研究内容


研究テーマ

私の専門は、政治理論、現代政治理論、政治哲学、政治学原論等と分類される分野
に属するものです。
修士課程の時から一貫して、ポスト・モダニズムを含む現代政治思想と
従来の政治学との関係を論じてきています。

業績

単著
『政治の隘路 ―― 多元主義論の二〇世紀』
 (創文社、2001年。下記博士論文の修正・公表版。紹介は、こちらへ。)

共著
『世界政治叢書10 世界政治を読み解く』
 (押村高・中山俊宏編著、ミネルヴァ書房、2011年12月30日、
  第2章「どうなる、デモクラシー」(33-50頁)を執筆。)
『政治の発見4 つながる ―― 社会的紐帯と政治学』
 (宇野重規編著、風行社、2010年10月22日、
  第5章「代表制民主主義におけるつながりと切断」(155-186頁)を執筆。)
『はじめて学ぶ政治学 ―― 古典・名著への誘い』

 (岡崎晴輝・木村俊道編、ミネルヴァ書房、2008年3月25日、
  「戦争と平和」(ウォルツァー『正戦と非正戦』)(229-239頁)を執筆。)
『政治概念の歴史的展開 第二巻』
 (古賀敬太編著、晃洋書房、2007年10月30日、「政治」(1−25頁)の章を執筆。)
『現代政治理論』:出版社による紹介はこちら
 (川崎修・杉田敦編、有斐閣アルマ、2006年、
 第7章2「多文化主義」(179−191頁)と第10章「市民社会と新しいデモクラシー論」(243−260頁)を執筆。)
『政治概念の歴史的展開 第一巻』
 (古賀敬太編著、晃洋書房、2004年、「権力」(149−170頁)の章を執筆。)
『アクセス政治哲学』:出版社はこちら
 (押村高・添谷育志編、日本経済評論社、2003年、「多元性」(181−199頁)の章を執筆。)
『デモクラシーの政治学』:紹介はこちら
 (福田有広・谷口将紀編、東京大学出版会、2002年、「集団」(179−196頁)の章を執筆。)

共編著
『地域政治・行政とモラル ―― 市民参加を通じての日米の実践から』
 (鈴木隆史・早川誠編、成文堂、2010年1月20日、第1章「政治とモラル」(3頁-15頁)を執筆。)

共訳
R.A.ダール著『政治的平等とは何か』
(飯田文雄・辻康夫・早川誠訳、法政大学出版局、2009年5月29日、4章・5章の翻訳を担当。)

論文
「熟議デモクラシーとグローバル化の諸側面」
 (『思想 ―暴力・連帯・国際秩序―』1020号、2009年第4号、2009年4月5日、岩波書店、250−267頁に掲載。)
「語り残されている課題について―民主主義論の余白をめぐる一考察―」
 (『創文』516号、創文社、2009年1−2月、29−32頁に掲載。)
「結社と民主政治―アソシエーションから政治は生まれるのか―」

 (日本政治学会編『年報政治学2008T 国家と社会―統合と連帯の政治学』木鐸社、
  2008年6月10日、61−81頁に掲載。下記日本政治学会報告の加筆修正版。))
「覚醒する政治理論―9/11の余燼の中で―」
 (『創文』487号、創文社、2006年6月、6−9頁に掲載。)
「討議デモクラシーの源泉と射程―日米比較の視点から―」
 (『立正法学論集』第39巻第2号、平成18(2006)年3月20日、117−146頁に掲載。)
「分権時代における地方議会の役割―日米の議論の動向を背景に―」
 (『立正大学法制研究所研究年報』第11号、2006年3月、27−39頁に掲載。)
"Rationality and Science in Japanese Political Culture:
Masao Maruyama and his Studies on the Intellectual History of Japan”
:一部分をこちら
 ( 『立正法学論集(Rissho Law Review)』第37巻第2号、平成16(2004)年3月20日、220−234頁に掲載。)
「デモクラシーを論じること」:1部分をこちら
 (『創文』453号、創文社、2003年5月、7−11頁に掲載。)
「90年代日本政治改革への視角」
:1部分をこちら
 (『立正大学法制研究所研究年報』第7号、2002年3月、17−30頁に掲載。)
「代表制を補完する」
:要旨はこちら
 (『社会科学研究』第52巻第3号、東京大学社会科学研究所、2001年3月、59−83頁に掲載。)
「ポスト・モダンの政治の位相」:1部分をこちら
 (『創文』416号、創文社、1999年12月、1−4頁に掲載。)
「多元主義論と『政治』の位相」:要旨はこちら
 (1998年提出の博士論文。)
「ミシェル・フーコーと権力論」:要旨はこちら
 (1993年提出の修士論文。『国家学会雑誌』第107巻第11・12号、169−222頁に掲載。)

