G.マーラー 交響曲第1番「巨人」&交響曲第10番〜アダージョ
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1979&1976年録音 <SU 11 1970-2 011>
<素晴らしいっす>
G.マーラー 交響曲第1番「巨人」
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1992.9.10−12録音 <PCCL−00177>
<僕のマラ1の基準>★★★★★
1990年の「プラハの春」で復帰したクーベリックの「我が祖国」で、チェコフィルを知って以来、僕が本当にチェコフィル(そしてマーラー)に目覚めたCDである。1楽章最初のホルンのコラールから、惹きつけられる。僕は、1楽章の牧歌的気分は、このCDが1番好きだ。そして、練習番号23からの緊張感、そしてファンファーレ(その迫力も素晴らしい)以降の開放感!ノイマン&チェコフィルならではの味わいだ。
 続く2楽章。基本的コンセプトは1楽章と同じである。せわしくならず、のんびりとした楽しいボヘミアの風景が思い浮かぶ。トリオのしみじみした味わいも格別!!
 3楽章は、深刻になり過ぎないところが良い。あくまでも、「若き日の回想」なのだ。何処からともなく聞こえてくる町のブラスバンドの演奏。ノイマンも若き日を、そんな所で育ったのだろう。この楽章の懐かしい気分が、素晴らしく出ている。つくづく、マラ1はボヘミアの曲であることを、実感させてくれる。
 最終4楽章。出だしから、一気に聞かせてくれる。ブラスセクションは、ここぞと言わんばかりにパワー全開で聞かせてくる!!しかし、それでいて、決してうるさくならないのが素晴らしい。そして、演奏していて記憶をなくしてしまう(^^;!!)練習番号52番からの圧倒的な高揚感!!!そして感動!!ここでもケイマル&ティルシャル両氏の黄金の組み合わせは、ここでも最高のパワーを出している。
 バーンスタイン、ベルティーニ、コバケンなど名演が多いこのマラ1だが、僕はやはりこのノイマンの演奏が1番大好きだ。決して超名演と言う訳でもない。でも、このボヘミア的気分と、この高揚感はたまりません。
G.マーラー 交響曲第1番「巨人」
小林研一郎指揮  1998.3.13−15録音  <PCCL−00450> 
<コバケン、ついにマーラーにおいてもチェコフィルを支配>★★★★★
コバケンは、ついにチェコフィルの最も得意とするものの1つであるマーラーにおいても、自分の個性を発揮することに成功した。実は、コバケンは1997年のチェコフィル100周年の記念すべき年の、日本公演においてこのマラ1を演奏いているが、ノイマンの演奏のコピーでしかなかった。コバケンならではの熱気は在ったが、テンポ感は全く持ってノイマンのコピーであった。しかしこの演奏においては、チェコフィルのマーラー演奏の伝統を踏まえながらも、自分の個性をアピールすることに成功してしまった。チェコフィルも自分たちの伝統を踏まえた上で、大変素晴らしい演奏を繰り広げている。1、2楽章の牧歌的雰囲気、3楽章の深い味わい、4楽章の圧倒的パワー。何処をとっても大変素晴らしい。特に、3楽章のトランペット2本のソリは、かつて無い程の美しさ!!ケイマル氏の凄さをまたも見せ付けられてしまった。コバケンが、チェコフィルを手中に収めたという事で、5つ進呈。(ちなみに、1楽章の提示部の繰り返しをチェコフィルが録音したのは、このCDが初めてだ。)
G,マーラー 交響曲第2番「復活」
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
ガブリエラ・ベニャチコヴァ(ソプラノ)
エヴァ・ランドヴァ(コントラ・アルト)
チェコ・フィルハーモニー合唱団(ヨゼフ・ヴェセルカ指揮) 1980年録音 <SU 11 1971-2 011>
<工事中>
G.マーラー 交響曲第2番「復活」
リヴィア・アコヴァ(ソプラノ) マルタ・ヴェニャチコヴァ(アルト) プラハ・フィルハーモニック合唱団  ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1993.2.11−17,19,20録音 <PCCL−00265>ARTON盤
<ボヘミア的「復活」>★★★★★
1楽章からやや速めのあるテンポである。これがなんとも言えない緊張感を生み出している。ただし、旋律の縦の流れを重視(チェコ・フィルの特徴であるが・・・)し過ぎているため、アンサンブルがずれる時があるのが残念だ。しかしノイマン、そしてチェコ・フィルの「復活」に対する思い入れは凄く、強い説得力を生んでいる事も事実。そしてここでも、優秀な金管セクションが実に素晴らしい!ホルンのコラール、ラッパのソロなどどこを取っても美しい!
