●高級感あふれる6代目カローラ

1987年5月にカローラは6代目へと進化を遂げた。 6代目カローラは、 『90年代に向けての新しい車格の創造――クラスを超えた世界のハイクオリティ車』 というテーマを掲げて開発されている。 バリエーションは、セダン・レビン・FXの3種類。 レビンの3ドアは廃止され、5ドアはカローラブランドとしては廃止されたが、 スプリンターには新たにシエロというサブネームが与えられて残された。 (ヨーロッパ仕様ではシエロがカローラリフトバックと名乗った) この6代目カローラの主査を務められた斎藤氏が定めた6代目カローラ開発時の重点方針は
・明確にセグメントした個性豊かなボディラインナップ。
・内外装の品質感の向上。
・ハイメカツインカムエンジンの新開発。
・基本性能の向上と高い感性品質の実現。
であった。 従来型はFFに駆動方式を変更する大義として合理性や経済性を追求する一方で、 華やかさや豊かさを表現しきれていなかった。 今回のフルモデルチェンジはそういったネガを徹底して克服し、カローラらしい豊かさを追求することを目指した。

デザインは全車共にワイド&ローをテーマとしてカラードバンパー、ドアミラー、各種モール類の採用により 高級感あふれる格調高デザインとなった。 ボディサイズも拡大され、全長、全幅ともに大きくなっている一方で全高は低められた。 多少室内が狭くなっても伸びやかなスタイリングを重視したからである。 セダンはファーストカーにふさわしい、クラスを超えた車格感及び品質感を追求した。 ボディサイズも拡大され、全長、全幅ともに10mm、20mm大きくなったが全高は 20mm下げられた。フロントマスクは高級感のある横型グリルに異型ライトを配し、低くワイドな印象である。 またドアミラー形状を最適化し空力に配慮した。サイドビューは虹をイメージしたとされる 伸びやかなライン構成によるキャビンが特徴で、突起を無くしてフラッシュサーフェス化に貢献している。 リアビューの上下二分割風のコンビランプは先代型をイメージさせるが、丸みを帯びてトランクリッド後端 が張り出しているのが特徴である。カローラセダンはFFになった合理性を主張するシャープなウエッジシェイプ が特徴的であったが、より多くの支持を得るためにまろやかで高級感のあるエクステリアデザインとなった。 特に6代目カローラに設定されたボディカラーは高級車に採用されて好評だったスーパーホワイト||(040)が新採用された。 これは、従来の白が灰色がかっていたのに対し、透明感、輝きのある色を目指して開発されたもので この白は大人気を博した。未だに街を走っている6代目カローラに白が多いのは、ただ日本人が白好きというだけでなく、 スーパーホワイト||がカローラの美しさを最も引き立てていると感じたからであろう。

インテアリアデザインも大きく変わった。メーターバイザーが大きくなり、 そのスペースにラジオが入る構造は先々代カローラを彷彿とさせるが、その造形は ゆるやかなアーチを描き圧迫感の無いデザインとなっている。 ラジオの位置を一番手が届きやすい位置に配置し、センターパネルには2DIN分の オーディオスペースがあり、アップグレードにも対応している。 また、上級グレードではラジオがある位置に電圧計や油圧計などの小型計器類が配置されるので 従来のスペースにしかオーディオを置けない。(使用性はスポイルされるが、非常にかっこよかった) 装備品も一層のグレードアップを果たした。 電動格納式ドアミラーやカップホルダーをはじめとする快適装備にも、より一層便利さに磨きがかかった。 またスイッチのタッチも研究してより良いものを目指したほか、樹脂の材質や色味を合わせることで 一体感を追求したのも大衆車クラスでは新しい試みである。 また、白いボディカラーの内装色には上級車をイメージさせるマルーンが採用された。 初代カローラの白でも内装色に赤が採用されたことを思い出させる配色である。 当時の高級車に多く採用された内装色であり、高級イメージを高めることに成功している。 この内装色は、好き嫌いがはっきりと分かれるが、 選択装備としてグレーの内装色をオプション設定してあるところがいかにもトヨタらしい。


FXは発売からわずか二年でのフルモデルチェンジである。ボディサイズもセダンに習い 全長の拡大は+25mmと2ボックス車らしく控えめだが、全幅+20mm大きくなり、全高が20mm 低められたことはセダンと共通である。エクステリアデザインはファミリーを意識して まろやかなイメージが共通であるがフロントマスクはFX専用である。 ヘッドランプ、グリルは一層スリムになり精悍さを醸し出している。 サイドビューは屋根が長くなり、居住性に配慮されている。 またリアは、先代のナイフで切り取ったようなシャープなものから一転し、 量感のあるダイナミックなものとなった。内装はセダンと共通のインパネである。

2ドアのみとなったレビンは駆動方式がFRからFFへと変更されたために、 全長、全幅が大きく拡大されてそれぞれ+45mm、+40mmとなったが全高は大きく下げられ 35mmほど低くなった。駆動系がコンパクトになったことで低床化が可能となり、室内高を犠牲にせずに 全高を低めることができた。 フロントマスクの特徴はフォグ一体型のヘッドランプが目を引く。この時期トヨタではクラウンを筆頭として フォグ一体型のヘッドランプがアイデンティティとして採り入れられており、カローラクラスのレビンにまで その流れを取り入れたことは、レビンにスポーツ性というよりスタイリッシュなスペシャルティクーペという 性格が求められつつあったということを示しているようだ。サイドビュー、リアビューもハイグレードを 意識したもので先代よりも丸みを帯びた。4代目カローラの2ドアハードトップ、従来型の2ドアクーペ よりもミニソアラ化が加速したようにも思われる。 レビンには専用の内装が与えられた。メーター類も専用のデザインが与えられている。 基本的にはセダンと共通のイメージを持つ豪華なインパネであるが、形状は異なっており メーターパネルも専用品が与えられている。また、室内高が低いためにラジオが専用の超薄型品が採用されている。

6代目カローラはエンジンが大きなアピールポイントであった。エンジンは2E型、5A-F型、5A-FE型、 4A-GE型とスーパーチャージャーを装着した4A-GZE型、ディーゼルの1C-||型が搭載されている。 特に新開発された1500の5A系エンジンはトヨタ自信のハイメカツインカムエンジンであった。 5A型エンジンの採用ででカローラのガソリンエンジン車は全てマルチバルブ化されることとなった。 新開発ハイメカツインカムエンジンによって高性能なイメージを与えることに成功し、 スタイリッシュなデザイン、豪華な室内と相まってカローラは当時の大衆車の壁を大きく破ったものとなった。 カローラの上級志向は当時の好景気の要求にマッチして大人気となり、停滞していたカローラブランドの復権に貢献した。

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