直文(H1理学部物理学科卒)『劇的内定術』『劇的自己PR』著者。定員150名(先着順)。
アナウンサー志望者には現役アナウンサーの指導、指導には心理学、コーチングの方法論を活用。自己分析は心理カウンセリングのノウハウを活用。誰の長所も200以上引き出す。面接対策にはビジネス交渉術のノウハウを活用。強度の圧迫面接も難なくクリアする技を身につける。実物のエントリーシートを使い、実際の面接と同じ内容、形式でのワークを毎回必ず実施。志望先が同じ者同士のグループワークで切磋琢磨しあえる受験仲間を育成…。立教ですらここまで必死なのに、惰眠をむさぼる中堅私立大学の大多数の学生がマスコミに就職できるはずがない。
中央大学
「法科の中央」といわれる社会科学中心の総合大学である。明治18年(1885)、英吉利法律学校として誕生。東京法学院、東京法学院大学を経て、明治38年より現校名。大正9年に大学令による旧制大学となる。昭和53(1978)年、都心の駿河台キャンパスから多摩キャンパスに移転した。
★設備・立地
多摩モノレール「中央大学・明星大学」駅下車。白亜の校舎がそびえる。昔は不便な大学の代名詞だったが、最近は駅にコンビニができたりして便利になった。学部ごとに図書室があるのは良い。巨大な図書館や学食は便利で設備もよく、学生に愛用されている。周囲に法律や会計の専門学校がわざわざ出張してきた。私大のなかでは学費が安い。校舎は学生のビラを剥がした跡が汚い。
●学食
中大名物は充実した学食である。キャンパス中央に図書館と対を成す学食棟「ヒルトップ78」がそびえている。上の階に行くほど豪華になるという。
1階…レストランコープ(生協)、ニードショップ(パン、弁当)、トムボーイ(ハンバーガー)
2階…カフェテリア(生協)、喫茶ふらっと、喫茶テラス、コパン(パン、弁当)
3階…スエヒロ
4階…スエヒロ、マクドナルド、四季(生協なのに豪華。夜9時までやっている)
●図書館
中央図書館(多摩)月〜土9:00〜22:00
理工学部分館(後楽園)月〜土9:00〜21:00
多摩キャンパスの中央図書館はやたら巨大。ほかにも文学部専攻別図書室、総合政策学部図書室、大学院図書室、市ヶ谷キャンパス図書室がある。
また、法、経済、商、総合政策学部は、それぞれ専用の自習室、図書室を持っている。その気になればいくらでも勉強できる環境。
●スポーツ施設
体育館は2つ。バスケット、バレー、ミニサッカー、バスケ、テニスコートなどもある。プールも温水と競泳用。キャンパス内にジョギングコースまで設定されていて、運動施設は充実。
●炎の塔…学生たちが難関資格試験の勉強に励むための専用校舎。
平成14年7月竣工
1階 ゼミ室(25部屋)、通信教育部メディアルーム、経理研究所、法職事務室、資料室、談話室など
2階 法職研究室(3室)、通信教育部学生研究室、郁法会、行政研究会、外交研究会、秀法会、白鴻会、法修会、商法研究会、法友会、ゼミ室(2室)
3階 経理研特別研究室、経理研準特別研究室、経理研一般学生自習室、経理研学習相談室、、正法会、済美会、瑞法会、真法会、中桜会、玉成会(これらの名称は学生の自発的な法律勉強団体で、それぞれの部室の前には合格者の名が貼り出されている。)
★就職
大学の性質上とても力を入れている。資格取得も熱心。上場企業の役員数は明治や日大よりも多い。公務員に強い。就職資料室が土曜日にも夜8時までやっている。業界研究会、公務員講座、マスコミ講座、教職講座などもやっている。また、もともとキャンパスがあった場所に近い都心の駿河台記念館に就職部分室がある。
★Q&A
Q.中央大学法学部法律学科を受験しようと思っています。将来、公務員になりたいので大学も力を入れていると聞きここを選んだのですが、そこのところは早稲田、慶応、上智よりもすぐれていますか?また、社会的評価はどのようなものなのでしょうか? (裏道少年隊)
A.地方自治の分野では、中大は「超有力校」です。元々は司法試験から人材が流れたのでしょうが、現在は公務員試験プロパーのサークル・学生団体もあると思います(特に法・商といった実学系は著名・先端な教授がいるより、熱心なOB・教授の指導のほうが重要)。受験だけでなく入庁してからも仕事がし易いでしょう。なお国2も同様に考えて良いでしょう。
但し、キャリア公務員(国家1種)の場合、伝統の中央法科でも、希望省庁採用の可能性を考えると厳しいかな、という気はします(司法取って法務省幹部というのを別にして)。上智進学もOBコネクションを考えると冒険という気がしますね。やはりこの中では早慶が無難でしょう。キャリアレベルだと、勉強はできて当たり前なので、体育会に所属するなど、目に見える付加価値をつけることも必要だと思います。それは入省後の激務を支える糧にもなるでしょう。(@)
法政大学

★設備・立地
