ルーカスVSスピルバーグ最後の頂上決戦

WAR of the WARS

「宇宙戦争」"War of the Worlds"

「スター・ウォーズ/エピソード3:シスの復讐」
"Star Wars - Episode 3 : Revenge of the Sith"


The Lost Lucas Film

時に裏切られた映画
発掘「アメリカン・グラフィティ2」

Remember "More American Graffiti"

必ずしもヒット作ではない作品でも、ことごとく「続編」が生まれてしまうアメリカ映画界。だがその中でも、ジョージ・ルーカスの出世作として名高い「アメリカン・グラフィティ」に続編がある事は、意外に知られていないのではないだろうか? おそらく知名度のなさでは「スティング2」(1983)とイイ勝負ではないかと思うが(笑)、ともかくこの映画はそのくらい知られていない。酷評とか罵倒の嵐でもない、ただ単に黙殺された映画…そしてそのまま無視され続けの映画、それが「アメリカン・グラフィティ2」だ。

何しろその無視のされ方と言ったら徹底している。わが国ではテレビ放映もたぶんされていないし、もし放映されていても深夜に一回ぐらいのものだろう。現在のところ、ビデオやDVDソフトも発売されていない。ひょっとしたら一回もソフト化されていないのかもしれないが、さすがにそれは定かではない。ともかく徹底的に忌み嫌われているかのごとく無視された作品なのだ。

だがこの映画、実は決してそんないかがわしくもつまらない映画などではない。実は「アメリカン・グラフィティ」という絶好の素材をうまく活かして、映画的な実験を試みた野心作なのだ。そして出来映えも決して恥ずべきものではない。この作品が世間に知られていない方が不思議なくらいだ。

ここではルーカスのそんな知られざる作品…面白うて、やがて哀しき映画「アメリカン・グラフィティ2」にスポットを当てて、なぜ黙殺されたのか?…についての推論も含めてみなさんにその全貌をご紹介したい。


 

CHAPTER 1:あの仲間たちに、あれから4回の大晦日が訪れた

出来ればマーサ・リーブス&ザ・ヴァンデラスの「ヒート・ウェイブ」を聞きながらお読みください。

 

1964年の大晦日

 レース場に満場の観客を集めて、ドラッグレースの大会が開催されている。中でも注目は「地元の星」ジョン・ミルナー(ポール・ル・マット)だ。そんなミルナーを応援しに、スティーブ(ロン・ハワード)と彼の妻となったローリー(シンディ・ウィリアムズ)、GI姿のテリー・フィールズ(チャールズ・マーティン・スミス)とガールフレンドのデビー(キャンディ・クラーク)もやって来た。何でもテリーは明日戦地へ赴くとの事で、すぐに一同はレース場を後にすることになる。そんなテリーにミルナーは、自分の魔よけのお守りを渡すのだった。

 一方ミルナーはライバルのベックウィズ(ケン・プレイス)に挑発され、闘争心がメラメラ。さらに大手自動車会社ハント・ブラザースに声をかけられて「その気」になっていたが、社長(モーガン・アプトン)と会ってみると話が違う。社長は彼をローカルのアマチュア呼ばわり。この土地では人気絶大な彼の名前を使って広告を打つだけで、彼を自社レーシング・チームに起用する気などさらさらないのだ。これには思わずキレるミルナー。奴らを見返してやる…と心に誓った。

 そんなミルナーの元に、知り合いのティーンサ(メアリー・ケイ・プレイス)がやって来る。何かと忙しい折りにティーンサの訪問はジャマでしかないが、彼女の連れのキンパツ美人が何とも目を惹くではないか。ミルナーは夢中になって話しかけるが、まるで何も伝わってないようだ。それもそのはず、彼女は北欧からティーンサの家にやって来たイヴァ(アンナ・ビヨルン)。まるで英語が話せないし、聞いても意味が分からない。それでも彼女に目がクギづけのミルナーだった。

