―――§5 コンパルソリーダンスの種類 ―――――


選手権クラスで使われるISUの規定課題はずっと以前は18種類でしたが、1995年に新しい課題が追加されて全部で22種類になりました。(後から追加された4課題、チャチャ、サンバ、オーストリアンW、ゴールデンWをニューダンスと呼んでいた。)
その後、2002/3シーズンにミッドナイトブルースが採用され、さらに2008にFinnstep、Rhumba D'Amourが追加されて、2008年のISUルールでは全部で25課題。(下の課題番号は、2009.5.26に修正)

数年は#18 Rhumba D'Amourが記載されていたのですが、2010年版では削除され、ISU課題は24になりました。よって、Rhumba D'Amourは正式なパターン表も公表されないまま、幻の課題に終わりました。
 →その後、新しいパターンと合わせて復活の動きあり。(2019-20のシーズンに向けて準備中)
ISU Comm No.2019 より
・ルンバ・ダムール:1994ヨーロッパ選手権でのトービル/ディーン組OD
・マーチ      : 2015シーズンのギルス/ポワリエ組のパーシャルステップ
・フォックストロット:2015シーズンのカリシュク/スポディレフ組のパーシャルステップ

なお、課題全てが国際大会で使われるのではなく、シニア・ジュニアでそれぞれ選択可能な課題は決められています。(対象の欄に、Jr./Sr.で記載)また、ジュニア指定の課題の中でも易しい課題(フォーティーン、フォックストロット、ヨーロピアン、アメリカン)はノービスで使われるだけで実際にJrの試合に使われることはなくなっています。
なお、セットパターンとオプショナルの別をそれぞれset./opt.と種別の欄に記載しました。ダッチワルツからテンフォックスまでのISU外の6課題は全てset.です。

●ISU課題一覧

対象種別番号課題名
Jr.set.#1フォーティーンステップ
Jr.opt.#2フォックストロット
Jr.set.#3ロッカーフォックストロット
Jr.opt→set#4ヨーロピアンワルツ
Jr.opt→set#5アメリカンワルツ
J/Sopt.#6ウエストミンスターワルツ
J/Sopt.#7ヴィニーズワルツ
Jr.opt.#8オーストリアンワルツ(2002/3シーズンよりSr.課題にも追加)
J/Sset.#9スターライトワルツ
Sr.opt.#10ラベンスバーガーワルツ
Sr.opt.#11ゴールデンワルツ
J/Sopt.#12キリアン
Sr.opt.#13ヤンキーポルカ
J/Sset.#14クイックステップ
Sr.opt?#15Finnstep:2008-9シーズンより正式採用
J/Sopt.#16パソドブレ
Sr.opt.#17ルンバ
Sr.opt?#xxRhumba D'Amour:2008-9シーズンより正式採用?→2010に削除。
Jr.opt.#18チャチャコンゲラード
Sr.opt.#19シルバーサンバ
Jr.opt.#20タンゴ
J/Sset.#21アルゼンチンタンゴ
Sr.opt.#22タンゴロマンティカ
J/Sopt.#23ブルース(2002-3シーズンよりJr.のみ)
Sr.set.#24ミッドナイトブルース:2002-3シーズンより正式採用

これらのステップ表やダイヤグラムは、英語ですが「http://www.ice-dance.com/reference」で見る事が出来ます。日本語で書かれた物は、日ス連でISUのダンス特別規定を翻訳した物がコーチなどを通して入手することが出来ます。

一方、テストの級ごとにも初歩の段階からテスト課題のパターンが規定されていて、日本での場合、下から順番に挙げるとこのようになっています。

●日本のバッジテストでのコンパルソリー課題一覧

ダンスの級テスト課題
第1プレリミナリ ダッチワルツ
キャナスタタンゴ
第2プレリミナリスイングダンス
フィエスタタンゴ
プレブロンズウィローワルツ
テンフォックス
ブロンズフォーティーンステップ
ヨーロピアンワルツ
プレシルバーフォックストロット
アメリカンワルツ
タンゴ
シルバーサンバ
シルバーロッカーフォックストロット
スターライトワルツ
キリアン
パソドブレ
チャチャコンゲラード
プレゴールドヴィニーズワルツ
オーストリアンワルツ
クイックステップ
アルゼンチンタンゴ
ブルース
ゴールドウェストミンスターワルツ
ラベンスバーガーワルツ
ゴールデンワルツ
ヤンキーポルカ
ルンバ
タンゴロマンティカ
ミッドナイトブルース(2008-9シーズンより追加)
FINステップ(2009-10シーズンより追加)

