プライベート・ジーンズ「Country」のこと@


雑誌「GET ON!」での連載第2段となる「インディゴ・ブルーの誘惑」の中で、
俺のプライベート・ジーンズを創ろうかという企画が持ち上がった。
というか無理やり持ち上げたというべきか・・・・。

既に世の中には、ショップオリジナル・ジーンズが雨後の竹の子のごとく次々と生まれていた。
だから俺としてはありきたりのレプリカなどには興味がなかったし、
まだ誰も復刻していないモデルでやろうと思った。


元々、リーバイスよりもリーやラングラーの方が好きだったし、基本的に人がやらない事をやるのが
信条のひねくれ者の俺にとっては、リーバイスを題材にするという発想は皆無だった。
(まあ基をたどれば、すべてのジーンズはリーバイスに行き着くのだけれど)


そこで、題材に選んだのはリーの第二次世界大戦モデルの中でも
ほとんどその存在が知られていなかった、逆アーキュエット・ステッチの
タイプのものだった。

リーもラングラーも結局はリーバイスの模倣から始まっているから、
その初期モデルはいずれもポケットにはアーキュエイトが施されていた。
逆アーキュエイト・ステッチの存在は俺の推理するところ、
おそらく当時リーバイスからクレームを付けられた直後、
苦肉の策でリーが考えついたものだったのではないか?(たぶん)

そんなわけで題材は決まったのだが、更にこだわったのは縫製の糸だった。
現在の糸は耐久性を考えて綿とポリエステルの混紡を使用するのがほとんどである。
しかし、俺が選んだ糸は綿糸
100%の糸だった。
おそらく当時誰もが考えつかなかったと思うし、
重大なリスクがそこにはあったからだ。

そのリスクとは綿糸100%の糸は、長年穿き込むうちに糸がブツリと切れて来ることだ。
すなわち綿糸
100%はデリケートで切れやすいのである。
事実、商品化された俺のジーンズは、穿き込むほどに糸がブツブツと切れて行った。
それを失敗と見るかどうかは買っていただいた方の判断だが、
50年代までのオールド・ジーンズはほとんど綿糸100
を使用していたし、実際に穿き古されたジーンズを見ると、俺のジーンズ同様糸が
途切れているのがほとんどである。そこまでこだわる必要があるのか?と云われれば、
そこはひねくれ者の俺だからと応えるしかないね。

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