 そんなミルナーの気持ちを知ってか知らずか、イヴァをミルナーの元に置き去りにして遊びに行ってしまうティーンサ。かくして全く会話が成り立たないイヴァ相手に、ミルナーは何とか気を惹こうと一生懸命だ。

 ところが気が急いたのがマズかったのか、ミルナーは自分のトレーラーの中でイヴァを押し倒しかかり、彼女にはね除けられてしまう。怒り心頭でトレーラーを飛び出したイヴァにミルナーも絶句だ。

 それでも観客席にイヴァの姿を見つけたミルナーは、言葉が通じないながらも平身低頭。何とか彼女の気持ちをつなぎ止めた。そして望んだ宿敵ベックウィズとの対戦は、見事ミルナーの勝利に終わった。

 だがこのレースでパラシュートが開かず、ミルナーのクルマはレース場を飛び出して納屋に突っ込んだ。幸い彼は無キズだったが、クルマは車輪が壊れて走れない。

 だが、次には憎っくきハント・ブラザースの選手との戦いが残されていたのだ。

 歯ぎしりして悔しがるミルナーに、あのベックウィズが不敵なツラで近づいてくる。どうせイヤミでも言うのかと思いきや、この男が意外な事を口走った。

 「部品ならウチにある。それを使って奴らを叩きのめせ!」

 

1965年の大晦日

 ここはベトナムのジャングル。鬱陶しい陽気と先が見えない戦闘に、テリーはもはやウンザリ。あの地元でファラオ団を結成していたワルのジョー(ボー・ホプキンス)ともすっかり意気投合して、気だるい毎日を送っていた。

 テリーはあげくの果てに、負傷して帰国出来ないか…と、ライフルで自らの腕をキズつける事を思いつく。だが森の中でその仕掛けの真っ最中に、いきなり銃が暴発。それを聞きつけた味方が敵の攻撃と間違えたから、さぁ大変。ちょうど国会議員(ジェイ・ジェイコバス)の視察が行われていた事もあり、勇ましいところを見せようといきなり激しい戦闘が始まった。最後はジャングルを一掃するナパームの爆発で終焉するが、そこから白旗を振って現れたのは…当然われらがテリー。彼を目の敵にする上官(リチャード・ブラッドフォード)は苦虫噛みつぶす。議員の誤解もあって、テリーはベトコンを皆殺しにした…などと口からデマカセ言い放題。だが上官の目はごまかせなかった。

 そんな折り、テリーの上にシンクレア(ジェームズ・ホートン)という兵士がやって来る。しかもこれが「志願してきた」とバリバリやる気十分なのに、テリーもジョーもウンザリだ。案の定、実戦に出たらシャレにならず、ビビりまくりのシンクレア。何とか帰還することは出来たものの、これでは先が思いやられるばかりだ。

 どうしても故国に帰りたいテリーは、泥の中でのフットボールでもわざわざ大男と当たる始末。だが、なぜか転んでケガしたのは大男の方だ。人生、万事皮肉に出来ていると思わずにいられない。

 そんなテリーを毛嫌いする上官は、自分のプライベート便所の清掃を命令。クソまみれになりながら、テリーはいよいよこの場所に耐え難い思いを抱く。

 ところが次の出撃で、いよいよ恐れていた事が起こった。敵の銃弾でジョーが戦士。シンクレアがビビりまくる中、攻撃されたテリーたちのヘリは墜落。通信機で上官のヘリに助けを求めるが、上官は怖がって近づこうとしない。これにはテリーも怒り心頭。何とか怯えまくるシンクレアを連れて、安全な場所まで逃げ出したのだった…。

 

1966年の大晦日

 ヒッピーのメッカ、サンフランシスコ。今はロック・ミュージシャンのランス(ジョン・ランシング)とツルんでいるデビーも、いっぱしのヒッピーの端くれだった。デビーはランスとの結婚を願っており、彼に何かと返事を迫る。だがほとんど彼女のヒモ状態のこの男、常に生返事でハッキリしない。

