東京国際映画祭 開催記念特集

映画祭がやって来る

The Hard Days & Nights of the FILM FESTIVALS

(1999/10/31)


今年も東京は渋谷の街に、10月30日から11月7日のスケジュールで展開される東京国際映画祭。今年で12回目を迎えるこの映画祭をはじめとして、国内外には映画祭と銘打ったイベントが多数あります。しかし、なかなか相当な映画ファンでもないと、それらを覗いてみることもありませんね。「DAY FOR NIGHT」では、あなたに変わっていろいろな映画祭を覗いてみました。映画ファンのお祭り・映画祭を、ぜひごゆっくりご堪能ください。


CONTENTS

 

第15回あきる野映画祭を振り返って

Flashback of the 15th AKIRUNO FILM FESTIVAL

小林 仁 by Jin Kobayashi

 

トロント国際映画祭をご紹介

Introducing TRONTO INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

ダニエル・ガーバー by Daniel Garber

  

みちのく国際ミステリー映画祭99 in 盛岡

MICHINOKU INTERNATIONAL MYSTERY FILM FEST

ATSU by ATSU

  

日本映画祭紀行

Film Festivals in Japan

映画雑談家 by Eiga-Zatsudanka

 

東京国際映画祭の思い出

「タイタニック」ワールドプレミア大パニック!

"TITANIC" World Premiere in TOKYO FILM FESTIVAL

Hide by Hide

  

映画祭は誰のもの

Whose Are the Film Festivals Anyway ?

夫馬 信一 by Shinichi Fuma

 

 

(C)1999 Jin Kobayashi, Daniel Garber,

ATSU, Eiga-Zatsudanka, Hide

and FUMA'S WORKSHOP


 

 第15回あきる野映画祭を振り返って

 Flashback of the 15th AKIRUNO FILM FESTIVAL

 小林 仁

 by Jin Kobayashi

 

 あきる野映画祭は、1985年に当時の東京都西多摩郡五日市町で五日市映画祭として産声を上げた。そして、1995年に五日市町と秋川市が合併し、あきる野市が生まれたことにより1996年から、あきる野映画祭と名称を変え現在に至っている。

 開催は、毎年7月の最終日曜日を最終日とする6日間(前夜祭1日含む)行われる。何でもアリがモットーで、8ミリ及び16ミリフィルムのコンテストからハリウッドの最新超大作まで節操もなくラインアップしている。さらに、実行委員会が独自に35ミリ劇場用映画の製作までやり、その作品の上映も行っている。しかし、こうしたバラエティーに富んだ映画祭を、とってもユニークな個性ある映画祭。と好意的に受けとめてくださっている観客のみなさん、そして映画人のみなさんが数多くいる。それは、運営する我々にとって、何よりの励みになる。

 そんな、多くの人々に支えられながら、当映画祭は今年で15回を迎えることが出来た。

 さて、今年第15回のあきる野映画祭は、7月20日(火)〜25(日)までの6日間行われた。総観客動員数は、7,774名。過去最高の入場者数であった。今年のテーマは「自分探しの旅」である。「まだまだ不況の世の中、リストラなどで自分自身に自信をなくし、本当の自分を見失ったりすることもあるだろう。そんな世の中だからこそ、もう一度自分を見つめ直し、本当の自分の姿を知って欲しい」今回のテーマにはこんな思いが込められている。そして、このテーマに沿った作品を中心にしたラインナップが組まれた。しかし、いつも思うことなのだが、その年の世相を念頭に置いてテーマを決めると、そのテーマに合った作品が、新しい作品に多いことがわかる。そこで改めて思うのだが、映画って敏感にその時々の「今」を反映しているんだなと・・・そんな訳で今年の作品群も、ここ1年位の間に公開された作品が中心となってしまった。

