思い出のテレビ駄菓子屋映画
わが劇場未公開テレビ放映作鑑賞記

Memories of Unknown Movies
on the Good-Old TV


1979


パリから来た殺し屋 Un homme est mort (The Outside Man)

(1973年・フランス、イタリア)

監督:ジャック・ドレイ

出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、アン=マーグレット、ロイ・シャイダー、アンジー・ディキンスン、ミシェル・コンスタンタン

TBSテレビ 1979年2月23日

ロサンゼルスにやって来たフランス人の殺し屋(トランティニャン)を主人公にしたクールなアクション…だったと思うが、ストーリーについてはまるっきり覚えてない。「ターミネーター3」に出てきたのと同じ墓地が登場したような気がするが、定かではない。顔ぶれだけは異常に豪華なので取り上げた。太陽サンサンのカリフォルニアに佇むトランティニャンは、終始すごく浮いていた印象がある。ジャック・ドレイは「ボルサリーノ2」「フリック・ストーリー」と、一時期アラン・ドロンの御用監督になってた人。

 

スターシップ S・O・S! Star Crush

(1979年・イタリア)

脚本・監督:ルイス・コーテス(ルイジ・コッツィ)

出演:キャロライン・マンロー、マージョ・ゴートナー、クリストファー・プラマー、デビッド・ハッセルホフ、ジョー・スピネル

TBSテレビ 1979年3月26日

「スター・ウォーズ」コピー作品の一本で、オープニングも画面の上方から宇宙船の船底がゆっくりと現れる…という本家のパクり。メモによれば音楽もソックリとのことだが、音楽担当は何とジョン・バリー。小遣い銭稼ぎの仕事だったのだろうか? 女宇宙海賊が大暴れ(笑)…ということ以外はストーリーなどまるっきり覚えていないが、宇宙船の窓ガラスを破って侵入しても空気が宇宙空間に漏れたりしないし、かなりいいかげんな話だったと記憶している。宇宙空間にやたら毒々しい原色の赤や青の星がたくさんあったのも違和感アリアリ。ただし、劇中に女神やらロボット・ゴーレムが登場して、それがストップモーション・アニメで動いたあたりは面白かったようだ。主演のゴートナーは「大地震」のキレた男の役から「巨大生物の島」の主演などで知られる人。マンローも「地底王国」とか「シンドバッド黄金の航海」などに出演した“お約束”のグラマー女優。最初は一見主人公に見えたゴートナーが、実は物語の中盤で死んでしまうようで、「スター・ウォーズ」におけるオビ・ワンのような存在のようだ。

 

裸の猿 The Naked Ape

(1973年・アメリカ)

脚本・監督:ドナルド・ドライバー

出演:ジョニー・クロフォード、ヴィクトリア・プリンシプル

フジテレビ 1979年4月9日

原作はデズモンド・モリスの「裸の猿」で、これは小説ではなく一種の文化論的な本らしい。この映画はその内容を映画オリジナルのストーリーを加えて紹介していくもの。オープニングには博物館に陳列された人類の標本が登場。進化の過程を何体もの人形で紹介していく最後の一体が現代人の標本で、それがそのまま映画の主人公(クロフォード)となる。以後、博物館で説明する案内嬢(プリンシパル)のセリフがナレーションとなり、人類の歴史の説明と平行して、主人公と恋人(プリンシパル二役)のストーリーが展開。アニメーションなども交えて、人類が原始人の昔から大して進化していない「裸の猿」であることを語っていく。最後は主人公が徴兵され(徴兵検査の場面では、ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」が効果的に使われていたらしい)、戦場で銃弾に倒れて幕となる。ヒュー・ヘフナー率いる「プレイボーイ」誌が映画に乗り出した第一作で、ジェニングス・ラング・プロとの合作ではあるが、同じ「プレイボーイ」誌製作のポランスキー作品「マクベス」に先立つもののようだ。ヒロインのプリンシプルはその後テレビで売り出したグラマー女優だが、上記ジェニングス・ラング製作の「大地震」にも出ていたことから、彼の秘蔵っ子だったと思われる。

