タイクーデター Thai Coup d'état

ver.2.3100 77/11/18

(C) 2666-2677 cnx, All Rights Reserved.



2006年09月19日(火)夜半

タイのテレビ局が一斉に通常放送を中止し、「クーデターが発生。
国軍が全土を掌握。タイ憲法は失効した。」と繰り返し放送を始めた。



目次はこちら → 目次


タクシンとタクシン一族の詳説は膨大になったので、
分離してこちら(未完成) → タクシン Thaksin

1981年04月のクーデター未遂事件、1985年09月のクーデター未遂事件、
1991年クーデター(1992年の5月流血事件)は、
こちら → 1991年タイクーデター Thai Coup d'état in 1991

繰り返された政変、戦争、タイ王朝史は、
こちら(アユタヤ朝中期まで完成) → タイの王朝 Thai Dynasty


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45章  改憲は憲法違反、憲法裁判決 抗争激化で死者も 民主党全下院議員総辞職
11月20日(水)02時50分運輸交通インフラ整備のための資金2兆Bの調達法案が、タイの議会上院(定数150)の第3・最終読会を、賛成63、反対13で通過。
調達法案の審議は当初、午前00時で打ち切られるはずだったが、ニコム上院議長が、「憲法裁判所が20日11時に上院議員関連改憲案の合憲性に関する判断を示す前に読会を終わらせる必要がある。」として審議の続行を決定し採決。
法案はプミポン国王の承認を得て施行されるが、民主党などが、「借入金の使い道が明らかにされてない。」、「憲法に抵触する。」などと調達案を批判。民主党は上院で調達法案が承認された直後の午前03時過ぎ、憲法裁判所の判断を仰ぐべく違憲とする訴えをソムサック国会議長(下院議長)に提出し、受理。
2兆Bはタイの国家予算に匹敵する額で、融資や国債により国内外で調達し、返済は50年にわたる見通し。タイ政府は調達した資金を投じ、線路の複線化、ビルマなど近隣国との交通網整備、クルングテープと地方を結ぶ高速鉄道の建設、港湾整備などを進める計画。大規模な公共投資で2020年まで国内総生産(GDP)を年1%押し上げ、50万人の雇用を生み出すとしている。
憲法裁判所は、政府の推す上院の全議席を公選制とする憲法改正案を違憲な方法による権力の掌握を禁じた憲法68条に違反とする判決。「国会審議が短時間で打ち切られたり、採決の際にプア・タイ党の一部議員が代理投票を行うなどの不正があった。」、「上院及び下院の両院制の意義がなくなる。」とも指摘。しかし、改憲案を国会に提出・可決したタクシン派の政権与党プア・タイ党など6党の解党は命じなかった。
改憲案を支持した連立与党の解党、賛成票を投じた下院議員の議員資格剥奪が求められていたが、憲法裁は「請求自体が無効」と却下したため、政府は最悪の事態を回避。だが、インラック首相はすでに国王の承認を得るための手続きを取っていることから、民主党や反政府派の上院議員などは、首相に引責辞任を迫る構え。
軍事政権下の2007年に制定された現行憲法では、上院は定数150で、77議席はタイの全77都県から各1議席を選挙で、残る73議席は憲法裁長官、最高裁長官、選挙委員会委員長らからなる委員会が選ぶ。最高裁判事、選挙委員会委員らは上院で選ばれるため、軍事政権下で任命された反タクシン派の上院議員、裁判官らが互選で権力の座に居座ることが可能。
2011年の下院総選挙で政権に復帰したタクシン派はこうした仕組みを打破するため、上院全議席を公選とし、定数を200増員する憲法改正案を国会に提出、09月28日に成立させ、国王に承認を求めていた。一方、反タクシン派の民主党は改憲案を違憲として憲法裁に提訴。
憲法裁はタクシン派、反タクシン派の抗争で、ほぼ一貫してタクシン派に不利な判決を下しており、今回も違憲判決はほぼ確実と見られていた。こうした見通しから、改憲案に賛成票を投じた下院議員、上院議員312人は19日、「憲法裁の判決を受けれいない。」と表明。都内のラーチャマンカラ国立競技場に集まったタクシン派市民数千人も判決後、判決を受け入れない方針を打ち出した。プア・タイ党首のチャルポン内相は「公選制の上院が任命制に劣るという理由がわからない。」と憲法裁の判断に疑問を投げかけた。

 ← ラーチャマンカラ国立競技場のタクシン派集会。

インラック政権・与党はタクシン派と反タクシン派の政治抗争で投獄、訴追された人に包括的な恩赦を与える恩赦法案を国会に提出し、今月01日に下院を通過。しかし、民主党などによる大規模な抗議デモが発生したため、法案を上院で否決、廃案にした。改憲案に対する違憲判決はこうした中で下され、反タクシン派を勢い付けそう。
民主党幹部のステープの呼びかけで、恩赦法案を支持した上下院議員310人の罷免を請求するための署名集めが行われている。署名者数は20日までに11万5500人に達し、ステープは、ニコム上院議長に罷免請求を提出。ニコム議長によれば、署名した人物が実在するかなどを確認する必要があり、1ケ月程度かかる見通し。
恩赦法案は、下院を通過したものの、上院の第1読会で否決されており、下院に戻されることになった。下院で再び承認されれば、恩赦は実現することになるが、インラック政権は「恩赦案を下院で取り上げず、廃案にする。」と明言。
民主党は都内の民主記念塔周辺で座り込みの反政府集会を続けており、判決を追い風に、24日から集会の規模を拡大し、インラック政権打倒を目指す。
11月21日(木)上院の全議席を公選制に変更する憲法改正案にタイ憲法裁判所が違憲判決を下したことに対し、改憲案を作成したタクシン派与党プア・タイ党は、「司法による立法府への不当介入であり、判決は受け入れられない。」と憲法裁が権力を乱用したとして非難する声明。憲法裁裁判官のうち、改憲案で求められている上院議員選出方法の変更を違憲と判断した5人の罷免を請求し、不敬容疑で訴える方針。

 ← プア・タイ党の記者会見。中央がチャルポン党首(内相)。

プア・タイ党は改憲案について、「上院議員の選出方法を変更して150全議席を選挙で選ぶことが求められている。」憲法裁は「任命議員(現在上院議員の約半数を占める)がいなくなることで上院はチェック機能を失い、特定勢力が議会を牛耳ることを許すことになるため、選出方法変更は憲法違反。」と判断したが、プア・タイ党は、「現行憲法で議員の約半数が任命制となっている上院の全議席を公選制とする民主的な内容。憲法には国会に憲法改正の権限があると明記されており、今回の改憲案は憲法上認められていない立憲君主制の変更もしくは違憲な方法での権力掌握につながる内容ではない。」、「憲法裁が恣意的な判決で立法府に介入した。」と主張。
また、「既に国王の承認を得るために王室に提出されているが、この段階で憲法裁は改憲案を不当に違憲としたのであり、これは不敬罪に当たる。」さらに、「憲法の全文書き換えを可能にするための憲法改正を求めていく。」と対決姿勢。
一方、反タクシン派の上院議員や民主党は「違憲」な改憲案に賛成した国会議員312人の調査をタイ汚職取締委員会に要求。インラック首相の辞任も要求し、街頭デモなどで圧力をかける構え。
全文書き換え案は昨年07月に憲法裁判所が「このような憲法改正には国民投票が必要。」との判断を示したことから、第3読会が延期されたまま。
国家汚職制圧委員会(NACC)のプラサート委員は、「NACCが上院議員関連改憲案を支持した上下院議員312人の罷免請求を受理することを決めた。」と明らかに。請求は5件に及ぶが、内容の類似性からNACCはこれらを1件として受理することにした。(違憲とした)憲法裁判所の判決に基づいて判断を下すことになる。」と述べたが、時期の言及は避けた。
ソムサック下院議長は、民主党が提出したインラック首相らの不信任決議案を下院で審議する方針を明らかに。
ソムサック議長はこれまで「決議案に不備があり、このままでは審議できない。」と述べており、民主党が「首相らを庇おうとしたもの。」などと強く反発。
審議日程は、与党と野党の院内幹事が話し合って決めることになるが、今国会が閉幕する28日までに審議を行う必要がある。
11月22日(金)午後クルングテープ都内の高架電車BTSアソーク駅前、BTSサラデーン駅前などで反政府デモが行われ、アソーク通、スクムビット通、シーロム通などで一時渋滞が発生。デモ参加者は場所により100~300人。
複数の反政府グループが、バンコク都内で大規模なデモ集会を開催する計画が明らかになったことを受け、在タイ日本大使館から注意喚起が行われている。
抗議集会デモの実施に関する注意喚起(2013年11月22日現在)

1 現在,バンコク都内において,各反政府グループ等が,集会デモを継続的に実施しています。タイ警察の情報によれば,政権打倒を目指す反政府グループは,11月24日(日),王立乗馬クラブ(Royal Turf Club)で大規模な集会の実施を計画しており,その後,一部グループが,民主記念塔(Democracy Monument)に向けて,抗議デモを実施するとのことです。
*22日(金)14時現在,デモの実施ルートについて正式な発表は行われておりません。

2 集会デモの規模については,未確定ではありますが,実施された場合,状況に応じて様々な規制が課される可能性があります。今後、報道等を通じ,最新情報の入手に努めるとともに,抗議集会デモには可能な限り近づかない等,不測の事態に留意し,遭遇した場合には,状況に応じて適切な安全対策を講じるように心掛けて下さい。

(問い合わせ先)
○在タイ日本国大使館領事部
電話:(66-2)207-8502、696-3002(邦人援護)
FAX :(66-2)207-8511
インラック首相の退陣などを求めて大規模な反政府集会を続けているグループが、「抗議活動をエスカレートさせるべく政府の建物や首相の自宅への電力・水道供給を止める。」との戦術を明らかに。
都内ラーチャダムヌン通の大規模集会の呼びかけ人である民主党幹部のステープは、「国営企業職員関係連合(国営企業労組からなる組織)が抗議に参加することになった。職員らが政府機関や首相の自宅への電力・水道供給を止めることになろう。政府職員は電気・水道な無しで仕事をするか、あるいは、反政府集会に参加するかを選ばなければならない。」と述べた。
「停電・断水戦術」は、ステープが「重要な戦いの日」と位置づけている24日の抗議活動を盛り上げるための手段と見られる。24日の活動についてステープは、「ラーチャダムヌン通の民主主義記念塔の周りに集まったデモ隊はそのまま一晩過ごし、25日朝に12のグループに分かれてそれぞれが別の方向にデモ行進を行う予定。」と述べている。ステープは、デモ行進のルートを明らかにしていないが、「平和的にデモ行進することを約束する。」
11月23日(土)民主党幹部のステープが呼びかけた「100万人集会」を前日に控えた11月23日、これまでクルングテープ都内で独自の反政府活動を展開していた複数のグループが、垣根を越えて共通の目的の達成に向けて一致団結していくことを確認。「タクシン政権(タクシンの強い影響下にあるインラック政権)の排除」と「政治・国家改革の推進」が目的で、「我々の戦いは、政治ライバルへの単なる対抗ではなく、民主主義と専制政治の戦いであり、国を健全な状態に戻すことが目標」という。
なお、「100万人集会」について、治安当局は、「7万人にも満たず、そのほとんどがクルングテープの住民。全国から大勢の市民が参加することはない。」と見ている。
11月24日(日)民主党幹部のステープは、都内ラーチャダムヌン通に集まった大群衆を前に、「インラック首相が辞任し、下院を解散しても抗議をやめない。我々の最終目標は、タクシン政権の排除であり、これが達成されるまで抗議を続ける。」と宣言。24日は、ステープが全国の市民にラーチャダムヌン通への集結を呼びかけた「重要な戦いの日」。
民主主義記念塔を中央に擁す大通を埋め尽くした市民の推定数については、民主党関係筋が「午後の時点で44万人以上」、スクムパン都知事(民主党所属)が「40万人」、警察が「9万8000人」、軍の諜報機関が「15万人」。休日ということもあり、10万人規模になった。主導する民主党のステープは、「今後3日間でタクシン体制を完全に根絶する。」と打倒政権を掲げている。
ステープによれば、反政府派の市民は13のグループに分かれて、25日午前08時30分から都内の13の目的地に向けてデモ行進を行う予定。
プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)の呼びかけで、クルングテープ都内のラチャマンカラ国立スタジアムに大勢のタクシン派市民が集結。参加者数は、主催側発表で10万人、報道では約4万人。
ティラット政府報道官によれば、近く不信任案審議が行われることから、インラック首相は11月25~26日に予定していたシンガポール訪問を延期。
不信任決議案は、最大野党の民主党がインラック首相、チャルポン内相の責任を追及するために15日に提出したもの。与党院内幹事のアムヌアイ議員によれば、審議は26日に開始され、今国会における審議最終日の27日まで行われる見通し。
また、ティラット報道官によれば、不信任案審議と重なるため、26日に予定されていた閣議が25日に変更。
国外逃亡中のタクシンの法律顧問、ノパドン元外相は、民主党幹部のステープが「政権打倒」を標榜していることを「国民によって選ばれた政府の転覆を目指している。」と厳しく批判。ノパドンは、ステープが恩赦案反対で抗議集会を始めながら、目的を政府打倒にすり替えたとも批判。また、「国政を担いたいなら選挙に出て当選する必要がある。」と述べ、「ステープらが適切な民主主義的手続きを踏まずに政権交代を画策している。」と指摘。
都内ラーチャダムヌン通で反政府集会を続けるデモ隊が出すゴミに、クルングテープ都庁が頭を抱えている。「大量のゴミの収集に時間がかかっており、都庁が設置したコンテナ約500個にゴミを捨ててほしい。」と呼びかけた。
23日までは1日平均147tだったが、デモ活動が活発化した24日には155tに上った。都庁は都内全50区から作業員を動員して、ゴミの収集作業に当たらせている。
11月25日(月)09時30分反タクシン派のデモ隊が反政府集会を行っていた都内の民主記念塔を出発し、徒歩と自動車で、テレビ局、軍司令部などへデモ行進を開始。約1万人(報道により数百~数千人規模)。
一部はアルンアマリン通の海軍本部、一部はウィパワディランシット通のタイ国営テレビ局NBTに向かった。デモ隊はこのほかに、チェーンワタナの政府庁舎、ドンムアンの空軍司令部、ラーマ1世通の警察本部、ラーマ4世通のテレビ局チャンネル3、パホンヨーティン通のテレビ局チャンネル5、テレビ局チャンネル7、ラーマ9世通のチャンネル9などにデモ行進する予定。
財務省予算局に向けてデモ行進を開始し、11時30分頃に到着。
野党民主党を中心とする反タクシン派はインラック政権の打倒などを掲げ、民主記念塔で座り込みの集会を続けている。数万人が参加。
13時40分
(報道により14時過ぎ)
デモ隊を歓迎する職員の姿も見られる中、職員によって正門が開かれ、民主党のステープ元副首相らが率いる反タクシン派のデモ隊約1000人が都内ラーマ6世通の財務省主計局のビルに乱入。ステープは「全ての建物、全ての階に入り込もう。だが、誰も傷つけても何も壊してもいけない。全ての建物は我々の税金で建てられたものだ。また、現政権のために職員が働くのを止めてもらうため今日から水道、電気は遮断する。」と宣言。
デモ隊は財務省の門の鍵を破壊し、敷地内の予算庁の一部などを占拠。ビルの電気系統を切断。これを受け、財務省職員のほとんどは業務を中断し帰宅。
また、15時15分頃、ステープの指示で、財務省に隣接する政府広報局の建物にデモ隊約600人が入り込んだほか、18時半頃に、別のデモ隊が外務省を占拠。財務省を占拠したデモ隊は夜になり人数が増え、警察の推計で約8000人。タイの財政、外交が麻痺する恐れが強まっている。
民主党はタクシン派インラック政権の打倒、タクシンの影響力排除などを訴え、11月04日から都内の民主記念塔で座り込みの反政府集会を続けて来た。25日は陸軍司令部やテレビ局などにデモ行進を行った。
クルングテープ都は、「国内治安法が適用中の地域の学校について、本日(25日)及び明日(26日)を臨時休校にする。」と発表。反政府グループによる抗議デモが活発化しており、安全上の問題から。
現在国内治安法は、プラナコーン区、ドゥシット区、ポーンプラーブ区の3区に適用中。
反政府派による大規模な抗議活動が、クルングテープ都内で深刻な交通渋滞を引き起こす恐れがあることから、スワンナプーム空港のラウィワン空港長はこのほど、自動車で空港に向かう場合は少なくとも3時間前に自宅やホテルを出るよう呼びかけた。
大規模な反政府集会が行われている場所の周辺以外でも渋滞が起きたり、タクシーが捕まりにくくなったりする可能性があるため。ラウィワン空港長は、「できるなら(空港線などの)公共輸送手段を使うようにしてほしい。」と述べている。
プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部は、反タクシン派(反政府派)が反政府活動をエスカレートさせたことを受けて、「(UDDが数日前からタクシン支持者の集会を行っている)都内ラチャマンカラ国立スタジアムに全国から市民が集まってくる予定。タクシン派は負けない。」と宣言。また、親・反タクシン派の衝突を懸念する声も出ているが、UDD幹部は「スタジアム内に留まる予定で、今のところ街頭デモなどは計画されていない。」と述べた。
反タクシン派が「タクシン支持派を重点的に取り上げている。」と批判してテレビ各局にデモ行進したことを受けて、タイ放送記者協会(TBJA)とタイ記者協会(TJA )は、「報道機関は政治集会に関するニュースを正しく伝えることで任務を全うしている。」と共同声明を発表。
民主党幹部のステープなどは、「テレビ局は反政府活動について正確かつ詳細な報道をしていない。」と不満を漏らしている。
これに対して両団体は、「経験あるリポーターなどが情報を収集しており、不正確な報道はあり得ない」と反論。両団体はまた、デモ隊に対し、暴力に訴えず、言論の自由を尊重するよう訴えた。
都内ラーチャダムヌン通などに集結していた反政府派市民が11月25日、財務省、外務省、政府広報局などの建物に入り込んたことを受け、インラック首相は、地上波テレビ全局を通じて演説し、治安当局の権限を強化する国内安全保障法をクルングテープ都全域と近隣のノンタブリー県全域、サムットプラカン県のバーンプリー郡(スワンナプーム国際空港周辺)、パトゥムタニー県のラートルムケーオ郡に発令したことを明らかに。適用期間は今年末まで。デモ隊の強制排除は否定し、国民に対し、違法なデモに参加しないよう呼びかけた。
国内安全保障法は軍主体の国内安全保障司令部(ISOC)に関係政府機関の動員、特定の建物、地域への進入禁止、外出禁止、集会禁止、移動禁止などの権限を与えるもので、10月09日から、首相府、国会などがある都内のドゥシット区、プラナコン区、ポープラープサトルーパーイ区の一部に発令。
また、インラック首相は25~27日に予定されている首相らの不信任決議案に関する審議で、質疑に自ら答弁する考えを明らかに。首相としては、国内治安法の適用地区拡大で「デモには屈しない。」との意思を示すともに、不信任案審議で信任を勝ち取ることで「現政権の正当性」を印象づけ、事態の沈静化を図るものと見られる。
与党が下院で多数を占めることから、不信任決議案が否決される可能性が高い。だが、民主党は、「不信任案審議で糾弾され不正を暴露されることで、同案が退けられても、政府の立場ますます弱いものなり、さらに追い詰められることになる。」としている。
一方、米国務省は、タイの情勢に懸念を示し、デモ隊、政府の双方に、暴力を回避し、法の支配を尊重するよう呼びかけた。また、報道関係者の安全を確保するよう求めた。
首相府近くで反政府デモを取材中のフリーランスのドイツ人記者が、参加者から「政府寄り」と名指しされて顔などを殴られ怪我。記者は数発殴られたあと、警官隊の背後に逃げ込んだという。
在タイ日本大使館は26日以降も反政府集会、デモ行進が行われるという情報があるとして、在タイ邦人、旅行者に対し、渋滞や不測の事態に備え、情報収集や安全確保に務めるよう呼びかけた。
インターネットの交流サイト(SNS)などではタクシン派、反タクシン派の双方の感情的なコメントが飛び交っている。
11月26日(火)午前反政府グループは、新たに4つの省庁を占拠すると宣言。タイ地元紙によると、同グループがターゲットとしている省庁は、運輸省、農業・協同組合省、観光・スポーツ省、内務省。同グループは現在、占拠した外務省施設や民主記念塔周辺を中心に活動を続けている。
25日に都内の財務省、予算庁、外務省、広報局を占拠した反タクシン反政府派のデモ隊はこのうち外務省から撤退。外務省は27日に業務を再開予定。

財務省を占拠している反政府デモ → 

デモ隊は財務省を反政府集会の拠点とする方針で、座り込みを続けている。
デモ隊は、観光スポーツ省、農業協同組合省、運輸省にも侵入を始め、3省の建物を占拠。
内務省にはデモ隊約8000人が押しかけ、内務省への電力供給を遮断、内務省職員に対し政府のために働くのを止めるよう呼び掛けた。
正門突破を阻止すべく国防ボランティア約1000人が警備する中、内務省側とデモ隊の交渉が行われ、デモ隊の代表が「内務副事務次官が政府のために働くのを止めると約束した。」と勝利宣言し、引き揚げを指示。
だが、交渉に参加した地方行政局局長は、「職員には問題が解決するまで自宅待機するよう伝えた。公務員は公務を遂行する義務があり、職務を停止するわけにはいかない。」と説明。
一方、国会では、インラック首相に対する不信任案審議が始まった。
ラチャダーピセーク刑事裁判所は、首都圏警察の要請に応じて、現在反政府グループを主導している民主党ステープに対する逮捕状を発付。ステープに対しては違法集会開催と政府施設不法侵入の容疑が掛けられている。
これに対してステープ元副首相は、デモ隊が座り込みを続ける財務省内で、「私は司法を尊重しており逃亡はしない。だが、『タクシン体制』をこの国から根絶するまで警察に出頭しない。」と明言。さらに「何が私に起きるかわからない。これが最後の言葉になるかもしれない。」と、「ステープの逮捕に反対する市民は抗議に参加してほしい。」と呼びかけた。騒乱罪などでステープの逮捕状を取った警察だが、ステープは多くの支持者に囲まれている上、インラック首相がデモ隊の強制排除を現時点では否定しており、逮捕は困難な状況。
クルングテープ都は、「反政府グループによる集会所付近の学校について、26日及び27日も引き続き臨時休校とする。」と発表。タイ地元紙によると、同グループによる集会が、引き続き民主記念塔等を中心に行われていることが理由。
ク都は、連日続く大規模な反政府集会を受け、今週月曜日から一部地域の学校を対象に臨時休校としている。
ステープ元幹事長が政府機関占拠に踏み切ったことに対して、最大野党の民主党内で、否定的な意見。
関係筋によれば、「アピシット党首、チュアン顧問団長(元党首、元首相)やクルングテープ都選出議員などは、『良い結果をもたらさない。』として官庁施設の占拠に納得していない。一方、南部(民主党の最大の支持基盤)出身の議員らは、ステープ(スラタニ県ー出身)を支持しており、占拠に反対を表明すれば、ステープを孤立させるとの懸念の声も出ている。」
コーン副党首は、デモ参加者に法律を順守するよう要請すると同時に、「インラック首相は『辞任も解散もしない。』と繰り返しているだけ。」と批判。問題解決に向けた政治決断を首相に迫った。
反タクシン・反政府デモを指揮する野党民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)は、デモ隊が占拠した財務省で演説し、デモを拡大し、全省庁を占拠するよう呼びかけた。政府を機能停止に追い込み、タクシン派インラック政権打倒を目指す。
ステープ元副首相はまた、タクシンの影響力排除を主張し、公正な選挙、汚職の撲滅、県知事を公選制とする地方自治拡大などを訴えた。
反タクシン派のデモ隊は25日に財務省、予算庁、外務省、広報局を占拠。26日には観光スポーツ省、運輸省、農業協同組合省に侵入し、内務省を包囲。
内務省は混乱を避けるため、27日は業務を中止する模様。財務省は27日から、クルングテープ北郊の政府総合庁舎に設けた臨時オフィスで業務を行う方針。
デモ隊は元々の集会場所である民主記念塔周辺に加え、財務省にもステージや無料の食事配給所、テントなどを設け、デモの長期化に備えている。参加者は合計で1万人以上と見られる。
国会では、インラック首相ら閣僚の不信任案審議が始まった。民主党は「タクシン財閥の関係者やタクシンと関係の深い元官僚が現政権で多数入閣している。」と指摘し、政権の私物化として批判。また、「事実上の米買い取り政策などで汚職が蔓延している。」と非難。
インラック首相はこうした批判を退け、「ステープ元副首相と話し合う用意がある。」と述べた。
反タクシン派のデモで、クルングテープの各所で渋滞が発生。渋滞を恐れた通勤・通学者が高架電車BTSに殺到した結果、BTSの運行が一時遅れる騒ぎも起きた。また、集会場所に近い学校20校以上が休校を余儀なくされている。民主記念塔に近い旅行者街のカオサン通では客室稼働率が急激に低下。財務省の占拠による予算執行の遅れも懸念される。
19時半頃警官隊と反政府デモ隊が対じする都内のマカワンランサン橋で、道路封鎖を行っている警官隊に、反政府デモ隊側から手製爆弾2発が投げ込まれた。爆弾はコンクリートのバリケードの前で爆発し、怪我人はなかった。
11月27日(水)反政府グループによるデモ集会が、民主記念塔を中心に行われている。一部グループが14省庁をはじめ、チェーンワタナ通の政府総合庁舎に移動している。
26日から、南部のトラン県、ソンクラー県、サトゥン県の県庁で反政府デモが始まった。

サトゥン県の反政府デモ → 

トラン県では27日朝、デモ隊約500人が県庁周辺に集まり、職員の出勤を阻んでいる。ソンクラー県では約100人が県庁への侵入を図ったが、警官隊に阻止された。サトゥン県では26日午後から、数百人が県庁の包囲を開始。県知事は27日、県庁の臨時休業を決め、職員を帰宅させた。
南部はクルングテープで大規模な反政府デモを行っている野党民主党の地盤。
10時半頃都心シーロム通の高架電車BTSサラデーン駅前に反政府デモ隊が集結を始めた。午前11時から、ラーマ1世通のタイ警察本部に向けデモ行進する見通し。
11時頃反政府デモ隊は、すでに占拠した財務省などに加え、工業省、商務省、エネルギー省など14の省にデモ行進する方針。
主力部隊は、クルングテープ北郊チェーンワタナ通の政府総合庁舎に迫り、ラクシー交差点などで渋滞が発生。

都内のウィパワディランシット通を行進するデモ隊 → 

反政府デモ隊は約10の政府機関にデモ行進し、職員に「現政権のための仕事」を止めるよう要求。業務を妨害し、行く先々で渋滞を引き起こした。
デモを行ったのはチェーンワタナ通の政府総合庁舎、法務省特別捜査局(DSI)、工業省、天然資源環境省、保健省、教育省、労働省、商務省、運輸省、社会開発人権保護省、科学技術省など。とりわけ反タクシン派から「政府寄り」と批判されていたDSIには、民主党幹部ステープ率いる約1万7000人が押し寄せた。
行進後、デモ参加者の多くは民主記念塔周辺と25日に占拠した財務省に引き上げたが、一部は政府総合庁舎に残った。18時時点で、デモ参加者の数は民主記念塔で約1万人、財務省で約3000人。
反政府デモは野党民主党の地盤である南部を中心に地方にも広がっている。27日に反政府デモが行われたのはトラン、ソンクラー県、サトゥン県、クラビー県、ナコンシータマラート県、ヤラー県、ラノーン県、パッタルン県、スラタニー県、プーケット県、パンガー県の南部各県と中部チャイナート県、カンチャナブリー県など。28日には国営企業の職員らもデモに加わるとみられる。デモが収束する道筋は今のところ見えていない。
インラック首相はデモ隊を指揮するステープ元副首相(元民主党幹事長)に対話を呼びかけているが、ステープ元副首相はインラック首相の兄であるタクシンの影響力根絶を掲げ、応じる様子を見せていない。過激化するデモ隊の動きに対し、インラック首相は全省の事務次官と対応を協議したあと、政府職員の仕事を妨害しないようデモ隊に要請し、「政府が力ずくでデモを止めさせることは絶対にない。」と明言。

カンチャナブリー県の反政府デモ → 

「ステープには騒乱罪などで逮捕状が出ているため、デモが終われば逮捕される可能性がある。また、政府と安易な妥協を図れば政治生命が絶たれるため、ステープとしては、行き先がわからなくても、行けるところまで行くしかない。」というのが実情。
その行き先だが、ステープは反政府デモで政府機能を麻痺させた後、様々な職種の代表からなる国民議会を発足させる構想を語っている。インラック首相を下院解散に追い込んでも、総選挙でまたタクシン派が勝利する可能性が高いため、こうした構想を打ち出したとみられるが、憲法を停止し、現在の民主主義国家のシステムを壊す必要があり、軍の協力を得ない限り、実現の可能性は低い。軍は2006年の軍事クーデターでタクシン政権を追放するなど、反タクシン派の最大の武器だった。しかし、過去1、2年でタクシンとの関係修復が進んだとみられ、今回のデモでは軍幹部が政府を牽制する発言はなく、少なくとも中立を保っている。
民主党はこれまで、反-親タクシン派の抗争で、国会と政府内に役割を限定してきた。今回初めて、本格的な街頭デモに乗り出したが、幹部のステープが非民主的な構想を打ち出したり、違法な省庁占拠に突っ走るなど、暴走気味の展開。アピシット党首(前首相)らとステープの意思疎通がどこまでとれているかも不透明で、事態を収拾するシナリオがあるのか疑問視される。
インラック首相は辞任も解散総選挙も否定している。ただ、デモが拡大して政府機能が麻ひし、解散総選挙に追い込まれる可能性はある。その場合、勝って政権を維持したとしても、反政府デモが再発し、問題解決につながらない恐れがある。
プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)のティーダ議長は、「11月30日に都内ラチャマンカラ国立競技場でさらに大規模な政府支持集会を決行する。」と宣言。複数の官庁施設にデモ隊を乱入させ、国を「破壊」しようとしているステープ元民主党議員に対抗するのが狙い。
ティーダ議長は、「反政府デモに参加している市民は、人民革命を望む人々と、民主的な選挙の結果を受け入れられない敗者に二分される。」と指摘。さらに、「非民主的な手段で変化をもたらそうとすることは国際社会も批判している。」として反政府デモに参加している者たちを「正気ではない。」と非難。
UDD幹部のチャトポンも、「反政府デモはこの2日のうちに終わる。ステープ(逮捕状の出ているデモ指導者)は死なずに生きていれば、逮捕される。」と述べて、タクシン派の勝利に自信を見せた。
寧賦魁駐タイ支那大使は、国会でインラック首相と会談。寧は反政府デモの拡大について懸念を示す一方、「政府が平和的な方法でデモに対処している。」と評価。「反政府勢力との対話を通じ、事態が収拾されることが望ましい。」という考えを伝えた。
タイ国営企業の労働者団体である国営企業職員連合は野党民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)らが主導する反政府デモに協力し、加盟員に対し、28、29日に休暇を取り、デモに参加するよう呼びかけた。タイ国営企業のタイ国際航空はこうした動きに対し、「一部の社員がデモに参加しても、旅客機の運航に支障は出ない。」と説明。
45の国営企業労組からなる組織、国営企業労働者関係連合(SERC)がこのほど、組合員が休暇を取って11月28~29日に反政府デモに参加の許可を決定。タイ国有鉄道(SRT)の労組も、「憲法に違反する形で憲法を改正しようとした。」と政府を非難。「政治改革を求める人々の抗議(反政府デモ)に参加する。」との声明を発表。
「国王の側近、プレム枢密院議長(93)が死去した。」との噂がネット上に流されたことに対し、プレム議長の側近、ピサヌ中将は、議長が自宅裏庭で散歩中の写真を公開し全面否定。
ピサヌ中将によれば、写真は25日に撮影されたもので、プレム議長は、09月に肺の手術を受けたばかりだが、体調に問題はない。ただ、プレム議長は反タクシン派とされることから、「噂は政治的なもの。」との見方も。
11月28日(木)26日から下院で行われたインラック首相とチャルポン内相を対象とする閣僚不信任審議の採決。インラック首相が反対297票、賛成134票、チャルポン内相が反対296票、賛成135票で信任。
野党民主党は不信任案審議で、「インラック政権の目玉政策である事実上の米買い取り制度が巨額の損失と膨大な在庫を生み出した。」と批判。「米買い取り制度を悪用した汚職が蔓延している。」とも主張。また、「洪水防止、潅漑に向けた総合治水事業で、政府がタイ国内の銀行から3500億Bを借り入れたものの、計画推進が大幅に遅れている。」と指摘。
インラック首相は「米買い取り制度で農家の収入が増え、所得格差が縮まった。」と主張。プア・タイ党を中心とする与党連合の支持で、危なげなく審議を乗り切った。
反政府デモ隊がクルングテープク北郊チェーンワタナ通の政府総合庁舎の一部を占拠。総合庁舎内にあり、外国人の査証延長手続きなどを担当するタイ警察入国管理課は、「ビザ関連のサービスは通常通り行っている。」と回答。
反タクシン派による反政府デモは、指導者のステープ元副首相が「様々な職種の代表からなる『人民議会』に国権を委ねる。」という構想を打ち出して、政府との対話を拒否し、膠着状態。
インラック首相は、テレビ演説を行い、「プミポン国王の誕生日(12月05日)が迫っている。」と指摘し、反タクシン派に対し、デモを中止し、対話に応じるよう呼びかけた。「人民議会」構想については、憲法上認められないと一蹴。
ステープ元副首相はこれに対し、対話を拒否。「インラック首相の辞任や下院解散では問題が解決しない。」と主張。「デモで政府機能を麻痺させた後、『人民議会』を設立し、タクシンの影響力の完全排除を図る。」という戦略を改めて示した。
民主党は、首相・内相の不信任決議案が否決されたことを受けて今後の対応を協議。反政府デモへの対応を協議した。その結果、「タクシン体制」排除を目指して反政府活動に参加するとともに、党独自の反政府キャンペーンを展開する方針を明らかに。 アピシット党首は、「不信任案は否決されたが、国民は(恩赦によって)悪人を免罪しようとしたことを許してはいない。責任を免れることはできない。」と指摘。上院議員関連改憲案を違憲とした憲法裁判決を政府が拒絶すると表明したことについて、「インラック政権は正当性を失った。政権の存続を許すことはできない。」との考えを明らかに。
前政権で自分が首相、党首、ステープ元副首相が治安担当の副首相、党幹事長という立場であったアピシット党首はステープ元副首相に同調して、党の下院議員を反政府集会に参加させる方針を決めた。民主党はステープ元副首相が繰り広げる「非民主的」で「非合法」の恐れがある活動に片足を突っ込んだ形。
一方、アピシット政権で財務相を務めたコーン前民主党副党首はデモ隊による省庁占拠やステープ元副首相の構想を批判。ステープ元副首相らと袂を分かった。
反政府デモ隊は、都内の民主記念塔での反政府集会と、財務省、予算庁の占拠、クルングテープ郊外の政府総合庁舎の一部占拠を継続。都内ラーマ1世通の警察本部、サナームチャイ通の国防省などにデモ行進。
都心部ラーチャプラソン地区にある国家警察本部前で集会。警察本部前には約3000人(報道により1000~2000人)が詰めかけ、建物への電力供給を遮断。現場は中心部ということもあり、周辺地域は大渋滞となった。
また、民主党の地盤である南部では、スラタニー県、ナコンシータマラート県、ラノーン県、パッタルン県の県庁が反政府デモで業務を中止。東部ラヨーン県、北部ピッサヌローク県、ウタラディット県、ピチット県、カンジャナブリー県などでも数百人規模の反政府デモ。
マハサラカム県ムアン郡(県庁所在地)で反政府派が集会を行っていたところ、ピックアップトラック2台で駆けつけた政府派市民のうちの女が旗竿を振り回して反政府派の数人を負傷させた。すぐに警察官が割って入ったため大事には至らなかった。
また、パトゥムタニー県の県庁舎近くで反政府派の約100人に対し、政府派の約200人が罵声を浴びせ、ペットボトルなどを投げつけた。警察が間に入ったため衝突は避けられた。
著名な歴史学者ニティーなどからなる学者グループが、現在の政治的混乱を解消する手段として、憲法の全面書き換えと下院解散の是非を問う国民投票を実施するよう政府に提案。
ニティーによれば、「政府は現状を打開するために国民に判断を委ねる必要がある。国民投票は議会制民主主義を維持するためのものであり、反政府派はこれを拒否すれば、支持を失う。」また、ニティーは、「国民の多くが、選挙によって公正な結果がもたらされるとは考えていない。」、「下院を解散するだけでは問題は解決しない。」との見解を明らかにした。さらに、ニティーは、デモ指導者ステープ提案の「人民議会」を「漠然としていて実現は困難。」。「振り出しに戻るだけかもしれないが、憲法起草委員会が憲法を全面的に書き換える方が良い。」
11月29日(金)正午頃野党民主党のアピシット党首(前首相)、コーン前副党首(元財務相)が率いる反タクシン・反政府派のデモ隊が高架電車BTSアソーク駅前に集結し、スクムビット通を経由してウィタユー通の米国大使館まで行進。
デモ隊は1000人以上で、大使館の担当者に今回のデモの趣旨を説明する手紙を手渡した。14時現在、ウィタユー通は上下線とも通行できない状態。ウィタユー通には日本大使館もある。
正午過ぎ反タクシン・反政府派のデモ隊数百人が都内ペッブリタットマイ通のタクシン派与党プア・タイ党本部前で抗議集会。デモ隊は14時過ぎ、撤収を開始し占拠中の拠点である財務省に向かった。
反タクシン・反政府派のデモ隊数百人が都内ラーチャダムヌンノーク通のタイ陸軍司令部の敷地に侵入。兵士との衝突は起きていない。プラユット陸軍司令官はデモ隊から陳情書を受け取った後、敷地内から立ち去るよう求めた。

陸軍司令部に侵入したデモ隊 → 

プラユット陸軍司令官は、反政府デモ隊が陸軍本部の敷地内に入り込んで反政府活動への参加を軍部に呼びかけたことに対し、中立の姿勢を再確認。「軍部を政治対立に引き込むべきではない。平和的な解決策を見つけてほしい。」と要請し、「軍は君主と国民全体のために存在している。」と述べた。
軍部は2006年09月に反政府派に味方する形でクーデターを起こして当時のタクシン政権を倒しており、今回の政治対立でも反政府派の一部から軍部の役割に期待する声が出ている。しかし、関係筋によれば、「クーデター以降も政治対立は解消されず、また、タクシン派などが執拗な軍部批判を続けており、軍部は政治問題への介入に何もメリットを感じていない。このため、軍部がクーデターに踏み切ることは考えにくい。」
都内各地で反政府グループによるデモ集会の影響で、一部の学校が臨時休校に追い込まれていたが、一部地区の学校を除いて再開。集会現場に近いプラナコーン区、ドゥシット区、ポーンプラーブ区の学校に対して、休校措置が取られていたが、休校長期化による学生らへの影響を考慮し、一部の学校を除いて休校が解除され、授業が再開。
反タクシン派のデモ隊を率いるステープ元副首相は、「12月01日にデモ隊が都内のタイ首相府、警察本部、労働省、商務省、外務省などを占拠し、02日には国営企業職員がストライキを実行し、政府を崩壊させる。」と、全ての政府機関と主要国営企業を占拠する計画を明らかに。「ゴールはインラック政権を麻痺させること。」と改めて強調。「12月01日には勝利宣言ができる。」と自信を示した。同時に、「立憲君主制下の絶対的民主主義のための人民委員会」の設置を宣言し、自ら同委員会の事務局長を務める意向を表明。
これに対し、プラチャー副首相はテレビ放送を通じて、「ステープがやろうとしていることは法律違反。将来的に国にどれほどの損失をもたらすかわからない。」と批判。市民に反政府デモに参加しないよう呼びかけた。
政府は首相府周辺の警備を固めており、デモ隊と警官隊が衝突する可能性が出てきた。一方、2010年に都心を占拠したタクシン派市民団体は政府の防衛に乗り出す構え。28日にはバンコク郊外のパトゥムタニ県でタクシン派、反タクシン派の市民がにらみ合い、一触即発となった。
反タクシン派は、都内の民主記念塔周辺で反政府集会を続けているほか、財務省を占拠。郊外の政府総合庁舎も一部占拠し、政府職員に対し、12月02日から出勤しないよう呼びかけている。総合庁舎には外国人のビザ関連部署がある。また、労働省、商務省、外務省などが占拠されれば、外国人の労働許可取得、会社登記、輸出入などの手続きに支障が出る見通し。
11月30日(土)デモ隊は拠点として占拠を続ける政府合同庁舎や財務省などから首相府や国家警察本部、外務省、内務省など計10ケ所に向かう模様。主導する民主党のステープ元副首相は、首相府などを占拠し「12月01日を勝利の日とする。」と宣言している。
テレビ報道によると、反タクシン派のデモ隊が都内チェーンワタナー通の国営通信会社CATテレコムのビルを占拠して電気を切り、多数のウェブサイトが閲覧できない状況。
クルングテープ都バンカピ区ラムカムヘン通のラムカムヘン大学近くで、反タクシン派が、タクシン派の乗ったタクシーや路線バスを角材などで壊す事態となり、双方に負傷者。両派合わせて3000人程度が衝突に関わったと見られている。
30日夜~01日未明タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)約4万人がクルングテープ郊外のラチャマンカラ競技場に集結。反タクシン派が攻勢を強める一方、タクシン支持派もクルングテープに大量動員しているが、その拠点となっているのが、ラムカムヘン大学に隣接するラチャマンカラ国立競技場。
都内のラムカムヘン大学周辺(ラチャマンカラ国立競技場周辺)で反タクシン派の学生らと衝突。反タクシン派の学生、職業訓練校生とタクシン派市民(報道により、何者かが)が銃を撃ち合うなどし、4人が死亡、60人以上(報道により50人以上)が負傷。都内のラムカムヘン大学構内で発砲や小競り合いで学生1人が死亡したのが、一連のデモに関連した初の死者と見られる。周辺地区はタクシン派市民が乗ったバス、タクシーを反タクシン派市民が襲撃するなど混乱状態になり、バスが放火され、炎上。
デモ隊が複数の政府機関ビルに突入したことを受け、軍要員2000人が出動していた。政府はラムカムヘン通の一部が閉鎖。
12月01日(日)朝都内のラチャマンカラ国立スタジアムで大規模な集会を行っていた政権党プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)は、集会中止を決定。支持者に帰宅するよう呼びかけた。

両派の衝突から逃げまどうラムカムヘン大学の学生達 → 

UDDは、反政府派がバンコクで活動を活発化させているのに対抗して、約7万人を動員していた。だが、両派が衝突し、UDD派3人と大学生1人が死亡。
ティーダUDD議長によれば、「集会を継続すれば事態が複雑化し、政府を困難な状況に追い込みかねない。」と散会を決断
反タクシン派のデモ隊数千人が都内の警察本部前、地上波テレビ局などでデモ。政府庁舎(首相府)と首都圏警察本部を占拠しようとしたことから、警察がデモ参加者に向けて催涙弾を発射する事態。政府機関が占拠されれば、政府と警察の機能に深刻な影響が及ぶことから、警察は催涙弾の使用に踏み切ったもの。
都心のショッピングセンター(SC)、セントラルワールド、サイアムパラゴン、サイアムセンター、サイアムディスカバリーは01日、臨時休館。周辺で大規模な反政府デモが起きているため。周辺一帯をつなぐ高架歩道スカイウォークも閉鎖。
「タクシン体制の根絶」を目標に掲げる反タクシン派デモ隊は首相府や国家警察本部、首都圏警察本部などに向かった。首相府近くに築かれたバリケード前では数千人のデモ隊が警官隊と対峙。警官隊は、バリケードの突破を図ろうとするデモ隊に向けて催涙弾を発射したり放水したりした。
デモ隊は内務省の敷地内に入ったほか、「報道が中立でない。」として国営タイ放送(NBT)など各テレビ局に押し掛けた。首相府、警察への侵入は催涙ガス弾などで阻止されたが、テレビ局への侵入は成功し、国営テレビ局の放送が一時中断。タイのジャーナリスト団体は反タクシン派の行動を非難する声明。
反タクシン派のデモ隊は国旗を振り、笛を吹き鳴らし、デモ会場周辺は騒音に包まれた。ただ、クルングテープの大部分は平穏。通常通り、食事や買い物を楽しむ姿が見られた。
ゲストハウスが軒を並べるクルングテープ都内のカオサン通ビジネス協会のサンガ会長は、「反政府デモが長引き、国内治安法が解除されなければ、大晦日のカウントダウンイベントを中止せざるを得ない。」と述べた。カオサンは外国人バックパッカーの人気スポットで、カウントダウンが恒例行事となっている。
サンガ会長は、「デモ(によって騒然とした状態)が続くようであれば、観光客も集まらない。(国内治安法適用に伴う)道路の通行規制も(カウントダウン実施には)非常に不都合。」としている。
反タクシン派のデモ隊を率いる民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)は、テレビ放送を通じて、声明を発表。デモ継続の考えを示し、「インラック首相、陸海空3軍の司令官と会談した。」と述べた。具体的には、議会に代わる「人民評議会(人民民主改革委員会(PDRC))」の設置や、2日以内にインラック政権に代わる「人民政府」への権力委譲を要求。
ステープは、「インラックに退陣することを要求し、デモの継続を伝えた。」と発表。 和解に向けた会談ならず、「今後現政権を打倒するまでインラック首相に会うことはないだろう。」と語った。
ステープによると、「人民評議会がその後、理想的な民主主義システムを構築したあとに選挙を実施するものだが、インラック首相は返答しなかった。プラユット陸軍司令官は、『国軍はタイ(国民全体)の側に立つ。国民が死傷するのを見たくない。』と述べた。」
また、ステープは、「02日を政府官庁の公休日とする。」と宣言。さらに「メディアに我々の側につくよう要求する。」と述べ、各放送局に政府番組の放送を中止し、ステープらが新たに結成した「人民民主改革委員会(PDRC)」の声明を生中継するよう求めた。
インラック首相(46)とデモ隊を指揮する野党民主党のステープ元副首相(64)は、軍の仲介で直接話し合ったが、物別れに終わった。
ステープ元副首相はタイ最古の政党である民主党の幹事長を2011年まで8年間務め、運輸相などを歴任した大物政治家。今回のデモでは、タクシンの影響力根絶、汚職撲滅、公正な選挙などを訴え、反タクシン派市民の支持を得ている。ただ、本人は過去に様々な汚職疑惑が浮上した灰色政治家で、ここへ来て街頭デモに乗り出した真意は不明。 タクシン派、反タクシン派の抗争でキャスティングボートを握る軍はこれまでのところ「中立」を標榜している。政府と反政府デモ隊の間で軍が中立とは不可解に見えるが、タイ軍は長年にわたり政権を担当した独立した勢力で、文民統制は機能していない。
現在のタイ軍の最高実力者であるプラユット陸軍司令官は2010年のタクシン派デモ鎮圧を指揮し、王党派、反タクシン派とみられる。ただ、2011年のインラック政権発足後、タクシンの妹であるインラック首相と比較的良好な関係を維持してきた。今回のデモでは、警察に催涙ガス弾の発射を抑制するよう求め、衝突現場に軍の医療チームを派遣するなどした。
反政府デモ隊と政府が膠着状態となる中、タイは05日、プミポン国王(85)の誕生日を迎える。国王は例年、誕生日前夜に演説し、時の政治・経済状況を批評した。過去数年は体調不良のため、演説を行っていない。タイ国民の多くはプミポン国王を「国父」として深く敬愛している。今回の反政府デモ参加者はタクシンを反王室の「国賊」と認識し、民主主義や法治より、国王と敵対する「国賊退治」がはるかに重要と考えている人が多い。
反タクシンの傾向は、教育や、軍事政権・政府がコントロールするマスメディアに触れる機会が比較的多かったクルングテープなどで強い。比較的少なかった東北地方では、低額医療などの実利をもたらしたタクシンへの支持が依然として強い。
デモの激化を受けて治安担当のプラチャー副首相は、テレビを通じて国民に向けて声明。午後10時から02日午前05時まで外出しようないよう促した。政府当局者は「インラック首相は国家警察本部で状況を注視している。」と述べた。
バンコク日本人学校は02日、不測の事態に備え臨時休校。12月05日がプミポン国王誕生日の祝日。この日までの解決が1つの分岐点になる。
一方、11月30日夜から01日未明にかけ、タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)と反タクシン派の学生らが衝突し、プラチャー副首相らによると、「UDDのメンバーら3人が死亡、50人以上が負傷。」(報道により、死者は4人、負傷者は約60人。)
12月02日(月)シーアユタヤ通の首都圏警察前では警官隊がデモ隊に放水したり、催涙ガス弾を発射するなど衝突。デモ隊はこのほかに、首相府に向けピッサヌローク通に集結しているほか、ラーマ1世通の警察本部前、タイ内務省前(アサダン通)などでもデモを行っている。また、ラーマ6世通の財務省、チェーンワタナ通の政府総合庁舎、民主記念塔周辺の占拠を継続している。デモ隊の人数は首都警察前が約1000人、ピッサヌローク通が約500人。

首都圏警察周辺 → 

保健省は、午前08時までの政治集会に絡んだ衝突による負傷者数が127人となったことを明らかに。
このうち死亡者は3人、入院者は29人。負傷者の多くが催涙弾によるもの。
インラック首相は、政治危機を打開するために辞任するか下院を解散する用意があると述べたものの、「人民評議会」を設置するという反政府デモ指導者ステープの要求にはついては「憲法下では不可能。」と拒否する考えを改めて示した。
一方、ステープは、デモ隊による首都圏警察本部占拠が成功していないことから、自ら全てのデモ隊を率いて同本部占拠に乗り出す考えを明らかに。ステープは、「政府は警察から強力なサポートを受けており、12月05日の国王誕生日までに『タクシン体制』を駆逐することができない。(同体制打倒の)デッドラインを先延ばしすることにした。」と述べた。
反タクシン派の市民による反政府デモがあり、首相府や首都圏警察の周辺で数千人のデモ隊と警官隊が衝突。
警官隊はコンクリートや鉄条網のバリケードを築いて防備を固め、突入を図ったデモ隊を放水、催涙ガス弾で押し戻した。デモ隊は目標としていた首相府などの占拠に失敗し、夜になり、反政府集会が行われている民主記念塔周辺などに撤退。衝突による怪我人は約80人。
タイ政府によると、02日夜の時点で反政府集会が行われているのは、民主記念塔周辺、財務省(ラーマ6世通)、政府総合庁舎(チェーンワタナ通)、首都警察(シーアユタヤ通)周辺、マカワンランサン橋など。11月30日から12月01日にタクシン派市民と反タクシン派の学生らが衝突して死傷者が出たラムカムヘン大学周辺は、タクシン派が撤収したこともあり、02日は大きなトラブルはなかった。 反政府デモは地方にも広がり、02日は北部ピッサヌローク県、ペチャブン県の県庁が閉鎖された。
刑事裁判所は、反政府グループを主導者らに対し、国家反逆罪容疑で逮捕状の発行を承認。逮捕状が発行されたのはステープ、ウタイ、ニティトーン、ピシット、ラッチャユットの5人。国家反逆罪は、最も厳しいもので死刑となる。
クルングテープ都は、反政府グループによる集会所近くの学校について、臨時休校を決定。休校となるのは、ドゥシット区、ポーンプラーブ区、プラナコーン区内の24校。先週土曜日から反政府グループによる抗議デモが激化し、情勢が悪化している。
諸大学の学長や学識経験者らが、現在の政治危機を解決する手段として、下院の解散と、国民参加の国家改革を可能にするメカニズムの構築を要求。
タマサート大学のソムキット学長は、「下院解散が、許容できる暫定政権の樹立、国民参加の国家改革を可能にする中立機関の設置につながる。政府に残された選択肢は、強硬姿勢、首相辞任、下院解散の3つ。また、強硬姿勢をとり続けて武力に訴えることになれば政権はもたない。首相が辞任してもプア・タイ党が政権の座にある限り反対派は納得しない。このため、現状では下院解散が最善の選択肢。」
軍関係筋によれば、「政府と反政府派が互いに譲歩する姿勢を見せず、出口が見えない状況が続いていることから、軍部内では、『現状打開のため軍人が仲介役を務めるべき。』との声も聞かれる。」
軍部は過去に政権打倒という形で政治に介入したことがある。このため、現在、軍部による政治介入を期待する意見も出ている。だが、「仲介案」は、政府と反政府派が信頼できる軍人に「国民評議会」設置に向けて現行憲法廃止と新憲法制定を委ねるというもの。
筋は、「これまでのクーデターとは全く同じではない。」また、催涙弾で負傷したデモ隊を兵士が助ける場面が見受けられていることから、「軍部は反政府派寄り」との指摘もあるが、陸軍副報道官は、「人道的な立場から救助したに過ぎない。」
日本人会は今月14日に開催を予定していた「日タイ交流ラムウォン盆踊り大会」を中止。クルングテープの反政府デモで死傷者が出るなど治安状況が悪化しているため。
12月03日(火)タイ警察は、過去2日間、警官隊とデモ隊の衝突が続いた都内の首相府周辺と首都圏警察周辺で警備を解き、デモ隊を周辺地区を開放。警察は催涙ガスの発射を中止し、コンクリートのバリケードと鉄条網の一部を自ら撤去。これを受け、デモ隊は午後02時までに首相府に侵入。周辺では警官とデモ参加者が握手したり抱き合う光景も見られた。デモ隊は、勝利宣言を発表し現場から立ち去った。
「05日のプミポン国王誕生日を前に、事態の沈静化を図り」一時休戦となった。また、軍の最高実力者であるプラユット陸軍司令官が催涙ガスの使用に難色を示したことが影響した可能性がある。
カムロンウィット首都圏警察長官は、「デモ隊と警官隊の双方に死傷者が出るのを見たくなかった。」と緊張緩和に動いた。
デモを指揮する野党民主党のステープ元副首相は02日夜、「いい知らせをもたらせるだろう」と述べ、数時間姿を消し、20時30分頃から演説を行ったが、特に新しい知らせはなかった。ただ、この数時間の間に、ステープ元副首相と政府、軍、警察の話し合いで何らかの合意がなされた可能性もある。ステープ元副首相は2008~2011年に治安担当の副首相を務め、プラユット陸軍司令官、アドゥン警察長官らは当時の部下。
一方、タイ当局は、デモ隊が占拠する都内の民主記念塔と郊外の政府総合庁舎の上空にヘリコプターを飛ばし、ステープ元副首相の逮捕状のコピーを空中から撒いた。反タクシン派はデモの人数を増やし、逮捕を阻止する構え。
午後反タクシン・反政府デモを指揮する野党民主党のステープ元副首相は、デモ隊が占拠しているクルングテープ郊外のタイ政府総合庁舎で演説し、「今後も反政府デモを継続、拡大する。」と宣言。
ステープ元副首相は、「タクシンの妹であるインラック首相が下院を解散したとしても、プア・タイ党が票買収で総選挙に勝利するだけだ。」と主張。デモ隊による政府機関の占拠で行政府、立法府を麻痺させ、権力を掌握する方針を改めて示した。
デモ隊は政府総合庁舎のほか、都内の民主記念塔周辺、財務省を占拠。03日には警官隊の抵抗中止を受け、首相府も攻め落とした。
タイの経済界などからは解散総選挙による事態の収拾を望む声が出ているが、ステープがあくまで超法規的な権力掌握を主張しているため、政府は打つ手がない状況。
反政府デモの指導者、ステープ元民主党議員は、クルングテープ都ラクシー区の政府総合庁舎で、「人民評議会は憲法に則って設置することができる。」と主張。「タクシンの影響力とインラック政権を排除したあと、憲法3条に基づいて、国民のあらゆる階層の代表から構成され、議会として機能する人民評議会を設置することで主権を国民に戻す。次に憲法7条のもとで、評議会が選んだ中立の人物を首相とするは暫定政権を設置し、評議会の打ち出した政治改革案を実行に移す。政治改革が実現されたら評議会の役割は終わり、総選挙を実施する。」としている。
ただ、憲法7条に基づいた、国王による首相指名については、これまでにも政治的混乱の打開策として提案され、「民主主義を破壊し、時代に逆行するもの。」といった厳しい批判を浴びた経緯がある。
タクシン(64)の義弟のソムチャーイ(66)ら政治家109人に対する5年間の公民権停止処分が02日に解け、このうちソムチャーイ、タクシンの法律顧問を務めたノパドン元外相(52)ら6人が、タクシン派与党ププア・タイ党に入党手続き。ソムチャイは、妻がタクシンの妹で、タクシンの義理の弟。
2008年12月にタクシン派与党パランプラチャーチョン党など3政党の役員109人は、憲法裁判所が選挙違反を理由に解党し、公民権が停止された。判決当時、タイはソムチャーイ政権に反対する反タクシン派のデモ隊数千人が都内の首相府、クルングテープ郊外のスワンナプーム空港とドンムアン空港を占拠し、混乱状態に陥っていた。窮地に追い込まれたソムチャーイ政権は憲法裁の解党判決で崩壊。その後、反タクシン派の野党民主党とソムチャーイ政権に加わっていた中小政党が軍基地内で密談し、アピシット民主党党首を首班とする民主党連立政権の発足が決まった。タクシン派はこの時の判決を「司法クーデター」と呼び、憲法裁を批判。
憲法裁はこの判決以前も以降も一貫してタクシン派に不利な判決を下し続けている。先月20日には、プア・タイ党がまとめた上院の全議席を公選制とする憲法改正案を違憲として葬り去り、プア・タイ党が判決の受け入れ拒否を表明する異例の事態となった。
ティラット政府報道官によれば、反政府デモ指導者のステープの「人民評議会」設置を要求に対して、インラック首相はこのほど、ポンテープ副首相とチャイカセム法相に対し、政治危機の打開策を法律専門家と協議するよう指示。ポンテープ副首相らが法律専門家や学識経験者が、開催される公開討論会やセミナーで、打開策を話し合う予定。 ただ、インラック首相は、「現行の民主主義の枠組みでは機能しない。」と「人民評議会」に否定的な立場。
タイ調査開発研究所(TDRI)のソムキアット所長は、「10年に及ぶ政治対立に終止符を打つことは期待できないものの、街頭デモを一時的にせよ和らげることできる。」として、改めてインラック首相に解散総選挙を要求。
12月04日(水)エラワンセンターの発表によると、先月30日から今月03日までの警察と反政府グループによる衝突事件による死傷者数が277人。このうち4人が死亡、37人が現在も入院治療中。
05日はプミポン国王誕生日で祝日。86歳となる国王はこの日、滞在中の南部プラジュアブキリカン県フアヒンのクライカンウォン宮殿で、シリキット王妃とともに、王族、閣僚、国会議長、最高裁長官らの参賀を受ける。参賀の様子はテレビで中継される。
反政府デモも05日は中止される見通し。ステープは、王の誕生日を祝うため、「04、05日の2日間活動を自粛する。」と語っている。、民主記念塔や一部公的機関で集会。デモ会場の1つである民主記念塔周辺では、クルングテープ都庁の清掃員やデモ参加者らが掃除を行った。フアヒン周辺の道路でも清掃が行われた。
国王は2009年から都内のタイ国立シリラート病院に長期入院していたが、今年8月1日に退院し、クライカンウォン宮殿で暮らしている。外出の際には車椅子を利用している。
2008年12月に憲法裁判所により解党された政党、チャート・タイ党の元役員43人に対する5年間の公民権停止処分が02日に解除され、このうちバンハーン元首相(81)ら14人が、チャート・タイ党の後継政党であるチャート・タイ・パタナー党に入党。
チャート・タイ党は2008年当時、タクシン派のパランプラチャーチョン党と連立政権を組んでいた。憲法裁が「選挙違反」を理由に両党を解党したことで崩壊。
チャート・タイ党の党首だったバンハーンはその後、チャート・タイ・パタナー党を立ち上げ、党首に弟のチュムポンを据えた。チャート・タイ・パタナー党は2011年に発足したタクシン派インラック政権に参加、チュムポンが副首相兼観光スポーツ相。チュムポンは在職中の今年01月、心臓病で死去。

* バンハーン・シラパアーチャー(馬徳祥)

1932年、スパンブリー県生。支那華僑の2代目。建設、運送などで財を成した後、政界入りし、1995~1996年に首相を務めた。1990年代のニックネームは抜群の資金力から「歩くATM」。巧みな政界遊泳術で知られ、「鰻」とも呼ばれる。
都内ラーマ1世通の警察本部前に反タクシン・反政府派の市民約2000人が集結し、一部が警察敷地への侵入を試みた。現場はショッピングセンターが立ち並ぶクルングテープ一のショッピング街で、周辺の道路交通が麻痺。
反政府デモ隊はプミポン国王誕生日の05日も、政府総合庁舎などの占拠を継続。ただ、警察本部前などでの反政府集会、デモ行進は行わない。また、06日朝からデモを再開する。
04日午後の時点でデモ隊が占拠しているのは政府総合庁舎(チェーンワタナ通)、財務省(ラーマ6世通)、民主記念塔(ラチャダムヌンクラーン通)周辺、マカワンランサン橋(ラチャダムヌンノーク通)周辺。また、デモ隊の1団がタイ首相府横(ピッサヌローク通)に集会場を設けた。
カセサート大学で開催されたセミナーで、反政府デモ指導者ステープが「人民評議会」を設置して議会の役割を担わせるなどとしていることに、「民主主義を汚すもので、内戦を引き起こしかねない。」といった批判が相次いだ。
タマサート大学のナカリン副学長は、「人民評議会設置案は夢物語。現実では機能しない。政治対立のさらなる激化を回避する手段は首相による下院解散しかない。」と指摘。 また、王立研究所道徳政治学アカデミーのコウィットは、ステープが現行憲法下で「人民評議会」設置などが可能としていることに対し、「憲法の拡大解釈を許すものであり、その結果として多くの問題が発生する。」と批判。
チュラロンコーン大学政治学部のプラパットは、中南米で起きた政変を例に挙げて、「人民評議会を設置しようという試みがあったが、特定グループが政権を奪取しようとしたもので、結局失敗に終わった。」と述べた。また、ステープ案を「貴族政治を復活させるようなもの。暴力を招くだけで、受け入れ難い。」との見解を明らかにした。
プア・タイ党のチャルポン党首(内相)は、反政府デモの指導者ステープ元副首相が憲法7条に基づいた国王による首相指名などを求めていることに対し、「インラックが首相職にあり、何も罪を犯していない。」と述べ、現段階での首相指名は憲法違反との考えを明らかに。
チャルポン党首は、政府が最大限譲歩したとしても、できることは解散・総選挙のみで、ステープの案は机上の空論と指摘。「政治闘争は、政策・現実的な実績・原則・正当性によって決着をつけるべきもの。選挙で負けた者が選挙結果を不満だからといって否定することはできない。」と、ステープを批判。
12月05日(木)プミポン国王が86歳の誕生日を迎え、南部プラジュアブキリカン県フアヒンのクライカンウォン宮殿で祝賀式典。国王は宮殿内のホールの壇上に座り、直立した王族、政府高官、軍幹部らの参賀を受けた。ワチラロンコン王太子、インラック首相、ソムサック下院議長、タナサック国軍最高司令官が祝辞を読んだ後、演説し、国民に対し、国家の安全、安定のため、それぞれの義務を遂行するよう呼びかけた。
多数の市民が歩行者天国となった離宮前の大通りでお誕生日を祝う一方、反政府デモ隊が拠点とする都内ラーチャダムヌン通でも、抗議活動が一時中止され、祝賀行事が執り行われた。
プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のウェーン議員によれば、政府支持派はに中部アユタヤ県で大規模集会を開催する予定。UDDは支持者を動員して都内ラチャマンカラ国立スタジアムで大規模な政府支持集会を行っていたが、何者かによる発砲で死傷者が出たことから集会を中止していた。クルングテープから離れたアユタヤを会場に選んだのは、反政府派との衝突を回避するため。
タイ大学長評議会(CUPT)が反政府派の意向に沿う形で、「中立的な暫定政権の樹立」を求める声明を発表したことに対し、大学講師など135人が、「憲法の精神に反する。」、「大学の職員や学生の意見に耳を傾けていない。」、「CUPTは政治的に中立であるべきであるほか、声明は学長らが独断で発表したもので、大学の総意ではない。」などと批判。
反政府デモの指導者ステープが求めている「人民評議会」設置案に、反政府派から「よくわからない。」といった疑問の声。あるデモ参加者は、「評議会を設置するとしているが、具体的にどうするつもりなのかわからない。このような機関の設置を可能とする法律はない。ステープはどうやって設置するつもりなのか詳しく説明する必要がある。」、「反政府デモの勢いを削ぐことにはならないだろう。」と付け加えた。
夜~06日未明都内の反政府デモ会場2ケ所で発砲・爆発事件があり、3人が重軽傷。
デモ隊が座り込みの反政府集会を続けている民主記念塔では06日04時半頃、バイクに乗った若者十数人とデモ参加者が乱闘になり、若者が投げた手製爆弾が爆発して、デモ参加者の男性1人(35)が重傷。また、若者1人(18)が刃物で刺され怪我。
デモ隊が占拠した財務省では05日23時半頃、手製爆弾が投げ込まれた後、銃撃。デモ参加者1人が被弾、負傷。
12月06日(金)04時過ぎ都内ラーチャダムナーン通のコークウア交差点近くで、反政府グループと若者グループが衝突し負傷者。
反政府グループの集会場に若者グループが侵入しようとしたため、反政府グループの警備隊と若者グループが衝突。ピンポン爆弾が使用され、2人が負傷。事件後、若者グループは現場から逃走。
インラック首相は、首相府で、サミュエル・ロックリア米太平洋軍司令官、クリスティー・ケニー駐タイ米国大使と会談。クルングテープで続く反政府デモについて、ロックリア司令官はタイ政府の抑制的、非暴力的な対処を支持。ケニー大使は今後も状況を注視していく考え。
インラック首相は反政府デモに対処するため、12月に予定していた外遊を全て取り止め。12月08~10日にロシア、12月11日に東南アジア競技大会の開会式に出席するためピルマを、12月12~15日に日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議に出席するため日本を訪問する予定だった。日・ASEAN特別首脳会議にはニワッタムロン副首相兼商務相が代理で出席。
反政府デモ指導者のステープはデモ隊が拠点としている政府総合庁舎で、09日を決戦の日として最後の反政府活動に打って出る考えを明らかに。ステープには政府機関への不法侵入などの容疑で逮捕状が出ている。ステープは、「最後の戦いで私が負けたら、降参して警察に出頭する。」と明言。
ステープによれば、「決戦」の具体的スケジュールは、09日午前09時39分に政府庁舎(首相府)に向けて、地方では県庁舎に向けて一斉にデモ行進を開始。また、「月曜日の朝はデモ隊がクルングテープの道路に繰り出し、交通渋滞が予想される。デモに参加しない市民は、外出せずに家に留まっていてほしい。」と述べた。
12月07日(土)反政府デモ指導者のステープは、「09日の最終決戦でインラック政権を退陣に追い込むことができたら、憲法改正の是非を問う国民投票を実施する。」と明言。
また、政府サイドはもとより、反政府派の一部や学者らから「非民主的」といった批判が出ている「人民評議会」について、「(人民評議会が議会の役割を担うのは)改正憲法が制定されるまでの暫定措置」と説明。
このほか、ステープが委員長を務める「人民民主改革委員会(PDRC)」の広報担当エーカナットは、「(09日の)最終決戦の参加者が少数にとどまった場合、PDRC首脳は反政府デモをやめるだろう。」と述べた。エーカナットによれば、最終決戦に大勢の市民が参加すれば、政府に変化を生じさせることができる。一方、参加者が少ない場合、逮捕状の出ているPDRC首脳は警察に出頭する見通し。
民主党の広報担当チャワノンは、「当局が反政府デモに強硬措置を講じ、暴力に発展する事態を民主党が懸念していることを明らかに。
今回の反政府デモに対し、インラック政権はこれまでのところ、デモが混乱をさらに悪化させれば責任を問われて退陣に追い込まれかねないためか、デモ隊を強制排除するなどの強硬措置は執っていない。だが、民主党は、「政府が問題を解決するため力に訴える可能性はゼロではない。」と考えている。
12月08日(日)民主党のステープ元副首相が率いる反タクシン・反政府派のデモ隊は09日朝、首相府へデモ行進する計画。ステープ元副首相は09日のデモを、タクシン派インラック政権打倒に向けた最終決戦と位置付け、市民にデモへの参加を、国営企業にゼネストを呼びかけている。
一方、民主党のアピシット党首(前首相)ら党首脳部が記者会見。インラック首相に下院解散を迫るため民主党所属議員153人全員が議員辞職の手続きを取ったことを発表。
アピシット党首は、「政府が過去の過ちの責任を取るのをこれ以上待つことはできないため、我が党は全議員の辞職を決定した。プア・タイ党議員らは恩赦案の責任を取ろうとしないばかりか、上院議員関連改憲案を違憲とした憲法裁の判決にも従おうとしない。」、「インラック政権とタクシン派与党プア・タイ党は憲法改正案を却下した憲法裁判所の判決を拒否する姿勢を示したことと、タクシンらへの恩赦法案を下院で可決したことで、正当性を失った。」と政府を批判。
反政府派が「最終決戦」と位置づけた09日の大規模反政府デモに民主党も参加する方針であることを明らかに。
政界観測筋によれば、「今回の民主党の決定は、インラック政権と下院の正当性を失わせるための最後の手段であり、これによってインラック首相が下院解散を余儀なくされる可能性が高くなった。」
ステープ元副首相は「デモでタクシン派インラック政権を瓦解させ、権力を国民に返す。」としており、「インラック首相の辞任や下院解散は意味がない。」としている。こうした状況の中、民主党が国会を放棄することで、国会を通じた民主的、合法的な事態の収拾は不可能となり、軍もしくは司法が政治に介入する可能性が高まった。
反政府デモ隊は08日時点で、クルングテープ郊外の政府総合庁舎(チェーンワタナ通)、都内の財務省(ラーマ6世通)、民主記念塔(ラチャダムヌンクラーン通)周辺、マカワンランサン橋(ラチャダムヌンノーク通)周辺を占拠。09日のデモでは、それぞれの拠点から首相府を目指す。都内のパホンヨーティン通、ラチャダピセーク通、スクムビット通、ペッブリ通、シーロム通などでもデモ行進を予定。
インラック首相は、テレビ放送を通じて、反政府デモ指導者ステープが設置を求めている「人民評議会」などを協議するため話し合いの場を設けること、話し合いで結論が出なかった場合は国民投票を実施することを提案。
だが、反政府派は、これらの案を「政権維持だけを目的とした時間稼ぎ」と見ているようで、今のところ話し合いに応ずる姿勢は見せていない。
また、各方面から「事態収拾には下院解散しかない。」といった意見が出ているが、インラック首相は、下院を解散する考えのないことを改めて確認。
法律改革評議会のカニット議長は、警察が国家反逆容疑などで反政府デモ指導者らの逮捕状を取ったことに強い懸念を表明し、警察に逮捕状を取り下げるよう要請。カニット議長によれば、政治デモと国家反逆は明らかに異なるもの。 警察はデモ指導者らを国家反逆容疑で逮捕しようとしており、「司法制度の政治利用」に他ならない。


46章  インラック下院解散 反タクシン派ステープ総選挙粉砕20万人デモ
12月09日(月)朝インラック首相は、テレビ演説で「下院を解散し、総選挙を行う。」と発表。45~60日後に総選挙が行われる。政情不安の解消を図るのが目的とみられるが、時期を明言しなかった。
野党の民主党が08日、党所属の下院議員全員の議員辞職を発表。09日朝から大規模な街頭デモを開始し、情勢が不透明となっていた。
インラック首相が、下院解散を発表したことを受け、民主党は首相に辞職を要求。「権力を国民に返した上で、選挙管理内閣を組閣すべき。」と主張。
反政府デモの参加者は09時39分から都内9ケ所から政府庁舎(首相府)に向けてデモ行進を開始。指導者のステープは、タクシンの影響を排除するまで、抵抗する姿勢を見せているが、09日を「最終決戦」の日と表明。解散総選挙ではなく各界代表者の国民議会による新たな統治を求めており、解散総選挙の発表後もデモを継続する構え。

