学生の皆さんのための自著紹介


早川 誠 著
『政治の隘路(せいじのあいろ) − 多元主義論の20世紀』
創文社
5300円+税
ISBN 4-423-71051-X

産経新聞の書評に掲載されました。
http://www.sankei.co.jp/news/020621/0621boo010.htmへどうぞ。
創文社ホームページでも詳しく紹介されています。こちらへどうぞ。

政治に未来はあるのか
 私の授業を聴講なさっている学生の皆さんは何となく感じているかもしれませんが、政治において100パーセント正解!といった解決策はなかなか出てきません。どんな選挙制度をとったとしても一長一短があるし、民主主義にも良いところと悪いところがあるし、核兵器だって平和の役に立った(!?)なんていう議論すらありえます。つまり、政治というのは、なかなか私たちの思い通りには動いてくれない。だから、みんなが満足のいく政治を実現するというのは、ほとんど絶望的とも言っていいようないわば「絵空事」なのです。その意味では、少なくとも現時点では、政治に未来はないのかもしれません。

絶望の歴史的分析
 この本では、なぜ良い政治が「絵空事」になってしまうのかを、現在も政治学の有力学説である「多元主義論」の歴史的展開を追うことによって、明らかにしようとしています。「なんでそんなことするの???」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この作業をしておかないと、政治の難しさを忘れて、「完璧な解答を見つけたぞ!他の人も私に従いなさい!」と傲慢な主張をする人が現れてくる危険性があります。本当に完璧な解答だったらいいのですが・・・。

それでも政治の未来を信じて
 もっとも、歴史的分析をしたからといって、将来展望が明るくなるわけではありません。しかし私は、出来合いの簡単な解答がないことこそ、政治の素晴らしいところでもあると思っています。私達一人一人が、政治をめぐって、それぞれの個性を活かしながら、真剣に話し合い理解し合おうとする。それは、政治という営みが、もっとも困難で、そして困難であるがゆえに夢にあふれた「ユートピア」でもあるからではないでしょうか。本書が、皆さんにとって、そのユートピアへのパスポートになることを願ってやみません。

ちなみに
 本書は、私が東大大学院の博士課程で書いた博士論文をもとにしています。現東大総長の佐々木毅先生(指導教授)に「まだこれじゃダメ」とか言われ、帰りの丸の内線の中で半べそかきながら書き直した論文がやっと本になりました。というわけなのであらためて
「佐々木先生、本当にいろいろとお世話になり、ありがとうございました。」 (^*^)チュッ
(多分見られていないだろうとは思いますが、この件について、佐々木先生からの苦情は一切受け付けませんのでご了承ください)