 2楽章は、大変チェコ・フィルらしい歌に満ちた演奏。最初の弦楽器から美しい。この演奏を聞くとやはり「復活」もボヘミアの音楽であることを実感する。マーラー自身が2楽章を「過去の追憶」言った意味は、まさにボヘミアの事だったのか??そうであるとしか思えないが・・・
 3楽章も決して攻撃な演奏ではない。マーラーの音楽の美しさを十分に味わえる。例えば、練習番号37番からの金管のファンファーレも力まず自然体で非常に音楽的である。もっとガツンと決めて欲しいとも思うが、これで1つの解釈として成立するのではないか。そして、4楽章。冒頭のラッパのコラールは、あまりにも美しすぎる。まさに天上の音楽。またヴェニャチコヴァも素晴らしい歌を聞かせてくれる。
 5楽章。冒頭の最後の審判を思わせるファンファーレも決して暴力的に響かない。悪く言うとちょっと、平和的過ぎるかも知れない。しかし、その後の切迫した緊張感には不足は無い。また10番のトロンボーンのコラールの美しいこと!!そして11番への感動的な入り。この後、オケはどこをとっても文句の付けようが無いぐらい素晴らしい(詳細は省略します)。31番からの合唱は大変美しい!!また33番からのケイマルのラッパソロがあまりにも美しすぎる!!!ここ先は最後まであまりにも感動的な音楽が続く!!多言は無用である。
 ぶっちゃけた話し、「復活」は下手に演奏しても感動的、素晴らしい演奏をするともっと感動的。当然、ノイマン盤は後者。「復活」はバーンスタインなど様々な名演が存在する。このノイマン盤はその中で、やや異色かもしれない。なぜなら平和的な演奏だからだ。でもこうして通して聞くと、実に味わい深い演奏であると実感できるはずだ。
G.マーラー 交響曲第3番
コントラ・アルト:クリスタ・ルートヴヒ
フリューゲル・ホルン:ミロスラフ・ケイマル
キューン少年少女合唱団 チェコフィルハーモニー女声合唱団
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1981.12.16〜19録音 <SU 11 1972-2 033>8番とカップリング
<工事中>
G.マーラー 交響曲第3番  マルタ・ヴェニャチコヴァ(アルト)  ミロスラフ・ケイマル(フリューゲル・ホルン)
プラハ室内合唱団  チェコ・フィルハーモニック少年少女合唱団
ヴァーツラフ・ノイマン指揮  1994.8.1−3、9.5−7録音  <PCCL−00256>
<本当に、美しいマラ3>★★★★★(6楽章のみ★★★★★★) 
マーラーの3番にバーンスタイン的興奮を求めている人は、聞いてはいけない。この演奏は、ボヘミア生まれのマーラーの苦悩を、ボヘミアの音楽家たちが、心から歌い上げている。1楽章は、トロンボーンのソロは大変素晴らしい。そしてホルンセクションの美しさ!!しかし、曲の構成力の弱い1楽章は、歌に満ち平和的すぎる。この演奏の唯一の不満は、この点にある。しかし、ここまで徹底的にそのスタイルで演奏されると、説得力は強い。
 2楽章に以下は、本当に素晴らしい。穏やかな2楽章は、歌に満ちその気分が最高に表現されている。特に、オーボエの美しいこと。続く3楽章のケイマル氏のポスト・ホルンの美しく、なんと感動的なこと!!!!(フリューゲル・ホルンで演奏。)ノイマンはその美しさに聞き惚れ、涙を流したそうだ。そして、4楽章の深い味わい。(アルトが、もう少し暗めの声だったら、なお素晴らしい。=ノイマンの解釈には合っているのかも知れないが・・・)
5楽章の平和的な雰囲気も非常に素晴らしい。また、合唱の出来が非常に良い!!
 そして、最終6楽章。この演奏のフィナーレにふさわしい、超名演!!この美しい6楽章が、これほどまでに美しく、感動的に演奏されたことがあるだろうか!!この演奏を涙無しに聞けるだろうか?またトランペットのコラール(練習番号26番)の美しいこと!!!もう、なんと言ったらいいのか分からない。圧倒的な演奏である。
G.マーラー 交響曲第4番
ソプラノ:Maria Tauberova
カレル・シェイナ指揮  1950年ごろ?? <LPV−220>LP モノラル録音
<シェイナの至芸>★★★★★★★★
 正確な録音年は判らないが1950年頃の録音と推測される。私の知る限り最も古いチェコフィルによるマーラー録音であり、その伝統を知る上で実に貴重な録音であるが、そんなことは関係無く、実に素晴らしい演奏である。
 シェイナの指揮は、実にメルヘンチックで美しい。1楽章の冒頭の鈴の音から甘く切ない。そしてどこまでも美しく、あくまでも自然体でマーラーの魅力を最大限に引き出す。この自然体という姿勢こそ、現代に受け継がれているマーラー演奏の基礎かもしれない。オケのサウンドは、実もこれ以上望むことが出来ない位に美しい。特に2楽章のバイオリンの魅力的なソロ、ポルタメントを掛ける弦楽器のはっとするくらいの美しさ。。そしてシュテフェックと思われるホルン!!
