1.「政治」っていったい何だろう?

A.「政治」には2種類ある?

 私たちが「政治」と言われた時にまず思い出すものは何でしょうか?例えば、議会?建物なら国会議事堂でしょうか?あるいは政治家?外国の政治家と握手をしている大臣の姿なんてテレビで見たことがありますよね。

 こうしたことは全て、「国」というものに関わっています。そう考えると、「政治」というのは、国に関係する事柄のことを言うものと考えることができそうですね。もう少しお堅い言い方をすると「国家を運営すること、その方法」が政治だ、ということになるでしょうか。

 でも、実はもう少し違う「政治」の考え方もありそうです。例えば、国ではなくて、私たちが住んでいる都道府県や市町村、といったものはどうでしょう。都道府県知事や市町村長も、選挙という、いかにも政治と関係が深そうな手続きによって選ばれています。また、国会と同じように、都道府県議会や市町村議会もありますよね。とすると、「政治」は「国」だけに限った事柄でもなさそうな感じがします。

 もうちょっと空想の羽を伸ばしてみましょうか。学者の世界では、「学内政治」なんていう言葉があります。例えば、大学の学長になるには、研究ができるだけではダメで、他の学者の先生とうまく人間関係を作っていって、学長選挙に勝ち抜かなければなりません。これもまた、「政治」と呼ばれるわけです。それから会社を考えてみましょう。会社内での人間関係を上手に作って会社組織がうまく仕事を進められるようにすることも、国の政治がうまくいくように配慮することと似たようなものだと思いませんか?つまり、国家だけではなくて、「組織を運営すること、その方法」が政治だ、と考えることもできそうな感じがします。いわば国に限定した「狭い定義」に対して、「広い定義」というわけですね。

 もっとも、「国」は、大学や会社とは決定的に違う一面を持っています。それは、軍隊(日本なら自衛隊)を持っていることです。「政治」の手段として軍事力を使うことが許されているのは国だけですから、「国」の「政治」こそ本物の政治で、大学や会社は「政治」のまねごとに過ぎない、と言うこともできるかもしれません。

 政治が国家のみに関わるものなのか、それとももっと広く様々な集団・組織まで含んで考えるべきなのか、ということについては色々な見解があり、現在でもはっきりとした解答が出ているわけではありません。でも、この違い、それほど重大なのでしょうか?

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