デコール ・ ゴミブチ                                                                                                                                                                               English
                     TOP  インテリア雑貨店 インテリア・デコレーション  | セミナー  アクセス お問い合わせ
 
 
TOP  > アンティークこぼれ話
アンティークこぼれ話

1  2  3


窯印、裏印、バックマークの本                                         1.24.2011
*******************************************************

アンティークの陶磁器を買ったとき、出所を明らかにしたいのは人情である。
この本自体もアンティークショップで見つけたもの。 (1953年出版)


陶磁器の窯印辞書(1580年−1880年代まで)


これを手に入れてからは全ての食器を裏返して見た。
もちろん本に出ていないものもあるが、裏印があるものはほとんど解明された。

ヨーロッパにマイセン窯しかなかった頃は窯印を入れる必要はなかった。

工場をドレスデンからマイセン城に移してまで
秘密を保とうとしたが無理だった。

磁器が金にも匹敵するほど高かったので、偽物が出現。

辞めさせられた者、逃げ出した者、定年退職した者たちから技術は漏れ
絵付師の腕も散った。戦争で捕虜として陶工たちが連れ去られたことも。

ただの真似しっ子だったら磁器も絵付けも稚拙だったに違いないが
功妙にできているものは始末が悪い。

そこでマイセンは裏に窯印を記した。これが双剣マークである。
ところが、そんなもの、いくらだって真似できた。

つぎにマイセンは双剣に横線を引いてみた。これも真似される。
いたちごっこは今日まで続いているのである。

偽物が出回るのは、本家のものが高く売れているからで、
マイセンを一度も見たことのない人は、
手に入る価格まで下がれば買ってしまう。しかも有難がって。

やがて追随する窯元も力をつけて、独自の窯印を入れるようになる。



上の写真はウエッジウッドの載っているページ。
左の二つは1878年以降に使われた印。

ノリタケだけでも一冊の分厚い本が出版されている。

磁器の歴史を調べたり、出所を明らかにしていると、
短編小説が書けそうなほど面白い。

またいつか、窯印はないが、形状から判断できるようにと
編纂された本についても書いてみるつもりです。



塩入れ salt cellar
                                                  6.12.2010
*******************************************************

アメリカのアンティークショップで小さなガラスの器を見つけて
「これは何?」と聞くと、「塩入れだよ」 との答えが返ってくる。


全て 径5cm前後

塩入れって何? 店員さんは肩をすくめて明快な返事をくれない。
現在では、塩入れはたいてい salt & pepper のセットになって
振り掛けタイプで売られているし……。

そこで、自分でそれなりに調べてみた。

  
全て 径5cm前後

塩は生命の維持に必要な食物であり、保存力や殺菌力もある。
キリストも弟子達に言った、「あなたがたは地の塩である」と。
教会では《洗礼の塩》、《悪魔祓いの塩》、《知恵の塩》
と称して保存されていた。
塩は信仰や徳、愛の象徴であるから、中世の人々は
塩入れが横倒しになるのを嫌ったそうだ。



中世の北ヨーロッパでは、「白い黄金」と呼ばれるほど塩は貴重品であった。
食事に用いられる塩を客人に献上するために、様々の工夫を凝らした
「塩入れ」と呼ばれる器に入れ、主賓の前に置いた。

この塩入れを境にして、テーブルは上座と下座に分かれる。
英語で上座を above the salt 、下座を below the salt 
という表現はここから生まれた。

  

大ぶりで絢爛豪華な塩入れは金や銀、象牙や木彫製品で作られ、
さらに宝石で飾り立てられた。
マイセンで磁器が作られるようになると、華麗な大容器が磁器で登場する。

   

15世紀、フランスのベリー公爵の所持していた「ネフ」と呼ばれる
船形の精巧な塩入れは当時大流行した。
塩入れはまさに食卓の装飾品で身分の高さ、高貴、富を象徴する逸品であった。