ブロンズ以降は、ISU課題と同じですね。

シングルと同様に、ダンスでも選手権大会に出るのに必要な取得級は決まっていて、シニアではプレゴールド以上、ジュニアではプレシルバー以上、ノービスはプレブロンズ以上です。シングルの3級がブロンズ、6級がシルバーに相当する感じです。ゴールドの級は取らなくても大会出場権には関係ないという点で、シングルの8級とよく似ています。
シングルと違うのは、「パートナーのどちらかがその資格を持っていれば良い」と言う点で、片方が資格を持っていれば極端な話、日本のバッジテストを受けていなくても出られることになります。

(注):いつから運用され始めたのかは知りませんが、2016年には国内の公式戦に参加するための必要条件として、「判定テスト(選手権大会出場資格検定テスト)」が実施されています。
これは、初めて参加するカップルが公式戦に出場するのに必要なレベルに達しているかを正式なジャッジに見てもらうもので、バッジテスト的な形式で行われます。これに合格すれば、連盟登録や必要なバッジテストの資格を持っていなくてもジュニア、シニアの公式戦(東西予選から)に2年間は出場することが出来ます。
この制度は、新規カップルが参入しやすくする為の配慮と思われます。沢山のコンパルソリー課題を全部合格するには結構時間が必要なので、「出よう!」と決まってから級を取るのでは間に合わないのです。


なお、第1プレリミナリまではクラブに登録しなくても受けられますが、ブロンズ以上ではクラブに入って選手登録をしないと受験資格がありません。(2008/07改定後はプレブロンズ以上)
シングルで3級以上を取得していると最初の6課題は免除され、ブロンズ級からテストを受けることも出来ますが、基礎から学ぶ意味では最初のプレリミナリから受けるのが望ましいでしょう。なお、ブロンズまでは2課題まとめて全体で合否判定、プレシルバー以降は1課題毎に合否されるので一つずつでも受験可能です。(全課題を合格して初めてそのクラスのCD課題が完了)

バッジテストとしては、プレシルバーまではコンパルソリーのみ*ですが、シルバーからはフリーダンス(シルバーフリーと言って、シニアの選手権規定よりも要素が少なく、時間も30秒短い)も必要となり、プレゴールドからは国際大会と同じようにオリジナルダンスとフリーダンスの両方(こちらはその年度の正式なISU規定に従う)もテスト課題に加わります。

コンパルソリー課題はプロの先生と受けられますが、フリーやSDはプロがパートナーを務めることは出来ない。また、プレブロンズまでは同性で組んでも良いが、ブロンズ以上は男女で組まなければならない。(マスターコースではシルバー課題までは同性でも可。)

*:2008年よりプレシルバーにエレメンツテストが追加された。
  (内容は、ダンススピン3回転以上、2つのショートリフト、1回転以上のツイズルのシリーズ。)

ところで、2002年12月よりブロンズ以降のテストで「選手コース」と「マスターコース」が選択できるようになりました。(2008/07改定後はプレブロンズ以上)
新設されたマスターコースでは、プレゴールドを取得しても正式な選手権大会の出場資格は得られませんが、フリー課題やエレメンツテストは免除され、選手並みのスピードは要求されないので体力的に厳しい高齢者でもより高い課題に挑戦する事が出来ます。
(但し、リズム、パターン、ポジション、姿勢の「年齢に応じた習熟度」を見られるので、ポジションのエラーなど厳しく取られる場合もあり、単に甘くなるわけではない)

その後(多分SDが導入された2010年辺りから)、選手コースではバッジテストの規定が変わり、パターンダンスの受験課題も変化しているようです。(例:シルバーではヴィニーズも含めた6課題の中から3課題だけパターンダンスは必要。プレゴールドではSDと課題のPD1つ+FD。ゴールド級はなくなり、従来と同じPD課題の「インターナショナルパターンダンス級」に名称が変更になった。)

日ス連はバッジテスト規定を公開していない(シングルのテスト規定はクラブ関係者がWEB上に公開しているが、日ス連からの正式な公表はない)ので、テスト内容はコーチやクラブ関係者に良く確認することが必要。


――― 【初級の6課題の詳細解説】 ―――――

(長文に付き、別ファイルに記載) →詳細解説に進む


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