 天国的な美しさゆえに、凡長と言われる事もあるこの曲だが、シェイナの手に掛かると全くそのようなことは無い。3楽章も全く飽きさせることなく聞かせる。4楽章でソプラノが入り、ややドラマチックになる。しかしそれは1〜3楽章の流れの中にある。Tauberovaのソロは、癖の無い発音で、シェイナの音楽にぴったりだ。
 私はここまで魅力的なマーラー4番というのを聞いたことが無い。シェイナの指揮は、はっきり言って神懸り的とまで言えるかもしれない。1896年生まれのシェイナが、50歳半ば?にしてこの境地に達していたというのは驚きである。かつて、N.ヤルヴィが「最も理想的な録音」と語ったとされるこの録音。私もその意見に賛成だ。
 スプラフォンの倉庫にオリジナルマスターが眠っているとしたら、真っ先にCD化すべき録音であると思う。
G.マーラー 交響曲第4番
Magdalena Hajossyova(ソプラノ)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1980年録音 <SU 11 1975-2 011>
<工事中>
G.マーラー 交響曲第4番  パメラ・コバーン(ソプラノ) ズデニェク・ティルシャル(ソロホルン) ボフミール・コトメル(バイオリンソロ)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮  1993.11.22−27録音 <PCCL−00240> 
<ケイマル氏がいない!!>★★★★★
この曲の楽しい雰囲気が非常によく表現され、大変素晴らしい出来である。1楽章のホルンのソロは大変美しく、素晴らしい。このようなホルンのソロはいまだかつて聞いたことが無い。しかし、恒例のティルシャルと組んでいるラッパのケイマル氏が乗っていない。この演奏で唯一の不満はこの点だ!!1楽章の1番盛り上がるところで、ホルンが盛り上げながら、ラッパが今1つ盛り上がりきっていない。やはり、ケイマル氏が吹かなければ・・・だが、いつもは長すぎると感じる3楽章を大変美しくまとめている。しかし、なんだかんだ言って3楽章のラッパのソロは非常に美しい。ホルンの素晴らしすぎる出来と、2楽章のコトメル氏の美しいバイオリンソロ、ノイマンの素晴らしい指揮に敬意を表して星5つ。
G.マーラー 交響曲第5番 ミロスラフ・ケイマル(ソロ・トランペット)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1977年録音 <SU11 1976−2 011>
<エンジン全開のマラ5>★★★★
 ケイマルさんの素晴らしいソロに始まる。まだケイマルも若いせいか元気いっぱいだ。ノイマンの指揮も実に活き活きとしている。早めのテンポでグイグイ押して行く。この迫力は凄い。正直もう少し深みがあっても・・・と思う箇所もあるけど。2楽章もこのパワー全開で突き進む。とはいえパワー全開でも決してオケは乱れる事はない。そしてこの高揚感!!2楽章でこんなに盛り上げて良いのか??と思ってしまうほどだ。
 3楽章はやや遅めのテンポだ。ホルンのソロはティルシャルさんでは無く、ベラネークさんかな??。でも非常に上手だ。この遅いテンポ故か少々野暮ったい感じになっている。演奏時間はキャニオン盤とほとんど変わらないのだけど、どうした事かな??でも調子が良いと流れも良いし、なんだか不思議な感じだ。しかしマーラー独特のレントラーの物悲しい気分と、オケの美しさは格別である。
 4楽章の美しさは何時もの事ながら格別だ。こうして聞くと、やはりチェコフィルの弦セクションの響きは美しいと思うのだ。活き活きと元気な演奏の中で唯一の清涼の一時か?そして5楽章に絶妙になだれ込む。ホルンの信号に始まり、木管の美しい響き。5楽章は、最初はまだまだ抑制が効いていている。が序々にテンションが高くなる。この高揚感こそマーラーを聞く醍醐味と言えよう。フィナーレのテンションはまさに圧倒的であり、金管のゴージャスな響きと合致し非常に素晴らしい!!
G.マーラー 交響曲第5番  ズデニェク・ティルシャル(ソロホルン) ミロスラフ・ケイマル(ソロトランペット)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1993.3.16−20録音   <PCCLー00205>
<圧倒的なマラ5>★★★★★★
出だしのケイマル氏のトランペットのソロからして全く持って圧倒的な演奏。この5番を聞いてチェコフィルの金管セクションの優秀性を疑う人間は、いないだろう。そして、極めつけは3楽章のティルシャル氏のソロ。はっきりいって完璧である。何一つ不満が無い。金管の素晴らしさだけを強調しているが、実は木管も強烈なエスプレッシーボで答えている。これほどまでにマラ5を歌い上げた演奏が過去存在しただろうか?4楽章は、常に言われてきたが弦の美しさ!!そして、フィナーレは圧倒的なパワーと歌に満ち、強烈に締めくくるのだ。このような表現を可能にした、ノイマン氏の指揮も素晴らしい。理想的なマラ5と言って差し支えないのでは無いのか。しかし、後で知ったことだが、このときのケイマル氏は自分の演奏に満足が行かなかったらしい。最近、コバケン指揮でマラ5を録音したが、この演奏で満足していないケイマル氏はどのような演奏を、繰り広げているのか興味津々(コバケンとの録音は下記に、コメントがあります。)である。と言って、いきなり星6個進呈してしまった。
G.マーラー 交響曲第5番 ズデニェク・ティルシャル(ソロホルン)  ミロスラフ・ケイマル(ソロトランペット)
小林研一郎指揮  1999.3.11−13録音  <PCCL−00466>
<ケイマルの決定盤>★★★★
前回のノイマンとの録音に満足がいかなかった(とはいえ、上記の通り、非常に素晴らしい演奏なんですけど・・)、ケイマル氏がどのような演奏をするか、非常に興味と期待があった。この演奏ではその期待をはるかに上回る出来と言える。1楽章の出だしのソロからして、その輝きが違う。テンポが速くなる、練習番号7からの圧倒的なソロ!!本当に凄い!!しかし、今までラッパとホルンばかり褒めちぎって(^^;)きたが、トロンボーンも凄い!!例えば、17番からの1stと2ndの掛け合いの、統一された音色。まるで1人で吹いているようだ。
 続く、2楽章は、この楽章の叙情性が非常に良く表現されている。パワーで押し切られる事が多いこの楽章の、美しい側面にも目を配る。非常にコバケンらしい。(所々で、ホルンの音が、ひっくり返りそうになるのが、惜しい!←誰だろう??ティルシャルってことはないよね?)