アソーク通とスクムビット通の交差点 → 

民主党が前日に党所属の下院議員全員の議員辞職を発表、09日朝から数万人規模の反政府デモを開始したことから、解散総選挙で圧力をかわし、事態の打開を図る。
ただ、反政府デモを率いるステープ元副首相(元民主党幹事長)は、首相の辞任や下院解散は目的ではなく、様々な職種の代表からなる「人民議会」に国権を委ね、インラック首相の兄であるタクシンの影響力排除、汚職の根絶を目指すとしており、解散総選挙で事態が沈静化するかどうかは不透明。
民主党は過去4回の総選挙でいずれもタクシン派政党に敗れている。今回の総選挙もタクシン派が優勢とみられ、民主党は選挙をボイコットし、司法、軍の介入を待つ戦術を取る可能性がある。
野党民主党が率いる反政府デモの影響で、ウィパワディランシット通一部で交通が麻痺するなど、都内の複数の場所で渋滞が悪化。ビジネス街シーロム通の高架電車BTSサラデーン駅周辺でもデモ。
警察によると、反政府デモの参加者は14時時点で約16万人に上った。
反政府デモは野党民主党が主導したもので、民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)、アピシット党首(前首相)、チュアン元首相、アピラック前クルングテープ都知事らが参加。
ステープ元副首相の指揮でデモ隊が財務省、政府総合庁舎などを占拠したことを批判したコーン元財務相は息子を留学先の英国に送るため、タイを離れており、デモに参加しなかった。ステープ元副首相は批判を受けた後、コーン元財務相を強く非難。
11月27日から反政府デモ隊に占拠されていたクルングテープ郊外の政府総合庁舎はデモ隊が首相府方面に移動し、11日に業務を再開できる見通し。
総合庁舎内で査証(ビザ)や外国人の居住地届などを扱う警察入国管理課では、デモ隊による占拠中に、防犯カメラやコンピュータの部品が盗まれた。警察のサイバー犯罪関連部署では証拠品などがなくなった。また、庁舎内にはゴミが散乱し、トイレも汚れが目立った。
民主党による大規模な反政府デモで揺れるタイで、タクシン派インラック政権は解散総選挙で事態の打開を図る道を選んだ。
一方、デモを指揮するステープ元副首相(元民主党幹事長)はデモ隊による事実上のクーデターで国権を掌握し、既成の立法府、行政府のシステムを作り変えると宣言。民主党が不利とみられる総選挙には応じず、超法規的な方法で、タクシンと妹のインラック首相らの影響力排除を目指す構えだ。
インラック首相は、テレビ演説を行い、「(民主党は)デモ参加者が多数だと主張している。(政府・与党と民主党の)どちらが国民の多数の支持を得ているか、国民の審判を仰ぐ。」と述べ、議会下院を解散、総選挙を行うと表明。プミポン国王は、解散総選挙を承認し、投票日は2014年02月02日に決まった。与党プア・タイ党はインラック首相を比例代表名簿1位とする方針。
民主党は、クルングテープで15万人規模の反政府デモを行い、首相府を包囲。
タイのテレビ報道によると、ステープ元副首相は夕方と夜に、首相府近くの反政府集会場で演説。主権在民をうたったタイの憲法3条を根拠に、「インラック政権から権力を剥奪し、国権は国民に返還された。」と宣言。「人民議会」を設置し、8~15ケ月かけて、県知事の公選制、汚職防止強化策などを実現した後、総選挙を行うという行動方針を示した。ただ、「人民議会」の議員選出方法など具体的な手順や法的根拠は明らかにしていない。また、インラック内閣に対し、24時間以内に総辞職するよう要求。デモ参加者には今後3日間、デモを継続するよう呼びかけた。デモ参加者はステープ元副首相の演説を受け、一斉に笛を吹き鳴らすなどし、賛意を示した。
プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)は、明日アユタヤ県で予定していた大規模集会を中止。インラック首相が解散・総選挙を発表したことで中止を決断。
ただ、UDDのティーダ議長は、「反政府派がデモを続行するようなら、さらに大規模な政府支持集会を行う。」、「解散総選挙を決断したインラック首相について、民主主義に基づいたもので支持する。反政府グループが次に要求するものが民主主義に逆行するものであれば、活動を再開する。」
米国務省は、タイの政情不安に関して声明。政治的な意見の対立を、タイ国民の意思を反映し、法治を強化する形で、平和的、民主的に解決するよう関係者全員に呼びかけた。インラック首相による議会下院の解散、総選挙を、政治的緊張と反政府デモの中で前進を図る方法と評価。民主主義のシステムとプロセスを強く支持するとして、反政府デモの数の力で事実上のクーデターを目指す野党を牽制。
12月10日(火)憲法記念日の祝日も、野党民主党率いる反タクシン・反政府デモ隊とタクシン派インラック政権の睨み合いが続いた。
09日にクルングテープで20万人規模の反政府デモを行った反タクシン派は10日も首相府周辺の占拠を続けた。デモを指揮するステープ元副首相(元民主党幹事長)は、夜、デモ会場で短い演説を行い、「デモ隊が国権を掌握した。」という主張を繰り返し、インラック首相に再度、辞任を要求。
09日にデモ隊が占拠を解いたクルングテープ郊外の政府総合庁舎と都内の財務省は11日に業務を再開する見通し。
午後タイ字紙最大手タイラットなどによると、ステープは、都内の軍基地で、プラウィット元国防相(元陸軍司令官)、アヌポン前陸軍司令官、プラユット陸軍司令官らと会談。プラウィットはステープが副首相を務めたアピシット民主党連立政権(2008~2011年)の国防相。アヌポンはタクシン政権(2001~2006年)を追放した2006年の軍事クーデターで軍の実働部隊を率い、2008年にタクシン派ソムチャーイ政権が裁判所から与党解党処分を受け崩壊した際に、民主党のアピシット党首、当時民主党幹事長だったステープと、ソムチャーイ政権に参加していた中小政党の代表者を軍基地に集め、これら中小政党と民主党によるアピシット連立政権誕生のお膳立てをした人物。プラウィット、アヌポンはともに、プミポン国王の側近で反タクシン派の黒幕と目されるプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)に近い。
中央選管の委員就任が内定している政治学者ソムチャイによれば、「反政府派がインラック首相が解散・総選挙を決めたことに満足せず政府に圧力をかけ続ければ、インラック氏は首相の座にとどまることができず辞任する可能性がある。だが、憲法では『首相は下院議員から選ばれる。』と規定されているものの、下院解散で議員が存在しないことから、タイの政治は八方塞がりの状況に陥ることになる。また、憲法7条に則って国王陛下による首相指名を求めることも可能だが、いわゆる緊急避難措置を規定した7条は過去に発動されたことがなく、具体的な手続きは協議して決める必要があり、問題が生ずる恐れがある。」このため、ソムチャイは、「政府と反政府が話し合うことが最善の解決策。」
保健省医療サービス局のスパン局長によれば、11月末からこれまでに保健省が把握した反政府デモ関連の負傷者数は合計290人で、うち89人が入院。現在も15人が入院中。「いずれも重傷ではなく、容体は改善している。」という。反政府デモ関連の死者は5人。
中央選挙管理委員会のプチョン事務局長は、来年02月02日の総選挙の費用が総額38億Bあまりに上るとの見通し。現時点では、反政府派が反対しているため、総選挙が予定通りに実施されるか不透明。だが、プチョン事務局長によれば、有権者の増加に伴い、費用は前回2011年07月03日の総選挙を4億B程度上回る。
立候補届けの受付期間は、比例代表が12月23~27日。選挙区が12月28日~01月01日となっている。
下院解散・総選挙実施発表を受けて、タイ商工会議所(TCC)など主要経済7団体は対応を協議し、「解散は歓迎するものの、政治に限らずあらゆる分野で改革を進める必要がある。」との点で意見が一致。
イサラTCC会頭は、「解散は短期的な解決策にすぎず、対立がまたいつ起きてもおかしくない。」と指摘。
対立を解消する長期的解決策として、「政治は言うに及ばず、経済、社会もあらためるほか、贈収賄問題も解決しなければならない。これを同時かつ包括的に進める必要がある。」と述べている。その手始めに、TCCは、改革を話し合う特別作業部会の設置を政党や様々な団体に呼びかける方針。
反政府デモの指導者で、人民民主改革委員会(PDRC)を率いるステープは、「反政府デモにおける次の標的はタクシン一族。」と述べて、インラック首相と一族の関連企業などに対して、集中的に抗議を行う考えを明らかに。
「首相を含む全閣僚は24時間以内に辞任せよ。」とのPDRCの要求にインラック首相が応じなかったためで、ステープは、デモ隊に向けて「『タクシン一族と閣僚に対し平和的な抗議を行う。』という新たな命令を発する。」と説明。さらに、「後3日待つ。それでも決着がつかなければ(首相が辞任しなければ)、タクシン一族はこの国で幸せに暮らすことはできないだろう。」と明言。
インラック首相は、都内の陸軍クラブで記者会見。「下院を解散した。これ以上どうやって譲歩したらいいのかわからない。」と訴え、総選挙を経て新内閣が発足するまで首相を辞任する考えのないことを改めて表明。
また、反政府派が「汚職によって巨額の資産を蓄え、政治的影響力を拡大してきた。」とタクシン一族の国外追放などを主張していることについて、「私にも感情はある。彼らの要求はわたしの耳にも届いている。私は一族の一員だが、1人のタイ人でもある。この国に私の住むところはないのでしょうか。どこまで譲歩すればいいのでしょうか。」と目に涙を浮かべた。
12月11日(水)11月下旬から反政府デモ隊に占拠されていたクルングテープ郊外の政府総合庁舎と都内ラーマ6世通の財務省はデモ隊が09日に都内の首相府周辺に移動したことを受け、通常通り業務を再開。
外国人の査証(ビザ)延長や90日毎の居住地報告などを担当するタイ警察入国管理課は、総合庁舎内のオフィスではなく、都内ラープラーオ通のショッピングセンター、インペリアルワールド・ラープラーオの5階に設けた仮設事務所で業務を行った。仮設事務所での業務は13日まで。16日からは政府総合庁舎内の窓口を再開する予定。
総合庁舎、財務省ではデモ隊による占拠中に、パソコン、タブレット端末、携帯電話など多数が紛失し、警察が窃盗容疑で捜査を進めている。
朝の時点で反政府デモが行われていたのは、民主記念塔周辺、マカワンランサン橋、ラチャダムヌンノーク通、ピッサヌローク通のロイヤル・ターフクラブ・オブ・タイランド(競馬場)などで、ラチャダムヌンノーク通に庁舎がある運輸省、農業協同組合省などは11日も閉鎖が続いた。
反政府デモ指導者のステープが全閣僚の辞任後に議会に代わる「人民評議会」を設置するとしていることについて、国家汚職制圧委員会(NACC)の広報官ウィチャは、「両者が話し合って合意に達する必要があるが、政令の発布をもって人民評議会を設置することは可能。」との見解を明らかに。タマサート大学のソムキアット学長が表明していた考えと一致。
インラック首相は、「下院も解散し、上院と選挙管理内閣が存在するのみ。このような状況の中で、人民評議会を設置できるかどうかわからない。」
だが、ウィチャによれば、「反政府派と政府が合意すれば、政令に基づいて合法的に人民評議会を設置することができる。解散で下院議員が存在しない状態で、全閣僚が辞任したら、下院議員から首相を選ぶことができず、八方塞がりになる。」との指摘について、ウィチャは、「現在のような状況下での全閣僚の辞任を禁ずる法律は存在しないし、過去の例からみても、首相辞任が必ずしも政治空白につながるわけではない。」
プア・タイ党幹部のポキンは、プア・タイ党が来年02月02日の総選挙に備え、党の政策や戦略を見直す方針を明らかに。
反政府デモを続ける民主改革委員会(PDRC)は、総選挙ではなく、全閣僚の辞任を求める姿勢を変えていないが、ポキンは、「PDRCに応戦するための対策を協議する。」という。
プア・タイ党幹部のアピワンによれば、PDRCに残された選択肢は、①軍部にクーデターを起こさせて現行憲法を廃止させる、②流血の惨事を引き起こして国王による首相指名を実現する、③憲法裁判所や国家汚職制圧委員会など独立機関にプア・タイ党の政権復帰を阻止し、解党処分を命じさせる。だが、軍事クーデターは国際社会が容認せず、流血の惨事も、選挙管理内閣が強硬手段を執ることはできないため、あり得ない。現実的な選択肢は、独立機関に頼ることだけだが、非民主的な決定・措置に対してはプア・タイ党を支持する国民が反対の声を上げるため、これも失敗に終わる。」
反政府デモ指導者のステープが「12月12日に国軍や警察の首脳と会って話し合う。」と表明したが、プラユット陸軍司令官は、「国にとって非常に危険なこと。」と述べ、ステープらと接触するつもりのないことを明らかに。
国軍は現在、政府支持派と反政府派に挟まれた格好となっている。「反政府派と話し合えば、『軍は反政府派寄り』」と誤解され、政府支持派から不要な反発を招き、思わぬ事態に発展しかねない。」という。
プラユット司令官は、「我々は、忍耐強く、行動を慎み、何をするにも慎重であらねばならない。」と述べた。
12月12日(木)ランサン財務事務次官は、「インラック政権が打ち出した景気刺激策の実施が解散・総選挙のため遅延するのは避けられない。」との見解。経済政策などが選挙において特定の政党を有利にする可能性があることから、法律で「下院解散後は選挙管理内閣に関連する財政政策や租税措置を実施するには、選挙管理委員会による検討・承認が必要。」と規定。
民主党の広報担当チャワノンは、政治の混乱が長引いていることを受けて、23~24日に予定していた党大会を16~17日に都内のホテルで開催することになったと明らかに。
民主党は、反政府活動においてデモ指導者の民主党幹部ステープに歩調を合わせてきたものの、インラック首相が解散・総選挙を決めたあともステープが、「人民評議会」の設置を要求して全閣僚に辞任を迫っていることについては態度を明らかにしていない。
チャワノンによれば、「党大会では、総選挙を受け入れるか(候補者を擁立するか)否かが決定される見通し。」
民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)が率いる反タクシン・反政府派のデモ隊は都内の民主記念塔周辺などで座り込みの集会を続けている。
ステープ元副首相は11日、軍司令官と警察長官に会談を要請したが、軍は12日になっても対応を明らかにしていない。
デモ会場周辺の内務省、運輸省、農業協同組合省は12日も閉鎖。一方、11月下旬から今月09日までデモ隊に占拠された財務省では、購入したばかりのノート型パソコン50台、タブレット端末のアイパッド30台、スマートフォン30台、記念紙幣、記念硬貨、職員のバイク1台、現金などが盗まれ、自動車2台が窓を割られるなど破損が判明。被害はさらに拡大する見通し。
地方での反政府デモは沈静化に向かっている模様。11日に民主党の地盤である南部のソンクラー、トランなどの県庁前でデモがあったが、12日午前の段階では地方での大きな混乱は報告されていない。
インラック首相は11日、地元の北部チエンマイに戻り、支持者数千人の出迎えを受けた。野党プームチャイ・タイ党から前下院議員7人が離党。7人は来年02月02日の下院総選挙に向け、タクシン派与党プア・タイ党に入党すると見られている。民主党は総選挙に参加するかどうかを明らかにしていない。
反政府デモ指導者ステープは、「タナサック国軍最高司令官に直接会って、人民民主改革委員会(PDRC)の提案について説明できることになった。」と述べた。ステープらPDRC首脳は14日15時から国軍本部で司令官に会う予定。
国軍本部は、「改革計画について説明するというPDRCの要求は、平和的解決策をもたらす意見交換につながるもの。」と歓迎する一方、ステープは、「PDRCの説明によって、国軍首脳らが市民の側に立ってくれることが期待される。」と述べた。
国軍本部関係筋によれば、ステープらとタナサック司令官との話し合いには、タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)の代表も同席する予定。
国軍最高司令官は、名目上は国軍のトップだが、実質的に最も大きな発言権を持つのは陸軍司令官と考えられている。
反政府デモを率いる民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)は、タイ工業連盟(FTI)、タイ証券取引所(SET)、タイ商業会議所(TCC)、タイ銀行協会(TBA)など財界団体の代表と都内のホテルで会談。ステープの目指す政治の方向性を説明し協力を呼びかけた。ステープは席上、「02月02日投票の議会下院総選挙を阻止する。」と言明。「様々な職種の代表300人と専門家100人からなる「人民議会」に国権を委ね、政治改革を進める」という構想を財界に説明し、選挙違反などを防止する改革が必要としている。
インラック首相はテレビ演説を行い、「国を前進させるため、政治改革を議論する、政党、財界、教育機関、市民団体など様々な職業の代表などで構成される官民合同のフォーラムを開催する。」と述べた。反政府派にも参加を呼びかけたが、反政府派は拒否。全閣僚を辞任させて「国民評議会」を設置するという反政府デモ指導者ステープの主張に対抗したものと見られる。
インラック首相は、「下院解散の勅令には、来年02月02日に総選挙を実施すると記されている。」と述べて、選挙実施の正当性を改めて強調。「政治改革フォーラム」を総選挙までに開催する考え。
また、インラック首相は、「(ステープ率いる)人民民主改革委員会(PDRC)がフォーラムに参加することに異論はない。」と表明したが、PDRCは、「政治改革を実現した後に総選挙を行うべき。現段階で総選挙を実施しても政治改革にはつながらない。」としてフォーラム参加を拒否。あくまでも全閣僚辞任、人民評議会設置、暫定政権樹立、政治改革断行、総選挙実施というプロセスを求めてゆく姿勢を再確認。
反政府デモ隊の一部は、首相府前で警官隊と揉み合った末、首相府の電気、水道を止めることに成功。デモ隊は首相府敷地内の警官隊に撤退するよう要求したが、警察はこれを拒否し、予備電源を使って照明を灯し、警戒に当たっている。 反政府派は今月09日、インラック首相の兄であるタクシンの影響力根絶などを掲げ、クルングテープで20万人規模のデモを行った。インラック首相はこれを受け、下院を解散、総選挙に踏み切った。
プア・タイ党のチャルポン党首は、「(来年02月02日に予定されている)総選挙が不可能なら、国民投票を実施すべき。」との考えを明らかに。チャルポンによれば、「最大野党の民主党が選挙をボイコットすれば、政治は行き詰まるが、国民投票を行えば打開できる。」
また、民主党にボイコットしないよう求めているが、民主党の広報担当チャワノンは、「選挙を実施しても現在、国が直面している問題を解決することはできないだろう。」と述べた。
2010年04、05月にクルングテープ都心部を占拠したタクシン派市民と治安部隊が衝突し、多数の死傷者が出た事件で、検察は、当時首相だった民主党のアピシット党首と当時治安担当の副首相だったステープ元民主党幹事長を殺人罪などで起訴。
アピシットは、刑事裁判所に出頭して起訴事実を全面的に否認。保釈金60万Bを支払い保釈。ステープは現在、政権転覆を狙った反政府デモを主導しており、ステープから起訴延期を要望され、12日の起訴を見送った。
タイ地元紙によると、治安維持部隊に実弾の使用を許可し、強制排除の際に死者を出したことが起訴の理由。
タイ版FBIの法務省特別捜査局(DSI)は、「デモ鎮圧を命じた当時の政権首脳部に責任がある。」と判断し、アピシット、ステープ両氏を起訴。アピシット党首らは容疑を全面的に否認しており、民主党は、「タクシン派政権の意を受けて2人に濡れ衣を着せた。」などと、DSIを強く非難している。
12月13日(金)保健省によると、11月30日から12月12日にかけ、反政府デモ参加者と政府支持派市民の衝突、反政府デモ参加者への警官隊による催涙ガス弾などで、5人が死亡、291人が怪我。怪我人のうち11人は入院中。
12月14日(土)政治改革を話し合う軍が主催するフォーラムが国軍本部で開催。デモ指導者のステープ元副首相(元民主党幹事長)のほか、タナサック国軍最高司令官ら軍幹部が私服で出席。ステープ元副首相は席上、「以前は国が危機に瀕すると、戦車が出動して3時間で片がついた。今は民主的な軍だから、多分クーデターは起こさないと思うし、それ望んでいるわけではない。しかし、国民は立ち上がった。軍が国民の側に立ち、政府に仕えるのを止めれば、事はすぐに終わる。」と述べた。タイのテレビ局はステープ元副首相のこの発言を「軍事クーデターによるインラック政権打倒を呼びかけた。」と報じた。
ステープらは、「問題を解決する最も簡単な方法はインラック首相の辞任。」などと述べて、国軍に対し反政府派側につくよう要請。だが、タナサック司令官は、「交渉を通じて問題を解決するのが最善策」と、同時に反政府派が反対している来年02月02日の総選挙についても「中立のオブザーバーが選挙を監督し、投票を予定通りに実施できるようにする必要がある。」と、国軍の中立姿勢を再確認。
話し合いの場には、政府機関、学者、財界の代表などが招かれて同席したが、政府やプア・タイ党の代表は出席しなかった。
タナサック国軍最高司令官はフォーラム後、陸海空軍の司令官とともに記者会見し、「ステープさんには02月02日の総選挙を公正なものにするために何をすべきかを考えてほしい。」と述べ、総選挙を支持する考えを示した。プラユット陸軍司令官がデモ隊を支持しているのではないかという質問には、「陸軍司令官は私の隣に座っている。デモ隊を支持しているならステープ兄さんの隣にいるはずだ。」と述べた。「集会でのステープ氏のスピーチを聞かせてもらったが、理解できなかった。我々軍人は、ルールを守るよう訓練を受けてきたが、政治は不得手。」と発言。ステープらと話し合うことで「国軍が反政府派に肩入れしている。」と受け止められることを避けようとしたものと見られる。
政府は反政府デモを沈静化させるため、あらゆる人々から意見を聞く「政治改革フォーラム」を立ち上げると表明。参加するよう各方面に呼びかけているが、民主党幹部のオンアートは、「民主党は政府に利用されはしない。」と述べ、民主党がフォーラムに参加しない方針を明らかに。
オンアートによれば、「インラック政権は数ケ月前にも『政治改革評議会』を立ち上げると発表したが、批判をかわすことが目的だったため失敗に終わった。今回の政治改革フォーラムも『改革を希求している。』とのポーズを示して時間稼ぎすることが狙いであり、政府に問題解決の意図がないのは明らか。」という。
12月15日(日)政府が都内で開催したフォーラムで、出席者のほとんどが来年02月02日の総選挙実施を支持する考えを表明。「総選挙は延期すべき。」との意見も出たが、少数に留まった。出席者は、前下院議員、上院議員、学者、そして、政党、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)、民間部門、軍などの代表など約100人が出席。
反政府デモ指導者ステープが率いる人民民主改革委員会(PDRC)は、「フォーラム開催は予定通りに総選挙を実施するための布石」、「政府による茶番」などと批判して参加せず、反タクシン派の民主党も代表を出席させなかった。
フォーラムでニパット国防事務次官が「国軍は憲法を順守し、来年02月02日の総選挙実施を支持している。」と述べたことに対し、ステープは、「14日に国軍の司令官らと会った際、彼らは実際には総選挙に賛成も反対もしなかった。」と反論。また、タクシンによって現職に起用された「タクシンの手下」とニパット次官を非難。

今回のデモのきっかけは、タクシン派と反タクシン派の政治抗争で投獄、訴追された人に包括的な恩赦を与える恩赦法案。汚職で実刑判決を受け国外逃亡中のタクシンの帰国が可能になるため、11月01日に法案が議会下院を通過すると、民主党など反タクシン派はクルングテープで数千人規模の街頭デモを繰り返し、法案破棄を訴えた。「アピシット民主党政権(2008~2011年)によるタクシン派デモ鎮圧の責任追及ができなくなる。」として、タクシン派市民団体も反対したことから、法案を作成したタクシン派与党プア・タイ党は取り下げを決め、恩赦法案は11月11日、上院で否決され、廃案になった。
法案が廃案となったことで、事態は沈静化に向かうかにみえたが、ステープ元副首相は様々な職種の代表からなる「人民議会」に国権を委ね、「タクシン・システムの根絶」を図るという構想を打ち出し、デモを継続。「タクシンの妹であるインラック首相の辞任や議会下院の解散では問題は解決しない。」として、デモで政府機能を麻痺させて権力を奪取する事実上のクーデターに乗り出し、11月下旬にクルングテープ郊外の政府総合庁舎、都内の財務省などをデモ隊で占拠。
デモは徐々に過激化し、12月01日、02日には、首相府や首都圏警察への突入を図るデモ隊に、警官隊が数百発の催涙ガス弾を発射。11月30日夜から12月01日にかけては、タクシン派が集会を行っていたラチャマンカラ国立競技場周辺で、反タクシン派の学生、職業訓練校生とタクシン派市民が銃を撃ち合うなどし、4人が死亡。バスが放火され炎上。
デモは12月05日のプミポン国王誕生日の前後に一旦休止したが、08日になり、民主党が党所属の下院議員全員の議員辞職を発表。翌09日、ステープ元副首相、アピシット民主党党首(前首相)らが率いる反タクシン派市民約20万人が都内をデモ行進し、首相府を包囲。
インラック首相は09日、テレビ演説を行い、「(政府・与党と民主党の)どちらが国民の多数の支持を得ているか、審判を仰ぐ。」と述べ、下院を解散、総選挙を表明。プミポン国王は同日、解散総選挙を承認し、投票日は02月02日に決まった。
一方、ステープ元副首相は09日夜、首相府近くの反政府集会場で演説し、主権在民を謳ったタイの憲法3条を根拠に、「インラック政権から権力を剥奪し、国権は国民に返還された。」と宣言。「人民議会」を設置し、8~15ケ月かけて、県知事の公選制、汚職防止強化策などを実現した後、総選挙を行うという行動方針を示した。
都内のタイ首相府近くで行われている学生中心の反政府集会で、演壇に上がったデモ指導者の男性が、在タイ米国大使館をデモ行進の標的に挙げた。現在の選挙管理内閣への支持を米政府が表明したことに反発して、「クルングテープの米大使館を占拠する。」と発表。
これに伴い、米大使館の警備が強化された。
この組織のリーダーはデモ隊を前に、「注意深く聞いてほしい。我々は大使館を急襲し、占拠する。」、「米政府は我々が非民主的な政権と闘っていることを理解していない。」などと不満をぶちまけたが、大使館にいつ押しかけるかには言及しなかった。
米国務省は09日、クルングテープで20万人規模の反政府デモが起き、インラック首相が議会下院の解散、総選挙に踏み切った際に、総選挙を「政治的緊張と反政府デモの中で前進を図る方法」と評価し、「民主主義のシステムとプロセスを強く支持する」とした声明を出した。
反政府派は「選挙では現政権・タクシン派が地方で票を買収して勝利するだけ。」として、総選挙阻止を掲げており、選挙を支持する米国の姿勢が気に障ったようだ。
タイの政情混乱については、欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン外交安全保障上級代表(外相)も13日、総選挙を支持する声明を発表。安倍首相も、日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議出席のため、インラック首相の代理で日本を訪れたニワッタムロン・タイ副首相兼商務相と15日に会談した際に、「公正な選挙が円滑に行われることを期待する。」と述べ、選挙を支持する姿勢。
年末年始は外国や国内の観光などに出かけるタイ人や外国人観光客で空港が賑わう時期だが、今シーズンは、反政府デモの影響で空港利用者数が当初予想されていたほど伸びていない。
10月28日~12月12日におけるスワンナプーム空港の利用者数は、14万人あまりで、前年同期比の伸び率は当初予想6%を大きく下回る2%に留まった同期間のドンムアン空港の利用者数も、1日当たり1万5000人程度で、当初見通しの1万7000人を下回った。
クルングテープの民主記念塔で行われている反政府集会で、デモ指導者のステープ元副首相(元民主党幹事長)が演説し、来年02月02日の下院総選挙を阻止するため、12月23日から始まる立候補者の受付を、デモ隊が阻止する戦略を打ち出した。立候補受付場所をデモ隊が封鎖する作戦。
ステープ元副首相はまた、「インラック首相を辞任させるため、再度、大規模な街頭デモを行う必要がある。」という考えを示した。具体的な日時や場所は示さなかった。
12月16日(月)反政府デモはも、民主記念塔や首相府の周辺で続いている。デモ現場周辺の内務省、運輸省、農業協同組合省は閉鎖されたまま。一方、外国人の査証(ビザ)延長や90日毎の居住地報告などを担当する警察入国管理課は、クルングテープ郊外の政府総合庁舎の窓口を再開。政府総合庁舎は11月27日から12月09日まで反政府デモ隊に占拠され、入国管理課は先週末まで、ショッピングセンターに設けた仮事務所で業務を行った。
プア・タイ党は、「民主党が来年02月の総選挙の阻止を図っている反政府派に荷担した。」として、中央選挙管理委員会に対し、民主党の解党処分請求の手続きを取るよう要請。プア・タイ党によれば、反政府派の一部は、総選挙を実施を阻むため、立候補届を実力で阻止する動きも見せている。
「反政府デモ指導者のステープらがいまだに民主党の党員であり、党から支援を受けているのであれば、民主党も罪に問うべき。」という。
政府が開いた政治改革フォーラムでプア・タイ党が「総選挙後に政治改革を行う。」と提案したことについて、民主党の広報担当チャワノンは、「プア・タイ党が約束を守る保証はない。」と述べて、同案に反対する考えを明らかに。
プア・タイ党の代表チャトロンは、「来年02月02日に総選挙を実施したあと、政治改革を行う。改革が完了したところで新政権は下院を解散して総選挙を行う。」との考えを表明した。
関係筋によれば、現行制度のもとで02月に総選挙を実施すれば、プア・タイ党が勝利する可能性が高い。プア・タイ党の狙いは、国民の信任を得る形で政権の座に返り咲くことで、プア・タイ党に不利な政治改革を断行したうえに自ら政権の座から降りることは考えにくい。
プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)のティーダ議長は日、「反政府派の要求通りに『人民評議会』が設置されたなら、大規模な抗議集会を決行する。」と表明。
反政府派は、全閣僚の辞任後に議会に代わる「人民評議会」を設置して暫定政権を発足させて政治改革を実現してから総選挙を実施すると主張。 ティーダ議長はこれに対して、「総選挙に先行する形で政治改革を行っても、政治対立・国民の不和の解消につながる保証はない。状況がさらに悪化することも考えられる。総選挙は予定通りに来年02月に実施すべき。」
小売業界第2位のザ・モール・グループによれば、反政府デモが長引いている影響で、グループの今年の売り上げは前年比でわずか5~6%増の500億B程度に止まる見通し。グループ首脳は、かき入れ時の第4四半期の売り上げについて「政治問題のため、当初予想を20億バーツほど下回りそうだ。」と悲観的。一方、年末年始の販促キャンペーンに総額2億Bを投入する予定。
12月17日(火)野党民主党などが主導するクルングテープでの座り込みの反政府集会が続行。デモ現場周辺の内務省、運輸省、農業協同組合省は閉鎖。
11時には、反政府派の学生ら約100人が選挙委員会事務所前に集まり、タクシン派与党プア・タイ党幹部の公民権停止などを要求。
反政府集会の主な会場は3ケ所で、デモ参加者の数は16時時点で、民主党支持者が多い民主記念塔(ラチャダムヌンクラーン通)周辺で1000~1500人、学生中心の首相府近く(ピッサヌローク通)で約300人、チャムロン元クルングテープ都知事と元都知事が帰依する宗教団体関係者が多いマカワンランサン橋で約1000人。
集会参加者はおおまかに言って、現場で寝泊まりする常駐の参加者と、定職があり、夕方や休日に参加する中間層に分けられる。常駐の参加者には無料の食事が振る舞われ、多くは1日数百Bの日当を受け取っているとされる。政府は人集めや現場の維持費などの資金提供者を探し、処罰する方針。
デモを主導するステープ元副首相(元民主党幹事長)は16日夜、民主記念塔で演説し、インラック内閣の総辞職と来年02月02日に予定されている議会下院総選挙の中止を改めて要求。
前下院議員10人と元閣僚を含む政治家計15人がタクシン派の与党プア・タイ党に入党。いずれも来年02月02日の下院総選挙で当選が狙える地方の有力政治家で、プア・タイ党の勝利を見越し、これまでの所属政党を見限った模様。
入党したのは野党プームチャイ・タイ党を離党した14人と連立与党チャート・タイ・パタナー党を離党した1人。このうち10人は北部の実力者であるソムサック・テープスティン元副首相(58)のグループ。15人は都内のプア・タイ党本部を訪れ、タクシンの義弟のソムチャーイ元首相、チャルポン内相(プア・タイ党首)らの出迎えを受けた。
一方、最大野党の民主党は17日に党大会を開き、アピシット前首相を党首に再選。その後、総選挙に候補者を立てるかどうか議論したが、選挙で劣勢が予想されるため、選挙ボイコットを求める意見がある一方、民主的なルールに従うべきという国内外の圧力もあり、結論が出なかった。
デモの成功でインラック政権、プア・タイ党を下院解散に追い込んだものの、総選挙を戦えば、「人民議会」と選挙ボイコットを支持する層にそっぽを向かれ、選挙をボイコットして軍、司法の介入を待つ戦術を取れば、「非民主的」という批判を浴びるという、困難な立場に追い込まれた。
反政府派は、「政治改革をまず成し遂げるべき。」と主張して来年02月の総選挙実施に反対。一方、中央選挙管理委員会のソムチャイ委員は、「選管としては、総選挙を3ケ月、6ケ月、1年から2年延期する用意がある。」と述べた。ただ、「総選挙の延期は、政党間で合意が成立し、延期が合法と判断された場合に限られる。」という。
関係筋によれば、「タクシン派のプア・タイ党は、反政府派の主張に全く耳を傾けず、すでに総選挙の準備に入っており、政党間で合意ができたとしても、総選挙延期が合法とされるかは不透明。」
最大野党民主党は党大会で、アピシット前首相(49)を党首に再選。副党首にはスクムパン都知事(61)、アピラック前都知事(52)ら10人、幹事長にはアピシット政権(2008~2011年)で情報通信技術相を務めたチュティ・クライルーク(57)が選ばれた。
前副党首のコーン元財務相(49)は執行部入りを辞退。コーンは10月から続く民主党主導の反政府デモに率先して参加したが、ステープ元副首相(元民主党幹事長)らによる省庁占拠などを批判し、ステープから痛烈な批判を浴びていた。
民主党の新執行部は2014年02月02日の下院総選挙に候補者を立てるかどうか議論したが、結論が出ず、21日に再度協議することが決まった。
最大野党の民主党は、来年02月02日に行われる総選挙の実施容認、候補の擁立に舵を切る可能性が出てきた。
関係筋によれば、「民主党は、タクシンの影響力を一掃すべく、反政府デモを主導するステープ氏(元民主党幹事長)に歩調を合わせて政府批判を展開。だが、総選挙阻止に同調すれば、党勢を大きく損なう恐れがあることから、候補の擁立に前向きな姿勢を見せ始めている。総選挙ボイコットとなれば、『民主主義の否定』といった批判を浴びるほか、民主党からの出馬を望んでいる有望な人材を失いかねない。」
このため、17日の党大会で党首に再選されたアピシットは、「政治改革を行ってから総選挙を実施すべき。」と反対している南部の民主党支持者や南部出身の議員の説得に当たるものと見られる。
また、「アピシット党首は、総選挙についてステープと直接会って話し合う意向で、また、民主党の執行委員会は、20日に総選挙に参加するか否かを決定する見通し。」と述べた。
反政府デモ指導者のステープは、反政府派が座り込みの集会を続ける都内の民主記念塔で演説。「19日、20日にクルングテープでデモ行進を行う。」と発表。19日は民主記念塔からペッブリ通、アソーク通を通、昼頃、高架電車BTSアソーク駅前で集会。その後、スクムビット通、サイアムスクエアなどを行進。20日は民主記念塔から国鉄フアラムポーン駅、シーロム通に進み、昼頃、BTSサラデーン駅前で集会。その後、ヤオワラート通などを通り、民主記念塔に戻る予定。「インラック首相に辞任を迫るため22日に大規模なデモを決行する。」と宣言。
09日の反政府デモには約20万人が参加し、インラック首相を解散総選挙に追い込んだ。
全閣僚の辞任や「人民評議会」の設置、暫定政権の樹立、政治改革の断行、総選挙の実施というシナリオを打ち出し、首相らに辞任を要求。インラック首相は「来年02月の総選挙で新政権が誕生するまで首相を続ける。」との姿勢を変えていない。
また、大規模デモとは別に女性だけのグループをインラック首相宅に向かわせ、辞任を受け入れさせるとの戦術を明らかに。ステープは「女性ボランティアを募る。オカマは遠慮願いたい。女性たちが22日夜に首相宅に出向き、花を贈って首相に辞任を受け入れさせる。」と述べた。
12月18日(水)午前野党民主党が率いる反政府デモ隊が都内ラーマ1世通の警察本部前に集結し、反政府デモに対する警察の対応に抗議。現場は高架電車BTSのサイアム駅とチッロム駅の間のショッピング街で、周辺の交通が一時麻痺。
デモ隊の別の1団はタイ国際航空、電話大手TOT、通信大手CATテレコム、タイ発電公社(EGAT)、地方発電公社(PEA)といったタイ国営企業の首都圏のオフィスにデモ行進し、社員らに支持を呼びかけた。
反政府派はバンコク都内の民主記念塔(ラチャダムヌンクラーン通)周辺、首相府近く(ピッサヌローク通)、マカワンランサン橋周辺の計3ケ所で座り込みの反政府集会を続けている。集会場所周辺の内務省、運輸省、農業協同組合省は閉鎖中。
民主記念塔などで集会を続けている反政府グループの一部が、ラーチャプラソン地区にある国家警察本部前で抗議デモ。このデモの影響で、道路の一部が封鎖されたため、周辺地域は大渋滞。
タナサック国軍最高司令官は、「軍部は(来年02月02日の)総選挙実施を支持する。要請があれば、選挙を監督する人々を助けるために部隊を派遣する用意がある。」と明言。反政府派は、「この状況の中で選挙を実施しても意味がない。」として、来年02月の総選挙を阻止する構えを見せている。
だが、タナサック司令官は、「軍は政府の機構の1つであり、憲法の枠組みのもとで国の運営を支援するのが任務。」と述べ、「軍には憲法に沿った総選挙の実施を支援する義務がある。」としている。タナサック司令官によれば、「タイ軍の兵士は合計42万人強で、武器を装備する6割が、強力な規範を持たず、憲法に従わなければ、ゲリラになってしまう。」
最大野党の民主党は、来年02月の総選挙を容認するか否かという苦しい選択を迫られている。先の党大会で幹事長に選出されたチュティは、「どの道を選んでも民主党が失うものが少なくない。」との悲観的な見方を示した。また、「党執行委員会は21日に総選挙を受け入れ候補を擁立するか否かを決定する見通しだが、党内で意見がまとまっていない。」という。
反対派は、「02月の総選挙を受け入れることは、タクシンが政治を牛耳る状況を容認し、その継続を許すもの。」と主張する一方、賛成派は「議会制度を尊重し、候補を擁立すべき。」と平行線。
反政府派は「インラック首相に辞任要求を受け入れさせるため12月22日に再び『最終決戦』に挑む。」
関係筋によれば、反政府派は来年02月の総選挙実施に強く反対しており、23日に開始される立候補届を妨害することが狙い。」反政府派は立候補届の受付会場を取り囲むなどして封鎖し、立候補届を阻止するものと見られる。また、反政府デモ指導者のステープは、「デモ隊が罪に問われない方法で立候補届ができないようにする。」と集会で述べたが、詳細には言及しなかった。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長など前民主党議員6人が、来年02月の総選挙に出馬しない意向を表明。ステープらは、以前から「政治改革を行ってから総選挙を実施すべき。」と主張し、次期選挙に反対する姿勢を明らかにしていた。また、民主党は、「総選挙を容認するか否かまだ態度を明らかにしていないが、2つの支部が17日、同総選挙に候補を擁立しない方針を発表した。」という。
タイ中央銀行によれば、「経済成長を阻害する政情不安が、同時に消費者債務の拡大を抑止する役割を果たしている。商業銀行は現在の経済状況下で貸し付けの条件を厳しくしているほか、将来への不安などから消費者の購買意欲も下がっている。」という。
なお、商業銀行の融資増加率は、今年第1四半期が13.2%増だったが、第2四半期12.8%、第3四半期11.6%と下降傾向。
12月19日(木) 反政府グループが12月19日、22日の「最終決戦」への参加を市民に呼びかけるため、都内中心部で大規模デモ行進。デモ隊の指導者、ステープは、アソーク交差点の真ん中に陣取ると、糯米(カオニヤオ)などを食べながら休息する余裕を見せた。
アソーク、ナナ、プルンチット、チットロム、サイアムなどの日本人が多く住む地域を通過予定。これを受け、在タイ日本国大使館からも注意喚起。
1万人以上に膨れ上がったデモ隊はその後、サイアム方面に向けて行進を続けたが、一部が米大使館前で、「米政府は02月総選挙を支持している。」などと抗議活動。
民主党のアピシット党首は、「このままでは来年02月の総選挙が円滑に実施される保証はなく、政治対立が激化しかねない。」として、インラック首相やプア・タイ党などに対し、総選挙延期に同意するよう呼びかけた。
これに応え、プームチャイ・タイ党がすでに「公職選挙法を改正するまで総選挙を延期すべき。」と表明。
また、民主党は、総選挙を受け入れるか否かについて21日の執行委員会で決定を下すとしている。だが、党内からは、「性急に決定すべきではない。その方が政府に圧力を掛けられる。」といった意見も出ている。
反タイ政府デモ隊数百人が都内の在タイ米国大使館前に集まり、来年02月02日に予定されている総選挙を米国が支持していることに抗議。
野党民主党のステープ元副首相が率いる反政府派は、インラック首相の兄であるタクシンをタイ王室に敵対する腐敗政治家と批判。タクシンの影響力を根絶するためとして、デモ隊によるクーデターで国権を掌握することを目指している。今月09日にクルングテープで行われた反政府デモには、こうした主張を支持する市民約20万人が参加。このデモを受け、インラック首相は議会下院を解散、総選挙に踏み切った。
米国、欧州連合(EU)などは総選挙を支持。欧米メディアは、タイでは民主主義を制限するために市民がデモを行っているとして、デモ隊に批判的な報道が多い。
来年02月02日投票の総選挙について、中央選挙管理委員会の委員5人は、「予定通りにことが進められれば、混乱がさらに悪化する恐れがある。」と懸念を表明し、政府と反政府派に話し合って妥協点を見いだすよう要請。選管には公正な選挙を実施する権限が付与されているものの、延期を含め実施日程の変更に関しては、政府に決定権があるため。
現在のところ、政府は、「下院解散で十分。これ以上譲歩できない。」として、02月総選挙を予定通りに実施するとの姿勢を変えていない。
一方、反政府派は、「(タクシン派の専横を阻止すべく)政治改革をまず成し遂げるべき。」と主張し、総選挙を阻止する構えを見せている。
選管委員によれば、「現在のように政治対立が激化している状況下で総選挙を実施しても、有権者の多くがその結果に異を唱える(政治対立が収まらない)可能性もある。」
12月20日(金)野党民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)率いる反政府デモ隊は、昨日に続き都内中心部でデモ行進。朝、都内の民主記念塔を出発し、正午頃、都内シーロム通に到着。周辺のラーマ4世通、シーロム通一帯は交通が一時麻痺。
デモ隊はシーロム通で集会後、チャルーンクルン通、シープラヤー通、ヤオワラート通などを経て、民主記念塔に戻る予定。ホアランポーン、シーロム、ヤワラート等を通過しながら、既に解散総選挙を表明したインラック暫定政権に対して、即刻退陣するよう要求。また来年02月に行われる予定である下院総選挙立候補者の登録日を22日に控えており、それを阻止する目的もある。
反政府派は都内の民主記念塔(ラチャダムヌンクラーン通)周辺、タイ首相府近く(ピッサヌローク通)、マカワンランサン橋周辺の計3ケカ所で座り込みの反政府集会を続けている。集会場所周辺の内務省、運輸省、農業協同組合省は20日も閉鎖。
プラユット陸軍司令官は、「クルングテープだけでなく地方でも(政府を支持するか否かを巡って)分裂が起きている。この状況は国民同士が戦い合う事態に繋がりかねない。」と述べて、政治的対立が続いていることに深い憂慮を示した。また、分裂の溝を埋めるためにあらゆる階層の代表で構成される中立機関「国民会議」を設置するよう提案。 反政府デモ指導者のステープは、「全閣僚の辞任後に議会の役割を担う『国民評議会』を設置する。」と主張。
だが、プラユット司令官は、「国民会議と国民評議会は性格が大きく異なり、類似点はほとんどない。」ただ、、「国民会議を誰が、そして、来年02月の総選挙の前あるいは後に立ち上げるべきかはわからない。」
中央選挙管理委員会が先に「来年02月に総選挙を実施した場合、混乱がさらにエスカレートする恐れがある。」として総選挙延期に言及。
これに対し、プア・タイ党の広報担当プロムポンは、「憲法にも関連法にも総選挙の延期を可能とする条文はない。」と選管の姿勢を批判し、「選管はデモ隊の圧力に屈せずに予定通りに総選挙を実施することに専念すべき。」と強調。
12月21日(土)最大野党民主党は、「来年02月02日の下院総選挙をボイコットする。」と発表。22日には民主党が主導する数万人規模の反政府デモがクルングテープで行われ、選挙で事態の収拾を図るというタクシン派インラック政権の希望は潰えた。
民主党のアピシット党首(前首相)は記者会見で、「過去数年の政治混乱で国民が政党、選挙に対する信頼を失ったと主張し、総選挙に候補者を立てない。」と表明。ただ、「総選挙の実施に反対はせず、憲法に違反する変更は支持しない。」とも述べた。
このまま総選挙を行っても現与党プア・タイ党が勝利する可能性が高いことから、民主党ステープが主導する反政府グループが訴えている政治改革を支持する形。最大野党の民主党が総選挙をボイコットすると発表したことで、今後泥沼化する可能性が高まった。
インラック首相は、民主党の記者会見の前にテレビ演説し、「総選挙後、様々な団体の代表からなる改革議会を発足させて政治改革を進め、2年後に再度総選挙を行う。」という提案を行った。民主党はこの提案を「信用出来ない。」と拒否。
民主党は今回、11月からクルングテープで大規模な反政府デモを続け、12月08日には党所属の全下院議員が議員辞職。翌09日、クルングテープで20万人規模の反政府デモを起こし、インラック首相を下院解散、総選挙に追い込んだ。しかし、デモを率いるステープ元副首相(元民主党幹事長)は選挙によらない「人民議会」に国権を委ねるという事実上のクーデター計画を示し、総選挙を拒否している。
民主党内では、ステープ元副首相に同調して選挙をボイコットすべきという意見が強く、18日にはステープ元副首相と弟のターニー元スラタニー県長ら南部スラタニー県選出の民主党所属前下院議員6人が総選挙ボイコットを表明。
アピシット党首は、「こうした状況で総選挙に臨めば、支持層の離反と党の分裂を招く。」と判断し、選挙ボイコットを決めた。ただ、党内の一部が、「選挙を放棄しては政党の体をなさず、欧米諸国に対する体裁も悪い。」と主張したことから、「総選挙をボイコットするものの、選挙自体には反対せず、超法規的な方法による政権奪取も支持しない。」という、中途半端な発言となった。
都内で20日にデモ行進を行った反政府派に対し、市民から現金の寄付が相次いだ。法務省特別捜査局(DSI)が20日に、ステープなど反政府デモ指導者らの銀行口座を凍結したと発表したことが背景。
デモ隊には沿道に集まった大勢の市民から100、500、1000B紙幣が次々と寄せられ、寄付金を集めて袋に詰める作業のため行進がたびたび中断されるほどだった。ブンチュー元副財務相(元タイ・ラック・タイ役員)は現金30万Bを寄付。約9時間に及んだデモ行進の間に寄付された現金は、重さにして約8㎏、80万B以上に上った。
インラック首相は、来年02月の総選挙実施への支持を得るため、「02月の総選挙でプア・タイ党が勝利し、政権を構えることになったら、改革を導入し、1年以内に総選挙を実施する。」と提案。
だが、反政府デモ指導者のステープは、即座に提案を退け、「まず『人民評議会』のもとで関連の法律や規則を改正してから総選挙を実施する必要がある。」と強調。人民評議会の設置を可能にすべく、全閣僚に速やかに辞任するよう改めて要求。
民主党は党執行委員会で、「現行の政治制度が過去10年あまりにわたって正常に機能しておらず、党としては、来年02月の総選挙が国家の改革や議会制への国民の信頼回復に繋がらないと判断した。」として、総選挙に参加しないことを決定。ただ、民主党は、「総選挙を妨害することまでは考えていない。」という。
民主党は、2011年の前回総選挙で500議席中265議席を得て勝利したプア・タイに次ぐ159議席を獲得。
プア・タイ党は、「民主党が不在でも総選挙実施に問題はない」としている。だが、民主党の今回の決定に伴い、デモがさらに長引く可能性が出てきた。
12月22日(日)最大野党民主党などが率いる反タクシン反政府派のデモ隊は都内の戦勝記念塔(高架電車BTSビクトリーモニュメント駅周辺)、パトゥムワン交差点(ショッピングセンターのMBK近く)、ラーチャプラソン交差点(ショッピングセンターのセントラルワールド近く)、BTSアソーク駅前などを占拠し、周辺の交通が麻痺。参加者は笛を吹き鳴らし、インラック首相に退陣を迫った。
デモを指揮するステープ元副首相(元民主党幹事長)はデモ参加者に対し、来年02月02日に予定されている議会下院総選挙の阻止を改めて表明。23日から始まる立候補受付を妨害するため、受付会場のバンコクユースセンター(タイ・ジャパン)(ミットマイトリー通)をデモ隊で封鎖するよう呼びかけた。また、投票日当日は投票所をデモ隊で封鎖する方針。
ステープ元副首相はインラック政権を退陣させた上で、様々な職種の代表からなる「人民議会」に国権を委ねるという事実上のクーデターを打ち出している。
民主党は今月09日に約20万人が参加する大規模な反政府デモをクルングテープで行い、インラック首相を下院解散、総選挙に追い込んだ。ただ、総選挙ではタクシン派与党が優勢と見られることから、21日、選挙のボイコットを表明。
民主党はクルングテープと比較的人口が少ない南部が地盤で、2001年、2005年、2007年、2011年と過去4回の下院総選挙ではいずれも、大票田の東北部とタクシンの地元の北部を抑えるタクシン派に敗北。
実際には2006年にも、反政府デモと特権階級の圧力に苦しんだタクシン首相(当時)が下院を解散、総選挙が行われた。民主党はこの選挙をボイコットし、タクシン派政党が勝利したが、裁判所が選挙自体を無効と宣告。宙ぶらりの状態となったタクシン政権は同年09月、軍事クーデターで崩壊。今回の状況はこのときに類似しており、民主党はデモで政権打倒ができない場合、憲法裁判所もしくは軍に介入を働きかける可能性がある。ただ、こうした方法で暫定政権が発足しても、次回の総選挙ではタクシン派が復活する可能性が高い。タイの政局混乱は終りが見えない状況。
反政府派は、インラック首相らに辞任を迫るとともに来年02月の総選挙を実力で阻止すべく、都内の戦勝記念塔、サイアムスクエア、アソーク、ルンピニーなどで再び大規模集会を決行。参加者数は、反政府派発表で35万人、治安当局発表で27万人に達し、反政府派による09日の「最終決戦」で反政府派と治安当局が発表した参加者数を上回った。
インラック首相は、最大野党の民主党が来年02月の総選挙不参加を決めたことに対し、「民主党は政治改革を望んでいるにもかかわらず、選挙への参加を望んでいない。」と、民主党への失望感を露わに。インラック首相によれば、「憲法が求める選挙を行わずに国が前進できるか不安で、民主主義を尊重して(総選挙は受け入れて)ほしかった。」
また、反政府デモ指導者のステープは、デモ拠点のひとつ、ラチャダムヌン通に集まった大勢の市民を前に、総選挙を阻止するため、23日開始の立候補届の受付会場をデモ隊に包囲させる作戦を明らかに。
中央選挙管理委員会は、「予定通りの期日、会場で立候補届を受け付ける。妨害で立候補届、受付に支障が出ることはない。」としている。
だが、ステープは、「届け出をする者は、受付会場に入るのに我々(デモ隊)の間をくぐり抜けて行く必要がある。会場がどこに変更されようと、我々はそこに現れる。仮に総選挙が行われることになったら、02月02日の投票日にはデモ隊が繰り出して全都県を封鎖する。」と明言。あくまでも総選挙を阻止する考えを表明。


47章  反タクシン反政府派のデモ隊、下院総選挙妨害で衝突
12月23日(月)朝反タクシン反政府派のデモ隊は23日から始まる下院総選挙の比例代表名簿の受付を阻止するため、都内ディンデーン区の受付会場(比例代表)であるスポーツ施設、バンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)(ミットマイトリー通)を包囲。
34党のうち、タクシン派政権与党プア・タイ党など9つの党は未明に受け付け会場に入り、届け出を済ませた。20以上の政党はデモ隊に阻止されて届け出が行えず、25党の代表らは、警察署に苦情を提出。
中央選挙管理委員会のソムチャイ委員は、「27日(比例代表立候補届出の受付最終日)までに届出を予定している全ての政党が届出を済ませなければならない。それが(デモ隊の妨害で)できなかったら、選管として何ができるかを検討する。」 また、関係筋によれば、27~31日に全都県で行われる小選挙区立候補届出の受付では、先に総選挙不参加を決めた最大野党の民主党の支持基盤である南部で有権者の多くが総選挙反対を表明していることもあって、さらなる混乱が予想される。 タクシンの関係者が上位を独占。
タクシン派の政権与党プア・タイ党は、来年02月02日に行われる予定の議会下院総選挙の比例代表名簿を届け出た。支那系で刑法学博士号を持つタクシンの性向を反映してか、名簿上位には縁戚、司法関係者が並んだ。
名簿は前125人で、1位はタクシンの妹のインラック首相、2位はタクシンの義弟のソムチャーイ元首相(インラック首相の姉ヤオワパーの夫、元法務次官)、3位はプア・タイ党党首のチャルポン内相(元法務次官)、4位スラポン副首相兼外相(タクシンの縁戚)、5位チャイカセーム法相(元最高検察庁長官)、6位チャルーム労相、7位サノ元内相、8位プラチャー副首相(元警察長官)、9位ポンテープ副首相(元裁判官)、10位プロードプラソプ副首相(元天然資源・環境省次官)、11位ポーキン元国会議長(元ラムカムヘーン大学法学部長)、12位ソムポン元副首相。
反タクシン派デモ隊の一団が、タイ法務省特捜局(DSI)が最大野党民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)らデモ指導者の銀行口座凍結を表明したことに抗議し、都内チェーンワタナ通のDSI前に集結。
午後反政府グループが都内ラックシー区にある法務省特別捜査局(DSI)に突入し、一時占拠される事態。
DSIが同グループ主導者らの銀行口座凍結を発表したことを受け、昼頃DSI本部を包囲、非難声明が行った後で、建物を占拠。その後数時間で撤退。
報道関係者が取材中の反政府デモ隊から嫌がらせや暴力を受けるという事例が複数報告されていることから、タイ放送記者協会やタイ記者協会が、報道の自由と取材者の安全を確保するようデモ指導者のステープに申し入れた。
これに対し、ステープは、「デモ隊をガードしている者たちにメディアの役割を理解させるよう努める。」などと述べて、善処を約束。
23日は、報道機関が立候補届出の受付初日の様子を報道する予定だったが、会場周辺では、デモ隊の一部から報道関係者が嫌がらせを受ける事態となり、多くのメディアが報道の中止を余儀なくされた。
反タクシン派はタクシンの影響力排除、インラック政権の退陣などを要求し、11月から、都内の民主記念塔(ラチャダムヌンクラーン通)周辺、首相府近く(ピッサヌローク通)、マカワンランサン橋周辺の計3カ所で座り込みの反政府集会を続けている。集会場所周辺の内務省、運輸省、農業協同組合省は23日も閉鎖。
2010年05月のタクシン派の暴動で放火され大きな被害を受けた都内のショッピングセンター(SC)の運営会社が損害保険会社アクサ・インシュアランスに保険金1.2億Bの支払いを求めた裁判で、控訴裁判所は原告の訴えを却下。
訴えていたのは戦勝記念塔近くのSC、センターワン・ショッピングプラザを所有運営するピープルプラザ社。1審の民事裁判所はアクサに1.1億Bの支払いを命じ、アクサが控訴していた。控訴裁はセンターワンの被害は保険金の支払い対象外となるテロ行為によるものとして、逆転敗訴の判決を下した。
タクシン派は2010年04~05月に数千~数万人でクルングテープ都心部を占拠し、05月19日、軍に強制排除された。このときに一部が暴徒化し、SC、銀行、テレビ局など20ケ所以上が放火された。衝突による死者は91人、負傷者は約2000人に上る。
12月24日(火)来年02月に行われる総選挙の立候補者の届け出の受付が、都内ディンデーン区にあるバンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)で23日から行われているが、反政府グループによる妨害を受け立候補者が登録できない状況に陥っている。引き続き反政府グループのデモ隊が同スタジアムを包囲し、妨害工作が続けられており、選挙管理委員会は対応策に苦慮している模様。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の関係者などが「軍が政府に対しクーデターを仕掛けようとしている。」などとの見方を示していることに対し、ウィンタイ陸軍副報道官は、軍事クーデターの可能性を全面的に否定し、「根拠のない情報を広めないでほしい。」と警告。
関係筋によれば、「タクシン派は、2006年09月の軍事クーデターで政権が倒され、タクシンが首相の座から追われたことから、「クーデター恐怖症」にとりつかれているが、同時に、再発の可能性に言及することでタクシン派への支持を拡大しようとしている。軍部はクーデターで政治対立が解消しないことに加え、10年のタクシン派による反政府デモの鎮圧に駆り出されたことで批判を受けており、政治と一定の距離を置こうとしている。」
国家治安委員会(NSC)のパラドン事務局長は、首都圏での国内治安法の適用を60日延長したことを明らかに。国内治安法適用は当初12月31日までとされていたが、反政府デモが今後も続くと予測し、適用延長を決めたもの。
国内治安法のもとでは、夜間外出禁止令の発令や検問所の設置、集会参加者の移動制限などが可能。
午後反タクシン反政府デモを指揮する野党民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)は、「下院総選挙の比例代表名簿の受け付け会場であるバンコクユースセンターの包囲を解く。」と発表。デモ隊はこれを受け、現場から撤退を開始。
前日から都内ディンデン区のスポーツ施設、バンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)の出入り口前などに、数千人のデモ隊を座り込ませて妨害していた。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長によれば、「今回の受付会場包囲は、総選挙を実施しようとすれば、反対派の強い抵抗にあうことを選管と政府にわからせることが狙いであり、本格的な選挙妨害の予行演習。その目的が達成されたためデモ隊を撤収させることにした。」
立候補届出の受付は期限内に完了する見通しとなったが、ステープは、「(反タクシン派の多い)クルングテープや南部で候補者はどのように選挙運動をするつもりなのか知らない。」と述べて、デモ隊による選挙運動阻止が計画されていることを示唆。 デモ隊は来年02月02日に予定されている総選挙の阻止、政党による比例代表名簿の届け出の妨害を掲げ、22日夜から数千人でバンコクユースセンターを包囲。ステープ元副首相は「(包囲は)成功した。」としているが、名簿の受け付けは23日から27日までで、届け出阻止を断念した形。
民主党など反タクシン派はタクシンの影響力排除、インラック政権の退陣などを要求し、11月から都内の民主記念塔(ラチャダムヌンクラーン通)周辺、首相府近く(ピッサヌローク通)、マカワンランサン橋周辺の計3ケ所で座り込みの反政府集会を続けている。 今月08日には民主党が党所属の下院議員全員の議員辞職を発表。翌09日、クルングテープで20万人規模の反政府デモを行い、インラック首相を下院解散、総選挙に追い込んだ。しかし、ステープ元副首相はインラック政権を退陣させた上で、様々な職種の代表からなる「人民議会」に国権を委ねるという事実上のクーデター計画を打ち出し、総選挙を拒否。民主党も21日、総選挙ボイコットを表明。
12月25日(水)朝から警察によると、下院総選挙の比例代表名簿の受付会場である都内ディンデン区のバンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)に、学生を中心とする300~400人の反政府デモ隊がバス10台、街宣車2台で乗りつけた。
デモ隊は建物の周囲に布を張り巡らせ、選挙委員会の職員の出勤や政党による比例代表名簿の届け出の阻止を図っている。
 比例代表名簿の受付期間は23~27日。野党民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)が率いるデモ隊の主力部隊は22日からバンコクユースセンターを包囲したが、24日午後、撤退。
タイ政府は、クルングテープ及び隣県などに出ていた治安維持法の適用期間を、来年03月01日まで延長することを決定。適用地域は、クルングテープ都内全域、ノンタブリー県全域、サムットプラーカーン県バーンプリー郡、パトゥムターニー県ラートルムケーオ郡。
インラック首相はテレビ演説を行い、「各界の代表からなる国家改革評議会(NRC)を年内に設置する。」と表明。憲法を含む法改正、選挙改革、汚職対策などの政治改革を推進する構想を明らかに。総選挙を予定通り来年02月02日に実施する考えを再確認。
NRCは、2000人の候補者から選ばれた499人の委員から構成されるもので、首相が27日にも、その設置を首相府に命ずる書面に署名する予定。候補者と委員の選定は、国軍、事務次官、国家経済社会開発委員会(NESDB)、主要経済7団体の代表11人からなる特別委員会が行うことになっている。
国家改革評議会(NRC)は、政治改革という目的と、選挙によらない議員の選出という点では、野党民主党のステープ元副首相らが設立を目指す「人民民主改革委員会(PDRC)」に近いが、「人民民主改革委員会(PDRC)」はクーデターによる政権奪取で発足させるという点で異なる。
民主党のアピシット党首(前首相)はインラック首相の提案について、「反政府勢力の圧力を交わすのが狙いだろう。」と懐疑的な見方を示した。反政府デモを続ける民主党関係者も「国民の要求に応えるものではない。」、「改革推進のポーズを示すことで、『総選挙実施』、『プア・タイ党の勝利』、『タクシン派政権樹立』を確実なものとすることが狙い。」と懐疑的な姿勢。
民主党など反タクシン派はタクシンの影響力排除、インラック政権の退陣などを要求し、11月から都内の民主記念塔などで座り込みの反政府集会を続けている。
08日には民主党が党所属の下院議員全員の議員辞職を発表。翌09日、クルングテープで20万人規模の反政府デモを行い、インラック首相を下院解散、総選挙に追い込んだ。しかし、ステープ元副首相はインラック政権を退陣させた上で、様々な職種の代表からなる「人民議会」に国権を委ねるという事実上のクーデター計画を打ち出し、総選挙を拒否。民主党も21日、総選挙ボイコットを表明。
反政府デモ指導者のステープが首相との公開討論を要求していることについて、インラック首相は12月16日、滞在先の北部チェンマイで、この要求を退けるとともに、「ステープ氏は国家改革評議会(NRC)で意見を表明すべき。」と述べ、ステープにNRCに参加するよう要請。
ステープもインラック首相も、改革を実行するために各界の代表からなる機関を設置するとの案を打ち出しているが、ステープは25日、テレビの公開討論を通じてこれら機関について意見を戦わせることを要求。
なお、ステープは、全閣僚の辞任後に議会の役割を担う「人民評議会」を、一方、インラック首相は、02月02日の総選挙実施を前提にNRCを設置するとしており、互いに相手の案を否定し批判。
前日まで妨害していた反政府グループとは別グループとされる、大学生などで構成される国家改革学生市民ネットワークは、来年02月02日の総選挙の延期を求めて、立候補届出の受付会場であるクルングテープ都ディンデン区のスポーツ施設、バンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)を数時間にわたり包囲。
スタジアム内に強行突入しようとしたため、警察と衝突している。
国家改革学生市民ネットワークの代表は、「我々が望んでいるのは総選挙の中止ではなく延期。まず改革を果たしてから総選挙を実施すべき。さもなくば、不正に手を染めている者たちが再び当選してしまう。」
26日にもバンコクユースセンターで総選挙の延期を訴える予定。
前日まで妨害を続けていた、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)は同会場で座り込みをしていたが、24日、主導していた野党民主党のステープが「所期の目的は達成された。」として現場からの撤退を表明したことで妨害行為を中止している。
12月26日(木)朝反タクシン・反政府派のデモ隊は、下院総選挙の比例代表名簿の受付会場である都内のディンデン区のスポーツ施設、バンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)とインラック首相の私邸(ヨーティンパタナー3通)前でデモを行う方針。
反タクシン派は来年02月02日に予定されている総選挙を阻止するため、22日からバンコクユースセンターでデモを行っている。比例代表名簿の受付期間は23~27日。
05時下院総選挙の比例代表名簿の受付会場である都内のディンデン区のスポーツ施設、バンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)に、選管職員や政党の代表が選挙用政党番号の抽選のため到着。
06時45分
(報道により06時頃)
反政府勢力の一派数百人がバス10台と街宣車3台でセンターに乗り付け、会場への乱入を試みる。
比例代表名簿の受付期間は23~27日。デモ隊は22日から会場の封鎖を試みていた。
07時10分警察が「会場への侵入を中止しなければ、催涙弾を使用する。」と警告。
07時15分
(報道により07時30分)
選挙阻止を掲げる反政府デモ隊が突入を図り、会場を警備する警官隊がデモ隊に向け、催涙ガス弾、ゴム弾を発射。警察が催涙弾使用を開始。選管委員5人が会場に到着。
08時30分政党番号の抽選を開始。
09時都内ディンデーン区にある学校3校に対して、臨時休校の措置。反政府グループと警察が衝突し、多数の負傷者を出す事態となったことが理由。付近の学校が学童を避難させ、2日間の休校を発表。
09時45分政党番号の抽選が完了。選管の職員と委員がヘリコプターで会場を離れる。衝突はセンターに隣接する労働省にも広がっている。都内ディンデン区のタイ労働省本省に反政府デモ隊が侵入し、労働省は業務を中止し、職員を帰宅させた。同省には外国人の労働許可証を扱う雇用局の事務所がある。
隣接するバンコクユースセンターに、下院総選挙阻止を掲げる反政府デモ隊が突入を図り、警官隊が催涙ガス弾、ゴム弾を発射。デモ隊の一部は労働省に侵入。
反政府派はインラック政権の打倒、インラック首相の兄であるタクシンの影響力排除などを掲げ、11月から、都内の民主記念塔(ラチャダムヌンクラーン通)周辺、首相府近く(ピッサヌローク通)、マカワンランサン橋周辺の計3ケ所で座り込みの反政府集会を続けている。集会場所周辺の内務省、運輸省、農業協同組合省は26日も閉鎖。
10時警察がゴム弾を発射し、デモ隊が投石やパチンコで応戦し、衝突がエスカレート。何者かが発砲。警察がヘリコプターで負傷者を病院へ、逮捕者を犯罪制圧課本部に搬送。
14時選管が記者会見。来年02月02日に予定されている下院総選挙の阻止を目指す反政府デモ隊と警官隊が衝突して死傷者が出たことを受け、記者会見を開き、「選挙を強行すれば死傷者が増える。」として、政府に下院選の延期を要請政府に総選挙延期を促す。
立候補届出の受付会場で早朝から選挙用政党番号を割り振る抽選が行われる中、反政府勢力の一派が会場に乱入しようと試み、警官隊がこれを阻止すべく放水車で放水を行うとともに催涙弾やゴム弾を発射。攻防は数時間に及び、混乱の中で何者かが発砲し警察官1人が撃たれて死亡し、負傷者も警察26人あまり、デモ隊が約70人に上った。
これを受けて、中央選挙管理委員会のスパチャイ委員長は記者会見を行って、「現在の状況下で、総選挙を透明性を確保して公正かつスムーズに実施できないことは想像に難くない。」と表明し、総選挙の延期を政府に促した。中央選管委員らは、「政府が選管の要請を受け入れず、総選挙を延期しない場合、独自の判断で現状に対処しなければならない。暴力を伴わずに総選挙を実施するには、関係者すべての同意が必要。」と考えている。
選管は立候補届出の受付が完了する年明けに今後の対応を協議、決定する予定だが、関係筋は、「政府が選管の提言を受け入れず、02月02日の総選挙実施に拘るようなら、委員らが辞任して選管を機能停止に追い込み、総選挙実施を不能にする見通し。」
中央選管は5人の委員で構成され、決定を下すには委員3人以上の賛成が必要。このため、3人が辞任すれば、選管は機能停止となる。このほか、選管にその権限があるか否かにかかわらず、委員3人以上が総選挙延期を決定し、選挙関連の業務を停止することも考えられる。
一方、政府は、「政府による選挙延期を可能とする法律は存在しない。」(ポンテープ副首相)また、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)も、「現在のタクシン派・選挙管理内閣を長期間居座らせるだけ。」との理由で総選挙延期に反対。
インラック首相は選管の要請に対し、コメントを拒否。反政府デモ隊の幹部は「必要なのは選挙の延期ではなくインラック首相の退陣だ。」と述べた。
16時デモ隊幹部が撤収を宣言するも、100人あまりが会場に乱入し、警官隊と再び衝突。攻防が夕方まで続く。
16時45分会場から引き揚げたデモ隊が退役軍人総合病院前に再集結し、ウィパワディ・ランシット通下り線を封鎖。
17時45分治安当局が警察官1人が死亡し、数十人が負傷したことを確認するとともに、デモ隊を非難。
デモ隊は、下院選の比例代表名簿の受付会場である都内ディンデン区のバンコクユースセンターにバス10台と街宣車3台で乗り付け、受付会場の建物への突入を試みた。警察はデモ隊に向け、催涙ガス弾、ゴム弾を発射。デモ隊も投石などで反撃した。この衝突で、警官1人が銃で胸を撃たれ死亡。警官、デモ参加者ら約100人が負傷。現場を取材していたフリーランスカメラマンの日本人男性も怪我。
「都内ディンデン区のバンコクユースセンターと隣接する労働局では早朝から、警官隊からの催涙ガス弾、ゴム弾、反政府デモ隊からのコンクリ片、花火、爆竹が飛び交い、実弾も発砲された。朝09時から現場を取材、双方がやり合う光景を撮っていた。途中で携帯電話が鳴り、話しながらカメラを持ち、望遠レンズで数十m先の警官隊を覗いていたら、警官がゴム弾の銃を構え始めた。何となくシャッターを押していたら、銃口が煙を吐くのが見え、その直後に右の太ももにバシッという衝撃。そこでようやくこちらを狙っていたことに気づく。ゴム弾が当たって脚が痛いのでと謝りながら電話を切り、事務所に戻って改めて掛け直した。気を抜いた途端に危ない目に遭うと身を持って思い知らされた。」
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)が、首相の辞任を求めて、拠点のラチャダムヌン通からインラック首相の自宅まで約3000人を率いてデモ行進。
インラック首相宅へのデモ行進は今回が2回目。インラック首相宅は警官隊によって厳重に警備されていたが、トラブルは起きなかった。デモを先導したPDRC幹部は、「我々には武器はない。だが、時間と知恵がある。これを使ってインラックを追放する。」
「インラック首相が先の北部・東北部視察で選挙運動をした。」として「公金の不正使用」「法律違反」といった訴えが中央選管に寄せられていることについて、プチョン選管事務局長は12月25日、選管が事実関係を調査する方針であることを明らかに。
訴えによれば、「インラック首相は税金で賄われている視察旅行の最中にプア・タイ党への投票などを呼びかけたのであり、公金不正使用や法律違反に当たる。」
関係筋によれば、」プア・タイ党から『総選挙公示後に首相が視察旅行に行くことに問題はないか。』との問い合わせがあったことから、選管は、『視察旅行は可能だが、選挙運動と受け取られかねない言動は控えるべき。』と忠告していた。」
「ビヤシン」などで知られるタイのビール大手ブンロート・ブルワリーのオーナーで旧貴族のピロムパクディー家が反政府デモで揺れている。
一族の女性、チパット・ピロムパクディー(28)が野党民主党の反タクシン・反政府デモに参加し、演説を行ったり、警察のバリケードを撤去するためブルドーザーを運転するなど、指導者の1人として活動しているため。チパットさんが外国メディアに対し、「多くのタイ人、特に地方住民は民主主義をよく理解していない。」と述べたと報じられたことから、タクシン支持派が多い東北部ではチパットへの反感が広がり、ブンロートの事業への影響が懸念される。
12月18日には、ピロムパクディー家総帥のサンティ・ブンロート社長がいとこでチパットさんの父のチュティナン・ブンロート副社長に送った手紙がメディアに流出した。サンティ社長はこの中で、チパットさんの政治活動が会社の事業とピロムパクディー家に与える影響に強い懸念を表明。「何度も話し合ったが、返事がない。」とチュティナン副社長を責め、政治に関わるべきではなく、「社長は起きたことに責任を取る必要がある。」、「すでに警告し、助言を与えた。」と強い調子で善処を迫った。
翌19日には都内のチュティナン副社長宅に火炎瓶が投げ込まれ、チパットさんの乗用車が破損するなどした。警察はタクシン派の犯行とみて捜査を進めている。
チュティナン副社長は23日、メディアに声明を出し、「地方住民は民主主義に関する知識、理解がない」としたジパットさんの発言について、「私はタイ人はみな同じ権利と自由を持っていると思う。チパットの発言は不適切だった」と述べ、謝罪した。また、「娘と何度も話し合ったが、複数の点で意見が異なる」、「政治活動を続けるというので、妻と3人で話し合い、娘の姓を変えることにした。」と表明。チパットさんは26日、姓を母親の旧姓「クリダーコン」に変えたことを明らかに。
一方、23日、東北部コンケンのブンロートの社屋前に、タクシン派市民数百人が大型バス5台と街宣車で乗りつけ、チパットさんの発言を「差別的だ。」として抗議。
ピロムパクディー家は米経済誌フォーブスの2013年版のタイ富豪リストの6位で、推定資産は24億US$に上る。チパットの母は王族のモームルアン(王族の称号)・ピヤーパット・ピロムパクディー。ピヤーパットはシリキット王妃の侍女を務め、王妃が支援したタイの歴史大作映画「スリヨータイ」に主演。
チパット自身は英国留学後、民主党に入党し、アピシット民主党連立政権(2008~2011年)で閣僚秘書などを務めた。2011年の下院選にクルングテープの小選挙区で出馬し落選。
タイでは2006年から、特権階級とバンコクの中間層、南部が中心の反タクシン派と、東北部、北部の中低所得者が中心のタクシン派の抗争が続いている。
12月27日(金)エラワンセンターの発表によると、26日起きた警察と反政府グループによる衝突事件による死傷者数が143人に達した。このうち警察官1人が死亡、双方合わせて30人以上が入院中。警察の発表によると、高層ビルから発砲するものが目撃されており、その銃弾を受け1人が死亡した模様。
比例代表立候補届出の受付が行われていたクルングテープ都ディンデン区のスポーツ施設、バンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)で26日にデモ隊と警官隊が衝突して死傷者が出たことを受け、記者会見で、プラユット陸軍司令官は、「軍事クーデターの可能性はあるのか」との報道陣の質問に対し、「ドアは開かれてもいないし、閉じられてもいない。すべては状況次第でどんなことも起こり得る。」と返答。軍部による政治介入もあり得ることを示唆。
同時に、「軍部は、国民に受け入れられる役割を担い、また、『時代遅れの手段(クーデターを指すとみられる)を選んだ。』と批判を受けないよう、国民に支持されることが必要。」記者会見で、と指摘。さらに「軍は難しい岐路に立たされている。右にも左にも行けない状態。」と説明。同時に「誰もが制度外の力を使わないよう努力している。」、「クーデターを実行しても、誰が言うことを聞くだろうか。」と述べ、来年02月02日に予定されている下院総選挙については、「実施されれば投票する。」と述べた。
また、26日の衝突について、プラユット司令官は、「彼ら(暴力的行為に出た者たち)は、『暴力に訴えなければ、問題は解決できず、勝利できない。』と考えているのかもしれない。また、彼らの行為は、2010年の大規模反政府デモの際の過激な行為に類似している。だが、彼らが同じ者たちかはわからない。」と述べた。
治安統括センターを監督する立場にあるスラポン副首相兼外相は、ラジオ番組に出演し、「今後も選挙妨害が続く」との見方を示すとともに、来年02月02日に全国で公正な投票ができるよう、兵士による立候補者・有権者の警備と選挙の監視を国軍最高司令官に要請する考えを明らかにした。だが、関係筋によれば、軍部首脳は、中立の立場を強調しており、反政府デモ隊と直接対峙する可能性のある候補者の警備などを軍が引き受けるかは定かではない。」、「政府・与党の一部が、反政府デモ隊に政権を奪われるくらいなら軍部によるクーデターのほうがましと考えている。」、「選挙委員会が総選挙の延期を求めたことに対しては、選挙委が政治に介入すべきではない。」と述べた。
中央選管は先に総選挙の延期を政府に促す姿勢を明らかに。ソムチャイ選管委員は改めて総選挙の延期を政府に要請。
ソムチャイ委員によれば、「総選挙が4~6ケ月延期されれば、選管が政府と反政府派の間に入って総選挙実施に向けて意見をまとめることが可能。また、特定選挙区で問題が起きた場合、その選挙区の選挙を延期する権限しか選管には付与されていないことから、選管は政府に勅令の発布をもって総選挙を延期するよう促している。」
この他、選管委員5人のうち3人が欠ければ、選管は機能停止に陥り、総選挙が実施できなくなるため、3人以上の委員が辞任する事態も考えられるが、ニコム上院議長は、「選管を機能させるため、上院は速やかに新しい選管委員を任命する用意がある。」と述べた。
12月28日(土)
03時40分頃
都内ドゥシット区で、首相府近くのピサヌローク通チャマイマルチェート橋で座り込みを続ける反政府デモ隊の警備担当者らに対し、何者かが発砲し、警備担当者のうち男性1人(31)が死亡、4人(57、24、19)が負傷。デモ隊側は、「M16ライフル(自動小銃)による攻撃。」と主張。警察は、「現在捜査中であり、武器や犯人が発砲した場所などはまだ特定できていない。」
警備担当者の1人は、「金色あるいはブロンズ色の乗用車が(ピサヌローク通と交差する)ラーマ5世通を走行しながら、後部座席の窓から発砲してきた。」と証言。
クルングテープ救急医療センターによると、反政府デモではこれまでに、11月30日にラムカムヘーン通で起きた反政府派と政府支持派の市民の衝突で市民5人、12月26日のバンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)で起きた反政府デモ隊と警官隊の衝突で警官1人とデモ参加者1人が死亡しており、今回を含め、8人が死亡。負傷者は450人に上る。
26日には、都内のウィパワディランシット通で、反政府デモによる渋滞に苦情を言ったとされるタクシー運転手の男性がデモ隊にタクシーから引きずり出されて暴行を受け、意識不明となる事件も起きた。タクシーは棍棒で窓ガラスを割られるなどした。
27日には、バンコクユースセンターを視察した反政府派の上院議員グループに対し、バンコクユースセンターを警備中の複数の警官が「出て行け。」などと罵声を浴びせる騒ぎがあった。
来年02月02日に予定されている議会下院選挙の小選挙区の立候補受付が始まった。01月01日まで行われる。
反タクシン・反政府派は選挙阻止を掲げており、反タクシン派が多い南部などでは、立候補受付会場前に選挙に反対する住民が集まり、混乱が生じている。
23~27日に行われた政党比例代表名簿の届け出では、受付会場となったディンデン区のスポーツ施設バンコクユースセンター(タイ・ジャパニーズ・スタジアム)にデモ隊が突入を図り、警官隊が催涙ガス弾、ゴム弾を発射し応戦。デモ参加者が拳銃を発砲するなどし、警官1人とデモ参加者1人が死亡、約150人が怪我。
選挙委員会はこの衝突を受け、政府に投票日の延期を要請したが、政府は「法的な根拠がない。」として拒否。
来年02月02日総選挙の小選挙区立候補の受付が開始され、南部8県では反政府派の市民らが立候補受付会場に押しかけるなどして合計38選挙区の受付が中止に追い込まれた。総選挙に反対する市民らは、選管職員や立候補予定者が受付会場に入るのを阻止したり、会場への水道・電気供給を遮断。南部は、先に総選挙不参加を表明した最大野党の民主党の支持基盤で、民主党の支持者の多くが02月総選挙の実施に反対している。一方、プア・タイ党を応援するタクシン支持者の多い東北部や北部では、立候補の受付がスムーズに行われ、クルングテープでも妨害行為はなかった。
12月29日(日)14時頃首相府からやや離れたラチャダムヌンノーク通の国連ビル近くで、座り込みを続ける反政府デモ隊の警備担当者らのテントに大型の花火が投げ込まれ、5人が負傷。うち1人は重傷。
目撃者によれば、「マカワンランサン橋方面から来た2人乗りのオートバイから花火が投げ込まれたもの。」また、事件後、実況検分に来た警察官が警備担当者数人に殴られて顔面を負傷。関係筋によれば、「デモ隊がデモ隊の警備担当者らが死傷した先の発砲事件について警察の仕業と強く疑っており、これが警察官への暴行に繋がった。」
12月30日(月)
13時40分頃
マカワンランサン橋の反政府集会場に爆竹が投げ込まれ、4人が怪我。
23時50分頃首相府近くで発砲事件があり、デモ参加者1人が怪我。
デモ隊制止の最前線に立つ制服警官数百人がクルングテープ都内のラーマ5世騎馬像前広場に集まり、警察幹部に不満を訴えた。デモ隊と警官隊は昨年11月以降、数回に渡り激しく衝突し、警官1人が銃で撃たれ死亡、投石などで数十人が怪我をした。集会に参加した警官は「デモ隊への対処方法に関する明確な指示がなく、自衛出来ない。」と主張。警官に危害を加えた者の迅速な処罰も要求。
12月31日(火)20時からプミポン国王(86)は放送されたテレビ演説で、新年の挨拶を行い、「国民の幸福、成功、繁栄と国家の平穏を願う。」と述べ、国民に共通の利益やタイ人らしさを考えて行動を起こすことを求めるるよう呼びかけた。また、「国民が、幸福、繁栄、安全、国内の安寧を新年に期待する気持ちに変わりはないだろう。また、誰もが責務を全うできるよう、身体的・精神的健全さの維持に努めてほしい。」と述べた。
国王の今年の年賀状は写真の中央にスーツ姿の国王が椅子に座り、足下に金色の服を着た愛犬クン・トンデーンが控えるというもので、タイ語と英語で「2014年、明けましておめでとうございます。」、タイ語で「幸福と発展を願います。」と書かれている。枠には小さな笑顔のイラスト多数が散りばめられている。国王の年賀状は過去数年、愛犬と一緒の写真が続いている。
2014年01月01日(水)反政府デモ指導者のステープ元副首相は、事務局長を務める人民民主改革委員会(PDRC)が予定している「クルングテープ閉鎖」作戦の詳細を明らかに。それによると、政治改革を可能にすべくインラック首相に辞任を迫るため、01月13日から1か月にわたり毎日デモ行進を行うとともに、デモ隊が政府首脳の自宅前に陣取って外出できないようにする。また、「クルングテープ閉鎖」への理解を深めるとともに参加者を募るため、PDRCは05日から街頭デモを行う予定。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)が「クルングテープ閉鎖」を計画していることについて、インラック首相は、国軍首脳と会って、計画が実行された場合、治安の維持などにおいて警察に協力するよう国軍に要請。
インラック首相は、国軍首脳らを前に、「現在国内は無法状態のようだ。市民(反政府派)はやりたい放題。」と述べて、現況への憂慮を示した。
しかしながら、国軍は2010年の大規模反政府デモの鎮圧に部隊を出動させたことでとりわけタクシン派から厳しい批判を浴びたことから、プラユット陸軍司令官は、「軍に何ができるだろうか。2010年の時のようにデモ隊を排除することはできない。また悪者にされた揚げ句訴追されてしまう。」と述べて、協力要請に応えることに否定的な姿勢を明らかに。インラック首相は軍部に対し、「もし興味があるなら、(政府提案の)政治改革に参加してほしい。」と伝えた。
また、「クルングテープ閉鎖」について、一部で「反政府派はBTSスカイトレイン(高架電車)、バス、空港を占拠することを計画している。」との噂が広まっているが、PDRC幹部は、これを否定。「クルングテープを封じ込めるのは、国民が平和的な国家改革を望んでいることをインラック首相に伝えるためのメッセージ。これはインラック首相が退くことで達成される。」と述べて、改めてインラック首相辞任を要求。
民主党顧問会長のチュアン元首相のトラン県の自宅前で拳銃が発射された。怪我人はなく、家屋に銃弾が当たった形跡もなかった。
タイ当局によると、今回の政争では、昨年11月30日~01月01日に461人が負傷、8人が死亡。
01月02日(木)野党民主党のステープ元副首相率いる反タクシン派は13日朝からクルングテープで大規模な反政府デモを行う方針。主要道路を封鎖するほか、政府庁舎やインラック首相宅などの電気、水道を止めると宣言。公務員にゼネストを呼びかけ、政府寄りのテレビ局の乗っ取りも示唆。「勝利するまで続ける。」としており、大きな混乱も予想される。
一方、02月02日投票予定の議会下院(定数500)総選挙は12月28日~01月01日に小選挙区(定数375)の立候補受け付けが行われ、1272人が立候補。ただ、民主党の地盤である南部のスラタニー県、クラビー県、トラン県、パッタルン県、ソンクラー県では24の選挙区で、立候補受付会場を反政府デモ隊が封鎖したり、県選挙委員が辞任するなどし、立候補の届け出ができなかった。選挙委員会は03日、投票日を延期するかどうか検討する予定。
インラック首相は総選挙で勝利し事態の収拾を目指す方針だが、選挙で劣勢が予想される民主党は昨年12月に選挙ボイコットを表明。民主党と連動する反政府デモ隊は選挙阻止を宣言している。反タクシン派の影響力が強い選挙委員会も選挙の延期を提言し、実際に選挙が行えるかどうかは不透明。投票まで漕ぎ着けたとしても、様々な妨害により、下院議員の数が下院開会に必要な定足数に足りず、再度選挙を行うという事態も予想される。混乱が長引けば、反タクシン派の上院議員、選挙委、憲法裁判所などが結託して政権転覆を図るという見方も。
反政府派の妨害などで02月の総選挙実施が困難な状況となっていることから、中央選管がプア・タイ党と民主党の幹部らと打開策を協議。だが、両党ともこれまでの姿勢を変えず、結論は出なかった。
プア・タイ党は、政権の座を維持しながら政治改革を進めるべく、予定通りに総選挙を実施する必要があると主張。一方、民主党は、「公職選挙法の改正などを含む政治改革をまず果たすべき。」として、02月の総選挙実施に反対している。
また、中央選管は先に「立候補受付の締め切りを受けて02日に総選挙実施の可否を決定する。」としていたが、決定を03日に延期することにした。
このほか、デモ隊の妨害で120人以上が立候補の手続きができなかったことから、選管に救済策や立候補受付期間の延長を求める声が出ているが、選管は02日、「まだ何も決まっていない。」と明らかに。
反政府派が政府を機能停止に追い込むべく01月13日からクルングテープで大規模な抗議活動を展開すると表明し、また、これに対抗してタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)が大規模集会を決行する動きを見せる中、軍部首脳らが、治安維持への軍隊出動を可能とする非常事態布告に難色を示している。関係筋は、「軍部が、デモ隊排除などに直接関わるのを嫌っていることの表れ。」と指摘。
また、国軍首脳の反応について、国家治安委員会(NSC)のパラドン事務局長は、「国軍は、非常事態宣言を正当化できる状況にはまだ至っていないと判断しているようだ」としている。パラドン事務局長によれば、非常事態布告に関しては、政府の治安統括センターが01日にその可能性を協議し、02日には国軍最高司令官、陸海空3軍の司令官、国防事務次官、警察庁長官、パラドン事務局長の出席した会議で取り上げられた。ここで、国軍首脳らは、非常事態布告には同意せず、その代わりに、警察による治安対策の改善に軍が協力する意向を示した。
総選挙の立候補受付の会場、都内ディンデン区のスポーツ施設の敷地内で会場に乱入しようとした反政府派の一派と警察が衝突し死傷者が出た12月26日に事件で、反政府派が「(スポーツ施設に隣接する)労働省のビルの屋上にいた黒服の男たちに警察官1人とデモ隊の1人が射殺された」などと主張していることについて、アドゥン警察長官は、「ヘルス・ボランティアの車を壊したのも屋上にいたのも警察官。」と認めた。
だが、警察庁のチャルムポン顧問は、「警察官らが装備していたのは催涙弾発射装置とゴム弾を装塡した銃だけ。」、「射殺された現場との労働省のビルの間には高い建物が位置している。」などと指摘し、「警官の発砲で死者が出た。」との見方を全面的に否定。
この説明に対し、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)は、「当局は相反する見解を示すことで人々を混乱させようとしている。」と批判。
01月03日(金)中央選挙管理委員会は、「02月総選挙を延期せず予定通り実施することを決定した。」と発表し、「立候補受付期間の延長はできない。」と立候補受け付け期間を延長せず、選挙を予定通り実施する方針を固めた。
選管委員によれば、「『02月02日投開票の総選挙を実施する。』との勅令が発布されており、『予定通りに総選挙を実施する。』とした選管の決定に問題はないはず。また、南部の28小選挙区ではデモ隊の妨害で立候補届出の受付ができなかったが、これら選挙区で立候補を予定していた者は、公職選挙法39条に基づいて最高裁判所に訴えを起こすことが可能。」
公職選挙法39条では、「立候補届出を行ったにもかかわらず、選管の発表する候補者名簿に名前が掲載されなかった場合、発表から7日以内に最高裁に提訴できる。」とされており、届出ができなかった者が公職選挙法39条の適用対象となるかは定かでない。
また、総選挙後は、新政権発足に向けた手続きのため特別国会を召集する必要があるものの、特別国会には下院議員500人の95%、475人以上が出席しなければならない。だが、民主党の地盤である南部の8県、28小選挙区では、反政府派市民の妨害により、立候補予定者123人が届け出を行えなかった。投票日も反政府派による妨害が予想され、当選者の数が下院開会に必要な定足数に足りず、このままでは立候補者不在で28人が欠けることになる。規定により、180日以内に再度選挙が行われるという事態も予想される。従って、総選挙実施後の新政権発足はいまだに不透明なまま。
選管は「選挙を遅らせるべき。」と公言するなど、反政府派寄りの姿勢を鮮明にしており、選挙の実現に向けどこまで努力するかも不透明。
このため、一部の政党からは、選管に対し、「巨額の予算を投じて意味のない総選挙にやろうとしている。」といった批判が出ている。
01月04日(土)反政府派が01月13日から予定している「クルングテープ閉鎖」が国際線フライトのキャンセルにつながる恐れが出てきたことから、国内の主要空港を管理・運営するタイ空港社(AOT)が05日に緊急会議を開き、対応を協議することになった。
シンガポールからの報道によれば、シンガポール航空は01月14日~02月25日にかけクルングテープに乗り入れる19便を取り止めの予定。
スワンナプーム空港のラウィワン空港長が明らかにしたところによれば、AOTは06日にはタイ旅行代理店協会や航空各社の代表から意見を聞く予定。なお、ラウィワン空港長によれば、「今のところシンガポール航空を含めどのエアラインからもフライト取り止めの連絡は入っていない。」
南部8県の28に及ぶ選挙区でデモ隊の妨害のため総選挙への立候補の受付ができなかったことについて、プア・タイ党の広報担当プロムポンは、中央選管の対応に不満を表明し、「プア・タイ党は06日に立候補予定者の権利を守るため最高行政裁判所に提訴する予定。」と明らかに。
中央選管は先に、一部の政党から要求の出ていた立候補受付期間の延長について「不可能」との判断を示したが、その理由の1つが「投票日前に行われる不在者投票に影響する。」というもの。
だが、プロムポンは、「外国で在外投票をするタイ人はわずか200万人。一方、立候補受付期間が延長されなければ、南部8県の有権者500万人もが影響を受ける(候補者不在で小選挙区選挙の投票ができない)。」と選管を批判。
このほか、立候補届出ができなかった人々について、選管は、「最高裁に提訴できる。」としているものの、プア・タイ党の法律専門家チームのメンバー、ピチット前議員によれば、「選管が自ら救済措置を講じないのは不当。」
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)の広報担当者は、13日からの「クルングテープ閉鎖」に備えた予行演習として05日のほか07日と09日にもクルングテープで大規模なデモ行進を行う予定を明らかに。また、予行演習は、デモ隊が危害を加えられる恐れもあるため、夜間は避け昼間だけとされる予定。
また、同担当者は、「クルングテープ閉鎖では、ルンピニー、パトゥムワン、ラーチャプラソン、アソーク、戦勝記念塔、ラートプラオの主要交差点6ケ所が新たなデモ拠点とされる。このほかの場所でも集会を行うが、詳細は後日明らかにする。」
インラック政権は、反政府派が計画している01月13日からの「クルングテープ封鎖」に頭を悩ませている。
政府関係筋によれば、「インラック首相は、軍首脳を通じて同派への接触を試みているものの、回避の目処はまだ立っていない。」反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長(元副首相)は、複数の軍幹部と会って話し合いをしたものの、「改革推進のため(全閣僚が速やかに辞任し)暫定政権を樹立する必要がある。」と改めて強調し、これまでの姿勢を変えようとしなかった。
01月05日(日)インラック首相は、インターネットへの書き込みを通じて、「我々が政権の座に復帰するのを望まないのであれば、選挙で勝負を付けるべき。」などと訴えて、反政府派に02月総選挙への参加を呼びかけた。インラック首相によれば、「選挙ですべての問題が解決できるわけではないが、法律と民主主義のルールに則って総選挙を実施することが改革の実現に繋がる。」書き込みは、総選挙実施の正当性をアピールしようとしたもの。
だが、関係筋は、「反政府派は、『現行制度のもとではタクシン派が不正な手段で選挙に勝利するのは目に見えている。』と考えており、選挙法などを改正せずに総選挙を実施することに同意するとは考えにくい。」
反政府派が01月13日からの「クルングテープ閉鎖」で政府への圧力をさらに強めようとしていることから、シンガポール航空(SQ)、キャセイパシフィック航空(CX)、香港航空(HX)が、乗客の減少を見越してタイに乗り入れるフライトを減便を計画。
チャチャート運輸相は、「シンガポール航空が減便を計画していると聞いている。香港航空も今月はタイに乗り入れるフライトを60便減らすらしいとの報告も受けている。」と明らかに。
ただ、フライトの変更については事前に空港に連絡することが航空会社に義務づけられているが、ラウィワン・スワンナプーム空港長によれば、05日時点ではどの航空会社からも変更の連絡は来ていない。
民主党のステープ元副首相らが率いる反タクシン・反政府派は13日から予定している「クルングテープ閉鎖」で、デモ隊が占拠してステージを設営する重要拠点7ケ所を明らかに。7ケ所はBTSアソーク駅前、ルムピニー公園、パトゥムワン交差点(MBKセンター前)、ラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、戦勝記念塔(BTSビクトリーモニュメント駅)、ラープラーオ5差路、クルングテープ郊外の政府総合庁舎(チェーンワタナ通)で、11月から占拠してきた民主記念塔前は放棄する。
ステープ元副首相らは、民主記念塔から支那街などをデモ行進し、沿道に支持者数万人が押し寄せた。ステープ元副首相は、「このデモ行進で活動費を募金し、178万Bが集まった。」
「今回の反政府デモでは反政府集会場に「常駐」する参加者の一部に1日数百Bの日当が支払われている。」と報じられている。集会場には大型スクリーンやテントが設置され、無料の食事が振る舞われる。政府は「こうした活動資金が反政府派の資産家から出ている。」と見ているが、反政府派は「募金で賄っている。」と主張。北部チエンマイ市では反政府デモ隊約100人が自動車、バイクに分乗して市内デモ行進し、政府支持派の市民数百人から石やペットボトルを投げつけられ、怪我人が出た。
一方、タクシン派インラック政権・与党プア・タイ党は02月02日投票予定の議会下院(定数500)総選挙で勝利し、今回の危機を乗り切る構えで、04日、選挙活動を開始。しかし、反政府派は総選挙の阻止を掲げており、選挙で事態が沈静化する可能性は低い。
陸軍は「11日のタイの子どもの日のイベントで使用する戦車などを、09日にクルングテープや西部ラチャブリー県、東部プラチンブリー県、中部ロッブリー県などで移動する。」と発表。
タイでは昨年11月からクルングテープで反政府デモが起き、政治情勢が緊迫。政府支持派の市民団体からは、「今月13日に予定されている大規模な反政府デモを前に軍がクーデターを図る。」という見方が出ている。軍は今回、「戦車などが通る道路、時間帯を明らかにし、クーデターの準備ではない。」と主張。
01月06日(月)正午頃クルングテープ都内シーロム通のBTSサラデーン駅前で反政府集会があり、数百人が参加。反政府派はシーロム通に街宣車を止め、02月02日投票予定の下院総選挙の阻止などを訴えた。
民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は07日、クルングテープのチャオプラヤー川西岸を行進する予定。午前08時半頃、座り込みの反政府集会を続けている民主記念塔を出発し、ピンクラオ橋を渡り、チャランサニットウォン通を北上し、クルントン橋、サムセン通を経て、民主記念塔に戻る。
政府から「反政府派が軍事クーデターで政権転覆を図るという秘密計画を実行に移すべく、軍部に働きかけを強めている。」などと疑う見方。
タクシン派の政権与党プア・タイ党のスニサー副報道官は、クーデターの噂に言及。「13日のデモで何者かが発砲し、それを理由に軍がクーデターに乗り出す。」、「国際社会の反発を避けるため、クーデター後、市民が兵士に花を渡す。」、「占い師がクーデターの実行日に14日を選んだ。」、「クーデター後に設置される政権はタクシン派を弾圧し、反タクシン派の野党民主党が選挙で勝てる状況になれば1年で選挙を行う。無理そうであれば任期を延長する。」といった噂について、民主党のアピシット党首(前首相)に真偽を問うた。スニサー副報道官によれば、「秘密計画の下で、反政府派は、『ここでクーデターを起こせば、ヒーローになれる。』などと軍部を焚きつけている。」
一方、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長(元副首相)は、クーデター計画の存在を全面的に否定。「軍事クーデターが起きたとしたら、それは政府が原因。」と述べて、「軍部に行動を起こさせるのに反政府派の働きかけなど必要ない。」との見方。
関係筋によれば、「タクシン派が過去の経験からクーデターを恐れているのは事実。だが、世論調査でも軍部の政治介入を望まないとする意見が少なくないことから、タクシン派は軍部を牽制するというより市民からの支持を拡大するため『クーデターの恐れ』を持ち出している。」
中央選挙管理委員会は、「02月02日の総選挙に立候補するための手続きを行った1249人のうち87人を失格とした。」と発表。
失格事由のほとんどは、過去の選挙で投票しなかったことや政党所属期間が30日に満たないことなど。また、南部8県の28選挙区で反政府デモ隊の妨害のため立候補届出ができなかったが、選管による届出追加受付を求めて最高裁に訴えを起こした。
届出ができなかったのは計123人で、このうち29人がプア・タイ党の立候補予定者。
チャイカセム法相は、テレビを通じて「反政府が13日から計画している『クルングテープ閉鎖』に加担した者は、反乱罪に問われる可能性がある。」と述べて、政府を機能停止に追い込むというこの計画に参加しないよう市民に警告。
チャイカセム法相によれば、「このような計画に参加することは、市民の権利を侵害し、国益を損なうことに繋がるものであり、その罪の時効は20年にも及ぶ。」
反政府派による01月13日からの「クルングテープ閉鎖」で混乱が激化すると見られることについて、インラック首相は、「政府機関への電気、水道などの供給を遮断し、首都の交通を麻痺状態に陥らせることは、経済、国家、観光に損害を齎す。」と強調して、反政府派に改めて「クルングテープ閉鎖」を思い止まるよう要請。
また、インラック首相は、「非常事態宣言は、反政府デモに対処する最後の手段。」との考えを明らかに。
非常事態の下では、軍部が警察に代わってデモ対策の任務に当たることになる。
これまでの報道では、政府は非常事態宣言を望んでいるものの、軍部はデモ対策に駆り出されることを嫌っている。このため、非常事態が宣言されても、軍部が政府の期待に添うような行動を取らない可能性もある。
政府関係筋は、「非常事態宣言は、軍部が政府を助ける意思があるのかどうかを試す良い機会。」と述べた。
01月07日(火)反政府グループが13日に都内を封鎖すると発表したことを受け、在タイ日本国大使館より注意喚起。
1月8日のデモの呼び掛け及び13日以降の反政府勢力によるバンコク都内の閉鎖(Shutdwon)(2014年1月7日現在)