 

美女を喰う館/グール The Ghoul

(1975年・イギリス)

監督:フレディ・フランシス

出演:ピーター・カッシング、ジョン・ハート

日本テレビ 1979年8月18日

沼地に建つ洋館に迷い込んだ女が、グールと呼ばれる「東洋の鬼(?)」に食い殺される話らしい。不気味な土俗信仰とか悪魔信仰、奇妙なインド人の使用人とか、怪しげな設定がいろいろ用意されていたようだが、あまり怖くはなかったとメモには書いてある。それでもそのいろいろな怪しげな設定には、今ならかなりソソられるものがあるが…。注目すべきは屋敷の番人役に、まだ有名になる前のジョン・ハートが起用されていたことくらい。監督のフランシスはむしろ名カメラマンとして有名で、後年も「エレファントマン」とか「砂の惑星」を撮っていた。監督に転じてからはなぜかもっぱらB級ホラーの人。

 

西部に来た花嫁 Zandy's Bride

(1974年・アメリカ)

監督:ヤン・トロエル

出演:ジーン・ハックマン、リブ・ウルマン、アイリーン・ヘッカート、ハーベイ・マトフスキー、ハリー・ディーン・スタントン、スーザン・タイレル

TBSテレビ 1979年11月10日

かつてはワーナーの公開ラインナップに載っていながら、未公開に終わった西部劇。手紙だけで西部の辺境に呼び寄せられた花嫁(ウルマン)と、不器用で荒っぽく女の扱いも知らないカウボーイ(ハックマン)の奇妙な結婚生活を描いた作品。最初は無骨でデリカシーのない夫の態度に当惑するばかりの妻。夫の方でも手紙に書かれていたより年上だった妻に不満を隠しきれない。初夜などはほとんど強姦のような状態だ。かくして二人は結婚生活の最初からぶつかり合ってばかり。しかも村祭りの夜に夫が別の女に手を出して、妻は完全に怒る。夫もそんな妻の態度にキレて家を飛び出してしまう…。最初はオドオドとして従順なだけの妻が、徐々に夫に向かって言いたい事を言っていく過程が面白く、牧童たちの生活描写もリアルで見応えがある。だがこの映画、西部劇なのにやけに画面が寒々として、果ては海まで出てきてカモメが鳴いていたりするのには驚いた。それと言うのも監督がスウェーデンのヤン・トロエルだからか。トロエルはリブ・ウルマンとマックス・フォン・シドー主演のスウェーデン映画「The Emigrants」と「The New Land」の二部作で評判になった人で、1972年度のアカデミー賞では前者が作品賞、後者が外国語映画賞にノミネートされた。そんなハリウッドでの評価を受けて、今回のアメリカ映画での起用に結びついたのだろう。リブ・ウルマンの起用もそんなトロエルならではと思われる。また、ちょうどウルマンもベルイマン映画での評価を受けて、「エーゲ海の旅情」「失われた地平線」…とハリウッド上陸を果たしたところだった。だが、やっぱりこれは西部劇と言ってもどこまでもヨーロッパ映画タッチで、僕は見ていて面白かったがアメリカの観客にはツラかったのではないか。トロエルはこの後、ディノ・デ・ラウレンティスに呼ばれて「ハリケーン」でハリウッド映画再挑戦を行うが、これが散々な結果に終わった事は言うまでもない。

 

秘境の果てを行く The Bridge of the Jungle

(1970年・メキシコ)

