To Be Continued...Again

素晴らしいシリーズ映画の世界 PART 2


 

折からのSFブームの中で登場した「エイリアン」は、観客を恐怖のドン底に陥れました。しかしこの映画はシリーズ化の過程で異能の監督たちの登竜門となり、自らもエイリアンのごとく変質を遂げていったのです。ホラー映画に詳しいナイスガイ★エディさんがご案内します。


 

 

 リプリーは「エイリアン」と戦うことで、

 いかなる変貌を遂げたか

 The Change of Ripley in the "Alien" Films

 ナイスガイ★エディ

 by NiceGuy Eddie

 

 

ホラー映画において、登場する殺人鬼、もしくはモンスターと戦わされる運命に追い込まれるのは、何故か圧倒的に女性が多い。

「サスペリア」「悪魔のいけにえ」「ゾンビ」と言った70年代の傑作から、「エルム街の悪夢」「13日の金曜日」「ヘルレイザー」に代表される80年代のスプラッター、そして、90年代にはそれら集大成ともいえる「スクリーム」の登場で復活し、「ラストサマー」「ルール」と言った類似作が多数作られる。

もちろん、男性が戦う映画もあるにはある。クローネンバーグのホラーは、「シーバース」「ラビッド」「戦慄の絆」と男が主人公の物が多い。「フライトナイト」「ファンタズム」と言った少年が戦うものもある。しかし、女性が戦うホラーに比べると、その数は圧倒的に少ない。

何故、女性ばかりが、モンスターと戦わなければいけないのか?

それは、恐らく、恐怖に悲鳴をあげる女性の姿が美しいからだろう。

しかし、エイリアンに登場するリプリーという女性は、それらスクリームする女性たちとは、全く存在を異にしている。

 

エイリアン・レガシーに通して言えることだが、エイリアンや建物の造形、演出など、性的なイメージを喚起させる物で溢れている。エイリアン自身の頭部は、その中でも最も即物的な造形であろう。長く伸び、黒く光るその頭部を見れば、多くの人が、男性器を想像してしまう。人体にエイリアンの幼生を植え付けるフェイスハガーも、内側はまるで内臓のようだし、それに取り付かれた船員の姿は、あたかも、女性器にクンニリングスをしているようにも見える。(それで男が体内にエイリアンを"受胎"してしまう。なんと言う皮肉だろう)

エイリアン以外にも、1に出てくる宇宙船の入り口は、まるで、アナルのようだし、そこから中に入ると、肋骨に囲まれた体内のようなイメージに包まれる。

そして、それらは全て、エイリアンとリプリーの関係を暗示していると思う。

それはつまり、エイリアンと言う強制的に種の保存を迫る、言わば強姦魔と、かたくなに相手の遺伝子を残すことを拒絶する女性との戦いと言えなくはないだろうか?

そして、2、3、4と進むごとに、エイリアンに対するリプリーの存在意義が変化していく。

 

1作目。遠い宇宙の果てで、エイリアンとリプリーは出会う。

仲間を全て殺され、最後に1人残ったリプリーは、孤独な戦いの末、エイリアンを宇宙へと放り出し、これ以上、エイリアンが増殖することを阻止した。

2作目。57年もの漂流を経て救出されたリプリーを待ち受けていたのは、地球に残してきた娘の死と、エイリアンのいる惑星への帰還だった。

そこで、リプリーはエイリアンに侵食された人間の姿と、増殖したエイリアンの大群に遭遇し、ついに、エイリアンのクイーンと対決することになる。

彼女は今度はパワースーツを操り、クイーンを退治する。

3作目。惑星から脱出したリプリーは、男だけの囚人が閉じ込められた惑星に不時着するが、2作目で助けたはずの男にエイリアンが宿っており、その星の男たちと協力して、三度、エイリアンの増殖を阻止する。

しかし、彼女にも、エイリアンの幼生が宿っていることが分かり、ついに自らの体を消滅させる。

4作目。エイリアンの超生命力を解明したい人類は、遺されたリプリーの血痕から、エイリアンごとリプリーをクローン化し、復活させる。リプリーは、ついに自らの体からエイリアンを生み出してしまう。

しかし、彼女は、またしても、エイリアンの増殖を阻止し、遂に荒れ果てた地球へと帰還する。

 

エイリアンは紛れも無くホラー映画だ。人間を襲う怪物が登場し、多くの人間が残虐な形でその犠牲となる。そして、リプリーと言うヒロインが、常にエイリアンと戦い、排除していく。しかし、他のヒロインがモンスターや怪物とたたかうホラー映画と明らかに違う点がある。それは、リプリーは襲い来るモンスターに対して、常に敢然と立ち向かい、決して女性的な悲鳴(スクリーム)を挙げない点だ。