都心に残る最後の魔窟だった市ヶ谷キャンパスも、ボワソナードタワーの完成ですっかりさわやかに。かつての「貧乏大学」の印象は薄れてきた。学食も見違えるほどきれいになり、パソコンも充実。ただしサークル棟の学生会館はいまだに日本一暗くて汚い(誉め言葉)。経済、社会、現代福祉学部の多摩キャンパスは最寄駅からバスで15分の山の上にある。巨大な学部棟がそびえ立つが、娯楽が何もない。工、情報科学部の小金井キャンパスは存在感はないが、意外に便利。
国際文化学部…留学が必修で人気を博している。世界中の文化を学ぶ国際文化コースと、コンピューターとマスコミを学ぶ文化情報コースの2つがある。この学部、以下のような著名教授を擁しているので紹介。
●リービ英雄 1950年、アメリカ生まれ。少年時代を台湾、香港で過ごす。1967年にはじめて日本に移り住み、以降、日米往還をくり返し、その間プリンストン大学大学院博士課程修了、プリンストン大学、スタンフォード大学で日本文学の教授をつとめ、1982年、『万葉集』の英訳により全米図書賞を受賞。朝は『日本書紀』、昼は大江健三郎を講義するというジャパノロジーの研究室とスタンフォード大学の教授職を40歳直前に辞して、東京に定住。以降、日本語による作家として活躍。アメリカ人の家出少年をあつかった処女作『星条旗の聞こえない部屋』(講談社)は、西洋出身者が日本語で書いたはじめての現代文学として高い評価を獲得し、第14回野間文芸新人賞を受賞。また、1996年刊行の『天安門』(講談社)は芥川賞候補となって、終戦から半世紀ぶりに中国大陸を等身大に描いた日本文学として注目を浴びる。他の作品に『日本語の勝利』『アイデンティティーズ』『国民のうた』(以上、講談社)、『新宿の万葉集』(朝日新聞社)、『最後の国境への旅』(中央公論新社)などがある。
●島田雅彦 2003年就任。1961(昭和36)年、東京生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。在学中の’83年「優しいサヨクのための嬉遊曲」を発表し注目される。’84年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞を、’92(平成4)年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞を受賞。
●川村湊 公式サイト
●司修 群馬県生まれ。画家。装幀家。作家。
参考になるサイト YU'S PAGE sabbs.net
●1年制大学院
工学研究科・電気工学専攻に1年制修士課程大学院ITプロフェッショナルコース(ITPC)を開設。情報社会に向けての人材育成を目的に、従来の工学の技術分野から、新たにITの分野で活躍したい、あるいはすでにITの分野で働いているが、さらに基礎学力をつけ、もっと高度な技術を習得したい方のために設けられた。市ヶ谷キャンパスで開講。
多摩キャンパスの社会学部棟
社会学部…私大で最も古い社会学部。発祥は麻布の中央労働学園大学だが、1951年に法政に合体した。社会学科が人間、文化、地域研究など、スタンダードな社会学が学べる。社会政策科学科(旧称、応用経済学科←驚き)は産業、環境など政策やビジネス系。メディア社会学科はマスコミ学科と考えて間違いはない。大学院は社会科学研究科社会学専攻だが、市ヶ谷と多摩を往復するキツイ生活が待っている。教授陣やカリキュラムが非常に充実しており、ゼミもとても盛んで、社会学を学ぶ大学としてはかなりお奨めだ。市ヶ谷同様、一般教養でunixやプログラミングをやっている。付属の大原社会問題研究所が名高い。女子学生が多くて華やか。
社会学部の稲増教授を中心に市ヶ谷で開講されている「自主マスコミ講座」は、学内選考すら厳しい難関だが、小島奈津子アナをはじめアナウンサーや新聞記者などに多くの人材を輩出している(でも彼女は文学部日本文学科)。
★著名教授
●田中優子 メディア社会学科教授(専門:日本近世文化・アジア比較文化)。1952年横浜生まれ。近世文学(江戸時代の文学)を専攻するが、その後、研究範囲は江戸時代の美術、生活文化、海外貿易、経済、音曲、「連」の働きなどに拡がってゆく。さらに、中国文学を中心に東アジアと江戸の交流・比較研究、布や生活文化を中心にインド・東南アジアと江戸の交流・比較研究などにおよんでいる。江戸時代の価値観から見た現代社会の問題に言及することも多い。
●稲増龍夫…マスコミ露出の多い看板教授。
★工学部の注目学科●システム制御工学科
機械工学も学べる電気工学系学科。システムの感覚
器官に相当する「センシング工学」、運動器官に相当する「制御工学」、頭脳に相当する「論理システム工学」、それらを取り扱うのに最も役立つ数学の基礎を与える「数理工学」の4つの主要分野から編成されている。従来の工学の縦割りに対し、横割りの学科。
★図書館
