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丸一日子供たちと一緒にいるのはサッカーより疲れるよ
SonntagsZeitung 2005.8.28

代表キャプテン・ヨハン・フォーゲルが、新しい在籍クラブACミラン、ワールドカップ予選でのスイスのチャンス、そして心理学者のカウチに横たわる気がない理由を語る。

■サッカーに奇跡はあるでしょうか?
Johann Vogel: FCトゥーンが心に浮かぶよ。彼らの成功は、大きな目標に達するために必ずしも大金が必要ではない事を証明した。
(訳注:スイスリーグのトゥーンは、予算僅少の小さなクラブでありながら、チャンピオンズリーグ予備予選を勝ち抜き、8月23日に本戦出場を決めた)

■その他に、トゥーンから学ぶ事はありますか?
彼らは、僕たちスイス代表と同様に、一丸になろうと努力してきた。それには個々の良い結びつきと、いい意味での競争と、チーム内の正しいヒエラルキーが必要だ。

■代表でそれがどう機能しているのか、ちょうど訊きたいと思っていたんですよ。
スイスのチームは、一丸になる事によってのみ成功できると思う。今ケビ・クーン代表監督の元で機能しているように、そしてクリスティアン・グロス監督がグラスホッパーズで実践したように。
(現バーゼル監督であるクリスティアン・グロスは、1993〜1997年グラスホッパー監督としてリーグ優勝2回、カップ優勝1回、チャンピオンズリーグ出場2回を達成)
そこからはポジティブな気持ちや炎がチームに生まれるんだ。ミランのように、プロフェッショナルなレベルで戦っている大きなクラブは違うけどね。

■ミランにはチーム・スピリットはないんですか?
ミランのムードは素晴らしいよ。ただ、スイスでは選手同士で一杯やりに行ったりするけど、そういうリラックスした雰囲気は大きなクラブにはあまりないね。

■ポジション争いが、選手同士のフレンドリーな関係を不可能にしているんでしょうか?
そんな事はないよ。最近も、近くに住んでいるある選手からバーベキューに招かれたばかりだし。 (多分スタムのこと)

■ポジション争いを日々どのように感じていますか?
選手たちの顔ぶれと名前を見れば想像がつくはずだよ。ここには25人の世界的に有名なプレーヤーがいるんだ。僕にとって難しくなるのは分かっている。

■新顔として、どうやって自分をアピールするんですか?
一緒にプレーし、全力を注ぎ、戦う。

■代表チームで何か気に入らない事があれば、あなたは発言しますよね。ミランでも既に不満を述べたことはありますか?
いや、ここでは控えめにしているよ。

■ミランでのポジション争いは非常に厳しいですが、どのように勝ち抜いていきたいと思っていますか?
それは長いプロセスなんだ。5ヶ月、6ヶ月かかるかもしれないし、1年かも、2年かもしれない。新顔がすぐに他の選手を押しのける事ができるとは思っていないよ。

■あなたは常時出場するのに慣れています。
ミランとの契約にサインする者は誰だって、承知すべき事を分かっているよ。ミランは世界最高のクラブなんだ。出場できない試合がしばしばあるのは仕方のない事だよ。

■リーグ戦38試合のうち、何試合に出場できるでしょうか?
39試合出たいな。この質問にはだんだんうんざりしてきたよ。僕には答えられない事だ。もちろん、できる限り多く出場したいと思ってるよ。

■ミランの会長、シルヴィオ・ベルルスコーニにはもう会いましたか?
(原文のまま。実際はベルルスコーニは昨年末に会長職を辞している。)
うん、一度試合前に控え室に来て、僕ら皆と言葉を交わしたよ。僕には、成功を祈ると言い、僕がどこから来たか知りたがった。

■彼と、彼の政策をどう思いますか?
彼の経歴はよく知らないけど、非常に重要な人物であるのは知っている。彼の政策に賛成の人もいれば、反対の人もいる。僕にはあまりよく判断できないな。

■如才ない答えですね。選手の間での彼の評判はどうなんですか?
それは知らない。ベルルスコーニについて話してるのを聞いたことはないよ。

■あなたのミランでの目標は何ですか?リーグタイトル、それともチャンピオンズリーグ?
それらはミランの毎シーズンの目標だ。昨シーズンは勝てなかった。だから今シーズンはタイトルを獲得しなければならない。