5cmx9cm 

特権階級の者だけが所有する塩入れから、庶民も用いられるようになった
塩入れはだんだんと形を小さくして食卓に上るようになる。

やがてテーブルの中央に置いたものが、パーソナル用となり、私が
買い求めた極小の器となっていく。
おそらくは塩を親指、人差し指と中指でつまんで料理に振りかけたのか。
または貴族文化の名残を形だけ楽しんだものか。



磁器の絵付け
                                                             12.22.2009
*******************************************************
  
    手描きとプリントの見分け方

    
絵付けが施されている食器を見て、手描きかプリントかと
    不思議に思ったことはありませんか。
 
    以前私はアンティークの食器を眼にして手描きなのか、プリント
    なのか判断がつかず、どうしても追求したくなったのです。
    和食器の場合は同じデザインのものを見比べ、間違い探しのように
    微妙なずれを探せば見つかります。ずれや、位置に違いがあれば手描き。
    寸分違わず、全く同一の図であればプリント。
   
    
西洋食器のほうは見方が判らず、懇意になったアンティークディー ラーに
    聞いてみました。
    彼はルーペを取り出して、「細かいドットがあればプリントだよ」と教えて
    くれたのです。 このドットは孔版刷りからくるものと思われます が。
    
それからの私は家中の食器をルーペで覗き込んだものでした。

    一昔前の新聞はルーペで見るとドットで字が構成されていた。
    現在は写植印刷のため、ドットはありません。
    LAにいたときに日本の新聞がタイムリーに読めたのも、写植印刷の
    おかげ。

    見分け方その1

    
一見どっちつかずの食器でもルーペで見ると、ドットがある。
    これがプリントの場合。    

     
       ロイヤルアルバートのレディカーライル    

       
       拡大した絵 ドットが無数 にあるのが見える

   
   
   その2・手で触ってザラッとした感触があると手描き。

       
       ドレスデンのペインターの手描き  

       
       筆に勢いがあり、手馴れたプロの技が見て取れる

        
        フッチェンロイターの白磁に、ドレスデンの絵付け工房で
        手描きしたものだと証明する裏印
        金彩で白磁の製造元を隠す バラを象ったものもある
      
  白磁の会社がペイントしたと思われるのを防ぐためわざわ ざ隠す
        完全に隠さないのは、白磁も有名ブランドである証拠を残している
        それだけドレスデンの絵付け工房は自信を持っていた

   その3・カップのようにカーブ面にプリントした場 合は接いだ部分に重なりが見えたり、
        模様が合っていないことも。
         現在ではこのような稚拙な食器に出会うことはないでしょう。
        

 
   では何故プリントで絵付けが成されるようになったのか
    1707年ドレスデンで磁器作りに成功したが、相変らず磁器は
    金にも匹敵する宝物であった。
    加えて、ヨーロッパの王侯貴族は、何十人はおろか、何百人もの
    客を晩餐会に招待するため、食器の需要が高かった。
    勢い同一の食器、美しい食器、手間がかからぬ量産のできる、
    品質のよいものを追求することに。
    結果、産まれたのが転写紙である。
    これで中産階級から庶民まで磁器が手に入るようになった。

 
   転写紙とは
    写し絵とも呼ばれ、タトゥーとして利用されてもいる。
    英語ではトランスファーという。
    小さな絵を食器の好きな部分に貼って自由にデザインを楽しめる。
    また濡れている間は位置を変えることもできるので失敗がない。
    難点は巻きつけたときに最初と最後がうまくゆかない。
    利点は均一性と量産、スピードアップと安価にある。

  
   
上絵転写紙と下絵転写紙
 
   転写紙で絵付けされた磁器を作るときの方法
   1・上絵付け(オーバーグレイズ)    生地――釉薬――顔料
    ・顔料の段 階で転写紙を貼って、仕上げに焼く

