2001年度授業内容


2001年度授業についての記録

2001年度前期授業の自己評価

平成13年度立正大学政治学原論講義シラバス

講義内容
この講義では、政治学の理論を学び、その理論をもとにして現代の政治現象を分析することを目的とします。理論面では、自由主義と民主主義の思想や制度の成立過程、その意義について重点的に分析します。さらに、応用として、できる限り現代日本政治、時事問題の話題も取り入れる予定です。また、政治学は隣接学問分野の成果を数多く取り入れてきた学問でもあるため、歴史学、哲学、数学、文学、心理学、といった様々な分野に興味がある学生の聴講も歓迎します。政治学は、長い歴史を持つ学問でありながら、解明されていない問題を数多く抱えています。若い皆さんが、新しい発想でこの未開拓の学問に向き合うことを希望します。
(平成12年度シラバスからの主な変更点:日本政治部分の縮約、国際政治部分の追加、教科書の変更)

教科書
加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦『現代政治学』有斐閣アルマ。
他、自分の好みのものでも構いません。

参考書
授業時に随時紹介。

指定図書
佐々木毅 『政治学講義』 東京大学出版会
北岡伸一 『「普通の国」へ』 中央公論社
S.ハンチントン『文明の衝突』 集英社

成績評価
前期試験及び後期試験

授業計画

1. 開講 政治学入門
六法全書がある法学と違い、政治学が扱う「政治」の内容ははっきりしません。政治学のルーツであるギリシア、本場アメリカの議論を参照しつつ、基本的な考え方を学びます。
キーワード:自由、権力、公共性

2. 政治権力をどう見るか
政治学を定義する際に、権力を中心に置くことが一般的です。しかし、権力にも様々な形があり、むき出しの権力は逆に強い反発を受けるという結果を招くこともあります。
キーワード:ミランダ、クレデンダ、正統性

3. 現代の国家1・・・国家の必要性
現代政治の特徴は、巨大化した国家です。しかし、国家を必要としない政治の可能性も、否定されたわけではありません。国家がなぜ必要か、大規模国家が持つ意味は何か、を考えていきます。
キーワード:主権、夜警国家、福祉国家

4. 現代の国家2・・・国家の役割と国家の将来
現代国家の役割は増大していますが、それゆえに暴走を制限することも重要になっています。また、国家が将来どのような形を取っていくのかも検討します。
キーワード:ナショナリズム、公共財、公共性、グローバリゼーション

5. 民主主義
民主主義は現代政治の、そして現代日本政治の基本となる考え方です。しかし、民主主義が定着するまでには、永い苦闘の歴史がありました。その歴史と、現代民主主義の特徴を考察します。
キーワード:平等、社会契約説、大衆民主主義

6. 自由主義
現代政治を支える考え方のもう一つの柱が自由主義です。自由主義は、個人の自由で自発的な活動を尊重します。その歴史的成立過程、現代政治における意義を考察していきます。
キーワード:少数派の尊重、法の支配、立憲主義

7. 代表1−代表の意味
全員参加の直接民主制と異なり、現代国家は選挙による間接民主制です。しかし、「代表」による政治をどうして「民主主義」と呼ぶことができるのでしょうか。
キーワード:委任代表、国民代表、リーダーシップ

8. 代表2−代表の決め方
間接民主制でも選挙の方法は様々です。最善の制度は見つかっていません。
キーワード:小選挙区制、死票、比例代表制

9. 投票行動
投票に行く人々の行動次第で選挙制度の働きは大きく変わります。
キーワード:政治的無関心、無党派層、争点投票

10. 議会の現実
議会は立法権行使の機関で政治の主舞台ですが、行政の役割も増大しています。この点で、現代の立法府と行政府の関係は複雑なものとなっています。
キーワード:議院内閣制、大統領制

11. 政党と利益集団
現代政治では集団の役割が大きくなっています。議会内では、政党が中心的な集団です。そして議会外では、政党以外の集団、大企業や利益団体も大きな政治力を持っています。
キーワード:集団理論、利益集団自由主義、コーポラティズム

12. 政党システムと現代政党
政党を見る視角として、一つ一つの政党を離れ、複数の政党がどのような関係を持つかという視点から分析するというものがあります。この観点からは、現代政党政治が特殊な形態を取っていることが明らかになります。
キーワード:政党システム論、一党優位制、包括政党

13. 現代日本の政党システム
現代の日本政治は、政党システムから分析すると、非常に特徴的な存在であることがわかります。戦後日本の政党システムを中心に、その特徴を解明していきます。
キーワード:55年体制、自民党、族議員

14. 日本政治の改革過程
1990年代は、日本政治が大きく変化した時代でした。この時期に問題となった事例を素材にして、改革が何を目指したのか、そして何が達成できたのかを検討します。
キーワード:連立政権、政治と金

15. マス・コミの威力
マス・コミは「第四の権力」と呼ばれるほど強力です。報道で政治生命を失う政治家さえいます。ここには、民主主義の成熟と、逆に民主主義の悪影響の双方を見ることが出来ます。
キーワード:世論、ステレオタイプ

16. 政治と文化
人間には、政治とは関係ないプライベートな世界があるように見えます。しかし、家族や恋愛も決して政治と無関係ではないのです。
キーワード:フェミニズム、多文化主義、ポスト・モダニズム

17. 国際政治の考え方
国際政治は生の権力のぶつかり合いと言われてきましたが、現実に砲弾が飛び交う戦争がある一方、情報や技術を通じた国際関係も重要です。
キーワード:リアリズム、ソフト・パワー

18. 戦争と平和
国際政治のもっとも華々しく、そしてもっとも痛ましい現実が、戦争です。戦争の歴史とプロセスを見ながら、将来の予測と、戦争回避への道を検討します。
キーワード:世界システム、覇権循環論

19. 国際関係の将来
20世紀に入ってからの世界では、民主主義国家が大勢を占めるようになってきました。しかし、それは必ずしも安定した国際関係を意味していません。それがなぜなのか、近年の論争を参照しながら検討します。
キーワード:歴史の終焉、文明の衝突

20. 「政治」をどう見るのか
政治は、私達がつくるものです。しかし同時に、私達は政治によってつくられてもいます。まったく逆の意味を持つ「政治」を現代にどう把握したらいいのか。それまでに学んだ材料を使って考えてみます。
キーワード:政治工学、政治参加