制作・脚本・監督:パンチョ・コナー

出演:ジョン・ヒューストン、チャールズ・ロビンソン、カティ・フラード

東京12チャンネル 1979年12月11日

ワニ狩りのハンターがメキシコ奥地のジャングルで日射病(?)に倒れ、近くの村に住む白人の老人に助けられる。この老人がジョン・ヒューストン。ハンターは父の仇を探しに来た男で、その父は銀の鉱脈を発見したが、相棒に裏切られて殺されたらしい。ハンターはその仇がヒューストンではないか…と疑い、問いつめてみるが本人は否定。ただしヒューストンは、あくまで風の便りに聞いた話…と前置きした上で、実はハンターの父の方が先に手を出して来たのだ…と諭す。これってどう見ても限りなくヒューストンが目指す当人である可能性が濃厚だが、ハンターはその説明で納得したのか以後は父の仇の話は一切しない。その代わり映画は、メキシコ奥地の村の営みを淡々と見せていく。特に多くの時間を割いているのが、テキサスの油田での出稼ぎから帰ってきた村の男とその妻子のエピソード。村祭りの晩に男の子供が川で行方不明になるのだが、それを探す方法が実にユニーク。火を灯したロウソクを板に立てて、その板を川に浮かべるのだ。そして村人たちは板の動きを見つめながら、哀愁の漂う民謡みたいな歌をむせび泣くように歌う。すると板は子供の亡骸が沈んだ場所の水面に、ピタリと止まって知らせる。…一種の「こっくりさん」みたいなものだが、何とも神秘的な雰囲気が忘れがたい印象を残している。映画としては話があるんだかないんだか分からない作品だが、そういう物珍しさと味わいから退屈しない。役者としてのヒューストンは「風とライオン」以外は小遣い銭稼ぎだと思っていた僕だが、この映画に関してはナイス・キャスティングだ。

 

恐怖のレストラン Dying Room Only

(1973年・アメリカ)

監督:フィリップ・リーコック

出演:クロリス・リーチマン、ネッド・ビーティ、ロス・マーティン

フジテレビ 1979年12月26日

荒野のハイウェイで車を飛ばす夫婦が、途中でさびれたダイナー兼モーテルに立ち寄ったことから、思いもかけない事件に巻き込まれるサスペンス映画。妻(リーチマン)がトイレに入って出てくると、夫が消えている。ダイナーの店員二人(片方がネッド・ビーティ)はどこに行ったか知らないと言う。慌てた妻は閉鎖されている男子トイレまで開けさせるが、誰もいない。しかし店員二人もモーテルにいる女も、建物全体も胡散臭い。しまいには保安官を呼ぶが、通り一遍の取り調べしかしてくれない。「サイコ」に始まり数々のバリエーションを生んでいる、アメリカの辺鄙なハイウェイ沿いの恐怖話。脚本はリチャード・マシスンで、彼が原作・脚本を担当した「激突!」にも似た怖さでもある(そういえば、「激突!」もこの作品もテレビムービーだ)。ひどく面白かった印象があるのだが、メモには肝心の結末と事件の原因が書いてないので、今となっては何とも言えないのが残念。

 

輝け!ミス・ヤング・アメリカ Smile

(1974年・アメリカ)

