4.政治の仕組みを組み立てよう!

A.議会を作る

 民主主義と自由主義を両立させなければいけない、とすると、どんな仕組みを実際に作れば、その両立が可能になるでしょうか。さっき、選挙の例を出しましたよね。「みんなが」選ぶことを強調すれば選挙は民主主義的だし、みんなが「選ぶ」ことを強調すれば選挙は自由主義的だと。ということは、選挙には両方の意味合いを一緒に込めることが可能なわけです。そして、この選挙によって生まれてくるのが、「議会」ですね。選挙によって選ばれた政治家が、集まって話し合いをし、問題を解決する。現代政治では、議会はとても重要な役割を果たしているのです。

 そうはいっても、150年位前の議会は、全然民主主義的ではありませんでした。なぜなら、投票したり選挙に立候補したりする権利が、納めている税金が高い人に限られていたり、男性だけだったりしたからです。さらに昔になると、国によっては、議会の中でも貴族やお坊さん(でいいかな?)の力が強くて民衆の意見なんて聞いてもらえない、ということすらありました。でも、だからといって全くの役立たずだったわけではありません。なぜなら、確かに不平等ではあったけれど、例えば国王が勝手に税金を上げたり戦争したりしようとすると、それを止めるという役割は果たすことができたからです。いわば自由主義的な議会ですよね。

 この議会が今のような形になったのは、「普通選挙権」という権利が実現されるようになった20世紀からです。税金の多少に関係なくみんなが選挙に参加する権利を持ち、男性であろうと女性であろうと変わることなく投票することができる。今では当たり前に思えるこうした常識的な制度も、実は歴史の中ではごくごく新しい部類に入る制度なんですね。参政権をみんなが行使できるようになったことで、「普通選挙(普選)」が実現され、ようやく議会は、自由主義だけではなくて民主主義の特徴を身に付けることができるようになったのです。

 ところで、議会は確かに重要な制度ですが、人々が何か政治についてものを言おうとする時に、議会を通じて以外の方法はないかというと、そんなこともありません。議題を国民が提案する「国民発案」や、議員さん以外の国民も投票に参加する「国民投票」「住民投票」といった制度も、政治の長い歴史の間に作り上げられてきています。議員さんだけに任せるのではなくて、議員さんと市民が協力し、バランスの取れた民主主義を営んでいく手法があるということ、忘れてはいけませんよね。

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