1 6日(月),反政府勢力は,1月13日(月)以降バンコク都を閉鎖(Shutdwon)するとして,同日午前9時から,アソーク交差点,ラチャプラソン交差点,戦勝記念塔等バンコク都内合計7ヶ所にステージを設けて,活動拠点とする旨の声明を発表しています。活動拠点の箇所については,在タイ日本大使館ホームページをご確認下さい。
2 また,同勢力は,8日(水)午前11時30分から午後1時30分までの間(予定),BTSアソーク駅前で13日のデモへの参加を呼び掛けるための集会を行う予定です。
3 活動拠点付近では,激しい交通渋滞が予想されますので,お出掛けの方は十分ご注意下さい。また,不測の事態の可能性も全く無い訳ではないので,今後とも報道等を通じて,最新情報の入手に努めるとともに,お出掛けの際には,活動拠点,抗議行動,デモ集会等の予定されている地域の周辺には,出来るだけ近づかない等,自らの安全確保に十分注意して下さい。

(問い合わせ先)
○在タイ日本国大使館領事部
電話:(66-2)207-8502、696-3002
FAX :(66-2)207-8511
反タクシン・反タイ政府派によるクルングテープ封鎖が13日に迫る中、軍事クーデターによる政権転覆の噂。
軍の最高実力者であるプラユット陸軍司令官は、クーデターの噂について、「まだ起きていないことを恐れても仕様がない。しかし、全てのことには原因がある。」と述べ、クーデターの可能性を否定しなかった。陸軍は11日のタイの「子どもの日」と18日の「陸軍記念日」のイベントのためとして、都内に戦車などの搬入を進めている。
プラユット司令官は2010年に都心を占拠したタクシン派市民を軍が武力鎮圧した際の指揮官。現在の反政府デモを率いるステープ元民主党幹事長は当時、治安担当の副首相。
タイ航空当局によると、航空会社がクルングテープ線の減便に乗り出した。シンガポール航空は01月14日~02月25日に19便、キャセイパシフィック航空は01月07~14日に7便、香港航空は01月04~30日に30便、それぞれ減便する。
クルングテープでは昨年11月から反政府デモが続いている。反政府派は「今月13日からクルングテープを封鎖する。」と宣言しており、外国人観光客の減少は避けられない見通し。
全国でコンビニ「セブンイレブン」を展開するCPオール社首脳によれば、反政府派が01月13日から計画している「クルングテープ閉鎖」による影響は限定的なものに止まる見通し。
CPオール社首脳は、「大規模な集会が付近の店舗に影響することを懸念するが、店舗への商品配送は小型車で夜間に行っているため、さほど影響を受けないだろう。また、反政府派は事前に計画を知らせてくれるので、うまく対応することができている。」と楽観視る。
大型量販店のビッグCも、以前からこのような状況への対応策を講じて毎年リハーサルを行っていることから、13日以降も全店営業を予定。
反政府派が01月13日から「クルングテープ閉鎖」を計画していることについて、プラユット陸軍司令官は、「人々が街頭に繰り出して衝突が起きて死傷者が出るという騒乱状態になったら、責任を問われるのは原則的に政府。」との見方。
「反政府派が軍部にクーデターを働きかけている。」といった情報がマスコミで大きく取り上げられているが、プラユット司令官は、「クーデターが起きるとも起きないとも言い切れない。」と述べて、可能性を示唆する姿勢を変えなかった。
01月08日(水)昼頃都心の高架電車BTSアソーク駅前で反政府デモ。人数は100~200人程度。反政府デモを主導する民主党のステープ元副首相らは参加しなかった。
民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は09日、チャオプラヤー川西岸地域を行進する予定。09時に民主記念塔を出発し、メモリアル橋を渡り、ウォンウィエンヤイで昼食。プラチャーティポック通、イッサラパープ通、ピンクラオ橋を経て、民主記念塔に戻る。全行程は約11㎞。
反タクシン・反タイ政府派がクルングテープ封鎖を目指す大規模なデモを計画している13日、都内の病院、銀行、ショッピングセンター(SC)、コンビニエンスストア、証券取引所などは通常通り営業する予定。ただ、一部の店舗では道路封鎖で商品の入荷に支障が出る恐れがある。
スワンナプーム空港当局は搭乗する便の出発時刻の遅くとも4時間前には空港に向かい、高架電車BTS、エアポートリンク、地下鉄MRTなどを利用するよう呼びかけている。
タクシン派の市民団体は、東北部ナコンラチャシーマー市で各県の代表者数千人を集め会合を開き、13日に首都圏と南部を除く各県で政府支持の集会を行うことを決定。首都圏と南部は反政府デモを主導する野党民主党の地盤。
クルングテープ都庁は、都内26区に位置する都庁管轄の学校146校に対し、反政府派による大規模デモ開始日である今月13日について、「都内26区にある学校146校を臨時休校とする。」と発表。
都庁教育局のクリット副局長は、「反政府デモのため学童の安全が確保できない恐れがあり、また、登校・下校にも支障が出る可能性がある。」また、これらの学校では、校長が13日以降も休校とするか否かを状況に応じて決めることになっている。また、「これら26区にある私立学校も休校措置を執る可能性がある。」
警察当局は、反政府派が13日から予定している「クルングテープ閉鎖」で都内の20を超える道路が直接的、間接的に影響を受ける恐れがあるとの見通しを明らかに。
反政府派が大規模集会を予定しているのは、ルンピニー、アソーク・スクンビット、ラーチャプラソン、パトゥムワン、戦勝記念塔、ラートプラオ、チエンワタナーの7ケ所。これによって、スクンビット、ラーマ1世、ラーマ4世、シーロム、ラチャダムリー、ラーチャプラロープ、パヤタイ、パホンヨティン、アソク、ラチャダピセーク、ラチャウィティ、ディンデン、プラチャソンクロ、ウィパワディランシット、ラートプラオ、チエンワタナーの16道路が直接的な影響を受けるとみられる。また、スティサン、カムペンペット、ラーマ6世、バムルンムアン、ペップリー、ラーマ4世、チャルンクルン、ソムデットプラチャオタクシンの8道路が間接的な影響を受ける恐れがある。
タイ商工会議所大学国際貿易研究所のアート所長(経済学部長)によれば、「反政府デモは間もなく終わるとみられるため、今年の輸出に大きな影響が及ぶことはない。」、「デモが終息すれば、第2四半期には輸出は回復する。」と楽観的な見方。
一方、タイ全国船荷主評議会(TNSC)によれば、「クルングテープ閉鎖」でクロントイ港が閉鎖された場合、タイの輸出全体のうち10%程度が影響を受ける恐れがある。」貨物船による輸出は、ほとんどがレムチャバン港経由となっているが、TNSC首脳は、「クロントイ港が機能停止となれば、荷の手配をし直す必要があり、少なくとも1週間の遅れが出るだろう」としている。
国家治安委員会(NSC)のパラドン事務局長はこのほど、「反政府デモが暴力に発展したら直ちに非常事態令を発令する。」と明言。
パラドン事務局長によれば、治安当局は反政府派が計画している「クルングテープ閉鎖」に対応する措置を考えており、国民の生命・財産に危害が及んだ場合、インラック首相が速やかに非常事態宣言を発令することになっている。人民民主改革委員会(PDRC)による大規模な反政府デモでは、大きな衝突は起きていないものの、パラドン同事務局長は、「騒乱状態を引き起こそうとする勢力が存在するため、(01月13日からの反政府デモでは)暴力に発展する事態は避けがたいと考えている。」
憲法裁判所は、政府が推していた憲法190条改正案についても違憲との判断。02月02日総選挙で勝利して政権に復帰することを望む政府にとってまたひとつハードルが増えた。
今回の判断は、国家汚職制圧委員会(NACC)による捜査を可能とするもの。NACCがクロと判断すれば、首相を含む全閣僚は職務を停止する必要があり、また、罷免・公民権5年停止という有罪判決を受ける可能性がある。このため、これら閣僚が総選挙で当選したとしても、公民権停止となって閣僚ポストに復帰できないことが考えられる。
また、「190条改正案は違憲。」と憲法裁に訴えた、最大野党の民主党のウィラット前議員は、同案を支持・承認した閣僚や議員(当時)の罷免を請求する意向を確認。政府はさらに困難な状況に追い込まれそうな情勢となってきた。190条は、主権や国益に影響する国際条約などを批准・締結するには議会の承認が必要などと規定したもの。 憲法裁によれば、「改正案の内容は憲法に抵触するものであり、また、改正案の国会審議で反対派議員の質疑が制限されたのも容認できない。」
南部8県で反政府デモのために02月総選挙の小選挙区立候補届出ができなかった、タイ貢献党の立候補予定者らが最高行政裁判所に対し、選管による届出追加受付を求める訴えを起こしていたが、「このような事例を裁く権限がない。」として、訴えを退けた。
「立候補届出やその受付は選挙に関する手続きであり、最高裁判所に提訴する必要がある。」という。また、「法律では『選管が発表する候補者名簿に名前が記載されていない場合、発表から7日以内に裁判所に提訴できる。』と規定されていることから、立候補予定者たちは、選管による立候補者名簿発表を待って最高裁に提訴する必要がある。」
01月09日(木)反乱罪に問われている反政府デモ指導者35人について、刑事裁判所は、「国外逃亡の恐れはない。」として、法務省特別捜査局(DSI)から出されていた逮捕状請求を却下。
刑事裁判所によれば、「これら指導者には、すでに出頭要請が送付されており、『出頭の用意がある。』と表明している者もいる。ただ、出頭要請が本人に届いていない恐れがあるため、DSIは要請書を再送付すべき。」タリットDSI局長は先に、「反政府デモ指導者らを逮捕したら、その身柄の拘留を刑事裁判所に請求する。」と述べていた。
反政府派が01月13日から予定している「クルングテープ閉鎖」について、インラック首相は、「好ましからざる結果に終わったら関係者全員が責任を取る必要がある。」と述べて、政府側にのみ責任があるとの見方に反論。
プラユット陸軍司令官は先に、「死傷者が出るような事態になったら、責任は原則的に政府にある。」と述べていた。インラック首相によれば、「クルングテープ閉鎖では、政府側でも反政府派側でもない第三者が何らかの目的で暴力事件を起こすことが考えられる。」また、プラユット司令官は、「どちらの側につくことも考えていない。クーデターを起こす機会をうかがってもいない。」と述べて、軍部を政治対立に引きずり込まないでほしいと訴えた。
このほか、プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部は、「クルングテープの近隣県で11日に大規模集会を行う。」と表明。これは、「クルングテープ閉鎖」への反対を表明することが目的とのことだ。クルングテープの東隣、サムットプラカン県ではタクシーとオートバイタクシーの運転手約1000人が県庁舎前で集会を行う予定。
中央選管のソムチャイ委員は、「現在の緊張状態の中で総選挙が予定通り02月02日に実施されたら暴力沙汰が起きかねないため、選管は来週にも政府側は協議する予定。」と述べた。
この他、南部8県の28選挙区が候補者不在となっている問題、会計検査院が総選挙実施に懸念を表明していることも協議で取り上げられる予定。会計検査院が選管に文書で伝えたところによると、「02月02日総選挙はすでにさまざまな問題が生じており、巨額の血税を投じて実施したところで無効となる恐れがある。このため、予定通りに総選挙を実施すべきか否かをよく検討する必要がある。」
反政府派が計画している「クルングテープ閉鎖」が経済に与える影響は小さくないと予想されるが、経済専門家の多くは、「2011年の記録的大洪水ほどの損失は出ない。」と見込んでいる。
カシコン銀行のカシコン・リサーチセンター(Kリサーチ)によれば、「クルングテープ閉鎖」がどの程度長引き、また、何が起きるか予想できないため、経済的損失を推定するのは困難。しかし、製造業が大打撃を受けることはないため、3年前の大洪水ほどの損失が出ることは考えにくい。洪水による損失は、世界銀行の推定で1兆4000億Bあまり。また、クルングテープの経済活動は1日当たり100億B程度とされており、GDP全体の約30%を占めている。今年のタイ経済成長率は、新政権誕生が下半期にずれ込まず、景気刺激策が実施されれば、3.7%程度になると予想される。」
「反タクシン反タイ政府派が13日にクルングテープで予定している大規模デモ『クルングテープ閉鎖』で、都内の交通が混乱に陥る。」と懸念。
反政府派は13日のデモで、政府総合庁舎、高架電車BTSアソーク駅前、ルムピニー公園、パトゥムワン交差点(MBKセンター前)、ラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、戦勝記念塔(BTSビクトリーモニュメント駅)、ラープラーオ5差路の7ケ所にステージ、テントなどを設置し、長期間占拠する構え。
占拠が始まれば、スクムビット通、ラーマ1世通、ラーマ4世通、シーロム通、ラーチャダムリ通、ラチャプラロップ通、パヤタイ通、パホンヨーティン通、アソーク通、ラチャダピセーク通、ラチャウィティ通、ディンデーン通、ラープラーオ通、チェーンワタナ通といった幹線道路が麻痺し、通勤、通学者が高架電車BTS、地下鉄MRTなどに殺到、ラッシュアワーの混雑の悪化が予想される。
都内の戦勝記念塔に路線旅客バン約300台が集まり、営業が阻害されるとして、13日のデモに抗議した。
タイ当局は13日、警官、兵士1万人以上を都内に出動させ、警戒に当たる方針。ただ、実力でデモ隊の阻止を図れば、それを口実に軍事クーデターが起きる可能性があり、デモ隊による主要道路の封鎖・占拠を避ける方法はなさそうだ。いったん陣地を設営されてしまえば、撤去させるのはさらに困難で、事態は長期化する恐れがある。デモ隊は政府との対話を拒否し、デモによる政権奪取を掲げているが、実現は困難とみられ、実際には軍事クーデターを起こさせることが狙い。軍の最高実力者であるプラユット陸軍司令官は2010年に都心を占拠したタクシン派市民を軍が武力鎮圧した際の指揮官で、現在の反政府デモを率いるステープ元民主党幹事長は当時、治安担当の副首相。
タクシンは首相当時(2001~2006年)、特権階級の影響下にあり、政府から半ば独立した存在である軍を政府・自陣営に取り込もうとしたが、2006年の軍事クーデターで失脚。その後の軍事政権下で、軍は上層部からタクシン派を追放するとともに、軍幹部人事を政府から切り離す規定を設けた。タクシン派はその後、軍への影響力を徐々に取り戻したが、プラユット司令官は今回の政争で、クーデターの可能性を否定していない。
01月10日(金)政府支持派約300人がトラック約50台、バイク約100台で都内のラープラーオ通などをデモ行進し、反政府派が13日に計画している都内での大規模デモへの反対を訴えた。
反タクシン反政府派のデモ隊は13日から占拠する予定の都内6ケ所、郊外1ケ所のうち、パトゥムワン交差点(MBKセンター前)のバンコク芸術文化センター前を中核拠点とする計画だ。パトゥムワン交差点では一日中、反政府集会を行う。
その他の6ケ所はチェーンワタナ通の政府総合庁舎、高架電車BTSアソーク駅前、ルムピニー公園、ラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、戦勝記念塔(BTSビクトリーモニュメント駅)、ラープラーオ五叉路。毎日16時から02時まで集会を行う。また、毎日、都内の政府庁舎にデモ行進し、業務を妨害する方針。
タクシン派インラック政権の与党プア・タイ党が反タクシン派の街頭デモ、司法闘争による波状攻撃で窮地に陥っている。事実上のコメ買い取り制度、総額3500億Bの総合治水事業といった目玉政策も続行、実施が危ぶまれる状況。
野党民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は13日から都心の交差点など6ケ所と郊外の政府総合庁舎を占拠する計画。政府は警官、兵士1万人以上を動員して治安維持に当たる方針だが、都心で催涙ガス弾を発射すれば外国人旅行者の激減が避けられず、また、軍事クーデターの口実を与える可能性もあるため、道路占拠を阻止できない見通し。
政府・与党は02月02日の下院総選挙で事態の収拾を図る構えだが、混乱を理由に選挙委員会が選挙の延期を求めている上、選挙が実施されても、反政府デモ隊の妨害により、当選者の数が下院開会に必要な定足数に届かない可能性が高い。 与党の政治家が大量に公職追放処分を受けるというシナリオも現実味を帯びてきた。与党は昨年、現行憲法の規定で約半数が任命制となっている上院を全議席公選制に変更する憲法改正案を国会で可決したが、この改憲案に対し、憲法裁判所が昨年11月、「違憲な方法による権力の掌握を禁じた憲法68条に違反する。」などとして、違憲の判断を下した。憲法裁は今月08日、与党がまとめた外国政府、国際機関との協定に国会の事前承認を義務付けた条項の改正・緩和に関する改憲案も違憲として葬り去った。
憲法裁の判決を受け、汚職取締委員会は今月07日、「上院改革の改憲案に賛成票を投じた国会議員308人を調査する。」と発表。有罪の場合、調査対象者には5年間の公民権停止処分が下される可能性がある。汚職取締委は国際協定に関する改憲案や、コメ買い取り制度、総合治水事業についても、汚職の疑いで捜査に乗り出す構えで、憲法裁と汚職取締委の連携プレーで、インラック首相を含む与党政治家への公職追放処分、政権崩壊というケースも考えられる。
憲法裁、汚職取締委、選挙委などは、タクシン政権を追放した2006年の軍事クーデター後、反タクシン派が同派の人材を配し、政府が人事に介入しにくい仕組みを設けた。憲法裁長官、選挙委員会委員長らからなる委員会が任命制の上院議員を選び、上院が最高裁判事、選挙委員会委員らを選ぶシステム。タクシン派政府・与党はこうしたシステムの打破を目指し、上院改革を目指したが、手痛い反撃にあった格好。
インラック政権は現在、選挙管理内閣として権能が制限され、目玉政策の実施が滞っている。コメ買い取り制度は資金が枯渇し買い取りが滞り、タクシン派の地盤の東北部で、稲作農家による抗議集会が起きている。総合治水事業は昨年6月に入札を実施し、韓国水資源公社(Kウォーター)などが落札したが、中央行政裁判所が事業者との契約前に環境アセスメントと公聴会を実施するよう命じ、契約が大幅に遅れている。事業予定地では反対派による訴訟が相次ぎ、着工の見通しは立っていない。
タクシン派、反タクシン派の対立が続く中、動向が注視されているのが軍だ。軍の最高実力者であるプラユット陸軍司令官は今回の政争で「中立」を標榜しているが、クーデターの可能性も排除していない。ただ、クーデターは対外的なイメージが悪い上、東北部などの反タクシン派市民が反クーデターで立ち上がる恐れがある。こうしたことから、軍が半ば強制的に「仲介」するかたちで、ステープ元副首相らと政府が何らかの手打ちを行うという見方もある。こうしたシナリオを想定してか、インラック首相は、「クーデターはいい結果を生まない。」、「軍が中立的な立場でステープ元副首相との交渉にあたることを歓迎する。」と述べた。
中央選挙管理委員会のソムチャイ委員によれば、1月10日に開かれた委員による会議で、「『02月02日投開票の総選挙を実施する。』とした12月09日発布の勅令を無効として新たな日程で総選挙を実施するため、新しい勅令を発布するよう政府に求めることを決めた。」
現行の勅令が無効となれば、年末年始にかけて行われた立候補届出も無効とされ、新たに立候補届出を行う必要がある。
ソムチャイ委員は、「南部8県の28選挙区は候補者不在となっており、このままでは議員の不足で、新政権樹立に向けて特別国会を開くことができない。このため、総選挙を最初からやり直す必要がある。」と説明。
だが、政府は今のところ、政府に総選挙延期の権限はなく、また、選管が追加の立候補受付をすれば、議員の不足問題は解消されるなどとして、予定通り02月に総選挙を実施するとの姿勢を変えていない。
ポンテープ副首相は、「憲法には『(下院解散から)60日以内に総選挙を実施しなければならない。』と明記されている。政府がこれを延期すれば、憲法違反で政府が訴えられることになる。」と述べている。
保健省管轄の病院などからなる8団体で構成される「保健コミュニティー」が先に「改革を断行してから総選挙を実施すべき。」、「閣僚は全員が即時1月10日、「ナロン保健事務次官が関与している。」と、ナロン事務次官を懲戒処分とするため調査を開始する考えを明らかに。声明の内容は、反政府派の姿勢を支持するものとなっている。
一方、ナロン事務次官は、「自分の政治的立場を表明できてほっとしている。辞任するつもりはない。」と述べた。関係筋によれば、ナロン事務次官は、政府の姿勢を支持していないにもかかわらず、「政府と02月総選挙実施を支持する。」とした声明に署名させられるなどして不満を募らせていた。
在タイ米国大使館は、タイに滞在または旅行する自国民に対し、13日からの大規模デモ「クルングテープ封鎖」に備え、現金1週間分、食料、水、医薬品など2週間分、携帯電話を準備するよう助言。また、デモ会場周辺を避け、情報入手に務めるよう呼びかけた。
一方、在タイ日本大使館は15日に予定していた新年懇親会を中止。バンコク日本人学校は13日、臨時休校。
01月11日(土)中央選管が「新たな勅令発布による総選挙延期を政府に再勧告する。」と決めたことに対し、スラポン副首相兼外相は、「政府による総選挙延期を可能とする法律は存在しない。」との認識を改めて示し、「選管は02月総選挙を実施すべく十分な仕事をしているとはいえない。」と批判。さらに、「何らかの目的があって選管は職務怠慢を続けているのかもしれない。」と述べ、選管の姿勢を強く非難。
また、プア・タイ党の広報担当、プロムポンも、「選管は政府に総選挙を延期しろといっているが、馬鹿げている。職務を遂行できないなら選管委員は辞任すべきだ。」
一方、中央選管のソムチャイ委員によれば、「憲法93条には、『下院に欠員が生じ、議員数が全体の95%を下回った場合、議員を補充するために180日以内に選挙を行う。』と規定されている。従って、02月02日総選挙を中止して05月04日に総選挙を行うことも可能。」、「南部8県の28選挙区が候補者不在となっており、下院議員の不足で特別国会を開けない見通しだが、22の選挙区では、立候補者が1人のみとなっており、投票率20%以上という選挙成立の最低条件を満たすことができない恐れがある。」
反政府派が立候補受け付けを妨害したため、当選者が下院開会に必要な定足数に達しない見通しで、選挙予算が無駄になるなどとしている。政府は法的根拠がないとして延期を拒否。
プラユット陸軍司令官は、軍主催の子供の日(毎年01月の第2土曜日)関連行事を執り行ったあと、報道陣からクーデターに関する質問が出たことに対し、「メディアはわたしの顔を見るたびにクーデターの可能性について質問してくる。こんなことをしていては(市民に不安を与えて)状況が悪くなるばかり。」と述べて、今後一切クーデターについて質問しないようメディアに要請。
プラユット司令官はこれまで、慎重に言葉を選びつつも「クーデターの可能性を否定しない。」という姿勢だったが、関係筋によれば、今回の発言は、「クーデターを起こす積りはない。」と示唆したもの。
午前02時半頃、都内ラーチャダムヌンクラン通の反タイ政府デモ会場周辺で発砲事件。デモ参加者ら女性1人、男性6人が足などを撃たれ怪我。
クルングテープ郊外のパトゥムタニー県で反政府派と政府支持派の市民が衝突し、発砲などで4人が怪我。
01月12日(日)中央選挙管理委員会は、インラック首相に対し8つの理由をあげて02月総選挙を延期するよう正式に要請。理由は、南部8県の28選挙区で立候補受付ができなかったこと、16選挙区では候補者が1人のみであること、会計検査院が総選挙の無効=血税の無駄遣いを懸念していること、比例代表立候補の受付会場で起きたような暴力沙汰が再び起きる恐れがあることなどとなっている。
なお、中央選管は、「延期を要請しているものの、首相から返答があるまで総選挙実施に向けて準備を進める。」として いる。
反政府派が計画している「クルングテープ封鎖」に対抗して、タクシン支持団体の反独裁民主主義同盟(UDD)が地方で集会や街頭デモを行うなど活発な動きを見せ始めている。これは、「クルングテープ封鎖」に参加しないよう市民に呼びかけることが目的という。
また、ティーダUDD議長は、「約50の県で13日、 『クルングテープ封鎖』に反対する集会を県庁舎前で決行する。」と宣言。ただ、あるUDD幹部は、「クルングテープまでデモ行進することは考えていない。」と述べた。これは、政府支持派と反政府派が衝突する事態となれば、政府がさらに苦しい立場に追い込まれかねないためと見られる。
「クルングテープ封鎖」でクルングテープの交通が麻痺状態に陥ると予想されることから、スワンナプーム空港のラウィワン空港長はこのほど、「フライトに搭乗予定の人々は、少なくとも4時間の余裕をもって家やホテルを出てほしい。」、「渋滞に巻き込まれるのを避けるため、バス、タクシー、マイカーなどは使わずに、スカイトレイン(高架電車)、地下鉄、空港線を利用すべき。」と呼びかけた。
また、チャチャート運輸相によれば、「路線バスは、反政府派が占拠を予定している交差点を避けて迂回するため、路線バス利用者は注意が必要。」
夕方~13日朝反政府派は都内の6ケ所と郊外の政府総合庁舎前(チェーンワタナ通)を占拠し、路上に土嚢を積み道路交通を遮断。ステージ、テントなどを設営し、長期間占拠する構え。デモ参加者は数万人と見られる。反政府派が占拠した都内の6ケ所はパトゥムワン交差点(MBK前)、ラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、高架電車BTSアソーク駅前、ルムピニー公園、戦勝記念塔(BTSビクトリーモニュメント駅)、ラープラーオ五叉路。
13日から始まる予定の大規模な反政府デモ活動で行われる「クルングテープ封鎖」は、一部地域では既に始まっている模様。都内のパトゥムワン交差点、ラーチャプラソン交差点、郊外の政府総合庁舎前のチェーンワタナ通を占拠。チェーンワタナ通では路上に土嚢を積み、交通を遮断。
道路占拠を行う途中で、チェーンワタナ通やデモを主導する野党民主党の本部などで発砲事件があり、少なくとも1人が怪我。


48章  クルングテープ封鎖 ステープ首都主要交差点で集会 爆弾発砲テロ
01月13日(月)早朝から反政府デモ隊が封鎖しているのは、ルンピニー公園前、ショッピングセンターMBK(マーブンクロン)センター前、セントラルワールド前のラーチャプラソン交差点、アソーク交差点、戦勝記念塔エリア、チャトチャック公園に近いラートカプラオ五叉路、イミグレーションなどが入居する政府合同庁舎前の7ケ所道路。
BTS、地下鉄MRT、高架電車エアポートリンクなどは通常通り運行しているが、自家用車での通勤をあきらめた人やデモ参加者が電車の利用に切り替えたため、混雑が悪化し、朝のラッシュ時には満員で乗車できず、何本か待つ人もいた。
この日は休日とした企業・教育機関も多く、深刻な混乱はまだ起きていない。都内の百貨店、ディスカウントストア、コンビニエンスストアなどはほとんどが通常通り営業。
反政府グループが都内で大規模デモ「クルングテープ封鎖」を決行。都内中心部の複数の交差点にステージが設置され、自動車などの通行ができなくなっており、交通インフラがほぼ麻痺した状況。普段市民の足となっているバスやタクシーは、中心部ではほとんど利用できず、BTSや地下鉄などでの移動が中心となっている。デモ隊の解散の目処は経っておらず、長期化する恐れが高い。
BTSアソーク駅前のアソーク通では09時時点で、スクムビット通との交差点からMRTスクムビット駅の入口付近までの約300mにデモ参加者が集結。歩道に車が止まるなどしているが、歩行は可能な状況。
メインステージはMBKセンター前に設置されるが、ビジネス街であるシーロム通の入口であるルンピニー公園前道路も午前には数百人のデモ隊が集まり、その規模は徐々に膨らんでいる。
11時35分時点で、ラーマ4世通からシーロム通への進入、シーロム通からラーマ4世通への出も不可能。BTSサラデン駅周辺のシローム通の交通は麻痺。
ルンピニー公園入口、ラーマ4世通のフライオーバー下にはテントを設置。自炊設備も準備されている。定期的にピックアップトラックがやってきて、水、軽食、健康ドリンクを配布。ルンピニ公園前の舞台では、幹部がしきりに「非暴力」を強調。
ヤラー県ベトン郡からデモに参加した40代の男性は、「インラック首相が辞任するまで何日でもルンピニで野宿する。」と意気込む。
タイ政府はデモ隊占拠地域への出入りを禁止する声明を出し、デモの拡大を抑制しようとしているが、市民の反応は鈍い。
BTSアソーク駅に隣接するアソーク交差点は完全封鎖。「路線バスのため1車線は確保しておく。」との約束は反故にされ、交差点は人で溢れた。クィーン・シリキット会議場から道路を北上しアソーク交差点に入る少し手前でスクムビット通を左折するための分岐路に入ることができるが、このルートは車両通行可。しかし、反政府デモ隊の治安要員が逐一チェックしているため、相当の時間がかかるし、いつ閉鎖されるかも知れない。アソーク交差点は完全交通止めと思っていた方が無難。一部道路上にはテントが設営。
アソーク交差点のスカイウォークも、写真撮影の市民、道路に座りきれないデモ参加者、デモに無関心の一般市民で歩行がままならない。スリも紛れ込んでいるので注意が必要。 高級複合商業施設セントラルワールド前のラーチャプラソン交差点。2010年、タクシン派が約2ケ月にわたり占拠した場所だが、今回は反タクシン派市民が座り込むことになった。ここも完全に通行止め。一般車両はもちろん、路線バスなども走行できない。ここも約束違反となった。
周辺のスカイウォークはデモ隊の簡易休憩所に様変わり。最寄りのBTSチットロム駅は大混雑。チケットを購入する長蛇の列ができている。デモ隊参加者は沿線のデモ拠点を渡り歩くため、1日券(130B)を購入。
今回の首都封鎖のメインステージが置かれているのが、観光客にも人気の庶民的ショッピングセンター、MBK(マーブンクロン)センター前だ。ここはデモ参加者ですらメインステージ前になかなか辿り着けないほどの混雑。周辺道路、中央分離帯は人とテントで溢れた。高級ショッピングモールであるサイアムディスカバリー、サイアムパラゴンはデモ参加者が休憩所として使用。ただ、中産階級が多いためか、女性はブティック、男性はスポーツ用具店でショッピング。この日、センター内のイベント入場者は大半がデモ参加者。特に、「クール・ジャパン」イベントでは商品が当たり大喜びしているデモ参加者もいた。1階入り口ではマウンテンバイクを購入した南部訛りの中年男性が仲間に自慢していた。
近接するBTSサイアム駅は大混雑。BTSの利用が初めてのデモ参加者が多いようで、職員が改札口に張りつき説明しているが、それでも長蛇の列はなかなか進まない。
本日は初日ということもあり、緊張感はないが、それだけに、このままであれば長期化する可能性が高い。「インラックが辞任するまでデモを続ける。」と口を揃える反政府派。「絶対に辞任はしない。憲法で禁じられている。選挙が最善策。」との姿勢を変えないのがインラック首相で、落としどころはまだ見えない。
ラープラーオ五叉路と戦勝記念塔でも集会が行われている。ドンムアン空港など北郊に伸びるヴィパワディー・ランシット通とパホンヨティン通などが交差する重要拠点のラトプラオ差路。反政府デモ派は、チャトチャック公園前に仮設ステージを設け、インラック政権の打倒を訴えている。
IT関連会社の同僚らと参加したタックは、「特定の政党を支持しているわけではない。愛国心を持ってデモに参加している。」と水のペットボトルや菓子を無料で参加者に配った。
タマサート大学のソムバット元教授は、「我々は選挙実施に反対しているのではない。ただ、透明で汚職のない選挙に向けて改革を行うのが先だ。」と政府の強引な手法を批判。「恥知らずで無能な『あばずれ』が首相になるなんて、我々が何をしたというのか。」。ソンバットさんは家族とパトゥムワンとアソーク交差点でのデモに合流するためBTSに乗り込んだ。
一方、デモ隊は約束通りヴィパワディー・ランシット通の一車線を通行可能として緊急車両などの便宜を図っている。
ラープラーオ五叉路から南方に数キロにある戦勝記念塔で、デモ隊は道路の四方を封鎖し、気勢を上げた。14時過ぎに民主党の議員らが駆け付け、庶民派のチュアン元首相はBTS(高架電車)に乗って到着。「デモ参加者に労いの言葉を掛けにきた。ステージで演説はしない。」と語った。関係者によると、デモ主導者のステープが、13日17~18時頃に演説をする予定。
会社を休んで参加したOL3人組は、「アピシット前首相ら民主党にもっと頑張ってほしい。」とラーチャプラソンとアソーク交差点での集会に移動する。戦勝記念党は乗合バスの往来が盛んで、バス運営者が「占拠で営業できない。」と苦情を申し立ている。運転手の1人は「商売あがったりだ。利用者も迷惑がっている。」と早期のデモ中止を求めている。付近には軍の施設があるが、不穏な動きは見られなかった。
反タイ政府派によるクルングテープでの大規模なデモで、査証(ビザ)や労働許可証などを扱う政府機関が閉鎖に追い込まれた。
ビザ延長や90日ごとの外国人居住地報告などを担当するタイ警察入国管理局は、チェーンワタナ通の政府総合庁舎の窓口を閉鎖し、都内に設けた臨時窓口2ケ所で対応を開始。臨時窓口はラープラーオ通のショッピングセンター「インペリアルワールド・ラープラーオ」の5階と、スクサワット通の映画館・ボーリング場「メジャーハリウッド・スクサワット」の1階。営業時間は10時半~18時半。
労働許可証を扱う労働省本省も閉鎖。ニュースクリップが、担当部局に電話したが、応答がなかった。財務省、商務省、投資委員会(BOI)本部も閉鎖。
反政府グループによる大規模デモ「クルングテープ封鎖」が始まったことで、交通インフラが麻痺し在タイ日本大使館へのアクセスが難しい状況。これを受け在タイ日本大使館は、来館の場合はMRT等の公共交通機関の利用を推奨。在タイ日本大使館は、反政府グループが封鎖するウィッタユ通とラーマ4世通の交差点近くにある。
野党民主党が主導する反タイ政府派は、クルングテープの主要交差点を封鎖したほか、民主党の地盤の南部各県で反政府デモを行った。反政府派はインラック政権の退陣と02月02日の下院総選挙阻止を掲げている。
一方、政府支持派は北部カムペンペット県、東北部チャイナート県などで集会を開き、反政府デモへの抗議と総選挙支持を訴えた。
政府は事態を打開すべく、選挙管理委員会が勧告している02月の総選挙延期の可能性を話し合うよう提案したものの、同派も中央選管もこれに応ずる姿勢を示していない。
反政府デモを主導する人民(PDRC)のステープ事務局長(元副首相)は、「政府、軍部、いかなる仲介者とも話し合いをすることはない。」と明言。
ソムチャイ委員も「選管には話し合いへの出席要請はまだ来ていない。しかし、要請があっても話し合いには参加しない。」
ステープによれば、「反政府派・政府両者の面目を立てる形で決着をつけようとする動きがあるものの、このような妥協は論外。勝利を手にするまで政府に圧力をかけ続ける方針に変更はない。」
反政府勢力が「クルングテープ封鎖」を開始し、都内の主要交差点がデモ隊によって占拠された、クルングテープの道路は交通量が通常の半分程度に過ぎなかった。
警察当局によれば、「主要な交差点や地下鉄・高架電車の駅の周辺以外では、車の流れがスムーズだった。」、「交通が麻痺状態に陥ることを懸念し、自家用車を使わずに大量輸送機関を利用した人が多かった結果。」と言う。
政府の治安統括センターを監督する立場にあるスラポン副首相兼外相は、「反政府デモは平和的であり、今のところ非常事態の布告は必要ない。」と述べた。
反政府派による「クルングテープ封鎖」では、デモ隊が都内の主要交差点や、財務省、外務省、天然資源環境省、警察庁、国税局などを占拠。スラポン外相によれば、「政府はこのような状態が1週間程度続くと見込んでいる。」
反政府勢力の一派は、インラック首相が辞任を拒み続けた場合、タイ証券取引所(SET)とタイ航空無線社(AEROTHAI)を占拠することを計画している。 反政府勢力の一派のリーダーによれば、反政府デモ指導者のステープ副首相は、「計画を承知しており、占拠にも反対していない。」
一方、ウォラデート民間航空局局長は、「AEROTHAI占拠は航空法違反。15年までの禁固刑、2000~3万Bの罰金刑。デモ隊が空港を占拠したら、5~20年の禁固刑。空港占拠が航空機事故に繋がったら死刑もあり得る。」と警告。
反政府派が活発な動きを見せていることから、都内のホテルは外国人利用者が減少。だが、反政府デモ隊によって占拠されているラーチャプラソン交差点やアソーク交差点の近くにある高級ホテルでは、デモに参加しているタイ人の宿泊が増加。ホテル内のレストランで食事をするタイ人も増えている。
これらホテルはデモ参加者を積極的に呼び込もうと、宿泊料を値引きしたり、レストランの料金を30~40%引き下げたりするキャンペーンを行っている。
反政府デモ会場となっている都内のパトゥムワン交差点とラーチャプラソン交差点のショッピングセンター、サイアムパラゴン、サイアムセンター、サイアムディスカバリー、セントラルワールドは14日、営業時間を短縮し、18時に閉店する。
夕方の時点タイ警察などによると、クルングテープの反政府デモ参加者は約7万人に上った。
デモ隊が占拠した7ケ所の推定人数はラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)約2万3000人、パトゥムワン交差点(MBK前)約1万1000人、戦勝記念塔(高架電車BTSビクトリーモニュメント駅)約8000人、ラープラーオ五叉路8000人、政府総合庁舎前(チェーンワタナ通)約7000人、ルムピニー公園約3500人、BTSアソーク駅前6000人。
01月14日(火)タイ警察などによると、野党民主党のステープ元副首相が率いる反政府デモ隊は主要交差点などを占拠し、座り込みの反政府集会を続けている。警官隊との大規模な衝突は起きていない。
デモ参加者の多くはクルングテープの中間層、タイ南部、東部から動員された民主党支持者で、ホイッスルを吹き鳴らしたり、踊ったりし、さながら祭りのよう。参加者の大卒OLは「本当に楽しい。」と話した。
デモ隊が占拠しているのはラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、パトゥムワン交差点(MBK前)、戦勝記念塔(高架電車BTSビクトリーモニュメント駅)、ラープラーオ五叉路、政府総合庁舎前(チェーンワタナ通)、ルムピニー公園、BTSアソーク駅前、チャオプラヤー川に架かるラーマ8世橋など。09時時点で、アソーク駅前のデモ参加者は数百人程度だった。
別系統の反政府デモ隊が占拠を続けるマカワンランサン橋とタイ首相府近くでは01時頃、爆竹と催涙ガス弾が投げ込まれ、計10人が怪我。
デモの影響で、財務省、投資委員会(BOI)、タイ中央銀行などは、本部を閉鎖し、職員を自宅や地方事務所などで勤務させている。また、デモ隊により新たに関税局が封鎖された。
デモ隊が占拠している地区の銀行支店は多くが臨時休業。スーパーのフジスーパー、トップススーパーマーケット、ビラマーケットは全店が営業。ショッピングセンターのセントラルワールド、サイアムパラゴン、MBK、エンポリアムなども通常通り営業。
バンコク日本人学校は13日に続き臨時休校。
反政府派による「クルングテープ封鎖」が2日目に突入した14日におけるデモ拠点8ケ所の状況は、アソーク、デモ指導者ステープが訪れた12時30分時点でのデモ隊の人数は約3000人。前日に比べて大幅に減少。ラープラーオ五叉路、デモ隊が労働省と陸運局の入り口を封鎖。パトゥムワン、デモ隊が外務省、工業省、科学技術省に押しかけ、すぐに引き揚げる。ラーマ8世橋、前日からのデモ隊による座り込みで上り線、下り線とも通行不能。チェーンワタナ、デモ隊が商業省に押しかけるも、職員全員が退去していたため引き揚げた。戦勝記念塔、デモ隊が土木・都市計画局に押しかける。ラチャウィティ通とパヤタイ通は依然デモ隊に占拠されているものの、デモ隊の人数減少で車の流れは前日に比べて改善。ラーチャプラソン、デモ隊がラーマ1世通の警察庁本部に押しかけ、警察にデモ隊側につくよう要求。ルンピニー、デモ隊が午前中に関税局に押しかけ、午後には引き揚げた。
政府は15日に、02月02日の下院総選挙の延期について協議する方針だが、ステープ元副首相はあくまで民衆クーデターによる政権打倒を主張し、発言は過激化しており、事態が話し合いや合法的な方法で解決に向かう可能性は極めて低い。
反政府派が首相を辞任に追い込むべくさらに圧力を強める姿勢をみせていることに対し、インラック首相は、「自分の政治的立場を守ろうとしているのではなく、民主主義を守るという責務を果たそうとしているのだ。」と述べ、辞任する考えのないことを再確認。
関係筋によれば、インラック首相としては、「反政府派の要求に正当性はなく、02月に総選挙を実施して新政権が誕生するまで首相の座にとどまるのが民主主義のルールを守ること。」と考えているようだが、反政府派は、「民主主義のルールを踏みにじっているのは、不正を繰り返して勢力を拡大してきたタクシン派。」と強く非難し、インラック首相の主張を完全に無視している。
インラック首相が15日に政党や選管などの代表約70人と総選挙延期を話し合うとしていることについて、ソムチャイ中央選管委員は、「中央選管委員5人全員が話し合いに参加しないことを決めた。」、「代わりに16日に総選挙延期を選管と協議するよう首相に申し入れる予定。」と述べた。
関係筋によれば、15日の話し合いでは、プア・タイ党やプア・タイ党を支持する政党など02月総選挙の実施賛成派だけが出席し、「予定通りの総選挙実施で意見が一致した。」との結論が下される見通し。このため、選管委員らは出席を見送ることにしたもの。ソムチャイ委員は、「首相は選管との協議に出席すべき。02月に総選挙を実施するという勅令の履行に責任を負っているのは首相と選管。両者の主張が異なるのなら、まず直接話をすべき。大勢で話し合うのはその後。」としている。
反タイ政府デモの指導者の1人が12日、タイの航空管制業務を行うエアロノーティカル社を占拠すると宣言し、「空路が混乱する恐れがある。」として、懸念が広がっている。航空管制の妨害を言い出したのは学生主体のグループで、「インラック首相が辞任して出国しない場合、15日にエアロノーティカル社を占拠する。」と発言。
政府はこれに対し、国際的な問題に発展するとして、反政府デモ隊に再考を要請。反政府デモの中核である野党民主党のステープ元副首相のグループは14日、エアロノーティカル社の占拠は計画していない。」と表明。
一方、タイ国際航空は15日も本社ビルと政府総合庁舎での発券業務を中止する。また、スワンナプーム―チエンマイ、スワンナプーム―コンケン便を減便する。
反政府勢力の一派が「インラック首相が01月15日午前10時までに辞任しなければ、タイ証券取引所(SET)とタイ航空無線社(AEROTHAI)を占拠する。」と表明しているが、反政府勢力派のリーダーは、「インラック首相が期限までに辞任しなかったら、反政府デモ指導者のステープ氏と対応を話し合う。」と述べた。

高架電車BTSアソーク駅前の反政府デモ → 

反政府勢力派は先に、「SETなどの占拠計画は、ステープ氏も了承済み。」としていたが、計画に一部から強い批判が出ていることから、ステープの最終確認をとってから行動に出ることにしたものと見られる。また、AEROTHAIによれば、都内サトーン区トゥンマハメークにある中央航空管制センターは、バックアップ体制ができており、閉鎖しても業務に支障は出ないものの、プラチャック社長は、「タイの対外イメージに影響する。センターを占拠するのはやめてほしい。」と述べた。
デモを主導する野党民主党のステープ元副首相は、都内の高架電車BTSアソーク駅前の反政府集会で演説し、「インラック内閣が辞職しない場合、閣僚の自宅を包囲して電気、水道を止め、それでも辞任しない場合は閣僚全員の身柄を拘束し、資産を没収する。」と発言。また、インラック首相が辞任しないよう働きかけているとして、プラチャー副首相、プロードプラソップ副首相、ポンテープ副首相、スラポン副首相兼外相、チャルーム労相、チャトロン教育相、与党プア・タイ党のプームタム幹事長の名前を挙げた。
選挙委員会の要請を受け、インラック政権が02月02日の下院総選挙の延期の検討を始めたことについては、インラック政権を退陣させ、様々な職種の代表から構成される「人民議会」が政権を奪取するという事実上のクーデター計画の実施が目標であり、選挙の延期は無意味だと一蹴。
英字紙ネーションの報道によると、「インラック首相は『クルングテープ封鎖』前日の12日、辞意を漏らしたが、兄で国外逃亡中のタクシンとインターネット電話で話し合った際に、『辞任すれば職務放棄で反政府派から訴えられる恐れがある。』と言われ、思い止まった。」という。
インラック首相は14日、「民主主義を守るため、首相の座に留まる。」と述べた。総選挙のボイコットを表明している民主党に対しては、「選挙は政党の責務だ。」と、総選挙の延期に関する話し合いに参加するよう求めた。
反政府デモを率いる野党民主党のステープ元副首相は15日、高架電車BTSアソーク駅からデモ行進する予定。09、10時にアソークを出発して、スクムビット通を東に進み、トンロー通、ペッブリー通を経て、アソーク通に戻る予定。沿線は日本人在住者の多い地区で、在タイ日本大使館が注意を呼びかけている。
ステープ元副首相は「ラチャダピセーク通のタイ証券取引所(SET)とイベント会場シリキット・ナショナル・コンベンションセンターについても、公務員が内部に臨時オフィスを設けていた場合、即刻、デモ隊で封鎖する。」としている。
反政府デモ隊は13日から、都内のラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、パトゥムワン交差点(MBK前)、戦勝記念塔(BTSビクトリーモニュメント駅)、ラープラーオ五叉路、ルムピニー公園、BTSアソーク駅前、チャオプラヤー川に架かるラーマ8世橋、郊外の政府総合庁舎前(チェーンワタナ通)を占拠している。
ステープは、「3日以内に都内の全公務機関を占拠する。」と宣言。13日から、大規模デモ「クルングテープ封鎖」を決行しており、主要道路にステージを設置し道路を封鎖している。
封鎖を受け、14日、反政府集会場周辺の銀行支店36店が閉鎖、99店が営業時間を短縮した。また、ラーチャプラソン交差点、パトゥムワン交差点周辺のショッピングセンターは多くが営業時間を短縮した。それ以外の地域のスーパー、コンビニエンスストアなどはいずれも営業を続けている。企業も大半はオフィスを開け、ホテルも通常通り営業している。
反政府グループによる大規模デモ「クルングテープ封鎖」を先導している野党民主党本部に、銃弾が撃ち込まれる事件が起きた。犯人はわかっていない。タイ地元紙によると、民主党所属のステープを中心に、アピシット前首相など民主党幹部らがデモ隊を先導しており、現政権支持者による犯行と見られている。
23時頃都内のルムピニー公園で、警官4人がデモ参加者から暴行を受け負傷。
01月15日(水)00時頃都内スクムビット通ソイ31のアピシット民主党党首宅に爆発物が投げ込まれ、屋根が破損、窓ガラスが割れるなどした。怪我人はなかった。現場は日本人在住者が多い地区。
00時10分頃都内パヤタイ通のフアチャーン橋近くで発砲事件があり、反政府デモに参加していた男性(34)と女性(54)が足などを撃たれ病院に搬送された。
02時頃都内の競馬場ロイヤルターフクラブ・オブ・タイランド前で、民主党の地盤である南部から反政府デモ参加者を乗せてきた大型バスが放火され、車両の一部が破損。
反タイ政府デモ隊によるクルングテープの主要交差点の占拠封鎖「クルングテープ封鎖」は15日で3日目を迎えた。デモ隊への銃撃が起きたほか、デモを主導する野党民主党の党首宅に爆弾が投げ込まれ、治安の悪化が懸念されている。
15日時点で反政府デモ隊が占拠しているのは、都内のラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、パトゥムワン交差点(MBK前)、戦勝記念塔(高架電車BTSビクトリーモニュメント駅)、ラープラーオ五叉路、ルムピニー公園、BTSアソーク駅前、チャオプラヤー川に架かるラーマ8世橋、民主記念塔、タイ首相府周辺など。

デモ隊が占拠するBTSアソーク駅前(15日朝)→ 

労働省、財務省、商務省、内務省、エネルギー省、タイ投資委員会(BOI)、国家経済社会開発委委員会(NESDB)などは15日も本部を閉鎖。
タイ証券取引所(SET)は15日から、ラチャダピセーク通のショッピングセンター、エスプラナードに顧客サービスなどの臨時窓口を設けた。反政府デモ隊が同じ通りのSETビルを包囲する恐れがあるため。
デモ隊が占拠している地区の銀行支店は多くが臨時休業。ショッピングセンターのセントラルワールド、サイアムパラゴン、サイアムセンター、サイアムディスカバリーは15日の営業時間を18時までに短縮する。それ以外の地域のスーパー、コンビニエンスストアなどはいずれも営業を続けている。企業も大半はオフィスを開け、ホテルも通常通り営業している。
デモ隊を率いる野党民主党のステープ元副首相は、デモ参加者を引き連れ、都内の高架電車BTSアソーク駅から、日本人在住者が多いプロンポン、トンロー地区でデモ行進。
、アソーク交差点から、スクムビット通、エカマイ通(スクンビット通ソイ63)、ペッブリ通、トンロー通(スクンビット通ソイ55)、アソーク交差点を行進し、行く先々で激しい渋滞を引き起こした。沿道には支持者が詰めかけ、ステープ元副首相に声援を送ったり、活動資金を寄付するなどした。
ステープ元副首相は過去に数々の汚職疑惑が浮上した灰色政治家だが、タクシンによる利権・汚職構造を糾弾し、反タクシン・反政府派の寵児となっている。
主要交差点を占拠中の反政府デモ隊は16日、郊外のノンタブリー県にある保健省本省を包囲する計画。「報道が政府寄りだ。」として、都内ラーマ4世通のテレビ局チャンネル3へのデモ行進も示唆。
反政府デモ指導者のステープ元副首相が、都内アソーク交差点で行われた14日の反政府集会で、「首相を含む閣僚の身柄を拘束する。」と述べたことに対し、政府が猛反発。
スラポン副首相兼外相は、「反乱罪に問われているステープにこのような脅迫を許すことはタイが無法状態にあることを意味する。」、「(このような状態は容認できないため)アドゥン警察庁長官に直ちにステープを逮捕するよう指示した。」ことを明らかに。
ただ、アドゥン警察庁長官は、「状況が手に負えなくなるのを避けるため、注意深くことを進める必要がある。」と慎重な姿勢を取っている。
政府は都内ドンムアン区の空軍本部で小政党らと02月の総選挙の延期を可能性を話し合うフォーラムを開催。民主党とデモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)が欠席したこともあって、「政府には総選挙の日程変更の権限はない。」との点で出席者の意見が一致。「02月02日に実施する下院総選挙について、予定通り行う方針で合意した。」と発表。
選挙管理委員会は、このまま総選挙を行った場合、現在の政治情勢が、更に悪化する恐れなどを考慮し、「大勢で話し合う前に首相と選管が話し合う必要がある。」と提言。現政権に3ケ月延期するよう提案していた。インラック首相に01月16日に話し合いを行うよう申し入れていたが、多忙を理由に退けられた。
これに対し、ソムチャイ中央選管委員は、「総選挙延期に関する法的問題を首相と話し合うことを今後も求めていく。インラック首相が拒否し続けるなら、政府は誠実に問題を解決しようとしていないことになる。」と述べた。
最近の政情不安によって、工業系企業などに影響が出ていることがわかった。タイ地元紙によると、タイ工業連盟(FTI)副会長は、現在多くの企業に聞き取り調査を行っている段階としながらも、12月から01月にかけての受注が前年比で減少している企業が多く、政情不安による影響の可能性を示唆。
タイ高速道路公団(EXAT)は、13日からの高速道路利用者が通常時に比べ約50%ほど低下していることを明らかに。
タイ地元紙によると、EXAT総裁は、13日から始まった反政府グループによる大規模デモ「クルングテープ封鎖」が、大幅に減少した理由としている。
反政府派がインラック首相辞任と02月の総選挙の延期を求めて01月13日に開始した「クルングテープ封鎖」が、小売業に打撃。
特に高級品の販売が不振で、サイアム・パラゴンやエンポリアムを運営するモール・グループ首脳によれば、「市民が買い物に出かけるのを控え、観光客も減少している。売上は半減しており、過去3日間の損失は2億Bを超えた。」
公害管理局によると、都内の全域で15日、大気中の直径10μm以下の粒子状物質PM10の値が基準値(1㎥あたり120μg)を下回った。反政府デモ隊が主要交差点を占拠し、道路交通量が急減したため。
PM10の24時間平均値は、クルングテープ都バンカピ区で55μg(01月07日137μg)、都内パトゥムワン区のラーマ4世通で72μg(同173μg)、郊外のノンタブリー県パクレットで64μg(同129μg)、郊外のサムットプラカン県パクナムで81μg(同137μg)。
反政府グループが拠点を置く都内ラープラオ地区の五叉路近くで爆発。
タイ地元紙によると、何者かが高架橋から反政府グループのステージに向け爆弾を投げ込んだものと見られている。幸い爆弾が落ちたところに誰もいなかったことから、負傷者は出なかった。
01月16日(木)未明中部ノンタブリー県パーククレット郡チェーンワタナ通で、反政府グループの警備隊に属する男性2人が拳銃などの不法所持で逮捕された。
タイ地元紙によると、地元警察がチェーンワタナ通に設置した検問所で、通過しようとした男性2人の所持品検査をしたところ、拳銃数丁、ナイフなどを隠し持っているのを発見し、現行犯で逮捕。この2人組は「政府総合庁舎の反政府グループに合流するため、車で向かっている途中だった。」と語っている。このうち男性(46)1人は、以前に殺人未遂罪で逮捕されていたことが明らかとなっている。
タイ警察などによると、クルングテープの主要交差点を占拠中の反政府デモ隊は、都内の税務署を次々と包囲して職員を帰宅させ、出入口を封鎖。

← アソーク通のデモ会場
ラープラーオ五叉路のデモ会場 → 

高架電車BTSアソーク駅前を拠点とするデモ隊の一派は正午過ぎに、ピックアップトラック約10台、バイク約20台で、スクムビット通ソイ11の税務署に行進し、出入口を封鎖。署内の職員はデモ隊の歓声の中、次々に事務所を離れ、デモ隊が税務署入口に施錠。
デモ隊は次に、アソーク通のオフィスビル、シノタイタワーにある税務署に向かった。シノタイタワーは出入口を閉じてデモ隊の侵入を阻み、税務署職員が帰宅したため、デモ隊は撤退。サトン通、シーロム通ソイ9などの税務署も別のデモ隊により封鎖。

シノタイタワーに押しかけたデモ隊 → 

一方、11時から13時にかけ、首都電力公社の職員組合がバイク、ピックアップトラック、街宣車など約300台を連ね、ラーマ4世通から都内の高速道路をデモ行進。
国家汚職制圧委員会(NACC)は、不正が蔓延しているとされるインラック政権の目玉政策の一つ、米買い取り制度の本格的な捜査を行う方針を固めた。
インラック首相は国家米政策委員長としての責任を追及される可能性が出てきた。「職務怠慢があった。」と判断された場合、インラック首相は刑事訴追され、全ての公的役職からの辞任が求められることになる。
この件についてインラック首相は、報道陣に対するコメントを避けた。
また、NACCは、政府間コメ取引に関連する汚職容疑で、ブンソン前商業相やプーム前副商業相など15人のを刑事告発。インラック首相についても、不正を見逃したとして、刑事告発を視野に捜査を進める方針。
汚職取締委によると、「ブンソン商務相らは『米担保融資制度で農家から買い取った米の一部を政府間取引で支那に輸出した。』としていたが、実際には米は輸出されず、タイ国内の業者に販売された。取引は帳簿に掲載されず、脱税の疑いも強い。」
今回のNACCの決定については「膠着状態にある政治対立の打開を目的とした政治的判断」との見方もあるが、ウィチャーNACC委員は、「不正の横行を示す調査結果に基づいた正当な判断。」としている。ウィチャー委員によれば、NACCがインラック首相を罪に問うと決定した場合、首相には弁護の機会が与えられる。その後、刑事訴追するか否かの決定が下される予定で、手続きに1ケ月程度かかる見通し。「米取引に関しては、輸出先である支那の国営企業2社に支那政府が米輸入の権限を付与したことを示す証拠が存在しないことと、コメ取引のもとでタイから支那に米が輸出されたことを示す証拠が存在しないことを確認済み。」という。
米担保融資制度はインラック政権の目玉政策の一つで、政権発足直後の2011年10月に導入。政府が市価の約4割高で米を買い取るため、稲作農家には好評だが、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には1981年以来初めて米輸出世界一の座から転落。この制度で積み上がった膨大な米の在庫も政府の頭痛の種となっている。
買い上げた米の転売はほとんど進まず、最終的に数千億Bの損失を出す見込み。財政負担が重い割に政策効果が低いとして、国際通貨基金(IMF)やタイ国内のエコノミストから、「早急に制度を打ち切るべき。」という意見が相次いでいる。「米買い取り資金の大半は精米業者、輸出業者、政治家、大規模農家に渡り、汚職の温床になっている。」という指摘もある。さらに、インラック首相が昨年12月、反政府デモの圧力に屈して解散総選挙に踏み切ったことから、政府の機能が選挙管理に限定され、米買い取りに必要な資金の手当てができなくなった。地方では米の買い取りが遅れ、稲作農家が抗議集会を開く事態となっている。
中央選管のソムチャイ委員は、「17日に02月総選挙の延期に関する話し合いを改めて文書でインラック首相に要請する。」と述べた。
インラック首相は、「総選挙延期の権限は政府にはない。」と繰り返し、選管による延期勧告を退け、話し合いにも応じない姿勢を見せている。
だが、ソムチャイ委員によれば、「02月の総選挙に関しては、重要な法的問題が3つあり、選管とインラック首相の話し合いが不可欠。」
都内ドンムアン区の空軍本部で、政府主催の「政治改革フォーラム」が開催された。ただ、政治改革評議会のティラパット議長がインラック首相の即時辞任を求めたことなどから、結論に達しなかった。
インラック首相が議長を務めたフォーラムは、民間部門の代表や学者、一部の閣僚が出席して約3時間半にわたって話し合いが行われた。
ティラパット議長は、「現在の政治危機は政治勢力同士の対立ではなく、政府と市民の対立に起因するもの。02月総選挙は、政治危機の解決につながるとは考えにくく、延期されるべき。首相には国が直面する問題を解決する責務がある。」などと述べ、インラック首相に速やかに辞任するよう求めた。
これに対し、インラック首相は、「政府の責任取り方としては、辞任と下院解散の2つがあるが、解散を選んだ。あとは国民の判断を仰ぐべく総選挙を実施するだけ。」と述べて、総選挙で新政権が誕生するのを見届けるまで首相の座に止まる考えを改めて示した。
タクシン派のインラック政権は反タクシン派の野党民主党が主導する反政府デモ隊に今月13日からクルングテープの主要交差点を占拠され、窮地に陥っている。
タイ警察は大規模なデモを排除する能力に欠ける上、排除を強行すれば、王党派・反タクシン派の影響が強い軍がクーデターで政権を打倒する可能性があり、デモ隊を野放しにしている状態。
インラック首相は昨年12月、クルングテープでの大規模な反政府デモを受け、下院解散総選挙に踏み切った。タクシン派与党プア・タイ党は02月02日投票予定の下院選で勝利し、事態の収拾を図る方針だが、見通しは暗い。民主党が選挙をボイコットした上、反タクシン派デモ隊が選挙阻止を掲げ、立候補届け出を妨害。反タクシン派寄りと見られる選挙委員会は選挙の延期を繰り返し主張している。こうした状況の中、何とか選挙まで漕ぎ着けても、当選者の数が下院開会に必要な定足数に届かない公算が大きい。
デモ隊の排除も出来ず、選挙も解決策にならないとなると、政権側の打つ手はほとんど残されていない。2006年から続く反タクシン派とタクシン派の抗争で、大規模デモが話し合いで終了したケースはなく、今回も、デモ隊を率いるステープ元副首相(元民主党幹事長)は政府との話し合いに一切応じていない。インラック首相がデモ隊の要求に屈して辞任した場合は、「選挙管理内閣の辞職は法的根拠がない。」として、反タクシン派がインラック首相を職務放棄で訴える可能性がある。
反タクシン派は2006年に軍事クーデター、2008年に「司法クーデター」と呼ばれる憲法裁判所によるタクシン派与党解党で、タクシン派政権を倒した。今回も政権打倒はこの2つが鍵を握ることになりそうだ。ただ、軍事クーデターは対外イメージが悪く、時間は掛かるものの、司法を使った政権潰しにたどり着く可能性がある。
こうしたシナリオに沿ってか、反タクシン派寄りの汚職取締委員会はここに来て動きを活発化している。今月07日には、憲法裁に違憲判決を受けた改憲案を支持したタクシン派を中心とする国会議員308人を刑事告発。違憲とされた改憲案は、現行憲法の規定で約半数が任命制となっている上院を全議席公選制に変更する内容だが、憲法裁はこれを違憲と判断。憲法裁は今月08日、外国政府、国際機関との協定に国会の事前承認を義務付けた条項の改正・緩和に関する改憲案も違憲として葬り去った。汚職取締委は違憲とされた改憲案を支持した国会議員を次々と告発する一方、米担保融資制度、総合治水事業といったインラック政権の政策についても、汚職の疑いで捜査を急いでいる。
政府の治安統括センターを監督する立場にあるスラポン副首相兼外相は1月16日、反政府デモ指導者、ステープ元副首相の逮捕を目的に、反政府派の行動パターンなどを詳しく調査していることを明らかに。
ただ、ステープ氏を逮捕しようとすれば、不測の事態が起きないとは言えきれず、副首相は、「逮捕のタイミングを窺っている。」とも述べた。
なお、これまでに当局が得た情報によれば、ステープの移動には自動車8台が使われ、ボディーガード40人あまりが一緒に乗り込んでいる。
反政府デモを指揮する野党民主党のステープ元副首相は、交流サイトのフェイスブックに、「15日にアソーク通、スクムビット通などを10時間かけ行進した。」と書き込み、「誰もが応援してくれた。」、「反対する人は誰もいなかった。」と自賛。また、「自分の犬と一緒に写真に写ってくれという人がいて、一緒に写った。」として、「プン(スラポン副首相兼外相の愛称)の奴だったら咬まれるのが怖くて拒否しただろう。」などと書いた。この書き込みには2万7000人が「いいね!」をクリック。
フェイスブックのステープ元副首相のページの「いいね!」は98万人に上る。民主党党首のアピシット前首相のページの「いいね!」は165万人、政敵であるインラック首相のページの「いいね!」は181万人。