■そのプレッシャーがあなたの仕事を難しくしますか?
タイトルを賭けて戦うのには慣れているよ。もちろん、ここでのプレッシャーは、GC(グラスホッパー・クラブ・チューリッヒ)やアイントホーフェンに比べると大きいけどね。

■あなたは優勝セレモニーを沢山経験していますが、どうして選手たちは祝いの場で太い葉巻を吸うものなんですか?
多分、シーズン中には葉巻を吸う事なんてほとんどないからじゃないかな・・・。

■アイントホーフェンとミランの違いは?
アイントホーフェンは、スモールサイズのミランだ。成功するための全てを持った、素晴らしく組織されたクラブだ。ミランは一次元大きい。ここには12人のマッサージ師と理学療法士がいる。そして心理学者が1人、ペディキュア担当の男性が1人。僕らのシューズは控え室に運ばれ、磨かれる。自分は何もしなくていいんだ。

■ちょっと、しなさ過ぎではないですか?サッカー選手だって自己責任を負わなければならないでしょう。
それはピッチ上での責任とは全く関係がないよ。

■誰かがあなたのシューズを運んでくれる事を高く評価しますか?
とてもね。ここでは非常にプロフェッショナルな仕事がされている。アイントホーフェンでは、それぞれが自分のシューズ、脛当て、練習ウェアに責任を持っていた。ミランでは、全てが既に控え室に用意されている。選手はジェルと洗面用具だけ持っていけばいいんだよ。

■でも、ユニフォームは自分で着なければならないんでしょう?
それはそうだ。

■あなたはミランでも背番号14をつけています。今まではダリオ・シミッチのものでしたが、彼はあなたに譲ったんですね。どんなふうに?
彼と話し合ったんだよ。シミッチには、背番号はそれほど重要じゃなかったんだ。

■でもあなたには重要ですね。
GCでも、アイントホーフェンでも、僕は14番だった。聞いてみるだけなら悪くないと思って。

■ミランでの選手の一日はどんな感じなんですか?
一日に2回練習がある時には、9時半に控え室に集合しなければならない。練習は10時に始まる。でも、9時半になってから来る選手は誰もいないよ。皆9時や8時半に来て、ここで朝食をとるんだ。それから練習に行く。昼食は12時半にとる。

■それは義務?
皆ここで食べるのが好きなんだ。料理は美味しい。食後は皆、自分の部屋に休みに行く。

■それぞれが、トレーニングセンターのミラネッロの中に自分の部屋を持っているんですか?
そう、1人部屋だ。4時半にまた練習が始まる。監督と一緒に、6時か6時半まで。

■その後は家に帰れるんですか?
うん。最初の10日間はここに留まらなきゃならなかったけどね。その後2週間アメリカにいた。他のイタリアのクラブは4週間山の中だ。その限りでは、僕らはミランにいてラッキーだ。ここミラネッロには全てがある。山の中に行かなくてもいいんだよ。

■長いトレーニングキャンプが好きじゃないんですね?
カゴに捕われて嬉しい鳥はいないよ。(ドイツ語で Vogel は鳥のこと)

■自由な時間には何をしていますか?
休養しているよ。時々それは難しいけどね、小さい子供が3人いるから。でも、子供たちはポジティブなエネルギーを与えてくれるんだ。

■お子さんたちは既に学校に行っているんですか?
うん、2人はね。ドイツ語が話されるヨーロピアンスクールに行っているよ。

■あなたが不在がちなので、奥さんは1人で子育てしているようなものですか?
そう、それはとても過小評価されているけど、とても沢山のことが要求される仕事なんだ。僕が1人で、子供たちと丸一日家にいる事があると、それが分かるよ。夜にはもうボロボロだ。一日サッカーをした後の方が、エネルギーがまだ残ってるよ。

■あなたは若くして結婚していますね。
若いって?僕は22歳だった。2人の人間が愛し合い、生涯を共にしたいと思ったら、結婚するものだよ。

■あなたは7年間GCで、6年間アイントホーフェンでプレーしました。忠誠心があるんですか?
多分、正しい選択をしてきただけだよ。妻も、クラブもね。そして、サッカーでうまく行かなくなった時、すぐに弱音を吐いて「ここを出たい」と言ったりはしなかった。再び調子が上がるまで努力し、困難を切り抜けてきた。そして僕の家族、3人の娘たちはものすごく重要だ。家族と一緒にいると、その都度、僕にとってサッカーの持つ意味もスッと相対化されるんだ。サッカーの世界から出て、調和のある家族の生活に入る。すると僕はすぐに息をつく事ができるんだよ。

