大磯砂塩酸処理法

安価で粒の大きさを容易に選択でき、底面フィルターと組み合わせれば濾材にもなる
大磯砂(フィリピン砂)
長年使い込んだ大磯砂に至っては、魔法の砂と謳える程に観賞魚飼育においては重宝されます。
しかし、そういった大磯砂も購入当初間もない時期から、砂が落ち着くまでの期間(pHが上がらない状況)においては
砂に含まれている貝殻のカケラの成分により、水質がアルカリ性に傾きやすくなる欠点があります。
(貝殻の成分が溶けきれば、水質も安定するのですが)

丈夫な魚を飼うのであれば、そういった新規の大磯砂でも濾過が効いている状況ならば、飼えない事は
ありません。しかし、こと・・水質にうるさい魚や、何らかの理由により弱っている魚に至っては、そのような
環境下では到底長生きは出来きない事が多いと思われます。
(寄生虫駆除薬も、水のpH値が高いと生体に与える負担も大きくなりますから・・)

そこで、貝殻を除去した大磯砂が求められる訳ですが・・
実際、そのような商品はあまりお目にかかる機会は少ない事でしょう。
大概は、ショップオリジナルの商品で通販で取り寄せる事になるでしょうしね。

身近で処理済大磯砂が手に入らない以上・・どうしたら良いのか??
じゃあ、自分で貝殻除去を行えば良いのです!!
幸いにもインターネットで調べれば、それら貝殻除去をする方法も載せているサイトもあります。
それらを参考に実践してみました。


先ず・・お金は一切掛からないが、時間を途方に費やすであろう・・
直接自分の目で見て、砂の中から貝殻を手作業で除去していく方法
・・・しかし、実際のところ・・やってられないです。
粒の大きな中目以降ならば、何とか出来そうな気もしますが、細目では到底無理です。
何しろ粒が小さすぎてよく分からない(T.T)


次に・・・安全性を考慮して、酢酸(食酢・木酢液など)を利用してみる方法
試しに・・・大磯砂(細目)15kgに、食酢(500mlのミツカン酢X8本)+(木酢液4L)を加えて
やってみました。
一晩経って・・早朝見てみると、大磯砂の中から気泡が出てきました!!
やった!!成功だ!!・・・と思ったのですが、どうにも大磯砂の量が多すぎるらしく、
この程度の酢酸の量では完全除去は無理なような気がしました。
(試しに1週間酢酸で処理したが、完全除去には至らなかった)
少ない砂の量ならば、この方法も良いとは思うのですが・・。
(ちなみに、処理中の液はすさまじく臭いので、密閉された風呂場や、人の迷惑にならない
屋外で行なってください)


結局、安全策とも言うべき・・二つの方法では有効な結果に至らなかった為、
最終手段ともいうべき、劇薬を使用する強酸処理を行なう事にしました。
その上で二つの選択肢がありました。硝酸処理と塩酸処理

硝酸処理・・・取り扱いが非常に危険で、しかも処理中に有毒ガスが発生するらしい。
塩酸処理・・・取り扱いは危険だが、硝酸処理よりは危険が少なくて済む。何より薬局で手に入れる事が可能!

・・・で、危険性の少なさから・・塩酸処理を選択しました。
以下に塩酸処理での作業手順を載せます。


※危険な作業になる為、お子様・体の不調を訴える方がた
及び・・作業への自信が無い方は真似をされないようお願いします。
(そういった方がたは、安全性が高い酢酸での処理をお勧めします)
もし、真似をされて怪我や死亡事故に至った場合においても、
当方は一切の責任を負いません。くれぐれも自己責任で処理されるよう・・
お願いします。
絶対に安易な気持ちで作業に望まれないよう願っています。


ステップ 1(準備)
先ず、使用する大磯砂と塩酸を集めます。

塩酸は薬局で、ハンコがあれば売ってもらえます。
(トイレ洗浄に使うくらいだから、高くはない)
ステップ 2(洗浄)
大磯を酸処理を施す前に、水道水で洗う。
この手順は通常の砂洗いと同じで結構です
ステップ 3(塩酸投入)
洗った大磯に塩酸を加えます。
塩酸から液が出る際に、蒸気状のガスを噴出します。
このガスを多量に吸うと肺水腫を起こして死亡する事もあるそうなので、ガスを吸わないように注意しましょう。
(換気の効かない室内での処理は危険です)

ステップ 4(塩酸処理)
塩酸を加えた直後から凄まじい勢いで大磯の中から、泡が出てきます。
これこそが塩酸で貝殻が溶けている現象の現れなのです。
後は、この状態のまま・・一晩寝かせます。
(できれば、蓋をしてください)
ステップ 5(処理完了)
一晩経った状態です。
透明だった溶液(水と塩酸を混ぜた液)が薄く茶色みを帯びているのが分かるでしょうか?
砂をひっくり返してみて・・
(注:砂利スコップ利用)
泡が出てこないようなら、処理は終わりです。
ステップ 6(洗浄その2)
塩酸処理が終わったので、大磯砂を洗いましょう。(と言っても、手でゴシゴシ洗う訳でもないが)
水道水を加えながら溶液を廃棄していってください。(塩酸の廃棄は、水道水で希釈すればOKらしい)

溶液が排出されても、暫くは水を垂れ流し(若しくは、バケツ内に水を貯めて、その中で砂を浸しておいてください)して、残留塩化水素を除去する事に努めてください。
(この処理を行なわないと・・pHが下がりやすくなる現象が暫く続く為)
ステップ 6.1(洗浄その3)
↑の処理を一日施した上で、大磯砂を釜の中に入れ、グツグツ煮ます。
(煮れればどんな鍋でも構わないです)

(どうしても鍋で煮れない事情がある方は、↑の処理で、水に浸しておく期間を多く取る事でも対処出来ます。(時々、水を換えながら・・))

一通り、処理が終わったら・・後はバケツ内に砂を移し、水を貯めて・・一晩寝かせ・・pHの変動値を調べます。
pH値が安定したら、処理は完全に終了です。安定せず、pH値が下がるようなら、水に暫く浸しておいて様子をみてください。