市ヶ谷…開架12万冊、閉架78万冊。直接手に取れる本が少ないのが残念。手続きを踏めば閉架にも入れる。紀伊国屋書店に運営を委託して人件費を圧縮し、休日開館が実現した。
多摩…開架13万冊、閉架48万冊。地域住民も「有料」で利用できる。図書館の収蔵可能冊数は150万冊なのだが、蔵書が150万冊と勘違いしている学生がたまにいる。
小金井…事務管理棟2階、南館1階、西館地下1階の各所に散らばっている。
★学食
市ヶ谷…無骨な第1学生食堂、リニューアルしてキレイになった第2学生食堂、そしてボアソナードタワーのキレイな学食「フォレストガーデン」の3つ。市ヶ谷で何がフォレストか。でもうまい。値段も手ごろ。
多摩…総合棟、社会学部棟、経済学部棟にそれぞれ学食や喫茶がある。
★Q&A
Q.法政大学の経済学部というのはどうでしょうか?まもなくそこを受験するんです。(西山)
A.90年代は空白の10年といわれていますが、90年代半ばに経済学部の教員がチームを組んで政府の無策失策を指摘しセーフティーネットを張った経済政策を主張した研究報告書をつくりました。このプロジェクトは全国的に評価を受け、今は竹中金融・経済財政相の天敵として名高い金子氏がメディアへの発言力を獲得するきっかけになったほどです。つまり法政大学の経済学部は基礎研究の水準が高く、私大の中ではトップクラスに位置していると思います。
ただし、教育が多摩で行われているために学部生が経済問題に取り組むためのモチベーションを維持するのは結構むずかしいんですよね。経済学部生はサークル間では社会学部生と仲良く活動していますが、学問交流も活発にしようという意欲が欠けています。このへんが同じ、都心から相当離れた場所に立地している慶応のSFCとは決定的に違う点であり、残念です。学部を越えてカリキュラムの緊密な関係を築くことができれば、経済学部の評価は自然と上がっていくと私は考えています。(嵯峨)
A.法政大学経済学部は基本的には特にいいという話はないようです。法政は伝統的に法学部と社会学部のレベルが高いそうです。(学会をリードされている先生方も多いです。)
ただ、経済学部の中にも何人か学会で活躍されている先生方がいらっしゃったと思うので、他の同レベルの大学と比べてとくに環境が悪いとは思いません。それに学部の勉強は自分でするものだと思いますので。
ちなみに、教員のレベルなら学習院大経済学部と青学の国際政経が群を抜いていると思います。学習院は岩田、奥村氏など、青学は小宮、野口氏等、いい教授陣がそろっているのではないでしょうか。ただし、法政も同じ経済経営系でもMBAはレベルが高いそうです。教員レベルだけでみれば日本で5本の指にはいると思います。日経の総合ランキングでもトップ10に入っています。(吾妻)
★図書館
市ヶ谷…開架12万冊、閉架78万冊。直接手に取れる本が少ないのが残念。手続きを踏めば閉架にも入れるが…。
多摩…開架13万冊、閉架48万冊。地域住民も「有料」で利用できる。図書館の収蔵可能冊数は150万冊なのだが、蔵書が150万冊と勘違いしている学生がたまにいる。
小金井…事務管理棟2階、南館1階、西館地下1階の各所に散らばっている。
★学食
市ヶ谷…無骨な第1学生食堂、リニューアルしてキレイになった第2学生食堂、そしてボアソナードタワーのキレイな学食「フォレストガーデン」の3つ。市ヶ谷で何がフォレストか。でもうまい。値段も手ごろ。
多摩…総合棟、社会学部棟、経済学部棟にそれぞれ学食や喫茶がある。
★学園祭
「自主法政祭(市ヶ谷地区)」 〜革命的飲酒〜
考えるより先に行動する。法政にはそんな言葉が似合う。市ヶ谷の自主法政祭はその「やぶれかぶれ度」において、他大学を寄せつけない圧倒的な強さを見せる。すべてのトイレの手を洗う流しにはゲロ対策の金網が設置され、昼間から酒びたりで一升瓶を持ってウロウロする輩が多数。夜にともなれば各サークルの185もの模擬店で、部員たちが車座になって酒を飲み、語り合う。そんな光景が実に96時間連続で行われるのだ。教室展示は64と模擬店に比べて少なく、教室展示もライブハウスか居酒屋ばかりで、展示自体は見ごたえのあるものが少ない…。というのは、居酒屋模擬店でくつろいでしまう私がついつい見逃してしまう点ではあったが、星空活動大写真館やオールナイトムービーなど、夜こそ盛り上がる企画もたくさん。法政の学園祭は必ず行くものの期待を裏切らない「壊れっぷり」を発揮してくれる。
飲酒禁止の学園祭が増える昨今、質実剛健系大学の「暴れ学祭」としての確固たる地位を今後も堅持して欲しいものである。
★就職
自主マスコミ講座の力でマスコミに強い大学という評判が根付きつつある。市ヶ谷の就職部が69年館から第一校舎に移転して便利になった。資料室は平日は8時まで開いている。
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