■あなたは調和が必要なタイプですか?
それは確かだ。争いは好きじゃない。

■代表チームでは争いを厭わないですね。
僕はただ、何か不満があればいつもオープンに口にするだけだよ。

■あなたは多くの場所で、付き合いの難しい人だと見なされていますが。
多くの記者が、僕が難しい人間だと感じているね。僕は彼らから距離を置いているんだ。一緒に食事に行ったり、携帯の番号を教えたり、彼らに取り入ったりはしない。実際、記者たちが僕を好きか嫌いかなんて気にならないよ。

■代表キャプテンというものは、今のあなたよりもコミュニカティブであるべきだとは思いませんか?前任者のイェルク・シュティールがしてみせたように。
僕にとってはチームだけが大事だ。僕は内部の事を外に伝える最後の人間だ。
(だから慎重であるべき、という意味?)

■イタリアには3つの大きなスポーツ新聞があり、それらは毎日25ページもがサッカーのニュースで埋まっています。それに関してどんな経験をしましたか?
全く読まないんだ。出まかせには興味ないから。

■前回の試合(8月21日のサンプドリア戦)でのあなたのプレーは悪かったと報道されています。気になりませんか?
ならないよ、僕にはどうでもいい事だ。

■いつも気にならなかった訳ではないですよね。
18歳や19歳では、批判をパーソナルに受け止めてしまう。今はもう、いつ良いプレーをして、いつ悪いプレーをしたかなんて自分で分かるよ。

■新聞に「フォーゲルはリスクを避けて、ボールをいつもサイドやバックに出す "アリバイ・フットボーラー" だ」と書かれることで傷つきませんか?
"アリバイ・フットボーラー" をACミランが獲ったなんて面白いな。僕についてそんな事を「ブリック」に書かせたあのキュンツラーだかキュンツリだかは・・・。
(「ブリック」はスイスのタブロイド新聞)

■フリッツ・キュンツリの事を言っているんですか?
そう、その通り。そのシャンペン・ドリンカー。
(ハイソサエティーの人間という意味をこめて)

■彼が誰だか知っていますか?
元サッカー選手だったのは知ってる。彼が僕について新聞にコメントしている内容を読むと、「どうしてこんなに視野の狭い考え方しかできないのか?」と思うよ。

■あるオランダの記者が、「ヨハン・フォーゲルは、その姿が見えない時は、ミスを犯していないのでいいプレーをしているという事だ。」と書いたことがあります。それについてどう思いますか?
僕のポジションの守備的MFは、2, 3回パスミスをするとすぐに目立つんだ。

■あなたの強みは、戦術を良く習得している事、ボールキープの確かさ、相手の動きを予見し、ゲームを読める能力です。
いいね、ようやく賛辞が出た。

■あなたは才能がありますが、それだけでは海外で成功するのに充分ではありません。他に何が必要ですか?
多くは頭の中の問題なんだ。重要なのは、成功したいという絶対的な意志。2, 3試合ではなく、2, 3年や4年に渡ってだ。どんなプレーヤーでも、キャリアの中で調子を落とす時期がある。大事なのは、スランプと戦い再び上がって来られるかどうかだ。調子を落としていた後で、監督に再び起用されたら、自分に向かってこう言わなきゃならない。「この****野郎 (4文字言葉系) に、僕がこのポジションで最高のプレーヤーだと今見せてやるんだ」ってね。

■あなたは生まれつきのファイターですか?
僕はファイターじゃなかった・・・クリスティアン・グロス監督がGCに来るまでは。彼の元で僕はどん底に落ち、プレーさせてもらえない事で、彼に対ししょっちゅう怒っていた。だけど僕は戦い、再びチームに戻ったんだ。グロス監督は、譲歩しない。彼はひとつのチームを前に押し出し、個々のプレーヤーをパフォーマンスの限界まで追い込むクオリティを持っている。彼の元で学んだプロセスは僕にとって重要だった。精神的に強くなったよ。