 そして、3楽章。やはりノイマン盤同様、ティルシャルのソロが聞き物だ。完璧で美しいが、どちらかというと、僕としては、前回の録音の方が好きではある。コバケンが、ちょっと細かく振りすぎて??音楽がギクシャクしているところもある。ノイマン盤の、歌に満ち、自由な方が好きだなあ・・  まあ、好みの問題ではあります。
 4楽章も、天国のような美しさ!!テンションの高さは、コバケンならでは。そして、5楽章への絶妙な入り!!は、涙もの。最初から、飛ばさず徐々に盛り上げるのが憎いね。その分、音楽の美しさを、存分に味わえる。そして、貯めておいたわパーを、フィナーレのコラールで一気に爆発させる。圧倒的だ。全体として、ケイマル&ティルシャル両氏の演奏には大満足だが、コバケンは時折、例によって唸り声を上げる熱演にもかかわらず、ノイマン盤には、一歩及ばなかった。
G.マーラー 交響曲第5番
トランペット・ソロ:ヤロスラフ・ハリーシュ
ホルン・ソロ:オンジェイ・ブラベッツ
ズデニェク・マーツァル指揮 2003.10.9-10録音 <OVCL-00154>
<常任指揮者就任記念演奏会ライブ録音>★★★★★ NEW
 トランペットはケイマルでもなく、ホルンはティルシャルでもない、チェコ・フィルのマラ5である。我々チェコ・フィル・ファンに取って、この様な時代が来る事を誰が予想したのだろうか・・・・とは言えそれも時代の流れなのだ。そして指揮者も新常任指揮者のマーツァルだ。
 などと言いつつ、これが実に素晴らしい演奏なのだ。冒頭のハリーシュのソロも、それまでのケイマル(この録音でも3番ラッパを強烈に吹きまくってますが・・)のような濃厚なビブラートではなく、スタイリッシュに決めてくる。かといってボヘミア風マーラーを継承してのスタイルである。マーツァルの解釈はそれまでの伝統に乗っ取ったボヘミアン・マーラーである。バーンスタインと親交のあったマーツァルであるが、マーラーの解釈に関して言えば、影響を受けてはいないだろう??自身が最も尊敬するマーラー指揮者としてカレル・シェイナを挙げているのだから。(残念ながら我々はシェイナのマーラーは4番以外聞くことが出来ない)そんなマーツァルはあくまでも歌う事に重点を置き、更には失われつつあった強固なアンサンブルを聞かせる。アルブレヒト時代の野放図さ、アシュケナージの感性のみの音楽とは違う、過去のものとなりつつあったあの鉄のアンサンブルを取り戻しつつあると言っても過言ではない。最もこの録音だけで判断するのは、危険であるが・・・・
 とは言え曖昧さを廃し、強引といえるまでオーケストラを絞り上げる強さを持っている。2楽章冒頭の緊張感とウネリは凄まじいし、、中間部の優しい歌はノイマン時代を思い出させてくれるに十分だ。ただ一つ指摘すべきはホルンがやや強すぎる事だ。もう少し歌があっても良いと思う。3楽章でブラベッツはその上手さを存分に聞かせてくれるが、少し攻撃的過ぎると思うのは私だけか?
