
タイのバレンタインデー
はじめまして、タイのプーケットと東京を出たり戻ったりしているマチリンです。今年2月14日のプーケットのバレンタインデーについて、お知らせしたいと思います。
ところ変れば品変る、とは本当にこのこと。日本ではチョコレートですが、タイではバラの花。それも女が男に贈るのではなくて、男が女に贈るのです。
これは、女である私には有利に見えて、実は不利。というのは、日本で贈る相手がいなくても、出費が助かったと思えるけれど、タイで誰からももらえないとなると、もてない証拠になってしまう。初めてバレンタインデー憂鬱症の男性の気持が理解できました。それにしても、親友の花屋のコーチャリーが、電話で話すひまもないほど忙しいというのに、何故私にはバラが回ってこないのでしょう。
バラは暑いプーケットでは栽培されていないので北部のチェンマイから空輸されるのですが、1輪5バーツ(約15円)です。
今年は全タイのホテルが企画するバレンタインディナーに行ってしまいました。行きたくないのに、たまたま新婚のご夫婦と行くことになって…。パンフレットにはアディショナルは半額と書いてあったので、それなら良いかと出かけたのです。
調子はずれのギター弾きの『ラヴミーテンダー』をナニイッテンダーと思いながら、ひたすらバーベキューの小さいロブスターを食べる私。プーケットの物価は最近ぐぐっと高くなって、プーケット・ロック・ロブスターは勿論、キング・プラウンでさえ手がでないのでこういうBBQの食べ放題がチャンスなのです。1年ぶりのロブスターでした。とは言え、チャーハンでもエビ入りとチキン入りでは値段が違う(5バーツ増とか)チェンマイよりは海の幸が豊富で日本人には住みやすい所ですが。
さて、お勘定になって初めて、アディショナルというのは子供のことだったと解りました。子連れで来るカップルのために用意された価格だったのです。確かに、新婚のカップルと一緒にバレンタイン・ディナーにくる間抜けが、どこにいるでしょうか。ここにいます…あーあ、日本にいて余りのチョコレートのセールをやるスーパーに行って、たらふく食べたら幸せだったのにと思いました。
ただ、救いは、女の子から女の子へのプレゼントもありという所です。
中学校の下校時に、たまたま学校前の信号で止まっていたら、信号無視の集団の大波に飲まれたのですが、女の子全員がバラの花や小さなブーケを持っていました。器量も何も関係なく全員が。男から貰うだけでは、こういう現象は起きないでしょう。誰が考えたのか知りませんが、バラの大量消費を作り出したという事はタイ人もたいした商売人です。
バンコク在住の日本人女性の友人も、会社の女の子からバラを貰ったそうですが、私も女子学生たちから貰いました。バラの花だけではなくて、手作りのピンクのバラを飾ったサテンのティッシュボックスもくれました。こういうのって私のシングルベッド・サイドには極度に不釣合いです。でも新婚カップルにあげるのは癪なので無理して飾りましたが…。
プーケットにはいわゆるエキスパット、自国では満足できずに他国で暮らす人、が多くいます。そういう多国籍女性軍がプーケット・インターナショナル・ウィーメンズ・クラブ(PIWC)という親睦団体を作っていまして、私は3人の日本人の一人です。
創立10年になるこの団体はいわゆる慈善活動として女子学生に奨学金を与えています。タイでは男子には無理してでも教育費を出しますが、女子は能力があっても進学させないことが多いのです。
昔の日本の考えと同じと思えばよいでしょう。
PIWCでは現在23人の奨学生を出し、私は日本支部を担当していますが、そのうちの5人を日本が、5人をドイツがスポンサーしています。
今年のバレンタインデーが支援している職業訓練カレッジの学園祭だったので、私もバラの花とティッシュペーパーボックスを貰えたのです。困っている人を助けるということは楽なようで難しいことです。他のボランティア団体では義務教育の子供たちを一人でも多く学校に行かせることを使命としていますが、PIWCでは敢えて職業訓練カレッジの苦学生を支援しています。
これには紆余曲折があったのですが、結局、外人が実情を理解し、正当な援助をすることは至難の技です。
例えばこのカレッジでも上級生でアルバイトが出来るようになると、観光の盛んなプーケットでは学校の先生より稼げるのです。選考会議では、一番援助の必要なのは私たちかもね、と先生方が苦笑します。プーケットには教師育成の専門カレッジがあり、こちらは私立なので学費は3倍も高いのですが、多くの学生が勉強しています。皮肉なことに就職しても観光産業より低賃金だし、アルバイトもできません。でも、志はお金だけで報われるものではないですからね。
PIWCではこの学校の生徒にも奨学金を出したいと思っていて時期を見て私たち奨学金担当が訪問する予定です。
私は今、日本で生活費を稼いでおります。フィリピンや南タイの風を運んでくれるまぐまぐのメルマガを楽しみに読みながら、花粉と格闘して。
そうそう、プーケットにも花粉症があるんですよ。何という名前か忘れましたが、花です。どこでも長く住めば、チリも積もる、で悪い影響もありますよね。
2001.3.9