書評
「覇権的一国主義と人道的介入の分岐点――『国際法の立憲化』とは何か」
(ユルゲン・ハーバーマス著『引き裂かれた西洋』大貫敦子・木前利秋・鈴木直・三島憲一訳、書評)
 (『図書新聞』2935号、2009年9月26日、5面)
「話し上手の民主主義と聴き上手の民主主義――格差社会を脱するためにまず私たちに求められるもの」
(齋藤純一著『政治と複数性――民主的な公共性にむけて』書評)
 (『図書新聞』2903号、2009年1月31日)
「幸福な政治の曖昧な帰結――M・ウォルツァー『正しい戦争と不正な戦争』によせて」:全文をこちら
 (『風のたより』第36号、風行社、2008年11月1日)
「道徳への願望と倫理への憧憬
――ハーバーマス『討議倫理』とハーバーマス/ラッツィンガー『ポスト世俗化時代の哲学と宗教』を読む――」
 (『政治思想学会会報』第25号、2007年12月、8‐12頁に掲載)
篠原一 『市民の政治学』
 (『生活経済政策』No.88、生活経済政策研究所、2004年5月、38頁に掲載)
Mark E. Warren, Democracy and Association:1部分をこちら
 (『国家学会雑誌』第115巻第11・12号、2002年(平成14年)12月、197−199頁に掲載)
ジャック・デリダ 『法の力』:1部分をこちら
 (『思想』2000年7月号、岩波書店、108−122頁に掲載)
Avigail I.Eisenberg, Reconstructing Political Pluralism:1部分をこちら
 (『国家学会雑誌』第111巻第1・2号、192−194頁に掲載)

学会報告
「石橋湛山と現実主義――立正大学の視点から――」:報告要旨をこちら
 (日本金融学会2012年度春季大会特別セッションT「石橋湛山の人と哲学――金融学者としいて、立正大学学長として」報告、2012年5月19日土曜日)
「結社と民主政治――アソシエーションから政治は生まれるのか――」
 (2007年度日本政治学会分科会「社会的紐帯とデモクラシー」報告、2007年10月6日土曜日)
"Deliberation and Diversity in Different Societies":Here is the abstract.
 (20th Congress of the International Political Science Association, Fukuoka, Japan. July 13, 2006)
「主権と国家の関係 ―― 多元的国家論の視角から」:報告原稿全文をこちら
 (2001年度日本政治学会分科会B「主権概念の再検討――政治思想史の視点から」報告)
 *「1.多元的国家論における主権と国家」を「2.多元的国家論における主権と国家」に修正してあります

研究会報告
「討議デモクラシーの源流と射程」:レジュメをこちら(PDFファイル)で
 (2005年6月25日東京大学政治理論研究会発表)
"Rationality and Science in Japanese Political Culture;
Masao Maruyama and his Studies in the Intellectual History of Japan"
:Here is the handout
 (Political Studies Seminar, at Otago University, New Zealand, 08/September/2003)
「『集団』(福田・谷口編『デモクラシーの政治学』所収)をめぐって」:読上げ用原稿全文をこちら
 (2003年3月1日九州大学法学部政治研究会発表)