 4楽章でも歌と薫り立つ音楽は見事だ。チェコ・フィルの弦楽器の美しさは失われていないと実感させられる。この様な芳醇な弦楽器の響きは、他のオーケストラでは決して聞かれるのもではないと思う。そして5楽章では輝かしい未来へ突き進むべく、推進力を聞かせてくれる。フィナーレでもオーケストラは決して騒ぎ立てることなく、あくまでも自然な響きでありながら、ブリリアントに聞かせる。
 20代の若きオーケストラのソリストとプラハに帰ってきた巨匠とのコンビに期待させる素晴らしい演奏だ。
G.マーラー 交響曲第6番「悲劇的」
ヴァーツラフ・ノイマン指揮  1979年録音 <SU 11 1977-2 011>

(注)下がCDジャケです。


<工事中>まだまだですな。やはり新録音が良過ぎです。
G.マーラー 交響曲第6番「悲劇的」
ズデニェク・ティルシャル(ホルン・ソロ)  ミロスラフ・ケイマル(トランペット・ソロ)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1995.1.23−26録音  <PCCL−00304>2枚組み
<マラ6の決定盤!!>★★★★★★★★★★
あえて断言する。このマラ6はあらゆるマラ6の中の頂点であることを!!この録音がノイマンの死後に発売された感傷からではない。本当に素晴らしい。出だしのチェロ&バスの刻みからしてテンションが違う。チェコフィルが一丸となり、マーラーの世界を表現しようと懸命になっている。金管セククションは、いつもに増して美しく、そして悲痛に響く!!無意味な部分は全く無い!!ケイマル氏の輝かしいソロ!!(Hi−Hが実に気持ち良く決まる)また、アルマのテーマの美しいこと!!そして、無理の無いテンポでコーダに突入するが、興奮を呼ぶ。
 2楽章。やや早めのテンポで始まるが、力ずくではない。美しく、美感を損なうことなくマーラーの悲劇を描いていく。ノイマン&チェコフィルでしか成し得ない表現方法だ。
 3楽章。最初の弦楽器から泣かしてくれる。そして、ティルシャル氏の感動的なソロ!!かつてこの3楽章が、これ程までに美しく、感動的に演奏されたことがあるだろうか!!もう凄すぎて、言葉が思い浮かばない。ああ、こんな演奏を実演で聞いたら、本当に泣いてしまいそう・・・ってCDで聞いても泣けます。
 4楽章。出だしの最後の審判のようなファンファーレからして凄い。1音1音、思いがこもっている。強烈な金管の響きも、決して暴力的に響くところは無い。また美しいところは、十分に歌う。この歌に満ちた4楽章を聞いていると、改めて、マーラーがボヘミア出身であることを思い出させてくれる。そう、チェコフィルは自分たちの音楽であるマーラーを、心から愛し演奏しているのだ。この演奏の素晴らしさは、言葉で表現できない。
 無個性で中庸の指揮者みたいな言われ方をしてきたノイマンが、世の中に強烈な足跡を残してくれた。力ずくでなく、美感を損ねることなく、歌いぬく。その結果がこのマラ6。じつに偉大な業績ではないか。確かに、実演で聞いたゲルギエフ&キーロフのパワフルなマラ6も素晴らしかった。強烈なテンションの、バーンスタインやテンシュテットも素晴らしい。しかし、このマラ6は、それらに匹敵する、いやそれ以上の演奏だ。騙されたと思って、ぜひ一度聞いてもらいたい。本当に感動的なマラ6である。(それにしても10個はどうかと思うけど・・・・) 
G.マーラー 交響曲第6番「悲劇的」
ウラディミール・アシュケナージ指揮
2001年2月8&9日録音
<OVCL-00051>
<すげえ!!!やれば出来るでないかい>
G.マーラー 交響曲第7番「夜の歌」
「最後の7つの歌曲」より
 「起床合図」「僕の歌をのぞきこまないで」「私はこの世に忘れられ」「真夜中に」
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 バス:カレル・ベルマン 1977〜78年録音 <SU 11 1978−2 912>
<ノイマンさんの確信と愛情に満ちた名演>★★★★★★
 マーラー自身の指揮によりチェコフィルが初演したマーラー7番を、ノイマンとチェコフィルが最大の愛情と音楽的確信を持って演奏された名演と言えよう。
 冒頭から物凄い緊張感と迫力だ。テナーチューバの重たい響きがそれを助長するかのごとく。そしてケイマルさん率いる金管部隊は何時ものように豪快に炸裂する。特に1楽章後半戦は高揚感もあり非常に素晴らしい。だがそれだけではない。静かな部分での、ノイマンさんの思い込めた歌い込みが素晴らしい。むしろこの美しさこそ、この演奏の最大の魅力と言える。
 この魅力が緩序楽章で最大に発揮される。2楽章冒頭のティルシャルさんの美しいソロに始まり、このボヘミアを思わせる音楽が実に魅力的に聞こえるのだ。私にはこの演奏ほどにボヘミアを感じる演奏は無い。ユダヤ人のマーラーのどこか不安な心境をマーラーが生まれ育ったボヘミアの風景を音にすることで、その気持ちを表現しようとしたのかもしれない。このノイマンさんの演奏を聞くとそう感じられてならないのだ。3楽章における陰鬱な雰囲気もそうだ。