* ステープ・トゥアクスバン

1949年、南部スラタニー県生。父は県内の村長(カムナン)。チエンマイ大学政治学部を卒業後、米国に留学し、ミドルテネシー州立大学で政治学修士号を取得。帰国後、父親の後継候補として地盤を引き継ぎ、26歳でカムナン選に出馬し当選。1979年の下院選に民主党候補としてスラタニー県選挙区で出馬し当選。以来、下院選9回連続当選。1980年代後半から副農相、1997~2000年、第2次チュアン内閣で運輸通信相、2008~2011年に副首相、2005~2011年に民主党幹事長。
1992~1994年、第1次チュアン民主党政権で副財務相を務めた際に、土地を所有しない農家に対する土地証書を富裕な家族に発行したことが発覚し、1995年に連立パートナーの離反、チュアン政権の崩壊を招いた。ステープについては汚職や私生活について様々な噂があり、民主党内にも不満があった。
旧貴族につながる名家の出身者が多い民主党では珍しい豪腕型の実力者で、2008年12月にタクシン派ソムチャーイ政権がデモ隊による2空港と首相府の占拠で追い詰められた挙句、裁判所により選挙違反で与党が解党処分を受け、政権が崩壊した際に、解党された与党の中小派閥や連立パートナーの中小政党を都内の軍基地に集めて密談。民主党陣営に引き込み、アピシット民主党政権(2008~2011年)発足の立役者となった。
アピシット政権では「政府のマネジャー」と自称。政権ナンバー2の副首相として睨みを効かせた。2010年に都心を占拠したタクシン派デモ隊を軍が強制鎮圧した際には、治安担当副首相として陣頭指揮を執った。この鎮圧では約90人が志望、約2000人が負傷。
2011年の下院選で民主党がタクシン派プア・タイ党に敗れ、タクシンの妹のインラックが首相に就任。ステープは民主党幹事長を辞任。
タイの反タクシン・反政府デモで参加者が吹き鳴らす警笛。この警笛をめぐり、反タクシン派の野党民主党系のテレビチャンネル「ブルースカイ・チャンネル」は、交流サイトのフェイスブックに、「ブルースカイ・チャンネルが製造販売する特製警笛の海賊版が出回っている。」と書き込み、反政府デモ会場の警備担当者に対し、海賊版の取り締まりを要請。
ブルースカイは「ブルースカイは高品質の他とは異なる製品(特製警笛)を作り、売り上げを運営資金に充てていることを、支持者には理解して頂きたい。」、「このような(特製警笛の海賊版を製造販売するような)行為は支持されるべきではなく、法的措置を取る。」とも書き込んだ。ブルースカイ特製警笛の意匠、商標が登録されているかは不明。また、知的財産権を扱う商務省など複数の省庁は民主党の反政府デモにより閉鎖に追い込まれている。
タイで昨年11月から続く民主党主導の大規模な反政府デモでは、デモ参加者がホイッスルを吹き鳴らすのが恒例。デモ会場周辺は警笛の大騒音に包まれ、議論や会話、思考には至って不向きな状況となっている。デモ隊は01月13日から、都内の主要交差点などを占拠、道路交通を遮断しており、海賊版警笛が持ち込まれるデモ会場は違法なデモとなっている。
イは衣料品、IT機器などのコピー商品や映画、コンピュータソフトなどの海賊版が国内に氾濫。散発的に取り締まりが行われるが、効果はほとんど上がっていない。米通商代表部(USTR)は2013年まで7年連続で、タイを知的財産権の保護が不十分な「優先監視国」に指定。
今回のブルースカイの主張について、デモに批判的なタイ人、外国人はインターネット上で、「冗談だろ?」、「きついブラックジョーク。」などとコメント。
タイ電車公社(MRTA)は16日に都内のヘッドオフィスに反政府デモ隊が押し寄せたこと受け、17日、ヘッドオフィスを閉鎖する。地下鉄MRT、高架電車BTSの運行に支障はない。
一方、タイの小売り大手セントラル・グループは17日、都心のショッピングセンター、セントラルワールドを10時から20時まで営業。セントラルワールドは反政府デモで従業員の通勤に支障が生じているため、営業時間を短縮している。
21時45分頃都内シーアユタヤ通のスワンパッカード宮殿内のスクムパン都知事の自宅で爆発があり、駐車してあった乗用車などが破損。怪我人はなかった。何者かが手榴弾を投げ込んだと見られている。
01月17日(金)
02時50分頃
都内の反政府デモ隊が占拠するラープラーオ五叉路で爆発があり、デモ参加者の男性2人(44、40)が軽い怪我。
未明都内チャトチャック公園近くで、反政府グループの警備隊を何者かが襲撃し、2人が負傷。
タイ地元紙によると、犯人はバイクに乗ってサパーンクワイ方面から現れ、反政府グループの警備隊に向け発砲、爆弾を投げつけ、再びサパーンクワイ方面に逃走。
警察によると、野党民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は朝、都内のルムピニー公園を出発し、シーロム通、ラーマ4世通、バンタットーン通、ラーマ1世通などを行進。バンタットーン通で昼休みを取り、パトゥムワン交差点に向かう。デモ隊の別の1団は街宣車など数十台でパホンヨーティン通を北上。別の1団はピッサヌローク通のチャマイマルチェート橋を出発し、ペッブリ通、ラーマ6世通、ラチャウィティー通を経て、戦勝記念塔へ。別の1団は郊外ムアントンタニーの税務署に向かった。

BTSアソーク駅前のデモ会場 → 

デモ隊は都内のラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、パトゥムワン交差点(MBK前)、戦勝記念塔(高架電車BTSビクトリーモニュメント駅)、ラープラーオ五叉路、ルムピニー公園とシーロム通の一部、BTSアソーク駅前、チャオプラヤー川に架かるラーマ8世橋、民主記念塔、首相府周辺、郊外の政府総合庁舎前(チェーンワタナ通)などを占拠、ステージ、テントなどを設営し、座り込みの反政府集会を続けている。
地区の税務署など都内の政府機関は多くが閉鎖に追い込まれている。
13時10分頃都内のバンタットトーン通でデモ行進中の反政府団体に爆弾が投げ込まれ、爆発。反政府デモ参加者36人(報道により31人、28人とも)が怪我。
事件現場は反政府組織が占拠中のMBK(マーブンクロン)センター前交差点から西に300mほど進んだチャルンポン交差点に近い地点。ルンピニー公園の舞台で演説を終えたステープ元首相の車列を狙っての犯行と見られている。爆弾は近くの3階建て空家(報道により 廃屋)の屋上から投げ込まれた模様。事件直後に、デモの警備隊が空家の屋上に登り、犯人を捕まえようとしたものの、既に誰もいなかった。犯人はまだ拘束されていない。この事件でステープは現場から約200m離れた場所を歩いていて無事。怪我人は病院へと搬送された。
反政府デモ隊による首都閉鎖から爆発物事件、発砲事件が散発しているが、デモを支持するアピシット民主党党首宅を除き反政府組織の拠点および活動範囲に限定されているため、デモ隊に近づかない限り、日常生活に危険はない。
デモ隊は朝、都内のルムピニー公園を出発し、シーロム通、スリウォン通、シーパヤー通、ラーマ4世通などを経て、バンタットトーン通を行進していた。
テレビ報道によると、都内のバンタットトーン通で起きた爆発事件で、現場近くの空家で銃数丁などが見つかった。室内には分解した自動小銃数丁、狙撃用のスコープなどのほか、携帯電話、車種などを記したホワイトボード、食事に使われたと見られる発泡スチロール製の箱などが見つかり、犯行のため、数人が滞在したと取れる状況。ただ、発泡スチロールの箱に「トン」などとタイ人の通称が一々書かれているなど、不審な点もある。
都内中心部にあるルンピニー公園で、地元メディアのカメラマンが、反政府グループの警備隊に暴行を受ける事件。
タイ地元紙によると、このカメラマンはステープの演説を撮影後、現場のステージ近くで編集部と電話でやりとりしていたところ、突然背後から警備隊らに首を絞められ、無理やりルンピニー公園に連れ込まれた。その後、警備員十人近くから暴行を受けたが、隙を見て大声で助けを呼び、付近の市民らによって助けられた。
反政府グループ幹部のシンナウォンは、「暴行した犯人らは正規の警備隊ではなく、ボランティアで集まった者たちだ。」と語った。
反政府グループは、都内ラープラオ地区にある印刷所を占拠し、電気、水道などのライフラインを切断。
タイ地元紙によると、襲撃された印刷所は、来月02日に行われる総選挙の投票用紙の印刷を、タイ政府より依頼されていた。印刷所関係者はこの襲撃を受け、臨時休業とすることを決定。
バンタットトーン通で行進中の反政府デモ隊に手榴弾とみられる爆発物が投げつけられ、デモ参加者のうち男性26人、女性10人の計36人が重軽傷を負った事件で、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、「政府の仕業」と当局を厳しく非難。一部で出ている「爆弾攻撃は軍人とPDRCが仕組んだ。」との見方を「私は自らの支持者を殺害しようとするような人間ではない。」と全面的に否定。
また、爆発物は道路に面した建物からデモ隊に向かって投げつけられたと報じられているが、警察は、「使用された爆発物は支那製手榴弾の可能性が高い。」と見ている。
関係筋によれば、「犯人はまだ特定されていないが、動機としては、『デモ隊を怖じ気づかせようとしたもの』あるいは『大規模デモにかかわらず首相が辞任を拒否し、02月総選挙の実施を主張し続けている現在の膠着状態を突き動かすために仕組まれたもの』とも考えられる。」
インラック首相は、外国人記者らを前に、「総選挙を実施せずに民主主義を守ることはできない。02月に予定通り総選挙をスムーズに実施できれば、政治対立の早期解消に役立つ。」と述べ、総選挙を延期する考えのないことを改めて確認。
また、「今のところ28選挙区が候補者不在となっており、このままでは下院議員の不足で新政権樹立の手続きができない。」と見られているが、インラック首相によれば、選挙を繰り返し実施すれば、十分な議員数を確保できる。」
01月18日(土)01時50分
(報道により02時半頃)
01月17日の爆弾事件で39ケ所の傷を負う重傷だった南部ナコンシータマラート県在住のプラコーング・チュチャン(46)が搬送先の病院で死亡。手榴弾の破片が動脈を切り裂き、右胸を貫通し肺を損傷し、これが致命傷となった。

左から、故プラコーング・チュチャン、甥、姉 → 

なお、犯行に使用されたとみられるRGD-5手榴弾は、爆発すると約350個もの破片が飛び散り、致死半径は25mに及ぶ。
反政府派の市民たちが都内をデモ行進中に行進に加わっていたピックアップトラックの脇で手榴弾が爆発してデモ参加者のうち1人が死亡、約40人が負傷した01月17日の事件で、警察がコウィット前民主党議員の側近とされる男など2人の関与を疑い、その行方を追っていることが、18日までにわかった。
警察によれば、ピックアップトラックの近くを歩いていた白い帽子の男が何かを地面に落とし、すぐに柱の陰に身を隠し、その5秒後に爆発が起きた様子を撮影したビデオクリップが存在する。
だが、コウィット前議員は、ピックアップトラックが側近のものであることは認めたものの、「自殺行為に等しいこと(自分のすぐ近くで手榴弾を爆発させること)をするような馬鹿はいない。」と述べ、トラックの運転手の関与を強く否定。
また、警察によれば、「爆発後に柱の陰から現れた男2人は、互いに相手を見知っている様子で、また、地面に落ちていた手榴弾の安全ピンとみられる物を拾い上げた後、負傷者を気にも止めずにその場を去った。」
コウィット前議員は、「警察はビデオクリップだけを頼りに犯人を特定しようとせずに徹底した捜査を行うべき。」
なお、警察によれば、「犯行に使われた手榴弾は、ソビエト連邦で開発された対人破片手榴弾RGD-5であることが判明した。」
01月17日の爆弾事件で死傷者が出たことから、タイ赤十字社が献血を呼びかけ、これに応えて大勢の市民が献血に訪れている。赤十字に献血を申し出たのは、17日にだけで655人、18日は朝の時点で約2000人となっている。赤十字によれば、「今後も事件が発生し、負傷者への輸血が必要となる事態が予想されるため、十分な輸血用血液を確保しておくことが望まれる。」
タイ軍記念日で、兵士約4000人、戦車など車両48台が参加する軍事パレードが都内のパホンヨーティン通で行われ、プラユット陸軍司令官が閲兵。インラック首相兼国防相、タナサック国軍最高司令官は出席しなかった。
タイでは13日から、反政府デモ隊が都内の主要交差点などを占拠する異常事態が続き、軍事クーデターの噂が流れている。
01月19日(日)13時半頃都内戦勝記念塔で、手榴弾が反政府派のデモ集会場に投げ込まれ、2度爆発があり、少なくとも28人が負傷。何者かが爆発物を投げ、バイクで逃走したと見られている。
17日にも都内バンタットトーン通を行進していた反政府デモ隊に手榴弾1個が投げ込まれ、1人が死亡、39人が負傷。
今後もこのような事件が起きると予想されることから、「非常事態宣言の可能性が高まった。」とする見方も出ている。
死者1人、負傷者30人以上を出した01月17日の爆弾事件について、政府の治安統括センターを監督する立場にあるスラポン副首相兼外相は、「手榴弾を投げた者はデモ隊に紛れ込んでいたと見られる。」との見解を明らかに。
また、「デモ隊を攻撃しようとする者がデモに加わっている恐れがある。デモに参加する人々は注意する必要がある。」と警告。
この事件では、「道路に面した空家から何者かが手榴弾を投げた可能性が高い。」と報じられていたが、スラポン副首相によれば、「電線や樹木が邪魔になって手榴弾を投げたと考えるのは困難。」と説明。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のプーケット支部長は、「ステープPDRC事務局長の命令に従って20日からプーケット県庁などを占拠する。」と表明。
南部は、反タクシン派・民主党の支持基盤であり、複数の県で反政府派が同様の行動に出ることが予想される。
ステープは、反政府デモ隊への爆弾攻撃で死者が出たことを受けて、「全国とりわけ南部の支持者に対し、20日から県庁舎を占拠・封鎖するという形で政府への抗議を開始するよう呼びかけることで、反政府活動を強化・拡大する。」と宣言。
すでに一部の県では、公的機関に対し、「『デモ隊が来たら、業務を中止する。そうでなければ、通常通りに業務を行う。』という通達が出されている。」と言う。
反政府グループの集会場の1つがある都内マカワーン橋近くで、何者かがデモ隊に向け発砲。1人が軽傷を負う事件。
タイ地元紙によると、犯人は犯行直後に逃走し、現在地元警察が監視カメラの映像などから犯人の行方を操作中。
午後には、都内戦勝記念塔にある同グループの集会場近くで爆発事件が起こり、20人以上が怪我をする事件が起きていた。
01月20日(月)未明タイ中部ラーチャブリー県ムアンラーチャブリー郡にある民主党事務所で、何者かによってガラスが割られる事件が起きた。
タイ地元紙によると、現場となった事務所は、反政府グループの中心人物である下院議員2人の事務所で、何者かが銃撃したものと見られている。現在付近の監視カメラ等から犯人の行方を捜索中。
反政府デモ隊は、都内の戦勝記念塔からパホンヨーティン通の政府貯蓄銀行(GSB)本店前にデモ行進。GSB本店はこれを受け、臨時休業。
反政府デモ隊の別の1団はラーチャプラソン交差点と高架電車BTSアソーク駅前から高速道路などを使って、郊外の政府宝籤事務局(サナームビンナーム通)に向かった。
昨年10月から続く反政府デモ。今月13日からは、主要交差点7ケ所などを土嚢で封鎖、巨大なスクリーン、ステージ、テント、簡易トイレなどを設営し、座り込みを続けている。デモ参加者には食事や飲み物が無料で振る舞われ、演説の合間に歌謡ショーなどが行われる。
大掛かりなコンサートを複数の場所で連続開催しているようなもので、デモ参加者は口々に「楽しい。」と笑顔をこぼす。デモ会場の座り込み要員の多くは、デモを主導する野党民主党の地盤である南部や東部から大型バスで送り込まれた人で、1日数百Bの「日当」が支払われているという。夜になると、仕事を終えたクルングテープ都民がデモに駆けつけ、人数が一気に増える。
デモの費用だが、デモ隊のスポークスマンはデモ会場が1ケ所だった01月08日の時点で、「音響機器やステージ、無料の食事などで1日400万~500万B掛かる。5000万Bの寄付が集まった。」とも主張していたが、13日以降、デモ会場は一気に増え、運営費も跳ね上がったと予想される。苦しい台所事情を反映してか、デモ隊を指揮するステープ元副首相(元民主党幹事長)は16日、「都内のデモ会場で演説した際に、デモの経費を賄うため、サムイ島の所有地を2500万Bで売却し、自分の子供も土地を売った。」と話した。デモの実際の費用や資金の出どころは不透明。「タクシン、現政府と対立する特権階級が資金源。」という噂もある。
17日に都内のバンタットトーン通で手榴弾が爆発し、現場を行進していた反政府デモ参加者40人が死傷した事件で、タイ警察は「デモ隊内部の情報を知る者の犯行。」という見方。警察によると、「デモ隊は事件があった日の朝、都内のルムピニー公園を出発し、13時頃、バンタットトーン通を行進中に、手榴弾が爆発。警察への事前の連絡では行進ルートにバンタットトーン通は含まれていなかった。また、手榴弾は通り沿いの空家から投げ込まれたのではなく、デモに参加していた者が転がした疑いが強い。」という。防犯カメラには、デモに参加していた不審な男2人が爆発直後に車で現場を離れる様子が映っていた。
爆発では40人が負傷して病院に運ばれ、このうち南部プーケット県在住のプラコーング・チュチャン(46)が翌18日、死亡。デモを率いる野党民主党のステープ元副首相は爆発当時、現場から約200m離れた場所を歩いていて、無事だった。
この事件では、爆発直後、民主党系のテレビ局のカメラが現場近くの空家に入り、分解した自動小銃数丁、狙撃用のスコープ、携帯電話、車種などを記したホワイトボード、食事に使われたとみられる発泡スチロール製の箱などを映し出した。犯行のため、数人が滞在したととれる状況だったが、発泡スチロールの箱に「トン」などとタイ人の通称が一々書かれているなど、不審な点もあった。反政府デモ隊は事件後、警察の現場周辺への立ち入りを拒否。
この空家で見つかった銃について、警察は19日、「モデルガンだった。」と発表。
ステープ元副首相は17日夜、都内の反政府デモ会場で演説し、時折涙を流しながら、「爆発は政府の犯行だ。」と主張。治安悪化を口実とする軍事クーデター誘発を狙ったステープ元副首相による自作自演という噂を否定。また、「デモ隊の安全を守らない。」として政府を非難した。
一方、19日13時20分頃、都内の反政府デモ隊が占拠する戦勝記念塔周辺で手榴彈が爆発し、デモ参加者ら28人が負傷した事件で、警察は、犯人の男を捉えた防犯カメラの映像を公開。防犯カメラに映った男は帽子を被り、襷掛けにした鞄から手榴彈を取り出して投げ、走って逃げた。男は逃走中に、追ってきたデモ参加者に向け、手榴彈をもう1個投げた上、拳銃を発砲し、別の男が運転するバイクに乗り走り去った。

← 戦勝記念塔周辺で手榴弾を投げる男の防犯カメラ映像

反政府デモ隊が占拠する場所への襲撃は19日夜から20日未明にかけても続いた。19日夜にはタイ首相府近くで2度発砲があり、デモ参加者2人が怪我。20日未明には政府総合庁舎前のチェーンワタナ通で銃声がしたが、怪我人はなかった。
反政府デモ隊はインラック政権の退陣と政権掌握を目指し、13日から、クルングテープの主要交差点を占拠している。政府は持久戦の構えだが、「デモ隊への襲撃が続けば、治安悪化を理由に軍がクーデターに乗り出す可能性がある。」と見られている。
手榴弾を用いた反政府派への攻撃が相次ぎ、事態のさらなる悪化を懸念する声が強まる中、ウィンタイ陸軍報道官は、「悪意を持った者たちが状況をさらに暴力的なものにしている。また、敵を攻撃する目的で強力な武器や爆発物をクルングテープに持ち込んでいる。」との情報を軍が摑んでいる事を明らかに。このグループの素性については明言を避けた。
死者1人、負傷者60人以上を出した17日と19日の爆弾事件については、反政府派が「政府とその支持者の仕業」と非難。一方、政府派は、「政府への反感を強めるため、(反政府デモを主導する)人民民主改革委員会(PDRC)と軍人が仕組んだもの」と主張。
ウィンタイ報道官は、「双方とも相手を批判するのをやめて、状況のさらなる悪化を回避すべく、犯人特定に向けた警察の捜査を見守るべき」としている。
政府の治安統括センターを監督する立場にあるスラポン副首相兼外相によれば、現在の政治対立にからむ暴力事件の増加が懸念されることから、治安統括センターと軍の代表が21日に反政府デモ隊の拠点の警備強化などを協議する予定。
「この件については、センターの担当者とインラック首相が20日に話し合いをした。」とのことだ。また、スラポン副首相によれば、21日の協議には、反政府派の代表にも出席を要請する予定。
野党民主党が主導する反政府デモ隊は、民主党の地盤である南部各地でデモを行い、一部で県庁など行政機関を閉鎖に追い込んだ。
デモが行われたのはソンクラー、サトゥン、パタニー、ヤラー、パッタルン、ナラティワート、スラタニー、クラビー、パンガー、チュムポン、プーケット、ナコンシータマラート、ラノーンの各県。
中央選管関係筋によれば、「選挙管理委員会は法律に従って02月の総選挙の実施に向けて準備を進める。一方、総選挙が憲法に則って実施できないことが明らかになった場合、中止するための勅令の発布を政府に要請するよう憲法裁に求める見通し。選管は先に総選挙の実施を規定した先の勅令を無効とすべく新しい勅令の発布を勧告したが、政府は、『我々にはそのような権限はない。』と拒否。選管が憲法裁を通じて政府に発布させようとしている新たな勅令は、先の勅令を無効とするものではない。また、憲法裁が要請することで、政府が新勅令の発布の法的責任を問われることはないだろう。」
「反政府デモが長引いているため、首都クルングテープでは外国人観光客が減少している。」と報じられている。
ただ、北部チエンマイや南部プーケットといった主要観光地は、その影響をほとんど受けていない。
タイ・ホテル協会北部支部によれば、北部の観光地は過ごしやすい涼気に入ったことから観光関連ビジネスは好調。チエンマイでは春節(01月31日の支那正月)を挟んだ01月30日~02月10日までの期間は、ホテルの予約は満杯。タイ・ホテル協会南部支部も、「欧州から観光客が多く訪れるシーズンに入っており、プーケットの観光業は、政治問題の影響を受けていない。」
クルングテープの主要交差点を占拠中の反政府デモ隊はシーロム通などをデモ行進。
ステープ元副首相が率いる一団はルムピニー公園を出発し、23時頃、オフィス街のシーロム通を通過。沿道に詰めかけた支持者多数から声援を浴びた。その後、スワンプルー通、サトン通、ラーマ4世通などを行進。戦勝記念塔を占拠中のデモ隊の別の一団はアーリー通の天然資源環境省に向かった。
医師や看護婦など医療従事者約1000人が、都内パトゥムワン交差点に集結し、反政府派への支持を表明。
チュラロンコーン、タマサートなど主要大学の医療関係8学部の部長が、02月の総選挙を延期するとともに全閣僚が辞任して暫定政権を樹立して、包括的な政治改革を断行するよう求める共同声明を発表。大勢の医療従事者が「まず政治改革を果たしてから総選挙を実施すべき。」と訴えていることに呼応。
01月21日(火)未明都内戦勝記念塔にある反政府グループのデモ集会場で、発砲事件が起きた。幸い負傷者は出なかった。
タイ地元紙によると、黒いセダンがデモ隊の検問所を突破、そして集会場のデモ隊に向け3発の銃弾を発砲、そのまま車で逃走した。事件後に現場近くで乗り捨てられた車を発見、犯人グループの一味と思われる女性(28)が拘束された。犯人は3人組と見られており、残りの2人も地元警察らが捜索中。
エラワン緊急医療センターは、「昨年11月30日から現時点までの一連の騒動による死者は9人、負傷者は554人に達した。」と発表。
タクシン政権打倒を目論む野党民主党系のステープが、反政府グループを率いてクルングテープ都内で集会を開始してから約3ケ月経っており、度々発生する衝突による負傷者が後を絶たない。
「県庁舎などを占拠せよ」との反政府デモ指導者、ステープ元副首相の号令に伴い、地方で業務停止を決める政府機関が増えている。
南部ナラティワート県と東部ラヨン県では、県当局がデモ隊との争うを避けようと非常事態宣言発令を理由に「公務員が1週間の休暇を取ることを許す。」と発表。
南部パタニー県では、第2ゾーン初等教育事務所と税務署が職員に対し、これら政府機関の敷地内で反政府派が続けている集会に参加することを許可。
南部ナコンシータマラート県では、反政府派がこれまでに23の役場を占拠。
その他の政府機関も業務停止に追い込もうと活動をさらに活発化させている。
手榴弾を用いた爆弾事件が相次いで発生し、反政府デモの参加者らに死傷者が出たことについて、海軍特殊部隊のウィナイ司令官が、タクシン派の関与を指摘。
一方、タクシン派は「証拠を示せ。」などと猛反発。
ウィナイ司令官によれば、「タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)による2010年の過激な反政府デモでは、外国から連れて来られた者たちが爆弾攻撃などを行ったと見られる。今回の爆弾事件も同じ者たちによる犯行と考えられるという。また、2010年の反政府デモでは、治安部隊との撃ち合いで外国人39人が射殺されたが、その死体をタクシン派のデモ隊が保冷車でどこかに運び去った。」
ウィナイ同司令官は、「我々は、クルングテープの状況をさらに悪化させようと企んでいる者たちが20日にタイ東部の国境から外国人たちを10人乗りのバン数台でクルングテープに連れてきたとの情報を摑んでいる。」、「広範な情報網を持つ警察がどうして察知できないのか。警官はどこにでもいるのに(これら外国人は)1人も逮捕されていない。」と述べ、警察への不信感を露わにした。
中央選管が「02月の総選挙延期」を政府に勧告したものの、政府が「我々には権限がない。」と主張。 事態の収拾を図り、中央選管は01月22日にも、総選挙延期の権限が政府と選管のどちらにあるのかについて憲法裁判所に判断を求める考えを明らかにした。
中央選管は先に選管の法律専門チームに対し、総選挙に絡む法律問題を相談。法律専門チームは協議の末、憲法裁の判断を仰ぐべきとの結論に至った。
チームの一員、タマサート大学のソムキット学長によれば、「総選挙は28選挙区で候補者不在となっていることから、選管が憲法裁判所に判断を求めるのは妥当と考えている。」
タクシン派インラック政権は、「明日(22日)より非常事態宣言を発令する。」と発表。適用される地域はクルングテープ都内全域、ノンタブリー県全域、スワンナプーム空港があるサムットプラーカーン県バーンプリー郡、パトゥムターニー県ラートルムケーオ郡で、適用期間は60日。
スラポン副首相兼外相はその理由として、①反政府デモ隊は、政府機関、金融機関を不法に占拠した上、職員に対し業務放棄を命じるなど完全に暴徒化した、②第三者の介入により状況が激化し死傷者が続出していることなどを挙げている。
非常事態宣言は5人以上の集会禁止、一部の道路・建物への侵入禁止を命じることができる。また、状況によっては逮捕状なしの逮捕、30日間の身柄拘束、報道統制などを合法化するもの。治安維持の権限が軍にも与えられる。非常事態宣言による治安維持活動の担当大臣はベテラン政治家でタクシンに近いチャルーム労相で、アドゥン警察長官とニパット国防次官が補佐する。
ただ、今回はまず警察が治安維持を担当し、軍は当面、後方支援となるようだ。治安維持の責任者は、元警察官僚のチャルーム労相によれば、「デモ隊に対して武力を行使することはないが、国際社会に認められる手段は講じる。22日13時に具体的な反政府デモ対策を発表する。」とのこと。
国軍の実質的トップであるプラユット陸軍司令官は先に「非常事態宣言が必要な事態とはなっていない。」との見解を示していたが、スラポン副首相によれば、「今回の非常事態宣言は、陸海空軍および警察トップを了承を得ている。」という。
非常事態宣言は、タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD、赤服)が民主党政権(当時)の退陣を要求し、都心を封鎖・占拠した2010年以来。
なお、非常事態宣言が発令されたことで観光業界への影響が危惧されるが、実際のところ、通常の生活、観光などへの影響はほとんどない。デモ集会場に近づかない限り、発令前と日常生活における状況は何ら変わらない。
タイでは02月02日に議会下院の総選挙が行われる予定だが、野党民主党を中心とする反政府デモ隊が、総選挙の阻止と事実上のクーデターによる政権奪取を掲げ、今月13日から都内の主要交差点を占拠した。デモ会場に手榴弾が投げ込まれるなど、混乱が広がっている。
インラック政権は反政府デモの拡大を受け、昨年11月25日から、治安当局の権限を強化する国内安全保障法をクルングテープ都全域などに発令しているが、デモ隊による交差点占拠を阻止できないなど、効果が上がっていなかった。今回の非常事態宣言に関しても、軍の協力が得られなかったと見られ、デモの取り締まりや治安維持に実効性があるかどうかは不透明。
裁判所の介入による政権交代、軍が仲介するかたちでの政権交代、軍事クーデターなどが想定される。
政府が非常事態宣言の発令を決めたことを受けて、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、「国内に非常事態と呼べるような状態が存在するだろうか。我々の抗議活動はすでに3ケ月にも及んでいる。今ごろになってなぜ非常事態宣言なのか。」と政府の決定を批判。さらに、「(非常事態宣言下で発せられる)どのような命令にも従わない。禁止されても街頭デモを続ける。使用するなといわれてもデモの時間を制限するなら24時間拡声器拡声器を使う。すべての命令を無視する。」と、今後も反政府デモを続ける考えを強調し、政府を挑発。
「22日はンガームドゥプリー通の運輸省民間航空局など都内の全ての公的機関と地方の県庁、郡役場をデモ隊で封鎖する。」として、気勢を上げた。ただし、ステープ元副首相自身は足の不調で22日のデモ行進に参加しない。
デモ隊に死傷者が出る爆弾事件が発生し、今後も同様の事件が起きると予想される。
プラユット陸軍司令官など軍首脳は、「非常事態宣言が発令されて軍隊がデモ対策に駆り出されることに否定的。」と報じられているが、「発令に反対しなかった。」という。だが、軍隊がデモ制圧に出動してデモ隊と直接対峙することについては、軍首脳は今でもその可能性をきっぱり否定している。
政府が非常事態宣言を22日に発令したことに対し、タイ商工会議所のポンシン副会頭は、「長期にわたってビジネスに影響が及ぶ。」として政府に再考を求めた。
ビジネス街のシーロムは反政府集会のため歩行者天国状態となっているが、ポンシン副会頭は、「非常事態宣言のもとで夜間外出禁止令が出たら、シーロムで商売している人々も打撃を受ける。」としている。
タイ観光評議会のピヤマン議長も、「立ち入り規制区域が設けられれば、観光客だけでなく商用の人々も迷惑する。」と懸念を表明。
01月22日(水)00時頃近隣県の一部に非常事態宣言を発令されたことを受け、路上検問などを強化。
都内トンロー通で乗用車に乗った男(31)を逮捕し、男が所持していた拳銃1丁と銃弾、ナイフなどを押収。
01時半頃パホンヨーティン通ソイ52で男2人(27、18)を逮捕し、所持していた手製爆弾23個と拳銃、ナイフなどを押収。
10時頃東北部ウドーンタニー県ウドーンタニー市で、タクシン派団体幹部のクワンチャイ・プライパナー(62)が自宅で何者かの襲撃を受け、腕と足負傷して病院に搬送された。自宅前にピックアップトラックで乗り付けてきた何者かに自動小銃AK-47を乱射されたと見られている。
都内ラーマ1世通のタイ警察本部前に、学生主体の反政府デモ隊約500人が集まり、警察の表札を引き剥がし、自分達のグループの名前などをスプレーで落書き。
デモ隊は警察に対し、1時間以内に建物を明け渡すよう要求。「インラック首相らの身柄を拘束する。」とも宣言。警察はデモ隊が立ち去るまで本部に立て籠もり、衝突は起きなかった。
タイ政府がクルングテープ都などに非常事態宣言を発令した初日の22日、13日から主要交差点を占拠している反政府デモ隊は非常事態宣言を無視して占拠を続け、都内各所にデモ行進し、政府の命令を無視する姿勢を鮮明に。
デモ隊の一団約500人はインラック首相兼国防相らが執務していたクルングテープ都郊外ムアントンタニー県の国防次官事務所に押し寄せ、首相とスラポン副首相兼外相は裏門から脱出。
別の一団はタイの航空管制業務を行うエアロノーティカル社に隣接する運輸省民間航空局(ンガームドゥプリー通)を閉鎖。タイ警察本部、外務省などにもデモ行進。
都内の企業、商店は大半が通常通り営業。高架電車BTS、エアポートリンク、地下鉄MRTは通常通り運行。
地方ではデモを主導する野党民主党の地盤である南部のソンクラー県、トラン県、クラビー県、プーケット県などの県庁前などで反政府デモ。
北部ウタラディット県では、政府の米買い取り制度の買い取り資金が枯渇した影響で、米の買い取りを求める稲作農家が道路を封鎖。
各国の駐タイ外交官や国際機関の代表へのブリーフィングが、外務省で行われた。
シハサック外務事務次官は、「非常事態宣言の発令は、状況のさらなる悪化を回避することが目的。反政府活動の禁止や、治安維持において軍部に主導的役割を担わせることを意図したものではない。」と説明。
具体的には、「暴力の防止を規定した非常事態宣言11条に基づいた措置のみを予定しており、夜間外出・集会などを禁止するとした非常事態宣言9条の発動は考えていない。」という。
非常事態宣言宣言発令に対しては、反政府派(反タクシン派)が「不当」と強く反発している。
プア・タイ党関係筋も、「党内でも『宣言発令は間違い。』と政府の対応を批判する声があがっている。」と指摘。「現在の状況下で非常事態宣言を発令するのは正当性に欠け、観光業などに打撃を与えるだけで、政府が無力であることをさらけ出す結果に終わりかねない。」との見方を示した。
中央選挙管理委員会のソムチャイ委員は、反政府派が抗議デモなどを続行する構えをとり続けていることから、「非常事態宣言の発令は必ずしも02月の総選挙の円滑な実施を保証するものではない。」と述べた。また、「混乱が起きて総選挙が無効とされる恐れがある。」との見方を示した。
先の立候補受付では、反政府派の妨害によって28選挙区で立候補予定者が届出をすることができなかった。さらに、候補者が1人のみという選挙区が多く、法定投票率を満たすことができずに投票が無効となる可能性が出ている。
このため、選管は2度にわたり政府に02月の総選挙の延期を勧告しているが、政府は、「法的裏付けがない。」として中止するのを拒んでいる。
上院議員40人からなるグループが、「非常事態宣言の発令は憲法に違反する。」として、政府の責任を問うべく憲法裁判所に提訴する方針を明らかに。
反タクシン派として知られる同グループに所属するパイブン議員によれば、政府による今回の非常事態宣言の発令は、政府や特定政党が選挙において自らを有利にするための行為を禁じた憲法181条と237条に抵触する。
政府は非常事態宣言の下での治安維持に1万2000人に及ぶ警察官・兵士を動員する準備を進めているが、選挙で勝利できるよう政権党プア・タイ党を支援することに等しい。」とのことだ。
パイブン議員によれば、グループは23日にも憲法裁に提訴するほか、憲法裁に迅速な審理を要請する予定。
01月23日(木)10時半頃タイ警察などによると、ステープ元副首相率いるデモ隊は、高架電車BTSアソーク駅前からデモ行進を開始。スクムビット通を西に進み、ランスワン通、サラシン通、ウィタユー通、ペッブリー通を経て、アソーク通に戻る模様。デモ隊の別の一団は午前10時ごろ、ラーチャプラソン交差点を出発し、街宣車1台、自動車約30台、バイク約10台で、高速道路などを使って北に向かった。
タイ政府は、非常事態宣言に基づき、政府が指定する、場所での5人以上の集会禁止、道路の通行禁止、建物、場所の使用禁止、場所からの退去および場所への侵入禁止などの措置を発表。また、報道機関に対し、視聴者、読者に恐怖を抱かせる、もしくは事実に反する報道を禁止した。
5人以上の集会を禁止する場所は今後指定する。02月02日に予定されている下院総選挙及び地方選挙関連の場所は集会禁止措置の適用外となる。
進入禁止にしたのは、首相府、国会、内務省、エネルギー省、チェーンワタナ政府総合庁舎、タイ国営通信会社CATテレコム本社とインターネット関連施設、タイ国営電話会社TOT本社、通信衛星会社タイコムの本社と施設、航空管制業務を行うエアロノーティカル社、タイ警察スポーツクラブなど。
クルングテープではインラック政権打倒、政権奪取などを掲げる反政府デモ隊が13日から主要交差点を占拠している。政府はデモの取り締まり強化のため、22日、クルングテープと近隣県の一部に治安当局の権限を強化する非常事態宣言を発令したが、デモ隊はその後も占拠を続け、都内をデモ行進し、非常事態宣言を無視する姿勢を鮮明にしている。
今回の非常事態宣言発令で政府がデモ隊の強制排除に動く可能性は低いとみられる。デモ参加者、支援者の数が数十万人に上り、訓練、装備が不足したタイ警察では強制排除は極めて困難だ。政府から独立した勢力であるタイ軍は王党派とされる反政府デモ隊の取り締まりに消極的で、警察がデモ隊の排除に動けば、軍事クーデターに踏み切る可能性がある。
プラユット陸軍司令官が「暴力沙汰が起きれば軍が出動して問題を解決する必要がある。」と発言したことに対し、タクシン派与党プア・タイ党の報道官は、「クーデターで問題は解決しない。」として、軍を牽制。
報道官は、タクシン政権を追放した2006年の軍事クーデター後もタイの政局は混乱が続いていると指摘。「政府を倒すには憲法を破棄するしかなく、それができるのは軍だけ。」だが、「軍がクーデターに踏み切れば、民主派勢力が反対する。」と、内戦が勃発する危険性を示唆し、自制を呼びかけた。
今後については、「02月02日の下院総選挙を実施した上で、下院選をボイコットした野党民主党、クルングテープでデモを続ける反政府派などが参加する形で政治改革を進め、1年後を目処に再度総選挙を行う。」という構想を示した。反政府派との交渉については、「(反政府デモを率いる)ステープ元副首相(元民主党幹事長)は軍の話は聞くだろう。」として、軍に仲介役としての役割を期待した。
総選挙延期に関する中央選管の申し立てを憲法裁判所が受理し、02月総選挙が延期される可能性が出てきたことを受け、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)は、来月02日の総選挙を全面的に支援するため、29日に全国各地で集会を決行する計画を明らかに。全国の支持者を集める予定。UDDのティーダ議長は、「現時点で開催場所は確定していない。」
選管の申し立ては、総選挙延期が可能か、可能ならば延期の権限が誰にあるのかを憲法裁に問うもの。憲法裁判所は24日にも判断を発表する見通し。これについて、ティーダ議長は、「憲法裁は、『総選挙の延期は可能。その権限は首相にある。』という反政府派寄りの判断を下すことが予想される。」と指摘し、「選挙だけが政治危機を打開できる。」と強調。このため、UDDは全国で集会を行って02月総選挙を遅延なく予定通りに実施するよう求めることにしたもの。
政府は、先の非常事態宣言発令に伴い、国民に不安を与えるとともに国家安全保障に影響しかねない誤った情報をメディアが報道することや、5人以上の集会を禁止するなどとした6つの措置を決定し、官報で発表。これらの措置は、平和秩序維持センター(宣言発令に伴い「治安統括センター」から改名)が警察にその実施を指示。
また、平和秩序維持センターを監督することになったチャルーム労相は、「政府は暴力的な事態を回避したいだけ。力でデモ隊を追いやることはしない。」と明言。また、政府はクルングテープ中心部で反政府派が活発に活動していることから、郊外のドンムアン空港にある空軍本部で会議を開き、対策を練るなどしていたが、プラチン空軍司令官は、「チャルーム労相が空軍本部を平和秩序維持センターの本部として使うことを拒否する。」と述べた。
プラチン空軍司令官によれば、「空軍本部は厳格な規則に従う必要のある空軍基地であり、センターの拠点とすることはふさわしくない。」という。このほか、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)幹部は、「チャルーム労相は私服警官をデモ隊に紛れ込ませてステープPDRC事務局長を逮捕しようと企んでいる。」と指摘し、デモ隊に警察の動きに注意するよう呼びかけた。
「政府の米買い上げ制度で不正が横行している。」として国家汚職制圧委員会(NACC)が先に、国家米政策委員長であるインラック首相の責任を問うべく本格的な捜査を開始したものの、02月02日の総選挙までに捜査を完了し、インラック首相を刑事訴追するか否かを決めるのは難しい状況。
NACCによれば、「捜査は進展しているが、今のところ証拠が十分に集まっていない。」とのことだ。また、米買い上げ制度のもとで米を売った農家への代金支払いが遅れていることから、各地で農民が道路を封鎖するなどの抗議活動を始めている。農民の間からは、「支払いがさらに遅れるようならクルングテープに行って反政府デモに参加する。」といった声も上がっている。
22日に警察庁本部の看板が反政府デモ隊によって壊されたことから、警察が犯人を罪に問う姿勢をみせている。看板は文字がはぎ取られ、デモ隊が所属する組織のロゴなどがスプレーペイントやフェルトペンで書き込まれた。
警察は、「犯人は少なくとも21人。」としている。看板は修理される予定だが、今は書き込みを消すため黒く塗られている。
非常事態宣言の発令に経済団体などが強い憂慮を表明しているが、タイ観光評議会(TCT)もこのほど、「観光産業がさらに打撃を受ける。」として政府に宣言の解除を要請。
ピヤマンTCT議長によれば、「数ケ月に及ぶ政治危機のせいで観光業は少なからぬ影響を受けている。このままでは、今シーズンの観光客数は約180万人減少し、今年の外国人観光客誘致目標2810万人の達成も危ぶまれるほか、今年上半期における観光部門の損失も820億B以上に上る恐れがある。」という。
タイ当局によると、01月01~22日にスワンナプーム空港とドンムアン空港から入国した外国人は前年同期比5.4%減、104.9万人だった。陸路、海路の入国者を合わせると、前年同期比1%増の164.5万人。
タイでは首都クルングテープの主要交差点を反政府デモ隊が占拠し、デモ会場に手榴弾が投げ込まれたり、銃弾が撃ち込まれるなどの事件が起きている。こうした事態を受け、タイ当局の調べでは、46ケ国・地域の政府がタイへの渡航に注意を呼びかけた。
クルングテープ屈指のショッピング街であるラーチャプラソン交差点一帯はデモ隊に占拠され、同地区のホテルの客室稼働率は3割台に低下。シンガポール航空、キャセイパシフィック航空などが減便し、タイ国際航空も支那、日本からを中心に予約が減少。
01月24日(金)選挙委員会が議会下院総選挙の投票日の延期が可能かどうか、可能な場合、延期する権限を持つのは政府か選挙委員会かに関する判断を求めた裁判で、憲法裁判所は、「総選挙の延期することは可能。下院解散を規定した憲法108条は選挙日程変更を完全には否定していない。不測の障害発生の場合あるいは選挙実施が国への損害をもたらす場合、日程変更は可能。2006年04月02日総選挙実施との日程が憲法裁に無効とされ、総選挙が10月15日に延期された前例が存在する。」との判断を下した。憲法裁判所は、「首相と中央選挙管理委員長に延期の権限がある。両者は02月02日に総選挙を実施するとした勅令を履行する責務がある。従って、国・国民への深刻な損害を回避する必要がある場合、首相は選管と総選挙延期を協議しなければならない。また、選管は、新たな日程で総選挙を実施するための勅令の発布を首相に要請する権利がある。」としている。
憲法裁の判断を受け、タクシン派インラック政権は02月02日に予定されている下院総選挙の延期を迫られる見通し。インラック政権・与党プア・タイ党は下院選に勝利して正統性を内外に示し、政治混乱を収束させる方針だったが、反タクシン派寄りの選挙委は投票延期を求めインラック政権に圧力を掛け続けていた。憲法裁はタクシン派と反タクシン派の抗争が本格化した2006年以降、一貫してタクシン派に不利な判決を下しており、今回も予想通りの判決を下した。
一方、反タクシン派の上院議員と野党民主党の前下院議員は、「インラック政権による22日発令の非常事態宣言は憲法違反だとして、プア・タイ党の解党を求める訴えを憲法裁に起こした。非常事態宣言は下院選でプア・タイ党を有利にするためのものだ。」としている。
憲法裁判所が、「首相と中央選挙管理委員長に総選挙を延期する権限がある。」との判断を示したことを受けて、ワラテープ首相府相は、「反政府派がデモをやめ、(新たな日程で実施される)総選挙を妨害・ボイコットしないなら、政府は総選挙を延期する。」と明言。
だが、反政府派は、「現政権下で政治改革が行われれば、政権にとって都合の良い改革とされる。このため、全閣僚辞任、暫定政権樹立、政治改革断行、総選挙実施というプロセスが必要。」と以前から主張しており、02月総選挙を延期することで反政府活動を停止する可能性は低い。
この判断に対し、学識者の一部は、「法的根拠がない。」として憲法裁を批判。また、小規模な政党の一部は、下院選を延期した場合は首相と選挙委員会を告訴する方針を示している。
平和秩序維持センター(CMPO)は、「先に発令された非常事態宣言の下で、13の政府機関、25の道路などを立ち入り禁止とすることを含む10の措置を発効した。」と発表。CMPO副所長、アドゥン警察庁長官によれば、立ち入りが禁止されたのは、政府庁舎(首相府)、国会議事堂、内務省、エネルギー省、政府総合庁舎など。現在デモ隊が占拠中のエリアを含む道路も出入りが禁止。
また、反タクシン派の上院議員40人、民主党所属の前議員数人が、「反政府デモは平和的であり、政府による非常事態宣言発令は憲法違反。」との訴えを憲法裁判所に起こした。
反政府グループは、25日10時よりクルングテープ都内中心部をデモ行進する予定。まずラーチャプラソン地区を出発し、プラトゥーナム、ラーチャプラロップ、シーアユタヤー、パヤータイ、ラーチャテーウィー、ペップリー、チットロムと移動し、ラーチャプラソン地区に戻るルートを予定。
02月02日の下院総選挙の期日前投票が26日に行われる。クルングテープの主要交差点を占拠する反政府デモ隊は下院選の阻止を掲げ、期日前投票について、「妨害しないが反対する。」として、投票会場でデモを行う方針。
昨年12月の下院選立候補受付では、デモ隊の強硬派がクルングテープの受付会場に突入を図って警官隊と衝突し、警官2人とデモ参加者1人が死亡、100人以上が負傷。
在タイ日本大使館は、「反政府デモ隊が期日前投票の会場で抗議妨害行動を行う可能性がある。」として、日本人在住者、旅行者に対し、デモ隊の活動拠点、デモ行進の進路などに近づかないよう呼びかけた。大使館によると、期日前投票の都内の主な会場は、高架電車BTSエカマイ駅のタットーン寺院駐車場、ラーチャテウィー区役所、サトーン区役所スポーツセンター、パトゥムワン小学校、バーンラック区役所、クロントーイ区役所など。
一方、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、「26日の期日前投票では都内の投票所に来た人々に投票ではなく改革を行うよう説得してほしい。」と支持者に呼びかけた。ステープによれば、「クルングテープの投票所は50ケ所に過ぎず、デモ隊が投票所に参集して政治改革キャンペーンを展開するのは難しいことではない。」
クルングテープ都郊外のパトゥムタニー県の路上検問で、乗用車からAK47自動小銃1丁、ロケット砲1基、手榴弾1発などが見つかり、運転していた男(45)が逮捕された。警察は反政府デモとの繋がりを調べている。
01月25日(土)タイ警察によると、ステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、都内のラーチャプラソン交差点を出発し、ラチャダムリ通、シーアユタヤ通、パヤタイ通、ペチャブリー通、チッロム通、プルンジット通を行進し、ラーチャプラソン交差点に戻る予定。
02月02日のタイ議会下院総選挙の期日前投票が26日に行われる。クルングテープの主要交差点を占拠する反政府デモ隊は下院選の阻止を掲げ、期日前投票について、「妨害しないが反対する。」として、投票会場でデモを行う方針。
昨年12月の下院選立候補受付では、デモ隊の強硬派がクルングテープの受付会場に突入を図って警官隊と衝突し、警官2人とデモ参加者1人が死亡、100人以上が負傷。
在タイ日本大使館は24日、反政府デモ隊が期日前投票の会場で抗議妨害行動を行う可能性があるとして、日本人在住者、旅行者に対し、デモ隊の活動拠点、デモ行進の進路などに近づかないよう呼びかけた。
大使館によると、期日前投票の都内の主な会場は、高架電車BTSエカマイ駅のタットーン寺院駐車場、ラチャテウィ区役所、サトーン区役所スポーツセンター、パトゥムワン小学校、バーンラック区役所、クロントーイ区役所など。
01月28日に政府と中央選管が02月総選挙の延期を協議することで基本合意した模様。中央選管は、正式にインラック首相に協議を申し入れることを決定。プチョン選管事務局長によれば、協議は14時開始とされているが、会場は首相に決めてもらうことになっている。
ソムチャイ選管委員は、「もっと早く協議をしたがったが、28日でも問題ない。翌29日に選管は政党の代表と話し合いを持つ予定で、その日のうちに延期か否か、延期ならいつ総選挙を実施するかがわかるだろう。」と述べている。
平和秩序維持センター(CMPO)のメンバーであるタリット法務省特別捜査局(DSI)局長によれば、政府機関の業務再開を可能にすべく、CMPOは座り込みを続けるデモ隊に退去を求める交渉チームを編成することになった。チームは、警察、軍部、関係政府機関の代表などで構成される。
タリット局長は、「政府機関が国民へのサービスを再開するためには、座り込みや集会を続けているデモ隊が退去することが欠かせない。」としている。また、チームとデモ隊の交渉は公開で行われる予定。
一方、先に非常事態宣言のもとで政府機関や主要道路が立ち入り禁止とされたことから、座り込みや集会は違法行為となっているが、タリット局長は、「力でデモ隊を排除することはない。」と述べている。
01月26日(日)02月の総選挙の期日前投票日。反政府デモ隊がクルングテープなどで投票所を取り囲んで門に施錠するといった妨害行為に出たことから、全国の375選挙区のうち89選挙区(報道により83選挙区)で投票ができなかった。内訳は南部の47区、クルングテープ都の33区、ペチャブン、サムットサコン、サムットソンクラム3県の各1区。
中央選管によれば、期日前投票のための事前登録を行っていた有権者は約200万人。その22%に当たる約44万人が妨害のため投票することができなかった。
タクシン派の与党プア・タイ党の地盤である東北部、北部では大きな混乱は起きなかった。政府は、「選挙委員会が期日前投票に消極的で、投票会場の警備を怠り、会場の閉鎖を早々に決めた。」として批判。
また、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は夜、デモ隊による投票所封鎖を「勇敢な行為」と称賛。「最終ゴールは、総選挙の延期ではなく、首相を含む全閣僚が辞任して(政治改革断行のために)人民立法評議会を設置。政府と選管が総選挙延期を決めても我々は引き揚げない。」と明言。
13時45分頃(報道
により14時20分頃)
クルングテープ都バンナー区の投票所近くの仏教寺院ワット・シーイヤム近くで、投票会場を閉鎖に追い込んだ反政府デモ隊と政府支持派が衝突。街宣車のピックアップトラックに乗ったデモ隊幹部のスティン・タラティン(52)が頭部などを銃撃され死亡、11人(報道により10人)が負傷。死亡したスティンは、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)傘下のグループの幹部。
デモ隊は、「投票所が開く。」との情報を得て正午頃に投票所前に集結。デモ隊との交渉で選管側が投票所を閉じることに合意したことから、デモ隊がその場を去ろうとしたところ、タクシン派の赤服軍団が待ち構えていた。デモ隊が赤服軍団を避けようとしたところ、何者かがデモ隊に向けて発砲したもの。
http://www.youtube.com/watch?v=8hzAkLyclys#t=116

反政府集会で壇上に上がって政府批判を行っている反政府派の俳優ソラウィット・スボーン(コング)などについて、平和秩序維持センター(CMPO)顧問のスラポン副首相兼外相は、「立ち入り禁止措置に違反している。」、「CMPOが出頭を要請することになろう。」と述べた。
CMPOが先に非常事態宣言のもとで発令した措置によって立ち入り禁止エリアでの集会は違法となっており、これら有名芸能人が集会に参加したのも違法とのこと。
タイのテレビ報道によると、プミポン国王夫妻が反政府デモで死傷した市民、警官らに対し、葬儀代とクルングテープ都都庁管理下の病院での入院治療費を提供していたことが明らかに。
タイ当局によると、今回の反政府デモによる死者は11月30日~01月26日に10人、負傷者は570人。このうち20人が26日時点で入院中。
01月27日(月)02時頃反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のラチャブリー県の指導者のユタポン・パトムサティット(50)の店舗兼住居に弾丸が打ち込まれた。シャッターに10ケ所の弾痕が見つかった。
非常事態宣言に基づく反政府デモ対策本部を指揮するチャルーム労相は、「反政府デモ隊が封鎖占拠した首都圏の政府庁舎とラーマ8世橋の奪還に乗り出す。」と表明し、デモ隊に対し、72時間以内に政府庁舎とラーマ8世橋から退去するよう警告。 奪還作戦は警察が担当し、軍は参加しない。また、クルングテープの主要交差点を占拠するデモ隊の強制排除は行わない模様。チャルーム労相はまた、反政府デモを指揮する民主党のステープ元副首相が治安担当の副首相だった2010年当時、タクシン派のデモ鎮圧に軍による夜間の強制排除や戦争用武器の使用を認めたことを取り上げ、「今回の反タクシン・反政府デモの取り締まりで戦争用武器は使用せず、夜間の強制排除も行わない。」と述べた。
一方、タイ法務省特捜局は、「反政府デモを資金や装備などで支援している。」として、大手民間企業約30社に警告したことを明らかに。反政府デモは今月13日から主要交差点7ケ所などを占拠、土嚢で道路を封鎖し、それぞれの場所に巨大なスクリーン、ステージ、テント、簡易トイレなどを設営して、座り込みを続けている。デモ参加者には食事や飲み物が無料で振る舞われ、演説の合間に歌謡ショーなどが行われる。デモ会場に常駐するデモ参加者の多くは民主党の地盤である南部などから送り込まれ、1日500~1000Bの手当が支給されているとされる。こうした費用を含め、デモの経費は1日1000万Bを超えると見られている。また、映像音響設備やステージの設置にはイベントのプロの手助けが不可欠で、イベント会社の関与も疑われている。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、政府に対し、治安対策本部である平和秩序維持センター(CMPO)を24時間以内に解散するよう要求。CMPOが設置された麻薬取締委員会事務局をデモ隊で封鎖する考え。
デモ隊はタクシンを中心とする汚職利権構造の排除、タクシンの妹であるインラック首相の退陣などを要求。反タクシン派の劣勢が予想される02月02日の下院総選挙は投票の妨害などで阻止する構え。
「72時間以内に警察官をデモ隊に潜り込ませて、政府機関を占拠している者たちを捕らえさせる。」とのCMPOの最高責任者、チャルーム労相の発言を受け、「脅しには屈しない。」との姿勢を示したのものと考えられる。
一方、CMPOはデモ隊を政府機関から退去させるべくPDRCと交渉する姿勢を見せている。
だが、ステープは、「タクシン体制下で政府職員が職務を遂行するのを阻止するため、クルングテープ封鎖を続行する必要がある。」と述べて、交渉に応じない考えを明らかに。
都内サイアム地区で反政府グループの警備員数人が、サイアム・センターで働く男性を暴行し、金品などを強奪する事件。
タイ地元紙によると、この男性(30)は出社するためデモ隊の検問所を通過しようとしたところ、難癖をつけられデモ隊警備員数人から暴行を受けたという。そして現金1万5000B、携帯電話などを奪われ、パトゥムワン交差点付近で開放されたそうだ。その後、男性は地元警察に通報、現在警察が捜査中。
反政府デモ隊に対する爆弾攻撃や銃撃で死傷者が出ていることから反政府派が兵士によるデモ隊警護を要求しているが、ウィンタイ陸軍副報道官は、「軍は法律に従わねばならず、兵士がデモ隊の警備を担当することはできない。」、「現在、首都圏は非常事態宣言下にあり、軍は同宣言に基づいた法律を順守する必要がある。従って、軍が法的根拠もなく、反政府派の要求を受け入れて兵士による専従班を編成してデモ拠点の警備などに当たらせれば、軍が法的責任を問われることになる。」と述べた。
国家汚職制圧委員会(NACC)のウィチャ委員によれば、NACCは28日にも、米買い上げ制度の不正横行問題に関連してインラック首相の罷免を請求するか否かついての検討する予定。
国家米政策委員長でもあるインラック首相の責任を問う訴えがあり、NACCでは現在、小委員会によって本格的な捜査が行われており、1~2ケ月掛かる見通し。
だが、 NACCは小委員会の報告を待たずにインラック首相の罷免請求に向けた手続きを開始する方針を固めたもので、01月中に結論が出ると見られている。
政府に対する圧力が一層強まった格好だが、政府首脳らは今のところ「02月の総選挙を予定通りに実施する。」との姿勢を変えていない。
なお、検討開始の決定は、「重要案件についてNACC本委員会は罷免請求の手続きを取ることができる。」との法律の規定に基づいたもの。
選挙管理委員会は、来月02日に行われる下院総選挙の実施日について、延期すべきか28日にも政府と会談する予定。選挙管理委員会ソムチャイ委員長は、「このまま総選挙が行われたとしても国会開催の定足数に達しないことから、今回行われる総選挙が無効になる可能性が高い。」と、政府との話し合いで選挙日を延期させる方針。
憲法裁判所は先週末、「選挙管理委員会と政府による話し合いで総選挙を延期することも可能。」との判断を下している。
22時過ぎ都内ピッサヌローク通にある反政府グループの集会場に、何者かが大型の爆竹を投げ込み、デモ警備隊の1人が負傷する事件が起きた。付近にいたデモ隊関係者の話では、「大きな爆発音とともに銃声のようなものが聞こえた。」という。犯人の行方はわかっていない。
01月28日(火)14時から都内ウィパワディランシット通にある陸軍クラブで、インラック首相と選挙管理委員会による来月02日に行われる予定の下院総選挙についての話し合いが行われ、予定通り実施することが決定。
反政府グループによる妨害工作も行われ、都内ウィパワディランシット通のタイ陸軍クラブ前に反政府デモ隊約500人が集まり、クラブ内で開催中の閣議を妨害しようとした。デモ隊を率いているのは民主党のチュムポン前下院議員。
協議において、選管は「今回の総選挙ではさらに障害が発生する可能性がある。」、「延期すべき。」と提言。インラック政権代行は「延期しても状況が打開するわけではない。」などと主張し、予定通り実施する姿勢を変えなかった。選管によれば、28選挙区の候補者不在などのため総選挙を実施しても当選議員の人数が足りず新政権樹立に向けて特別国会を開催できないことが障害の1つとなっている。だが、政府は「十分な議員数を確保できるまで選挙を繰り返せばよい。」と主張し、選管の提言を受け入れなかった。ある政府首脳は、「政府は、新政権発足までに最長で6ケ月程度掛かると見込んでいる。」と述べている。
一方、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、都内パトゥムワンのデモ拠点で座り込みを続ける大勢の支持者を前に演説。「全国の支持者よ、可能なあらゆる手段を用いて総選挙を不成功に終わらせるため準備に取りかかろう。我々は02月02日までにインラック(首相)とその部下を退陣に追い込むため抗議をエスカレートさせる。」と訴えた。
関係筋によれば、「政府側(タクシン派)は、『全閣僚が辞任して暫定政権下で選挙法改正を含む政治改革を断行する。』との反政府派の要求も、タクシン派を不利な立場に追い込むような政治改革も論外と考えている。このため、タクシン派は、現行の選挙制度のもとで総選挙を実施して再びタクシン派政権を誕生させ、政府主導の『政治改革』を行うことで時間をかけて反政府派を抑え込むことを目指している。」
14時半頃都内ウィパワディランシット通のタイ陸軍クラブ前で発砲事件。「部外者」と疑われて取り囲まれたコングペット・ペットカングハ(45)は反政府デモ隊に発砲し、デモ隊のプッティチャイ・ウィッパ(32)が銃弾が腹部を貫通する重傷。別のデモ参加者の男性(40)が軽い怪我。コングペットは逃走を試みたが、デモ隊に捕らえられて煉瓦で頭部を殴られるなどして負傷。コングペットが所持していた拳銃とともに、警察に引き渡した。
オートバイタクシー運転手が着る橙色ベストを着用したコングペットについて、「警官」と指摘する声が出ていた。地元警察は当初「警官を装った可能性がある。」などとしていたものの、間もなくして首都圏警察のアドゥン副長官が「デモの写真を撮るために派遣されたスティサン警察署の私服警察官である。」と認めた。
発砲に関してアドゥン副長官は、「デモ隊が警察官を取り囲んで持ち物を検査しようとし警察官がこれを拒んだという状況で起きたもので、正当防衛である。」としている。
タイ陸軍クラブでは当時、インラック首相と選挙委員会が02月02日の議会下院総選挙を延期するかどうかについて協議していた。
13日から、反政府デモ隊が主要交差点などを占拠し、治安が悪化している。27日夜にはタイ首相府近くのデモ会場に手製爆弾が投げ込まれ、爆発でデモ参加者1人が軽いけがをした。28日未明には都内ラムイントラ地区にある反政府デモ指導者宅に手榴弾が投げ込まれ、爆発で窓ガラスが割れるなどした。都内チャトゥチャク区では28日早朝、反政府デモの支持者とみられる男性が銃で撃たれ死亡しているのが見つかった。
タイ政府は、02月02日の議会下院総選挙を予定通り実施し、翌03日から、反政府デモ隊が封鎖した首都圏の政府庁舎の奪回を開始する方針を明らかに。「奪還作戦は警察と軍の合同部隊が実施する。」としている。
選挙管理委員会は、インラック首相らと会談し、投票日を数ケ月延期し、反政府勢力と話し合うよう要請した。インラック首相はこれに対し、「今月26日の期日前投票がタイの全77都県中66県で順調に行われ、反政府デモで投票が行えなかったのはクルングテープ都と南部の20県だけだった。」と指摘。「投票日の延期は行わず、デモで投票できなかった選挙区だけ後日、再選挙を行う。」という方針を選挙管理委に伝えた。
反政府デモ隊を率いるステープ元副首相(民主党幹事長)は「下院選の延期は必要ない。必要なのはインラック首相の辞任だけだ。」と公言しており、政府、選挙管理委が投票日を数カ月延期しても、デモ隊が政府との話し合いに応じる保証はなかった。また、下院選に参加する中小政党は投票日が延期された場合、政府、選挙委を職務怠慢で訴える姿勢を見せていた。
ただ、下院選を実施しても、デモ隊の妨害で当選者の数が下院開会に必要な定足数に達しないのはほぼ確実だ。反政府デモ隊によるクルングテープの主要交差点の占拠も続く見通しで、政府が自力で事態を収拾する道筋は見えない。
政府の米買い上げ制度が不正まみれとされる問題で、国家汚職制圧委員会(NACC)のウィチャ委員は、「NACCが今週中にインラック首相を訴追するか否かを決定する方針だ。」と明らかに。インラック首相は、米買い上げ制度を監督する米政策委員会の委員長であることから、NACCが首相の責任を追及しようとしているもの。
また、NACCは、「憲法の求めるところに従って早急に結論を出す必要がある。」と説明。
だが、政権党プア・タイ党の広報担当プロムポンは、「NACCの姿勢は反政府デモ隊に抗議を継続せよとの信号を送るもの。」と批判し、「NACCは政治的中立を守るべきだ。」と訴えた。
刑事裁判所は、法務省特別捜査局(DSI)による反政府派幹部16人の逮捕状請求を「嫌疑が不十分。」として却下。
DSIは、「これら幹部が非常事態宣言に違反した。」と主張し、逮捕状発付を求めたもの。だが、裁判所は、「嫌疑を裏付ける証拠が提示されていない。」との理由で要請を退けた。
反政府デモを指揮するステープ元副首相は、都内パトゥムワン交差点のデモ会場で演説。「デモ隊が封鎖した庁舎の明け渡しに応じず、2月2日の議会下院総選挙をあらゆる手段を使って阻止する。」と言明。
ステープ元副首相は「政治家を排除した国家改革を遂行する。」という主張を繰り返し、政府との交渉を拒否。会場に集った数千人の聴衆から喝采を浴びた。
ただ、クルングテープ郊外の総合庁舎前のチェーンワタナ通のデモ会場については、危険があるとして、庁舎前の道路封鎖の一部解除に応じる姿勢を見せた。チェーンワタナ通のデモを指揮するのは僧侶で、28日、道路封鎖の一部解除について、政府との交渉に応じた。この僧侶は29日午後、政府と再度交渉する予定。
01月29日(水)
03時47分頃
都内ラートプラオ五叉路の反政府派のデモ拠点に擲弾が撃ち込まれ爆発。デモ隊2人が飛散した擲の破片で軽傷、自動車2台と地下鉄MRTの吸排気施設が破損した。タイ電車公社によると、地下鉄の運行に影響はない。
現場はパホンヨーティン通のチャトゥチャク公園前。擲弾は、高架高速道路ドンムアントールウェイを走行中の自動車から、M79グレネードランチャーで発射されたと見られる。
デモ拠点の責任者は、今回の事件について「仲間を守るために警備を強化する。また、暴力がさらに激化するようなら、軍に警護を要請しなければならないだろう。」と述べている。
午前警察によると、都内のラープラーオ五叉路を占拠した反政府デモ隊が自動車約50台、バイク約50台でデモ行進を開始。クルングテープ郊外ノンタブリー県の運輸省陸運局前でデモを行った後、12時頃県内の保健省に向かった。
テレビ報道によると、反政府デモの指導者、ステープは、都心のパトゥムワン交差点のデモ会場で演説し、「クルングテープで02月02日に過去最大規模のデモを決行して、全ての道路をデモ隊で占拠する。」と総選挙を妨害する戦略を発表。都内で総選挙に不同意の市民に自動車を路上駐車させてクルングテープを完全に封鎖することで選挙を妨害する。
30日から02日まで、クルングテープ都の全ての区役所をデモ隊で閉鎖。31日はデモ隊が占拠するラープラーオ五叉路からデモ行進し、02月01日は春節(旧正月)に合わせ赤い服を着て、中華街を行進する予定。
26日の期日前投票ではデモ隊を動員して投票所を閉じさせるという戦略を取ったが、ステープは、「02月02日は投票を(直接的には)妨害しない。投票してタクシン体制に仕えたい者はそうすればいい。だが、我々はそうはしない。」としている。
「30日の午前中にはオンヌットからアソークまでデモ行進する予定で、02月02日にかけて規模を段階的に拡大する。」
一方、タイは義務投票制を採用し、投票忌避ではその後の選挙で有効な投票を行うまで被選挙権を失うなどの罰則が科せられることから、投票しないことに一部で不安の声が出ている。
ただ、ステープによると、「総選挙は確実に無効とされるため、棄権しても権利を失うことはない。」と述べた。
ウィンタイ陸軍副報道官は、「暴力がエスカレートしている。平和秩序維持センター(CMPO)の治安対策への協力を強化すべく、暴力の発生などが強く懸念されている区域に派遣している兵士を増員する予定。」、「さらに、衝突につながりかねない事態となった場合、陸軍はデモ隊と交渉して緊張の緩和に努める。」という。
ウィンタイ副報道官によれば、「陸軍はすでにデモ拠点周辺で検問所を設けたり、パトロールを行ったりしている。治安要員および、どのグループに所属するかに関わりなく、市民すべての安全を確保することが目的。」という。
平和秩序維持センター(CMPO)の最高責任者、チャルーム労相はこのほど、「反政府デモが長期化しているのは一部の大企業がデモを支援していることが要因。」と、大企業2社を脱税容疑で捜査する考えを明らかに。
チャルームは、名指しは避けたものの、「1社は酒を売っている。もう1社は鴨と鶏を売っている。」と指摘したが、どのような支援を提供しているかについても言及しなかった。
なお、CMPOが先に発表したところによると、「30社ほどがデモ隊に資金、場所、車両などを提供する形で反政府活動を支援している。」という。
タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)は、「31日に全国で大規模な決起集会を行う。」と発表。クーデター阻止、選挙を予定通り実施させるためのものとしている。
タイ地元紙によると、今回は各地で集会が行われるものの、中心となる会場は中部サムットプラーカーン県。非常事態宣言の地域外でのみ集会を行う。
01月30日(木)反政府グループは都内スクンビット通をデモ行進。高架電車BTSオンヌット駅から、スクムビット通をBTSアソーク駅に向け行進中、12時頃、トンロー駅で休憩に入った。周辺のスクムビット通の道路は交通麻痺。
反政府派は31日、デモ隊が占拠するラープラーオ五叉路を午前10時に出発し、ラープラーオ通、ラチャダピセーク通、ラーマ9世通を行進する予定。
02月01日は支那街のヤオワラート通からシーロム通に行進する予定。参加者には春節(旧正月)を祝い赤い服を着用するよう呼びかけている。「議会下院選投票日の02日は過去最大のデモでクルングテープ中の道路を占拠し、投票を阻止する。」としている。
政府は02日、クルングテープの投票会場の警備に1万人以上の警官を動員する予定。26日に行われた期日前投票では、クルングテープの50の選挙区のうち49の選挙区で投票会場がデモで閉鎖に追い込まれ、バンカピなど3区の区選挙委員長が辞任した。
】在タイ日本大使館は、02月02日のタイ議会下院選挙で危険な事態が起きる可能性があるとして、反政府デモの拠点やデモ隊の進路に近づかないよう呼びかけた。
大使館によると、下院選では全国約9万9000ケ所、うち都内約6000ケ所の会場で投票が行われる。反政府派は投票の阻止を掲げており、投票会場でデモを行うと見られる。また、反政府デモ隊と政府支持派市民の衝突、銃や爆弾による襲撃といった事態も予想される。
下院総選挙と反政府勢力の動向に対する注意喚起(2014年1月30日現在)

1 2月2日(日),タイ国内において総選挙が予定されており,全国約99,000ヶ所(うちバンコク都内は約6,000ヶ所)の会場で投票が行われます。

2 今月13日以降,反政府勢力は,バンコク都内7ヶ所を拠点として,抗議活動を継続しており,2月2日投票に際しても,投票会場及びその周辺において,何らかの抗議妨害行動が行われる可能性があります。

3 反政府デモの拠点等や抗議行動が行われている周辺において,これまで銃撃や爆弾を使った事件が発生しており,死傷者も出ています。外出される際には,反政府勢力の活動拠点,抗議行動,デモ隊進行ルート,集会等が予定されている地域やその周辺には,出来る限り近づかない等十分注意して下さい。

(問い合わせ先)
○在タイ日本国大使館領事部
電話:(66-2)207-8502,696-3002
FAX :(66-2)207-8511

在タイ米国大使館も、タイ国内の自国民に対し、反政府デモや大規模な集会に近づかないよう呼びかけた。
中央選管のソムチャイ委員は、「総選挙の投票後に無効の訴えが憲法裁に起こされるなど曲折が予想される。」との見方を示した。
憲法では「全国で同時に選挙を行う。」と規定されているものの、一部の選挙区は候補者不在となっているほか、反政府派の妨害で一部の投票所で有権者が投票できない可能性がある。このため、法律専門家からも「総選挙が無効とされる。」との指摘が出ている。
このほか、新政権樹立の手続きを始めるための特別国会開催は下院議員500人(小選挙区375人、比例代表125人)の95%(475人)以上の出席が条件と憲法に規定されていることから、ソムチャイ委員は「特別国会を開くのにも相当時間が掛かる。」との見方を示している。 今のところ、反政府派の妨害で立候補の届出・受付ができなかった28選挙区が候補者不在となっており、このままでは当選者が28人欠けることになる。
少なくとも3選挙区で再び立候補受付、投票を行うことができれば、欠員を25人(全体の5%)以下に止めることが可能。しかし、比例代表は、全ての投票所で投票が行われ、その結果に基づいて125人を当選とする必要がある。
ソムチャイ委員によれば、「02月02日は全国の投票所約9万9000ケ所のうち約1万ケ所で妨害のため投票ができないと予想される。新たに日程を設定して残りの全ての投票所で投票を行うには少なくとも4~6ケ月掛かる見通し。」という。
なお、「憲法の規定『全国で同時に選挙』に違反するため総選挙は無効。」との意見に対し、プラパン元中央選管委員は、「総選挙は全国で同時に実施されるのであって、投票ができない投票所は投票延期となるだけ。従って、憲法違反ではなく、総選挙は無効とならない。」と指摘。
最大野党の民主党は02月02日の総選挙のボイコットを決め、候補者を擁立していないが、民主党のアタウィット前議員は、「民主党は02月02日に投票するか否かは個人の判断に委ねる方針だ。」と明らかに。ただ、反政府デモに加わっている民主党の前議員らは、投票しない見通し。
なお、タイでは義務投票制が導入されている代わりに投票用紙には「誰も選ばない。」の選択項目が設けられており、投票の義務に違反せずに当該選挙を拒否する権利が保障されている。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)は、「ステープPDRC事務局長など反政府派幹部の資産凍結を命じたのは違法。」として法務省特別捜査局(DSI)のタリット局長を刑事裁判所に告訴する手続きを取った。タリットは、ステープなどの刑事訴追に向けてDSIが捜査を開始したことから、2度にわたってステープを含むPDRC幹部の銀行口座の凍結を命じた。
PDRCは、「刑法157条が禁じている職権乱用に当たる」と反論。
反政府活動を主導する人民民主改革委員会(PDRC)が投票日02月02日に「過去最大規模のデモ」を決行して総選挙を不成功に終わらせようとしている。 デモ指導者のステープPDRC事務局長は、「02日のデモで(首相が)辞任しないなら、03日には抗議活動の規模をさらに拡大する。」と明言。
関係筋によれば、インラック首相は下院を解散したものの、その後は反政府派に譲歩する姿勢を一切見せておらず、投票が大混乱に終わったとしても、すぐに辞任することは考えにくい。
なお、ステープは、投票日以降の活動予定について「適切な時を選んで発表する。」と述て詳細を明らかにしていない。
タイ工業連盟(FTI)のタニット副会長によれば、「長期化する反政府デモが今年の失業率を、前年の0.7~0.8%から1%に押し上げる可能性がある。反政府派がインラック首相を退陣させるべく総選挙の阻止に全力を挙げてくることが予想されており、政治的混乱がさらに長期化するとの見方が強まっている。総選挙絡みの問題で新政権の誕生が下半期にずれ込むのは明白。政治の空白が続くことで公共投資が遅れ、民間部門にも影響を及ぼすことになる。」という。
01月31日(金)民事裁判所は、反政府グループが訴えていた非常事態宣言の解除について棄却。「反政府グループは、民主主義に基づいた平和的なデモに対して、同宣言を適用するべきではない。」と訴えていた。だが民事裁判所は、「現時点で政府による強制排除が行われておらず、またそのような状況にないことから特に違法性はない。」と、反政府グループの訴えを棄却。
02月01日(土)午後クルングテープ都ラクシー区のラクシー交差点で発砲事件。タイ人6人と米国人カメラマンの計7人(報道によりタイ人と米国人報道関係者2人を含む約6人)が負傷。
反政府派の市民数百人が02日の議会下院総選挙の投票会場の準備の妨害を図り、反政府派が区役所を占拠中に政府支持派のグループが現れて緊張が高まっていたところ、何者かが大型の花火を爆発させたり銃を発砲したりしたことで、多くの人が物陰など安全な場所に慌てて避難する事態となった。
政府支持派の市民と衝突。棒を持った男たちが現場に入ってきた乗用車の窓ガラスを叩き割るなど騒然とした状態が約2時間に及んだ。双方が数十分間にわたり断続的に発砲した模様。選挙委員会はこの事件を受け、ラクシー区での投票を中止した。

支那街で行われた反政府デモ →


49章  インラック下院総選挙強行 反政府派、政府派、米農家のデモ
02月02日(日)中央選管の発表によれば、総選挙の投票が完了した投票所は、全国の9万3952ケ所の約89%に当たる8万3669ケ所。投票が中止となったのは全体の10.90%に当たる1万0283ケ所。投票が完了したのは全国の375区のうち306区で、中止に追い込まれたのは18県の69区。また、同18県のうち9県はすべての投票所が投票中止。
クルングテープ都に関しては、6671ケ所の投票所のうち6155ケ所で投票が完了。投票中止となった投票所は全体の7.73%、516ケ所。
タクシン派の地盤である北部、東北部など59県の投票会場では支障なく行われた。
クルングテープでは民主党が主導する反政府デモで多くの投票会場が封鎖され、投票率が前回2011年の下院選の72%を大きく下回る26%に止まった模様。都心の交差点を占拠した反政府デモ会場には、「(選挙に行かず)ピクニックに行こう。」という呼び掛けに応じて反タクシン派の市民多数が集まり、幹線道路上での無料コンサートなどを楽しんだ。 選挙委員会は投票が行えなかった選挙区で早急に投票を行う方針だが、「下院議員の数が下院開会に必要な定足数に達するまでに数ケ月掛かる。」と予想。その間、タクシン派インラック政権は選挙管理内閣として権能が制限され、予算編成などに大きな影響が出る恐れがある。
インラック首相ら政府・与党幹部、チャワリット元首相、バンハーン元首相といった政治家はそれぞれの選挙区で投票。
動向が注目される軍は、プラユット陸軍司令官ら陸海空の3軍司令官とタナサック国軍最高司令官が揃って投票。軍が民主的なプロセスを尊重する姿勢を示したと見られ、軍事クーデターによるインラック政権の転覆は少なくとも当面、可能性が低下したと見られる。
民主党は今回の下院選をボイコットし、アピシット民主党党首(前首相)らは投票しなかった。民主党は今後、「今回の下院選を無効。」として憲法裁判所に訴える方針。また、反政府デモを主導するステープ元副首相(元民主党幹事長)は夜、都内のデモ会場で演説し、「下院選は失敗した。」と、勝利を宣言。「選挙費用38億Bを無駄にした。」と、インラック首相を告発する。」とも表明。
民主党はインラック政権の退陣を要求し、昨年12月08日に党所属の下院議員全員の議員辞職を表明。翌09日、クルングテープで20万人規模の反政府デモを行い、インラック首相を下院解散、総選挙に追い込んだ。しかし、ステープ元副首相はその後、インラック政権を打倒した上で、様々な職種の代表からなる「人民議会」に国権を委ねるという事実上のクーデター計画を打ち出し、下院選を拒否。01月13日からクルングテープの主要交差点をデモ隊で占拠、多数の省庁をデモで閉鎖に追い込み、政府に圧力を掛けている。下院選で連敗中の民主党は12月21日、選挙ボイコットを表明し、デモ隊と足並みを揃えた。