    参考までに
    ・転写紙を貼らずに筆で描くのが手描きである オーバーグレイズで描く
    ・ヨーロピアンという手描きは何種類もの色を使い乾いてから一度に焼成
    ・アメリカンは絵によって5,6回、もしくはそれ以上色を塗り重ねて焼成を
     繰り返す。 深みが出るし、陰も表現できる

   2・下絵付け(アンダーグレイズ)  生地――顔料――釉薬
    ・生地が出来上がると下絵を転写紙で貼ってから焼く
     このとき器の大きさが3割くらい縮むことを考慮すること
    ・マイセンのブルーオニオン
     ロイヤルコペンハーゲンのブルー不ルーテッド、ブルーフラワー
     ロシアのグジェリ
        などがその例である
    ・マイセンの窯元を訪れた時、ブルーオニオンの絵付けをして いた
     転写紙で下絵を描いた素焼き風の物にペインターが手描きでデザインを
     上からなぞっているのを見て愕然とした
     全てが手描きであると信じていたし、いくら眺めてもずれのない模様にさすがは
     マイセンと感心していた自分がおかしかった
    
・その上から釉薬をかけて焼成すると縮小されるわけである
     また縮小することで精緻さが増す
    
・ヘレンド窯の「マリア テレジア」や「プリンス・ オイゲン」も下絵にデザインを
     転写紙で施して焼成し、手彩色している
    ・下絵付けはコバルトを使ったことで成功を見た
     日本では呉須がこれに当たる
     
       
     ロシアのグジェリ焼き オランダ に職人を遣わし、下絵付けの技術を習得させた


   マシンプリント
 
   ピカピカと艶のある、精緻な模様の食器。穴が開くほど見詰めても
   どこにも狂いはなく、辻褄も合っている食器。であるのに手描きほど高くはない。
   これがマシンでプリントしたものである。写植ともいう。
   ルーペで見てもドットはない。
   この場合、有名な画家に転写紙のデザインを依頼すると高価なものになる
   

      
      熟練した職人が転写紙を点検 この紙を皿に機械でプレス

      

      クリスチャン・ディオールのディナー皿 マシンプリント

   家族の記念写真を皿に貼ってもらったが、昔のはドットが 見える。現在では
   ツヤツヤとマシンプリントをしたものになり、より鮮明になっているの ではないか。
 
   マシンプリントでほとんど絵付けを完成させた上から、一部に手彩色したもの
   もある。

  
 
  1880年のミントン 蔦やフルーツの一部に手彩色         バックマーク
      
      
    
  ウエッジウッド(1900年初頭) 蔦とフルーツが手描き
   
      
        レノックス 丸く浮き出ているのがジュエル方法で上から描いたもの
 
   手描きのみの工程しかなかった頃のマイセン工房のペインターたちの中には
   画一的な絵付けに飽き飽きして飛び出した人もいた。
   手描きでありながら寸分違わぬ写しを要求され、それができるペイン
   ターが優秀とされていたからである。
   ある一つのデザインが決まれば、ひたすら「御揃い」が求められた時代。
   
   現在では手間暇かけた手描きが高いのは当たり前。
   しかし、そこに食器としての独自のデザインとプロらしい筆使いが
   なければ求める価値はない。
   巷には古今東西、過去現在の有名画家が描いた印刷物が溢れ、望めば
   いつでも転写紙に起こすことができるのである。
   いまや限られた形のなかで遊びの要素の少ない食器は成熟産業の域に
   達しているのかもしれない。
   有名ブランドの窯が見向きもされないような新作を出し、伸び悩んでいるのを見るのは
   悲しいものがある。

   手描き食器を趣味にしている友人の話。
   ご主人が絵の描いてない食器でご飯が食べたい、と言われたそうな。
   装飾過多も考えもので、食器は飽くまでも食物の引き立て役と捉えたい。


ハヌカとユダヤの燭台メノラ                                            3.30.2009
*******************************************************
 