 だが4楽章こそもっともボヘミアだと思う。ノイマンさんはややゆっくりしたテンポでその雰囲気を醸し出す。こののんびりとした気分は堪らない。そして牧歌的なホルンも素敵だ。こうして聞くとマンドリン、ギターも違和感が無い。
 そして豪快な5楽章へとなだれ込む。ノイマンさんはこの一見能天気な音楽を実に格調高く演奏する。4楽章まで鬱積していた思いを払拭したい!!と言うマーラーの心の叫びが聞こえるかのごとく。ノイマン&チェコフィルのマーラーに対する深い愛情と確信が無ければ、こうは行かないと思うのだ。マーラー7番が実に感動的に聞こえるのだ。それにしてもレベルの高いブラスセクションだ。冒頭のファンファーレからしてその威力を存分に見せ付けてくれる。Hi−Cの3連発も気持ち良く決まるし、このゴージャスな響きは本当に素晴らしい。
 ノイマンさんの亡くなる95年、7番のレコーディングセッションを組んでいたが、ケイマルさんが体調を崩して入院していた為、ノイマンさんが「ケイマルさんがいないなら録音はしない」と言って、帰ってしまった。実に惜しいが、その7番の録音中止決定の後、急遽、ラスト録音となる9番のセッションの予定を組んだと言う。
 「最後の7つの歌曲」より★★
 ベルマンは、1919年生まれのチェコのオペラ歌手でテレジンからの生還者だ。発音に癖が無く聞きやすいが、決して上手とは言えないなぁ・・・・・と言うことでまあマラ7のおまけっちゅう感じです。でもノイマンの伴奏は素敵ですよ。
G.マーラー 交響曲第7番「夜の歌」
ミロスラフ・ケイマル(トランペット・ソロ) トーマシ・セツキー(ホルン・ソロ)
小林研一郎指揮 1998.9.19,21録音 <PCCL−00491>
<初演90周年記念録音>★★★★★
 ノイマンの録音以来実に約20ぶりの再録音。しかもマーラー自身の指揮でチェコフィルが初演して90周年記念演奏会と平行して録音された。その指揮をするのがコバケン。実に気合が入っている。1楽章冒頭から高い緊張感。テナーチューバの不気味ながら美しいソロから圧倒される。そして絡むケイマルさんのラッパの強烈な事!!コバケンさんもかなり気合が入っていて、例によって唸り声を上げている。そしてコーダに向けては感動的だ。
 2楽章は、セツキーさんの美しいホルン・ソロに始まる。はっきり言って木管楽器のソロは例えようの無いくらい美しい。マリマーネクさんのチューバソロも素晴らしい。ゆったりとしたテンポで確実に歩みを進める。ちょっと野暮ったい気もするけど、この野暮ったさこそ(旋律も自体も野暮ったいが・・・)がこの曲のボヘミアらしさを表している様に感じる。ホルンとカウベルの絡みは、マーラー自身の幼き日の裏庭の光景なのかもしれない。
 3&4楽章も同様だ。どことなくボヘミアの雰囲気を醸し出しつつも、どこか腑に落ちないマーラーの気分その物だ。マリマーネクさんのチューバソロ&セツキーさんのソロは実に素晴らしい。特に4楽章の夢のような美しさは特筆すべきだ。
 5楽章は、マザチェックさんの強烈なティンパニー(音程が良い!!)に始まり、ケイマル将軍率いる金管部隊が火を吹く。ケイマルさんがHi−Cに上がる時にちゃんとスラーが聞こえるのは凄い。そしてHi−C3連発も豪快に決まる。ちなみに3rdラッパはハリーシュ。それに連れられてオケ全体が俄然熱くなる。しかし空虚な馬鹿騒ぎになることも無い。どこを取っても音楽的に響くのが流石と言うしかない。そして圧倒的なパワーでフィナーレを締めくくる。音楽は明るくも実は裏で泣いているようなマーラーの悲痛な叫びを代弁するかのような、見事な演奏だ。
 しかしこのチェコフィルの美しく充実した響きを聴いて欲しい。弦楽器、管楽器の絶妙なバランス。コバケンさんの強い個性を聞くには少々不足があるかもしれない。しかしこの充実感は近年稀である。また複雑なマラ7のスコアをここまでやるか!!と言うほどきちんと鳴らしている事も注目に値する。
G.マーラー 交響曲第7番「夜の歌」
ソロ・トランペット:ヤロスラフ・ハリーシュ ソロ・ホルン:トーマシ・セツキー
ウラディミール・アシュケナージ指揮 2000.4.27&28録音 <OVCL−00039>
<ハリーシュ&セツキー様様の演奏>★★★★
 アシュケナージのマーラー録音第一弾。それがチェコフィルが初演している7番。アシュケナージはチェコフィルの指揮台に立つ以前は、ほとんどマーラーを演奏していないが、チェコフィルという楽器を得て、マーラーに挑戦し思いの他良い結果を生んでいる。
 1楽章では割りと早めのテンポを取り快調に進める。テナーチューバソロが豪快に鳴り響き、続く若き首席のハリーシュの素晴らしいソロ。どんよりした「夜」というよりかは、割りとすっきりしているが、この曲の美しさを存分に引き出す事に成功している。1楽章後半での盛上りも実に素晴らしい。2楽章では、まず何と言っても冒頭のセツキーさんの朗々と歌う美しいソロだ。ホルンを含めて、木管の美しさとセンスの良さが光る。このセンスの良さが全体を支え、実に魅力的な2楽章を聞かせてくれるのだ。