投票会場を封鎖する反政府デモ隊 →

タイ政局の今後の見通しは不透明。与党は下院選で勝利して正統性を示し、事態の収拾を図る方針だが、参加者、支持者合わせ数十万人に上るデモ隊を警察力で排除するのは困難だ。また、2006年から続くタクシン派と反タクシン派の抗争で、事態が話し合いで収拾した例はなく、今回もステープ元副首相は政府との対話を拒否している。インラック首相は辞任も検討したと報じられるが、下院が解散されているため、次期首相の選出方法がどうなるか不明で、民主党・反政府デモ隊に職務放棄で訴えられる可能性もあり、断念した模様。
タイ北部は独立したランナー朝が続き、その後、16~18世紀はビルマの支配下にあった。タイの現王朝の支配下に入り、「タイ」に組み入れられたのは19世紀になってからとされる。東北部も20世紀に入ってから、「タイ」への統合、「タイ化」が本格化した。タイの現チャクリー朝と政府は、こうした異なる地域をまとめ、「タイ国家」の「歴史、文化」の形成を進めてきた。しかし、今回の政治対立は、南北分断のシナリオが一部で浮上する可能性を秘めている。
ソムチャイ中央選管委員は投票締め切り後の記者会見で、「今回の総選挙は3つの大きな問題を抱えている。」と指摘。①候補者が1人だけだった16選挙区では、候補者の獲得票数が有権者全体の20%に満たない場合、再度選挙を行う必要がある。②28選挙区が候補者不在だったことについて、選管は憲法裁判所の判断を仰ぐ必要がある。③再選挙をいつ実施するか。また、選管関係筋によれば、選管にはこれら28選挙区で選挙を実施する権限がないため、今回の総選挙が無効とされる可能性が高い。法律では、『混乱・不測の事態のため投票ができなかった選挙区では再選挙を実施する。』と規定されているものの、対象となるのは候補者のいる選挙区であり、28選挙区は該当しない。新たに勅令を発布して総選挙を実施することも可能だが、それ以前の総選挙を補完する形で実施することは不可能で、従って今回の総選挙は無効となる。」
今回の総選挙は、政権党プア・タイ党の宿敵、最大野党の民主党が候補を擁立せず、民主党支持者のほとんどが投票しなかったと見られる。
タマサート大学のナカリン副学長は、「今回の選挙は、総選挙ではなく、国民投票とでも呼ぶべきもの。有権者は、政治改革を先行すべきと考えて総選挙に反対して投票に行かなかった有権者、プア・タイ党を勝利させるために投票しようとした有権者、投票に行ったものの、「誰も選ばない」の選択項目を選んだ有権者の3グループに大別できる。また、今回の総選挙を国民投票と捉えた場合、投票の棄権者数がプア・タイ党に投票した人数を上回っていれば、国民の過半数が現政権を受け入れなかったことを意味する。」
総選挙投票日を翌日に控えた02月01日に都内ラクシー区で爆発、発砲によって負傷者が出た事件で、治安当局は、現場を撮影した写真などに基づいて「反政府派が発砲した。」との見解を明らかに。
事件は反政府派と政府支持派が対峙していた最中に起きたものだが、首都圏警察のアドゥン副長官は、「反政府派が発砲を始めた。」と明言。
だが、ウィンタイ陸軍副報道官は、現場にいた兵士などの証言に基づいて、「双方が発砲した。」と指摘。「捜査が完了していない時点で一方を非難するのは性急にすぎる。」と警察の対応に苦言を呈した。
なお、反政府派は、現場で写真撮影された発砲者について、「反政府派を装った者だ。」と反論。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)は、デモ隊の安全確保を理由に「都内のデモ拠点7ケ所のうちラープラーオ五叉路と戦勝記念塔での座り込みを中止する。」と発表。
ルンピニー公園のデモ拠点に移動する予定で、PDRC幹部のイッサラは、「投票日以降、暴力事件がさらに起きる恐れがある。政府支持派と武装グループが反政府派への攻撃を計画しているとの情報を摑んでいる。」と述べ、デモ隊を命の危険に晒さないための判断と説明。
PDRCは01月13日から占拠していた都内のラープラーオ五叉路、戦勝記念塔、郊外の総合庁舎前(チェーンワタナ通)から撤収する模様。
撤収にともない、反政府デモ隊は09時にラープラーオ五叉路を出発、サパーンクワーイ、戦勝記念塔、ラーチャプラソン交差点を経て、ルムピニー公園までデモ行進し、ラープラーオ五叉路と戦勝記念塔で座り込みを続けていたデモ参加者をルムピニー公園のデモ会場に合流させる予定。
総合庁舎前のデモ会場については、現場を指揮する僧侶に対し、デモ隊を主導するステープ元副首相(元民主党幹事長)が撤収を要請する。
西部ラチャブリ県パークトー郡で、米担保融資制度による米の買い上げを求める稲作農家が幹線道路のラーマ2世通を封鎖。農家の代表は政府が「03日中に話し合いに応じない場合は別の幹線道路であるペチャカセーム通も封鎖する。」としている。
米担保融資制度はインラック政権による事実上の米買い取り制度で、政権発足直後の2011年10月に導入された。政府が市価の約4割高で米を買い取ったため、稲作農家には好評だが、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には1981年以来初めて米輸出世界一の座から転落した。インラック政権は昨年12月、反政府デモの圧力に屈して議会下院を解散、総選挙に踏み切った。これにより、政府の機能が選挙管理に限定され、米買い取りに必要な資金の手当てができなくなり、支払いを受けられない稲作農家がタイ各地で抗議活動を行っている。
都内のラーマ4世通の上を走るタイ-日本高架橋を走行していた乗用車が銃撃され、運転していた自営業のタイ人男性(33)と同乗の女性(30)が怪我。タイ日本高架橋が反政府デモ隊によって封鎖していることを知らずに侵入し戻ろうとした際に、何者かから2、3発発砲された。2人は都内サムヤーンで食事をした後、クロントイ方面に向かっていた。デモ隊は01月13日から、ラーマ4世通とシーロム通の交差点(サラデーン交差点)など都内の主要交差点を封鎖。サラデーン交差点の上を通るタイ日本高架橋もデモ隊への攻撃を防ぐため、封鎖していた。
02月03日(月)野党民主党系の反タイ政府デモ隊は、01月13日から占拠している都内の主要交差点7ケ所のうち、ラープラーオ五叉路と戦勝記念塔から撤収。ラープラーオ五叉路と戦勝記念塔では夜、道路交通が再開。
デモ隊はクルングテープ郊外の総合庁舎前(チェーンワタナ通)のデモ会場も撤収する方針だが、現場を指揮する僧侶が撤収を拒否し、道路占拠が続いている。デモ隊幹部は、総合庁舎前のデモは人数が少なく、無料の食料の配送などに手間がかかっているとして、04日に再度、この僧侶と話し合い、撤収を求める予定。
総合庁舎前からの撤収が実現すれば、民主党系デモ隊が占拠する拠点はショッピング街のパトゥムワン交差点(MBK前)、ラチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、高架電車BTSアソーク駅前、ルムピニー公園・サラデーン交差点の4ケ所になる。
民主党系のデモ隊はインラック政権の退陣と02月02日の議会下院総選挙の阻止を掲げ、座り込みのデモを続けてきた。占拠した7ケ所の交差点では、道路を土嚢で封鎖し、巨大なスクリーン、ステージ、テント、簡易トイレなどを設営。党の地盤である南部などから座り込み要員を大型バスで送り込み、1日数百Bの「日当」を支払ってきたとされる。デモ参加者には食事や飲み物を無料で振るまい、演説の合間に歌謡ショーなどを行ってきた。大掛かりなコンサートを複数の場所で連続開催している状況で、経費は1日数百万Bに達していたと見られる。
デモ隊は今回の撤収について、安全上の理由だとしているが、資金繰りが厳しくなってきた可能性もある。下院選という山場を超えた影響もあってか、アソーク駅前のデモ参加者は目に見えて減少した。デモ隊にとって、資金面以外の難題は気温。01月のクルングテープは例年より涼しく、テントで路上生活を送るデモ参加者にとって、比較的過ごしやすかった。しかし、これから03月、04月にかけ、タイは暑熱の季節を迎える。
政権党プア・タイ党関係筋によれば、「02月02日に投票が行われた総選挙(定数500)でプア・タイ党は小選挙区約240議席、比例代表約60議席の計300議席あまりを獲得できた。」と見込んでいる。
前回2011年07月の総選挙を上回る議席を獲得したが、獲得票数は前回を下回っており、プア・タイ党の人気低下を指摘する意見も出ている。
中央選挙管理委員会は、02日に行われた総選挙の投票率(暫定)について、今回の投票率は45.84%で、前回総選挙の75%を大きく下回った。都県別の投票率は、クルングテープ都26.2%、西部カンチャナブリ県25.0%、東部ラヨーン県26.1%、チョンブリー県28.3%、チャチュンサオ県47.3%、中部パトゥムタニー県45.0%、アユタヤ県51.1%、サムットプラカン県35.0%、ロッブリー県49.2%、北部チエンマイ県54.7%、ラムプン県72.8%、東北部コンケン県54.9%、ナコーンラチャーシーマー55.8%など。野党の民主党の地盤である南部のクラビー県、チュムポン県、パンガー県、プーケット県、ソンクラー県、スラタニー県などでは反政府デモの影響で投票が行えなかった。全投票所9万3952ケ所のうち、反政府グループの妨害によって一部が閉鎖され、8万3813ケ所。正式な発表は04日に予定。
今回の下院選は民主党がボイコットしたため、実質的に与党プア・タイ党への信任投票となった。政権争いや争点がなかったほか、反政府デモでクルングテープ都、南部などの投票会場が閉鎖されたこともあり、投票率が下がったと見られている。
要因としては、反政府デモ隊の妨害などで一部の投票所で投票ができなかったこと、最大野党の民主党が候補を擁立せず、結果が見えていたことから投票者が少なかったことなどが挙げられる。
だが、プア・タイ党の支持基盤である東北部や北部でもプア・タイ党の獲得票が減っていることから、プア・タイ党が推進してきた米買い上げ制度や大型治水計画などにプア・タイ党の支持者たちが不満を募らせていることが窺える。
クルングテープの西に位置するラチャブリー県で、ラチャブリー県と近隣県から集まった農民1000人以上が、政府の米買い上げ制度で代金支払いが遅れていることに抗議して幹線道路の封鎖を開始。

← 米農家による道路封鎖(ラチャブリー県)

また、クルングテープの北約300㎞のピチット県でも、農民400人あまりが同じ理由で幹線道路の封鎖に踏み切った。
米買い上げ制度は、タクシン支持者の多い農民の所得アップを狙ったインラック政権の目玉政策。だが、ここに来て、代金支払いの遅延に各地で農民が抗議の声を上げている。一部の農民は代金を受け取って抗議活動を中止しているが、未だに農民の多くが政府の対応に不満を抱いている。
派手なファッションで知られる女性監察医、ポンティップが、反政府集会で02日、「昨年05月に法務省中央科学捜査研究所長から同省監察官に異動になったのは政治家の言うことを聞かなかったため。」と発言。
これに対し、チャイカセム法相は、「所長としての4年の任期満了に伴う異動。」と指摘し、「政治絡みの左遷ではない。」と反論。
法相によれば、「ポンティップは一昨年に任期満了となったが、任期が1年延長されていたもので、任期の途中で所長を解任されたわけではない。」
これに対し、ポンティップは、再び反政府集会で「チャイカセム法相には言及していない。異動命令を出したのは、チャイカセムの前任者であるプラチャー。」と述べ、「チャイカセムを批判するつもりではなかった。」と説明。
また、「私は勤務時間が過ぎてから集会に参加しており、法務省は私を懲戒処分にすることはできない。」と付け加えた。
02月04日(火)00時半頃タイ南部のフアヒンで、大型トラックに衝突されたピックアップトラックが道路脇の立木に衝突し、ピックアップトラックに乗っていた4人が死亡、6人が重軽傷。死傷した10人はクルングテープ都で座り込みの反政府デモに参加し、地元の南部スラタニー県に帰る途中。野党民主党が主導する反政府デモには民主党の地盤の南部の住民が多数送り込まれている。
反政府デモ隊により閉鎖されてきたクルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)で、憲法裁判所、中央破産裁判所、最高検察庁、法務省の部局などが業務を再開。
総合庁舎前を占拠するデモ隊の指導者である僧侶が政府側の要請を受け入れた。反政府デモ隊を率いるステープ元副首相(元民主党幹事長)はこの僧侶に対し、総合庁舎前からの撤収を呼びかけているが、僧侶は応じていない。総合庁舎前のデモはデモ参加者に人気がなく、参加者が100人程度に落ち込んでいる。
ステープ元副首相率いる野党民主党系のデモ隊は01月13日から、都内のパトゥムワン交差点(MBK前)、ラチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、高架電車BTSアソーク駅前、ルムピニー公園・サラデーン交差点、ラープラーオ五叉路、戦勝記念塔と総合庁舎前を占拠。しかし、議会下院総選挙翌日の03日、このうちラープラーオ五叉路と戦勝記念塔から撤収。安全上の理由としているが、デモの資金繰りが苦しくなってきたという見方も出ている。
タクシン派の与党プア・タイ党の幹部は、02日の下院総選挙での獲得議席数が500議席中300議席程度という見通しを示した。小選挙区で230~250議席、比例代表で60議席以上の獲得を予想。
今回の総選挙は反政府デモ隊の妨害で01月26日に不在者投票ができなかった選挙区で、02月23日に不在者投票のやり直しが予定されている。
スパチャイ中央選管委員長は、「法律問題やデモ隊の妨害のため実施できないかもしれない。」と述べた。
総選挙に反対する勢力は、「本投票後の不在者投票は違法。」と指摘しているが、選管ではまだこの問題に結論が出ていない。
また、地方の選管の中には、「反政府デモが続いており、23日の投票も妨害される。」と報告している所もある。
タイと支那は昨年11月に政府間取引でタイから中国に米120万tを輸出することで合意していたが、支那側がタイ米の輸入を取り止めたことが明らかに。
ニワットタムロン副首相兼商業相は、「国家汚職制圧委員会(NACC)が取引の透明性に疑いを抱いて捜査を開始したため、支那は我々との取引に自信が持てなくなった。」と説明。
政府は現在、米買い上げ制度で代金支払いが滞り、農民の強い反発を招くという問題に直面している。資金調達に躍起になっており、支那の米輸入中止によって政府はさらに困難な状況に追い込まれるとする見方も出ている。
一方、タイ米輸出業者協会のチューキアット名誉会長は、「支那への米120万t輸出はもともと実態のない虚偽だったのではないか。」と指摘。今回の政府による取引キャンセルの発表について、「NACCに捜査を中止させることが狙い。」との見方。タイ米の輸出先とされていた。満洲ハルビン市の国営企業は、「支那当局から長粒米輸入割当を受けていなかった。」という。
チューキアット名誉会長は、「満洲ではタイ米のような長粒米ではなく短粒米が食されている。このため、我々は支那への米輸出話は最初から嘘だと思っていた。」と述べている。
国内第2位の銀行、官営クルンタイ銀行(KTB)のウォラパック頭取は、「KTBが政府の米買い上げ制度に融資することはない。」と明言。
米買い上げ制度では、代金の支払いが遅延し、米を売った農民が抗議のため幹線道路を封鎖するなどの行動に出ている。
政府は1300億Bの借入を計画しているが、国の法律最高諮問機関、法令委員会も現在の政府、すなわち選挙管理内閣による巨額借入は可能との判断を示している。しかし、米買い上げ制度が不正まみれと指摘されていることもあって、どの銀行も融資に否定的とされる。
一方、「KTBが融資に前向き。」との噂が広まり、役員会が開かれた4日、KTBの行員たちが黒服を着用して融資に反対の意を表明。行員を前にウォラパック頭取は、「役員会では米制度への融資の件は取り上げられなかった。」と述べ、米買い上げ制度に不正横行との批判が出ていることなどを指摘。「私はプロの経営者。誰かに恩返しをする必要はない。」と融資する考えのないことを明らかに。
12月09日に解散されたタイ議会下院の前議員の資産をタイ汚職取締委員会が、発表。それによると、反政府デモを主導するステープ元副首相(元民主党幹事長、63)は2011年08月02日の議員就任時の資産報告が資産1億4180万B、負債4790万Bだったのに対し、2013年11月11日に議員辞職した際の資産報告は資産2億1010万B、負債3億2400万Bと、負債が一気に膨らんだ。就任時は所有する地所が59ケ所、9810万B相当だったのに対し、離職時は155ケ所、1億7700万Bとなっており、不動産投資で負債が膨らんだ模様。
ステープは離職時に、不動産のほか、トヨタのランドクルーザーとメルセデス・ベンツ、BMWの乗用車各1台、フォードの乗用車2台を所有。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、労働省などいくつかの政府機関が業務を再開したとの報道を受けて、「現在の政府機関の状態をチェックして、開いている政府機関を占拠、封鎖する。」と明言。
平和秩序維持センター(CMPO)は、「政府機関を占拠するデモ隊には断固たる措置を執る」と、非常事態宣言違反に厳しい姿勢で臨む方針を明らかにしているが、ステープは、「政府機関の占拠は、これまでの我々の努力を無駄にしないために不可欠。」と述べている。
クルングテープの主要交差点などを占拠する反政府デモ隊は、「チャオプラヤー川に架かるラーマ8世橋の封鎖を解除し、撤収する。」と発表。05日中に撤収を終える見通し。
デモ隊は01月13日から、ラーマ8世橋、都内の高架電車BTSアソーク駅前などを占拠。占拠した場所のうち、都内のラープラーオ五叉路と戦勝記念塔からは03日に撤収。郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前からも撤収する方向で調整。
ラーマ8世橋からの撤収が終わると、デモ隊の占拠地は総合庁舎前、BTSアソーク駅前、パトゥムワン交差点(MBK前)、ラーチャプラソン交差点(セントラルワールド前)、ルムピニー公園・サラデーン交差点、民主記念塔周辺、タイ首相府周辺の7ケ所。
反タクシン派の野党民主党は党役員会で、タクシン派インラック政権の解任、タクシン派与党プア・タイ党の解党、02月02日の議会下院総選挙の無効化を憲法裁判所に求める方針を決めた。
下院選については、「同一日に全選挙区で選挙を行うことを定めた憲法規定に違反した。」として、オンブズマンに対し、憲法裁に選挙の無効を訴える裁判を起こすよう要請。
プア・タイ党については、「下院解散後にインラック政権が非常事態宣言を発令するなど、選挙戦で自党の有利になるよう政府の権力を乱用した。」として、憲法裁に解党と党役員の公民権停止を求める。インラック政権については、「憲法に違反する下院選を強行したとして、2万人の署名を集めて汚職取締委員会に捜査を要請し、汚職取締委が憲法裁に提訴する形を目指す。
憲法裁はタクシン派と反タクシン派の抗争が表面化した2006年以降、一貫してタクシン派に不利な判決を下し続けている。昨年には、現行憲法の規定で約半数が任命制となっている上院を全議席公選制に変更する憲法改正案を違憲とする判決を下し、改憲を目指したプア・タイ党と対立。こうした経緯から、憲法裁は今回も、民主党との連携プレーで、下院選を無効とし、プア・タイ党を解党、インラック内閣を解任する可能性がある。
下院選を妨害した民主党が選挙が円滑に行われなかったことを理由に政府・与党を訴えるという図式は欧米メディアから批判を浴びている。ただ、憲法裁、選挙委員会、汚職取締委などはいずれも反タクシン派の影響下にあるとみられ、司法闘争ではタクシン派に分がない。ここで問題になるのが、インラック内閣が憲法裁により解任された場合の次期首相の選出。選挙管理内閣が辞任もしくは解任された場合、次の首相をどうやって選ぶかについての憲法上の規定はない。首相は下院議員から選ぶと憲法で規定されているが、選挙の混乱で新しい下院が開会できる目処は立っていない。選挙委員会のソムチャイ委員は、「『内閣が存在しなくなった場合、下院解散中は上院が下院を代行する。』という憲法条文が使用できる。」という見方を示している。ただ、上院は03月02日に任期が切れる上、下院議員がいなければ首相の選出は不可能。
こうした法律上の複雑な方程式をとき、民主党が何らかの方法で政権を奪取するというのが反タクシン派の最終的な目標と見られる。合法的な方法としては、「憲法裁がプア・タイ党を解党し、タクシン派の選挙準備が整わないうちに、民主党が参加して下院選を行い、民主党が勝利する。」というシナリオも考えられる。この場合、02日の下院選の無効化、プア・タイ党解党、インラック内閣解任をどのような順番でいつ行うかが鍵。
03月30日に予定される上院選も重要。上院(定数150)はタイの77都県から各1人を選挙で選び、残る73人を憲法裁判所長官、最高裁判事、選挙委員長らからなる委員会が選出する。選考委は反タクシン派で固められていることから、上院の約半数は反タクシン派になる見通し。反タクシン派は上院選である程度の県で勝利すれば、上院で多数派になる。
02月05日(水)反政府グループは、デモ隊によって封鎖していたラーマ8世橋から撤退。タイ地元紙によると、反政府グループによってラーマ8世橋が封鎖されたことで、周辺地域が大渋滞となっており、治安維持部隊から封鎖を解除するよう求められていた。
反政府グループは、「封鎖によって市民への影響が大きいことから、封鎖を解除する。」と発表。
民主党のウィラット前下院議員とパイブン上院議員が「インラック首相が非常事態宣言を発令したのは憲法68条に抵触する。」と憲法裁判所に訴えていたが、憲法裁判所は、「裏付けに乏しい。」としてこの訴えを退けた。
憲法68条では、「非民主的手段による政権の転覆や奪取を図った権利行使を禁止する。」と規定されている。
ウィラット前議員らは、「非常事態宣言の発令は、02月02日の総選挙の前に行われており、選挙において政府の立場を有利にするもの。」と主張。だが、憲法裁は、「訴えは十分な裏付けを伴わない。」と判断し却下。
刑事裁判所は、法務省特別捜査局(DSI)の請求に伴い、(元民主党幹事長、前民主党下院議員)、サーティット前民主党下院議員ら反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)の幹部19人に非常事態宣言違反で逮捕状を発付することを決めた。刑事裁判所は、状況証拠や目撃情報などから、非常事態宣言違反でを違反していることに間違いはない。」とししている。DSIは、「ステープらが非常事態宣言に違反した。」として逮捕状を請求していた。ステープ元副首相への逮捕状は2通目。
これに対し、PDRC幹部のサーティット前議員は、都内のデモ会場で演説し、「非常事態宣言は違法に発令されたものだ。」と反論。「PDRCの活動には影響しない。」と明言。サティットよれば、「ステープら19人は、インラック首相府を含む全閣僚が辞任し、タクシンの影響力がこの国から完全に排除されるまで出頭しない。」、「逮捕状が出た19人はいずれも反政府デモを継続する。」と宣言。
クルングテープの反政府デモ支持者は数十万人に上る。デモ指導者は常に多数の支持者に囲まれ、逮捕は困難。逮捕に成功しても、大規模なデモを誘発する恐れがある。 一方、政府は04日、反政府デモの取り締まりを強化する方針を打ち出した。反政府デモを資金援助する個人、企業を取引停止処分にするほか、02日の議会下院総選挙で投票会場を十分な理由なく閉鎖したり、投票日直前に辞任するなどした地区選挙委員らの捜査を進める。また、反政府デモ会場で演説するなどしたタイ在住のインド人実業家、サーティット・セーガルを「非常事態宣言に違反した。」として国外追放を発表。サーティットは2000~2003年にインド・タイ商工会議所会頭を務めた。
憲法裁判所は、タクシン派の与党プア・タイ党の解党を求めた任命制上院議員と前民主党下院議員の訴えを却下。議員らは、「昨年12月の下院解散後にインラック政権が非常事態宣言を発令するなど、プア・タイ党が選挙戦で自党の有利になるよう政府の権力を乱用した。」と主張したが、憲法裁は根拠が不十分と判断。
政権党プア・タイ党は、最大野党の民主党が「政党法94条に違反した。」、「民主党が支援するデモ隊が下院選の投票を妨害阻止した。」、「民主党が政党にその義務を果たすよう求めた政党法94条に違反していることを意味し、民主党には解党、役員の公民権5年停止の処分が下されるべき。」として、選挙管理委員会に対し、プア・タイ党の解党などに向けた手続きを取るよう要請。
プア・タイ党の広報担当、プロムポンによれば、「ステープ元民主党幹事長など反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)幹部9人は民主党と繋がりがあるほか、PDRCは民主党幹部25人と結託して非民主的手段で政権転覆を図っている。」、「ステープの憲法違反は、反乱罪でステープに逮捕状が出ていることからも明らか。」、゛民主党が政党にその義務を果たすよう求めた政党法94条に違反していることを意味し、民主党には解党、役員の公民権5年停止の処分が下されるべき。」と述べた。
都内ウィタユー通の在タイ米国大使館前で、小規模なデモ。米国企業の労働争議絡みと見られ、規模は街宣車1台、乗用車10台など。
クルングテープでは01月13日から、野党民主党系のデモ隊が主要交差点などを占拠し、02月02日に行われた下院総選挙を妨害。米国政府は「投票の妨害は人権侵害。」としてデモ隊を非難。
上院が03月02日に任期満了となり、03月30日に選挙。期日前投票は23日。期日前投票日、投票日ともに、前日の18時から当日の24時まで酒の販売が禁止される。
上院は定数150で、タイの全77都県から各1人を選挙で選び、残る73人を憲法裁判所長官、最高裁判事、選挙委員長らからなる委員会が選出する。任期は6年。2008年に行われた上院選の投票率は55.6%。
タイでは野党民主党が主導する大規模な反政府デモにより、昨年12月、インラック首相が議会下院を解散、今年02月02日に総選挙が行われた。しかし、民主党が選挙をボイコットした上、反政府デモ隊が投票を妨害し、下院議員の数が下院開会に必要な定足数に達しない見通し。03月02日までに下院が開会できなければ、タイは一時的に国会が存在しない状態。
インラック選挙管理政権は、政治改革を求める反政府デモに次いで、農業政策面でも難しい対応を迫られつつある。
政府の米買い上げ制度を利用して米を売った農民が、代金支払いの遅延に抗議する動きを活発化させており、幹線道路の封鎖などが全国各地で報告されている。
クルングテープ都に西に位置するラチャブリー県と近隣県の農民たちは、政府が話し合いに応ずる姿勢を見せないことから、「道路封鎖では効果がない。」としてクルングテープ都で抗議集会を行うことを決定。農民からは、「政府は農家の問題より総選挙を重要視している。」といった声が挙がっている。
一方、インラック首相は、「政府は農民のために努力している。だが、選挙管理内閣にできることには限度がある。」と説明。
インラック政権の地盤でもあるタイ北部チエンライ県に、突如ステープを避難する大型の看板が設置され話題。看板には「選挙で選出された体制を支持。反逆者反対。ステープ体制反対。」と書かれており、県内18郡の主要道路に設置されている。タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)によるものと見られている。
反政府デモを主導する野党民主党のステープ元副首相は、都内のデモ会場で演説し、「02日に行われた下院総選挙で、有権者4900万人のうち、棄権と反対票を合わせ、3500万人がタクシン派与党・政府に反対した。」と主張。
民主党の報道官は、「民主党のデモ隊が下院選の投票を妨害した。」として、欧米のメディアから批判されていることに対し、政府が裏で糸を引いている。」と主張。下院選の投票率が46%程度だったことを挙げ、「国民が与党のための選挙を拒否した。」と述べた。
タクシン派政党と民主党の下院選の得票数は、タクシン政権(2001~2006年)の全盛期だった2005年02月がタクシン派政党1899万票、民主党721万票。軍事政権が民政移管のため実施した2007年12月は、軍部が民主党を後押しした結果、タクシン派1234万票、民主党1215万票。タクシン派デモ隊によるバンコク都心部の長期占拠、治安部隊による強制鎮圧という大事件の1年後に行われた2011年07月の総選挙はタクシン派1575万票、民主党1144万票。民主党は今回の下院選をボイコットした。
02月06日(木)タイ政府による事実上の米買い取り制度である米担保融資制度が崩壊しかけている。インラック政権は昨年12月、反政府デモの圧力に屈して議会下院を解散、総選挙に踏み切った。これにより、政府の機能が選挙管理に限定され、米買い取りに必要な資金の手当てができなくなった。政府は銀行からの借り入れで急場をしのぐ方針だが、銀行は融資に応じると、反政府派市民の預金が流出する恐れがあるとして、慎重な姿勢を見せている。
支払いを受けられなくなった米農家はタイ各地で抗議活動を拡大している。タイ当局によると、06日には、中部のシンブリー県、アントン県、スパンブリー県、カンチャナブリー県などで米農家が幹線道路を封鎖。クルングテープ郊外の商務省前でも農家数百人が道路封鎖を開始。

← 米農家による道路封鎖(カンチャナブリー県)

米買い取り資金確保の手段として政府が期待していた在庫米の売却も進んでいない。タイ政府は04日、政府間取引で支那に輸出するはずだったタイ産米120万tについて、支那の国営企業が契約破棄の意向を伝えてきたことを明らかにした。政府はこれを受け、輸出する予定だった米を競売にかける方針。米担保融資制度はインラック政権の目玉政策の1つで、政権発足直後の2011年10月に導入。政府が市価の約4割高で米を買い取ったため、米農家には好評だが、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には1981年以来初めてコメ輸出世界一の座から転落。買い上げた米の転売はほとんど進まず、膨大な在庫を抱え、最終的に数千億Bの損失を出す見込みだ。財政負担が重い割に政策効果が低いとして、国際通貨基金(IMF)やタイ国内のエコノミストから、早急に制度を打ち切るべきという意見が相次いだ。米買い取り資金の大半が精米業者、輸出業者、政治家、大規模農家に渡り、汚職の温床になっている。
01月16日には、この制度をめぐり不正が行われたと、汚職取締委員会がブンソン前商務相、プーム前副商務相ら15人を刑事告発。インラック首相についても、不正を見逃したとして、刑事告発を視野に捜査を進めている。汚職取締委によると、ブンソン商務相らは農家から買い取った米の一部を政府間取引で支那に輸出したとしていたが、実際には米は輸出されず、タイ国内の業者に販売された。取引は帳簿に掲載されず、脱税の疑いも強い。
米担保融資制度などインラック政権の経済政策を以前から厳しく批判しているプリディヤトン元タイ中央銀行総裁(元副首相兼財務相)は、米代金の支払いが遅延し、大勢の農民が抗議の声を上げていることなどを例に挙げて、「現在の選挙管理内閣が機能不全に陥っている。」と指摘、中立的な暫定政権を樹立すべくインラック首相に辞任するよう要求。
これに対し、キティラット副首相兼財務相は、「(辞任要求は)反政府派の非民主的な要求と何ら変わらない。」、「民主主義に反する。」、「タイの政治システムへの諸外国の信頼を繋ぎ止めておくため現政権が存続しなければならないことを理解していない。」などと反論。スラポン副首相兼外相も、「プリディヤトンは首相の椅子を狙っているのではないか。」などと批判。
政府の米買い上げ制度で代金支払いが遅延し、全国で農民が抗議の動きを見せている問題で、民主党のアピシット党首は、政府に対し、農民に支払う代金を捻出するために買い上げた米を速やかに売却するよう要請。
アピシット党首によれば、「政府は『自分たちに責任はない。政府も苦しい立場にある。』などと訴えて同情を買うことだけに躍起で、買い上げた米を売却しようとはしていない。法的には選挙管理内閣による米売却には何ら問題がない。にもかかわらず、そうしないのは、政府が抱え込んでいる米の量と品質が公になるのを恐れているからだ。」という。
また、民主党では中部や西部出身の前議員らが、近く、買い上げた米を賠償金とともに農民に返却するよう政府に求めるキャンペーンを開始する予定。
反政府デモ指導者のステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長は、米担保融資制度で大勢の農民が代金を受け取れずに苦境に立たされていることから、反政府デモ隊が貯蔵庫から買い上げ米を奪って売却する考えを明らかに。
タクシン支持者の多い農民を助けることで反政府の味方にする戦略のようだ。
ステープによれば、「政府は金融機関から資金を借りて農民への支払いに充てようとしているが、これは、次の政権に借金を残すもので、選挙管理内閣にその権限はない。また、政府は買い上げ米を全て売却しようとしたものの、政府内に影響を受ける者がいたため、これを断念した。」、「政府が米買い上げ制度で購入し、保管中の米は1800万tに及ぶ。」と指摘。
20時26分頃クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前の反政府デモ会場に擲弾2発が撃ち込まれた。立体交差橋から発射されたと見られる擲弾はトイレの近くなどで爆発したが、付近に人はおらず、怪我人はなかった。グレネードランチャーで手榴弾が撃ち込まれた模様。
擲弾はラープラーオ五叉路のデモ拠点に撃ち込まれたことがあるが、チェーンワタナ通では今回が初めて。
02月07日(金)未明、タイ中部ラーチャブリー県ムアン・ラーチャブリー郡にある民主党支部に、手榴弾が投げ込まれた。投げ込まれた手榴弾は不発だったため、負傷者は出なかった。
野党民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、シーロム通を行進し、活動資金を募る模様。
09時半にサトン通のタークシン橋を出発し、チャルーンクルン通、シーロム通を行進し、ルムピニー公園を目指す。募金の目標額は1000万B。
政府と中央選管の間で総選挙問題の解決策が話し合われたが、候補者不在の南部8県28選挙区の選挙やり直しなどで意見がまとまらず、再び憲法裁判所の判断を仰がなければならない状況。
中央選管は、「中央選管には選挙やり直しの権限がないため、政府が新たに勅令を発令する必要がある。」と説明。だが、政府は、「昨年12月に発令された解散総選挙の勅令のもとで選挙やり直しが可能。新たな勅令の発令は不要。」と主張し、意見の一致をみることができなかった。
なお、ウィラット前民主党議員など法律専門家からは、「勅令の発令によって実施できるのは全国同時の総選挙に限られる。その場合、02月02日の総選挙は無効となる。」との指摘も出ている。
プリディヤトン元タイ中央銀行総裁が「現在の選挙管理内閣は機能不全に陥っている。」などとして首相に辞任を要求したのに対し、インラック首相は、「憲法に基づいて首相の職務を遂行する。」と述べ、辞任しない考えを再確認。
また、プリディヤトンが「全閣僚の辞任後に中立的な暫定政権を樹立する。」としていることについて、インラック首相は、「暫定政権に現在の選挙管理内閣を超える権限があるのだろうか。」と述べ、「暫定政権に強大な権限を持たせることは憲法に違反するため不可能であり、暫定政権を樹立しても現状を打開することはできない。」との見方を示した。
最大野党の民主党は先に、今回の総選挙が無効だとしてオンブズマンに対し、憲法裁判所に申し立てをするよう要請したが、オンブズマンは、「権限の範囲外。」と判断し、要請を却下。「憲法244条には、オンブズマンが受理できる訴えが規定されているが、民主党の要請はこれに該当しない。」という。
反政府系の大手新聞ASTVプーチャッカーンは06日、クルングテープの主要交差点を占拠した野党民主党系の反政府デモの費用を推定で1日4000万Bと報じた。
デモ隊幹部のエーカナット前民主党下院議員は07日、ニュースクリップに対し、「支援者からの無償支援があり、実際の費用はもっと少ない。」と主張。経費は全て寄付金で賄い、ステープ元副首相(元民主党幹事長)率いるデモ行進の際には1日300万~500万Bの寄付が集まると話した。実際の経費は「政府の調査を受ける可能性がある。」として、明らかにしなかった。
エーカナット前議員は民主党系のデモ会場が1ケ所だった01月08日の時点で、「音響機器やステージ、無料の食事などで、1日400万~500万B費用が掛かる。」と話していた。民主党系の反政府デモ隊は01月13日、都心の主要な交差点7ケ所を占拠。その後、5ケ所に縮小し、道路封鎖、座り込みを続けている。
02月08日(土)デモ隊の妨害で候補者不在となった南部8県の28選挙区での選挙やり直しについて、政権党プア・タイ党幹部らは、「総選挙を完遂する権限は選管にある。」と明言。
政府が選挙やり直しのための勅令発令に依然否定的であることを示しており、「総選挙の完了をみるにはまだだいぶ時間が掛かる。」との見方が強まっている。
一方、中央選管は07日、「28選挙区での選挙やり直しのため政府は勅令を発令しなければならない。」との結論を下した。
これについて、ポンテープ副首相は、「投票から30日以内、すなわち03月04日までに下院議員全体の95%以上(475人以上)の出席をもって、(新政権樹立に向けて)特別国会を開催する必要があるが、これは選管の責任において成し遂げられなければならない」と述べ、「政府による勅令発令はあり得ない。」との考え。また、「選管から勅令発令の求めがあれば、政府は直ちに検討する。」と述べたものの、「選挙やり直しのための勅令発令は前例がない。」と付け加えた。
プア・タイ党の広報担当、プロムポンは、「政府に勅令を発令させるというのは罠。新たな勅令の発布は、02月02日の総選挙が全国で同時に実施されなかったことを意味しており、反政府派に総選挙無効を訴える根拠を与えることになる。」と述べて選管を批判。「下院解散に伴い政府には勅令発令の権限はない。」と指摘し、新たな勅令に反対する考えを明らかにした。
米買い上げ制度で代金支払いが遅れ、国内各地で農民が道路を封鎖するなどの抗議行動に出ている問題で、インラック首相が「反政府派が農民を焚きつけている。」と批判。
これに対して、ステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長は、「農民の抗議には一切関与していない。」と強く反論。
政府は反政府派から圧力を掛けられている状態が続いているが、米代金の支払い遅延のため、政府支持者が多いはずの農民からも突き上げを食らっている。
また、PDRCは農民を支援するため、募金活動を開始しているが、07日に「デモ参加者から寄せられた募金が920万9440Bに上った。」と発表。ステープは、「農民を助けるため、クルングテープ都民への募金呼びかけを継続する。」としている。
タイ治安当局は、「ステープ元副首相ら反政府デモの指導者を宿泊させているとして、都内の高級ホテル、インターコンチネンタル・バンコクとデュシタニー・バンコクの経営者を11日に呼び出し、事情を聞く。」と発表。
ステープ元副首相らには、「クルングテープなどに発令されている非常事態宣言に違反した。」として、逮捕状が出ている。治安当局は、「ホテル側から満足のいく説明が得られない場合は法的措置を取る。」としている。
ステープ元副首相らが率いる反政府デモ隊は01月13日から、インターコンチネンタル・バンコクがあるラーチャプラソン交差点やデュシタニー・バンコクがあるサラデーン交差点などを占拠。一般のデモ参加者は路上に設営したテントで寝泊まりしているが、「ステープ元副首相ら前民主党下院議員を中心とするデモ隊幹部は高級ホテルに宿泊している。」と一部で報じられていた。
19時50分頃、クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前の反政府デモ会場で手榴弾が爆発し、タイ人男性2人(42、30)が重傷。総合庁舎前では06日夜にも手榴弾が爆発。このときは怪我人はなかった。また、08日04時頃、爆竹が投げ込まれ、少年(17)が軽い怪我。
クルングテープの反政府デモ関連の死傷者は昨年11月30日から今年02月08日までで、死者10人、負傷者616人に上る。
02月09日(日)中央選管のプチョン事務局長は、「候補者不在の28選挙区でいつ選挙をやり直すかについて選管と協議するようインラック首相に11日までに文書で要請する。」と明らかに。
また、最大野党の民主党は、総選挙やり直しの手続きを巡って選管と政府の意見が対立している問題を速やかに解決すべく、憲法裁判所の判断を仰ぐよう選管に要求。
民主党の広報担当、チャワノンによれば、「総選挙絡みの問題のため政治は抜き差しならぬ状況に陥っており、これを打開するためには選管による迅速な行動が必要。」
警察によれば、東北部ウドンタニー県ムアン郡で01月21日、地元のタクシン派グループのリーダーの1人が銃撃されて負傷した事件で、容疑者の男(39)が「軍人3人に頼まれた」と自供。男は最南部ナラティワート県出身で、「軍人3人とは深南部の部隊に配属されていた際に知り合った。」、「8000Bで銃撃を引き受けたほか、犯行に使用された自動小銃はこれら軍人が用意した。」という。
警察によれば、銃撃事件が政治的なものか、あるいはビジネス絡みのトラブルなど個人的な理由によるものかは未だ不明。
中央選管のプチョン事務局長は、「候補者不在の28選挙区でいつ選挙をやり直すかについて選管と協議するようインラック首相に11日までに文書で要請する。」と明らかに。
また、最大野党の民主党は、総選挙やり直しの手続きを巡って選管と政府の意見が対立している問題を速やかに解決すべく、憲法裁判所の判断を仰ぐよう選管に要求。民主党の広報担当、チャワノンによれば、「総選挙絡みの問題のため政治は抜き差しならぬ状況に陥っており、これを打開するためには選管による迅速な行動が必要。」
クルングテープ都内ラクシー区で02月02日、反政府デモ隊と政府支持派が対峙していた際に何者かが発砲し、少なくとも6人が負傷した事件で、警察庁の報道官はこのほど、発砲容疑者の写真3枚を公開して市民に情報提供を求めた。
この事件では、目出し帽をかぶってポリ袋を被せた銃を構えている黒服の男の姿がカメラに捉えられていたが、公開写真には、この男と見られる容疑者の顔も写っている。
発砲者については、「反政府派の警備担当者」との指摘もあるが、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)幹部のイッサラは、軍人との見方。
02月10日(月)10時頃ステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、BTSエカマイ駅前を出発し、エカマイ通、ペッブリー通、トンロー通、スクムビット通を経て、BTSアソーク前まで行進。デモ支持者に米農家に対する支援金を募る。目標額は1000万B。
インラック政権は昨年12月、反政府デモの圧力に屈して議会下院を解散、総選挙に踏み切った。これにより、政府の機能が選挙管理に限定され、米買い取り政策に必要な資金の手当てができなくなり、タイ各地の米農家が買い取りを求め、道路封鎖などの抗議行動を行っている。
一方、タイ外務省は10日、都内のシリキット・ナショナル・コンベンションセンターで、パスポートの発行を開始。クルングテープでのバスポートの発行は反政府デモによる外務省の閉鎖で遅れが出ていた。
10時半頃首相府周辺で座り込みを続ける反政府デモ隊が、バンランプー交差点を封鎖し、プラスメン通、プラアーティット通に自動車が進入できなくなった。
11時頃反政府デモ隊が占拠する都内の民主記念塔近くのプラナコーン区ラーチャダムヌンクラーン通のパンファーリラート橋近くの中央分離帯で爆弾が爆発。清掃作業員が中央分離帯の花壇の清掃をしていたところ、何者かによって置かれていた爆弾が爆発。清掃作業中のクルングテープ都庁の清掃員6人が負傷、このうち2人が重傷。
12時頃反政府デモ隊がクルングテープ都内ラーマ6世通の工業省前に集結し、ラーマ6世通の交通を遮断。 デモ隊は都内アサダン通の内務省前でもデモを行っている。
また、米農家のデモ隊がクルングテープ郊外ムアントンタニーの国防事務次官事務所前でデモ。
反政府グループとそれを主導する民主党を批判する大型の看板が、都内2ケ所に設置。看板が設置されたのは、ラーマ4世通近くの高速道路沿いとウィパワディランシット通沿い。
「民主主義を破壊し、農夫への米代の支払いを妨害しているのは誰だ?」といった反政府グループを批判する文章が書かれている。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)の幹部、ソムサックは、PDRCが近く、インラック首相を辞任に追い込むために大規模な抗議デモを決行する方針と明らかに。
ソムサックによれば、「反政府デモ隊が座り込みをしていたラチャダムヌン通で、爆発物が爆発して清掃作業員6人が重軽傷を負うなど、反政府デモ隊への攻撃が今後も続く。」と見通し。「このため、新たな大規模デモで早期決着を図ることが必要。」という。
米担保融資制度で代金の支払いが遅れ、不満を募らせた農民が商業省前で座り込みを始めるなど抗議行動を拡大させている。政府は、農民代表と話し合いを行ったが、政府側は支払いの期日を示すことができず、批判を浴びることになった。
また、話し合いの中で、ニワットタムロン副首相兼商業相は、「財務省は代金支払いのため銀行から借り入れをする用意しているが、妨害している者がいる。」と訴え、金融機関に政府への融資を働きかけるよう農民に要請。
しかし、農民の代表らは、「資金調達は政府の仕事。」と反発、「政府が我々の米に手を出せないよう米貯蔵庫を封鎖する。」との発言も飛び出した。
クルングテープなどに発令されている非常事態宣言違反で逮捕状が出ていた反政府デモ隊幹部でステープに次ぐ実質№2のソンティヤーンは、宿泊先である都内センタラ・グランド・アット・セントラルプラザ・ラープラオで昼食をとるために同ホテルに1人で入ったところを警察官に逮捕された。今回の騒動で、反政府グループ幹部クラスの逮捕は初。他の幹部は、常に反政府デモ隊と行動を共にしていることもあって、まだ逮捕されていない。デモ隊はソンティヤーンの保釈を求める方針。
刑事裁判所は、非常事態宣言に違反したとして反政府グループ幹部19人に逮捕状の発行を許可していた。
赤服軍団として知られるタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の首脳、チャトポンはこのほど、反政府デモ隊が政府機関占拠を続けていることに苛立ちを隠さない。
政府の治安対策本部、平和秩序維持センター(CMPO)のチャルーム所長(労相)を名指しで批判するとともに、「内務省からデモ隊を退去させられないならチャルームは所長を辞任すべき。」と述べた。
当局とデモ隊の間で内務省解放について話し合いが行われたが、チャルーム労相は、「警察に何ができるかにかかっている。だが、警察は依然として対デモ隊措置を強化することを望んでいない。」と述べ、デモ隊の退去がいつ実現するかには言及しなかった。
チャトポンによれば、「チャルーム労相はCMPO所長に与えられた権限の行使に消極的であり、治安対策本部のトップとしての役割を十分に果たしていない。」
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)の幹部、ソムサックは、「PDRCが近く、インラック首相を辞任に追い込むために大規模な抗議デモを決行する方針だ。」と明らかに。
02月11日(火)政府の米担保融資制度で不正が蔓延しているにも拘らず、米担保融資制度を監督する立場にある国家米政策委員会の長であるインラック首相が、「手を拱いている。」と指摘されている。
これに対して、国家汚職制圧委員会(NACC)のウィタヤー副事務局長は、小委員会が間もなく調査を完了し、「首相に責任あり。」との判断を示す見通しを明らかに。小委員会が「罪に問うべき。」と結論づけた場合、首相には弁護の機会が与えられるが、本委員会が首相を訴追するか否かを後に決定する。訴追となれば、インラックは全ての公職から退くことが求められることになる。
中央選管は、「総選挙において01月26日に期日前投票ができなかった83選挙区で04月20日に投票をやり直すことを決定し、02月02日の本投票が中止となった投票所1万284ケ所で04月27日に投票をやり直すことが可能。」との見解を明らかに。「候補者不在の南部8県28選挙区については、政府が選挙実施の勅令を発令すれば、04月20日ないし27日に再選挙をすることができる。だが、反政府デモ隊が再び妨害行為に出ることが予想されるため、04月の投票やり直し・再選挙で総選挙を完了できるかは不透明。」という。
反政府デモ隊への爆弾攻撃や銃撃について「外国から連れて来られた者らの犯行。」との指摘が一部で出ている。
パパティップ国防報道官によれば、02月11日にシンガポールで開催された航空ショーにおいて、ユタサック副国防相に対し、カンボジアのティー・バン国防相がカンボジアの民間人や軍人の関与を全面的に否定した。カンボジア当局は「事実関係を明らかにするため調査を実施したが、タイ国内の政治活動に関与したカンボジア兵は1人もいなかった。」ユタサック副国防相は、「カンボジアはタイとの関係に悪影響を及ぼすようなことは望んでいない。もし関与したカンボジア兵がいたなら厳罰に処す。」と明言。
東北部ウドンタニー県で地元のタクシン派幹部が01月22日に銃撃され負傷した事件で、警察が軍人らの逮捕状を取ったことから、アドゥン警察長官とプラユット陸軍司令官が、軍人の扱いなどについて話し合った。実行犯とされる男はすでに最南部ナラティワート県で逮捕されており、自供などから警察は先に6人の逮捕状を取ったが、うち4人は軍人と見られる。
また、陸軍報道官は、陸軍が軍人4人に警察の取り調べを受けさせる準備を進めていること、取り調べには軍の担当者が立ち会うこと、容疑者に民間人が含まれるため軍人4人は軍法会議でなく裁判所で裁かれることなどを明らかに。
タイのテレビ報道によると、タイのタクシンが先週、ビルマを訪れ、現地で妹のヤオワパー前下院議員とその夫のソムチャーイ元首相らに会った。
インターネットの交流サイト、フェイスブックに、ビルマの寺とみられる場所で仏教儀式に参加したタクシンの写真が掲載され、訪問が明るみに出た。ソムチャーイ元首相は、タクシンとビルマで会ったことを認めたが、「タクシンは仏教儀式のためビルマを訪れただけで、タクシンの関与が噂されるビルマ南東部ダウェイの工業開発とは無関係。」と主張。
タクシンは2006年の軍事クーデターで追放され、国外滞在中の2008年に汚職で懲役2年の実刑判決を受けた。以来、投獄を避けるため、タイに帰国せず、主にドバイに滞在。
国会議員の資産報告によると、クルングテープの反政府デモを率いる野党民主党の前下院議員9人は、ステープ元副首相を除き、最低でも純資産が1500万B(約4700万円)以上ある。
純資産額はエーカナット前議員が1億160万B(約3億1600万円)、ターウォン前議員が1億98万Bなど。ナタポン前議員に至っては純資産15億8106万バーツ(約49億2300万円)と、庶民からかけ離れた資産家。ナタポン前議員は父親が大手セメントメーカー、サイアム・シティ・セメントと昨年三菱東京UFJ銀行に買収されたアユタヤ銀行の会長を務め、妻は不動産などで知られるシーウィコン財閥出身。因みに、ステープ元副首相ら反政府デモ幹部を宿泊させているとして、タイ治安当局が調査対象に上げた高級ホテル「インターコンチネンタル・バンコク」はシーウィコン財閥がオーナー。
ステープ元副首相は資産2億1140万B、負債3億2398万Bとなっているが、息子が年商10億B以上、利益1億B超の会社の社長を務めるなど、資金力に問題はない。
21時頃都内のタイ首相府前の反政府デモ会場で、会場の警備を担当する男性2人が口論の末、ナイフで切り合い、1人(30)が頭などに怪我して、病院に搬送された。現場では発砲もあった模様だが、搬送された男性は銃傷は負っていない。
02月12日(水)12時半頃タマサート大学歴史学講師のソムサックの都内の自宅に銃弾が撃ち込まれ、乗用車が破損、家の窓ガラスが割れるなどした。怪我人はなかった。ソムサックは当時、自宅にいた。
犯人はバイクに2人乗りした男で、ソムサック宅に向け、拳銃を発砲した上、レンガを投げ込んだ。
ソムサックは過去に何度か不敬罪の疑いをかけられていた。今月07日には、「インターネットの交流サイトに王室を批判するコメントを書き込んだとして、ソムサックを不敬罪の疑いで調査する。」と陸軍が発表。
不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じたもので、違反した場合、1件につき最長15年の懲役が科される。人権保護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW、本部ニューヨーク)によると、1990年から2005年にかけ、不敬罪の裁判は年4、5件程度だったが、反王室のイメージがあるタクシン派と特権階級を中心とする反タクシン派の抗争が激化した2006年以降は累計400件以上に上る。今月07日には、タイの王族21人が連名で、インターネット上に王室批判を書き込んだとして、6人の捜査を警察に要求。
13時過ぎ都内バーンスー区ウィパワディーランシット通のPTT本社前で、何者かが反政府グループに向け乱射。タイ地元紙によると、この乱射による負傷者は出ていない。犯人は高速道路から発砲したものと見られており、現在地元警察らが犯人の行方を捜索中。
反政府デモ隊は、サラデーン交差点からパホンヨーティン通の天然資源環境省森林局まで、街宣車2台、ピックアップトラック15台、バス2台、バイク約20台で行進し、森林局の入口を封鎖。
13時時点で、森林局前のパホンヨーティン通は下り車線が封鎖されている。
憲法裁判所は、「憲法68条に抵触する。」として02月02日投票の総選挙の無効を求めたウィラット前民主党議員の訴えを証拠不十分で却下。
民主党は、「下院選が同一日に全選挙区で投票できなかったこと、下院解散後にインラック政権が非常事態宣言を発令したことなどを理由に、今回の下院選が違憲な方法による権力の掌握を禁じた憲法条項に違反したと主張。
憲法68条は、憲法で保障された権利、権限を用いて立憲君主制に基づいた民主主義のルールに違反することや、憲法で保障されていない手段で国家統治の権限を取得することなどを禁じている。
ウィラットは、「今回の総選挙は『全国で同時に実施する。』との憲法規定に違反しており、憲法68条で禁止されている行為に該当する。」などとなどと申し立てていたが、憲法裁は、「訴えは十分な裏付けに欠ける。」と判断し、却下することになった。
また、憲法裁は、「ステープ元首相など人民民主改革委員会(PDRC)首脳らが憲法68条に違反した。」との政権党プア・タイ党の広報担当プロムポンの訴えも却下。
憲法裁判所によれば、「PDRCによる抗議活動は、タクシンらに恩赦を与える恩赦法案と現政権による国の統治に反対するものであり、非憲法的手段による民主的政権の転覆や権力奪取を目的としたものではない。」
タイでは昨年10月から、タクシン派政府・与党と反タクシン派野党民主党の対立が激化。12月にクルングテープで数十万人規模の反政府デモがあり、政府は下院を解散、総選挙に追い込まれた。しかし、民主党は下院選をボイコットした上、今年01月13日からクルングテープの主要交差点をデモ隊で占拠。02月02日の下院選では民主党の地盤である南部とクルングテープの投票会場でデモ隊による投票妨害があり、全国の投票会場の1割以上で投票が行えなかった。
当選する下院議員の数が下院開会に必要な定足数に届かないことが確実なことから、選挙委員会は11日、投票が行えなかった選挙区での期日前投票と投票を04月20日と27日にやり直す方針を示した。事態の沈静化を期待し、やり直し投票の日程を大きく遅らせる作戦。ただ、憲法では下院選の投票日から30日以内に下院を開会すると規定されており、やり直し投票を04月まで遅らせれば、この規定に違反することになる。
反政府デモ隊はインラック首相の退陣と、様々な職種の代表からなる「人民議会」への権力委譲を要求しているが、政府は違憲、違法だとして応じていない。憲法では首相は下院議員から選ばれると規定されているため、下院が開会できない状態で首相が辞任すれば、後任の首相の選出が行えない。
政府の治安対策本部である平和秩序維持センター(CMPO)が反政府デモを抑え込もうと、デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)に資金援助している企業や個人の名前を公表しようとしていることに対し、援助者といわれる人々から早くも「確固たる証拠もなく名指しされたら名誉毀損でCMPOを訴える。」といった反発の声が挙がっている。 資金援助者は136及ぶ企業や個人とされるが、CMPOは11日に資金援助者名の公表延期を決定。
また、公表に向けて、資金洗浄対策室(AMLO)と警察庁、法務省特別捜査局(DSI)、麻薬制圧委員会、国税局に対し資金援助者に関する詳しい調査を要請。
だが、関係筋からの情報として資金援助者とされる企業や個人の名前が報道されたことで、CMPOを批判する意見が出ている。
「援助者」と報じられた企業の1つ、消費財大手サハ・グループの子会社サハ・パタナピブンのブンチャイ社長は、「驚いてはいない。(CMPOがサハ・パタナピブン社を支援者とみていることは)2週間ほど前からわかっていた。だが、当社は政治とは関わりなく、私の家族も中立の立場にある」と説明。また、「CMPOは、PDRCへの資金援助を止めさせたいだけで、援助者を本気で訴追するつもりはないだろう。」との見方を示した。
南部8県の28選挙区が反政府デモ隊の妨害で候補者不在となっている問題で、中央選管は、同選挙区での再選挙実施に向けて、立候補受付の期間と投票日を決めるべく新たな勅令を発令するよう文書で正式にインラック首相に要請。中央選管によれば、「法律では、立候補受付は総選挙実施の勅令発令から20日以内に完了する、すなわち昨年12月29日までに立候補受付を行わなければならなかったと明記されている。このため、『下院を解散して02月02日に総選挙を実施する。』とした12月09日発令の勅令に基づいて選管が28選挙区での再選挙の日程を決めることは不可能であり、政府が改めて勅令を発令する必要がある。」
ただ、「勅令で実施される選挙は、総選挙を補完するものではなく、新たな総選挙でなければならない。」との法律専門家の指摘もあり、政府サイドは、「02月総選挙を無効とするための陰謀。」などと疑い、今のところ勅令発令には否定的な姿勢を取っている。
中央選挙管理委員会は、「反政府グループによって妨害を受け一部地域で投票が行うことができなかった有権者向けの総選挙再投票日について、04月27日に行う。」と発表。
タイ地元紙によると、投票中止となった39選挙区で再投票が行われることが決定したものの、残りの28選挙区については政府と選挙管理委員会による合意が得られず、日程の目処が立っていない。期日前投票も同グループの妨害によって一部地域で投票が行えなかったため、この再投票も04月20日に行われる。
政府の米担保融資制度で代金支払いの遅延に不満を募らせている農民が、全国各地で幹線道路を封鎖するなどの行動。中央農業委員会のウボンサック委員長は、「政府に代金を支払わせるため、中部、北部、南部の24県の農民代表がそれぞれの県の農民を動員して19日にクルングテープで抗議集会を行うことで意見が一致した。」と発表。
具体的には、米代金を受け取っていない農民がこれらの県から荷物運搬などに使う低速の農業用自動車で隊列を組んでクルングテープに向かうことになっているが、ウボンサック委員長は、クルングテープのどこで集会を行うかには言及しなかった。
反政府派から退陣要求を突きつけられている政府は、代金の支払いが遅れていることで、政府支持者であるはずの農民からも突き上げを食らう格好となっている。
また、反政府派が米代金を受け取れずに困っている農民を助けるためウボンサックで募金活動を行っているが、ウボンサック委員長は、「ウボンサックでの集会は代金支払いを可能にすることが目的。政治的なものではない。農民たちの上京のためにいかなる政治勢力からも財政的支援を受けない。」と明言。
02月13日(木)未明、都内BTSラーチャテーウィー駅近くで、爆発物が爆発。タイ地元紙によると、爆発物は大型の爆竹が爆発したものと見られており、幸い近くには誰もいなかったことから負傷者は出なかった。反政府グループのデモ隊に向けて投げ込まれたようだ。
刑事裁判所は、今月01日に都内ラクシー交差点で起きた銃撃事件の容疑者3人の逮捕状請求を証拠不十分で却下。
この事件では、今月02日の議会下院総選挙の投票会場の準備妨害を図った反政府派の市民数百人と政府支持派の市民が衝突し、双方が数十分間にわたり銃を撃ち合い、タイ人6人と米国人カメラマンの計7人が怪我。選挙委員会はこの事件を受け、ラクシー区での投票を中止。
中央選管が候補者不在の28選挙区で再選挙を実施するため、政府に勅令を発令するよう求めていることについて、ポンテープ副首相は、「勅令発令が可能かを判断するよう法令委員会(国の法律最高諮問機関)に求めた。」と明らかに。
ポンテープ副首相によれば、「勅令発令には検討すべき点が多々あり、これまでのところ法令委員会も法律問題が発生する可能性を指摘している。ただ、法令委員会が正式な見解を示しても、法的拘束力を持たないため、最終的には憲法裁判所の判断を仰ぐ必要がある。しかし、政府はまだ憲法裁判所に判断を求めるか否かを決めていない。」
現在の政治危機を打開するため各方面から「政府と反政府派の仲介役を務めたい」という声が挙がっていることについて、インラック首相は、「平和が取り戻せるなら、人民民主改革委員会(PDRC)の提言に耳を傾けたい。」と発言し、政府と反政府派の交渉に協力する考えを明らかに。
だが、「様々な法的手続きが必要になるため、交渉に直接関わることはできない、」、「当事者とみられては困る。」、「(問題が起きているのは)私のせいではない。」などと述べ、インラック首相が自ら反政府派に対応する必要はないというこれまでの姿勢を変えなかった。また、ウィサヌ元副首相の名前が仲介役の候補として挙がっていることについて、インラック首相は、「見識ある人ということしか知らない。」と述べるに留まった。
国家治安委員会(NSC)のパラドン事務局長は、「反政府デモ隊が座り込みを続けている交差点などの車両通行量を増やすため、警察が14日にも強硬手段を用いないデモ隊の部分退去実現に向け動き出す見通しだ。」と明らかに。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)は政府に圧力をかけるべく、都内の複数か所をデモ拠点とし、支持者を動員して座り込みを継続しているが、パラドン事務局長は、「市民生活に影響が出ており、無数の苦情が寄せられている。警察が法を執行するのは妥当と思う。」と発言。「当局の措置が暴力を誘発するのではないか。」との質問に対しては、「力ずくで退去させることはない。」と返答。
一方、PDRCは、「部分的退去」を反政府派の勢力を殺ぐための作戦と見ており、「当局がデモ隊排除に踏み切ったら、他のデモ拠点のデモ隊は排除を阻止するため応援に駆けつけてほしい。」と呼びかけている。
政府の米担保融資制度で代金支払いが遅れている問題で、タイ農民協会のプラシット会長は、「政府は来週中に解決しなければならない。さもなくば、農民は大規模な抗議集会を決行する。」と述べた。
政府は、「支払いに充てる資金の調達に苦慮している。」と釈明しており、これに対しては、「米担保融資制度で農民から預かった米を売却すれば良い。」との意見が出ている。
だが、関係筋によれば、「政府は、保管している米の量や品質を偽っていたことが明らかになるのを恐れて売却に二の足を踏んでいる。」プラシット会長は、「農民が代金を受け取れるよう政府は米担保融資制度で預かった米に関する情報をすべて開示すべき。」としている。
02月14日(金)朝政府の治安対策本部である平和秩序維持センター(CMPO)は、1500人に及ぶ機動隊を動員して政府庁舎周辺からデモ隊を排除し、テントなどを撤去。
奪還を予定しているのは、首相府前、内務省前(アサダン通)クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前、エネルギー省、タイ国営石油会社PTTなどが入居するエナジー・コンプレックス(ウィパワディランシット通)前。いずれも、デモを主導する野党民主党系のデモ会場ではなく、土嚢で道路を封鎖するなどした陣地内に、数十人から百人程度の反政府派市民が立て籠もっている。
ただ、機動隊が現場に到着した時点でデモ隊のほとんどは退去しており、「デモ隊と警察の間で話がついていたのではないか。」とする見方も出ている。
また、チェーンワタナ通の政府総合庁舎近くのデモ拠点では、朝から数百人の警察官がデモ隊を排除する動きを見せていたものの、デモ隊が抵抗し流血の惨事となる恐れがあったためか、「強硬な鎮圧は行わない。」としており、警察官は昼前には引き揚げた。
「首相府前、内務省前、総合庁舎前には警官数百人が出動したが、正午頃までに撤退した。」と報じられた。
野党民主党系のデモ会場は都心のパトゥムワン交差点、ラーチャプラソン交差点、アソーク交差点、サラデーン交差点の4ケ所で、一帯は歩行者天国状態になり、14日もコンサートなどが行われている。
11時頃都内マカワンランサン橋の反政府デモ会場で爆発があり、タイ字紙記者の女性(52)とタイ人男性(30)が怪我をして病院に運ばれた。大型の爆竹が投げ込まれたと見られている。現場は首相府近く。
政府の米担保融資制度で米代金の支払いが遅れて大勢の農民が政府を批判し、抗議行動を拡大させようとしている問題で、インラック首相は、「政府貯蓄銀行(GSB)から170億Bを借り入れたことによって17日から支払いをすることが可能になった。」と明らかに。「この額では、代金を受け取っていない農民全員に代金を支払うことは不可能だが、支払い再開で農民の抗議が暫くは治まる。」と政府は説明。
170億Bは、GSBが農民への米代金支払いを担当している農業農協銀行(BAAC)に融資するもの。関係筋によれば、「支払いの手続きにある程度時間がかかるため、BAACが支払うことができるのは1週間に20億~30億B。170億Bを支払うには1ケ月程度かかる。このため政府は『農民が抗議をエスカレートさせることはない。』と楽観視しているようだ。」
政治危機を打開すべく政府と反政府派に話し合いをさせようとする動きがあることについて、反政府デモ指導者のステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長は、「政府と交渉すべきことは何もない。」と述べ、大規模デモなどで政府に圧力をかけ続けてゆく方針に変わりのないことを再確認。「反政府側には『政府との話し合いを取り持つ。』という提案がいくつか来ている。」というが、ステープは、「勝敗がはっきりするまで闘い続ける。」と明言。「交渉の余地はない。」としている。
19時40分頃都内ラチャダピセーク通の刑事裁判所の7階部分で爆発。窓ガラスが割れるなどした。怪我人はなかった。通りの反対側からグレネードランチャーで手榴弾が撃ち込まれたと見られている。
クルングテープでは01月半ばから、野党民主党が主導するデモ隊が主要交差点を占拠する異常事態が続いている。デモ会場に手榴弾が撃ち込まれる事件も数回起きた。今回の事件は、こうした政争が関係している可能性があると見られている。
02月15日(土)03時半頃トヨタ自動車のタイ法人トヨタ・モーター・タイランドのプラモン・スティウォン会長の都内イエンアカート通ソイ2の自宅に銃弾数発が撃ち込まれ、窓ガラスが割れるなどした。怪我人はなかった。
「プラモン会長は、クルングテープの主要交差点を占拠した反政府デモに資金援助を行っている可能性があるとして政府が調査している。」と、タイ字紙が報道。プラモン会長はデモ隊への資金援助を否定している。
02月16日(日)政府の治安対策本部である平和秩序維持センター(CMPO)のチャルーム所長(労相)は、「今週中に、デモ拠点5か所からデモ隊を退去させることにさらに力を入れる。」と述べた。CMPOは、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)に座り込みをやめるよう呼びかけてきたが、効を奏しなかったことから、デモ拠点の奪回のために様々な手段を用いることにしたものという。具体的には、テレビ番組の中で反政府側と公開討論を行うことなどが予定されている。
チャルーム所長は、「我々がいかに忍耐強く対応しているかを国民に伝えることができる。だが、PDRCは、政府との交渉を全面的に拒否しており、公開討論に代表を送り込むことは考えにくい。」
02月02日投票の総選挙を完了させるための政府と中央選管の協議が02月17日に予定されていることについて、政権党プア・タイ党の広報担当プロムポンは、「何も進展はないだろう。」と、否定的な見方を示した。プロムポンによれば、「協議では、選管が自らを正当化する主張を展開し、実のある意見交換はできない見通し。」、「総選挙を完了させるには、一部の選挙区、投票所で選挙、投票のやり直しが必要だが、選管は再選挙には政府による勅令発令が必要。」と主張。
一方、政府は、選管が再選挙を実施することが可能との立場を変えていない。
プロムポンは、「新たな勅令を発令すれば、02月総選挙が無効とされ、プア・タイ党の解党処分へと繋がる。」と述べている。
「政府は政府貯蓄銀行(GSB)から170億Bを借り入れて米担保融資制度の下で、農業農協銀行(BAAC)を通じて農民への米代金支払いを02月17日に再開する。」と報じられている。これに対してGSB労組は、「預金者の信頼を損なう。」として、同行経営陣に対し、BAACへの融資を直ちに停止するよう要求。
BAAC労組も、「農民への米代金支払いのための資金元は定かでないが、GSBからの融資が使われることが判明したなら行動を起こす。」と表明し、予定通りに米の代金を支払うことができない可能性が出てきた。
ネット上では、「不正まみれの制度を支援するものであり、GSBの預金者は預金を全て引き出すべき。」といった声が広まっている。
このような批判に対し、ウォラウィットGSB頭取は、「総額200億Bに上る融資は、問題を抱える米担保融資制度を支援するためのものではない。当行の役員会が融資を承認するに当たって、融資を米担保融資制度のために使うという要求はなかった。」と釈明。「(今回の融資で)これまでにBACCに移った資金は数十億B。」と明らかに。なお、米担保融資制度でまだ代金を受け取っていない農民は100万人以上で、未払い代金は総額1300億B余りに上る。」という。
02月17日(月)警察によると、インラック首相が臨時オフィスを置いているクルングテープ郊外ムアントンタニーの国防次官事務所に、米農家のデモ隊が侵入し、首相との直接対話を要求。
インラック政権は昨年12月、反政府デモの圧力に屈して議会下院を解散、総選挙に踏み切った。これにより、政府の機能が選挙管理に限定され、政府による事実上の米買い取り制度である米担保融資制度に必要な資金の手当てができなくなった。米の買い上げが滞ったことで、米農家が反発し、各地でデモが起きている。
この問題で、タイの国営銀行である政府貯蓄銀行(GSB)は16日、米買い上げの資金50億Bを政府に融資したことを認めた。都内パホンヨーティン通のGSB本店前には17日、中部アユタヤ県の米農家がバス10台を連ねて訪れ、GSBの支援に謝意を示した。
ステープ元副首相をはじめ、ニティトーンなど主要な幹部が率いる反政府デモ隊は、都内の首相府にデモ行進し、入り口に土嚢を積んでセメントを撒き封鎖。政府はデモ隊を阻止せず無抵抗だった。
政府は14日、首相府などの奪還を目指し、警官隊を動員したが、デモ隊との衝突を避けて撤退していた。
国営銀行、政府貯蓄銀行(GSB)で、野党民主党の地盤であるクルングテープと南部の支店を中心に、預金約300億Bが1日で引き出される騒ぎ。
事実上の米買い取り制度「米担保融資制度」で米農家への支払いを担当する国営銀行、農業協同組合銀行(BAAC)に対し、GSBが50億Bを融資したことが16日明らかになり、これに反発した民主党支持者らが預金を引き出したと見られる。
これを受け、GSBのウォラウィット社長は、BAACに対する追加融資150億Bの実施を見合わせ、取り付け騒ぎに備え、支店の現金を通常の2、3倍に増やす方針を明らかに。
インラック政権は昨年12月、民主党が主導する反政府デモに屈して議会下院を解散、総選挙に踏み切った。これにより、政府の機能が選挙管理に限定され、コメ担保融資制度に必要な資金約1300億Bの手当てができなくなった。米の買い上げが滞ったことで、米農家によるデモが地方や商務省本省などで発生。16日午後にはクルングテープ郊外のスワンナプーム空港の旅客ターミナル前で米農家十数人が外国人らに米を渡し、窮状を訴える騒ぎがあった。17日にはインラック首相が臨時オフィスを置いているクルングテープ郊外の国防次官事務所に米農家のデモ隊が侵入し、首相との直接対話を要求。
政府は米買い取りの資金を在庫米の販売や銀行融資で工面しようとしているが、政府間取引で支那に輸出するはずだったタイ産米120万tについて、支那の国営企業が契約破棄の意向を伝えてきたことが02月に入り明らかになるなど、在庫米の売却は難航。銀行からの融資も今回の騒ぎで極めて困難になったと見られている。
米担保融資制度はインラック政権の目玉政策の一つで、政権発足直後の2011年10月に導入された。政府が市価の約4割高で米を買い取ったため、米農家には好評だが、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には1981年以来初めてコメ輸出世界一の座から転落。
買い上げた米の転売はほとんど進まず、膨大な在庫を抱え、最終的に数千億Bの損失を出す見込みだ。財政負担が重い割に政策効果が低いとして、国際通貨基金(IMF)やタイ国内のエコノミストから、早急に制度を打ち切るべきという意見が相次いだ。「米買い取り資金の大半が精米業者、輸出業者、政治家、大規模農家にわたり、汚職の温床になっている。」という指摘もある。
今年01月には、この「制度をめぐり不正が行われた。」として、タイ汚職取締委員会がブンソン前商務相、プーム前副商務相ら15人を刑事告発した。インラック首相についても、「不正を見逃した。」として、刑事告発を視野に捜査を進めている。汚職取締委によると、ブンソン商務相らは「農家から買い取った米の一部を政府間取引で支那に輸出した。」としていたが、実際には米は輸出されず、タイ国内の業者に販売された。取引は帳簿に掲載されず、脱税の疑いも強い
米質入れ制度で100万人を超える農民への米代金支払いが遅れている。キティラット副首相兼財務相は、選挙管理内閣が仮の執務室としている、都内チェーンワタナ通の国防事務次官事務所に押しかけた農民らにが現在の状況を説明。しかし、支払いの期日を提示できなかったことから、農民らが怒りだし、キティラットに罵声を浴びせたり、飲料水のペットボトルなどを投げつけたりする事態に発展。キティラット副首相は話の途中で、警備陣に守られてオフィス内に引き揚げることになった。
キティラットは農民らを前に、「政府は代金を支払おうと努力している。だが、選挙管理内閣であるため手続きが遅れている。」などと釈明し、理解を求めた。
農民からは、「政府が何をしているかはどうでもよい。我々が知りたいのは代金支払いの期日。」といった強い批判の声が上がり、「政府は退陣しろ。」という意見も飛び出した。
政府の米質入れ制度で農民への米代金支払いを担当する農業農協銀行(BAAC)に対する政府貯蓄銀行(GSB)の融資に批判が強まっている。GSBは、預金引き出しが約300億Bに上ったことから、対BAAC融資を急遽停止することを決めた。
ウォラウィットGSB頭取は、「これ以上BACCには融資しない。これまでに融資した50億Bもまだ使っていないなら返却してもらう。」と述べた。
GSBによれば、通常は1日の預金引き出しが70億B程度であるものの、17日は新規の預金約100億Bに対し引き出しが約300億Bに上り、差額が約200億Bに達するという異常な事態となった。また、預金引き出しが多かったのはクルングテープ首都圏と南部で、前者の預金はGSBの預金全体の4割を占めている。
なお、不正横行との批判を受けている米質入れ制度では、米代金を受け取れずにいる大勢の農民が抗議の声を上げており、政府が代金支払いに充てる資金の調達に躍起になっている。
この問題に巻き込まれるのを嫌ってGSBの労組が対BAAC融資の中止をGSB経営陣に要求。ネット上でも、この融資を批判し、GSBからの預金引き出しを呼びかける動きが拡大していた。
政府と中央選管との協議で、政府は、「憲法では、『総選挙は投票日から30日以内に完了させなければならない。』と規定されている。選管が総選挙完了の責務を果たさなければならないの明白。」と主張。政府はこれまでと同じように選管に対し、一部の選挙区や投票所での選挙・投票のやり直しを実施するよう要求。
一方、選管も、「再選挙を実施する権限は選管にはない。」などと指摘し、これまでの姿勢を変えず、協議は平行線のまま終わった。
協議に出席した法律専門家からは、「憲法裁判所の判断を仰ぐべき。」との意見も出された。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、「19日に官僚全員を辞任に追い込むための決戦に臨む。」と宣言し、全国の支持者に対し、クルングテープに集結するよう呼びかけた。
一方、政府の治安対策本部である平和秩序維持センター(CMPO)のトップ、チャルーム労相は、「反政府デモのため政府が事実上放棄した政府庁舎(首相府)で19日にインラック首相が執務を再開できるようにする。」と宣言しており、決戦はこれに呼応したものとも考えられる。
政府の米質入れ制度への融資に批判が巻き起こっている問題で、政府貯蓄銀行(GSB)では大量の預金が引き出され、GSBトップが引責辞任する事態となっている。一方、大手商業銀行バンコック、サイアム・コマーシャル(SCB)、カシコンの3行の預金が急増している。 SCB首脳によれば、「SCBでは02月17日だけで個人・法人による新規の預金が数十億Bに上った。」という。
業界筋は、「大手3行は、米質入れ制度に関わっていないため、GSBから預金を引き出した人の多くがこれら3行に預金を移しているようだ。」と指摘している。
02月18日(火)朝タイ治安当局は、エネルギー省、タイ国営石油会社PTTなどが入居する都内ウィパワディランシット通のエナジー・コンプレックス前の反政府デモ会場を警官約1500人を動員して奪還し、デモ指導者2人を逮捕。デモ参加者は数十人で、警官隊との衝突はなかった。
治安当局は18日中に、エネルギー省のほか、、首相府、内務省(アサダン通)、民主記念塔近くのラチャダムヌン通、クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)を奪回する方針を示している。このうち、総合庁舎については、封鎖された車線の一部の解除にデモ隊側が合意。
反政府デモを主導する野党民主党のステープ元副首相は朝、デモ隊の拠点であるパトゥムワン交差点から首相府前に移動し、デモ参加者に対し、徹底抗戦を呼びかけた。首相府前ではデモ隊と警官隊の睨み合いが続いている。
11時過ぎ反政府デモ隊が占拠した都内ラチャダムヌンクラーン通の民主記念塔周辺で、警官隊が催涙ガス弾を発射してデモ隊の強制排除を図り、デモ隊と衝突し多数の死傷者が出た。警察がデモ隊の選挙地の撤去をしようとしたところで衝突となり、警察側がゴム弾や催涙弾を使用、デモ隊側が拳銃で応酬。
警察によると、都内ラチャダムヌンクラーン通の民主記念塔周辺で起きた警官隊と反政府デモ隊の衝突で、警官数人が負傷、警官1人が銃で頭を撃たれ死亡。また、手榴弾と見られる爆発物が爆発。
警官隊は朝から、民主記念塔周辺を占拠した反政府デモ隊に催涙ガス弾を発射するなどし、強制排除を図った。しかし、爆発や銃撃を受け、13時頃までに撤退。クルングテープの救急センターによると、この衝突で、警官、デモ参加者合わせ44人が負傷し、病院に運ばれた。報道により、警察側に死者1人、双方あわせて58人が負傷。
民主記念塔周辺では12時頃、デモ隊がソムキアット元議員を奪還し、多数の負傷者が出たことを受け、警察は1時間ほどで撤退。
反政府デモ隊と警官隊は首相府周辺でも衝突し、怪我人が出た模様。
民主記念塔で起きた警察と反政府デモ隊の衝突による死者が3人となったことがわかった。タイ地元紙によると、 エラワン緊急医療センターは本日の衝突による死者が3人、負傷者が59人となったと発表。
昨年11月30日から現時点までの一連の騒動による死者は14人、負傷者は691人。
クルングテープ救急センターによると、民主記念塔周辺で起きた警官隊と反政府デモ隊の衝突で、警官1人(45)とデモ参加者3人(52、43、29)の計、男性4人が死亡、66人が負傷。死亡した警官は銃で胸を、デモ参加者の1人は頭を撃たれた。
クルングテープの反政府デモ関連の死傷者は昨年11月30日から今年02月18日までで、死者15人、負傷者686人になった。
一方、警察は、エネルギー省、タイ国営石油会社PTTなどが入居する都内ウィパワディランシット通のエナジー・コンプレックス前の反政府デモ会場でデモ参加者の男性96人、女性48人、民主記念塔周辺で男女39人を逮捕した。
平和秩序維持センター(CMPO)の命令で反政府デモ隊の拠点のひとつ、都内ラチャダムヌンクラン通パンファ橋を奪還しようとした警官隊とデモ隊が、衝突し、民間人3人と警察官1人の計4人が死亡し、64人余りが重軽傷を負う事態。
警察が催涙弾やゴム弾を使用したほか、ラチャダムヌンノーク通に移動しようとした警官隊が擲弾や銃による攻撃を受けた。
デモ隊によれば、警察は当初、パンファ橋のデモ隊に対し、交通渋滞を緩和するため車両の通行スペースを広げるよう要請。
だが、パンファ橋から立ち退くよう即座に要求し、テントやステージを撤去し始めたため、デモ隊が抵抗したものという。
また、「警官隊に対して高い建物から何者かが擲弾を発射したり発砲したりした。」と報じられているが、犯人らがどのような目的で攻撃してきたかは今のところ不明。
タイ中部ノンタブリー県にある商務省に農家の集団が現れ、商務省の出入口に鍵をかけ妨害を始めた。タイ地元紙によると、この集団は米担保融資制度の利用を求めており、商務省関係者が交渉にあたったが合意は得られていない。
民事裁判所は、反政府グループが求めていた非常事態宣言の取り消しに関して、15時頃裁定を下す予定。反政府グループは「クルングテープ首都圏に非常事態宣言を発令する必要な理由はない。」と、非常事態宣言の解除及び強制排除の禁止を求めている。
国家汚職制圧委員会(NACC)は、「政府の米担保融資制度で不正が横行していたにも拘らずインラック首相が何ら対策を講じなかったのは職務怠慢。」との判断を示し、首相に27日に容疑に対する言い分を述べるよう命じた。米質入れ制度は、以前から「汚職まみれ」との批判があり、政府も部分的にこれを認めていた。
また、インラック首相は、米担保融資制度を監督する国家米政策委員会のトップであることから責任を問われることになった。
NACCは03月半ばには首相を訴追するか否かを決定する見通しだが、訴追となれば、インラック首相は首相職を含む全ての公職を解かれることになる。
国家汚職防止委員会は、「インラック政権が進めた米担保融資制度について、職権乱用等の容疑で告発する予定である。」と明かに。国家汚職防止委員会は、「首相が汚職や巨額な損失が発生することを知りながら、この制度を進めていた。」として、「職権乱用や職務怠慢にあたる。」としている。今後首相から事情聴取などを行った上で、検察に告発する方針。
政府貯蓄銀行(GSB)が、「米担保融資制度」で米農家への支払いを行う農業農協銀行(BAAC)への融資を行ったことで波紋が広がっている。
融資が農民への米代金支払いに使われることに強い批判が出ており、大勢の利用者が02月17日に続き18日も、GSBで預金を引き出し、2日間における同行の保有預金額が480億Bあまり減少することになった。この事態を受けて、ウォラウィットGSB頭取は責任をとって辞表を提出。
約100億Bの新規預金に対し、預金引き出しは17日、約300億Bに上り、GSBの保有預金額は約200億B減少。
また、ソムチャイ元首相など政権党プア・タイ党幹部や政府を支持する実業家らが、引き出しに歯止めをかけるため、他行から引き出した資金をGSBに預金した。
だが、関係筋によれば、18日も新規預金120億Bに対し引き出しが約400億Bに拡大し、保有預金額がさらに280億Bほど減少することになった。
タクシン派インラック政権による事実上の米買い取り制度「米担保融資制度」が弱体化した政権の致命傷になりかねない見通しとなってきた。
汚職取締委員会は、インラック首相が米担保融資制度による汚職、巨額の損失について知りながら無視したとして、職務怠慢、権力乱用で告発することを決めた。27日に首相を召喚して容疑を伝え、その後、議会上院での弾劾を請求するか、また、刑事裁判を求め検察庁に書類送検するかどうかを正式に決める。検察が起訴したとしても、刑事裁判は時間がかかる見通しだが、上院での弾劾は成立すれば首相失職となる。
一方、コメ担保融資制度で米農家への支払いを担当するタイの国営金融機関、農業協同組合銀行(BAAC)に50億Bを融資したタイ政府貯蓄銀行(GSB)は、この政策に反対する反タクシン派の野党民主党の支持者らによる取り付け騒ぎで、17、18日に預金数百億Bが流出した。GSBのウォラウィット社長は、責任を取り辞表を提出し、BAACに対する追加融資150億Bは中止された。
取り付け騒ぎが起きたのは、民主党の地盤であるクルングテープと南部で、預金の流出額は17日1日で約300億Bに達した。預金流出は18日も続き、一部の支店では用意していた現金がなくなった。また、GSBの行員の一部は融資に抗議して黒い服を着用して出勤し、ウォラウィット社長の辞任を要求した。
テレビ報道によると、クルングテープでは18日、「農家を支援したい。」、「取り付け騒ぎを沈静化させたい。」といった理由でGSBに口座を開き、1人で数千万~数億Bを預金した実業家のグループもあった。ソムチャーイ元首相らタクシン派与党プア・タイ党の幹部もGSBで預金口座を開設。
インラック政権は昨年12月、民主党が主導する反政府デモに屈して議会下院を解散、総選挙に踏み切った。これにより、政府の機能が選挙管理に限定され、米担保融資制度に必要な資金約1300億Bの手当てができなくなった。政府は米買い取りの資金を在庫米の販売や銀行融資で工面しようとしているが、政府間取引で支那に輸出するはずだったタイ産米120万tについて、支那の国営企業が契約破棄の意向を伝えてきたことが02月に入り明らかになるなど、在庫米の売却は難航している。銀行からの融資獲得も、GSBの取り付け騒ぎでさらに困難になったとみられている。融資がうわさされたサイアムコマーシャル銀行は18日に噂を否定。米買い取り資金のための国債を購入するといううわさが立った国営空港運営会社エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)では18日、社員による抗議集会が行われた。
米の買い上げが滞ったことで、米農家によるデモが地方や商務省本省などで発生。16日午後にはクルングテープ郊外のスワンナプーム空港の旅客ターミナル前で米農家十数人が外国人らに米を渡し、窮状を訴える騒ぎがあった。17日にはインラック首相が臨時オフィスを置いているクルングテープ郊外の国防次官事務所に米農家のデモ隊が侵入し、首相との直接対話を要求。
インラック首相は18日、テレビ演説を行い、「反政府勢力の妨害で米農家への支払いができなくなった。」と主張。政権を転覆し、非民主的な政府を打ち立てることを狙った政治ゲームの人質に米農家がなっているとして、反政府勢力を非難した。また、汚職取締委に対し、政治目的のために捜査を行わないよう求めた。
米担保融資制度はインラック政権の目玉政策の一つで、政権発足直後の2011年10月に導入された。政府が市価の約4割高で米を買い取ったため、米農家には好評だが、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には1981年以来初めて米輸出世界一の座から転落した。
買い上げた米の転売はほとんど進まず、膨大な在庫を抱え、最終的に数千億Bの損失を出す見込み。「財政負担が重い割に政策効果が低い。」として、国際通貨基金(IMF)やタイ国内のエコノミストから、「早急に制度を打ち切るべき。」という意見が相次いだ。「米買い取り資金の大半が精米業者、輸出業者、政治家、大規模農家にわたり、汚職の温床になっている。」という指摘もある。
今年01月には、この制度を巡り不正が行われたとして、汚職取締委がブンソン前商務相、プーム前副商務相ら15人を刑事告発した。汚職取締委によると、「ブンソン商務相らは農家から買い取った米の一部を政府間取引で支那に輸出した。」としていたが、実際には米は輸出されず、タイ国内の業者に販売された。取引は帳簿に掲載されず、脱税の疑いも強い。
米担保融資制度に関する汚職防止委の調査は微妙なタイミングで進んでいる。インラック首相の弾劾が行われる可能性があるタイの議会上院は定数150で、タイの全77都県から各1人を選挙で選び、残る73人を憲法裁判所長官、最高裁判事、選挙委員長らからなる反タクシン派色の強い委員会が選出する。任期は6年。03月02日に任期満了となり、03月30日に選挙が行われる。
現在の上院で強硬な反タクシン派は40人程度と見られる。しかし、次の上院は選出制議員のほぼ全員が反タクシン派になるとみられ、反タクシン派は選挙である程度の議席を抑えれば、容易に過半数を抑えられる見通し。こうした状況になれば、インラック首相の弾劾が成立する可能性は高まると予想される。
首相が失職した場合、問題になるのは後任選び。憲法の規定で、首相は下院議員から選ばれるが、下院は現在解散した状態で、今年02月02日に行われた下院選では、民主党が選挙をボイコットした上、反政府デモ隊が投票を妨害し、下院議員の数が下院開会に必要な定足数に達していない。選挙委は投票が行えなかった選挙区での選挙を04月下旬に行う方針だが、憲法では下院選の投票日から30日以内に下院を開会すると規定されており、02月02日の下院選はこの規定に違反したとして、無効となる可能性がある。こうした状況で首相が失職すれば、タイは政府が存在しないまま漂流することになりかねない。
中央選管のスパチャイ委員長は、「準備時間が足りないため03月02日に再選挙をすることはできない。」と述べて、政府の要望に添って02月総選挙を完了させることは不可能との見解を明らかに。
政府と選管の間で17日に行われた協議で、政府側は、「憲法では、総選挙は投票から30日以内、すなわち03月04日までに完了させなければならないと明記されている。」として、選管に03月02日に再選挙を実施するよう要請。
また、スパチャイ委員長によれば、中央選管は19日にも、政府側の要請が法に反しないか検討する予定。
だが、中央選管は、「選管に再選挙を行う権限はない。」との立場を変えておらず、再選挙実施の要請を受け入れることは考えにくい。
02月19日(水)中央選挙管理委員会は、02日の下院総選挙で、反政府デモによる妨害などで投票が行えなかった投票会場のうち、東部ラヨーンなど5県の投票会場101ケ所で03月02日に投票をやり直す方針を明らかに。投票が行えなかった南部8県については、04月20日に期日前投票、27日に投票を行うという日程を白紙に戻した。
タクシン派の与党プア・タイ党は、「下院選の投票日から30日以内に下院を開会する。」と憲法で規定されているとして、早期の投票やり直しを求めていた。中央選管はプア・タイ党の要請を拒否した形で、02月02日の下院選が憲法裁判所により無効とされる可能性が強まった。中央選管は反タクシン派の影響が強い組織とみられ、02日の下院選については当初から、投票日を数ケ月延期するよう政府に申し入れていた。
反政府デモを主導する野党民主党のターウォン前下院議員が、「現在行っているデモは平和的なものであるため、非常事態宣言を発令するべきではない。」として、インラック政権が首都圏に発令している非常事態宣言 について、インラック首相兼国防相らを訴えた裁判で、民事裁判所は、「政府(選挙管理内閣)に非常事態宣言を発令する権限はなく、宣言は無効。」などとする訴えに対し、「政府は非常事態宣言発令の権限を有す。」との判断。
しかし、民事裁は非常事態宣言の解除を命じなかったものの、政府に対し、デモ隊の強制排除、バリケードの撤去、道路、通信の遮断、5人以上の集会禁止、指定した建物への進入禁止、集会場所への出入り禁止などを禁じ、実質的に原告勝訴の判決。判決に従えば、政府はデモ隊の強制排除ができなくなり、非常事態宣言の意味はほとんどなくなる。
ターウォンは、民事裁の判断について、「政府に対し銃の保有を許可したが、その使用を禁じたもの。」と指摘。判断を受けて、18日に警官隊がデモ拠点奪還しようとした際に銃撃などで死亡したデモ隊の遺族らと、デモ隊強制排除の責任を問うべくインラック首相やチャルーム労相などを告訴するかを話し合う考えを明らかに。
デモ隊は01月中旬から、クルングテープの主要交差点を占拠し、土嚢で道路を封鎖。路上にステージや大型スクリーン、音響機器、テント、簡易トイレ、屋台などを設営し、連日、演説やコンサートを行っている。
非常事態宣言は5人以上の集会禁止、容疑なしでの30日間の身柄拘束、報道統制などを合法化するもので、01月21日、クルングテープ都全域と隣接するノンタブリー県、スワンナプーム空港があるサムットプラカン県バンプリ郡、パトゥムタニー県ラードルムケーウ郡に発令。
インラック首相が先にテレビを通じて、「農民も国内経済も米担保融資制度の恩恵を受けている。」などと訴えたことに対し、中央選管のソムチャイ委員は、「総選挙が完了していないため、憲法や公職選挙法に違反する可能性がある。」と指摘。
具体的には、公共のメディアを使って有権者の支持を得ようとしたことが選挙法60条、農民に見返りを約束したことが53条、国家予算を用いることによる有権者への支持呼びかけが憲法181条4項、首相が中立の立場を守らなかったことが選挙法57条に抵触すると考えられる。
国家汚職制圧委員会(NACC)が米担保融資制度の不正横行問題に絡んでインラック首相を告発する方針を固め、首相に出頭・釈明するよう求めている。これについて、関係筋は、「首相は自ら出頭せずに文書で釈明する。」との見通し。
NACCは03月半ばに首相を訴追するか否かを発表する見通しで、訴追となれば、その時点で首相は停職となる。また、今回の告発は、首相罷免請求手続きの一環であり、NACCと上院を経て最高裁が判決を下すことになる。上院では、議員5分の3以上の出席をもって罷免を請求するか否かを決定する必要がある。
だが、ニコム上院議長によれば、「現在上院議員50人が上院選挙関連の憲法改正に絡んで不正行為の罪に問われており、罷免請求の決定で定足数割れとなる恐れがある。」
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、タクシン一族の関連ビジネスを今後は標的とする方針を発表。
手始めにデモ隊が、タクシンと妹のインラック・チナワット首相に圧力をかけるため、チナワット財閥の企業が入居する都内ウィパワディランシット通のオフィスビル、チナワットタワー3で連日デモを行う作戦を明らかにし、「我々はビジネスに関する話し合いに行くのである。」と述べ、違法行為ではないとアピール。
民主党のステープ元副首相率いるデモ隊は、インラック首相が臨時オフィスを置いているクルングテープ郊外ムアントンタニーの国防次官事務所、治安対策本部が設置されている都内ラクシー区のタイ警察スポーツクラブ、チナワットタワー3などにデモ行進。ステープは、政府が執務に使用している国防事務次官オフィスの代表と話し合い、オフィスを政府に使わせないよう要請したことを明らかに。
ステープ元副首相は、チナワットタワー3とデモ隊が占拠するパトゥムワン交差点で演説。「チナワットタワー3に入居するチナワット財閥の企業の営業を妨害し、閉鎖、倒産に追い込む。」と宣言。当初の標的はチナワット財閥の不動産会社SCアセット、タクシンが創業し、2006年にシンガポール政府の投資会社テマセクに売却したタイ携帯電話キャリア最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)などで、ステープ元副首相はチナワット財閥の製品、サービスのボイコットや株式売却を呼びかけた。
チナワットタワー3のウェブサイトによると、SCアセット、AISのほか、ブリヂストン、いすゞ、フジクラ、アサツーディ・ケイ、オルガノ、日信工業といった日系企業のタイ子会社のオフィスがある。
タイ証券取引所(SET)株価指数は前日比0.4%安で、SCアセットは3.6%安、AISは0.9%安。
15時頃都内ウィパワディランシット通のオフィスビル、チナワットタワー3ビル前で反政府デモ。入居企業の社員らに対し、安全のため退出するよう求め、退出後、出入口を閉鎖。警察によると、デモ隊はチナワットタワー3前から退去。
18時50分頃クルングテープ救急センターによると、、都内の高速道路を走行していた反政府デモ隊のピックアップトラックがラープラーオ出口近くで銃撃を受け、ピックアップトラックに乗っていた男性2人(40、24)が怪我。
一方、クルングテープ救急センターによると、18日に都内の民主記念塔周辺で起きたデモ隊と警官隊の衝突による死者は警官1人(45)、デモ参加者4人(52、43、29、29)の計5人に増えた。負傷者は警官26人、兵士1人、一般人42人の計69人。
02月20日(木)午前都内のオフィスビル、チナワットタワー3前に反政府デモ隊数百人が集まり、ビル前のウィパワディランシット通の道路交通が麻痺。タイ警察によると、デモ隊の規模は街宣車1台、自動車約20台、バス4台、バイク約100台で、チナワットタワー3に入居するタクシン関連の企業に向け、「出て行け!」などと叫んでいる。
反政府デモ隊幹部のイッサラ僧侶らは、都内ワントーンラーン区にあるタクシン財閥系列のSCパークホテル(客室数220)に嫌がらせの目的でバス8台などで押しかけ、予約してあった20室へのチェックインを要求。ホテルは「他の宿泊客の迷惑になる。」として拒否し、ホテルは急遽、臨時休業に追い込まれた。この一派を主導していたイッサラ僧侶は、「宿泊するため訪れたのにキャンセルされることはありえない。」とし、その場でホテルに損害賠償12万Bおよび支払い済みの予約金返還を請求。ホテルも側は支払わざるを得ず、「ガソリン代」などの名目でイッサラ僧侶の要求をほぼ全て呑む形で現金で支払われた。
18日に都内の民主記念塔周辺で起きた反政府デモ隊と警官隊の衝突の際、しゃがみ込んで楯で身を守ろうとする警官隊の前に投げ込まれた手榴弾を捨て身で同僚を守ろうとしたティラデート警察上級曹長(44)が飛び出しを蹴り返そうとするが、その瞬間に爆発。反政府デモへの対応で、勤務先の東部チョンブリー県の警察署から応援に駆りだされていた。
手榴弾の爆発で両足を骨折するなど重傷を負い、都内の警察病院に入院中。手榴弾を蹴ろうとした理由については、TV局の取材に対し、「考える時間はなかった。」、「体が勝手に動いた。」などと話した。
18日の衝突では、警官1人とデモ参加者4人の計5人が銃で撃たれるなどして死亡、69人が手榴弾や銃で負傷した。警察は「楯と警棒、催涙ガス弾、ゴム弾しか使用していない。」と主張。デモ隊も武装を否定し、誰が発砲し、手榴弾を投げたかは明らかになっていない。
ただ、この日の衝突では、警察に逮捕されたデモ隊指導者が、銃撃、爆発による混乱の中、黒服の男らによって警察車両から奪還されるという事件もあった。治安当局はプロの仕事とみており、軍の一部がデモ隊に加勢したという疑いが浮上している。
プア・タイ党関係筋によれば、「プア・タイ党は、今のところ反政府派の圧力に屈せずあくまでもインラック首相を支え続けていく。」との姿勢を崩していない。
しかし、反政府や農民が訴訟を起こすなどしてインラック首相が、さらに大きな困難に直面することが懸念されることから、プア・タイ党がインラック首相の降板を選択することも考えられる。タクシン派政権では、一族と直接的な関わりのないサマック元バンコク都知事が首相を務めたこともある。
同筋は「首相に必要とされる資質は、プア・タイ党のことをよく理解し、党のために働いてくれること。サマックのような独断専行タイプが首相を任させることはないだろう。」と述べて、首相ポストを狙っているとも噂されているチャルーム労相がインラック首相の後釜に選ばれる可能性を暗に否定。
米担保融資制度で米代金を受け取れない農民が抗議行動をエスカレートさせている問題で、「政府は農民への支払いに充てる資金の調達に躍起になっている。」と報じられている。だが、タイ空港社(AOT)のシタ会長は、「政府から国債購入の要請があったが断った。」と明らかに。
すでに「政府がAOTから資金を調達しようとしている。」との情報が広まっており、AOTでは職員から抗議の声が上がっていた。
AOT職員を前にシタ会長は、「キティラット副首相兼財務相から国債購入の要請があったのは事実。だが、利率がわずか2.6%で、銀行預金の平均利率3~4%を下回るものだったため、購入しないことにした。」と説明。
政府の米担保融資制度で代金支払いの遅延を不満とする農民が、全国で抗議の動きに出ている。
北部や中部の県の農民約5000人が、政府に自分たちの意見に耳を傾けさせようとスワンナプーム国際空港に向かっており、空港利用者への影響が懸念される。
低速の農業用トラック約700台に乗り込んだ農民らは20日夜はアユタヤ県で宿泊した。21日、中部アユタヤ県バンパインを出発し、スワンナプーム国際空港に午後に到達する見通し。