その他
「『熟議』に潜む対立激化」
 (読売新聞記事、2011年1月31日読売新聞朝刊)
座談会「私が見たアメリカ政治学」
 (東京大学谷口将紀氏司会による学習院大学福元健太郎氏との対談。
  日本政治研究第4巻第2号、木鐸社、2007年7月15日、153−183頁に掲載。)
「分権時代における議会の役割 ―― 日米の議論の動向を背景に ――」:レジュメをこちら(PDFファイル)で
 (2005年9月8日品川区議会議員研修会講演))
2007年度日本政治学会分科会「専門性の政治学」討論者、2007年10月7日日曜日
往復書簡『政治の隘路』をめぐって「20世紀政治学の惑い」:1部分をこちら
 (『創文』437号、創文社、2001年11月に掲載)

現代社会では、人間は基本的人権に守られ、自由な活動が可能となっています。
ポスト・モダニズムはその流れを受けて、権力の作用をあらゆるところに見出し、
それへの徹底的な抵抗と自由への執着を論じてきました。
しかし、権力の作用が偏在すると説くことは、逆説的にも伝統的な政治学との接点を
産み出します。なぜならば、権力の存在しないユートピア的な世界を想定しない限り、
政治にはいつも権力の影がつきまとっていたからです。この面では、権力の根絶ではなく
その制御と抑制のためのシステムを考案し続けてきた伝統的な政治学が
逆にポスト・モダン的な状況において有効性を持ち得るという可能性があり得ます。

上記の各論考は、こうした見通しのもとに一貫して論じられたものです。
「ミシェル・フーコーと権力論」では、ポスト・モダン的な政治学の典型と目されることの多い
フーコーの議論が、従来の政治学からどれほど隔たったものなのか、そしてそこに
どのような問題が生じているのか、が論じられます。
デリダ『法の力』の書評は、ポスト・モダニズムの代表的論者がもっとも政治学に近い
言葉で執筆した論考に対して、政治学の立場からそこに見られる問題点を指摘
したものとなっています。
「ポスト・モダンの政治の位相」では、こうしたポスト・モダンの議論が伝統的な政治学と
結びつくことによって、問題点へどのような対応が可能になるかの見通しが描かれます。
「多元主義論と『政治』の位相」は、ポスト・モダンに適用可能な伝統的な政治理論として、
20世紀の政治的多元主義論を取り上げ、その可能性を考察したものです。
また、多元主義論が20世紀政治学の主流だったという点を考えるならば、この論文は
20世紀政治学を総括する視点を提供する、という意味を持ちます。
なお、本論文は、趣旨を明確にするための序を付した上で、単著として公刊されました。
同署に対する書評に答えた往復書簡形式の文章が「20世紀政治学の惑い」です。
Eisenbergへの書評は、同じように多元主義論を、ただしやや異なる現代的視角から
分析した業績に対して、コメントを付したものです。
「代表制を補完する」では、ポスト・モダニズムの議論を経た上で、伝統的な政治学が
どのような政治制度を構想することが可能か、という点をやや具体的に検討しています。
「主権と国家の関係」は、ラスキとハーストの議論をもとに、さらに具体的に「結社」や
「審議会」を使った制度構想について、また国際関係についても検討したものとなっています。

「90年代日本政治改革への視角」は、私の本来の専門分野とは異なる部分での論考ですが、
研究所での報告原稿をもとに、小泉政権誕生までを視野に入れながら、
現代日本政治改革の成果と今後の課題を検討しています。
(2002年3月)

「20世紀政治学の惑い」は、『政治の隘路』に関し、
東京大学の内山融氏との往復書簡形式の議論の中で、
その狙い、注意点と言ったものをわかりやすく解説しています。

『デモクラシーの政治学』に寄稿した「集団」は、
現代政治学で自発的結社の一定の特性が過度に強調されてきたという問題意識から、
集団概念の持ちうる幅広さを指摘し、
さらにそれが日本政治分析においてどのように生かされうるのかについて
若干のコメントをおこなったものになっています。
(2002年9月)