 3楽章の、不気味な雰囲気もなかなかだ。2つの「夜」の狭間、マーラーが求めた一時の安息の時間。そんな気にもさせてくれる。それとも本来の安息「夜」の狭間、すなわち「昼間」の喧騒なのか???4楽章も、2楽章同様な美しさだ。コトメルさんのバイオリンソロに続く、セツキーさんの美しい詩。実に素晴らしい。
 5楽章は、まず冒頭のマリマーネクの素晴らしいティンパニーに始まり、輝かしいブラスのファンファーレが堪能できる。4楽章までのウサを晴らすかのような豪快さ。これこそチェコフィルの金管だ。どこか能天気ではあるが、深刻ぶらないのもアシュケナージらしいと思う。そしてフィナーレの高揚感と更なる輝かしい金管で締めくくる。思うにこの充実したサウンドこそが新時代のチェコフィルのサウンドである。そして優秀な録音で今の!!チェコフィルのサウンドが聞けるのも実に嬉しい限りだ。
G.マーラー 交響曲第8番「千人の交響曲」
ソプラノ:Gabriela Benackova、Inga Nielsen、Daniela Sounova
コントラ・アルト:Vera Soukupava、Libuse Marova
テナー:Thomas Moser バリトン:Wolfgang Schone バス:Richard Novak
キューン少年少女合唱団、プラハ放送合唱団、チェコフィルハーモニー合唱団
ヴァーツラフ・ノイマン指揮  1982.2.10〜14録音 <SU 11 1972-2 033>
<ノイマン唯一のマラ8>★★★★★
 冒頭から少々おそめのテンポで始まるが、実に輝かしい。プラハの素晴らしい合唱。7人のソリストも粒が揃っている。そして何時ものごとく輝かしいブラスセクション。ケイマルさんが豪快にHi-Esを決めてくれる。この音の洪水には何時聞いても興奮ものだ。この豪華さばかり目立つ曲であるが、室内楽的な部分も多く、そう言った箇所でも手抜きなど全く無く緊張感を保っている。まぁ何がともあれ、豪華絢爛な第1部。特に後半10分は凄まじいものがる。曲が曲だけに演奏も肥大してしまうが、ノイマンは締める所は締める。そしてバンダも入り豪快に第1部締めくくる。
 ノイマンの実力は第2部で発揮される。下手をすると只ダラダラと演奏されるだけなのだが、決してそんな事は無い。マーラーの書いた美しい音楽を存分に堪能できる。マーラーの交響曲のなかでボヘミアンカラーに乏しい曲なので、少々乗り切れていないのか?と思う箇所もあるけど・・・・でも緊張感は途切れないし、飽きさせる事も無いのが流石である。8人目のソリストも地味ながら確実に存在感がある。オケも、随所にある木管や金管のソロも実に見事だ。特にホルン、トランペットのちょっとしたソロが泣かせてくれる。
 そして最後10分の賛歌の感動的な事。実演で聞いてもここに来ると泣けてくるのだけど。合唱の壮大なコラール、そしてバンダのラッパ、トロンボーンの天上からの響き。実に感動的である。
 素朴な疑問。あの狭いドヴォジャークホールにどうやってこれだけの人数を押し込んだのだろうか??演奏風景と思われる裏ジャケでは子供達が客席にいるし・・・ちなみに若きフデッツ氏とホスト氏の姿も見える。
G.マーラー 交響曲第9番 1966年録音 ★★★★(4楽章のみ★★★★★
        交響曲第1番「巨人」 1964年録音 ★★★★★
カレル・アンチェル指揮  <COCOー80028〜9>
<アンチェルのマラ9>
このマーラーは、現在のオケを聞きなれた人には、へたくそに聞こえるだろう(そう言う点では、バルビローリと同じ)。しかし、死の淵で作曲したマーラーの世界を懸命に表現しようという、強烈なエネルギーを感じる。「テレジン収容所」ーまさに死の淵から逃げ出してきたアンチェルの強い思いもあるのだろう。チェコフィルは懸命に演奏している。オケのレベルもこの時代のマーラー演奏としては非常にレベルが高い。特に1楽章の381小節からのフルートと絡む長大なホルンのソロ(シュテフェックだろう)の素晴らしいこと。続くホルンのコラールも非常に美しい。
 続く、2楽章。速めのテンポながら、弦楽器は緻密なアンサンブルを聞かせてくれる。また、グロテスクな気分に不足は無い。また、随所に出てくる木管のソロも、歌に満ちている。当然、ホルンも美しい。
 この曲最大の難関、3楽章。これまでよりは、ゆったりとしたテンポであるがだれることは無い。(しかし、さすがのチェコフィルもアンサンブルが怪しいところが多いが、まあ仕方ない。)テンポが遅くなる347小節からのは、歌に満ち非常に美しい。ラッパのソロも上手だ。最後のプレストも、怪しいながら懸命だ。
 しかし、最大のの聞き物は4楽章である。良く歌い、そして非常に美しい!!これぞチェコフィル!!この4楽章を聞くだけでも価値がある。もはやこれ以上なにも言うことは無い。
<これぞボヘミアのマーラー>
続いてマラ1。9番ほど難曲ではないので、チェコフィルは非常にのびのびと演奏している。しかし、本当に良く歌うオケだ。何処をどう聞いていても楽しい。マーラーが幼き日を過ごしたボヘミアの風景が目に浮かぶ。