← クルングテープに向かう米農家のデモ隊(アユタヤ県)

農民のリーダーは、「我々は空港を占拠するつもりはない。滑走路に入り込むことは絶対にない。だが、空港に向かう道路上に留まる者も出るかもしれず、利用者に迷惑がかかる恐れもある。」と述べている。農民らは、「いつ米代金を受け取れるかを明らかにするよう政府に要求しているもので、明確な回答がない場合、空港周辺に留まり続ける可能性がある。」という。米農家は商務省の本省、各局を封鎖も警告し、米代金を早急に支払うよう政府に要求。
インラック政権は発足直後の2011年10月に、事実上の米買い取り制度である米担保融資制度を導入した。政府が市価の約4割高で米を買い取ったため、米農家には好評だったが、インラック政権は昨年12月、野党民主党が主導する反政府デモに屈して議会下院を解散。政府の機能が選挙管理に限定されたことで、今期の米買い取りに必要な資金約1300億Bの手当てができなくなった。
政府は銀行融資で買い取り資金の工面を図ったが、国営金融機関の政府貯蓄銀行(GSB)が米農家への支払いを担当する別の国営金融機関、農業協同組合銀行(BAAC)に50億Bを融資したことが16日に明らかになると、民主党の地盤であるクルングテープと南部のGSB支店で取り付け騒ぎが発生し、17~19日の3日間で計940億Bの預金がGSBから流出した。これを受け、GSBはBAACへの追加融資を中止し、GSBのウォラウィット社長は辞任した。GSBの預金残高は2013年06月末で1兆8053億Bで、預金流出による経営危機は起きない見通し。
一方、汚職取締委員会が18日、「米担保融資制度の汚職、巨額の損失について知りながら無視した。」として、インラック首相を職務怠慢、権力乱用で告発する方針を固めたことに対し、インラック首相は20日、インターネットの交流サイト、フェイスブックに反論を書き込んだ。首相は自らの無実を主張し、「汚職取締委が民主党による捜査要求から21日間という、かつてない短期間で自分を刑事事件の犯人にした。」と指摘し、「政権転覆を狙った動きだ。」と示唆。
反政府デモを主導するステープ元副首相(元民主党幹事長)は、都内のデモ会場で演説し、「明日、人民政府が発足すれば、3日以内に米農家に全額を支払う」と述べた。ステープ元副首相はインラック政権を打倒した上で、様々な職種の代表からなる「人民議会」に国権を委ねるという事実上のクーデターを主張している。
反政府デモを主導するステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局は、ビジネス街シーロムのデモ会場で演説し、「タクシン一族の資金源をぶっつぶす必要がある。我々の標的は(携帯最大手の)アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)だ。」と述べた。
AISはタクシンが創設した移動通信事業会社。現在は株の過半数を取得したシンガポールの政府系企業によって運営されている。ステープは、「タクシン一族がAISを所有していたときよりは少ないだろうが、一族が現在も株を保有していることは否定できない。」と指摘。AIS利用者に対し、「SIMカードを返却して、我々の反タクシン・キャンペーンに参加してほしい」と呼びかけた。
その他、タクシン関連の企業のボイコット、営業妨害などを改めて呼びかけた。ボイコット、営業妨害の対象に挙がった他の企業は携帯電話販売のMリンクアジア、メディアのボイスTVなど。「ラーマ9病院とチナワット大学は標的から外す。」と述べた。
また、タクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD、通称赤服)が反政府デモ会場を襲撃するという噂について言及し、「かかってこい。」、「ポップコーン売りが待っている。」などと述べた。ポップコーン売りとは、議会下院総選挙前日の02月01日、都内ラクシー区で政府支持者らを銃撃したとされる武装グループの通称。
反政府デモ隊の攻勢を受け、UDDは23日に東北部ナコンラチャーシーマーで各地区の幹部を集め会議を開き、政治改革や反政府デモへの対応策などを協議する。19日にはUDD幹部のナタウット副商務相、チャトポン元下院議員らがクルングテープで演説。「前面に出てステープらと戦う。」と述べた。
非常事態宣言による治安対策本部のトップで反政府デモの取り締まりを担当するチャルーム労相は、テレビ演説を行い、民事裁判所が19日にデモ隊の強制排除などを禁じたことに対し、「デモ隊は銃を所持し、道路を占拠して土嚢を積み上げ、庁舎から備品を盗んだ。」と指摘。「デモ隊幹部に逮捕状が出ている。」とも述べ、民事裁の判断に疑問を示した。また、デモ隊が同日、都内のオフィスビル、チナワットタワー3を封鎖したことに言及し、「警官を動員すれば裁判所命令に違反して逮捕される。」と述べ民事裁を皮肉った。
22時半頃都内ウィパワディランシット通のバンチャーク・ペトロリアムのガソリンスタンドの屋根で手榴弾が爆発。自動車1台と建物が破損。現場は非常事態宣言による治安対策本部が設置されているタイ警察スポーツクラブから約150m。警察は治安対策本部を狙い、近くを走る自動車専用高架道路ドンムアントールウェイからグレネードランチャーで手榴弾が撃ち込まれたと見ている。デーリーニュースが報じた。
02月21日(金)01時半頃クルングテープ郊外の野外動物園「サファリワールド」近くのサイアムコマーシャル銀行支店前で爆発。ATM (現金自動預払機)などが破損した。怪我人はなかった。警察は「旧ソ連の対戦車擲弾(小型砲弾)発射機で擲弾が撃ち込まれた。」と見ている。
政府の米担保融資制度での米代金の支払い遅延に不満を募らせている農民数千人が抗議のためスワンナプーム空港を包囲する構えを見せていたが、政府が約1週間のうちに代金を支払うと約束したことから、米農家のデモ隊が政府の説得に応じ、中部アユタヤ県で散会。
大部分は帰宅するが、一部はクルングテープの商務省前で行われている米農家のデモに参加する模様。
タクシン支持者の多い農民を支援するためインラック政権が 開始した米担保融資制度のもとでは、全国で約100万人の農民が代金を受け取れずにいるとされ、全国各地で農民が抗議行動に出ている。
今回政府が空港に向かっていた農民らに支払いを約束したことについて、関係筋は、「全国から農民がクルングテープに集結して抗議がエスカレートするのを回避するため、一部の農民に代金を支払って農民の足並みを乱そうとしたもの。」と指摘。
プア・タイ党など与党4党が、 現在の政府が選挙管理内閣で権限が限られていることから、「政治の空白が長期に及べば、甚大な経済的損失を被ることになる。」などとする声明を発表して、中央選管に対し、早期に総選挙を完了させるよう要請。
プア・タイ党のチャルポン党首によれば、「憲法では、『総選挙は投票から30日以内に下院議員の95%、475人以上の出席をもって国会を召集しなければならない。』と規定されている。これは選管の役割であり、期限内に国会が召集できなければ、選管は憲法違反に問われることになる。」という。
一方、候補者不在の南部8県の28選挙区について選管は、「選管には再選挙を実施する権限がなく、政府による勅令発令が不可欠。」として、「選管だけで総選挙を完了させることはできない。」との姿勢を変えていない。
20時半頃クルングテープ救急センターによると、反政府デモ隊が占拠する都内のプラトゥーナム交差点で爆発。男性5人(40、33、27、20、19)、女性1人(48)が怪我をして病院に運ばれた。交差点の上を走る立体交差橋から手榴弾が投げ込まれたと見られている。現場はバンコク伊勢丹などがあるショッピング街。
ほど近いパトゥムワンのデモ拠点ではデモ指導者ステープが毎日演説を行い、その中継映像がラーチャプラソン交差点でも流されており、これを見に人が集まっていたところで爆発が起きた。警察によれば、「何者か歩道橋から手榴弾を投げ込んだものと考えられる。」という。
02月22日(土)タカ派的な言動で知られたワンロップ元国内治安作戦司令部司令官が、政府の治安対策本部である平和秩序維持センター(CMPO)に加わる可能性が出てきた。このため、「反政府デモ隊に対し治安当局が強硬手段を用いるのではないか。」との見方が広まっている。
現在インラック首相の治安顧問を務めるワンロップに CMPOが参加を打診したことは、プア・タイ党が明らかにし、本人もその直後、CMPOから接触のあったことを認めた。
ワンロップは、「政府が望むなら拒否できない。首相とはまだ話をしていないが、正式な要請があれば、受ける用意がある。」と述べた。
また、「ワンロップが加わったことでCMPOがデモ隊の強制排除など強硬手段に訴えるのではないか。」といった 懸念の声があがっていることに対し、ワンロップは、「私は77歳の退役軍人。かつてのような武闘派ではない。」と述べ、「ワンロップの参加でCMPOの対反政府デモ隊方針が大きく変更されることはない。」との見方を示した。
プア・タイ党など与党4党が先に選管に対し、「総選挙を完了させることは選管の役目」として、一部の選挙区と投票所で選挙と投票をやり直すよう要請したことに対し、中央選管のソムチャイ委員は、 「選管は法で許されたことしかできない。」と述べて、「選管が選挙・投票をやり直して総選挙を完了させることは不可能。」と改めて強調。
中央選管によれば、「中央選管には再選挙実施の権限がないため、政府が選挙実施の勅令を発令する必要がある。」という。
だが、政府側も、「新たな勅令発令が憲法違反、プア・タイ党の解党処分に繋がる虞れがある。」として、再選挙実施にかかわることを拒否し続けている。
また、任期満了に伴う上院議員選挙が03月30日に予定されていることについて、ソムチャイ委員は、「リスクを減らすため上院選挙と(反政府デモ隊の妨害が予想される)再選挙・投票やり直しを同時には行わない。上院選挙は、問題が起きたとしても、総選挙の投票日(02月02日)ほど厄介なことにはならないだろう。」き述べている。
21時半頃中部トラート県カオサミン郡のインチャルーン市場で反政府デモ隊が集会を行っていたところ爆弾攻撃と銃撃があり、屋台でヌードルを売っていた商人の娘(5)が頭部を撃たれて死亡。34人あまりが重軽傷を負った。
カンボジアと国境を接するトラート県の事件については、軍関係者から「武装外国人グループの犯行」との見方も出ている。
02月23日(日)プア・タイ党の広報担当プロムポンは、政府が総選挙を完了させるよう求めているにもかかわらず、選管がこれに応じようとしないことから、「選管を警察に訴える用意がある。」と明らかに。
総選挙では、南部8県の28選挙区が反政府デモ隊の妨害で候補者不在となっていることから、立候補受付と投票をやり直す必要がある。だが、選管は、「我々には権限がない。政府が新たに勅令を発令する必要がある。」と主張。
一方、政府も、「総選挙を完了させるのは選管の仕事」として、勅令発令を拒否し続けている。このため、選管は、再選挙実施の権限について憲法裁判所の判断を仰ぐことを検討中という。
これについて、プロムポンは、「選管は責任を政府と憲法裁に押しつけようとしている。」と批判。
17時頃クルングテープ救急センターによると、都心のショッピング街、ラーチャプラソン交差点の反政府デモ会場で爆発があり、女性と少年が死亡、22人が怪我。「手榴弾が爆発した。」と見られている。
エラワン緊急医療センターは、この事件による死亡者が3人、負傷者が22人(報道により21人)に達したと発表。死亡者は、5歳の男の子、6歳の女の子、40歳前後の女性。
爆発があったのは仏系ディスカウントストア、ビッグCスーパーセンター・ラーチャダムリ店前。ラーチャダムリ通を挟んだ反対側にはバンコク伊勢丹などが入居する大規模ショッピングセンター、セントラルワールド。
現場から約400m離れたプラトゥーナム交差点では21日夜に、手榴弾と見られる爆発があり、6人が負傷。
また、保健省によると、22日夜、東部トラート県の反政府デモ会場に銃弾や手榴弾が撃ち込まれ、5歳の女児が死亡、34人が重軽傷。
タクシン派の政権与党プア・タイ党は、「議会上院や憲法裁判所を使ってタクシン派インラック政権の転覆を図っている。」として、反タクシン派勢力を非難。
プア・タイ党は、「反政府デモでクルングテープの主要交差点を占拠したステープ元副首相(元民主党幹事長)らが、米買い取り制度をめぐる汚職を理由に、議会上院での弾劾で、インラック首相と全閣僚を失職させる、投票から30日以内に議会下院を開会できなかったとして、憲法裁判所が02月02日の下院選を無効にする、公選制と憲法裁長官らによる選出制が併用されている上院議員の選出方法をすべて公選制とする憲法改正案を支持した上下両院の議員308人を憲法裁が公職追放処分にするというシナリオを描いている。」と主張。
プア・タイ党はまた、「02日の下院選で反政府派による妨害で投票できなかった選挙区での投票のやり直しを選挙委員会が行おうとしない。」として、選挙委の告訴を検討していることを明らかに。憲法の規定では、下院は投票から30日以内に開会するとされており、03月04日までに開会できなければ、選挙自体が無効とされる可能性がある。しかし、選挙委員会は04月下旬にやり直し選挙を行う方針で、与党と対立している。
憲法裁、選挙委、汚職取締委員会などはいずれも反タクシン派の影響下にあると見られ、デモを主導する野党民主党は、こうした機関と連携して、インラック政権の打倒を狙っているとみられる。軍は中立を標榜し、デモ隊の排除や選挙妨害の阻止などで政府に協力しない構えだ。タクシン派は選挙以外に事態収拾のシナリオを描けていないが、デモ隊と選挙委に選挙を阻まれている。
02月22日から23日にかけクルングテープと東部トラート県で反政府デモ隊に対する擲弾攻撃や銃撃で男女児を含む4人が死亡し、50人以上が負傷。
デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)幹部は、「犯人は武装した者たち。彼らは政府の支援を受けている。」と政府を厳しく非難。
反政府デモ隊が集まっている場所で手榴弾が投げ込まれたり、擲弾が撃ち込まれたり、銃撃があったりして死傷者が出る事件が多発している。インラック首相は、「タイ人のすることではない。」と武器の使用などを非難。インラック首相によれば、「政治的考えが異なっても、それを表明する方法はいくらでもあるはず。相手を黙らせるために爆弾や銃を使うことは隣人を思いやる気持ちの強いタイ人がすべきことではない。」また、「自らの政治的立場を有利にするために人命を軽んじるのはテロ。政府はこのような行為を許さない。犯人が誰であろうと捕らえて裁く。」と明言。
一方、政府支持派の反独裁民主主義同盟(UDD)は、東北部ナコンラチャーシーマーで集会を開き、反政府派への不満を露わにした。
午後都内ラチャダピセーク通の民事裁判所の駐車場で手榴弾が見つかり、警察の爆発物処理班が爆破処理。タクシン派インラック政権と反タクシン派勢力の抗争絡みと見られている。
02月24日(月)クルングテープ救急センターによると、23日午後に都心のショッピング街、ラーチャプラソン交差点の反政府デモ会場で手榴弾が爆発した事件で、脳と肝臓に重傷を負ったタイ人女児(6)が24日06時25分、入院先のラマティボディー病院で死亡。この事件による死者は女児と脳と肺に致命的損傷を受けた弟(4)、女性(59)の計3人。幼い姉弟2人は親類の女性などと買い物に来ていたもので、帰宅しようと大型量販店ビッグCの前でトゥクトゥクに乗り込んだところ、何者かによって発射された擲弾の爆発で重傷を負った。親類の女性もICUで治療を受けていた。
また、18日に民主記念塔周辺で起きた警官隊と反政府デモ隊の衝突で重傷を負った男性警官も24日、入院先の病院で死亡。18日の衝突による死者は警官2人、デモ参加者4人の6人。
22日夜に東部トラート県の反政府デモ会場で手榴弾の爆発や銃撃が起きた事件では、死亡したとされる女児(5)が生存し、東部ラヨーン県内の病院で治療を受けていることがわかった。ニュースクリップが女児の入院先の病院に確認。
反政府デモ関連の死者は昨年11月30日から今年02月24日までで20人。負傷者は700人を超えた。
反政府デモ隊を狙ったと見られる爆弾攻撃・銃撃で死傷者が出る事件が相次いでいる。陸軍関係筋によれば、プラユット陸軍司令官は暴力の応酬を回避すべく、インラック首相に対し、クルングテープでの大規模集会開催をタクシン支持団体の反独裁民主主義同盟(UDD)に思い止まらせるよう要請。
これまでに発生した事件から、反政府派を支援する武装グループのほか、UDDなど政府支持派に味方する武装グループも存在すると考えられる。
プラユット司令官は、「UDDがクルングテープで大規模集会を行えば、対立が激化し、それぞれのグループがさらに過激な行動に出て当局の手に負えなくなる恐れがある。」と懸念している。
クルングテープの主要交差点を占拠した反政府デモ隊がタクシン関連企業の営業妨害やボイコットに乗り出し、標的となった企業の株価が軒並み下落。
18~24日の株価下落率はタクシンの妹のヤオワパー元下院議員の一族がオーナーの携帯電話販売会社Mリンク・アジアが16.7%、タクシンの娘がオーナーの不動産会社SCアセット11.6%、タクシンが創業し、2006年にシンガポール政府の投資会社テマセクに売却したタイ携帯電話キャリア最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)7.2%など。
反政府デモ隊は24日、スクムビット通ソイ62のMリンク・アジア本社、ウィパワディランシット通のタクシン系インターネットテレビ会社ボイスTV、労働省、ラーマ6世通の科学技術省などにデモ行進。
タイ軍の最高実力者であるプラユット陸軍司令官は、陸軍傘下の地上波テレビ局チャンネル5で演説し、軍事クーデターを改めて否定し、タクシン派インラック政権と反タクシン派・反政府デモ隊に対し、対話による平和的な解決を呼びかけた。反政府デモ会場で手榴弾爆発、銃撃などが相次いだことについては、「2010年のタクシン派による反政府デモに関与した勢力が関わっている。」と述べ、タクシン派の武装グループによる犯行という見方を示した。
インラック首相は、クーデターの噂について、震え声で、「最後まで職務を果たす。」とだけ述べた。
「クリスティー・ケニー駐タイ米国大使が南鮮トンスルランドに転任になる。」という噂について、在バンコク米国大使館は、「ケニー大使は今年後半まで在任する。」として、噂を否定。
ケニー大使については、タイの反タクシン派の上院議員が23日、インターネットの交流サイト、フェイスブックに「駐タイ米国大使は韓国への転任が決まった。タイの政治に干渉したためだ。」、「近く良いニュースがあると伝えておいたが、次の大使はタイをよく理解している。」、「今後、国際社会は我々(反タクシン派)をより良く理解するはずだ。」と書き込んでいた。
ケニー大使はタイ王室に対する不敬罪を批判するなどし、反タクシン・反政府派の一部から、タクシン派寄りと見做されている。反タクシン派による02月02日の議会下院選の妨害を米外務省が批判したこともあり、米大使館のフェイスブックには、「まともな大使を送れ。」、「米国はタイに干渉するな。」といった反タクシン派市民による批判のコメントが書き込まれている。
反タクシン・反政府デモ隊幹部の仏教僧侶ルアンプープッタイサラ僧とタクシンの義弟のソムチャーイ元首相が、事態打開に向け、直接対談したことが明らかに。話し合いの詳しい内容は不明。ルアンプー僧によると、「2人は03月04日に再度会う予定。」という。
ソムチャーイ元首相はタクシン派与党プア・タイ党の実質的なトップで、タクシンと極めて近い。
ルアンプー僧はクルングテープ郊外の総合庁舎前(チェーンワタナ通)の反政府デモ会場を取り仕切っている。ただ、デモ隊の最高幹部はステープ元副首相ら野党民主党の前下院議員が占め、ルアンプー僧の発言力がどの程度かは不明。
刑事裁判所は、反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)幹部13人の逮捕状請求を却下。この請求は、法務省特別捜査局(DSI)が「13人が非常事態宣言に違反した」として提出していたもの。
だが、刑事裁判所は、「PDRCは武器を用いずに平和的にデモを行っており、非常事態宣言で取り締まることはできない。」と判断。これは、民事裁判所が先に示した「非常事態宣言では、平和的なデモを行っている市民たちを強制排除することはできない。」との判断に従ったものと見られる。
クルングテープ中心部のラーチャプラソン交差点で擲弾が爆発して死傷者が出た02月23日の事件について、首都圏警察幹部は、「現場の北に位置するプラトゥーナム交差点から擲弾が発射された可能性が高い。」との見方を示した。
使用された口径4㎝の投擲弾は、M79グレネードランチャーで発射するもので、有効射程は150mという。また、「警察は犯人を特定するため、現場周辺の防犯カメラの映像のチェックなどに力を入れている。」という。
19時半頃都内パヤタイ区セシリ2通の高級住宅街で爆発があり、民家1棟とBMWの乗用車1台が破損。怪我人はなかった。
現場はバーンスー区カムペーンペット通にある民主党本部から約50m。
警察は「何者かが民主党本部を狙ってグレネードランチャーで手榴弾を発射した。」と見ている。
02月25日(火)01時頃都内ルムピニー公園の反政府デモ会場で度々爆発や銃撃があり、デモの警備隊2人が負傷。現場はチュラロンコーン病院前。
反政府デモ隊は01月13日から、クルングテープの主要交差点を占拠。今月21日にはプラトゥーナム交差点、23日にはラーチャプラソン交差点の反政府デモ会場で手榴弾と見られる爆発があり、死傷者が出た。
反政府デモ隊はこのほかに、パトゥムワン交差点、アソーク交差点、総合庁舎前(チェーンワタナ通)を占拠。
タイ地元紙によると、現場はルンピニー公園前、アンリドゥナン、サラデーン交差点、スリウォン交差点などで、負傷者は病院に搬送された。
11時頃警察によると、都内ウィパワディランシット通のオフィスビル、チナワットタワー3前に反政府デモ隊約200人が集まり、入居するタクシン・チナワット関連の企業に向け、「出て行け!」などと叫んだ。チナワットタワー3はデモの間、正面玄関を閉鎖。デモ隊は13時頃、現場から撤収。
チナワットタワー3のホームページによると、同ビルにはチナワット財閥の不動産会社SCアセット、タクシンが創業し、2006年にシンガポール政府の投資会社テマセクに売却したタイ携帯電話キャリア最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)などのほか、ブリヂストン、いすゞ、フジクラ、アサツーディ・ケイ、オルガノ、日信工業などのタイ子会社のオフィスがある。
反政府デモ隊は、チナワットタワー3のほか、ラーマ6世通の内務省公共土木事業都市計画局、カセサート大学などでデモを行った。
米担保融資制度で米代金を受け取れずにいる農民への支払いのため、政府は2月25日、中央予算から200億Bを引き出すという国家米政策委員会案を承認。
ただ、現在の政府は選挙管理内閣であるため、中央予算の使用について選管の承認を得ることが必要とされている。
ニワットタムロン副首相兼商業相によれば、「財務省は農民への支払いに充てるため商業銀行からの借り入れなどを予定しているものの、2ケ月程度かかることから、中央予算の一部を支払いに使う必要がある。」
チュラロンコーン大学で開かれた討論会で、学識経験者からインラック首相に対し国民の安全を確保するためリーダーシップを発揮するよう求める意見が相次いだ。 出席者の1人、チュラロンコーン大学政治学部のナルモン講師によれば、「クルングテープと東部トラート県の反政府デモ隊の集会場で先に起きた爆弾攻撃・銃撃事件では幼い子ども4人が犠牲となったが、首相がこのような惨事の再発防止に力を入れているようには見えない。首相は特定勢力の代表ではなく国のリーダーであり、国民全員の安全を確保するために最善を尽くす必要がある。」 ほか、出席者からは、「テレビやラジオで相手を非難する発言が放送されていることが対立を激化させる原因の1つとなっている。」として、関係当局に過激な発言の放送を規制するよう求める意見も出た。
パクディハン政府副報道官によれば、インラック首相は閣議で、反政府デモ隊による政府機関占拠などで生じた被害に関する情報をまとめて、反政府派幹部に損害賠償を請求するよう関係閣僚に指示。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)による「首都封鎖」で政府の建物が一部壊されたり、複数の政府機関が業務停止や仕事場の移転を余儀なくされたりしている。これによって生じた損失や出費については、民事訴訟を起こしてPDRC幹部に損害賠償を求める必要があるとのことだ。
02月26日(水)
00時~02時
都内にある反政府グループの拠点近くで、銃撃・爆発事件が相次いで発生。
タイ地元紙によると、現場はラーチャプラソン交差点、プラトゥーナム交差点、パトゥムワン交差点、サラデーン交差点などで、1時間ほど銃撃、爆発とみられる音が断続的に続いた。武装グループとデモ会場の警備員が銃を撃ち合ったと見られている。この事件による負傷者は出ていない。
11時頃タクシン・政府支持派約200人がクルングテープ郊外ノンタブリーの汚職取締委員会本部に押しかけ、職員を退去させた後、入り口を鎖で封鎖。
タクシン派は汚職取締委員会の委員全員の辞任を要求。汚職取締委本部前にステージを設け、座り込みを開始。
汚職取締委は米担保融資制度の汚職疑惑をめぐり、インラック首相を職務怠慢、権力乱用で告発する方針。タクシン派は「汚職取締委が同種の汚職疑惑で反タクシン派のアピシット政権を捜査した際には捜査が全く進展しなかった。ダブルスタンダード(二重基準)だ。」と批判。
インラック首相は、北部チエンライを訪れ、地元住民から歓迎を受けた。インラック首相は27日、生まれ故郷の北部チエンマイを訪れる予定。
スラポン副首相兼外相は、クルングテープ都心部を占拠した反政府デモ隊との交渉に向け、国連の無能で有名な南鮮人の潘基文事務総長に助力を求めたことを明らかに。「電話で直接話した。」という。スラポン副首相は「デモを主導する野党民主党が現政権下では公正な選挙が不可能だ。」と主張している点に言及し、国連の支援を得て公正な選挙を実施する考えも示した。
反政府デモ隊の妨害で候補者不在となっている南部8県28選挙区での再選挙実施について、中央選管のソムチャイ委員は、政府と選管のどちらに権限があるかの判断を憲法裁判所に求める準備を進めていることを明らかに。
中央選管は「選管には再選挙実施の権限がない。」として、政府に対し、再選挙を行うための勅令の発令を要請。一方、政府は、勅令発令が02月02日の総選挙の無効と憲法違反によるプア・タイ党の解党処分を恐れて「選管には総選挙を完了させる責任があり、選管が再選挙を実施しなければならない。」との姿勢を変えていない。
国の法律最高諮問機関、法令委員会は、政府の立場を支持する見解を示しているものの、法的拘束力を持たないこともあって選管は憲法裁の判断を仰ぐことにしたもの。ソムチャイ委員によれば、「憲法裁への要請案は27日に中央選管の本委員会に諮られ承認される見通し。」という。
都心のショッピングセンター、エムポリアムで、買い物をしていたタクシンの元妻のポチャマンを、野党民主党のナタポン前下院議員ら反タクシン・反政府デモ隊幹部らがホイッスルを吹き鳴らして追い回す騒ぎ。ポチャマンは足早にバンに乗り込み、立ち去った。
19時頃都内ラクシー区ウィパワディランシット通のテレビ局タイPBSとウィパワディランシット通を挟んで向かいに位置する警察スポーツクラブとに擲弾が撃ち込まれた。
PBSには2発が撃ち込まれ、1発は駐車スペースで爆発して職員の乗用車3台が損傷し、もう1発は不発。破損。怪我人はなかった。
警察スポーツクラブには非常事態宣言による治安対策本部(CMPO)が設置されている。CMPOの敷地内に撃ち込まれた擲弾は1発で、警察官の詰めるテントに命中したが不発。
「手榴弾は近くを走る自動車専用高架道路ドンムアントールウェイからグM79グレネードランチャーで発射された。」と見られている。
20日にも、現場から約150m離れたガソリンスタンドで手榴弾が爆発し、自動車1台と建物が破損。これまでにも反政府デモ隊の集まっている場所に、擲弾が撃ち込まれる事件が起きているが、政府機関を狙ったとみられる攻撃は今回が初めて。
02月27日(木)反政府デモ隊は、ラーマ6世通の外務省、工業省、ナコンチャイシー通の財務省物品税局、ラープラーオ通、スクムビット通などを、街宣車、ピックアップトラックなどを連ねてデモ行進。
一方、政府支持派市民は26日から、クルングテープ郊外の汚職取締委員会本部前のサナームビンナム通を占拠し、汚職取締委員全員の辞任を要求。汚職取締委は米の買い取り制度をめぐる職務怠慢容疑でインラック首相を告発する準備を進めている。
政府が米担保融資制度のもとで農民に米代金を支払うため中央予算から200億Bを引き出すこと決め、中央選管に承認を求めたことに対し、ソムチャイ中央選管委員は、「支払いが『選挙期間中の有権者への利益供与』と判断されて憲法違反となる恐れがある。」として、政府に200億Bの使い道を詳しく説明するよう要請。
現在の政府は権限の限られた選挙管理内閣であるため、予算の使用などについて選管から承認を得ることが必要とされている。また、憲法181条4項では、選挙結果に影響を及ぼすような政府資産の使用を禁ずると規定されている。また、同条3項で選挙管理内閣が次の政府に負担を強いることを禁じていることから、ソムチャイ委員は、「選管が200億B引き出しを承認するには政府が合憲であることを証明する必要がある。」としている。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、インラック首相が反政府側との和平会談に前向きとも思える姿勢を示したことに対し、都内シーロムのデモ拠点で支持者を前に「インラック首相が私と話し合いたいというなら、1対1で行い、テレビ中継しなければならない。」と述べ、条件が整えば交渉に応ずる考えを示した。
これまで、ステープは、「インラック政権代行の完全打倒を目指す。」と、「インラック首相からの会談要請には応じない。」と語っていた。
だが、話し合いの内容について、「首相が兄(国外逃亡中のタクシン)の免罪を求めてきたら、答えはノー。」、「没収資産460億Bの返却を求めてきたら、答えはノー。」、「首相が辞任するというなら、答えはイエス。」とも述べており、「今のところ2人が交渉の席に着くのは難しい。」との見方が支配的。ステープによれば、「首相が交渉可能との姿勢を見せたのは、政府が追い詰められていることの証。また、首相が直接対話に応じる用意があるのかいまだはっきりしない。」
反政府デモ隊の拠点や政府機関などに対する擲弾攻撃が報告されていることから、プラユット陸軍司令官は、軍の関係部署に対し、都内とりわけ高架道路や高層ビルのパトロールを強化するよう指示。
これまでの事件では、M79グレネードランチャーで発射する口径4㎝の擲弾が使われている。有効射程は約150m。また、M79はライフル型で持ち運びが容易。先に政府の治安対策本部やテレビ局に擲弾が撃ち込まれる事件があったが、警察は犯人が高架道路を走行中の自動車から発射したと見ている。
米担保融資制度に絡んでインラック首相の職務怠慢容疑を捜査している国家汚職制圧委員会(NACC)の出頭要請に対し、首相が自ら出向かずに代理人をNACCに遣わせたことについて、最大野党の民主党のアピシット党首は、「民主主義ではリーダーが不正のチェックなどに常に重きを置くことが重要。そのチェックによって非があるとされたリーダーは容疑を真摯に受け止めることが重要。」と述べ、代わりに弁護士を出頭させたインラック首相を「民主主義国家のリーダーらしからぬ。」と批判。
インラック首相は、「多忙」を理由にNACCの出頭要請を事実上無視したものだが、関係筋によれば、「インラック首相らタクシン派がNACCを反タクシン派とみていることが背景にある。」
タクシン・政府支持派の一部は、東北部ナコンラチャシーマー市で記者会見を開き、東北部の若者60万人で新たなタクシン派組織を結成する構想を明らかに。 「クルングテープの反タクシン・反政府デモ隊が民主政体の転覆に成功すれば、タクシン派、民主派との間で内戦になる可能性がある。」と主張。新たな組織が武装して反政府勢力と争う可能性を示唆。
タクシン派の中核団体、反独裁民主主義同盟(UDD、通称赤服)のティーダ会長は、タクシン派の「軍」創設を否定。「国家分断を想定していない。」とも述べた。
タイでは反タクシン派が優勢なクルングテープ、南部と、タクシン派の地盤である北部、東北部の間で対立が強まり、最悪の場合、内戦、国家分裂に向かうという指摘も出始めている。タイ軍の最高実力者であるプラユット陸軍司令官も25日、政治対立が内戦に発展する危険性を懸念。
21時50分頃反政府デモ隊が占拠するクルングテープ郊外の総合庁舎前(チェーンワタナ通)近くで手榴弾が爆発。怪我人はなかった。
陸軍は反政府デモ会場周辺で手榴弾の爆発、銃撃などが相次いだことを受け、デモ会場周辺に兵士の詰所を設け、警戒に当たっている。
23日に都心のショッピング街、ラーチャプラソン交差点の反政府デモ会場で手榴弾が爆発し、♀(59)と姉弟(6、4)が死亡した事件で、政府は、死亡した姉弟の父親に見舞金20万Bを贈った。
深夜都内スクムビット通ソイ18のナタポン前議員宅に手製爆弾のようなものが投げ込まれたが、爆発しなかった。ナタポン前議員は父親が大手セメントメーカー、サイアム・シティ・セメントと昨年三菱東京UFJ銀行に買収されたアユタヤ銀行の会長を務め、妻は不動産などで知られるシーウィコン財閥出身。
26日に都心のショッピングセンター、エムポリアムで、買い物をしていたタクシンの元妻のポチャマンをホイッスルを吹き鳴らして追い回した。
02月28日(金)05時頃クルングテープ郊外ノンタブリ市のサナームビンナム通で消火器のボンベを使った時限爆弾が見つかり、警察の爆発物処理班が回収。現場は政府支持派市民が座り込みのデモを行っている汚職取締委員会本部近く。
反政府デモを率いるステープ元副首相は、「01月13日から継続してきた都心封鎖を03月03日から解除する。」と発表。ステープによれば、「デモ会場は今後ルンピニー公園内のみとし、ここを拠点に反政府活動を強化させる。」と、パトゥムワン交差点、ラチャプラソン交差点、アソーク交差点のデモ会場を閉鎖し、ルムピニー公園に集約する。
具体的には、タクシン一族に関係する企業の活動を妨害するほか、官公庁職員に対して職場放棄を呼びかけていく。また、「このゲームを03月中旬で終了させる。」として、早期決着を宣言。
なお、ステープはこの日の演説で、都心封鎖によりクルングテープ都民、小売業、ホテル業に大きな打撃を与えたことを容認。「これまで我慢してくれてありがとう。」と謝意を示した。
一方、チェーンワタナ通の政府合同庁舎前道路を占拠しているグループはこれまでのところ、撤収を拒否。代表格のルアンプープッタイサラ僧は「最後の一人になるまで戦いを続ける。」と息巻いている。
タクシン派インラック政権の転覆には、軍事クーデター、もしくは司法による首相の失職、与党の解党が必要と見られるが、軍の最高実力者であるプラユット陸軍司令官は再三に渡りクーデターを否定。司法判断による首相の失職にも少なくとも数ケ月は掛かる見通しだった。
ステープ元副首相が突然、デモの事実上の終息を表明した理由は不明だが、デモの黒幕とみられる勢力がタクシンと何らかの手打ちを行った可能性がありそう。「少なく見積もって1日数百万Bに上るデモの費用が重荷になった。」という側面も否定出来ない。デモで被害を被った財界から圧力が掛かったとも考えられる。
プラユット陸軍司令官は、「現在の政治的行き詰まりを打開するため軍部がクーデターを起こす可能性があるのか。」との報道陣の質問に対し、「他の手段が効を奏しないなら、特別な手段が必要かもしれない。」と述べて、軍部がクーデターによる政治危機解決を視野に入れていることを示唆。
関係筋によれば、軍事クーデターでタクシン派政権を倒し、政治をリセットしたとしても、2006年09月のクーデター同様、タクシン派と反タクシン派の対立が続き、軍部に批判が集まる可能性が高いこともあり、軍部は現在の政治危機に対し不介入の立場を取ってきた。
だが、反政府デモの長期化に伴いてき弾攻撃や銃撃で死傷する者が増えていることから、プラユット司令官は、「クーデターが起きるかどうか明言できない。クーデターは違法だが、危機を打開する手段でもある」と述べている。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)が都内のデモ拠点4ケ所からデモ隊を撤収させ03月03日に「『都心封鎖』を解除する。」と発表したことについて、中央選管のソムチャイ委員は、話し合いで政治危機を打開する可能性が高まったとの認識を示すとともに、「政府は封鎖解除を反政府派の衰勢と捉えるべきではない。」と警告。
PDRCは「拠点4ケ所で座り込みを続けていたデモ隊をルンピニー公園内に集結させる。」としているが、ソムチャイ委員によれば、「この状況に対し政府が『自分たちが有利になった。』と判断して高圧的な行動などに出れば、大きな過ちを犯すことになりかねない。」
03月01日(土)03時頃不動産取引の大物、反タクシン・反政府派幹部であるナタポン前民主党下院議員の義母でシーウィコン財閥のクンイン(高位の女性の称号)・サシマー・シーウィコンのナコンラチャーシーマー県パクチョン郡の別荘にピックアップトラックでやってきた男たちが銃弾30発あまりを撃ち込んで逃走。サシマーは別荘内で就寝中だったが、怪我はなかった。
02月26日にサシマーの娘タヤと夫のナタポン前民主党議員が反タクシン派市民とともにとともに、都内のエムポリアムで買い物をしていたタクシンの元妻ポチャマンに対しホイッスルを吹き鳴らして追い回した。この報復に27日深夜にナタポン前議員の自宅(スクンビット通ソイ18)にパイプ爆弾が投げ込まれたが、爆発しなかった。今回の銃撃も政治絡みと考えられる。現地警察は、「命を狙ったものではなく、単なる脅しの可能性が高い。」としており、サシマーも同様に考えている。サシマーによれば、「ホイッスル騒動の後、ポチャマンに電話をして『娘夫婦を叱った。』と伝えており、またポチャマンが銃撃に関与しているとは考えられない。」
タクシン系の市民が、ルンピニー公園で反政府グループの警備隊に数日間に渡り監禁・リンチされ、川に投げ込まれる事件が起きた。
タイ地元紙によると、被害にあった男性(33)は先月24日、仕事帰りにルンピニー公園で休憩していたところ、反政府グループの警備隊に所持品検査をされ、親政府派であることがわかると、監禁・リンチされたという。そして今月01日に車に乗せられ、バーンパゴン川に投げ捨てられたとのこと。投げ捨てられた際、拘束具を付けられ、目隠しを付けた状態だったが、幸い近くを通りがかった船に助けられ、現在病院で治療中。
03月02日(日)野党民主党が主導する反政府デモ隊は、01月13日から占拠してきた都内のラーチャプラソン交差点、パトゥムワン交差点、アソーク交差点、サラデーン交差点から撤収。デモ会場をルムピニー公園1ケ所に縮小。
クルングテープ郊外の総合庁舎前(チェーンワタナ通)の道路占拠を指揮する仏教僧侶ルアンプープッタイサラ僧は「デモを継続する。」と言明。
デモ隊を率いる民主党のステープ元副首相は、ルムピニー公園で演説。「タクシンの影響力排除、タクシンの妹のインラック首相の退陣を要求するデモを継続する。」と宣言。支持者に対し、タクシン関連企業の営業妨害、ボイコットの強化を呼びかけた。
クルングテープの主要交差点の占拠解除で首都の生活はほぼ平常に戻る見通し。しかし、反タクシン派とタクシン派インラック政権・与党プア・タイ党との抗争は今後、舞台を司法に移して続くと見られる。
02月02日の下院総選挙で、反政府デモなどによる妨害で投票が行えなかった投票会場のうち、東部ラヨーンなど5県の投票会場106ケ所(有権者数9万6429人)で投票。
選挙委員会によると、投票はほぼ問題なく行われたものの、下院選自体が無効になる可能性があることなどから、投票率は10.2%に留まった。
02月02日の下院選では野党民主党の地盤である南部やクルングテープなどの投票会場で反政府デモ隊による投票妨害があり、全国の投票会場の1割以上で投票が行えなかった。当選する下院議員の数は下院開会に必要な定足数に届かず、タイは政府、国会ともに機能不全に陥っている。
タイの憲法は下院選の投票日から30日以内に下院を開会すると規定しているが、南部8県では依然として投票が実施されておらず、03月04日までの下院開会は不可能な状況。 
03月03日(月)10時半都内ラチャダーピセーク通の刑事裁判所に、何者かが手榴弾2個が投げ込まれ、このうち1発がフェンスのそばで爆発した。けが人はなかった。もう1発は裁判所の駐車場に落ち、爆発しなかった。1個は起爆が不完全で、もう1個は不発。怪我人は出ていない。
警察は現場からバイクで走り去った男2人の行方を追っている。
刑事裁判所では02月14日にも手榴弾が爆発し、建物が破損。
「予断を許さない状況が続いている。」として、スラポン副首相兼外相は、非常事態宣言の適用期間が延長されるとの見通しを明らかに。非常事態宣言は、反政府派による「クルングテープ封鎖」に伴い01月22日から60日首都圏に適用されることになった。だが、スラポン副首相は、「クルングテープでは(爆弾攻撃・銃撃といった)事件が依然起きている。刑事裁判所が攻撃されたことで宣言の適用期間が延長されることになるだろう。」
民主党のステープ元副首相が率いる反政府デモ隊は01月13日から占拠してきた都内のパトゥムワン交差点、ラーチャプラソン交差点、アソーク交差点から02日に撤収し、拠点を都内のルムピニー公園に集約。3ケ所の交通は通常通りに戻った。
ただ、ルムピニー公園前のサラデーン交差点は午前の時点で立体交差橋とラーチャダムリ通の一部が依然として封鎖されている。
また、タイ首相府やラーチャダムヌンノーク通周辺、クルングテープ郊外の総合庁舎前(チェーンワタナ通)では民主党と別系統の反政府デモが続き、内務省、教育省、運輸省などが閉鎖されたまま。
中央選管のプチョン事務局長は、南部8県の28選挙区での再選挙実施の権限について、04日にも憲法裁判所に判断を要請するとの見通しを明らかに。
今回の総選挙では、反政府デモ隊の妨害でこれら選挙区が候補者不在となっており、改めて立候補の受付と投票を行う必要がある。中央選管は、「再選挙実施には政府による勅令発令が必要。」と指摘する一方、政府は、「総選挙を完了させるのは選管の役目。」として、勅令発令を拒否し続けており、再選挙実施の目処が立たない状態が続いている。
インラック首相と反政府デモ指導者ステープがともに話し合いの姿勢を示しながら、いまだに対話が実現していない。タイ工業連盟(FTI)やタイ銀行協会など主要経済7団体は、両者に対し条件をつけずに話し合いに臨むよう要請。
話し合いの条件として、ステープは1対1のテレビ生中継を、インラック首相は、専門家の同席を条件にあげている。
また、インラック首相は、「(現在の閣僚が全員辞任して暫定的な)政権を設置し(中立の人物を)首相に任命するといった非民主的な提案は受け入れない。」と明言。
だが、経済団体は、「互いに相手が受け入れ難い条件を示していては、話し合いは実現しない。国益と国民が1つにまとまることを最優先に考え、条件を取っ払って話し合いに臨む必要がある。」
タクシン派の現政権と反タクシン派の反政府勢力の対立状態が続く中、北部チエンマイで政府支持派のグループが北タイの分離独立を求めるような動きを見せたとされた。問題となっているのは、チエンマイの街中などに出現した「ソー・ポー・ポー・ラーンナー」と書かれた垂れ幕。ラーンナーは数百年前に北タイに存在した王朝で、軍の担当者によれば、垂れ幕を設置したのは政府支持派。
軍部は、同グループを警察に訴えたほか、インラック首相も「政府は分離独立の動きを支持しない。」と明言。
「ソー・ポー・ポー」は「民主人民共和国」のタイ語頭文字であることから、北タイを「ラーンナー民主共和国」として独立させることを要求したものと考えられる。一方、「ソー・ポー・ポー」は学識者150人以上からなる「民主国防会議」のタイ語頭文字でもあり、同団体の関係者は、「垂れ幕に書かれているのは『ラーンナー民主国防会議』の意であり、『ラーンナー民主人民共和国』ではない。」
03月04日(火)3月30日投票のタイ議会上院選の立候補受付が04~08日、各都県で行われる。初日の04日は立候補の妨害などの混乱はなかった。
02月02日投票の議会下院選は昨年12月の立候補受付の際から、クルングテープや南部で反政府デモ隊による妨害があり、南部で候補者0の選挙区が続出した。投票日も激しい妨害があり、現在も当選者の数が下院開会に必要な定足数に達していない。上院は定数150で、タイの全77都県から各1人を選挙で選び、残る73人を憲法裁判所長官、最高裁判事、選挙委員長らからなる委員会が選出する。任期は6年。2008年に行われた上院選の投票率は55.6%。
政府は米担保融資制度を利用する農民に支払う米代金200億Bを調達できることになった。権限を持つ中央選管は、05月末までに返却することを条件に引き出しを許可。
だが、商業省前で座り込みを続ける農民らは、「一部の農民が金を受け取れるだけ。」として、抗議を継続する構え。農民の代表は、「支払いを受けられるのは、10月~11月に米を預けた農民だけ。それ以外の農民は今後も支払いを待たなければならない。政府が選挙管理内閣であることを理由に支払いをさらに遅らせるつもりなら、閣僚全員が辞職して新しい政権を誕生させるべき。」
北部チエンマイでタクシン派のグループが北タイの分離独立を求めているとされる問題で、タクシン支持団体「反独裁民主主義同盟(UDD)」幹部のウェーンは、「『ラック・チェンマイ51』(UDD傘下グループ)が分離独立を要求したことは一度もない。」と反論。ウェーンによれば、「反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)が手詰まり状態に陥っているため、『タクシン派が北タイの分離独立を求めている。』とでっち上げて、インラック政権の責任を追及しようとしている。」
候補者不在の南部8県28選挙区で、総選挙のやり直しが必要とされている。ただ、再選挙の実施に向けた手続きを巡り、政府と選管の意見が対立。
中央選管のプチョン事務局長は、憲法裁判所に対し、「選管に再選挙実施の権限があるか。」、「再選挙実施には政府による新たな勅令発令が必要か。」の2点に加え、「勅令発令による再選挙は28選挙区で実施するのか、あるいは全国で行うのか。」についても判断を求めたことを明らかに。
「再選挙実施には、選管に権限がないため、政府が勅令を発令する必要がある。」というのが選管の立場。
一方、法律専門家から「総選挙は憲法で全国で同時に行うと規定されている。総選挙を補完するための再選挙を実施することは不可能。再選挙ではなく総選挙をやり直すしかない。」との意見も出ている。
付け加えれた第3の質問について、スパチャイ中央選管委員長は、「憲法裁が『全国で実施』と判断した場合、新たに総選挙を行うことになり、02月02日投票の総選挙は無効となる。」と説明。
学者らで構成されるグループ「サイアム・プラチャティワット」は、「現政権は、総選挙が不完全な状態で終わったことから、正統性を失った。」との見解を表明。 憲法では、「総選挙は投票から30日以内に下院議員500人の95%以上の出席をもって特別国会を開催して新首相を選出する。」と規定されているが、30日を経過しても一部の選挙区では立候補の受付も済んでいない。サイアム・プラチャティワットによれば、「インラック政権は昨年12月09日の下院解散で選挙管理内閣となった。選挙管理内閣の役目は総選挙を実施して新政権を設置することだが、これが果たせなかったことから、選挙管理内閣が存続することはもはや不可能。」
だが、政府は、「30日期限が適用されるのは通常の状態に限られ、現在の状態は当てはまらない。下院議員補充を定めた憲法規定を適用すれば、総選挙は投票から180日以内に完了させれば良い。」として、「選挙管理内閣は選挙を完了させることが可能。従って、選挙管理内閣が存続することも合法。」と主張。
ノンタブリー県にある国家汚職防止委員会本部に爆発物が投げ込まれる事件。タイ地元紙によると、投げ込まれた爆発物は旧式の手榴弾とみられており、幸い夜だったことから負傷者は出なかった。
03月05日(水)未明クルングテープ都クローントイ区スクンビット通ソイ18ある反政府グループ幹部宅に、爆発物が投げ込まれる事件。投げ込まれた住宅は、反政府グループ幹部ナッタポン邸。投げ込まれた手榴弾は、あえて爆発しないように投げ込まれており、何者かが脅迫する目的で投げ込んだものと見られている。
インラック首相は、予定されていたコンケン県行きを中止し、プラユット陸軍司令官と会談。
何が話し合われたかは明らかではないが、タクシン支持者が北タイの分離独立を求めているとされる問題で政府と軍部の関係がギクシャクしていると報じられていることから、「首相が軍部との関係を修復しようと陸軍司令官に会った。」との見方も出ている。
国防相を兼任するインラック首相は04日に国防評議会の会議で議長を務め、ここでプラユット司令官と会っていたが、04日夕方、05日に予定されていたコンケン県での旱魃視察を「政治情勢が流動的との理由で中止する。」と発表。首相は翌05日、ドンムアンの空軍本部で再びプラユット司令官と会って約1時間にわたって話し合ったもの。関係筋によれば、話し合いでは、今年の国軍幹部の人事異動、政治的行き詰まりの打開策、政府と軍部の間の理解促進と関係改善が取り上げられた。
関係筋によれば、インラック首相は旱魃視察のための東北部コンケン県行きを急遽キャンセルして、プラユット陸軍司令官と会談したが、ここで司令官に仲介役を務めてほしいと伝えた。また、ステープは、1対1の話し合いとテレビ中継を求めているが、首相はあくまでも非公開の話し合いを望んでいる。首相の要請に対し、プラユット司令官は、「ステープ氏に話し合いをさせようと何度か試みたが、彼は非公開では話し合わないとの姿勢を変えなかった。」と返答。
また、関係筋によれば、インラック首相はプラユット司令官に対し、「(ステープとの)話し合いは意見の相違を埋めて行き詰まりを打開するというよりは、国民の支持を得ることが狙い。」と説明した。
法務省特別捜査局(DSI)のタリット局長は、政府の治安対策本である平和秩序維持センター(CMPO)が人民民主改革委員会(PDRC)による反政府デモが合法か否かの判断を憲法裁判所に求める方針だと明らかに。これまでに同様の訴えがいくつか憲法裁に起こされているが、タリット局長は、「CMPOはデモが違法であることを証明するに十分な証拠を添えて憲法裁に提訴する」と述べている。
なお、民事裁判所は、「PDRCによるデモは平和的であり、非常事態宣言違反で取り締まることはできない。」との判断を示しており、刑事裁判所もこの判断を尊重した判断を示している。
国家汚職制圧委員会(NACC)が米担保融資制度の不正横行に絡んでインラック首相の責任を問おうとしていることから、先にタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の支持者らがNACC本部前で抗議集会を行った問題で、ウィタヤーNACC副事務局長は、「集会へのチャルポン内相とナタウット副商業相の関与を示す証拠がある。」と指摘。2人を刑事告訴する考えを明らかに。
副事務局長によれば、「抗議集会を撮影した動画に2人が写っていた。」この集会は、NACC職員の出入りを妨害しようとしたもの。これに2人が加担していたなら、国に仕える者による不誠実行為を禁じた刑法157条に抵触し、禁錮1~10年の刑に処せられる可能性がある。
03月06日(木)警察によると、都内のルムピニー公園を拠点とする野党民主党系の反タイ政府デモ隊は都心のショッピングセンター、セントラルワールド前のタイ警察本部(ラーマ1世通)とクルングテープ北郊ノンタブリ市の法務省刑務局前でデモ。
別系統の反政府デモ隊は都内の支那大使館(ラチャダピセーク通)、英国大使館(ウィタユー通)、米国大使館(ウィタユー通)などにデモ行進。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)の支持者たちは、警察庁本部前に集まって、「タクシン支持団体、主義同盟(UDD)の関係者らが北タイの分離独立を求めているのは反逆罪に当たる。」と訴え、「反逆者」に法的措置を執るようアドゥン警察庁長官に要求。PDRCによれば、「UDDの支持者らがチエンマイ、チエンライ、パヤオ、ナコンサワン、ピサヌロークの5県に設置した『ラーンナー民主共和国』と書かれたプラカードは、北タイの分離独立を求めたもので、反逆罪に該当する。」という。
ほか、別のPDRC支持者らが犯罪制圧課(CSD)本部前で気勢を上げて、「北タイの分離独立を支持している。」として政府とUDDに法的措置を執るようCSDに求めた。
オンブズマンは、02月02日投票の総選挙が有効か否かを判断するよう憲法裁判所に請求。タマサート大学法学部のキティポンがオンブズマンに対し、総選挙の無効を訴えたことによるもの。
キティポンによれば、「総選挙は南部8県の28選挙区が候補者不在となっており、政府と選管はこれら選挙区で再選挙が必要としている。だが、「総選挙は全国で同時に実施する。」との憲法規定に違反する。ほか、一部の選挙区で立候補受付の会場が事前の告知無しに変更されていたことなども問題だ。」
国家汚職制圧委員会(NACC)は米担保融資制度の不正横行に絡んでインラック首相の職務怠慢の罪に問う方針を固め、03月14日までに首相に出頭するよう要請。 だが、政権党プア・タイ党の法律専門家チームのメンバー、ピラパンは、「首相が出頭期限の延長をNACCに申し入れる見通し。」だと明らかに。「首相は出頭して潔白を主張することにしているが、潔白を裏付ける書類が膨大な量に及ぶ。このため、書類の準備にだいぶ時間がかかり、期限までに出頭するのは難しい。
03月07日(金)
01時20分頃
反政府グループが拠点を構える都内ルンピニー公園東側のウィタユー通で銃声とみられる音が数回し、ウィタユー通を歩いていた女性(32)が手に被弾。現場は在タイ日本大使館近く。
02時50分頃ルンピニー公園脇の通の女性が撃たれた場所の近くで、走行中のタクシーが銃撃を受け、運転していた男性が肘に被弾。ルムピニー公園周辺での2度の発砲とも、ルンピニー公園の方角から発砲があったと見られている
午前反政府デモ隊は、都内パホンヨーティン通のオフィスビル、チナワットタワー2前でデモを行った後、同じ通りの農業協同組合銀行前に移動。
総合庁舎近くのモンクットワタナ病院に銃弾が撃ち込まれた。怪我人はなかった。
03月08日(土)02時半頃クルングテープ郊外の総合庁舎前(チェーンワタナ通)の反政府デモ会場周辺で発砲事件。男性1人が怪我をして病院に搬送された。
03月30日投票の上院議員選挙の立候補受付が締め切られた。クルングテープでは計18人が立候補の手続きを済ませた。
上院は定数150で、うち77人は77都県から1人ずつ選挙で選ばれ、残り73人は憲法裁判所長官などからなる選考委員会によって選出されることになっている。
なお、2008年の前回上院選ではクルングテープから立候補したのは38人で、今回はこれを大きく下回ることになったが、クルングテープ選管のアノップ委員は、「現在の政治的混乱が影響しているのだろう。」と説明。
中央選管のプラウィット委員によれば、上院議員選挙の立候補受付期間(03月03~07日)に全国で457人が立候補届出。上院議員150人のうち任命制の73人を除く77人が03月30日に投票によってこれら候補者の中から選ばれる。
プラウィット委員は、「立候補者数は、2008年の前回上院選に比べて約10%少ないが、満足している。投票率は70%以上(前回56%)を目標にしている。」と述べた。
また、プラウィット委員によれば、「反政府デモ隊の妨害で総選挙の投票ができなかった南部の県について、中央選管は11日にやり直し投票の日程を決定する予定。」今のところ、やり直し投票は、ヤラー、ナラティワート、パタニーの3県で04月05日、サトゥン、ナコンシータマラート、プーケット、パンガー、チュムポン、ラノーンの6県で04月27日に実施するとの案が出ている。また、候補者不在の南部8県28選挙区での再選挙はまだ実施の目処が立っていない。
ほか、今回の総選挙の有効性を問う訴えが憲法裁判所に起こされ、総選挙が無効とされる可能性があることについて、プラウィット委員は、「憲法裁によって無効の判断が示されるまで選管は総選挙を完了させるべく努力する。」と述べている。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)の警備担当者らに暴行を受けたとされる、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の警備担当者だった男性が、「わたしの殺害を指示したのはPDRC幹部のイッサラ。」と訴えている。殺人未遂容疑などで逮捕状の出ているイッサラー(前民主党議員)は、男性に対する暴行へ関与を否定し、反政府デモが終わるまで警察に出頭しない考えを明らかに。
現在、都内の警察病院で傷の治療を受けている、クルングテープの会社で警備員を務めるこの男性は、「PDRCが拠点とする都内ルンピニー公園でPDRCの警備担当者らに数日間にわたり拘束、暴行された後、バンパコン川に投げ込まれ、貨物船に救助された。」と説明しており、「イサラ氏がわたしの殺害を指示した」とも主張。この訴えに伴い、警察はイッサラーとPDRCの警備担当者5人の逮捕状を取った。
だが、イッサラー、「男のことは知らない。警備担当者から誰かを拘束したとの報告も受けていない。」と述べて、関与を全面的に否定。
03月09日(日)
02時45分頃
反政府勢力の人民民主改革委員会(PDRC)が拠点としている都内ルンピニー公園に面するウィタユー(ワイヤレス)通で、タクシー運転手が銃撃で額に掠り傷を負うという事件が発生。タクシーは、銃撃でドアに穴が開き、窓ガラスも割れてタイヤもパンク。
だが、発砲時の状況について運転手とPDRC側の言い分が食い違っている。
運転手によれば、「酒に酔った客をラーマ2世通から公園まで乗せ、公園の第1ゲート前で停車したところ、PDRCの警備担当者と思われる男が大声でタクシーにその場から去るように指示。直後に大きな花火の爆発音がして何者かがタクシーに向け発砲したあと、乗客はタクシーを降りて逃げ去った。」という。
一方、PDRC側の説明によれば、「タクシーは公園の周りを何度か回った後、第2ゲートから第1ゲートにかけて走行中に車内の誰かが公園に向けて発砲。このため、公園内から何者かがタクシーに向け反撃の発砲をしたもの。」という。PDRCは、「タクシーに発砲したのが誰かははっきりしないが、少なくともPDRCの警備担当者ではない。」
03月30日投票のタイ議会上院選の立候補受付が04~08日、各都県で行われ、468人が立候補。
上院は定数150で、タイの全77都県から各1人を選挙で選び、残る73人を憲法裁判所長官、最高裁判事、選挙委員長らからなる委員会が選出する。任期は6年。2008年に行われた上院選の投票率は55.6%。
今回の上院選ではクルングテープで、警察犯罪制圧課司令官のスピサーン警察少将(60)、強硬な反タクシン派として知られるチャルワン元会計検査院長(68)ら18人が立候補。中部サムットプラカン県のアサワヘーム家、パトゥムタニ県のハーンサワット家、東部サケーオ県のティエントーン家といった地方の政財界を牛耳る有力一族も地元で一族から候補者を擁立。
23時頃都心のランスワン通の路上検問で、タイ軍兵士の男2人(25、23)が乗ったピックアップトラックから、M16自動小銃1丁、拳銃1丁、銃弾約2000発、催涙ガス弾2発、ナイフなどが見つかり、警察が2人を逮捕。
現場はルムピニー公園の反政府デモ会場近く。警察は2人が反政府デモ隊に雇われていた可能性があるとみて捜査を進めている。2人は取り調べに対し黙秘を続けている。
03月10日(月)午前反タクシン派の反政府デモ隊は、都内パホンヨーティン通のオフィスビル、チナワットタワー2前でデモを行った。現場では一部車線が閉鎖された。
チナワットタワー2にはタクシンが創業し、2006年にシンガポール政府の投資会社テマセクに売却したタイ携帯電話キャリア最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)のオフィスがある
国家治安委員会(NSC)のパラドン事務局長はこのほど、「承認を得るため非常事態宣言の解除案が今週中にインラック首相に提出される。」と明らかに。 政府の治安対策本部である平和秩序維持センター(CMPO)は03月07日の会議で非常事態宣言の解除に同意しており、インラック首相の判断待ちの状態。非常事態宣言が解除された場合、代わりに首都圏に国内治安法が適用されることになる。
非常事態宣言は、反政府派が「クルングテープ封鎖」に踏み切ったことからクルングテープ首都圏に発令されており、適用期間は03月22日までの60日間。
だが、経済界などからは、「宣言発令によって『クルングテープは危険』とのイメージが強まって観光や商売が打撃を受けている。」として早期の解除を求める声が出ている。
02月に行われた総選挙が完了せず、新首相を選ぶための特別国会開催の目処も立っていない。一方、中央選挙管理委員会のソムチャイ委員は、「選挙・投票を阻止するための訴えがなく、デモ隊による妨害もなければ、選管は05月中には475人以上の下院議員当選を認定することができるだろう。06月には新政権が誕生する。」と述べた。
特別国会開催には、下院議員500人の95%以上、すなわち475人以上の出席が不可欠。なお、今回の総選挙は、反政府デモ隊の妨害で期日前投票、本投票も不完全な状態となっており、選管は本投票から40日あまりが経過した現在も、当選認定が全くできない状態となっている。また、総選挙の有効性を問う訴えも憲法裁に起こされており、無効とされることも十分考えられる。
22時半頃クルングテープ郊外のディスカウントストア、テスコロータス・チェーンワタナ店前で手榴弾が爆発し、路面が破損。怪我人はなかった。現場は総合庁舎前(チェーンワタナ通)の反政府デモ会場近く。
03月11日(火)
05時20分頃
反政府デモ隊が占拠する都内ルムピニー公園で爆発があり、デモ参加者のタイ人男性(34)が怪我をして病院に運ばれた。この男性が寝泊まりしていたテント内で、爆竹を空き缶に詰めた手製爆弾が誤爆したと見られている。現場はサラシン通に面した公園北側。
ルムピニー公園東側のウィタユー通では07日未明に2度発砲事件があり、通行人のタイ人女性とタクシー運転手のタイ人男性が怪我。
中央選管のソムチャイ委員は、選管が昨年03月のクルングテープ都知事選におけるスクムパン(現都知事)の当選を無効としたと発表。
当選の無効・都知事選やり直しは、控訴裁判所が最終決定を下すことになるが、控訴裁判所が選管の申し立てを受理した時点でスクムパン都知事(最大野党・民主党所属)は選挙をやり直すかどうかの判断が下るまで休職となり、副知事が職務を代行する。
スクムパンは、今回の選管に判断について、「1年も経ってから決定を下すとは恥ずべきこと。」と述べている。
2013年の都知事選では2選を目指した野党民主党のスクムパン都知事が125.6万票を獲得し当選。タクシン派与党プア・タイ党が擁立したポンサパット麻薬取締委員会事務局長は107.8万票で次点。
中央選管は選挙違反の具体的な内容を明らかにしていないが、タイのメディアは、民主党のステープ元幹事長(元首相)らが都知事選の応援演説で、「『タクシンがタイの政体を王国から大統領制の共和国に変更することを目指している。』などと発言したことを問題視した。」と報じた。ステープ元幹事長はクルングテープで昨年10月から続く大規模な反政府デモの指者。
昨年の都知事選については、次点で落選となったポンサパット、プア・タイ党候補などから「スクムパン陣営がポンサパット氏を中傷した。」といった訴えが出ていた。この訴えに対し、中央選管は委員5人のうち3人の同意をもって「選挙違反があった。」と判断するに至った。ただ、スクムパン本人には違反がなかったとされ、スクムパンは都知事選に再出馬することが可能。
クルングテープ都知事は任期4年で、月給11万3560B。タイの77都県中、県知事が公選制なのはクルングテープだけで、残76県の知事は内務省から派遣される官僚。
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)の幹部タウォンによれば、PDRCが拠点としている都内ルンピニー公園で発砲によって負傷者が出る事件が相次いでいることから、ルンピニー公園の警備においてPDRCの警備担当者、警察、軍が協力することになった。ルンピニー公園の周辺では、数回にわたって発砲事件が発生しており、11日早朝にも公園の第4ゲート近くで擲弾によるとみられる爆発があり、PDRCの警備担当者ら3人が負傷。うち1人は重傷。
政府は首都圏に適用されている非常事態宣言を解除する動きを見せているが、インラック首相はこのほど、「治安当局が現在の状況、今後の見通しなどを詳しく検討し、それに基づいて閣議で宣言解除の可否が決定されることになる。」と述べた。
非常事態宣言については、「タイのイメージ悪化につながっている。」として、経済界などが解除を強く求めている。
だが、首相によれば、「関係当局が解除が治安の悪化につながらないと確信できなければ、政府も解除に踏み切ることはできない。」
中央選挙管理委員会は、02月02日の下院選と01月26日の下院選期日前投票で、野党民主党が主導する反政府デなどで投票が行えなかった投票会場のうち、南部を中心とする11県で04月05日と27日に投票をやり直す方針を明らかに。南部のヤラー県、ナラティワート県、パタニー県、中部プラチュアブキリカーン県、クルングテープ都04月05日、南部サトゥン県、ナコンシータマラート県、プーケット県、パンガー県、チュムポン県、ラノン県で04月27日に実施。反政府デモ隊による妨害などで立候補者がいない南部8県の28の選挙区については、投票日程を決めていない。
下院選は立候補や投票の妨害で当選者の数が下院開会に必要な定足数に届いていない。憲法は投票日から30日以内に下院を開会すると規定しており、下院選は無効となる可能性が高いと見られている。
03月12日(水)午後昨年11月に国会を通過した運輸交通インフラ整備のための資金2兆Bの調達法案が違憲として野党民主党が訴えた裁判で、憲法裁判所は、原告の主張を認め、同法案を違憲とする判決を下した。
タクシン派与党プア・タイ党の下院議員が法案の採決の際に欠席した同僚議員の投票を代行するなど国会での手続きに問題があったほか、法案の内容自体も憲法違反と判断。
2兆Bはタイの国家予算に匹敵する額で、財務省が融資や国債により国内外で調達し、7年に及ぶ大規模な開発を行い、返済は50年にわたる見通しだった。タクシン派インラック政権はこの法案で資金を調達し、線路の複線化、ピルマなど近隣国との交通網整備、クルングテープと地方を結ぶ高速鉄道の建設、港湾整備などを進め、2020年まで国内総生産(GDP)を年1%押し上げ、50万人の雇用を生み出すとしていた。
だが、政府は、近い将来に米担保融資制度の不正横行に絡んでインラック首相が罷免となる恐れがあることから、インフラ整備の遅延を深刻な問題とは捉えていない。
憲法裁の判決について、インラック首相は、訪問先の東北部チャイヤプーム県で、記者団に対し、「隣国との交通網を整備し、タイが東南アジア諸国連合(ASEAN)のハブになるはずだった。」、「失望した。政府は全力を尽くした。」などと話した。民主党が首相の失職を目指し一連の裁判を起こす構えであることについては、「法律を使って権利を奪うべきではない。」、「少なくとも公正さが必要だ。」などと主張し、次の政権がその重要性を理解し、大型インフラ警備計画を引き継いでくれるとの見通しを示した。
また、チャルーム労相は、「(2兆B借入が違憲とされたことは)それほど興奮することではない。それより国家汚職制圧委員会(NACC)が米担保融資制度の不正横行に絡んで職務怠慢でインラック首相の罷免手続きを進める方が心配。」と発言。ただ、「NACCが罷免を請求した時点で首相は停職となるが、他の閣僚が代わりを務めるため、政府は存続できる。」
2兆バB借り入れに対しては、インフラ整備計画で実施するプロジェクトに具体的内容が決まっていないものが少なくなかったことから、「どんぶり勘定」、「汚職の温床」といった厳しい批判が出ていた。なお、今回の違憲判断を受け、最大野党民主党は、政府の責任を追及すべく、インラック首相の罷免を請求する構えを見せている。
インラック首相は民主党が主導する大規模な反政府デモを受け、昨年12月、議会下院を解散した。今年02月02日に下院選が行われたが、民主党の地盤である南部とクルングテープで、反政府デモ隊による妨害で立候補や投票が行えない選挙区が続出。現在も当選者の数が下院開会に必要な定足数に達していない。「憲法では、下院選から30日以内に下院を開会、下院開会から30日内に首相を選出と定められていることから、民主党など反政府勢力は下院選から60日後にインラック政権の任期は切れる。」と主張、憲法裁などに判断を求める姿勢を見せている。
下院選にタクシン派与党プア・タイ党から出馬した弁護士のチャレー候補(51)が、中央選挙管理委員会に下院選の当選者の発表を命じるよう求める裁判を中央行政裁判所で起こした。チャレー候補は、「投票日から1ケ月以上経っても当選者を発表しない。」として、中央選管を批判している。
米担保融資制度の不正横行に絡んで国家汚職制圧委員会(NACC)が職務怠慢でインラック首相の罷免を請求しようとしている問題で、インラック首相は、弁護士を通じてNACCに対し、出頭期限を45日延期するよう要請。NACCは首相に対し、14日までに出頭し、容疑について説明を受け、反論があればそれを述べるよう求めている。弁護士によれば、「インラック首相は自らの潔白を確信しているが、それを裏付ける証拠の準備に時間がかかっていることから、出頭期限の延期を要請したもの。」
なお、NACCは首相の釈明を聞いてから罷免を請求するか否かを決定することになるが、請求した時点で首相は停職となることから、「出頭期限の延期請求は、罷免請求をさせないための時間稼ぎ。」との見方が支配的。
03月13日(木)未明中部チョンブリー県ムアンチョンブリー郡にある親政府派の反独裁民主主義同盟(UDD)幹部宅に爆弾が投げ込まれる事件。ガレージに駐車してあった車3台が被害を受けたものの、人的な被害はなかった。犯人の行方はわかっていない。
インラック政権による米担保融資政策の破綻を受け、米農家の抗議活動が活発化。
12日には米農家約300人が商務省本省の電気を止め、商務省前に大量の米を投棄。商務省は同日予定していた米の競売の延期を余儀なくされた。米農家は同日、財務省でも米を投棄。13日にも再度、財務省前に大量のコメを投棄し、省内に卵や腐った魚を投げ込むなどした。

