

ガラスの犬表紙・本日のテクスト・ログ
1
ツァラの宝石 投稿者:泥棒 投稿日: 5月20日(日)04時50分07秒
ソファに寝そべる気ままな暮らしから解放されたむれ
想念の結晶と宝石の座をつなぐ新奇な弦の響き
あるいは白く限りない形成作業が生む砂
薄荷がおまえの魂を外套の下にくるんだのさ
それもいたずら半分
等方性(アイソトロピク)の光が櫟(イチイ)と楽しいお祭りの上に座る
ツァラ「引き離された心臓のシネマ暦」7
訳注にはまたまた、「ソファ」=絹雲 想念=オリオン座を眺める新鮮な
喜び 砂=雪 薄荷=聖母マリアの花 などとある。あああ、ええっちゅーーの!!!!!!!!
興ざめ。
解放されたむれ(雲?詩人?)は新奇な弦音(きっと掠れつつ艶やか)に捉えられて、
鼻腔をすーすーさせて、等方の光を放つ宝石を外套の下に隠す。この行為はまさに、
白く限りない形成作業が生む砂の拡散作用だ。お祭りだ。魂がこの作用に没頭してい
るかのように思えるのは、そう書いたのだからすでにいたずら半分なのに、お祭り
なのに、想念の結晶を見ているにすぎないのに、でもやはりこいつは薄荷の宝石だ。
行為はすべて想念の宝石であるべきだ。
おお 投稿者:泥棒 投稿日: 5月22日(火)01時11分52秒
ツァラははっきりと祝祭は想念の祭りだといっている。たとえその出来事
が稀有な社会的条件の産物であったとしても、祝祭といわれるのは、この
条件においてではないのだ。
2
冷たい霧 投稿者:crys 投稿日: 5月25日(金)23時20分28秒
冷たい霧の静脈注射が
わたしたちの視界を命の色に塗る天の目に
薄い血と 澱む疲れの濃縮液をそそいだ
今は時が脈打つ血管を 日ごと棺の行列の あるいは
時ならず多彩なページの踊りが機械じかけで運ばれていく
車輪は灰色の石ころになり 枝の繁みを失う
遠距離を超えてきた物体がばらばら
わたしは地下に潜む死神の支配期間を生きている
トリスタン・ツァラ「引き離された心臓のシネマ暦」 6

車輪=太陽 多彩なページ=秋の華麗な日没 遠距離・・物体=大流星群 だそうだ。
陰鬱な日々を見据えるその目の底に脈打つ血管がある。血管の中に冷たい霧が入り込む。
時を打つ血管 機械仕掛けの運行 陰鬱の霧がもっと濃くなっていく。
あらゆる物体が車輪の轟音とともにばらばらに壊れていく。
死神が俺の中にいる。
なんて憂鬱なんだ。「生と死」の境界はこういうものだろう。
表紙のツァラ 投稿者:crys 投稿日: 5月26日(土)23時40分17秒
開くたびに、ちらりと、あるいはじっと眺めていると、そのつど新しい
感覚が覚まされることにきづいた。
「時が脈打つ血管」か・・んだな、まさに一刻一刻、おれらは時に突き刺さ
れていく。血管はオブジェではない。見えない川のようなものだ。そこにお
れらは針先となって、あるいは針先を突きつけられて進んでいく。血管とい
う同一なるものの愛撫に浸る。だがこの愛撫はつねに更新され二度と同じく
は現れない時の仕業なのだ。消滅する愛撫。