1作目、リプリーは"女"として登場し、襲い来る強姦魔=エイリアンをやっつけた。

2作目、彼女は、レベッカという少女を守る"母"となり、エイリアンたちの母=クイーンと対決する。

3作目、子供を失った彼女は頭を丸め、"男"となり、エイリアンと対決するが、"男"になったがためにエイリアンを胎内に宿してしまい、自ら命を絶つ。

4作目、彼女はクローンとして復活し、リプリーと言う個人ではなく、"人間"として、

エイリアンと種の保存をかけた戦いを挑む。

そして、リプリーは地球にたどり着く。未だ、エイリアンたちは、地球上に降り立てずにいる。果たして、エイリアンたちが地球に降り立ち、宇宙船内のような閉鎖空間ではない地上で繁殖をはじめたとき、リプリーは彼らの増殖を阻止することができるのだろうか?

その時、リプリーは、"女"でも"母"でも"男"でも"人間"でもなく、"生きとし生けるもの"の代表として、戦う事になるのだが・・・

 

 

 

<「エイリアン」シリーズ>

エイリアン Alien(1979・アメリカ)

監督:リドリー・スコット、製作:ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル、製作総指揮:ロナルド・シャセット、原案:ダン・オバノン、ロナルド・シャセット、脚本:ダン・オバノン

出演:トム・スケリット、シガーニー・ウィーヴァー、ジョン・ハート、ヤフェット・コットー、ハリー・ディーン・スタントン、ヴェロニカ・カートライト、イアン・ホルム

宇宙貨物船が未知の惑星に着陸。そこで乗組員の一人に怪生物が寄生し、これが船内に持ち込まれたことからまきおこる未曾有の恐怖。監督スコットはこの一作で名を挙げ、次作「ブレードランナー」への足がかりを作る。この時点では新人だったリプリー役のウィーヴァーもこの作品でスターダムにのし上がり、かつシリーズ唯一のレギュラーとなった。

 

エイリアン2 Aliens(1986・アメリカ)

監督・脚本:ジェームズ・キャメロン、製作:ゲイル・アン・ハード、製作総指揮:ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル

出演:シガーニー・ウィーヴァー、マイケル・ビーン、キャリー・ヘン、ランス・ヘンリクセン

人工冬眠から覚醒した前作の生存者リプリーは、例のエイリアンの惑星が人類の植民地となっていることを知り、宇宙海兵隊と共に再び戻ることになる。「ターミネーター」によって注目を集めたばかりのキャメロン監督が起用され、作品は一転してコンバット・アクションへと変貌。ウィーヴァーは続編作品、SFホラー・ジャンルというハンディを乗り越え、この作品でアカデミー主演女優賞にノミネートされた。終盤のヤマ場である人間対エイリアンの「女相撲」は見モノ。

 

エイリアン3 Alien3(1992・アメリカ)

監督:デヴィッド・フィンチャー、製作:ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル、製作総指揮:エズラ・スワードロウ、原案:ヴィンセント・ウォード、脚本:デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル、ラリー・ファーガソン

出演:シガーニー・ウィーヴァー、チャールズ・S・ダットン、チャールズ・ダンス、ランス・ヘンリクセン、ピート・ポスルスウェイト

前作で生き残ったものの、刑務所惑星に送られてしまうリプリー。そして彼女の体内にはあのエイリアンが…。一種の宗教色をも帯びたシリーズ中でも特異な印象を与える作品で、デビッド・フィンチャーはこれが日本紹介作。シリーズに落とし前をつけるべく設定された衝撃のラストも話題になった。

 

エイリアン4 Alien : Resurrection(1997・アメリカ)

監督:ジャン=ピエール・ジュネ、製作:ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル、ビル・バダラート、脚本:ジョス・ウェドン 

出演:シガーニー・ウィーヴァー、ウィノナ・ライダー、ロン・パールマン、ダン・ヘダヤ、J・E・フリーマン、ブラッド・ドゥーリフ、マイケル・ウィンコット、ドミニク・ピノン

エイリアンの軍事利用をはかる一団によってクローンとして蘇らされたリプリー。何と終わったはずのシリーズ再スタート作は、「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」のジャン・ピエール・ジュネをフランスから呼んでの異色作。ジュネ組のなどのロン・パールマン、ドミニク・ピノンといった個性派役者が出演しているだけでなく、このシリーズにして初めてウィノナ・ライダーというスターが参加したことも話題。

 

 

ナイスガイ★エディ

ゲイ映画、ホラー映画、「サウスパーク」と三拍子揃ったサイトを運営されているエディさん。今回は十八番のSFホラーの王道で登場していただきました。

NICE TO MEET YOU !

http://www.m-net.ne.jp/~takey/

 


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