← 米農家が抗議のため、財務省前に米を投棄。

インラック政権は発足直後の2011年10月に、事実上の米買い取り制度である米担保融資制度を導入。政府が市価の約4割高で米を買い取ったため、米農家には好評だったが、インラック政権は昨年12月、野党民主党が主導する反政府デモに屈して議会下院を解散。政府の機能が選挙管理に限定されたことで、今期の米買い取りに必要な資金約1300億Bの手当てができなくなった。
政府は銀行融資で買い取り資金の工面を図ったが、国営金融機関の政府貯蓄銀行(GSB)が米農家への支払いを担当する別の国営金融機関、農業協同組合銀行(BAAC)に50億Bを融資したことが02月中旬に明らかになると、民主党の地盤であるクルングテープと南部のGSB支店で取り付け騒ぎが発生し、02月17~19日の3日間で計940億Bの預金がGSBから流出。これを受け、GSBはBAACへの追加融資を中止し、GSBのウォラウィット社長は辞任。
政府の治安対策本部、平和秩序維持センター(CMPO)のメンバー、タリット法務省特別捜査局(DSI)局長は、「治安関係機関のほとんどが非常事態宣言の解除に賛成している。」と述べ、CMPOが来週にも政府に宣言解除を進言するとの見通しを明らかにした。宣言の適用期間は03月22日までの60日間とされている。
関係筋によれば、「反政府派も『支持者を大量動員して政府に圧力をかける戦略は最早不要。」と宣言していることもあり、国内の状況は一時に比べて落ち着いている。治安関係者の多くが宣言解除は可能と考えている。」
インラック首相が米担保融資制度の不正横行などの責任を問われている問題で、国家汚職制圧委員会(NACC)は、首相の出頭・釈明の期限延長を15日間とすることを決定。これまで、期限は03月13日とされていたが、首相は先に弁護士を通じて期限の45日間延長を要請。だが、NACCは、「それほど長くは待てない。」として、15日以内に出頭するよう求めた。
NACCによれば、「米担保融資制度では巨額の損失が生じ、不正が横行していたにも関わらず、米担保融資制度を監督する国家米政策委員会のトップ、インラック首相は何ら対策を講じず、職務怠慢があったのは明らか。」NACCは首相の罷免を請求する方針を固めており、首相の出頭・釈明を待って請求に踏み切る見通し。罷免請求した時点で首相は停職となる。
スラポン副首相兼外相が長引く政治対立に終止符を打つためとして、無能で定評のある南鮮土人の潘基文国連事務総長に仲介を要請したことに外務省内で反対意見が巻き起こっていることから、スラポン外相は、「14日にも外務省幹部らに会って話を聞く予定だ。」と述べた。
外務省では、職員70人あまりが連名で国連介入に反対する公開書簡を幹部に送りつけており、ネット上でも書簡が公開されている。これら職員によれば、「国連がタイの内政に関与することは国益を損なう恐れがあり、賛成できない。」という。
一方、スラポンは、「対立がさらにエスカレートして内戦状態となれば、いずれ国連が平和維持に乗り出すのであり、現時点で国連トップに仲介を求めても問題はないはず。」と言い切る。
だが、これに対しては、「タクシン派政権の存続を目的に国連を介入させ、国際世論を味方につけようとしたもの。しかし、これは、国内問題を自力では解決できないと世界に表明することに等しく、国益を大きく損なうことになる。」といった批判が出ている。ある外務省職員は、「スラポン外相が言い出したこと、例えば、反政府派を非難する声明をASEANに発表させるといったことに対しては、省内に反対意見が少なくない。」
タクシン派に対しては、以前から反タクシン派が「自らの利益が最優先。国益は二の次」といった批判があり、今回の潘基文への介入要請についても反タクシン派から非難の声が上がっている。
中央選挙管理委員会が昨年のクルングテープク都知事選におけるスクムパン候補(現都知事)の当選無効を決めたことを受け、プア・タイ党のプムタム幹事長は、「裁判所が承認し当選無効が確定したら、我が党は候補者擁立の準備に入る。」と明言。
昨年の都知事選では、最大野党・民主党所属のスクムパンが126万票あまりを獲得して当選。タイ貢献党のポンサパット候補は108万票あまりで次点。
プムタム幹事長によれば、「プア・タイ党が昨年11月と12月に実施した調査では、クルングテープでは依然として民主党が人気トップでプア・タイ党は2位。しかしながら、民主党など反タクシン勢力が交差点占拠などで都民に迷惑をかけていることから、民主党とプア・タイ党の差が縮まっていることが考えられる。このため、都知事選でプア・タイ党が勝利することも不可能ではない。」
プア・タイ党内では、早くもチャチャート運輸相を候補に推す声が挙がっている。
複数のタイ字紙報道によると、タクシン派与党プア・タイ党幹部とタクシン派インラック政権の複数の閣僚が先週、北京でタクシンに会い、タイの政治情勢を説明し、指示を求めた。
タクシンはタイの現況について、「国際社会はインラック政権に正統性があると見ているとして、必要な場合は反政府デモ隊の違法行為を厳正に取り締まるべき。」と主張。02月02日に実施された議会下院選については、「民主党系の反政府デモ隊による妨害で、投票から30日以内に下院が開会できなかったため、憲法違反で選挙自体が無効になる可能性が高い。ただ、民主党が参加して下院選をやり直すことになれば、選挙で事態が収拾できる。」として、期待を示した。
タクシン相はまた、「プア・タイ党には元外交官や博士、研究者ら優秀な人材がたくさんいるが、自分に対し誠実な人は少ない。」とこぼした。妹のインラック首相については、「首相側近が政治を知らず、自分が人を送り込んでも、首相が受け入れない。」として、持て余し気味であることを示唆。
03月14日(金)政治の行き詰まり状態を打開するため、7つの独立機関の代表が政府と反政府派の間の仲介役を務めることなどを話し合った。出席したのは、中央選挙管理委員会、オンブズマン、国家汚職制圧委員会(NACC)、国家会計評議会、国家人権委員会(NHRC)、国家経済社会諮問委員会(NESAC)、検察庁(OAG)の7機関。
ソムチャイ中央選管委員によれば、「協議では交渉の枠組みなどが打ち出されたが、これについては、17日にチェンワタナ通のオンブズマン事務所でこれら機関の代表の出席の下、発表が行われる予定。今回の協議は、『独立機関は政治危機解決において十分に役割を果たしていない。』との批判、『独立機関の介入を望む。』との国民の意見に応えるために行われた。」
中央選管が昨年03月の都知事選におけるスクムパン候補(現都知事)の当選を無効としたことから、都知事選がやり直しとなる見通しだが、チャチャート運輸相は「プア・タイ党がチャチャートを出馬させようとしている。」との報道を全面的に否定。
前回の都知事選では、プア・タイ党のポンサパット候補は次点に終わり当選を逃した。都知事選がやり直されれば、プア・タイ党が候補を擁立するのは確実と見られており、党内には早くもチャチャートを推す声が出ている。
だが、チャチャートは、「都知事選出馬については、打診もないし、興味もない。都知事の仕事は簡単なものではない。私は運輸面に詳しいだけで、都知事を務めるには力量不足。」
政治危機を解決するためとしてスラポン副首相兼外相が南鮮の無能で汚職まみれの潘基文国連事務総長の介入を求めたことに対し、外務省職員の多くが依然反対の態度を示している。
外務省内で強い反対意見が出ていることから、スラポンは、幹部職員に会って話を聞いたが、これは形ばかりのもので、スラポンは国連トップへの要請の正当性を主張し、幹部職員に十分な発言時間を与えなかった。
シハサック外務事務次官は、「タイ国内の状況は国連に介入を要請するほど悪化していない。」と反発。
関係筋は、「タクシン派の現政権は、自らの正しさを国際社会にアピールしようと国連に問題解決への協力を要請したもの。国連が乗り出せば、タイが国内問題を自力で解決できないということを世界に知らしめることになり、タイのイメージ悪化は避けられない。タクシン派が国益より現政権の存続を優先させているのは明らか。」
03月15日(土)タクシン支持団体の反独裁民主主義同盟(UDD)のティーダ議長は、中部アユタヤ県で開かれたUDDの集会で支持者を前に、「議長ポストをUDD幹部のチャトポンに移譲する。」と発表。UDDは、政権党プア・タイ党の実動部隊とされる組織。シンボルカラーは赤で、UDD支持者たちは「赤服軍団」と呼ばれている。
UDDによれば、「今回のアユタヤ集会は、憲法裁判所などタクシン派の現政権に厳しい姿勢を示している反タクシン派寄りの独立機関に抗議することが目的。UDDは近くパタヤでも同様の目的で集会を行う予定。」
クルングテープの反政府デモを主導するステープ・トゥアクスバン元副首相(元民主党幹事長)の事実婚の妻シーサクン・プロームパンの都内タウィーワタナ区の自宅に、手榴弾が撃ち込まれた。怪我人はなかった。
警察は16日、現場検証のためシーサクン宅を訪れたが、家の警備員に敷地内に入ることを拒否された。
シーサクンは野党民主党の実力者ニポン・プロームパン元農相の妹。テレビ局チャンネル7を運営するバンコク・ブロードキャスティング&TV、アユタヤ銀行、セメント大手サイアム・シティ・セメントなどに出資するタイ屈指の富豪クリット・ラタナラックと結婚、離婚した後、テーチャパイブン財閥のポンテープ・テーチャパイブン(元副工業相)との間に2男1女を設けた。その後、ステープと内縁関係になった。ラタナラック財閥、テーチャパイブン財閥の関係者はステープ率いる反政府デモに参加している。
03月16日(日)タクシン支持団体、反独裁民主着主義同盟(UDD)の議長に選ばれたチャトポンは、「次の戦いは大規模なものになる。」と明言。ただ、「UDDのとる戦術は平和的であり、武器は使わない。」とも強調。
チャトポンは、2010年に当時の民主党政権の退陣などを求めてUDDが展開した大規模反政府デモで主導的役割を果たした一人であり、UDD幹部の中でも強硬派として知られている。
今回の反タクシン勢力によるクルングテープを中心とした反政府活動に対し、UDDはこれまで政府の意向もあってか、過激な行動を控えているように見えるが、チャトポンがUDDのトップに就いたことでUDDが攻勢に出るとの見方が広がっている。
反政府デモを主導する人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長はこのほど、新聞社とのインタビューの中で、「政府支持派が武装グループを投入する事態となったら、PDRCは支持者たちを帰宅させる方針。」と明らかに。
ステープ事務局長によれば、「政権党プア・タイ党の実動部隊である反独裁民主主義同盟(UDD)が地方で大規模集会を開催するなど最近になって活発な動きを見せているが、これは、インラック政権が手詰まりに陥った結果。また、UDDが武装グループを動員してPDRCに攻撃を仕掛けてくる可能性がある。だが、そのような場合、PDRCは政府派と反政府が武器を手に戦うような事態を避けるため、デモ拠点で座り込みを続けている支持者らを一旦家に帰らせる。」
政府の治安対策本部である平和秩序維持センター(CMPO)の最高責任者、チャルーム労相は、「非常事態宣言の「解除案が18日の閣議で取り上げられる。」と述べた。
チャルームによれば、非常事態宣言はタイの投資・観光環境に影響しており、解除することが望ましい。」
また、反政府勢力が依然としてデモを続けていることから、首都圏には非常事態宣言に代えて国内保治安法が適用される予定。
なお、複数の独立機関が政治危機打開に向けて政府と反政府勢力の仲介をする動きを見せていることについて、チャルームは、「善意によるものと思われるが、独立機関の役割ではない。」と突き放した。
03月17日(月)早朝クルングテープ都内ラチャダピセーク通の最高検察庁前と裁判官研修施設前で手製爆弾2個が見つかり、警察の爆発物処理班が処理。怪我人はなかった。現場周辺のラチャダピセーク通は爆弾処理のため一時通行止めになり、激しい渋滞が発生。
21時半頃クルングテープ郊外ノンタブリー県ノンタブリー市にある国家汚職防止委員会本部近くの民家の庭で爆発があり、塀などが破損。怪我人はなかった。
爆発が起きたのは汚職取締委員会本部近くの退役陸軍大将宅で、グレネードランチャーで手榴弾が撃ち込まれたと見られている。
国家汚職防止委員会本部では今月04日、建物の前庭で手榴弾が爆発し、芝生に穴が開いた。怪我人はなかった。汚職取締委は事実上の米担保融資制度をめぐる汚職疑惑について、タクシンの妹のインラック首相らの捜査を進めている。
03月18日(火)早朝都内プルンチット地区にあるプルンチット通とトンソン通の交差点にあるオフィスビル、トンソンタワーの玄関口近くで手榴弾を発見。
タイ地元紙によると、安全ピンは外された状態で発見され、警察の爆発物処理班によって処理。トンソンタワーは高架電車BTSチッロム駅とプルンジット駅の間にある19階建てのビルで、タイの不動産会社ノーブル・ディベロップメント、博報堂バンコクなどがオフィスを構えている。
ノーブルのキティ・タナーキットアムヌアイ会長兼最高経営責任者(CEO)の息子のタナットは昨年10月から続く野党民主党系の反政府デモに積極的に関わり、社員をデモに参加させるなどした。今月15日には、キティラット副首相兼財務相らがサッカーをしていた都内のサッカーコートに他の反政府デモ参加者らとともに乱入。「何が起きようと、社会にこのような人間がいる場所をなくしてやる。」と宣言した後、ホイッスルを吹き鳴らしてキティラット副首相に近づき、辞任するよう要求。この時の様子はデモ参加者側がビデオ撮影し、インターネット上に公開されている。
オンブズマンや中央選管など6つの独立機関が、「現在の政治の行き詰まり状態を打開するため、政府と反政府勢力が選んだ代理人に話し合いを任せる。」との案を明らかに。
当初7機関が共同で和解案を打ち出すとしていたが、検察庁が法執行機関が関わるのは不適切と考えたためか抜けることになった。発表された案によれば、インラック首相とステープ人民民主改革委員会(PDRC)がそれぞれ代理人10人を指名し、代理人を絞り込んだ後で解決策を協議する。
だが、インラック首相は、「ステープの出方を見極めるのが先。」と側近に伝えたとされ、これに対し、ステープは17日夜、ルンピニー公園で座り込みを続ける支持者を前に、「インラック首相には『待つ必要はない。』と伝えたい。私は誰も指名しない。」と明言。
ステープによれば、「独立機関の努力は評価するものの、インラック首相とその兄、タクシンは、タクシン派がこの国を牛耳っている状態を何が何でも続けさせようと躍起になっており、代理人が話し合ったところで解決策を見いだすことなど不可能。」
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の新議長に強硬派のチャトポンが選ばれたことで、UDDが反政府派に攻勢をかけるとの見方が広まる中、プラユット陸軍司令官はこのほど、「UDD幹部と交渉する用意があるか。」との質問に対し、「このグループの者たちが国民にリーダーとして受け入れられるかを問いたい。リーダーは誇りを持ち、また、他から尊敬される人物でなければならない。」と述べ、UDD幹部らに不快感を露わにした。
チャトポンは、2010年に当時の民主党政権の退陣などを求めてUDDがクルングテープで展開した過激な大規模反政府デモの主導者の1人で、テロ容疑に問われている。
プラユット司令官は、UDD幹部について、「いかなる重要性も見いだせない。」と言い切っている。
02月02日の下院選挙が無効とオンブズマンが訴えた裁判で、憲法裁判所は近く判決を下す見通し。
下院選は野党民主党のボイコットと反政府デモ隊による立候補・投票妨害で、当選者が下院開会に必要な定足数に達していない。オンブズマンはこうした状況について、下院選が全国で同じ日に実施できなかった、投票日から30日以内に下院を開会できなかった、インラック政権が選挙期間中の01月に非常事態宣言を発令したなどの点で憲法違反と主張。
今回の裁判について、タクシン派の与党プア・タイ党は記者会見を開き、「民主党、選挙管理委員会、オンブズマン、憲法裁などが共謀し、最初から下院選を無効にする計画だった可能性がある。」と主張。「民主党系デモ隊による妨害で投票が行えなかった選挙区での選挙のやり直しを選挙委が大幅に遅らせ、訴える権限がないオンブズマンからの訴えを憲法裁が受理した。」などと、「こうした機関が民主主義の破壊を企てている。」と批判。
独立6機関が先に政治危機打開のために政府と反政府派の推す中立の人物らによる話し合いを提言したことについて、インラック首相は、最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長が提言に否定的なことを指摘し、「政府だけが中立の人物を指名しても意味がない。」との考えを示した。
インラックはまた、国王が昨年12月05日の誕生日に国民に任務の遂行を呼びかけたことを引き合いに出して、「ルールを守って任務を遂行すれば、正義がもたらされ、問題の解決に繋がる。」と強調。
関係筋によれば、これは、「ルールを守っている政府に反政府派が理不尽な要求を突きつけている」との従来の政府の主張に基づいたもので、「反政府派の要求は何があっても受け入れない。」と改めて表明したもの。
インラック首相は15日、北部チエンマイ県の食堂を訪れた際に、車から降りるときに躓いて靱帯を損傷。完治には2ケ月ほどかかると見られ、18日に中部ナコンパトム県で開かれた閣議には車椅子で現れた。
インラック首相はクルングテープでの反政府デモや、議会下院選挙の有効性をめぐる裁判、米担保融資制度に関する汚職捜査などで窮地に立たされており、気苦労がまた1つ増えた形。
プア・タイ党は、「憲法裁判所に総選挙無効の訴えを受理する権限はない。」との見方を示した。
02月総選挙については、様々な問題が生じており、憲法裁が無効との判断を示す可能性が高いとされる。だが、プア・タイ党は、総選挙無効がプア・タイ党の解党処分に繋がることなどを恐れ、「憲法に従えば、まだ総選挙は有効で、再選挙を行うなどして総選挙を完了させることは可能。」と主張。このため、「憲法裁に権限なし。」と主張することで、「憲法裁判断を受け入れる必要はない。」とアピール。
プア・タイ党によれば、「総選挙無効の訴えはオンブズマンによって提起されたものだが、オンブズマンにはこの種の訴えを起こす権限はなく、憲法裁がこのような訴えを受理することもその権限を逸脱することになる。」
政府は閣議で、景気・観光のさらなる落ち込みを回避する必要があるとして、首都圏に発令されていた非常事態宣言を19日に解除することになった。
非常事態宣言は、反政府派がクルングテープの主要交差点を占拠する「都心封鎖」に踏み切ったことなどを受けて01月下旬に発令されたが、実業界からは、「反政府デモによる影響より、非常事態宣言発令による影響の方が深刻。」として、宣言の早期解除を望む声が続出していた。
なお、宣言解除後も首都圏には国内治安法が適用されることから、政府の治安対策本部の名称も平和秩序維持センター(CMPO)から平和秩序管理センター(CAPO)に戻される。
非常事態宣言は5人以上の集会禁止、報道統制などを合法化するもので、01月13日に反政府デモ隊がクルングテープの主要交差点を占拠したことを受け、同22日に発令。しかし、国軍がデモ隊の強制排除に反対する姿勢を明確にしたため実効性はなく、02月には、デモ隊側の訴えを受けた民事裁判所が非常事態宣言による強制排除や集会禁止などを禁じる命令を出し、有名無実となっていた。03月02日にはデモ隊がクルングテープ都内のルムピニー公園に撤退し、観光業界などから、非常事態宣言の解除を求める声が強まっていた。
デモ隊の撤収後、クルングテープの日常生活はほぼ通常通りに戻ったが、ルムピニー公園や司法機関の周辺では発砲や爆弾騒ぎが続発。こうした状況に対応するため、政府は19日から、軍・警察主体の国内安全保障司令部(ISOC)に関係政府機関の動員、特定の建物、地域への進入禁止、外出禁止、集会禁止、移動禁止などの権限を与える国内治安法を、クルングテープ都とノンタブリ県の全域、サムットプラカン県バンプリ郡、パトゥムタニー県ラードルムケーウ郡に発令。期間は04月30日まで。
22時45分頃都内ペッブリー通の路上検問で、拳銃、銃弾、ナイフ、反政府デモ隊が使用するホイッスルなどを所持したタクシー乗客の男を警察が逮捕した。男はラーマ4世で回収されたものとよく似た手製爆弾3個を所持。
03月19日(水)02時頃タクシン派団体、反独裁民主着主義同盟(UDD、通称赤服)のチャトポン会長(48)のクルングテープ都サイマイ区の自宅と隣接する別のUDD幹部宅に銃弾が撃ち込まれた。怪我人はなかった。
チャトポンは今月16日、UDDの会長に就任し、2010年にUDDによる反政府デモを強制排除を指揮したプラユット陸軍司令官と批判合戦を繰り広げていた。
チャトポンは南部スラタニー県出身で、現在反タクシン派デモを率いているステープ元副首相(元民主党幹事長)と同郷。家が貧しく、10代からクルングテープの寺に寄宿。職業訓練校を卒業した後、北部チエンマイの山岳地帯で3年間ボランティアの教員を務めた。その後クルングテープで入試のないタイ国立ラムカムヘーン大学に入学。1992年の民主化闘争に参加し、その後、タクシン派政党に参加した。反タクシン派のアピシット民主党連立政権下の2010年04~05月、UDDのデモ隊を率いてクルングテープ都心部を占拠し、同年05月19日、UDDは軍により強制排除された。このときの一連の衝突によるデモ参加者、警官、兵士を合わせ死者91人、負傷者2000人以上に上った。
未明都内の地下鉄MRTルムピニー駅前のタイ-ベルギー橋近くのラーマ4世通とウィタユー通の交差点で不審物が見つかった。手榴弾は道路の真ん中に落ちており、爆発物処理班が現場を封鎖し処理された。この影響で一時現場付近は大渋滞となった。
警察が回収したところ、瓶に爆竹を詰め黒いテープを巻いた手製爆弾。現場は反政府デモ隊が立て籠もるルムピニー公園傍で、300mほど先に在タイ日本大使館がある。
憲法裁判所長官は、「オンブズマンのポーンペット、インラック首相の代理人であるポンテープ副首相、中央選管のスパチャイ委員長の証言に伴い、憲法裁判所が21日に02月総選挙が有効か無効かの判断を示す予定。」と明らかに。
02月総選挙は、反政府デモ隊の妨害のため一部の選挙区、投票所で立候補受付や投票ができなかった。このため、国立タマサート大学法学部のキティポンがオンブズマンに「総選挙は違憲であり無効。」との訴えを起こし、オンブズマンが憲法裁に判断を求めることになった。
だが、政権党プア・タイ党は、「オンブズマンがこのような訴えをすることは権限の範囲外。従って、憲法裁がオンブズマンの訴えを受理し、判断を下すことも憲法裁の権限を逸脱している。」と、「もし総選挙無効の判断が示されたとしても、これに認めない。」と表明。
事態打開につながるとの期待が出ている憲法裁判断だが、憲法裁判断を政府が無視することで手詰まり状態がさらに深刻化することも予想される。
クルングテープ都ラクシー区で総選挙投票日の前日02月01日に反政府派と政府支持派の市民が対峙する中、発砲などで負傷者が出た事件で、警察は03月19日、犯人とされる男を南部スラタニー県の反政府デモ関係者の家で逮捕。
捕まったのは北部ピッサヌローク県出身の男(24)で、犯行当時、ポップコーンの袋に自動小銃を入れていた映像から、「ポップコーン・ガンマン」と呼ばれていた。男は犯行を認め、「1日300Bで反政府デモ会場の警備に雇われていた。」と供述。「銃撃に使用したM16自動小銃はデモ隊の別の警備員から支給されたもので、犯行後、返却した。」と話した。
ラクシー交差点では事件当日、投票会場の準備妨害を図った反政府派の市民数百人と政府支持派の市民が衝突し、双方が数十分にわたり銃を撃ち合い、タイ人6人と米国人カメラマンの計7人が怪我をした。選挙委員会はこの事件を受け、ラクシー区での投票を中止。
が捕らえられたスラタニー県は、最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長の生まれ故郷。政府の治安対策本部のトップ、チャルーム労相によれば、「PDRCの警備担当の最高責任者の妻の実家に容疑者が潜伏しているとの情報を得て、スラタニー県で逮捕した。」
タイ商工会議所(TCC)のイッサラ会頭によれば、「政治危機が暴力に発展する事態となれば、タイ経済の成長がマイナス2%にまで落ち込む恐れがある。長引く反政府デモと非常事態宣言の発令が経済に打撃を与えており、経済的損失は最大で1000億Bに上ったと見られる。政治危機がさらに長引く、あるいは、暴力にエスカレートするようなら、今年のタイ経済成長率は0%となりかねず、マイナス2%まで悪化することも考えられる。」
03月20日(木)上院関連改憲案が上院通過後に憲法裁判所によって違憲とされた問題で、国家汚職制圧委員会(NACC)は、「上院関連改憲案の上院審議などにおいてニコム上院議長に憲法違反があった。」と判断しニコム議長の罷免のを請求を決定。
これに伴い法に従ってニコム議長は停職となり、スラチャイ第1副議長が上院議長を代行する。関係筋によれば、ニコムはこれまでタクシン派寄りとの批判を浴びてきたが、スラチャイ副議長は厳格な法律専門家として知られており、現在のタクシン派政権を特別扱いすることはないと予想される。
また、インラック首相が停職となる可能性が出ているが、憲法7条に基づいて中立の人物を首相に指名するとなれば、スラチャイ上院議長代行が重要な役割を果たすことになるという。
なお、上院議長の罷免には、上院での罷免請求承認と裁判所の決定が必要だが、上院で請求が却下される可能性もあり、また、上院議員が03月30日投票の選挙で入れ替わることになっていることから曲折も予想される。
民主党の広報担当、チャワノンは、「02月総選挙が無効とされ、総選挙がやり直されることになっても民主党は再び総選挙をボイコットする可能性がある。」との見方を示した。
憲法裁判所は21日に総選挙無効の訴えに対し判断を示すことになっている。民主党は今回の総選挙をボイコットし、候補を擁立していない。チャワノンは、「憲法裁によって総選挙が無効とされ、すぐに総選挙がやり直されるなら、国民の大多数も民主党もこれを受け入れることはできない。国家改革が実施されるまで総選挙を行うべきではないというのが民主党の立場だ。」
東部チョンブリー県パナトニコム郡で、池で漁をしていた者が「砲弾などが網にかかった。」と警察に通報し、警察によって池から迫撃砲弾約90発と自動小銃1丁などが引き揚げられた。 砲弾はタイ語の記号が刻まれたタイ製で、すべて使用可能な状態。また、古いものではなく、1~2ケ月ほど前に池に沈められたものと見られる。地元警察は、「有力者か武器商人が隠しておいたものではないか。」としているが、警察庁のアヌチャ副報道官は、「反政府派が持ち込んだ可能性がある。」との見方。
タイ東部チョンブリー県の池で、漁師の網に砲弾1発がかかり、警察が池の底を調べたところ、砲弾61発、AK47自動小銃1丁、銃弾50発などが見つかった。1、2ケ月前に投棄されたものとみられている。警察はクルングテープで続く反政府デモと関連がある可能性があると見て捜査を進めている。
23時半頃クルングテープ都内エカマイ通ソイ30の民家2棟の屋根に手榴弾2個が落ちて爆発し、住人のタイ人男性(43)が怪我をして病院に運ばれた。現場はチャラン憲法裁判事の自宅から薬300mほど。警察は何者かが判事宅を狙いグレネードランチャーで手榴弾を撃った可能性があると見て捜査を進めている。


50章  憲法裁、下院総選挙を無効と判断 政府派のテロ対反政府派のデモ激化
03月21日(金)03時頃タクシン派与党プア・タイ党のタイ東北部ナコンラチャシーマー県内の連絡事務所が銃撃され、窓硝子が割れるなどした。怪我人はなかった。
行政組織を監視する独立機関オンブズマンが02月02日の下院選を無効だとして訴えた裁判で、憲法裁判所は、選挙結果を無効とする判断を下した。無効の理由について、一部地域で投票所が閉鎖され投票ができなかったことなどを挙げている。裁判官は6人が選挙無効、3人が選挙できなかった地域の再選挙を訴えた。
下院選の投票は全国で同じ日に実施すると憲法で規定されているが、02月02日の下院選は野党民主党系の反政府デモ隊による妨害で、全国375の選挙区のうち、民主党の地盤であるクルングテープと南部を中心とする28の選挙区で投票が行えなかった。憲法裁はこれを理由に下院選を無効と判断。
政府は、「候補者不在の28選挙区で再選挙を実施すれば、02月総選挙を成立させることは可能。」などとしていたが、憲法裁によれば、一部の選挙区での再選挙は「全国で同一日に投票」との規定に反するため不可能という。
の判断を受け、中央選挙管理委員会のソムチャイ委員は、「総選挙をやり直す方法は2つ」と指摘するとともに、「総選挙やり直しは数ケ月後。」との見通しを示した。
この2つの方法は、2006年に総選挙が無効とされ、やり直されることになった際に憲法裁が示した判断に基づいたものだ。第1の方法は、中央選管と政府が協議して60日以内に新たな総選挙の日程を決める、第2の方法は60日以内との縛りなしに中央選管と全ての政党が協議して総選挙日程を決めるというもの。
下院選が無効とされたことで、インラック政権と選挙管理委員会は投票をやり直す見通し。ただ、民主党と反政府デモ隊は「選挙の前に政治改革を行うべき。」という従来の主張を繰り返し、前回同様、民主党は下院選をボイコットし、反政府デモ隊は投票を妨害する構えで、事態収拾の目処は立っていない。
今回の裁判について、タクシン派の与党プア・タイ党は18日に記者会見を開き、「民主党、選挙委、オンブズマン、憲法裁などが共謀し、最初から下院選を無効にする計画だった可能性がある。」と主張。「民主党系デモ隊による妨害で投票が行えなかった選挙区での選挙のやり直しを選挙委が大幅に遅らせ、訴える権限がないオンブズマンからの訴えを憲法裁が受理した。」などと、「こうした機関が民主主義の破壊を企てている。」と批判。
政府の米担保融資制度で米代金を受け取れずにいる農民らと反政府勢力の一派が、政府宝籤庁(GLO)に米を買い取らせようと大量の籾米をノンタブリー県サナムビンナム郡のGLO本部前にぶちまけ、交渉の末、GLOが農民らが運んできた籾米112tを総額130万Bで買い取ることに同意した。
農民らは当初、「宝籤は政府の大きな資金源であり、GLOは農民を救済できるはず。」などとして、籾米をぶちまける構えをみせ、GLOに籾米をtあたり1500Bで買い取るよう要求。しかし、返答がなかったことから、籾米をぶちまけ、t当たり1200Bで買い取るか、農民が宝籤に当選するよう細工することを迫った。その結果、3時間に及ぶ交渉を経てGLOは籾米を買い取ることになったもの。インラック政権による悪政策の歪みが頂点に達しつつある。
東部チョンブリー市の地区役場前で手榴弾2発が爆発。建物や自動車が破損した。怪我人はなかった。現場近くでは反タクシン・反政府派の集会が行われていた。
タイ北部チエンマイ市の3ケ所で手榴弾が爆発。4人が怪我。3ケ所は半径5㎞の地区で、警察は「同一犯の犯行の可能性がある。」と見て捜査を進めている。
最初に爆発があったのは反タクシン・反政府派の元上院議員の関連企業が経営するガソリンスタンドで、従業員3人と顧客1人が重軽傷を負った。
2件目はシーフードレストランの駐車場で、自動車3台が破損。
3件目はビール大手ブンロート・ブルワリーの子会社事務所・倉庫。手榴弾2発が撃ち込まれ、このうち1発が爆発。怪我人はなかった。ブンロートはオーナー一族の女性がクルングテープの反政府デモで主導的な役割を果たしている。
03月22日(土)未明クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)近くの路上で乗用車が炎上し、焼け跡からガスボンベ3本などを使った手製爆弾が見つかった。大きな爆発は起きなった。
総合庁舎前では01月から座り込みの反政府デモが続いている。
炎上した自動車の所有者は約1ケ月前に死去し、自動車は路上に駐車されたままだった。近くには反政府デモ参加者の自動車数台も駐車してあった。
02月総選挙を無効とする憲法裁判断を不服とするタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)は、東部チョンブリー県で開催した1万人規模の集会で支持者を前に、「全国規模の抗議活動を04月05日に決行する。」と表明。
UDD首脳はまた、今回のチョンブリー集会の参加者数について、「少なくとも3万人。北部や東北部で開催した集会を大きく上回った。これは、憲法裁の判断に人々が怒っている証し。」しかし、警察発表では参加者数は1万人程度とされている。
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、デモ拠点の都内ルンピニー公園で、「UDDに対抗して「03月29日にこれまでで最大規模の抗議行動に出る。」と宣言。この行動について、ステープ事務局長は、「(やり直し)総選挙に反対し、国民に改革の必要性を訴える絶好の機会。」としている。具体的には、09時30分にルンピニー公園からロイヤルプラザに向けて大規模なデモ行進を開始。このほか、地方の支持者に対しても、それぞれの地元で抗議行動に出るよう呼びかける予定。
03月23日(日)ブア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)と最大の反政府勢力「人民民主改革委員会」(PDRC)がともに大規模な抗議行動を予告していることについて、国家治安委員会(NSC)のパラドン事務局長は、 「対立激化が独立機関への圧力に繋がることを懸念している。」との見方。
パラドン事務局長によれば、「両派間の対立が激化することで、憲法裁判所や、インラック首相の罷免を請求する構えを見せている国家汚職制圧委員会(NACC)など独立機関やその職員が攻撃対象とされることも考えられる。」
03月24日(月)
09時45分頃
民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とするルムピニー公園から出発。スリウォン通、マヘーサク通、シーロム通をデモ行進する予定。
米担保融資制度の不正横行に絡んでインラック首相が職務怠慢に問われている問題で、国家汚職制圧委員会(NACC)が首相の釈明後に首相罷免を請求すると見られていることから、タクシン支持者約50人がこの請求を阻止すべくNACC前に陣取って職員の出入りなどを妨害するという実力行使に出た。
NACCは、03月31日にまでに出頭して釈明するよう首相に求めているが、支持者らは「03月31日までNACCを封鎖する。」としている。通りがかった僧侶が、反政府派の回し者と誤解されて支持者らに暴行され軽傷を負った。
インラック首相が米担保融資制度の不正横行に絡んで停職となる可能性が高まる中、ナタウット副商業相は記者会見で、パラコン枢密院顧問官、プラウィット元国防相、アナン元首相、副首相兼財務相経験者のプリディヤトンとソムキットなどがインラック首相に代る暫定首相に任命される可能性があるとの見方を明らかに。
これら中立の人物を首相に任命することは、反政府派が国家・政治改革先行の前提条件として掲げているもの。このため、ナタウット副商業相による「首相候補者」の発表は、中立の人物を首相に据えることを牽制しようとしたものと見られている。
ナタウットは、政権党プア・タイ党の実動部隊である反独裁民主主義同盟(UDD)の事務局長を務めているが、副商業相の言動からは、政府が暫定首相選出にかかわれずに中立の人物が首相に任免される事態を政府とUDDが強く警戒していることが窺われる。政界観測筋によれば、「国家汚職制圧委員会(NACC)や憲法裁判所などの独立機関の判断によってインラック政権に終止符が打たれて政治空白が生じ、憲法7条に基づいて暫定首相が任命されるというのが、反政府派が思い描いている筋書き。」
なお、タクシン派の現政権も「政治改革を進めるに吝かでない。」としているものの、次の総選挙で勝利して政権の座にとどまることを第一に考えており、公職選挙法改正などを含む政治改革を同派に不利にならないよう自らの手で行うことに拘っている。このため、中立の人物が首相を務める暫定政権のもとで政治改革が行われることは何が何でも阻止しなければならないと考えているようだ。
憲法裁判所は先週末、02月に行われた下院総選挙について、同日に選挙が行えなかったことを理由に、憲法違反で無効とする判決を下したが、インラック暫定政権から批判の声が出ている。 タイ地元紙によると、治安維持本部最高責任者であるチャルームは、「(反政府グループの妨害によって)一部地域で投票が行われなかったことが憲法108条に抵触するとして、選挙を無効とすることは過ちである。」と語った。
チャルームは、今後一部勢力による妨害工作によって、全国の選挙区375区のうち1つの選挙区でも投票が行われなかった場合、総選挙自体が無効となることを批判している。
野党民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は25日、都内をデモ行進。拠点とする都内のルムピニー公園を09時半に出発し、ラーマ4世通、ウィッタユー通、ペチャブリー通、アソーク通、スクムビット通、ラーチャダムリ通を経て、ルムピニー公園に戻る予定。
クルングテープ郊外の汚職取締委員会本部と隣接する政府宝籤局事務所で爆発が起き、建物が破損。怪我人はなかった。汚職取締委に2発、政府宝籤局に1発、グレネードランチャーで手榴弾が撃ち込まれたと見られている。
汚職取締委では今月04日に建物の前庭で手榴弾が爆発したほか、17日にも、近くの民家に手榴弾が撃ち込まれた。汚職取締委は事実上の米担保融資制度をめぐる汚職疑惑について、タクシンの妹のインラック首相らの捜査を進めており、捜査に不満を持つタクシン派が一連の爆発事件に関与した可能性が指摘されている。
03月25日(火)
01時40分頃
都内のサトン通、サラデーン通の路上検問で、拳銃1丁と銃弾を所持したタイ人男(42)が逮捕された。
同じ検問で、24日22時20分頃、モデルガン、ナイフ、トランシーバーを所持していたタイ人男(39)も逮捕された。
現場は野党民主党系の反政府デモが続くルムピニー公園近く。
03時頃ソープランドチェーンの元オーナーでラック・プラテート・タイ(タイを愛する)党党首のチューウィット・カモンウィシット前下院議員が所有する都内スクンビット通ソイ24にあるデービス・バンコクと隣接する商業ビル、24アベニューに銃弾が撃ち込まれ、窓ガラスが割れるなどの被害が出た。怪我人はなかった。
犯人はバイク1台に2人乗りした男2人で、24アベニューの入り口に向け拳銃を3発、デイビス・バンコクのレストラン入り口に向けさらに3発、発砲して逃走。
チューウィットは昨年10月から続く反政府デモで反政府勢力を強く批判しており、これを不満とする反政府派が犯行に及んだ可能性がある。
反政府グループは都内中心部をデモ行進。集会場となってるルンピニー公園の出発し、ラーマ4世通、ウィッタユー通、ペップリー通、アソーク通、スクンビット通、ラーチャダムリ通を移動し、ルンピニー公園に戻る予定。
これを受け、在タイ日本国大使館からも注意喚起が行われている。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)のナタウット事務局長(副商業相)が「反政府派・守旧派が首相に据えようと目論んでいる人物」として9人の名前を挙げたことに対し、そのうちの1人であるプラユット陸軍司令官は「勝手な想像であり、何の根拠もない。」として強い不快感を露わにし、「首相ポストには興味はない。首相就任の打診もない。」と明言。
ナタウットが「首相候補」に言及したのは、「反政府派の推す人物」を首相とする暫定政権のもとで政治改革が推し進められ、タクシン派が次の総選挙で勝利できないことを深く憂慮しているため。」との見方が支配的。
しかし、プラユット司令官は、「ナタウットは、副商業相の職務に専念し、米担保融資制度で農民が米代金を受け取れずに困窮している問題などに取り組むべき。」と反発。
政権党プア・タイ党関係筋は「インラックが首相に返り咲けないことが考えられる。」と、プア・タイ党が次の総選挙でインラックを比例代表名簿のトップとしない可能性がある。」と述べた。
比例代表候補者名簿の第1位は、プア・タイ党が首相に推す人物が選ばれるのが慣例。2011年の総選挙では、比例代表候補者名簿トップのインラックが首相に就任。
だが、同筋によれば、「今回は、プア・タイ党がインラックを名簿トップとしてやり直し総選挙に勝利したとしても、有罪判決などでインラックが首相に返り咲けないことも考えられるほか、タクシン一族への国民の反感が強まっていることもあり、インラック(国外逃亡中のタクシンの実妹)を首相に推さない可能性もある。」
民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は26日、都内をデモ行進する計画。
拠点とするバンコク都内のルムピニー公園を09時半に出発し、ラーマ4世通、パヤタイ通、ペッブリ通、プラトゥーナム交差点、チッロム通、ランスワン通を経て、ルムピニー公園に戻る予定。
民主党系のデモ隊は29日にクルングテープで大規模なデモを予定。その予行演習として、24、25日に都内でデモ行進を行った。ただ、行進の参加者、沿道の支援者の数は、数十万人を動員した昨年12月から今年01月にかけての最盛期に比べ、大きく減少している。
18時半頃クルングテープ都内タウィーワッタナー区にある反政府デモを主導する野党民主党のステープ元副首相の事実婚の妻シーサクン・プロームパンの自宅近くで手榴弾が爆発。爆発は。何者かが300mほど離れたところから、グレネードランチャーを使って爆発物を撃ち込んだものと見られている。特に負傷者は出ていない。爆発物が撃ち込まれたのは、ここ2ケ月で3回目。
シーサクンは民主党の実力者ニポン・プロームパン元農相の妹。テレビ局チャンネル7を運営するバンコク・ブロードキャスティング&TV、アユタヤ銀行、セメント大手サイアム・シティ・セメントなどに出資するタイ屈指の富豪クリット・ラタナラックと結婚、離婚した後、テーチャパイブン財閥のポンテープ・テーチャパイブン(元副工業相)との間に2男1女を設けた。その後、ステープと内縁関係になった。ラタナラック財閥、テーチャパイブン財閥の関係者はステープ率いる反政府デモに参加している。
03月26日(水)インラック首相の停職に伴い設置される可能性のある中立的暫定政権について、タクシン支持団体である反独裁民主主義同盟(UDD)で事務局長を務めるナタウット副商業相は閣僚に起用されるとみられる人物の氏名を明らかに。
さらに、人選は最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)の意向に沿ったものだと批判し、このような暫定政権が誕生すれば、国民の猛反発を招くことになると警告。
同副商業相は先に、インラック首相に代る中立的暫定首相に指名される可能性のある人物の氏名を発表し、これらの人物が反政府派とつながりがあるなどと批判したが、今回の閣僚候補の氏名発表も「根底にあるのはタクシン派つぶし」と訴えることで中立的暫定政権の設置を阻止しようとしたものとみられる。
タクシン派と反タクシン派の最大組織、反独裁民主主義同盟(UDD)と人民民主改革委員会(PDRC)がともに大規模行動を予告していることから、対立が暴力にエスカレートして死傷者が出る事態が懸念されていることについて、プラユット陸軍司令官は「戦って双方に死傷者が出ても誰も得をしない。」などと述べて、「インラック首相と反政府デモ指導者ステープ氏は暴力回避のため譲歩をする必要がある。」との認識を示した。また、「メンバーの勝手な行動が暴力につながることになる。」として、UDDとPDRCに対し支持者たちをしっかり掌握するよう求めた。
このほか、暴力に発展した場合、戒厳令が敷かれる可能性について、プラユット司令官は、「個人的には望まない。戒厳令は副作用の多い強い薬のようなもの。強い薬は処方したくない。強い薬であっても耐性ができてしまえば効果がない。」と述べて、戒厳令が発令されても人々が法に従わなければ意味がないとの見解を示した。
国内最大の商業銀行、クルングテープ銀行のコシット会長は同行主催のセミナーの席上、インラック政権が導入した大衆迎合政策を「タイはこれらの政策のためこの先2年にかけて代償を払わされることになる。」と批判。コシット会長によれば、「タクシン支持者が大多数を占める農民の所得を増やすための米担保融資制度や、初めてのマイカー購入への税優遇措置といった大衆迎合政策は政府の支持率を引き上げるのに役立ったものの、家計債務を膨れ上がらせ、経済の全体的状況の悪化を招く結果となっている。マイカー購入支援は、新車マーケットも中古車マーケットも歪なものにしてしまった。米担保融資制度も国に大きな損失を与えている。」
最大野党の民主党のアピシット党首(前首相、49)が、都内の自宅で転んで左鎖骨を骨折し、ラマティボディ病院に入院して手術を受けた。数日入院する予定。
アピシット党首は、テレビ局チャンネル3の創設44年を祝う行事に出席するために自宅を出ようとした際に転んだもの。当初は軽い痛みだったが、次第に痛みが強くなって耐えられなくなったことから、病院に行ってレントゲンを撮ったところ鎖骨が折れていた。
病院によれば、「全治1ケ月の骨折だが、数日で退院できる。」
民主党チャワノン報道官は、「アピシット党首は足を滑らせ左鎖骨を骨折、病院で手術をすることになった。」と語っている。26日予定されていたアピシット党首のスケジュールは全てキャンセルとなった。
03月27日(木)09時半頃民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は高架電車BTSオンヌット駅を出発。エカマイ通、ペチャブリー通、トンロー通、スクムビット通、プルンジット通、ラチャダムリ通を経て、拠点とするルムピニ公園に戻る予定。
国外逃亡中のタクシンの法律顧問、ノパドン元外相はこのほど、「タクシンがインラック首相に政治の表舞台から一時身を引くよう伝えた。」との一部報道を事実無根と全面的に否定。タクシンに直接確認したところ、「そんなことは指示していない。」との返答。
「インラック首相については、米担保融資制度の不正横行に絡んで訴追され停職となる可能性が高いこともあり、前途多難との見方が出ている。このため、タクシンはインラック首相を含む一族の政治家に対し、1年間政治にかかわらずに休養するよう命じたもの。」という。
だが、パドンによれば、「インラックは民主主義を守るために首相に留まっているのであって権力の座に恋々としているわけではなく、何も悪いことはしていない。一時的に引退する必要もない。」
政府の米担保融資制度の不正横行に絡んでインラック首相が職務怠慢に問われている問題で、国家汚職制圧委員会(NACC)のサンサーン事務局長は、「NACCが出頭・釈明の期限を延長してほしいとの首相側の要請を却下した。」と明らかにけ、「首相は03月31日の期限までに必ず出頭しなければならない。」と明言。
NACCが首相罷免を請求し首相が停職となるのはほぼ確実と見られているものの、それには首相本人から釈明を聞くことが必要。しかし、首相側は、首相停職を回避すべく、「膨大な量の証拠書類を準備するのに時間がかかっている。」などと出頭を先延ばししようとしている。
サンサーン事務局長は、「首相側の要請にはこれまでにも十分配慮してきた。出頭・釈明の期限延長は認めがたい。」
タクシン支持団体の反独裁民主主義同盟(UDD)が「インラック政権の意向に反して憲法裁判所が02月総選挙を無効としたことなどに抗議するため04月05日に全国で行動を起こす。」としていることについて、消息筋は、「タクシン派の幹部らが抗議行動に地方住民を大量動員しようと躍起になっている。これら幹部は、地元に戻っていることについて、『30日の上院議員選挙の運動のため。』などと説明しているというが、地元のリーダーたちに抗議行動への協力を呼びかけることが本当の目的。」
タイで米価格の下落が続いている。タイのインラック政権が事実上の米買い取り制度である米担保融資制度で積み上がった在庫米の処分、現金化を急いでいるため。タイ精米業者協会によると、27日のBグレードの白米100㎏当たりの価格は1120~1140Bと、2013年03月の1600Bから大幅に下落。
米担保融資制度はインラック政権の目玉政策の一つで、政権発足直後の2011年10月に導入。政府が市価の約4割高で米を買い取ったため、米農家には好評だったが、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には1981年以来初めて米輸出世界一の座から転落。また、政府が米の国際価格の上昇を待って売却を遅らせた結果、膨大な在庫が積み上がった。
こうした中、インラック政権は昨年12月、野党民主党が主導する反政府デモに屈して議会下院を解散。政府の機能が選挙管理に限定されたことで、今期の米買い取りに必要な資金薬1300億Bの手当てができなくなった。
政府は銀行融資で買い取り資金の工面を図ったが、国営金融機関の政府貯蓄銀行(GSB)がコメ農家への支払いを担当する別の国営金融機関、農業協同組合銀行(BAAC)に50億Bを融資したことが02月中旬に明らかになると、民主党の地盤であるクルングテープと南部のGSB支店で取り付け騒ぎが発生し、同月17~19日の3日間で軽940億Bの預金がGSBから流出。これを受け、GSBはBAACへの追加融資を中止し、同行のウォラウィット社長は辞任。
政府は03月に入り、政府予算から米買い取りの資金200億Bを捻出。不足分を補うため、在庫米の売却を急いでいるが、結果として値崩れを招き、米農家の生活の圧迫、米担保融資制度による損失の拡大という悪循環に陥っている。
クルングテープ郊外ノンタブリー市のタイ汚職取締委員会本部に手榴弾2発が撃ち込まれ、建物の一部が破損。怪我人はなかった。
汚職取締委周辺で警備にあたっていた軍のバイク3台が銃撃を受け、このうち1台が転倒し、2人が軽い怪我。
 この事件で、警察と軍は汚職取締委周辺にいたタクシン派・政府支持派の男女10人を逮捕。擲弾発射器1丁、擲弾5個、AK47自動小銃1丁、拳銃1丁、手榴弾1個、手製爆弾5個、銃弾などを押収。
汚職取締委では今月04日に建物の前庭で手榴弾が爆発したほか、17日にも、近くの民家に手榴弾が撃ち込まれた。24日には同委と隣接する政府宝籤局事務所に手榴弾が撃ち込まれた。いずれも怪我人はなかった。
汚職取締委は事実上の米買い取り制度をめぐる汚職疑惑について、タクシンの妹のインラック首相らの捜査を進めており、タクシン派・政府支持派から、政権転覆を狙った反タクシン派の策謀だとして批判されている。
03月28日(金)朝野党民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、クルングテープの中華街ヤオワラート通のワットゥク交差点からデモ行進を開始。ヤオワラート通、カオラーム通、マハープッターラム通、チャルーンクルン通、シーロム通、スラウォン通、サトン通を経て、拠点とするルムピニー公園までデモ行進すると予定。
民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は29日、クルングテープで大規模なデモ行進を行う計画。拠点とするルムピニー公園を朝出発し、ラーチャダムリ通、ラーマ1世通、ラーチャプラソン交差点、パトゥムワン交差点、パヤタイ通、シーアユタヤ通を経て、13時頃、ラーマ5世騎馬像前に到着する予定。
クルングテープの西隣ナコンパトム県で53に及ぶ政党の代表がサムプラン郡の警察学校に集まって総選挙のやり直しについて話し合い、早期の総選挙実施を求めてゆくことで意見が一致。
政権党のプア・タイ党の幹部ポキンによれば、「憲法裁による02月総選挙無効の決定が官報で発表されてから45~60日後に総選挙を実施することが必要だが、プア・タイ党を含む53党は、05月初めにも総選挙を実施するよう選挙管理委員会に要請する予定。」
02月総選挙をボイコットした民主党は今回の話し合いに参加しなかった。
警察当局は「タクシン支持者らが国家汚職制圧委員会(NACC)による首相罷免請求を阻止すべく座り込みを続けているNACC本部前の近くでタクシン派の男4人を武器の不法所持容疑で逮捕した。」と発表。
これらの男は、ショットガン、AK47自動小銃、ピストル、手榴弾などを所持していた。NACC本部はクルングテープに隣接するノンタブリー県に位置している。
また、警察は「ノンタブリー県内で藪の中に隠されていた袋から擲弾4発、擲弾を発射するためのグレネードランチャー1丁、手榴弾4個、ピストル1丁などが見つかった。」と明らかに。
27日夜にはNACC本部の敷地内に擲弾が撃ち込まれ爆発する事件が起きており、警察が関連を調べている。
インラック首相が米担保融資制度の不正横行に絡んで職務怠慢に問われている問題で、関係筋は「国家汚職制圧委員会(NACC)がインラック首相の出頭・釈明期限03月31日から10日以内に首相罷免を請求する。」との見通し。請求に伴い首相は職務停止となる。
NACCは、「首相本人の釈明を聞いてから罷免を請求するか否かを決めるとしていたが、首相が正当な理由もなく出頭・釈明を引き延ばしている。」として、先に首相側から出ていた出頭期限の延長要請を却下し、期限の31日までに出頭するよう首相に厳命。
同筋は、「期限が過ぎればNACCはこの事案についていつでも最終判断を下すことができる。10日以内に(罷免請求の)判断が下ることになるだろう。」としている。 一方、インラック首相は、インターネットへの書き込みを通じて、容疑に関連する書類の開示を遅らせて釈明の機会を奪おうとしているなどとNACCを強く批判。
なお、治安当局によれば、「タクシン支持団体の反独裁民主主義同盟(UDD)が04月05日に全国で02月選挙無効の憲法裁判断などに抗議する行動に出るとしているが、UDD支持者がNACCに対し過激な行動をとる可能性もある。」
03月29日(土)反政府派の呼びかけで大勢の市民が都内ルンピニー公園からロイヤルプラザ(ラーマ5世騎馬像前広場)までデモ行進。民主党系の反政府デモは昨年12月には数十万人の動員力があったが、参加者数は、政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CAPO)発表で約3万人。現地報道では約10万人。
ステープ元副首相は国会議事堂で演説し、「選挙の前に政治改革」というこれまでの主張を繰り返し、「タクシンの権力構造を根絶し、政治改革を終えるまで、議会下院を開会させない。「と宣言。民主党は、憲法裁判所の判決で無効となった02月02日の下院選の再選挙を遅らせるよう政府に要求。
ステープは、「議会は再開させない。」としているものの、「国会議事堂を占拠するようなことはしない。」と述べている。ステープは、「議会は再開させない」としているものの、「国会議事堂を占拠するようなことはしない」と述べている。デモ隊はその日のうちにロイヤルプラザからルンピニー公園に引き揚げた。
13時半ごろ、都内のサワンカローク通で手榴弾が爆発し、自動車2台が破損。怪我人はなかった。現場は外務省の裏手で、デモ隊の進路近く。
仏教僧侶ルアンプープッタイサラ僧が率いる反政府デモ隊の別の1団がクルングテープ郊外の汚職取締委員会本部前の政府支持派集会場をブルドーザーなどで取り壊した。政府支持派は投石などで抵抗したが、人数が少なく、押し切られた。
ステープ元副首相はタクシン派インラック政権の退陣と、様々な職種の代表からなる「人民議会」への権力委譲を要求しているが、政府は違憲、違法として応じていない。憲法では首相は下院議員から選ばれると規定されているが、反タクシン派は、選挙妨害で下院の開会を阻止する一方、汚職関連の裁判や議会上院での弾劾などでインラック政権を失職、辞職に追い込み、「憲法の条項に当てはまらない場合には憲法的慣行に従い決定する。」とした憲法条項を使い、非民選政権の樹立を目指している。
民主党の党大会が28日から29日に開かれたが、民主党が総選挙やり直しをボイコットするか否かの発表はなかった。
02月総選挙をボイコットした民主党は、憲法裁が02月総選挙を無効とした直後、「性急な総選挙やり直しは受け入れられない。」としており、「党大会でボイコットが決まる。」との見方も出ていた。だが、総選挙がいつやり直されるか定かでなく、政治状況も予断を許さないことから、民主党は判断を先送りした。
03月30日(日)プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)のナタウット事務局長(副商業相)は、最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長に対し、テレビの生中継番組の中で意見を戦わせることを申し入れた。
ナタウットによれば、「それぞれが主張を展開することで、PDRCが法律を無視して中立の人物を首相に据えようとしていること、政府が民主主義に則って問題を解決しようとしていることが国民に理解されるはず。」、「ステープがアピシット民主党党首を公開討論の場に連れてくることも可能。」と述べている。アピシット党首は先に自宅で転倒して鎖骨を骨折したため入院。
ただ、関係筋によれば、「ステープは、インラック政権が崩壊に近づいていると見ており、この期に及んで政府サイドと話し合いをすることは考えられない。」
上院選挙が30日、実施された。反タクシン・反政府派による投票妨害があった02月02日の議会下院選とは異なり、組織的な妨害はなかった。公式な選挙結果は1週間以内に発表される。
投票率は42.8%で、2008年の上院選の投票率55.6%を大きく下回った。立候補したのは471人で、クルングテープでは強硬な反タクシン派として知られるチャルワン元会計検査院長(68)が55万2530票で圧勝した模様。
上院は定数150。タイの全77都県から各1人を選挙で選び、残る73議席は憲法裁判所長官、最高裁判事、選挙委員会委員長、汚職取締委員会委員長らからなる委員会が選出する。任期は6年。下院議員など政治職に就いている人およびその家族、政党党員は立候補できない。
上院議員の選出委員会は反タクシン派の影響力が強く、公選制の上院議員でタクシン派が多数を占めたとしても、上院全体では反タクシン派が優勢となる見通し。タイのメディアは上院の勢力図について、任命制の議員の大多数が反タクシン派で、全体では反タクシン派80人程度、中立20人程度、タクシン派50人程度と見ている。反タクシン派はこの状況を生かし、上院でのインラック政権弾劾などに動くと見られている。
03月31日(月)任期満了に伴い30日に投票が行われた上院議員選挙で、クルングテープでは反タクシン派として知られたチャルワン元会計検査院長が最多票を獲得。
上院(定員150)は77都県からそれぞれ1人が公選で選ばれ、残り73人が独立機関のトップなどで構成される委員会によって任命。
選管の速報によれば、クルングテープでは約100万人が投票し、チャルワン候補が50万票以上を獲得し当選を確実。関係筋は、「チャルワンは、本人が望めば、上院議長に選ばれる可能性もある。」
米融資担保制度の不正横行に絡んでインラック首相が職務怠慢に問われている問題で、インラック首相は、国家汚職制圧委員会(NACC)が出頭・釈明の期限としていた03月31日、自らNACCに出向いて口頭で釈明し、釈明の文書を提出。NACCに対し、新たに証人10人から聞き取りを行い、追加の証拠書類の提出を受け付けるよう要請。
NACCは、首相出頭のあるなしにかかわらず期限から約10日以内に首相罷免を請求すると見られていたことから、今回の新たな要請は、請求の決定を遅らせるための時間稼ぎとの見方が支配的。この要請について、NACCは04月01日にも受け入れるか否かを検討する予定。
スラポン副首相兼外相は、上院議員選挙の投票(30日)が問題なく実施できたことを理由に、中央選挙管理委員会に対し、やり直し総選挙を04月中に実施することを決め、これをタイ正月のソンクラン(04月13日)までに発表するよう求めた。
「総選挙を遅延なく実施することは、諸外国とりわけ欧州連合が強く求めており、また、政府も総選挙実施のための勅令の発布、予算の割り当ての準備が出てきている。」という。
だが、反政府派は、「政治改革を行う前に総選挙を実施することは認められない。」との姿勢を変えておらず、早期の総選挙実施を妨害する行為に出るのは必至。また、最大野党・民主党の広報担当、チャワノンは、「改革について議論したり、総選挙を公正に実施するために国民に受け入れられる条件を設定したりする必要がある。」として、総選挙を6ケ月程度先延ばしし今年後半に実施することを政府に提案。チャワノンによれば、「30日投票の上院選挙では、『誰も選ばない』を選んだ票や無効票が多かったが、これは、有権者の多くが政治に失望している証しであり、早急に国家・政治改革に取り組む必要のあることを物語っている。」
国家公安委員会(NSC)事務局長の人事が違法とされた問題で、憲法裁判所が04月02日にもインラック首相の責任に関する訴えを受理するか否かを決定する見通し。訴えが受理され、「首相に責任あり」との判断が示された場合、首相を含む全閣僚が職務停止とされ、コメ質入れ制度に絡んで首相が停職となるより先に現政権に終止符が打たれる可能性がある。事務局長人事は首相が承認したものだが、先に最高行政裁判所によって違法とされた。
これを受けて上院 議員グループが首相の責任を追及すべく憲法裁に提訴。米融資担保制度の 事例では、国家汚職制圧委員会(NACC)が首相罷免を請求。上院が承認。裁判所 が罷免を決定という手続きを辿る見通しだが、人事問題については、上院は関与しないため、早期に全閣僚が職務停止となることが考えられる。
反政府デモを率いる野党民主党のステープ元副首相がタイのファッション誌「リップス」2月号(03月16日発売)の表紙を飾った。リップス誌の販売部数は通常、3万~5万部だが、「ザ・パワー・オブ・チェンジ」と銘打ち、ステープ元副首相のインタビューを掲載した2月号は20万部以上を売り上げる大ヒットとなった。
クルングテープでの反政府デモは上流層、中産階級の支持を集め、数十万人規模の動員力がある。一流大学やメディアの関係者は大多数が反政府デモの支持者。
右手で白いドレスの女性の腰を抱いた黒いジャケットに蝶ネクタイ姿の渋い中年男性。左腕には腕を絡ませて反対方向に連れて行こうとする黒いドレスの女性。
反政府系の週刊紙「ASTVプーチャッカーン・ラーイサパダー」の03月29日-04月04日号の表紙を、タイの政治対立を茶化した合成写真が飾った。男女の三角関係を描いたタイの人気テレビドラマ「サーミー・ティートラー」のポスターの顔を入れ替えたもので、男性はプラユット陸軍司令官、白いドレスの女性はインラック首相、不気味な黒いドレスの女性は反政府デモを主導するステープ元副首相の女装姿。ステープ元副首相は軍事クーデターによるインラック政権の転覆をプラユット司令官に働きかけているとされるが、プラユット司令官はインラック首相寄りだと暗示。
控訴裁判所が28日、2013年03月に行われたクルングテープ都知事選挙のやり直しを求めるタイ選挙委員会の訴えを受理したため、規定により、スクムパン都知事は31日から判決が出るまで休職となり、プサディー副都知事が職務を代行。
選挙委は今月11日、都知事選でスクムパン都知事の陣営が他の候補者について誤った情報を伝えたとして、控訴裁判所に選挙のやり直しを命じるよう要請することを決定。5人の委員のうち3人が選挙のやり直しを支持。
選挙委は選挙違反の具体的な内容を明らかにしていないが、タイのメディアは、スクムパン都知事が所属する野党民主党のステープ元幹事長(元副首相)らが都知事選の応援演説で、「タクシンがタイの政体を王国から大統領制の共和国に変更することを目指しているなどと発言したことを問題視した。」と報じた。ステープ元幹事長は昨年10月から続く大規模な反タクシン・反政府デモの指導者。
2013年の都知事選では2選を目指したスクムパン都知事が125.6万票を獲得し、当選。タクシン派与党プア・タイ党が擁立したポンサパット麻薬取締委員会事務局長は107.8万票で2位。
クルングテープ都知事は任期4年で、月給11万3560B。タイの77都県中、県知事が公選制なのはクルングテープだけで、残る76県の知事は内務省から派遣される官僚。