   西洋暦で12 月 はクリスマスの月。ユダヤ暦ではキスレブという。
   キスレブの25日から8日間、ハヌカ(Hanukkah)というお祝いをして、も ちろんクリスマスを
   祝ううことはない。
   キスレブは毎年一定の日付けではないらしい。
   ハヌカ とは「神殿清めの祭り」「光の祭り」のことで、別名ハヌキヤ(ハヌカ・ メノラ)ともいわれる。

   
 
   メノラはローソクを意味し、ハヌカには左右4本のローソクをたて、
   真ん中に
種火となるシャマシュを置いて全部で9本。
 
   8日間、毎日種火と1本のローソクに火を灯し、8日目に9本全てに火がつくことになる。
   クリスマスのにぎやかな明かりに比べれば地味であるが、奥床しさが感じられる。
   住宅街などで窓辺にそっと置かれていると、ユダヤ人のお宅なのだと思ったものだ。

   余談になるが、ユダヤ人の家だと判じられる印がもう一つある。
   玄関ドアの横に、小さな十字のメタルを打ち付けていて、入るときにこのクロスに
   触るのだそうだ。 「早く救世主が現れますように」と。
   ユダヤ人はイエス・キリストを救世主だと認めていないと聞いた。
   もちろん全てのユダヤ人がしているとは限らない。 私の知人の家にはなかった。
 
   写真は種火が右側にきている。デザインを優先させたのかもしれない。
   チェコのモルダウ川縁の小さなアンティーク ショップで見 つけたときは、宗教など
   関係なく欲しくて買った。
   左右対称にするとバランスがいいので二つ買い求めた。真鍮製。

   
   
   実際いつごろの物かは店の人も知らなかったし、それはどうでもよいこと。
   出自を明らかにするのも楽しみだが、たとえ昨日完成した物でも気に入れば
   買えばいいのです。
   アンティークだから買うのではなく、気に入ったものがアンティークであっただけのこと。
 
   チェコでは歴史上ユダヤ人が、ある一区画にしか住めない時代があったとか。
   プラハに残る中央ヨーロッパ最古のユダヤ人地区、プラハ・ヨーゼフ街に行き、
   大きな衝撃を受けました。 
 
   *余談
   燭台を買った同じ店で、ガラスのデミタスを2客買いました。
   ボヘミアン  ガラスのカットされたものはお馴染みでしょう。
   精緻なカットときらきらと輝く様はまるで宝石です。
   手で撫でてみて痛いほどの手触りであれば本物。
   このデミタスは滑らかで優しい、乙女のようです。

   

   一見黒っぽく見えるソーサーは実は紫↓。カップがピンクでとても愛らしく美しい。

     

   1客は当店 で販売済み。後の1客は私のコレクションに。

戻る   1  2  3  次へ
 < 戻る

TOP  インテリア雑貨店 インテリア・デコレーション  | セミナー  アクセス FAQ お問い合わせ
   
     
   
All graphics and page design, Copyright ©2004-2014 Decor Gomibuchi 
アンティークこぼれ話
 
バックマークの本
(1/24/11)
塩入れ
(6/12/10)
磁器の絵付け
(12/22/09)

ハ ヌカ燭台メノラ
(3/30/09)

Royal Crown Derby
(4/21/08)
バックマークの謎解き
(2/26/2008)
ベルリンのアンティークショップ
(2/1/2008)
1760年頃のトリオ
(1/25/2008)
髭徳利(ジャグ)
(1/20/2008)
デミタスC/S
(1/10/2008)
「艶なる宴」 Fetes Galantes 1928年
(1/5/2008)
「私の貴婦人」油彩
(12/28/2007)
二枚の挿絵
(12/20/2007)
Grandfather's Clock
(12/15/2007)
食 器のID
(12/10/2007)
ハビランド家
(12/8/2007)
Heisey Glassware
ハイジーガラス食器

(12/3/2007)
アンティークとは
(11/30/2007)

 
  

1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1