Mark E. Warren, Democracy and Association(『国家学会雑誌』学界展望2002年12月)
                      早川誠(立正大学法学部専任講師)

・・・(前略)・・・
詳細な議論は本文に譲るしかないが、いくつか特徴的な主張を紹介しておこう。まず、自発的結社の非民主的性格ということが指摘される。例えば、議論における批判というスキル(発達効果に含まれる)を身につけるためには、集団から離脱するという選択肢が抑制される必要があるため、退出の可能性が低い方が望ましい。この面では、「民主主義の学校」にふさわしいのは非自発的集団であると分析される(p. 108, p. 159)。また、アメリカ合衆国における新保守主義と多文化主義・差異の政治との間の対立についても興味深い記述が見られる。それによれば、多文化主義や差異の政治に対して国民共同体を破壊するとの批判が見られるが、実は多文化主義等は共同性の表出(公共領域効果に含まれる)を志向しており、批判は妥当でない。多文化主義等の台頭は、それらが権力面で影響力を拡大しているというよりも単に批判的立場を取っていることの帰結であり、むしろ民主主義にとって問題なのはそこで主張されている共同性が抑圧的なものとなることであるとされる(p. 179)。
・・・(後略)・・・