政治学ってなんだ?


まず、「政治」って何だ?

 「政治」。この言葉は、みんな何となく聞いたことがあると思います。高校では
「『政治』・経済」っていう授業があるし、テレビでは「『政治』家」が討論会をしたり
してますね。つい最近は、「『政治』改革」が必要だといわれて、選挙のやり方や
お金の集め方などについて、新しい方法が取り入れられています。大学の先生も
「学内『政治』」をうまくできないと、出世しそうにありません。(この辺、あまり突っ込まないように(笑))
 でも、それなら「政治」の定義はなんなんだ、と言われると、ちょっと困ってしまう
のではないでしょうか。

 身近な例は、やっぱり国がやっていることでしょうね。警察を使って国民の安全を
守ったり、税金を集めてそれで道路や公園を造ったり。これは、「国民」みんなのため
にやること。つまり、いちばん簡単に言ってしまうと、政治というのは、「たくさんの人達
がどうやって生活していけばいいのかを決めること」と言えるかもしれません。

 この「たくさんの人達」と言うのは、国民だけではないかもしれません。学校のクラスや
サークルだって人が集まってできているんだから、その中にだって「政治」があるかも
しれません。サークルの部長を選ぶときに選挙をする、それは、政治家の選挙と似てる
でしょ?

 だから、もうちょっとくだいた言い方をすると、「人間関係を作っていくための方法を
考えること」と言ってもいいかもしれないですね。

じゃあ、政治「学」って何だ?

 それじゃあ、次に、その「政治」の「学」ってなんでしょうか。だいたい、政治って
学問っぽくないでしょ。裏でお金をやり取りしたり(本当はしちゃいけない!)、選挙
の演説だって学問って言うより、やさしくわかりやすくという方が親しみやすいし。
学問というより、生活の場での行動とか、ちょっとした知恵とかコツが大事に見えます。

 でも、実は、僕たちが「政治」を扱うときには、けっこう一定した見方、考え方をもとに
行動していることが多かったりします。え?別に考えてないって?
 いや、そんなことはないと思うよ。例えば、電車の中で席が埋まっていて座れない時、
いきなり座っている人に殴りかかって席を奪っちゃう人っていませんよね。でも、もし、
「力の強い人が正しい」とみんなが考えている場所だったら、きっと殴り合いをして席を
とることになるでしょう。つまり、私たちが電車で席取りのためにケンカをしないのは、
私たちが「人間同士の関係で暴力を使うことはあまり良いことではない」と考えている
からなのです。

 政治「学」っていうのは、この人間関係のあり方を考えること、つまり、今どういう風に
社会の中で人間関係がつくられているのか、そしてもしそれが何か悪いもののように
感じられるのならば、それをどうやって直していけばいいのか、を考える学問なのです。

でも、どうやって勉強すればいいのかな?

 はい、そうだよね。だいたい、三権分立とか、選挙とか、民主主義だとか、政治に
関係した考え方やアイデアは、中学や高校でも習っているし。わざわざ大学で何を
勉強するんでしょうね。

 このあたりは、講義を聞きながら考えてもらいたいんだけれど、一番重要なのは、
政治に関しては、まだ人間は、「おー!!これこそ最高の政治のやり方だ!!」と
言えるような最終的なアイデア、解答、答えをまだ見つけていないということです。
みんなが習ってきた、選挙や民主主義だって、実は欠点だらけのものです。だから、
ただ単に「そういうものがあるんだ」ということで満足するんじゃなくて、「それって、
現実にはどういうふうに動いているのかな」とか、「もっと良いやり方があるのに」とか、
つまり距離をおきながら勉強していって欲しい。つまり、考えて欲しい、ということです。

 これは、政治学に限らず大学の勉強なんでもそうだけれど、とにかく考えて欲しい。
この、人類に与えられたもっとも難しいパズル、答えの見つかっていないクイズ
に、みんなとチャレンジしていきたいと思っています。