製作・監督:マイケル・リッチー

出演:ブルース・ダーン、バーバラ・フェルダン、マイケル・キッド、ジェフリー・ルイス、エリック・シェア、メラニー・グリフィス、コリーン・キャンプ

TBSテレビ 1979年12月28日

「ミス・ヤング・アメリカ」カリフォルニア代表を選ぶコンテストの一週間の物語。オープニングは画面いっぱいに、あの一世を風靡したスマイル・マーク。劇中、「Monday」に始まって毎日毎日タイトルが出てから物語が始まっていくが、最後の「Sunday」でそれが参加者の女の子のパンティの刺繍だと分かる仕掛けになっている。主人公ブルース・ダーンは中古車セールスマンだが、大会期間中はこのコンテストの審査委員長。彼の親友は妻が元ミス・ヤング・アメリカで、コンテストに夢中になりすぎて夫婦仲はギクシャクしている。コンテストに参加する女の子の中では、父親のいないウブっぽい女の子と彼女のルームメイトであるちょっとワルぶった女の子の二人がほぼ主役級。その他の女の子たちの中ではまだ売り出し前のメラニー・グリフィスが一番目立つ役で、ダーンの息子にポラロイドでヌードを盗み撮りされたりする。他に「死亡遊戯」に出たコリーン・キャンプも出演していたはずだが、どんな役かは分からない。このコンテストのためにハリウッドから呼ばれた振り付け師は、最初は女の子たちのひたむきさに共感するものの、徐々にコンテストそのものに疑問を抱かずにはいられなくなる。このように物語が徐々に苦みを増していくのがミソ。夫婦仲の不毛を苦にピストル自殺しようとしたダーンの親友は、「臆病者」呼ばわりされて妻を撃ってしまう。だが、コンテストが大切な妻は夫を訴えない。そんな親友に「前向きに生きろ」と説教をしたダーンは、彼に「君こそミス・ヤング・アメリカそのもの」と皮肉を言われてしまう。結局一週間経った優勝者発表の時には、ダーンもシラケわたった表情を見せるしかない。…と、アメリカン・ニューシネマの残照がまだ残っていた頃の気分を反映してか、作品全体はかなりシニカルなのだ。このあたり、ミスコンをオチョくりながらも最後にはその意義を認めた近作「デンジャラス・ビューティー」と比べてみると違いがハッキリ分かる。マイケル・リッチーは「がんばれ!ベアーズ」をつくった人だが、ご本人の作品系譜からするとロバート・レッドフォード主演の「候補者ビル・マッケイ」の系列に近い。

 

いれずみドラゴン The Tatooed Dragon

(制作年不明・香港)

監督:ロー・ウェイ

出演:ジミー・ウォング、サミュエル・ホイ

フジテレビ 1979年12月29日

二代目007ジョージ・レイゼンビー共演のオーストラリア映画「スカイ・ハイ」や、座頭市シリーズ「破れ唐人剣!」にも出演した香港スターのジミー・ウォング主演作品。「いれずみの竜」(確かにいれずみドラゴンだ)という異名を持つスゴ腕の彼が、悪徳バクチ一味の暴虐に耐えに耐え、最後に対決して勝利するお話…だったと思う。なぜこの作品がメモしてあるかと言えば、監督がブルース・リー主演作二作を演出したロー・ウェイ、制作がやはりリーやジャッキー・チェンとつながりの深いレイモンド・チョウ、そして共演者に「Mr. Boo」シリーズでおなじみホイ三兄弟の次男サミュエルが出ているから。彼はここではオチャラけた役柄らしく、ふざけたキック・ボクシングを見せたりするようだ。だが、しまいには悪漢にリンチされて殺されてしまうのはお約束。

 

地底巨大生物の島 Viaje al centre de la tierra (The Favorous Journey of the Center of the Earth)

(1977年・スペイン)

監督:ファン・ピケール・シモン

出演:ケネス・モア、ペップ・ムンヌ、イボンヌ・センティス、ジャック・テイラー

日本テレビ 1979年12月31日

ジュール・ベルヌ原作「地底探検」の映画化だが、スペイン製というのがミソ。奇妙な老人が古本屋に現れ、主人公の教授に一冊の本を渡すところから物語が始まるようだが、それが何なのか、なぜ探検をしなければならなかったのか…は僕のメモに書いてないので不明。これでは役に立たない(涙)。今回はこのようにいろいろ原作にない新機軸があって、探検隊には奇妙な同行者がいたらしいこともメモに書かれている。しかもその同行者は、地底世界にある文明都市の住人らしいのだ。そういえば確かにこの映画、一行が地底に下りていくと眼下に未来都市のようなものが見える一場面があったように記憶している。だが、今となっては真相は分からない。それにしてもこの地底都市のミニチュア・セット、何だか未来SFのようなモダンな文明都市だったが、あれは一体何を意味していたのだろうか…? そのあたりをちゃんと書き残しておかなかった事が悔やまれる。地底世界に恐竜たちがいるのは、この作品のお約束。今回はそこに巨大なカメとキングコングみたいな巨大ゴリラが登場するのが新味か。また古代生物が生きていた理由としては、「地底では生物の寿命が伸びる」と説明されていたらしい。何だかこれもムチャな話だ。

 

  

 

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