 今日も今日とてクルマでそんな話をしているところを、白バイ警官(ハリソン・フォード)に捕まってしまう。運悪くランスはマリファナを吸っていて、即刻ブタ箱行きだ。

 何とかランスを保釈してもらわねば…と焦るデビーだが、仲間はみな頼りない。キャロル改め「レインボー」(マッケンジー・フィリップス)も、ランス救出には乗り気になれない。みんなランスが穀潰し野郎だと分かっているのだ。分かっていないのはデビーだけ。

 それでも何とかデビーは、自らが勤めるトップレス・バーの店主に金を前借り。ランスを無事に保釈させた。だがランスは、金を稼がねば…とどこかに行ってしまう。

 一方デビーはレインボーたちとツルんで、あるロック・コンサート会場へと乗り込む。そこに出演するロク・グループ「エレクトリック・ヘイズ」でランスを使ってくれないか…と、メンバーに頼み込むためだ。

 だがメンバーに話してもラチが明かない。やたらベラベラしゃべりまくる男が相手なので、デビーの言い分を聞いてもらえないのだ。そんなこんなしているうちに、メンバーと共にバンドのマイクロバスに乗せられてしまうデビー。こうして知らないうちに、彼女はこのバンドの次の公演先へと連れて行かれる事になってしまう。慌てふためくデビーだが、ギタリスト(スコット・グレン)は優しく彼女に告げた。

 「ステージでタンバリンでも叩いて、踊っててくれればいいんだ」

 こうして次の公演先である酒場で、バンドと共に踊りまくるデビー。気分は絶好調。ところが…。

 客席に、知らない女と踊っているあのランスがいた!

 

1967年の大晦日

 今日も今日とてスティーブの家では、彼と妻のローリーとの間で派手な夫婦ゲンカが繰り広げられている。ケンカの原因は、ローリーが仕事に出たいと言い出した事。双子を人に預けて働きに行く事に、スティーブは断固反対なのだ。こうしてキレたローリーは、大学生の弟アンディ(ウィル・セルツァー)の下宿に転がり込む。だが彼らは、ちょうど反戦デモの準備中だった。アンディとルームメイトのエリック(トム・リューベン)は反戦プラカードづくりに余念がない。だがそんならラジカルな政治運動に、保守的なローリーはまったく理解がなかった。結局アンディとエリックがキャンパスでのデモに出かけた後、ローリーはお留守番だ。

 ところが突然アンディから、キャンパスにサイフを届けて欲しいと電話。こうしてローリーは、学園紛争真っ直中の大学キャンパス内に足を踏み入れる事になる。アンディのガールフレンド、ビッキー(キャロル=アン・ウィリアムズ)の珍妙な「反戦チアリーディング」に目を丸くするローリーは、こんなデモに関わりたくないとキャンパスを出ようとする。

 ところが一斉に突入した警官隊が、丸腰のエリックを警棒でブチのめし始めるではないか!

 たちまちキャンパス内は阿鼻叫喚。ローリーはアンディ、ビッキーと共にキャンパス内を逃げまどう事になる。

 一方スティーブは双子の世話にいいかげん音を上げ、ようやく人に子供を預けて妻を捜しに出かけた。こうしてキャンパスに現れたスティーブは、何とかローリーと再会。夫婦は思わず感動的に抱き合う。

 だがローリーの仕事の話が出るや、たちまち雲行きが怪しくなる二人。そんなこんなしているうちに…スティーブもローリーも、そしてアンディやビッキーも、襲いかかって来た警官隊に逮捕されてしまった!

 

 年の終わりを前にして、彼らはみな無事に年越しが出来るのだろうか…?

 

つづく To Be Continued

  


 

 to : WAR of the WARS - Index

 

 to : Cinema Toy Box

 

 to : Warehouse Index

  

 to : HOME