 本当は、いろいろな年代の作品を幅広くラインアップしたいのだが、どうしても新作に偏ってしまう。それには、いくつかの訳がある。まず、ひとつは、上映したくても出来ない作品がたくさんある。洋画に関していえば、ある年代より前の作品は、日本に配給権が無いことが多い。もしどうしても上映したければ、本国の配給会社と直接契約をしなくてはならない、それは膨大な金額と労力が必要になる。当然、我が映画祭の規模では無理な話になる。その点、邦画は上映させてもらえないという作品は、黒澤作品などの一部を除けば殆どないが、ちょっと古い作品になるとプリントが現存していなかったり、あっても状態が悪すぎて上映に耐えられないということが多い。これもネガやマスターポジが残っていればニュープリントを作ってもらうことは可能だが、やはり金額面で無理なのである。また、新しい作品でも単館上映された作品などは、プリントが1本しか無いということがざらにある。つまり他のどこかの劇場や映画祭などで上映している場合、無理ということになる。そんな訳で、幅広くラインアップするということが案外難しいのである。

 なぜ、こんな事を言うのかというと、今年のあきる野映画祭は過去最高の入場者数であったが、もしかするとそれは一般受けする作品が多かったからなのでは無いか。と思うのである。もちろん一般受けする作品が悪いなどと言っているのでは無いが、ヒットしなかった作品でも、いい作品はたくさんある。そんな作品を紹介するのも映画祭の使命である。

 それが、今年は、一度はラインアップはしたものの前述のような理由でことごとく上映出来ないという作品が多かった。結果、ここ1年以内の作品が中心のプログラムになった。もちろんすべての作品を自信持って選んでいるので、観客動員だけを目的に選定した作品など1本もない。どの作品もみんなに見せたいという思いは同じである。しかし、新しい映画に偏ってしまったことは、残念に思っている。

 冒頭、バラエティーに富んだ映画祭と言ったが、そのひとつが、8ミリ、16ミリフィルムによるコンテストである。「アルマゲドン」も上映するが8ミリフィルムで撮ったごくプライベートな作品も上映する。しかも同じ会場の同じスクリーンにである。かなり無茶していると思う。キャパ432席の会場に特設で、めいっぱい張ったスクリーンは決して小さくない。その大スクリーンに8ミリ映画が映し出されるのである。8ミリの作者は、声を揃えて「こんなでっかいスクリーンで、自分の作品を見たのは初めてです。感動しました」と言ってくれる。金のかけ放題で作ったハリウッド映画だけが映画じゃないんだぞ。もっともっとマイナーなものだって映画には変わらないんだぞ。こんな事を思いつつ、このコンテストも13回続いてきた。しかし、今年は初めてのグランプリ該当ナシ。やはり、8ミリ、16ミリを取り巻く環境は、着実に悪化している。だから作り手が激減している。よって作品のクオリティーも下がりつつある。このコンテストも新たな方向性を見いださなくてはいけない時期になっているのであろう。(新しい考えが無い訳でもないのだが)

 話しは変わって、今年も多くのゲストが参加してくれた。まず、初日トップを切って「踊る大捜査線」の斉藤暁さん。3日目には「時雨の記」の澤井信一郎監督、活動弁士の澤登翠さん、「津軽じょんがら節」の斉藤耕一監督、津軽三味線奏者の澤田勝秋さんと山口民規衣さん、「愛を乞うひと」の平山秀幸監督と原田美枝子さん。4日目の土曜日には「ウルトラマンガイア」の小中和哉監督と吉岡毅志さん、「がんばっていきまっしょい」の中嶋朋子さん、「ポストマン・ブルース」のサブ監督と大杉漣さん。 

 ゲストの方々は、みなさん、この映画祭の雰囲気を楽しんでくれ、決して豪華ではないが手作りの会場をほめてくれる。そして、なにより我々への励ましの言葉をたくさんかけてくれる。あー続けてきてよかったなー、と実感するひとときである。

 こうした、ゲストの方々。コンテストの応募者。そして、なによりも多くの観客の方々に支えられて続けて来られた15年間。これからも、もっともっとユニークな映画祭に成長させて行きたいと思っている。幸い、とても優秀で頑張りやのスタッフが揃っているので、必ずいい映画祭を作り続けていけると思う。みなさん期待していてください。

 

●小林 仁

あきる野映画祭を文字通り育ててきたプロデューサー。また、自らも映画作家として活躍している。

 

 

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