4.政治の仕組みを組み立てよう!

B.総理大臣と大統領ってどう違うの?

 議会では、色々な問題が話し合われて、その結果何らかの結論が出てきます。でも、結論があるだけではダメで、その結論を実行に移す人たちが必要になりますよね。法律や政治の用語で言うと、議会は「立法府」、つまり法律を作るだけですから、それを実行する「行政府」、つまり政治を行うところが必要になってくるわけです。

 この行政府には大きく分けて2つのタイプがあります。1つが、日本も採用している「議院内閣制」というもの。これがどういうものかというと、行政府のリーダーを選ぶ時に、立法府の中から立法府によって選出を行うんです。例えば、日本の総理大臣は国会議員の中から、国会の中の選挙で選ばれますよね。国会議員の経験がない人は、総理大臣選挙で投票したことはないはずです。もう1つが、アメリカなどで採用されている「大統領制」です。この制度では、立法府とは全く別に、行政府のリーダーを国民の選挙で選びます。つまり、議会選挙と同じように、国民が大統領選挙に投票するわけです。

 もともと、立法府と行政府を別々の組織にしたのは、立法府と行政府で同じ人たちが権力を握るといい気になって悪いことをするのではないか、という疑いからでした。この考え方を、「権力分立」というふうに言います(立法、行政に加え司法権、つまり裁判についても分離することを「三権分立」といいます)。この考え方からすると、大統領制の方がなんだか良さそうに見えます。それに、市民が直接選んだリーダーの方が、ちゃんとリーダーシップを発揮してくれて、頼りがいもありそう。その上、「自分達のリーダーはやっぱり自分達で選びたい!」という人も多いかもしれません。

 でも、議院内閣制もそんなに悪いものでもないんです。実際、もし総理大臣が議会の言うことを聞かず好き勝手なことをやろうとしたら、議会の方で「やっぱりこいつを選んだのは間違いだった!」ということで「内閣不信任案」というのを出すことができます。この不信任案をうまく使ってプレッシャーをかけることで、大統領制に負けず劣らず、権力者の暴走を止めることもできるわけです。それに、あまりきっちり権力分立を守りすぎても困りもの。だって、立法府と行政府がいつも対立してばかりでは、何にも政治を動かすことができないでしょう?

 政治の制度には、それぞれ一長一短があって、「これがベスト!」といえるようなものはなかなかありません。だからこそ私たちは、それぞれの制度の長所と短所をしっかりと学び、その制度がうまく働かなかったり時代遅れになったりした時に、すぐチェックできるような目を養っておくことが大切なのです。

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