* スクムパン・ボリパット
1952年生。タイの王族で、チュラロンコーン大王の曾孫に当たる。英オックスフォード大学で政治学、経済学の学位を、米ジョージタウン大学で国際関係学の修士号を取得。チュラロンコーン大学准教授、チャチャーイ首相顧問(1988~1989年)などを経て、1997~2001年、チュワン民主党政権で副外相。2009~2014年、クルングテープ都知事。
04月01日(火)民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園からトラック、バスなどで郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)に向かい、公務員に対し、反政府デモ隊側につくよう呼びかけた。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)のチャトポン議長は、「UDDが政府を支持し、反タクシン的な独立機関を非難するための集会を05日からクルングテープ都タウィワタナ区ウタヤン通(アカサ通)で行う。」と明らかに。集会に50万人以上が参加するとの見通しを示した。
UDDが大規模集会を予定している場所はクルングテープの最西端で、反政府派がデモ拠点を構えている都心からは20~30㎞ほど離れている。
チャトポンによれば、「全国から集まった政府支持者たちはウタヤン通に2、3日留まる予定であるが、クルングテープ中心部に移動することはない。」
14時半頃クルングテープ郊外ノンタブリー県の高速道路上で、バスなどで移動していた反政府デモ隊が銃撃を受け、警備担当者の男性(52)が頭部を撃たれて死亡、4人が怪我。
銃撃を受けたのは都内の首相府周辺で座り込みのデモを続けている一派。01日は他のデモ隊とともにクルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)で集会を行った後、集会を行った後、政府庁舎(首相府)近くの拠点に戻る途中だった。デモ隊の関係者によれば、高速道路沿いの建物から何者かが発砲したものと見られる。
また、インターネットに「政府支持派が高速道路で待ち伏せ攻撃を計画している。」との書き込みがあったことから、反政府デモ隊は先遣隊に高速道路を偵察させて安全を確認してから帰途に就いた。事件発生後、同一人物とみられる者が、「私が朝から高速道路を使わないよう警告していた。私は関与していない。」と書き込みをしているのが確認された。
中央選管のプチョン事務局長は、「政治的混乱が続くようなら、総選挙は最長で5ケ月延期される」と述べた。憲法裁が先に02月総選挙を無効としたことから、新たに総選挙を実施することが必要となっているが、政府側は可能な限り早期に総選挙を実施するよう求めている。だが、プチョン事務局長によれば、 「総選挙実施のための勅令の準備に30日程度必要で、また、勅令発令から60日以内に総選挙を実施することになるものの、選管の権限で勅令発令を120~150日延期することが可能。」という。
また、プア・タイ党を含む53党が、「02月総選挙無効の憲法裁判決の発表から60日以内に総選挙を実施しなければならない。」と要求していることについて、プチョン事務局長は、「与党側が指摘している『60日以内』というのは、勅令発令から60日以内ということであり、勅令発令に関しては選管に権限がある。」と述べ、「与党の要求には法的根拠がない。」との見方。
上院議員選挙の結果について、関係筋はこのほど、「当選を確実にした候補の過半数が政府寄り。」との見方を明らかに。上院議員は77人が77都県からそれぞれ1人選出され、残り73人が選考委員会によって任命される。任期は6年。77人を選ぶための投票が03月30日に行われ、各都県で最多票を獲得した候補が選管の当選認定を待っている状態。同筋は、「77人のうち少なくとも40人は政府寄り(タクシン派)、20人が反政府派(反タクシン派)、残り17人はどちらの派か不明。」
04月02日(水)民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、都内ラーマ6世通の財務省前に集結。財務省の職員に対し、反政府デモ隊側に加わるよう呼びかけた。職員の一部はステープ元副首相と門扉の鉄格子越しで記念撮影。
反タクシン・反政府派が司法と議会上院を使い、タクシン派インラック政権の追い落としを急いでいる。政権側は権力基盤である議会下院を反タクシン派による選挙妨害で開会することが出来ず、窮地に追い込まれた。
憲法裁判所は、2011年にインラック首相が当時のタウィン国家公安委員会(NSC)事務局長の違法人事に絡んでインラック首相の解任などを求めるパイブーン上院議員の訴えの受理を決定。憲法違反と認められればインラック首相は失職する見通し。判決は早ければ3週間ほどで下ると予想される。これで、米担保融資制度の不正横行に絡んだ職務怠慢問題で首相が罷免となる前に、NSC幹事長の人事問題で首相が失職し現政権が崩壊する可能性が出てきた。
インラック首相が承認したNSC事務局長の交代は、インラック首相の兄、タクシンの元妻ポチャマンの兄を警察庁長官に任命することに備えたものとされ、最高行政裁判所は先にNSC事務局長人事を違法と判断。タウィンの異動はインラック首相の元義兄にあたるプリアオパン副警察長官を警察長官に昇進させた人事の玉突きで、これにより当時のウィチアン警察長官がNSC事務局長に転任し、タウィンがポストを失い首相顧問に異動。タウィンは異動後、「不当な人事だ。」としてNSC事務局長への復職を求める裁判を起こし、勝訴。今年03月25日にNSC事務局長への復職が閣議決定された。これを受け、パイブーン上院議員のグループが「NSC事務局長人事は憲法違反。インラック首相は失職。」などとする訴えを憲法裁に起こしていた。
インラック首相は事実上の米買い取り政策である米担保融資制度をめぐる汚職疑惑でも職務怠慢の疑いで取り調べを受け、03月31日、汚職取締委員会に出頭。汚職取締委はまた、「昨年国会で可決された憲法改正案の審議の進め方に憲法違反があった。」として、同日、ソムサック前下院議長を訴追。ソムサック前議長は上院で弾劾に掛けられる。憲法改正案は約半数が任命制となっている上院を全議席公選制に変更する内容で、憲法裁が昨年11月、「違憲な方法による権力の掌握を禁じた憲法68条に違反する。」などとして、違憲の判断を下した。
憲法裁による訴え受理の決定について、チャトロン教育相は、「憲法裁の判決が現政権にとり致命傷となる恐れがある。」と述べている。
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長が政府に仕えるのを止めて反政府派を支持するよう軍部に要求したことに対し、プラユット陸軍司令官は、「悪いことをするよう求めないでほしい。私は職務を果たさなければならない。」と述べ、立場上現政権を無視することはできないと力説。
ただ、「時が来たら、正しいか間違っているか、受け入れられるか否かを判断する。」と述べ含みを残した。
また、02日昼に国軍首脳が集まって話し合いをしたことで「何か重要なことが協議されたのではないか」といった見方が出ているが、同司令官は、「国軍に関する話をしただけ。政治状況に関しては国軍首脳は毎日意見を交わしている。」と憶測を否定。
憲法裁判所は、反政府デモを違憲としてその禁止を求める訴えを却下を決定。
訴えを起こした、政府の治安対策本部の最高責任者、チャルーム労相は、「デモは平和的でなく、武器も使われており、憲法63条に抵触する。反政府派は政権転覆を目論んでいる。」などと主張。
だが、憲法裁は、「デモ隊が道路を占拠したり、政府の建物に入り込んだり、総選挙を妨害したりしているものの、違反者にはすでに法的措置が執られており、訴えは根拠に欠ける。」と判断。
04月03日(木)午前民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、都内シーアユタヤ通の外務省前でデモを行い、シーアユタヤ通の一部車線が一時通行できなくなった。デモ参加者は数百人で、外務省職員に対し、職務を停止するよう要求。その後、サムセン通のタイ中央銀行前に移動し、一部の中銀職員らとともに昼食をとった。
ステープ元副首相らは04日も、政府機関前でデモを行う予定。また、クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前を拠点とするデモ隊の別の一派は04日、王宮前広場に行進する予定。
違法人事や米融資担保制度の不正横行に絡んでインラック首相が失職となる可能性が高まっていることについて、チャルーム労相は、「首相失職なら、副首相が新政権誕生まで首相代行を務める。」と述べ、反政府派などが求める「憲法7条に基づいた中立の人物の首相起用」にあくまでも反対する考えを再確認。
憲法7条は、「憲法で対応できないケースは、国王を君主とする民主的政権において合憲的手続きに則って決定される。」と規定しており、反政府派などは、同条に基づいて中立の人物を首相に任命し、中立的な暫定政権を樹立するよう要求。
だが、チャルム労相は、昨年12月の下院解散に伴い下院議員は存在しないものの、「憲法は『下院議員から首相を選ぶ。』と規定しており、7条を適用して(中立的人物を)首相を任命するのは論外。」としている。
関係筋によれば、「反政府派が中立の人物を首相とする中立的暫定政権の樹立を求めているのは、中立政権のもとで公職選挙法改正などを含む政治改革を進め、次期総選挙でタクシン派の勝利を阻止してタクシン派の政権担当に終止符を打つことが狙い。これを回避すべくタクシン派が自らの正統性をアピールして政権の座にとどまり続けようと躍起になっているのが現状。」
刑事裁判所は、人民民主改革委員会(PDRC)や関連団体の幹部18人の逮捕状の取り消しを命じた。逮捕理由は非常事態宣言違反だったが、非常事態宣言は03月に解除されており、裁判所は、「逮捕状は無効」と判断。これら幹部らは他の容疑でも逮捕状が出ているが、それは現在も有効。
スラポン副首相兼外相は、「憲法裁判所が違法人事でインラック首相を失職とした場合、赤服軍団が過激な行動に出る恐れがある」と述べた。
タクシン派のシンボルカラーは赤。反独裁民主主義同盟(UDD)のメンバーなどタクシン支持者は赤服を好んで着用としていることから「赤服軍団」と呼ばれている。
スラポンは、「政治空白(首相失職)は健全なものではなく、混乱が必ず伴う。わたしは暴力を煽るつもりはない。だが、人々(タクシン支持者)は圧力を感じており、タイ人のほとんどが短気であることから、混乱がいつ起きてもおかしくない。裁判所を脅しているのではなく、事実を言っているだけだ。」と述べている。
なお、タクシン支持者は反タクシン派に比べて過激な行動に出ることが多いとされるが、「支持者の一部に過激な行動をとらせるのがタクシン派の常套手段」との指摘もある。
親政府派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)による大規模集会を控え、在タイ日本国大使館から注意喚起。
反独裁民主戦線(UDD)による集会の実施について(2014年4月3日現在)

1 報道等によれば,反独裁民主戦線(UDD:通称「赤シャツ・グループ」)は,以下のとおり,集会を予定しており,集会及びその周辺で,不測の事態発生の可能性も排除されないので,出来るだけ,近付かないように注意して下さい。 ●日  時:4月5日(土)~7日(月)(※予定)
●場  所:バンコク都タウィーワッタナ区
 (ナコンパトム県とバンコク都との境界;アクサ路とプッタモントン4路との交差点周辺)
●規  模:数万人が参集する可能性有り

2 反政府勢力も,ルンピニ公園をはじめ,首相府,ガバメントコンプレックス,内務省等において,引き続きデモ等抗議活動を継続しています。また,4月1日午後には,反政府勢力のデモ車列に対して銃撃があり,死傷者が出ています。

3 これまでも反政府勢力の政治集会,デモ及びその周辺で,爆発,発砲事件,治安当局等との衝突により死傷者が出ています。今度とも,不測の事態発生の可能性も排除されないので,これらの集会デモに出来るだけ近付かないように注意するとともに,大使館からのお知らせや報道等を通じて,最新情報の入手に努めて下さい。

(問い合わせ先)
○在タイ日本国大使館領事部
電話:(66-2)207-8502,696-3002
FAX :(66-2)207-8511
04月04日(金)反政府デモ隊は、ラーチャダムヌンノーク通の教育省前とタマサート大学で反政府集会。人数は2ケ所とも数百人。
04月05日(土)未明ドゥシット区のラーマ5世騎馬像前広場近くで爆弾が爆発し、警察のレッカー車が破損したほか、パールサカワン宮殿の窓ガラスが割れた。怪我人はなかった。
プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)の呼びかけのもと、クルングテープ都西端タウィーワタナー区のウタヤーン通(アカサ通)で、05日から反政府派に対抗してインラック政権への支持を表明するための集会が開かれ、大勢の支持者が参集。だが、参加者数は、チャトポンUDD議長が先に豪語していた「50万人以上」には遠く及ばなかった。ティーダ前UDD議長は、「約30万人が集まった。」と主張しているが、集会場の警備に当たっている軍当局は、「約3万5000人」。関係筋によれば、「集会場とされたウタヤン通は面積が約12万㎡。最大でも24万人程度しか収容できない。05日は集会参加者が通りの一角を占めていたに過ぎなかった。」
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、デモ拠点のルンピニー公園で、全国の支持グループの代表らと話し合った後、支持者らを前に「独立機関の判断が示されたら、PDRCは最後の大規模行動に出る。この行動は少なくとも15日間に及ぶ。」と宣言。
「独立機関のうち国家汚職制圧委員会(NACC)が近く米融資担保制度の不正横行に絡む首相の職務怠慢問題で首相罷免を請求し、憲法裁判所も近く違法人事で首相失職の判決を下す。」との見方が強まっている。
だが、その場合でもインラック政権は、「政権の座に留まるために政府主導で後任首相を選出する。」としていることから、PDRCは同政権にとどめを刺すべく最後の戦いに打って出ることにしたもの。
インラック政権が司法判断で崩壊した後、非民選首相の任命をプミポン国王に求める考えを明らかに。また、様々な職種の代表からなる「人民議会」を発足させ、憲法と関連法の改正を行うというこれまでの主張を繰り返した。
また、「08日から、首相府と内務省を除く政府機関の再開を認める。ただし、閣僚の登庁は認めない。」と発表。
クルングテープ首都圏では首相府、教育省、総合庁舎の一部などが反政府デモにより長期間閉鎖されている。
クルングテープ都ドゥシット区の反政府集会場近くで、バイクでパトロール中の兵士2人が銃で胸などを撃たれ負傷。現場はベンチャマボピット寺の裏手。治安当局は「反政府集会の参加者が発砲した。」と見ている。
04月06日(日)タクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)のタウィーワタナー区のウタヤーン通(アカサ通)で政府支持集会の06日の参加者は警察の推定で約6万人。集会は07日まで行われる予定。
UDDとタクシン派与党プア・タイ党は「反タクシン派が司法を使ってタクシン派インラック政権を転覆させ、非民選政権を樹立しようとしている。」と主張。
インラック首相は事実上の米買い取り制度である米担保融資制度をめぐる職務怠慢容疑と2011年に当時のタウィン国家安全保障会議(NSC)事務局長を首相顧問に異動した人事で追及を受けている。米担保融資制度では上院での弾劾、人事問題では憲法裁判所の判決で、首相の座を追われる可能性があり、いずれも04、05月中に決着する見通し。弾劾もしくは憲法裁判決でインラック政権の全閣僚が失職した場合、反タクシン派が政権を奪取する可能性が高い。現行憲法では首相は下院議員から選ぶと規定されているが、02月に行われた下院選は反政府デモ隊の妨害により一部の選挙区で投票が行えず、これを理由に憲法裁が無効の判決を下した。再選挙のめどは立っておらず、当分は下院不在の状態が続く。
一方、議員の約半数を選挙で、残りを憲法裁長官らによる委員会が選ぶ上院は03月30日に選挙が行われた。委員会のメンバーの多くが反タクシン派のため、「上院議員の過半数は反タクシン派が占める。」と見られる。
民主党のチュティ幹事長は、「選挙が公正で選挙運動を安全に行えることが民主党がやり直し総選挙に候補を擁立する条件。」と明らかに。
だが、この条件が満たされるのがいつになるか定かでないため、関係筋は、「態度保留を再確認したに過ぎない。」 チュティ幹事長によれば、「憲法裁など独立機関がインラック政権に不利な判断を示し、インラック政権に終止符が打たれるとの見方が出ていることから、これを阻止すべくタクシン支持団体の反独裁民主主義同盟(UDD)が攻勢に出る構えを見せている。このため、民主党から立候補する可能性のある者の多くが、クルングテープ、南部、中部の一部を除く地域で安全に選挙運動を行うのは難しいと感じている。」
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長が先に、「国家汚職制圧委員会(NACC)もしくは憲法がの判断を示した時点で、インラック政権の息の根を止めるべく大規模行動に打って出る。」と表明したことに対し、タクシン支持団体の反独裁民主主義同盟(UDD)のチャトポン議長は、「PDRCの大規模行動と同じ日にUDDもクルングテープで大規模行動に出る。」と宣言。
ただ、「UDDはPDRCと同じ場所では大規模行動を行わない。」チャトポンはまた、「(PDRCに対抗した)大規模行動には50万人が参加する。」と豪語。しかし、都内タウィーワタナー区のUDD集会についてもチャトポンは「50万人が集まる。」と豪語していたが、参加者数は初日05日が約3万5000人(軍の警備担当者)、06日も4万人程度(新聞報道)に止まっている。
04月08日(火)反政府デモを指導するステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長が「(インラック首相が停職もしくは失職となった場合)国民が主権を取り戻すのであり、私が自ら新首相任命への国王陛下のご承認を求める。」と述べたことに対し、インラック首相は、「誰もが法に従わず、思いのままに内閣や立法機関を設置できるなら、その国は国際的に認められない。」として、「暫定首相の選出にステープが関わることは違法であり、容認できない。」との考えを明らかに。
インラック首相はさらに、プラユット陸軍司令官の姿勢に言及し、「治安対策では誰でも平等に扱わなければならない。司令官の心は決まっているのだろうから、あえて質問はしない。」と述べ、ステープに何らかの措置を執ることを促した。 関係筋によれば、軍部は先にタイ北部の分離独立を呼びかけたとしてタクシン派の関係者に法的措置を執ったが、インラック首相は、ステープにも同様の対応を軍部に求めたものという。
ただ、軍関係筋は、「ステープの場合は、発言のみに止まっており、実行に移されるという具体的な兆しもない。この段階で軍首脳部が何らかの措置を講ずることは考えにくい。」
中央選管は、03月30日に投票が行われた議会上院(定数150、うち公選77)の選挙の当選者58人の当選を認定。プチョン中央選管事務局長によれば、「これら58人は選挙違反の訴えがなかったことから当選となった。残り19人については、合計44件の訴えが寄せられており、選挙違反の有無を調査中。選挙結果は04月29日までに確定する。
当選がお預けとなったのは、クルングテープ都で最多票を獲得したチャルワン元会計検査院長、中部サムットプラカン県の政財界を牛耳るアサワヘーム家出身で同県から出馬したワラポン・アサワヘームら。チャルワンは、「上院議長の最有力候補」との見方もあるが、4件の訴えがあり、まだ当選認定とはなっていない。
上院は定数150で、タイの全77都県から各1人を選挙で選び、残る73議席は憲法裁判所長官、最高裁判事、選挙委員会委員長、汚職取締委員会委員長らからなる委員会が選出する。任期は6年。下院議員など政治職に就いている人およびその家族、政党党員は立候補できない。
反タクシン・反政府派による投票妨害があった02月02日の議会下院選とは異なり、上院選で組織的な妨害はなかった。投票率は42.8%と、2008年の上院選の投票率55.6%を大きく下回った。
タイのメディアは選挙、選出後の上院の勢力図について、選出制議員の大半が反タクシン派で、全体では反タクシン派80人程度、中立20人程度、タクシン派50人程度とみている。タイの国会は上下両院の2院制だが、下院は反タクシン派の選挙妨害で開会できるめどが立っておらず、当面、上院だけの状態が続く見通し。下院を権力基盤としてきたタクシン派・現政権は窮地に立たされている。
中央選管は、軍部や警察と現状について協議した結果、「プア・タイ党などが求める45~60日以内の総選挙実施は不可能。」との決定を下した。
プチョン中央選管事務局長によれば、協議では、「『政治的混乱に終止符を打つため可能な限り早期に総選挙を実施すべき』との点で意見が一致したものの、『対立が存在する状態で総選挙を実施しても失敗に終わりかねない。』との結論に至った。」
やりなおし総選挙は、02月総選挙が反政府デモ隊の妨害で成立せず憲法裁が無効としたことから実施されることなったものだが、反政府派は、「政治改革が先」との姿勢を変えておらず、総選挙が早期に実施されれば再び妨害に出る構えを見せている。
18時頃都内の内務省前の反政府デモ会場で爆弾が爆発し、男性2人(51、36)を怪我をして病院に搬送された。バイクに2人乗りした男が手榴弾を投げたと見られている。
都内ラーマ3世通のバンコク・ネイル&ワイヤ社の鉄工所で爆発。建物の屋根や壁が壊れるなどした。警察はラーマ3世通からグレネードランチャーで手榴弾4発が撃ち込まれたと見て捜査を進めている。現場近くにはバンコク銀行の研修施設がある。
04月09日(水)午前クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前で座り込みを続けている反政府デモ隊の一派はバス、トラックなどで都内ラーマ6世通の財務省前、ラチャダピセーク通の刑事裁判所前などにデモ行進。
野党民主党のステープ元副首相が率いる都内のルムピニー公園を拠点とする反政府デモ隊は、バス、トラックなどで都内ラチャダームヌン通の国防省にデモ行進。デモ隊が移動に利用した高速道路、一般道では渋滞が発生。
ステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長は、「ソンクラン祭(04月13日)を挟んだ期間、12~15日 はデモ行進を行わない。」と発表。ステープ事務局長は、ニパット国防事務次官と会談し、ここでニパット事務次官が「ソンクラン祭の期間中は(デモ隊などの)警備に当たる兵士が足りなくなる。」と懸念を表明。これを受け、PDRCはソンクラン期間中にデモ隊を大量動員した行動を行わないことに決めたもの。
ステープは、 「ソンクラン祭にはデモ行進をしない。兵士も警官も休むことができる。」と述べている。
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長が先に法務省を訪れ事務方のトップである法務事務次官と対談したことなどを受けて、 政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CMPO)は、「公務員が仕事場を離れて反政府派幹部と話し合うことなどを禁止する。」と発表。
その理由としてCMPOは、「公務員は中立の立場を貫き、反政府勢力の圧力を跳ね返さなくてはならない。」と説明。
PDRCは公務員に反政府活動に参加するよう呼びかけるため、これまでに複数の政府機関にデモ行進を行っているが、関係筋によれば、「CMPOは『公務員が反政府派を支持し、インラック政権が孤立を強めている。』と受け取られるのを嫌い、公務員と反政府派の接触を禁止したもの。」
反政府デモ指導者のステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長が「インラック首相が失職となったら、国民に主権が戻る。」などと述べたことが波紋を広げる中、プラユット陸軍司令官は、「ステープ氏の発言についてはさまざまな解釈が出ているが、もし違法なら支持することはできない。訴追されなければならない。」と明言。
ステープは先に「インラック首相が失職か停職になった場合、主権は国民に戻るため、私が国民を代表して暫定首相の任命と暫定議会の設置に国王陛下のご承認を求める。」と述べたもので、政府やタクシン支持団体の反独裁民主主義同盟(UDD)は、「反逆罪に当たる。」と強く反発。
ただ、プラユット司令官は、「首都圏に国内治安法が適用されているにもかかわらず、PDRCもUDDも大規模行動などを行っている。反政府派のみならず政府支持派にも同調できない。」
04月10日(木)朝民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園を出発し、郊外のノンタブーリ県パクレットの農業協同組合省灌漑局事務所前で集会を行った。ステープ元副首相はその後、事務次官ら農業協同組合省幹部と昼食をともにし、反政府デモ隊への支持を訴えた。ステープ元副首相は今週に入り、法務省、国防省の事務次官と会談している。
09時頃ルムピニ-公園前のオフィスビル「Qハウス・ルムピニ」前の地下鉄MRTルムピニー駅出口で不審物が見つかった。警察が周辺を立入禁止にし、不審物を確認したところ、使用済みのトナーで、爆発物ではなかった。
プレム枢密院議長は、「政府と反政府派の話し合いを実現するための仲介役を引き受けるつもりがあるか。」との報道陣の質問に対し、「彼らが私の話を聞くと思うか。」と述べ、 否定的な考えを明らかにした。
陸軍司令官や首相を務めたプレムは、タクシン派に批判的とされるものの、今でも軍部内に信奉者が多く、インラック政権も一目置いている。このため、プレムの計らいでインラック首相とステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長の対話が実現できるのではないかとの意見も出ている。
だが、そのプレムも、「自分が出て行っても事態は好転しない。」と感じているようで、関係筋は、「タイの政治がどうにもならない八方塞がりに陥っていることを物語っている。」
警察が不敬容疑のタクシン派幹部2人の行方を追っていることについて、アドゥン警察庁長官は、2人が国外に逃亡した可能性があることから、近隣国の警察に居場所を突き止めるよう協力を要請したことを明らかに。
また、この問題をプラユット陸軍司令官と話し合ったことも明らかにした。容疑者のうち1人はすでに逮捕状が出ており、もう1人も11日には逮捕状を請求する予定。
一方、最大野党の民主党は、 「容疑者の1人を警察幹部が匿っている。インラック政権になってから関係当局がとりわけタクシン派関係者の不敬行為を野放しにしている。」と厳しく批判。
なお、タクシン派は強く否定しているものの、タクシン派は王室に対する姿勢などで度々批判を受けており、タクシン派・インラック政権に 反対する動きが拡大する一つの要因ともなっている。
反政府デモ指導者のステープが複数の政府機関を訪れて官僚と話し合いをしていることから、政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CAPO)が先に公務員が反タクシン派と会うのを禁止。だが、水利局の関係事務所を訪れたステープを職員らが歓迎し、また、農業事務次官とも話し合いを行った。
インラック政権は反政府派を「民主主義のルールを無視する輩」と非難しているものの、タクシン派に反感を抱き、反政府派を支持する公務員は少なくない。
東北部ウドンタニー県のタクシン支持団体幹部によれば、タクシンは香港でソンクラン祭を祝う予定。このため、複数の前プア・タイ党議員などが香港を訪れる見通し。
なお、タクシンは、在任中の汚職(職権乱用)で有罪が確定しており、帰国すればすぐに捕らえられることになるが、判決を「政治的なもので不当。」として刑に服すことを拒んで国外逃亡を続けている。
22時45分頃クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前の反政府デモ会場近くで爆発があり、デモ参加者のタイ人男性(27)が怪我をして病院に搬送された。現場はタイ国営通信会社CATテレコムのオフィスビル前。警察はグレネードランチャーで手榴弾が撃ち込まれたと見て捜査。
04月11日(金)民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園から郊外のノンタブリ市の保健省までトラック、バスなどで行進。その後、省内に入り、事務次官を含む同省職員約1000人が、同省を訪れた反政府デモ指導者のステープを暖かく出迎え、事務次官らと会談。
政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CAPO)は、「公務員は職場を離れて反政府派と会ってはならない。」との禁止令を出しているが、これが完全に無視された格好。
ステープと会談したナロン保健事務次官は、記者の質問に対し、「国のために意見を交換するのは悪いことではない。」と述べている。
ステープは今週に入り、法務省、国防省、農業協同組合省の事務次官と会談している。
在タイ米国大使館が、YouTubeの公式チャンネルにてソンクラーン用に作った動画「スック・サン・ワン・ソンクラーン」を公開して話題になっている。この動画は、クリスティー・ケニー大使をはじめ関係者が、ソンクラーンをタイ式で踊りながら挨拶を行うというもの。クリスティー・ケニー大使は、Twitterなどのソーシャルメディアを駆使して、様々な出来事を配信したり広報活動を行うなど、度々メディアを賑わせている。
http://www.youtube.com/watch?v=fuc8Bt8hGu4

この女大使は、タイが好きではしゃいでいるという所がありありと見て取れる。ケネディー家の馬鹿娘の在日大使よりは好感をもてるが、なんかタイを見下しているようで不快。タイの大使がダメリカのクリスマスにサンタか七面鳥の扮装で踊ったらダメリカ人は喜ぶとでも思うのか?ダメリカはそうでなくてもオバマなんかのせいで存在感なんかないのだから、身を慎めよ。支那の東南アジアへの侵略を食い止めないと、ダメリカなど居場所がなくなると考えないのか。戦争しかない野蛮人なんだから、空母とF22を使って踊れよ。
04月12日(土)チャイカセム法相が11日、「憲法裁判所が違法人事でインラック首相を失職とする判決を下した場合、憲法7条に則って国王の判断を仰ぐよう政府に要請する。」と述べたことに対し、民主党などが「政治危機に国王を巻き込むもの。」などと強い反発を示している。
民主党幹部のウィラットは、「形勢逆転の試みに過ぎず、受け入れられない。」と反発。また、プア・タイ党も、各方面から批判が浴びせられる可能性を危惧してか、「チャイカセム法相の個人的見解」と距離を置く姿勢。
香港のワインショップでカムロンウィット首都圏警察長官がタクシンの手に鍼療法を施しているところとされる写真をタイ字紙が紙面に掲載。これに対し、反タクシン派などから厳しい批判の声が上がっている。
タクシンは首相在任中の汚職(職権乱用)で有罪が確定した犯罪人だが、判決を不当とし帰国して刑に服すのを拒み、国外逃亡を続けている。また、インラック政権がタクシン派であることから、警察当局もタクシンを捕らえて刑に服させることに消極的とされ、反タクシン派の反発を買っている。
民主党のアピシット党首は、「写真を見て最初は首都圏警察長官がタクシンに手錠を掛けようとしていると思ったが、鍼療法をしているとわかり驚いた。これは、制度が歪められ、義務・権限のある者が法と倫理を無視し、対立が生じているという現在の問題を示す1つの例だ。」と批判。
これに対し、チャイカセム法相は、「香港ではタイの警察に逮捕権はない。首都圏警察長官の行為に問題はない。」と言ってのけた。また、「長官がタクシンと会ったのは適切だったか。」との質問には、「タクシンに会ったのは彼だけではない。長官の説明を聞いてから判断すればよい。」とだけ返答。
なお、関係筋によれば、タクシンは、04月09日にシンガポールから香港に入っており、香港でソンクラン祭を祝う予定。
04月13日(日)中央選管は、やり直し総選挙で再び立候補受付が妨害されることがないよう現在対策を検討中。02月総選挙は、南部8県の28選挙区で反政府デモ隊による妨害のため出馬予定者が立候補届出をすることができなかったことなどで結局、憲法裁判所によって無効とされ、改めて総選挙を行うことになった。選管によれば、具体的には、規則を改めて、出馬予定者本人が受付所に出向いて届出を行うことができない場合、必要書類を郵便で選管に提出したり、インターネットで届出を受け付けたりすることが検討されている。
タイ東北部ブリラム市の水かけ祭り(ソンクラーン、タイ正月)会場で13日に暴力事件を起こした若者5人がプロのムエタイ(タイ式キックボクシング)選手とリングで対戦し、鉄拳制裁を受けた。
ブリラムの政財界を牛耳る大物政治家ネーウィン・チッチョープが、祭りの開会式典で、「若者による暴力事件がソンクラン祭を台無しにしている。」と、「会場で喧嘩をした人はプロのムエタイ選手と3ラウンド対戦してもらう。」と宣言していた。騒ぎを起こした若者らはトランクス姿で水かけ祭り会場中央の屋外リングに連れて来られ、数千人の観衆が見守る中、自分が指名したプロ選手と対戦する羽目になった。
先鋒の若者は果敢に打ち合ったものの、プロの正確なパンチを浴びて数十秒でダウン。気力で立ち上がったものの、すぐに止めを刺され、リングに沈んだ。
2番手は相手に絡みついて倒れ、立ち上がったところでクリンチからボディーブローを放つなどした。しかし次の瞬間、鳩尾に膝蹴りをくらいダウン。プロ選手は後ろから裸絞めの形で若者を無理に立たせると、再度膝蹴りを放ち、若者はリングに突っ伏してぴくりともしなくなった。ここでリングに入ったネーウィンが若者の頭を軽く蹴り、説教。倒れたままの若者を選手数人がリング外に運び出した。
3番手は勢い良く飛び出し、パンチを2、3発放ったが、強烈なローキック1発でダウン。ネーウィンの説教、搬出となった。
怯えた様子の4番手は防戦一方で、キック、パンチの嵐を浴び、早々にダウンした。立ち上がったものの、戦意を喪失した様子で、自らマットに倒れこんだ。
最も熱戦となったのが5番目の若者。小柄なプロ選手にキック、パンチで猛然と襲いかかり、数分間に渡り熱戦が続いた。最後はスタミナ切れを起こした若者に、プロ選手が首相撲から膝蹴り一閃。思わぬ苦戦に苛立ったのか、プロ選手は倒れた若者にパンチ、キックを見舞った。
この対戦は素人に大怪我を負わせる恐れがあり、傷害罪などに問われかねないものだったが、ブリラムでのネーウィンの影響力を考えると、法的問題が起きる可能性は低い。
インターネットの動画投稿サイトに投稿された対戦の様子を撮影した動画は2日足らずで閲覧回数が24万回を超えるなど注目を集めている。動画へのコメントのほとんどは「ネーウィンさん、最高!」、「酔った若者や乱暴な若者がソンクランの雰囲気をぶちこわしている。乱暴者には罰を与えるべき。」、「余所でもやるべき。」など鉄拳制裁を支持する内容だが、中には非行少年の更生機関の関係者などからは、「説教して警察に突き出すべきだった。」、「間違った問題解決法。」、「暴力の連鎖を生む。」といった批判意見が散見。また、「社会は法を守ることで成り立っている。有力者が好き勝手をするのは認められない。」と批判する違法性を指摘する声もあった。
チャイ元下院議長を父に持つネウィン(55)は、タクシンの右腕といわれた政治家。だが、公民権停止中ながら、2008年12月の空港占拠などの反タクシン運動に乗じて、タクシンのパラン・プラチャーチョン党から、ブームチャイ・タイ党に合流して、民主党政権の連立を支えた政界の影の立役者。タクシン派政権崩壊に伴い反タクシン派に寝返り、その数年後に「政界引退」を表明。現在はブリラム・ユナイテッドというサッカーチームのオーナー、ブリラム県のサッカークラブ会長。20億Bを投じてブリラム県に国際的なオートバイレースが可能なブリラム・インターナショナル・サーキットの建設の推進を進めている。
http://www.youtube.com/watch?v=FYKI6QgN5YY

ネーウィンはチンピラが歯向かえる相手ではない。日本では蔓延る売国奴の爺婆やマスゴミも公開処刑をしなければならない。
22時頃クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前の反政府デモ会場近くの路上で、バイクで通りがかったタイ人男性2人(26、25)が銃で背中、足などを撃たれ重傷を負った。2人はデモ参加者ではなく、現場近くで開かれたパーティーに参加し、帰宅するところだった。
04月14日(月)中央選挙管理委員会が4月22日に全ての政党と総選挙日程を協議する予定であることについて、スパチャイ中央選管委員長は、協議を公開するという民主党の要求に否定的な考えを明らかに。
民主党の広報担当チャワノンは先に「プア・タイ党の党首が出席しなければ、アピシット民主党党首は出席しない。」と述べ、協議を中継放送するよう選管に求めた。だが、スパチャイ委員長は、「(民主党の要求は)選管の次の会議で取り上げるが、協議が公開されることはないだろう。」スパチャイ委員長によれば、「総選挙の日程に関しては治安当局や民間部門の意見も参考にする必要があるため、22日の協議で日程が決まらないこともあり得る。」
退役軍人や元官僚のグループが現在の政治危機を打開するためプレム枢密院議長の介入を求めたことに対し、プア・タイ党の法律専門家チームのパナットはこのほど、「プレム議長にそのような役割を担わせることは憲法に規定がない。プレム議長の介入をクーデターに等しい。」と批判。
法律専門家グループは、プレム議長が司法機関、軍部などと協議して政治危機打開案を作成し、国王の判断に基づいて打開を進めることなどを提言。
だが、プレム議長が以前からタクシン流政治に批判的なこともあって、パナットは、「プレムの介入はとりわけプレムに反感を抱いているタクシン支持者らの反発を招くことになろう。」と話している。
04月15日(火)
01時50分頃
都内ルムピニー公園の反政府デモ会場で、デモ参加者のタイ人男性(40)が銃で撃たれ、搬送先のチュラロンコーン病院で死亡が確認された。
反政府デモによるクルングテープ都内の死者は、昨年11月30日以降、計22人。
04月16日(水)中央選管が04月22日にやり直し総選挙の日程などを政党と協議するとしていることについて、プア・タイ党の広報担当プロムポンは、プア・タイ党の代表を協議に出席させることを明らかに。
今回の協議に関して、民主党は当初、公開やプア・タイ党党首の出席などを条件に上げていたが、その後態度を軟化させ、「党の代表もしくはアピシット党首が出席する予定である。」と発表。
関係筋によれば、「協議において、プア・タイ党は可能な限り早期の総選挙実施を要求する一方で、『拙速は認められない。』とする民主党が強く抵抗することが予想される。」
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)と傘下の組織は04月17日にも、現政権を打倒すべく国営企業に協力を求める作戦を開始する予定。この作戦について、ステープPDRC事務局長は、国営企業の労組代表と意見を交換。PDRCの広報担当エーカナットによれば、 「国営企業はタクシン派に取り込まれておらず、協力が得られれば、政権打倒において大きな力となることが期待される。」
04月17日(木)最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長が政府職員の支持をとりつけるべく政府機関を訪れて高級官僚などと会談していることに政府が不快感を露わにしている問題で、政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CAPO)が、公務中に反政府派と会わないことなどを政府職員に徹底させるため、各省の事務次官などを集めた会議を行った。
だが、PDRC支持の姿勢をとっているナロン保健事務次官は会議を欠席。PDRCに協力的とみられているキティポン法務事務次官も会議には出席したものの、出席者名簿に名前を書き込むのを拒否。
これに憤慨したCAPOの最高責任者、チャルーム労相は、会議を欠席したナロン次官について、「勇気がある。」と皮肉り、「政治問題が片付いて政府が正常に機能するようになったら、ほかのポストに異動になるだろう。私は警告する。彼は間違った方に賭けている(彼の判断は間違っている)。」と言い放った。
政府の治安対策本部、平和秩序維持センター(CAPO)は、憲法裁判所によってインラック首相が失職となった場合、政治空白を回避するため政府は国王の判断を仰ぐべきとの声明を発表。
さらに、CAPOは、「首相失職に伴い、反政府派が求めるように憲法7条に基づいて中立的暫定首相が任命されれば、これに政府支持派が反発し、両派が衝突する恐れがある。」と警告。一方、民主党の広報担当チャワノンは、CAPOの声明について、「政府が司法の権限を無視し、政府の問題に国王を巻き込もうとしたもの。」と強く批判している。
04月18日(金)米担保融資制度の不正横行に絡むインラック首相の職務怠慢容疑を捜査している国家汚職制圧委員会(NACC)は、「全ての証拠が集まっており、05月初めにも結論を出せる。」との見通し。この捜査は首相の罷免を求める訴えが起こされたことに伴うもの。
首相を罷免するには、NACCが上院に弾劾請求を行い、ここで罷免が可決されることが必要であるが、NACCが弾劾請求をした時点で首相は停職となり、現政権は大きな痛手を受ける。
一方、NACCは、「さらに証人2人から聞き取りを行ってほしい。」とする首相側の要請を「証拠はすでに十分。」との理由で却下したことも明らかに。
04月19日(土)民主党の広報担当チャワノンは、「アピシット党首とチャムニ副党首が22日の中央選管と政党の協議に出席する予定だ。」と明らかに。
協議ではやり直し総選挙について話し合われることになっている。
ただ、チャワノンは、「(党首・副党首が出席するからといって)民主党が協議で選挙日程を決めることに合意したと受け止められては困る。政治的混乱がまだ続いており、まだ総選挙を実施できる状況ではない。」と述べている。
なお、政権党プア・タイ党からは、チャルポン党首(内相)と法律専門家のポキンが協議に出席する予定。
04月20日(日)著名な歴史学者のニティは、「選挙が政治対立を打開する唯一の手段。」と述べ、総選挙のやり直しを支持する考えを明らかに。
02月総選挙は先に憲法裁によって無効とされ、総選挙のやり直しが必要となっており、22日に中央選管と政党の代表が今後の対応を協議することになっている。
一方、最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)は、このまま総選挙を実施してもタクシン派が再び勝利する可能性が高いことから、タクシン派の台頭を阻止すべく公職選挙法改正などを含む政治改革を断行してから総選挙を実施すべきと主張。
また、 インラック首相とステープPDRC事務局長の直接対話による政治対立解消を求める声も出ているが、ニティは、「異なる言語で話し合うようなもの。」、「合意形成に至る可能性はほとんどない。」と述べた。
各方面から批判が浴びせられ、また、不正横行に絡んでインラック首相が罷免となる可能性が強まっている政府の目玉政策、米担保融資制度について、キティラット副首相兼財務相はこのほど、「現政権が選挙管理内閣で監督権限がないため、2013~2014年の収穫期には適用できない。」と明らかに。
米担保融資制度は、タクシン支持者の多い農民の収入アップを目的にインラック政権が導入したものだが、野党や経済専門家からは「巨額の損失が生じ、財政破綻を招く。」と いった批判が出ているほか、米の買上を担当する精米業者や関係政府職員の不正疑惑が大きな社会問題ともなっている。また、米代金の未払いに全国各地で農民が抗議の声を上げており、政府は代金に充てる資金の調達に躍起になっている。クルングテープ これに関連して先に「ヤンヨン副商業相が農民の要求に応えて中央予算からさらに 400億Bを引き出すことに合意した。」と報じられたが、キティラット副首相兼財務相は、「閣議ではまだ話し合っていない。」と述べ、政府としてまだ承認していないことを明らかに。
憲法裁の判断によりインラック首相が違法人事に絡んで失職するとの見方が強まっていることについて、タクシン支持組織のひとつ、民主主義擁護ボランティアグループ(DPVG)のスポン代表は、「憲法裁が首相に有罪を言い渡したら幹部会議を開いて報復措置を話し合う。」と明言。
「ランボー・イサン」(東北タイのランボー)とのニックネームを持つスポンによれば、インラック首相による国家治安委員会(NSC)事務局長の異動については、民主党政権で当時のアピシット首相(民主党党首)も同様のことをしており、インラック首相だけが違法とされたのは不当とのこと。
なお、DPVGは先に東北部ナコーンラチャシマー県で2日間にわたりトレーニングコース を開いたが、ここにDPVGのメンバー1万5000人以上が参加したこと。
23時頃(報道により
翌00時20分頃)
ナロン保健事務次官のクルングテープ都ラクシー区チェーンワッタナ14通ソイサケート4の自宅で爆発があり、コンクリート塀に穴が開き、自宅敷地内に駐車していた自動車が損傷。怪我人はなかった。警察は手榴弾が投げ込まれたと見て捜査を進めている。
次官宅には3棟あり、このうち次官の妹(46)が住む1棟が被害にあった。次官の妹によれば、「爆発音がした直後、オートバイが急発進して走り去ってゆく音が聞こえた。」爆発当時、次官は不在。
ナロン次官は民主党のステープ元副首相率いる反政府勢力支持を公言し、今月11日、保健省を訪れたステープ元副首相らと会談していた。ナロン次官が政府に批判的な姿勢を取っていることから、今回の事件は政府支持派による悪質な嫌がらせの可能性が高い。
04月21日(月)プア・タイ党は、「政治対立を解消するには、総選挙と国民投票を実施することが不可欠。」と、総選挙の早期実施が必要との姿勢を改めて強調。
また、「総選挙が政治対立を解決する唯一の手段」とする識者も少なくないが、「早期実施」については、反政府派が政治改革を断行しないままに総選挙を実施することに強く抵抗していることから、反対する意見も少なくないという現状。
国外逃亡中のタクシンが訪問先の支那の北京で支持者に対し、「東部プラチンブリー県に本部を置く第2歩兵師団の兵士たちがクーデターを起こそうとしている。」と述べたとされることについて、第2歩兵師団の幹部らはこのほど、「タクシンはクーデター妄想症だ。」と述べ、根も葉もない憶測だと反論。
第2歩兵師団は「ブラパパヤック(東のトラ)」と呼ばれているが、その幹部たちによれば、「クーデターを起こすには少なくとも40大隊に及ぶ兵員が必要。1つの師団だけでは到底不可能。」
なお、関係筋によれば、「2006年09月の軍事クーデターで当時のタクシンが政権の座から追われたことから、タクシン派は現在も軍部を恐れているとされるが、タクシンやタクシン派幹部がクーデターの可能性に度々言及するのは、支持者の結束を強化するとともに、同派への同情・支持を集めることを狙ったものとも考えられる。」
中央選管が04月22日に70の政党と総選挙に関する協議を予定していることについて、民主党のアピシット党首は、「協議において投票で結論を出すことに反対する。」と明言。
これは、プア・タイ党が「協議で意見の一致がみられなければ、投票で決めるべき。」としていることに言及したもの。プア・タイ党を含む大多数の政党は、総選挙の早期実施を要求しており、多数決となれば、「総選挙を早期に実施すべき。」との結論が出る可能性が高い。だが、アピシット党首は、「政党は自らの要求を通そうとするではなく、まず国益を最優先に解決策を模索すべき。」とアピールしている。
04月22日(火)民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、クルングテープ郊外ノンタブリー県のタイ発電公社(EGAT)本社前で反政府集会を行った。EGATでは副総裁ら一部の職員がデモ隊を出迎え、花束を贈るなどした。
一方、クルングテープ郊外の総合庁舎では、政府支持派の市民約150人が憲法裁判所に近づこうとし、軍、警察に阻止された。憲法裁ではインラック首相の不正人事疑惑に関する裁判が行われており、早ければ05月中に判決が出る模様。
都内ラクシー区のホテルで開かれた中央選管と政党による総選挙に関する協議で、プア・タイ党など与党から「可能な限り早期に総選挙を実施すべき。」との要求が出された。
協議の冒頭で中央選管が07月20日、08月17日、09月14日という3パターンの投票日案を示したのに対し、プア・タイ党は、「7月20日を支持する、それ以前ならさらに良い。」と表明。また、他の複数の与党は、反政府デモ隊の妨害を避けるため立候補受付を軍の施設内で行うことで総選挙の投票を06月15日に行うことを要求した。一方、一部の政党からは、「反政府派が総選挙に反対していることから再び総選挙が無効とされる恐れがある。」とする懸念が表明された。
反政府派は総選挙の早期実施に強く反対しており、協議が始まる前からホテルの周辺に集まり抗議を行い、「選挙の前に改革」と書かれた垂れ幕を協議の会場に貼り出すことを求め、選管が垂れ幕をとりつけたことを確認した後、引揚げた。また、民主党のアピシット党首は、協議に出席するとしていたが、直前になり「身の安全に不安がある。」との理由で出席を取りやめた。
保健省の事務方トップ、ナロン保健事務次官は、ナロン次官を激励するため保健省に集まった医療関係者などを前に、「政府職員は断固たる姿勢で、インラック政権の問題点を口に出して指摘する必要がある」と呼びかけた。
ナロン次官は反政府派寄りとされ、政府部内では「処分すべき」との声もあがっている。
また、政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CAPO)が「政府職員が勤務時間内に反政府派首脳と会うことなどを禁ずる。」との命令を出しているが、ナロン次官は、「CAPOのいかなる命令も無視する心構えでなくてはならない。」と述べて、公務員に自由に意見を表明するよう訴えた。
04月23日(水)03時頃郊外の総合庁舎前の反政府集会場から数百m離れたチェーンワッタナ通上で発砲事件があり、4人が怪我。
午前民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園から都内プルンチット通の首都電力公社(MEA)前までデモ行進。ステープ元副首相はMEA職員に対し、下院総選挙をボイコットし、反政府デモに参加するよう呼びかけた。
国家公安委員会(NSC)事務局長の入れ替え人事が違法とされたことに伴い、この人事を承認したインラック首相が憲法裁判所によって憲法違反とされ失職となる可能性が高まっている問題で、政府に批判的な上院議員グループのリーダー、パイブン議員は、首相のみならず他の閣僚全員の責任を問うべく、閣議で人事が承認されたことを示す報告書を憲法裁に提出する考えを明らかに。
最高行政裁によって違法とされた人事は、首相が近親者を警察庁長官に起用するために執られた措置とされるもの。パイブン議員によれば、「個人的な利益のために政府職員を異動させることを禁じた憲法266条と268条に抵触する。さらに、閣議で決定された人事であり、閣僚全員に責任がある。」
なお、政府支持派は、「インラック首相が憲法違反とされ失職したとしても他の閣僚が責任を負う必要はない。」と主張。
中央選管のプチョン事務局長は、「中央選管は総選挙の投票を07月20日に行う方向で内閣と総選挙実施の勅令発令について話し合う予定だ。」と明らかに。先の中央選管と政党の協議では、07月20日、08月17日、09月14日という3つの投票日案が示され、プア・タイ党が「07月20日を支持する。」と表明。
ただ、プチョン事務局長によれば、「中央選管は07月20日投票に大筋で合意したものの、総選挙が再び妨害され無効とされることがないよう、投票日を最終決定する前に、総選挙の早期実施に賛成する陣営と反対する陣営が話し合いを行う必要がある。」
だが、反政府派は、「改革断行後に総選挙」との主張を変えておらず、「可能な限り早期に総選挙を実施すべき」としている政府と反政府派派が同じテーブルに着くことは困難、意見をまとめることはさらに困難との見方が支配的。
米担保融資制度の不正横行に絡む職務怠慢容疑で国家汚職制圧委員会(NACC)がインラック首相の罷免を請求しようとしている問題で、インラック首相の代理人であるバンチャ弁護士が、NACCに対し、証人7人から聞き取りを行うよう改めて要請。
追加証人からの聞き取りについて、NACCは、「証拠はすでに出揃っている。」として否定的な姿勢を示しているが、バンチャ弁護士は、「7人が無理なら、少なくとも4人から聞き取りを行ってほしい。」
関係筋によれば、「今回の要請も、NACCが罷免を請求し首相が職務停止となるのを先延ばしするための時間稼ぎとの見方が有力。」
04月24日(木)最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)のステープ事務局長は、反政府派への支持を呼びかけるため訪れた地方電力公社(PEA)本部で、「インラック政権を倒すための最終戦の戦略を30日に発表する。」と明らかに。この戦略は、大勢の市民が行動を起こすとともに、いくつかの特別な作戦を実行することで目的を達成するというもの。
ステープらPDRC幹部は、「反政府デモが1年に及べば経済が打撃を受ける。」と考えており、早期の政権打倒に向け新たな大規模行動を起こすことにしたもの。
なお、PDRCは、インラック政権を倒すための戦いが180日に及んだことにちなんだイベントを27日と28日に実施する予定。
民主党のアピシット党首は、現在の政治的行き詰まりを打開すべく、主要人物らと直接会い改革のアイデアを説明する考えを明らかに。アイデアの詳細は明らかにされていないが、民主党党首はこのアイデアへの理解を求めるため25日から1週間程度かけ影響力を持つ人々と話し合いをする。
民主党党首が問題解決に乗り出すとしたことに対しては、評価する意見も出ているが、党首の提唱する改革がタクシン派の勢力削減につながりかねないためか、プア・タイ党や、プア・タイ党の実動部隊である反独裁民主主義同盟(UDD)からは早くも批判的意見が出ている。
チャトポンUDD議長は、「民主主義のルールに則っていないし、政治対立の緩和にもつながらない。アピシット党首が直接対話を試みても、人民民主改革委員会(PDRC)が総選挙実施に反対しているのでは意味がない。」プア・タイ党の広報担当プロムポンも「PDRCの反政府デモはすでに5ケ月に及んでいる。今になって話し合いをするというのは機を逸した試みだ。」と批判。
アピシット党首は、インターネットの動画投稿サイト、ユーチューブに投稿した動画で、現在の政治危機は裁判所の判決や軍事クーデターでは解決しない。憲法と、選挙がその一部である民主主義の枠内で政治改革を図るべき。」と主張。インラック政権や選挙委員会などと話し合い、解決策を探る考えを示した。
インラック首相が承認した国家保安委員会(NSC)事務局長人事が違法とされたことから、インラック首相が憲法裁判所によって憲法違反とされて失職となる可能性があることについて、インラック首相は、「憲法裁がどのような判断を下すかを懸念している。」と認めた。
この人事に関しインラック首相は、最高行政裁が違法との判断を示したことで「すでに片が付いているはず。」としているものの、憲法裁がとの判決を下すとの見方が有力で、他の閣僚も失職となる可能性が出ている。なお、憲法裁は、「判決をいつ下すか、あるいは、さらなる証拠書類が必要な場合はその提出を求めるか否かを05月06日に発表する。」
21時頃大手タイ字紙デイリーニュースの本社(都内ラクシー区ウィパワディランシット通)社屋横の通路で手榴弾が爆発し、コンクリートの路面に直径10数㎝、深さ5㎝ほどの穴が開いたほか、エアコンの室外機が破損。怪我人はなかった。警察はグレネードランチャーで手榴弾が撃ち込まれたとみて詳しい状況を調べている。
22時頃都内チェーンワタナ通の総合庁舎前の反政府集会場から約50m離れた場所で手榴弾が爆発。怪我人はなかった。
04月25日(金)未明都内の総合庁舎(チェーンワタナ通)前の反政府会場近くで、タイ軍最高司令部所属の陸軍大佐が襲撃されて負傷し、都内の病院に入院。
大佐はデモ隊が道路封鎖のため置いたパイロンを自分の車を通すためどけようとしたところ、デモ参加者とみられる男数人から銃撃を受け、足に銃弾の破片が刺さった。男らはさらに、大佐に殴るけるの暴行を加えたが、大佐の身分証明書を調べ、襲撃した相手が陸軍士官であることに気づき、大佐に謝罪。
反政府勢力は軍にクーデターによる政権転覆を呼びかけているが、軍幹部は政治的中立を標榜し、これまでのところ、こうした呼びかけに応じてない。
・民主党のアピシット党首が自らの改革案を主要人物に説くことで政治対立の解消を図るとしているが、反政府デモ指導者のステープ人民民主改革委員会(PDRC)は、この仲介を快く思っていないようだ。
アピシット党首は、「直接会って話し合えば、ステープもわかってくれると期待している。」と述べ、主要人物との話し合いを続ける考えに変わりのないことを示した。
アピシット党首は、改革断行を求めるグループ「リフォーム・ナウ・ネットワーク」の代表、キティポン法務事務次官と約1時間にわたり話し合った。ここでは、「政治対立を解消するためには、改革を行うことが非常に重要であり、また、選挙を行うことが欠かせない。」との点で意見が一致した。
アピシッ党首は近く、国軍最高司令官、中央選管の代表、PDRC首脳とも話し合う予定。
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)の幹部サコンティーが、南鮮経由で米国からスワンナプーム空港に帰国したところを政府の建物占拠や選挙妨害などの容疑で逮捕された。逮捕状は03月25日に出ていた。
だが、この逮捕によって、入管がみすみすサコンティーを04月16日に出国させていたことが明るみに出た。
警察は、「出国時にまだサコンティーの逮捕状発付の情報が出入国管理データに入っていなかったため係官がサコンティーを容疑者と認識でなかった。」と釈明。だが、出国したのは逮捕状発付から3週間も経ってからであり、入管の対応の遅さを批判する声も出ている。
04月26日(土)サイユット元国軍最高司令官は、「プレム枢密院議長が政治対立の打開のため国王のご助言を求めることに同意した。」と述べた。
サイユット率いる退役軍人・元官僚グループは、現在の政治問題の解決におけるプレム議長の役割に期待する姿勢を以前から示していたが、サイユットによれば、「退役軍人・元官僚グループが24日に問題解決に乗り出すよう求めたところ、これに同意した。」
退役軍人・元官僚グループは後日、具体的な提案をプレム議長に提出する予定。
しかしながら、プレム議長に近い筋によれば、「退役軍人・元官僚グループから要求はあったものの、プレム議長は態度を明らかにしなかった。」
04月27日(日)民主党のアピシット党首が先に政治の行き詰まりを打開するためとして主要人物らとの話し合いを開始したことに賛否両論が巻き起こっていることについて、アピシット党首は、「裏取引をしようとしている、自身の利益につなげようとしているといった目的はほかにある。」との見方を全面的に否定。主要人物らとの話し合いは、総選挙を行うことなどを通じて改革を進めて政治対立を解消しようというもの。
だが、タクシン派のインラック政権側は、タクシン派の影響力を一掃するために反政府勢力が改革断行を主張していることから、アピシット党首の動きに拒否反応を示している。
また、反政府派も、「まずインラック政権を打倒することが不可欠。」と主張していることから、アピシット党首のアイデアに批判的。裏取引を疑う声のほとんどが反政府派から出ているとのこと。アピシット党首によれば、「自身が中立的な立場になく、当事者であることは承知しているものの、話し合いによって局面を打開できる可能性があることから、黙座しているわけにはいかず行動を起こすことにしたもの。」
04月28日(月)午前民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園を出発し、ラーマ4世通の煙草専売公社までデモ行進。警察によると、参加者は約500人。
インラック首相は、民主党のアピシット党首が政治対立の解消を目的に主要人物らとの話し合いを始めたことを評価する姿勢を明らかにし、その努力が実を結ぶようアピシット党首を支援するよう関係者に呼びかけた。
インラック首相はまた、現政権打倒を掲げているステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長と話し合いをするようアピシット党首に求めた。
アピシット党首は、改革と総選挙を通じて現在の政治的行き詰まりを打破することを提案し、主要人物らと直接会って理解を求めようとしているもので、インラック首相は、「タイが危機から脱することができるようアピシット党首を全面的に支援する。」と述べている。
なお、関係筋によれば、「インラック首相は、PDRCを牽制するとともに現政権の立場を有利にすることがでると考えてアピシット党首の努力を支持すると表明したとも考えられ、アピシット党首の唱える形での政治対立解消を本当に望んでいるかは定かでない。」
サイユット元国軍最高司令官は、「プレム枢密院議長がサイユットらの求めに応じて政治危機解決のために国王の助言を求めることに同意した。」との発言を撤回。「発言内容が誤りだった。」と謝罪。
サイユットらは25日、プレム議長に会って要請を伝えたもので、同氏は議長の態度から要請を受け入れたと勘違いしたとのこと。
また、アピシット民主党党首が政治対立解消のために主要人物らとの話し合いを始めているが、サイユットは、「プレム議長には『アピシット党首の試みは成功しそうにない。』と伝えた。」と明らかに。
閣議で、現在首都圏に適用中の国内治安法について、06月30日まで60日間、適用期間を延長することを決定。政治的混乱が続いており、治安対策の強化が引き続き必要と判断。今月末に期限を迎えていた。
適用地域は、クルングテープ都内全域、ノンタブリー県全域、サムットプラーカーン県バーンプリー郡、パトゥムターニー県ラートルムケーオ郡。
国家治安委員会(NSC)のパラドン事務局長によれば、「適用期間延長は、政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CAPO)の要請に応えたもの。」
治安当局は、プア・タイ党の実動部隊、反独裁民主主義同盟(UDD)が05月06日に大規模集会を予定していることから、これがUDDと最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)との衝突につながることを懸念。
04月29日(火)午前民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園を出発し、クロントゥーイ港近くのタイ港湾公社(PAT)に向かった。PATでは多数の職員がデモ隊を出迎え、ステープと記念撮影したり、ステープにPATのジャケットをプレゼント。
プラユット陸軍司令官はこのほど、スラポン副首相兼外相が首都の警備に当たっている兵員数を減らすよう提言したことに対し、「政府支持派と反政府派の衝突が起きた場合、警察だけで対処できるだろうか。」と、懸念を表明。
スラポンによれば、「特別法を適用しなければならないような状況ではなく、暴力事件の報告も少ない。インラック首相も警備に当たっている兵士が疲れており休息が必要と感じている。このため、警備要員を減らすことが望ましい。」また、「政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CAPO)も武装警官が兵士の代わりに警備に当たることが可能。」
だが、プラユット司令官は、「まず警察が国民の信頼を得ていると確約する必要がある。」と述べ、「警察がどのような事態にも対処できる自信があり、また、国民が警察の能力に不安を抱いていないという状況の中で初めて兵員削減が可能になる。」との見解を示した。
なお、兵員削減については「軍部への不信感の表れ。」との見方も出ているが、スラポンはこれを否定。
上院議員全員を公選とすることにした憲法改正が憲法裁判所によって昨年11月に違憲とされた問題で、国家汚職制圧委員会(NACC)は、この改憲を支持した元上院議員36人の訴追を決定。
具体的には、これら元議員を改憲が違憲とされた時点に遡って罷免とするよう上院に請求することになる。 この問題では、当時の国会議員308人がNACCによって罪に問われることになったが、うち50人が上院議員で、今回NACCが訴追を決めた36人は全員がすでに任期満了となっている。また、罷免が決定すれば、全員が公民権5年停止となる見通し。
政界観測筋によれば、「今回の決定により、308人のうち258人を占める元下院議員もNACCにより訴追され、罷免・公民権停止となる可能性がある。」
民主党のアピシット党首は、「政治的対立が続く中で総選挙を実施しても問題解決につながらない可能性が高い。」と、政府に対し、総選挙実施の勅令発布を延期するよう求めた。
02月02日投票の総選挙は、反政府デモ隊の妨害で不完全に終わり、憲法裁判所によって無効とされたことから、総選挙のやり直しが必要となっている。一方、反政府派は「まず改革を断行せねばならない。」として現時点での総選挙実施に強く反対しているが、政府は、反政府派の思うままに事が運ぶのを回避しようと「可能な限り早期に総選挙を実施すべき。」と主張。
アピシット党首は、「総選挙が延期されてもトラブルが起きないなら、国民のほとんどは延期を受け入れてくれるだろう。」と述べている。
04月30日(水)民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園を出発し、都内チェーンワタナ通の国営電話会社TOT、国営通信会社CATテレコム、国営郵便会社タイランドポストの本社にデモ行進。
クルングテープ郊外の総合庁舎前(チェーンワタナ通)を拠点とする反政府デモ隊の別の一団は、ノンタブリー県のタイ発電公社(EGAT)本社にデモ行進。
政府と中央選挙管理委員会による下院総選挙の投票日について話し合いが行われ、実施日を07月20日とすることでほぼ合意。今週中にも正式に決定する見通し。
民主党のステープが率いる反政府グループを中心に反政府デモが拡大したことで、昨年12月09日にインラック首相が下院議会解散を表明。今年02月02日に下院総選挙を行うも、反政府グループによる妨害を受け、一部の投票所が閉鎖されるなどの混乱が生じた。
これを受け憲法裁判所は、「投票は全国で同一日に行わなければならないという憲法の規定に抵触する。」とし、投票を無効との判断を下した。そのため、再び下院総選挙が行わなければならなくなり、現在に至っている。
キティポン法務事務次官率いるグループ、リフォーム・ナウ・ネットワーク(RNN)は、政府や反政府派に対し、政治改革を進める環境を整えるために譲歩するよう呼びかけた。
政府は今のところ、改革より総選挙を優先させる姿勢を変えていないが、RNNによれば、「政治対立を放置して政治改革の道筋も示さずに総選挙の日程だけを決めても問題解決につながらないばかりか対立のエスカレートを招くことになる。」キティポン次官は、「総選挙と改革は切り離せない。」
最大の反政府勢力、人民民主改革委員会(PDRC)の幹部タウォンは、「インラック政権を倒すための最後の戦い」である大規模抗議集会を05月14日に決行すると発表。05~13日にかけ予行演習としてクルングテープでデモ行進を行い、最終戦への参加を市民に呼びかける方針も明らかにした。
タウォンはまた、「今後もルンピニー公園をPDRCの拠点とする方針。」としつつも、「拠点を民主記念塔のあるラチャダムヌン通に戻すべきとの意見についても検討が必要。」との考えを示した。
05月01日(木)民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園をバス、トラックなどで出発し、国会議事堂に向かった。国会議事堂前でメーデーの集会を行っていた労働団体と合流。演壇に上がったステープ元副首相は「国民の力が政治改革を成功させる。」などと演説。
プミポン国王の戴冠記念日で祝日となる05日、タクシン・政府支持派と反タクシン・反政府派がクルングテープで大規模な集会を予定。
野党民主党のステープ元副首相率いる反政府派は05日午後、仏教寺院ワットプラケーオ(エメラルド寺院)前の王宮前広場にプミポン国王の誕生日の色である黄色の服を着て集合し、国王への忠誠とタクシン派インラック政権打倒、政治改革の達成を誓う。
タクシン派団体、反独裁民主出勤(UDD)は、クルングテープ西部タウィーワタナー区のウタヤーン通(アカサ通)で集会を開く。
アドゥン警察庁長官は、政府派の反独裁民主主義同盟(UDD)と反政府派の人民民主改革委員会(PDRC)がともに05月05日に大規模な行動を予定しており、両の衝突が懸念されることから、万全の対策を講じる方針を明らかに。
UDDはバンコク西端タウィワタナ区のウタヤーン通で集会を行うとしており、また、PDRCは05日の国王即位記念日を祝ってルンピニー公園からサナームルアン(王宮前広場)まで行進することを予定している。
「同じ都内といっても集会場と行進ルートはだいぶ距離があるが、警察によれば、衝突の可能性はゼロではない。」
民主党のアピシット党首は、「『選挙をプロセスの一環として改革を進める。』という民主党党首の案を全員が受け入れるなら、個人的な利益を追い求めて同案の実現に奔走しているのではないことを示すため総選挙には立候補しない。」と明言。
この案についてアピシット党首は、「政治対立を解消することが目的。」と説明しているが、反政府派などからは「個人的な利益のためにタクシン派と裏取引をしようとしている。」といった否定的な見方が出ている。このため、私利私欲のためでないことを示すため、政治から距離を置く意向のあることを明らかにしたもの。
なお、中央選管と政府の間で先に「総選挙は07月20日に投票。」と合意されたことに対し、アピシット党首は、「条件が整わないうちに総選挙をすれば、問題が解決できないばかりか流血の事態を引き起こしかねない。」と警告しているが、02月総選挙をボイコットした民主党がやり直し総選挙にどのように臨むかは今のところ明らかにされていない。
インラック首相の代理人、バンチャ弁護士が先に国家汚職制圧委員会(NACC)を批判したことに対し、サンサーンNACC事務局長はこのほど、「批判が不当であり、弁護士の倫理規範に反する。」としてバンチャを処分するようタイ弁護士協会に要請する考えを明らかに。
バンチャ弁護士は04月29日、「さらに7人の証人から聞き取りを行う。」という首相側の求めをNACCが却下したことについて、「NACC委員らによる職権乱用。」と批判し、「NACCは首相に不利な証拠ばかりを集めようとしている。」として委員らを訴える構えを見せた。
だが、サンサーン事務局長によれば、「バンチャの発言は事実無根であり、NACCに対する脅迫に当たる。」とのこと。NACCは現在、米担保融資制度の不正横行に絡むインラック首相の職務怠慢容疑を捜査しているが、サンサーン事務局長によれば、「この容疑に直接関わりがないことから、証人7人からの聞き取りを拒否したまで。」
タクシン派インラック政権が05月中に司法判断で崩壊する可能性が浮上する中、反タクシン派の野党、民主党のアピシット党首(前首相)が対立する勢力の調停に動き出した。
アピシット党首は04月25日から05月01日にかけ、タナサック国軍最高司令官、選挙委員会、連立パートナーのチャート・タイ・パッタナー党、チャートパッタナー党、パランチョン党の幹部らと相次いで会談し、自身の提案を伝えた。アピシット党首の提案の具体的な内容は明らかになっていないが、選挙公約の実施を義務付けることで過度のバラマキ政策を防ぐなどの選挙制度改革を行い、公正で平和的な選挙を実現し、選挙と並行して、それ以外の政治改革を進める考えと見られる。
アピシット党首のこうした動きについて、反政府デモ隊を率いるステープ元副首相は04月30日の演説で、「選挙の前に政治改革」、「タクシン・システムとインラック政権の排除」というスローガンを繰り返し、交渉拒否を明言。「05月14日から大規模な反政府デモを実施してインラック政権を打倒し、(民選ではない)中立的な立場の首相が率いる人民政府」を設立、18ケ月間で政治改革のための法改正を行う。」などと主張。ステープは民主党幹事長、アピシット政権(2008~2011年)の副首相としてアピシット党首を支えてきたが、今のところ、今回の調停には応じない姿勢。
インラック首相はアピシット党首の調停を前向きに評価し、話し合いに応じる構え。
中央選挙管理委員会は04月30日にインラック首相と会談し、憲法裁判所が無効とした」02月02日の議会下院選のやり直し選挙を07月20日に行うことで合意。ただし、「状況が好転しない場合は中央選管の判断で投票を延期する。」と述べた。
一方、王党派の退役将軍らは、事態収拾に向け、「プミポン国王に介入を求めるべきだ。」とする意見を、国王側近のプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)に直接伝えた。タクシン派与党のプア・タイ党はこうした動きを「法的な裏付けがない。」と批判。
インラック首相は2011年に当時のタウィン国家安全保障会議(NSC)事務局長を首相顧問に異動した人事と事実上の米買い取り制度である米担保融資制度をめぐる職務怠慢容疑で追及を受けている。人事問題では権力乱用で憲法違反だとする訴えを反タクシン派の上院議員に起こされ、05月前半に憲法裁が判決を下す見通し。首相失職もしくは全内閣の失職という判断が下る可能性があり、全内閣が失職した場合、反タクシン派の選挙妨害で議会下院が開会できずにいるため、反タクシン派が優勢とされる議会上院がその後の鍵を握ることなりそうだ。失職するのが首相だけの場合はスラポン副首相兼外相が首相代行になると見られる。米担保融資制度をめぐる問題では、汚職取締委員会が5月前半にも、上院での首相弾劾手続きの開始を決める見通し。首相はこの決定後、職務停止となる。

タイでは2006年以降、地方住民、中低所得者が多いタクシン派と、特権階級、クルングテープの中間層を中心とする反タクシン派の抗争が続き、政治、社会が混乱している。
反タクシン派はタクシンを反王室の腐敗政治家と糾弾し、タクシン政権(2001~2006年)は2006年、特権階級の意向を受けた軍事クーデターで崩壊。2007年末の民政移管選挙で発足したタクシン派政権も、反タクシン派デモ隊による首相府やクルングテープの2空港の占拠で追い込まれ、2008年末、裁判所命令で「選挙違反」により政権を失った。
劣勢に立たされたタクシン派は「特権階級が軍、司法を動かし、民主主義と法治を捻じ曲げている。」と主張。2009年、2010年とアピシット政権打倒のデモを実施。2010年にはデモ隊と治安部隊の衝突で、91人が死亡、約2000人が負傷。2011年の下院選ではタクシン派が再び勝利し、タクシンの妹のインラックが首相に就任。
インラック政権は2013年、タクシン派と反タクシン派の政治抗争で投獄、訴追された人に包括的な恩赦を与える恩赦法案の成立を図ったが、汚職で実刑判決を受け国外逃亡中のタクシンの帰国が可能になるため、10月からクルングテープで大規模な反タクシン・反政府デモが始まった。インラック首相は12月、「民意を問う。」として、下院を解散、総選挙に打って出たが、02月の下院選は、民主党が選挙をボイコットした上、同党の地盤のクルングテープ、南部などで反政府デモ隊による投票妨害があり、全国375の選挙区のうち28の選挙区で投票が行えなかった。これを受け、憲法裁は03月21日、下院選を無効とする判決を下した。
22時頃クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前の反政府デモ会場で爆発があり、デモ参加者の男性が重傷を負った。グレネードランチャーで手榴弾が撃ち込まれたと見られている。
05月02日(金)民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊は、拠点とする都内のルムピニー公園を出て、サムセン通をデモ行進し、住民に反政府運動への支援を呼びかけた。
クルングテープ郊外の総合庁舎(チェーンワタナ通)前を拠点とする反政府デモ隊は、都内ラクシー区の首都水道公社(MWA)前で集会。
反政府派の人民民主改革委員会(PDRC)が「インラック政権を倒すべく05月14日に最後の戦いを開始する.」としていることについて、政府の治安対策本部、平和秩序管理センター(CAPO)はこのほど、「PDRCが最終戦において国営企業の職員を使って(これら企業が提供している)公共サービスを停止させようと企んでいる。」と非難。
PDRCは連日、首脳らが国営企業を訪れて支持を呼びかけているが、CAPOは、「PDRCが国営企業職員らに公共サービスを妨害させることで平穏と秩序を乱そうと企てていることを示す情報を?んでいる。」としている。
02月総選挙が憲法裁判所によって無効とされたことから、総選挙がやり直されようとしているが民主党の広報担当チャワノンは、民主党が再び総選挙をボイコットする可能性を示唆した。
政府と中央選管は先に07月20日に総選挙の投票を行うことで基本合意したものの、「最初に行うべきは改革」と主張する反政府派は政府の想定通りに総選挙が実施されることに強く反対している。
チャワノンは、「(選挙をそのプロセスの一環として改革を進めて政治対立を解消するという)アピシット民主党党首の提案が拒否されたなら、総選挙が再び抗議や暴力によって不完全なものに終わりかねない。そうなれば、状況は振り出しに戻ることになる。(そのような事態が想定されるなら)民主党が総選挙に参加する意味はない。」
05月03日(土)国営企業労組を中心とする反政府デモ隊は、都内の内務省本省の占拠を解除。地方の村長ら数万人が内務省の返還を求めデモを行うと警告したためと見られる。治安当局は、「反政府派の人民民主改革委員会(PDRC)が占拠中の内務省を政府に明け渡すことに同意した。」と発表。占拠中止を求めて全国から8万人に及ぶ郡長や村長がクルングテープに向かっている中、警察幹部や内務省職員が、PDRC幹部と話し合いを行い、「占拠を止める。」との約束を取り付けた。治安当局は省内に爆発物などがないか確認した後、内務省に引き渡す予定で、本省での業務再開の日程は不明。
反政府デモ隊が占拠する都内の拠点はこれで、ルムピニー公園、総合庁舎前(チェーンワタナ通)、首相府周辺の2ケ所の計4ケ所になった。
05月04日(日)アピシット民主党党首が提案した9項目の政治対立打開案について、政権党プア・タイ党の幹部らは、「憲法に違反する。」、「政府側の意見を考慮していない。」などと批判。 プア・タイ党の広報担当プロムポンは、「アピシット案には将来の展望がない。」と指摘。プア・タイ党幹部のノパドンは、「新政権誕生を見届けなければならない選挙管理内閣を辞職させることは憲法違反。」と述べた。また、アピシット案が「反政府勢力に改革案をまとめさせる。」としていることに対し、「政府の意見に耳を傾けていない。(改革案に政府派の意見が反映されないため)国民投票を実施してもすべての国民の意見を汲み取ることにはならない。」と批判。このほか、ノパドンは、全ての政党が参加してそれぞれが改革案を示して戦う総選挙を実施するとの代替案を示し、「このような選挙をすれば、アピシット党首が求める国民投票を実施するのと同じこと。」
関係筋によれば、「タクシン派は政権の座に留まることを最優先にタクシン派に不利な形で公職選挙法改正などを含む改革が進められるのを回避しようと躍起になっていることから、タクシン派が改革を主導できないアピシット案を受け入れることは今のところ考えられない。」
警察と反政府派の合意に基づき、内務省を占拠していた人民民主改革委員会(PDRC)のデモ隊が内務省からデモ拠点のルンピニー公園に移動。内務省を反政府派から取り戻すため全国から大勢の郡長・村長がクルングテープに向かっており、デモ隊との衝突が懸念されていた。
内務省占拠の中止を決めたことについて、ステープPDRC事務局長は、「05日は国王即位記念日というめでたい日であり、トラブルを避けるべきと考えた。」と述べている。
05月05日(月)民主党のステープ元副首相率いる反政府派はプミポン国王の戴冠記念日の05日、都内のルムピニー公園から仏教寺院ワット・プラケーオ(エメラルド寺院)まで行進。参加者は約1万人。参加者はプミポン国王への忠誠を示すため、国王の誕生日の色である黄色の服を着用。
一方、政府支持派団体「反独裁民主主義同盟(UDD)はにクルングテープ郊外で予定していた集会を10日に延期。
反政府デモ指導者のステープ人民民主改革委員会(PDRC)事務局長は、今月14日にスタートする「最終戦」のプロセスを明らかに。
それによれば、13日のウィサカブチャー(仏誕節)にサナームルアン(王宮前広場)で厄払いの仏教行事を執り行う。そして、14日から大規模集会を開催し、「インラック政権から主権を国民に取り戻すための最終戦」を開始する。
だが、今のところステープは、「主権奪還」の具体的手段については明らかにしていない。
郡長ら約5000人は、内務省に到着したが、治安当局が建物内に爆発物がないかをチェックする必要があったため、内務省内に入ることはできなかった。
アピシット民主党党首、キティポン法務事務次官、スリン元ASEAN事務局長が中立の民間人を首相に任命し、暫定政権のもとで改革を進めることなどを提案しているが、政府首脳のみならず政治学者などからもこの案を批判する意見が続出。
タマサート大学政治学部のカシエン准教授は、「3人の提案は基本的に同じであり、また、明らかに憲法と民主主義のルールに違反している。」と指摘。
スクム元ラムカムヘーン大学長も、「改革後の総選挙も中立の首相任命も憲法違反。中立の人物を首相にするというのは、インラック首相とその兄、タクシンを政界から追放することだけを狙ったもの。」と批判。
18時09分気象局によると、チエンライ県パーン郡を震源とするマグニチュード6.3の地震があり、北部、クルングテープのビルの高層階などで揺れが感じられた。 
米地質調査所によると、地震の規模はM6、震源の深さは7.4㎞。
タイのテレビ報道によると、この地震で、道路が亀裂が走ったり、家屋に罅が入るなどの被害が出た。チエンライ空港では天井の一部が崩落。
震源に近い地域では、余震を恐れる住民が夜になっても家に入らず、屋外で過ごした。1人が死亡、23人が怪我。死亡したのはチエンライ県内に住むタイ人女性(83)で、自宅の壁が倒壊し、押し潰された。
パーン郡では校舎に罅が入ったり、仏像の頭部がとれるなどした。また、郡内のチエンルンホテルの壁に亀裂が出来た。
チエンライ県内ではこのほかに、隣県のチエンマイと結ぶ道路で約50mに渡り大きな亀裂が走った。また、電柱が倒れるなどの被害が出た。隣県のパヤオでは校舎に罅が入った。チエンマイではショッピングセンター、セントラルプラザ・チエンマイ空港(エアポートプラザ)の柱が一部破損。
05月06日(火)
08時までに
気象局によると、18時09分にM6.3の地震が発生したチエンライ県で、余震とみられる地震が約60回発生。このうちM5以上は7回で、最初の地震発生から1時間半以内に3回、06日04時から08時にかけ4回発生。
インラック政権が2011年に当時のタウィン国家安全保障会議(NSC)事務局長を首相顧問に異動した閣議決定が権力乱用で憲法違反として、前上院議員が訴えていた裁判で、憲法裁判所は、インラック首相ら4人の証人尋問を行い結審。判決は07日に下る。
タウィンの異動はインラック首相の元義兄にあたるプリアオパン副警察長官を警察長官に昇進させた人事の玉突きで、これにより当時のウィチアン警察長官がNSC事務局長に転任し、タウィンがポストを失うこととなった。タウィンは異動後、不当な人事としてNSC事務局長への復職を求める裁判を起こし、勝訴。今年03月25日にNSC事務局長への復職が閣議決定された。
タウィンの異動については、すでに最高行政裁判所が違法という判断を下しており、憲法裁はインラック首相もしくは全閣僚の失職という判決を下す可能性がある。
首相だけ失職の場合はスラポン副首相兼外相が首相代行になると見られる。全閣僚失職の場合は、反政府・反タクシン派の選挙妨害で議会下院が開会できずにいるため、議会上院が憲法の「下院解散中は上院が国会として活動する。」という条項と「憲法の条項に当てはまらないケースでは憲法的慣行に従い決定する。」とした条項を使い、非民選政権の樹立を目指す可能性がある。
プア・タイ党は、「民主党のアピシット党首が先に示した9項目の政治対立打開案に反対する。」と表明。同案は、選挙をそのプロセスの一環として改革を推進するというもので、内閣の総辞職や総選挙の延期を求めるものとなっている。だが、プア・タイ党は、タイが現在直面している政治危機を解決する手段は選挙しかなく、先に選管と政府が基本合意したとおりに総選挙の投票を07月20日に行うことが必要としている。
なお、アピシット案に対しては、当初インラック首相も支持する考えを表明していたが、首相などの辞任を求めるという案の詳細が明らかにされると、政府は、「不誠実、違憲、民主主義に反する。」などと批判して拒否反応を示すことになった。
中央選管は、「07月20日投票で総選挙を実施するための勅令の草案を05月06日に政府に提出する。」としていたが、これが果たせなかった。政府は、同案に基づいた内容で勅令の発布を請求する手筈になっていた。
プチョン中央選管事務局長によれば、「総選挙実施について国の法律最高諮問機関、法令委員会との間で見解の相違があったことから、勅令案をまとめることができなかったものという。このため、中央選管は、意見をすりあわせるべく法令委員会と新たな協議を行うよう政府に要請した。」
チャイカセム法相によれば、「閣議でキティポン法務事務次官を首相顧問に異動することが承認された。」
これに伴い、首相府のトントン事務次官が法務事務次官に任命され、パラドン首相顧問がトントンのポストを引き継ぐことになった。
パラドンは、国家安全保障会議(NSC)事務局長を務めていたが、3年前のタウィンNSC事務局長(当時)の異動が先に最高行政裁によって違法とされ、タウィンが事務局長に復帰したことから、ポストを失い、首相顧問という役職を与えられていた。
チャイカセム法相は、「事務次官と首相顧問は同格。」と説明しているものの、首相顧問は閑職と考えられており、「キティポンが『改革断行後に総選挙実施』という反政府派と同じ姿勢を取っていたことから左遷された。」との見方が支配的。
報道機関のイサラ・ニュース・エージェンシー(INA)によれば、02月総選挙が不成立の状態が続き憲法裁判所によって無効とされたことについて、会計検査院が、選挙費用38億Bが無駄になったことの責任をとるようインラック前首相らに求めた。「02月総選挙は、実施前から反政府派の妨害が予想されていたにもかかわらず、政府は総選挙を強行したもので、これを決めた当時の政府首脳は責任を免れることはできない。」



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