DAMIANO DAMIANI
1922年7月23日、イタリア生まれ。

くち紅 (1960年、イタリア=フランス)
★★★★☆☆
(a.k.a. EL LAPIZ DE LABIOS / EL ROSSETTO / IL ROSSETTO / LIPSTICK / JEUX PRECOCES / RED LIPS / THE LIPSTICK / UNSCHULD IM KREUZVERHOR)
[イタリア公開:1960年3月、日本公開:1961年3月、フランス公開:1962年3月]


(STAFFs/CASTs) 製作総指揮:Gianni Solitro、監督・原案・共同脚本:Damiano Damiani、音楽:Giovanni Fusco、撮影:Pier Ludovico Pavoni、主演:Laura Vivaldi(=Silvana De Carli)、Pierre Brice(=Gino Luciani)
(STORY) 連続殺人事件が発生中の街で、孤独な少女Silvana De Carli(=右上)は青年Gino Luciani(=左上)に出会い、一目惚れ。しかし、問題の殺人事件を担当するFioresi警部らの捜査の進行に伴い、Lucianiの名は容疑者の1人として浮上してくる。しかも、この状況にあって、Lucianiのお気に入りの娼婦が殺害されると云う事件が発生すると、特捜班は彼の身柄を拘束し、取り調べを始めるのだった。が、唯一の決定的証人になり得るはずのSilvanaはLucianiを庇おうとし始めて...
(解説) 「社会派」のDamiano Damiani監督の個性が前面に打ち出された本作はGialloはGialloでも、事件其のものではなく事件の及ぼす影響のほうに重点を置いた所謂「社会派Giallo」とでも云うべき異色作に仕上がっています。

痴情の森 (1969年、イタリア)
★★★★★☆
(a.k.a. A COMPLICATED GIRL / A RATHER COMPLICATED GIRL / A VERY COMPLACATED GIRL / UNA RAGAZZA PIUTTOSTO COMPLICATA)
[イタリア公開:1969年1月、日本公開:1971年9月]


(STAFFs/CASTs) 監督・共同脚色:Damiano Damiani、原作:LA MARCIA INDIETRO by Alberto Moravia、音楽:Fabio Fabor(兼音楽監督)、撮影:Roberto Gerardi、編集:Antonietta Zita、主演:Catherine Spaak(=Claudia)、Jean Sorel(=Alberto)、Florinda Bolkan(=Greta)
(STORY) 若き大学教授Albertoは偶然にも盗み聞きしてしまった電話の会話に興味を抱く。そして、其の声の主の1人であるClaudiaが自分と同じアパートに住む住民であることを知ると、彼女を尾行した挙句の果てに教会前で声を掛ける。すると、Claudiaのほうも彼に興味を抱き、Albertoは彼女の部屋に招待される。が、間もなく其処をClaudiaの婚約者Pietroが訪れて来る。そして、このPietroが帰った後になってAlbertoはClaudiaが常時拳銃を持ち歩いていることを知る。このことを契機に2人はClaudiaの持つ「潜在的殺意」について分析を進めていくのだった。そして、Claudiaが義母Gretaからレズビアン関係を強要されて来たを知るに至ったAlbertoはClaudiaと2人して其の当人の許に向かい、彼女を殺害する具体的方法を検討し始めるのだが...
(解説) Alberto Moraviaの小説LA MARCIA INDIETRO(1959年)を映像化したサイコロジカルGialloの異色作であり、白昼夢的映像世界を彩るFabio Faborのテーマ曲が美しくも印象的です。

IL SORRISO DEL GRANDE TENTATORE (1974年、イタリア=UK)
(a.k.a. DAMIANO DAMIANI'S THE TEMPTER / THE DEVIL IS A WOMAN / THE TEMPTER)
★★★☆☆☆
[イタリア公開:1974年1月]


(STAFFs/CASTs) 監督・原案・共同脚本:Damiano Damiani、音楽:Ennio Morricone(兼音楽監督)、撮影:Mario Vulpiani、編集:Peter Taylor、主演:Glenda Jackson(=Sister Geraldine)、Lisa Harrow(=Emilia Contreras)
(STORY) ポーランド出身のBadinsky神父はナチスのユダヤ人大量虐殺に協力した過去を文章化する為に作家のRoberto Solinaをローマのカトリック施設に招く。其処には冷酷なまでに厳格なシスターGeraldineのコントロール下に、ボリビア出身の女性神経症患者Emilia Contrerasや、妹相手の近親相姦願望に憑り付かれたOttavio王子らがグループ・セラピーを受けていた。しかし、今回のSolina到着と平行してEmiliaが飼い猫を絞め殺し、更にはOttavioがハサミを以って自殺する等の事件が続出し...
(解説) 現代人にとっての「宗教」の意味を問うた社会派の作品であり、Glenda Jackson(=上)の好演とLisa Harrowの熱演が相乗的に作品全体に説得力を付与しています。其の上Daniano Damiani監督の演出と脚本は申し分無い出来ですが、過去の自作を適当にアレンジして場を誤魔化しているEnnio Morriconeによる投げ遣り仕事は大いに難ありです。