1楽章の金管は迫力あるし、2楽章の楽しさは抜群。3楽章の懐かしい気分も最高!!4楽章はパワー全開。そして、フィナーレの高揚感!!本当に聞いていて楽しい。改めて言う必要も無いが、ホルンの素晴らしいこと!!こんな楽しいマラ1も珍しい!!改めて1960年代のアンチェル&チェコフィルの素晴らしさを実感させられた。
 しかし、考えてみればこの1960年代、マーラーは、バーンスタイン、ワルター、クレンペラー、ホーレンシュタインなど限られた指揮者しか演奏していなかった。彼らは「マーラーを復興した」と賞賛されてきた。確かにアンチェルはマーラー指揮者ではない。彼らと同等に扱うのは疑問があるかもしれない。しかし、このアンチェルの素晴らしいマーラーは、もっと注目されて良い演奏だ。
G.マーラー 交響曲第9番
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1982年録音 <SU 11 1980-2 031>
<工事中>
G.マーラー 交響曲第9番
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 1995.8.21−28録音 <PCCL−00305>
<ノイマンの「白鳥の歌」>★★★★★★★
 この録音はノイマンの「白鳥の歌」である。録音後、5日後の9月2日にウィーンで亡くなっているのでまさに、最後の演奏。それがよりによってマラ9。この演奏ははっきり言って、凄いの一言に尽きる!!ノイマンが生涯に渡って愛しつづけたマーラーの結論なのだ。1楽章からその思い入れは凄い!!最初の2ndバイオリンの旋律から、天国のような美しさ!!この壮絶な1楽章も決して、暴力的に響くことは無い。音楽そのものの美しさを十分に活かしながら、マーラーの「死の淵」を表現している。また、大活躍するラッパとホルンの、素晴らしい事!!特ケイマルとティルシャルは驚異的な素晴らしさ!!彼らの素晴らしい演奏は、マラ6と並んで最高だ!!408小節からのホルンコラールは、物凄く美しく泣けてくる・・・なんて美しい演奏なんだ!!
 2楽章のレントラーも、グロテスクな気分に不足は無い。それでいてどこか物悲しさもある。ここではホルン、木管も素晴らしいが、特に弦楽器のアンサンブルが聞き物。一糸乱れぬとは正にこのことである。続く3楽章も、決して暴力的な音楽ではない。もっと迫力が欲しいという人もいるかもしれない。しかし、ここまでの音楽の流れを考えを理解していれば文句は無い。むしろパワーだけで押し切る演奏に、不満を持つようになるかもしれない。しかし、どこを取っても全てが美しく音楽的。これこそノイマン&チェコフィルが作り出した、究極の形。極めつけは、テンポが遅くなる347小節からのラッパのソロ美しさと、歌に満ちた弦楽器の美しさ。ビオラのソロも格別の美しさ・・・・ああ、素晴らしい・・・・そして最後のプレストからも懸命ながら音楽的だ。
 極めつけは4楽章。ノイマン自身が「これ以上の4楽章は無い」と言ったらしい。事実、非常に美しく素晴らしい!!これ以上の4楽章は無い。チェコフィルの弦楽器が、美しく壮絶にマーラーの「死の世界」を描く。また、112小節以降の金管の響きは、言葉にならない程、壮絶に響く。僕はこの4楽章を初めて聞いたとき、あまりの素晴らしさに氷ついてしまった・・・この素晴らしさは言葉で表現できない。実演で聞いたら、本当に泣いてしまいそう・・
 マラ9と言うと、バーンスタイン&BPOの演奏ばかりに目が行く。事実、素晴らしい演奏だが、あまりにも傷が多い(縦の線は存在しないし、トロンボーンが丸ごと落ちたり・・・)。このノイマンの演奏は、マーラーの美しさ(マラ9はどうも、悲劇にばかり目が行く・・)を存分に味わえる、本当に素晴らしい演奏だ。
G.マーラー 交響曲第9番
ウラディミール・アシュケナージ指揮
2002年3月14&15日録音(ライブ&セッション)
<OVCL−00077>
<渾身のアシュケナージ&チェコフィルのマーラー交響曲第9番>★★★★★
 何を隠そう、管理人がライナーノートを執筆しております。さらに2002年3月にプラハで、リハーサル、ゲネプロ、本番と聞いているという。。。。実に評価を書くのに困る演奏なんですけどね。
 チェコフィルのマーラー録音としては1999年のコバケン指揮マーラー5番以来のズデニェク・ティルシャルの参加。そしてノイマン以来7年ぶりの9番の演奏。気合入ってます。今のチェコフィルの持てる力を最大限出し切った演奏として私は高く評価したい。皆さん聞いてみてくださいとしかいえませんね。
G.マーラー 交響曲「大地の歌」
ヴァーツラフ・ノイマン指揮 クリスタ・ルートヴィッヒ(メゾ・ソプラノ) トーマス・モーザー(テナー)
1983.4.7録音 <PR 254 052> その他 シューマンの歌曲を収録
<工事中>ノイマン唯一の「大地の歌」


CDリストのページへ

トップページへ