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*冬見家家訓・補遺 其ノ肆 外部の人間に呪を感染さぬこと。 其ノ伍 "朱ノ首輪"使用禁止。 其ノ陸 己が力厭うことなかれ。 (肆・三代当主霧夜の条は種絶の呪に関係。 伍・六代当主七生の条は当人の独断。 陸・十三代当主龍那の条はその異能に由来する。) |
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・冬見家の短命の呪 一族男子の平均寿命、一才六ヶ月を基準として計算。 寿命月で一般人の壮年期(三十五、六才)と考える。 元服時の零才八ヶ月で青年期(十六、七才)に相当。 初陣の零才二ヶ月では幼年期で精々六、七才。 来訪時の零ヶ月の頃は嬰児期〜ニ、三才くらいか。 一ヶ月は約二年に相当し、一日はほぼ一ヶ月強に値することになる。 女子の場合は寿命自体長めに設定されているので、もう少し緩やかかもしれない。尚、女子の初潮・男子の精通もおおむね元服前後に訪れる。個人による差は勿論あり、女子の生理は種絶の呪とも関係するのか、一貫して不順気味。精々一生に二回か三回。初潮以来迎えずに永眠する例もある。 特例…"若仔"(わくご):"小さ子"とも。元服前後で外見上の成長・老化が停滞する現象。当時の冬見家ではよく見られた。 ・冬見家の種絶の呪 一族の血に掛けられた呪。一年あまりで死に至るのは先述の通り。それに伴い、かつ別の形で発露するのが"種絶"の呪である。 たとえば一族の男がそうでない人間の女と交わった場合、母胎のうちに根付いた子種は変質して胎毒を発し、母子ともどもに死す。一族の女がそうでない男と交わった場合もこれに準じて死亡するか、少なくとも子種は例外なく必ず流れると思われる。冬見家ではこの種絶の呪がもたらす現象を「鬼胎(きたい)」と呼び強く恐れ、かつ我が身を忌む戒めとする。 尚、図らずも身を以ってこれを立証したのが、三代当主霧夜。家訓への書き継ぎを行ったのはこの経緯による。 これ以降の冬見の子は、幼時からその実態を説き聞かされて育つ。(特に男子)その為か、はたまたお家柄か、冬見の一族は交神の儀を除き、一族内外、また恋情の有無を問わずその手の行為に激しい禁忌感を抱く傾向が強い。 ・冬見家の交神の儀 月初めの"招神"と月末の"送神"の二部に渡り、奉納舞と一族列席の連祷を必要とする儀式。この期間中、関わるもの全て(自動的に一族全員)に殺生戒が課せられるので討伐その他の戦事は厳禁である。 冬見家には初代の当時から敷地内にごくつつましやかな社があり、「産霊屋(むすひのや)」と呼ばれている。交神の儀は此処で行われるが、一族はその場に立ち合うのみ。交神を行う当の一人のみがこの社に入る。 まずは一族を代表する一名(概ね当主職。志願によってはそうでなくとも取り仕切ることが可。当主本人が交神する場合など、度々そういう例が見られる。)が榊と注連縄、神酒でこの社の周囲に結界を結んで聖別し、奉納舞とともに連祷を捧げて交神の相手となる神を「招き降ろす」。交神をする一族をおもむろに社の中へ入れ、およそ一ヶ月。そののち、月初めの"招神"と逆の手順を踏んで"送神"の儀を行い、結界を切り、天界と現世の繋がりを断つことによって、交神の儀は完了する。後は出来た子供を待つだけである。 ・"観夢眼"他〜冬見家特別設定 冬見は見鬼の血筋である。 そのゆえにこの家系にはたびたび、人の目には見えぬものを観る一族が出る。 古伝に依れば、能く吉凶を卜し過・現・未の三世を観ずるが、眠りの内にて夢を見ず、ただ魂離りして夢歩きするもの、これを"観夢眼"と呼ぶ、と。 この異能に目醒めるものは何故か例外無く、その眸に金色を帯びると伝えられている。 冬見家家史にその名を探すと、凪切、六道、龍樹、風夜、龍路、一弦、三耶、龍那、不二生、そして初代月爾の八名がこれに当たる。 個人差こそあれ、家史に名を残した者が多い。 後世の冬見に連なるものでこの異能を以って生まれる子は"鬼眼子"と呼ばれるが、それは又、別の話である。 |