PERCHE SI UCCIDE UN MAGISTRATO (1975年、イタリア)
★★★★☆☆
(a.k.a. HOW TO KILL A JUDGE / WARUM MUSSTE STAATSANWALT TRAINI STERBEN ? / WHY DOES ONE KILL A MAGISTRATE ?)
[イタリア公開:1975年2月]


(STAFFs/CASTs) 製作:Mario Cecchi Gori、監督・原案・共同脚本:Damiano Damiani、音楽:Riz Ortolani、撮影:Mario Vulpiani、編集:Antonio Siciliano、主演:Franco Nero(=Giacomo Solaris)、Francoise Fabian(=Antonia Traini)、Eva Czemerys(=Sabina)
(STORY) 前衛的映画監督Giacomo Solarisは現役検察官Alberto Trainiをモデルに「マフィアと不適切な関係を持った検察官が他ならぬマフィアに殺される」と云う内容の映画を撮る。ところが、映画の公開直後にAlberto Trainiが実際に殺されると云う事件が発生し、Solarisは司法当局からは事件との関係を疑われ、Albertoの妻にして妊娠中のAntoniaからは批判を受けるハメに。この事態を受けてSolarisは独自の調査を開始するのだが、事件は連続殺人事件にまで発展していく。こうして協力者までもを眼前で殺されるに至ったSolarisは更なる窮地に立たされながらもAlbertoとAntoniaの息子にしてテニス好きの少年Tormaが事件解決の鍵を握っていることを突き止め、其処から意外な犯人像を掴むのだった...
(解説) Damiano Damiani監督お得意の社会派Giallo映画です。今回は少々説明調に成り過ぎた嫌いがあるものの、血液の代わりに空気を送ることで成される「医学的殺人」や事件全体の真相解明部分は良く出来ており、全体としては手堅くも平均以上の出来に仕上がっています。

狼の日曜日 凶暴ジャック (1977年、イタリア=フランス)
★★★★★★
(a.k.a. GOODBYE & AMEN / GOODBYE AND AMEN / GOODBYE E AMEN / L'UOMO DELLA CIA)
[イタリア公開:1977年12月]


(STAFFs/CASTs) 監督・共同脚色:Damiano Damiani、原作:SULLA PELLE DI LUI by Francis Clifford、音楽:Guido De AngelisMaurizio De Angelis、撮影:Luigi Kuveiller、編集:Antonio Siciliano、主演:Tony Musante(=John Dhannay)、Claudia Cardinale(=Aliki)、John Steiner(=Donald James Grayson)、John Forsythe(=Carson大使)

(STORY) ローマのアメリカ合衆国大使館付き武官Harry Lambertが市内にあるHilton Hotelの屋上から通行人2人を狙撃して殺傷した上で、同ホテルの845号室に人質を取って立て籠もると云う事件が発生し、CIA(中央情報局)ローマ支局所属のエージェントJohn Dhannayが市警警部Morenoらと共に事態打開に乗り出す。ところが、アメリカ大使CarsonがDhannyらの反対を押し切って自らが交渉人として845号室に入った挙句の果てに人質となるに至り、事態は悪化。更に、ここに至って問題の立て籠もり犯の正体は大使館付き武官Harry Lambertではなく米軍特殊部隊の隊員Donald James Graysonであることまで判明するのだった。一方、度重なる人質救出作戦の失敗により死傷者が増える状況にあってDhannyは人質の1人となっている美女Alikiの協力を得ることで845号室の「内外」から二重攻撃を仕掛けることは出来ないかと検討する...
(解説) Damiano Damiani監督の最高傑作の1つにして、この時期のTony MusanteJohn Steinerの代表作でもある秀作です。1970年代に流行した「半密室型Giallo」の集大成とも云えるストーリーを盛り上げるDe Angelis兄弟のテーマ曲も印象的です。

警告 (1980年、イタリア)
★★★★★☆
(a.k.a. L'AVVERTIMENTO / THE WARNING)
[イタリア公開:1980年8月]