■もし出場できない事が何ヶ月も続いたら、ミランの心理学者たちを頼る事は想像できますか?
カウチに横たわる事は決してないだろうね。ミランでの心理学的バックアップは、医者の診療室みたいな感じじゃないんだよ。むしろ、家族的な雰囲気の中でのリラックスした対話なんだ。

■あなたはワインに情熱を持っていることで知られていますが、プロサッカー選手が飲酒してもいいんですか?
うん、ワインは大好きだよ。食事の時にグラス1杯か2杯飲むのが好きなんだ。楽しむため、くつろぐためにね。僕にとってそれは生活のクオリティの1つなんだよ。

■あなたは非常に多額のお金を稼いでいます、年に数百万フラン・・・。
へぇ、そんな事君が知ってるのか。一体どこからの情報なのかな?

■そういう記事を読みますから。
ふ〜ん、そう。

■そんな沢山のお金で何をするんですか?
何もしないよ。多分、レストランか映画館に1回多く行って、ジーンズを何本か余分に買い、素敵な休暇に出かけるぐらいだよ。

■それでも幾らかは残るでしょう?それで何をしますか?投資?
銀行に預金するよ。

■将来のビジョンは?現役を引退したら何をしますか?
ドリームプロジェクト・・・(言葉を切る)

■それは何ですか?
監督になること・・・いや、まずはいくつかの免許を取るよ。まあ見てみよう、どうなるか。

■スイスに土地を購入したそうですね。
うん、チューリッヒ州のアフォルテルン・アム・アルビスの近くだよ。

■いつかそこに住みたいですか?
うん、妻がその地方の出身なんだ。それに僕も、出身地であるジュネーブより、チューリッヒの方にずっと沢山の関わりがあるし。

■もはやフランス語圏の人ではなくなってしまったんですか?
両親と兄弟が向こうに住んでいるけど、他にはもう何もコネクションがないんだよ。15歳の時にジュネーブを出た。7年間チューリッヒで過ごし、交友範囲はそこにある。僕にとっては、チューリッヒがナンバーワンだ。チューリッヒは多くのものを提供し、かつ見通しのいい街だ。生活のクオリティがちょうどいいんだよ。

■チューリッヒの生活のクオリティは、ミラノとは違いますか?
ミラノに行った事はまだないんだよ。車で通り抜けた事は2, 3回あるけど。ミラノに住むのは想像できないな。交通が無秩序で、排ガスが臭いんだ。

■ではどこに住んでいるのですか?
ヴァレーゼ。

■家はクラブが仲介したんですか?
そう。僕らはヴァレーゼに住みたいと言ったんだ、子供たちが通う学校がそこにあるからね。そしたら2, 3の物件を紹介してくれた。その中の1つが気に入ったんだ。学校のすぐそばだよ。

■海外に住んで6年になりますね。外からスイスのどんな事に気づきますか?
スイスは僕の国だ。今週起きた洪水についてはもちろん知っている。そして今、在外スイス人として投票に参加できるよう、領事館で手続きをするところだ。

■では政治に興味があるんですね。「人の行き来の自由の拡大」について賛成投票しますか?
(2005年6月、 シェンゲン協定 へのスイスの加盟が国民投票で可決された。さらに2005年9月には「人の行き来の自由の拡大」についての国民投票が行われる。)
まだ分からない。

■サッカー界では既に何年も前から、人の行き来の自由が実現しています。
スイス- EU条約のおかげで、我々スイス人はもうEU内において外国人とは見なされなくなった。その限りでは助けられてるね。 (スイスはEU非加盟国)

■ところで、ワールドカップ予選の残り4試合で、スイスは勝ち点を何点取れるでしょうか?
できれば12点ほしい。でも、9点でも予選突破できると思うよ。

■ケビ・クーン代表監督のすぐれているところは?
選手たちは喜んで代表チームに来る。そしてくつろいだ気分になる。雰囲気がいいんだ。それはおもにケビの功績なんだよ。彼は、1人の選手をさっさと切り捨てたりしない、誠実な監督だ。

■ムラト・ヤキンが怪我をしているのは有利ですか?
(以前に、ヤキンの練習に対する姿勢をフォーゲルが批判したと報道されたため、こんな質問を?)
誰にとって?

■スイス代表チームにとって。
(笑って)僕らは全部の選手を必要としている。競争は害にはならないよ。

■ENDE■


  Unser Kapitän: スイス代表主将ヨハン・フォーゲル
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