(STAFFs/CASTs) 監督・共同原案・共同脚本:Damiano Damiani、音楽:Riz Ortolano、撮影:Alfio Contini、編集:Antonio Siciliano、主演:Giuliano Gemma(=Antonio Barresi警部)、Martin Balsam(=Qestore Martorana警視総監)、Laura Trotter(=Silvia Lagana)
(STORY) ローマの街を牛耳るGiorgio Massimilano率いる巨大犯罪組織の顧問弁護士を証人として警察本部に呼んだVincenzo Lagan警部と其の部下らが問題の弁護士と共に皆殺しにされると云う事件が発生。Qestore Martorana警視総監はLagan警部と親しかったAntonio Barresi警部を事件の担当に指名するものの、この3人は共に犯罪組織から億単位の賄賂を受け取っている身だった。そして自分と同じく賄賂を受け取っているLaganaの受け取り分が消えていることに気付いたBarresi警部は其の夫人Silviaに疑惑の眼を向ける。が、其のSilviaは極めて情緒不安で自殺未遂を繰り返す女性であり、其の口から真実を知ることは困難其のものだった。そして、Barresi警部とMartorana警視総監にMassimilanoの3者間は其の彼女の特性を利用して文字通り命懸けの生存競争を開始する...
(解説) Damiano Damiani監督による社会派サスペンス映画の秀作であり、自衛手段としての「腐敗」と「正義」をフル活用する主人公を好演するGuiliano GemmaMartin Balsamは云うまでも無く、情緒不安なヒロインを熱演するLaura Trotterの魅力も光ります。

対決 マフィアに挑んだ刑事 (1984年、イタリア=UK=フランス)
★★★★★☆
(a.k.a. ALLEIN GEGEN DIE MAFIA / LA MAFIA / LA PIOVRA / O POLVE / OCTOPUS: DE STRIJD TEGEN DE MAFFIA / OCTOPUS: POWER OF THE MAFIA / 対決 マフィアに挑む男 / THE OCTOPUS: POWER OF THE MAFIA)
[フランス公開:1984年10月]


(STAFFs/CASTs) 監督:Damiano Damiani、共同原案:Nicola Badalucco、脚本:Ennio De Concini、音楽:Riz Ortolani(兼音楽監督)、撮影:Nino Celeste、共同編集:Enzo Menicori、主演:Michele Placido(=Corrado Cattani警部)、Barbara De Rossi(=Raffaella Pecci Scialoia)、Cariddi Nardulli(=Paola Cattani)
(STORY) パレルモ市の路上でマフィア捜査の第一人者であったManieo警部の射殺体が発見されると云う事件の発生を受けて、内務省はミラノ市警の凄腕警部Corrado Cattaniを後任として現地に派遣。折りしも同市では自殺した女性伯爵Eleonora Pecci Scialoiaの葬儀が大々的に行われており、Cattini警部はこの儀式を契機として地元の警部補Leo De Mariaから市の大物らの紹介を受けるのだった。其の後、Cattani警部の妻Elseと娘Paolaもパレルモに引っ越してくるものの、警部とElseの夫婦仲はギクシャクしており、Paolaは懸念を隠せない。一方、Cattini警部はDe Maria警部補を実質的には唯一の味方として捜査を進めていく過程に於いて、母親Eleonoraの死により若くして伯爵の位を受け継いだ娘Raffaella(愛称「Titti」)の許を訪れ、其の邸宅からManieo警部のものと思われる血痕を発見。又、同警部は地元の有力者の1人として知られる別の女性伯爵Olga Camastraにも接触を図っていくものの、こうした捜査はElseの不満の増長に繋がっていく。すると、この状況を垣間見た地元TV局の人気司会者Nanni Santamariaが彼女にアプローチを仕掛けていき、Paolaの恐れる家庭崩壊は現実のものとなっていくのだった。しかも、間もなく、Cattini警部とカフェで待ち合わせしていたDe Maria警部補が後頭部に銃弾を受けて即死すると云う事件が発生し、Cattini警部の捜査も大きな難関を迎えるのだった。其の後、De Maria警部補の婚約者Annaの姿を目の当たりにして自らを責めたCattini警部は一時的に落ち込むものの、間もなく捜査を再開し、改めてRaffaellaの許を訪れて、彼女の母親とManieo警部は同じ部屋で射殺されていたにも拘らず、Raffaellaのみならず市警のAltero警部補らまでもがマフィアの脅しに屈して、Eleonoraは自宅で自殺、Manieo警部は路上で射殺されたと云う偽装事件状況を作り上げたと云う事実を掴むのだった。そこで、Cattini警部はこの二重殺人の実行犯と判明したマフィア構成員Sante Cirinnaの逮捕準備を進めていくものの、先手を打って出たCirinna当人と其の部下の2人から銃撃を受けてしまう。一方、問題のCirinnaによって既に重度のヘロイン中毒者にされてしまっているRaffaellaはDon Manfredini神父の施設に送られて治療を受けることになるのだが...
(解説) 1984年から1999年の15年間に渡って制作され続けた超大作LA PIOVRAのファースト・シリーズであり、公私の難題に立ち向かう警部役のMichele Placidoや麻薬中毒者役のBarbara De Rossi(=上)を初めとする演技派による熱演を以って大いに魅せてくれます。尚、本作はRiz Ortolaniによる印象的なテーマ曲をも持ち合わせていますが、作中には黄色いパジャマの少女(1977年)の主題歌も登場します。

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