タイクーデター Thai Coup d'etat

ver.2.3100 77/11/18

(C) 2666-2677 cnx, All Rights Reserved.



2006年09月19日(火)夜半

タイのテレビ局が一斉に通常放送を中止し、「クーデターが発生。
国軍が全土を掌握。タイ憲法は失効した。」と繰り返し放送を始めた。



目次はこちら → 目次


タクシンとタクシン一族の詳説は膨大になったので、
分離してこちら(未完成) → タクシン Thaksin

1981年04月のクーデター未遂事件、1985年09月のクーデター未遂事件、
1991年クーデター(1992年の5月流血事件)は、
こちら → 1991年タイクーデター Thai Coup d'etat in 1991

繰り返された政変、戦争、タイ王朝史は、
こちら(アユタヤ朝中期まで完成) → タイの王朝 Thai Dynasty


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29章  タクシン派赤服による略奪・放火の結末 爆弾テロが続く
05月20日(木)早朝セントラル・ワールド(CW)正面のBig-Cラーチャダムリ店から出火。06:50現在のTPBSによると依然延焼中。また戦勝記念塔のセンター・ワンは若者グループが略奪後に火を放ち全焼。
午前都知事付顧問、31箇所の火災を確認。サイアム・スクエアーの火災は衝突が継続的に発生し、当局が入り込むことが出来ない状況が続いている。
反政府組織、反独裁民主主義同盟(UDD)がデモ終結を宣言してから一夜が明けたクルングテープだが、治安当局では、デモ隊の占拠が続いたラーチャプラソン交差点などにはまだ近づかないよう引き続き警告。
国内治安維持本部のサンスゥン報道官によると、20日も引き続き20:00から06:00に外出禁止令を再適用する方針を確認。
タイ株式市場(SET)は本日(20日)及び明日(21日)、安全上の理由から臨時休場が決定。
在タイ日系企業15社の代理人は在タイ日本大使館で会談し、今回の騒動から生じたビジネス損害を賠償するようタイ政府に求めた。
タイ地元紙によると、今回の軍隊と赤服集団間の対立の影響で、都内に拠点を置く日系企業は、オフィスや店舗の閉鎖を余儀なくされ、一部の企業では一時的に他の地区に拠点を置くなどしている。タイ国内に拠点を置く日系企業はおよそ7000社ある。
ウィーラ、コーケーウ等未出頭の同盟幹部の一部が12:30に法務省特別捜査局(DSI)に出頭の意向を示したが、その後13:30にパホンヨーティンの警察犯罪防止取締局に出頭に変更。
ラーチャプラソンの商店街から盗んだ大量のブランドサングラスを所持していた帰郷組のデモ隊を逮捕。帰郷組のIDや所持品チェック中に発覚。他にも刃物や銃弾所持の帰郷組も逮捕。
戦勝記念塔前のセンター・ワン火災により10億Bの損害、1000人以上の失業が予想される。
チエンマイのワローロット・グランド・パレスホテルの赤服演台及びタイヤバリケードの撤去作業中に、強制排除時に当局攻撃用に確保していたと見られる約30本のスタミナドリンク瓶を使用した火炎瓶が発見された。
デモ拠点ラートプラソン交差点近くの「パトゥムワラナム寺院内で19日に確認された6遺体(当初の報道では9遺体)は、安全地帯とされていたパトゥムワラナム寺院内で負傷者などの世話をしていた女性1人を含む警察病院の医療ボランティア3人、民間救急団体の男性ワーカー1人、中部ナコンパトム県と東北部ロイエット県出身の男性2人だった。」と判明。
「医療ボランティアらは、境内に設営されたテントの中で被弾し死亡したもの。」という。19日は、暴動鎮圧・デモ隊強制排除に踏み切った治安部隊がラーチャプラソン交差点界隈に迫り、これを受け反独裁民主主義同盟(UDD)がデモ終結を宣言したものの、暴徒化したデモ隊が放火や略奪を始め、武装グループによるとみられる発砲に対し治安部隊が応戦する事態となった。このため、デモ隊約3000人が寺院に避難したが、寺院内に向けた銃撃があり、医療ボランティアなどが死亡した。」という。これが、治安部隊からの発砲か、タクシン派の武装グループが政府への反感を募らせるために行ったものか不明。
国内治安維持本部のサンスゥン報道官によれば、治安当局は、タクシン派のデモ隊が占拠していたルムニー公園とデモ隊の避難場所となっていたパトゥムワラナム寺院で大量の武器・弾薬を発見。
「デモ隊の武装部隊が備蓄していたり、持ち出せずに放置したりしたもの。」と見られている。公園からは、擲弾18個、擲弾発射用の携帯用迫撃砲M79グレネードランチャー数丁、M16自動小銃の弾薬250発、HK47自動小銃の弾薬2発、寺院からは擲弾27個、M79グレネードランチャー1丁、M16自動小銃1丁、M67手榴弾1個が見つかった。
700人前後のデモ隊が足止めを喰らっていたパトゥムワナラム寺内で逮捕状が発行されている同盟幹部のウォラウット・ウィチャイディットを逮捕。
11:30国内治安維持本部サンスゥン報道官は、「いまだ一部の地域でテロリストが活動しており、完全制圧のためにはもう少し時間が必要。」として、「夜間外出禁止令を22日まで継続する。」と発表。
「デモ隊が占拠していた区域ではまだ、建物内にテロリストが潜んでいる可能性がある。」という。当局では今後、「兵士などが各建物の内部を見回り、デモ隊が残っていないか、危険物がないかについて点検を行う。」としている。
19日、1992年の民主化弾圧事件以来、18年ぶりに夜間外出禁止令が1都23県に発令。ただ、外出禁止時間は21時から翌日の05時までに短縮。
夜間外出禁止令の対象都県は、クルングテープ都全域、ノンタブリー県全域、サムットプラカーン県全域、パトゥムタニー県全域、ナコンパトム県全域、アユタヤ県全域、チョンブリー県全域、チエンマイ県全域、チエンライ県全域、ランパーン県全域、ナコンサワン県全域、ナーン県全域、コンケン県全域、ウドンタニー県全域、チャイヤプーム県全域、ナコンラチャシーマー県全域、シーサケート県全域、ウボンラチャタニー県全域、マハーサラカム県全域、ロイエット県全域、ノンブアラムプー県全域、サコンナコン県全域、ムクダハーン県、カラシン県。
12:45頃反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のウィーラ・トチラカーンは05月20日、警察庁犯罪制圧課に出頭し、「民主主義は非暴力的手段によってのみ達成される。」と強調。UDD支持者に対し直ちに放火・略奪を止めるよう求めた。

← 左から2番目がウィーラ・ムシカポング、その右がウェーング・トチラカーン、その左がコーケーウ・ピクントーング。

UDD幹部は19日のデモ終結宣言の直後に6人が警察に出頭し、その後1人が逮捕されていたが、20日は00時45分頃にウィーラとウェーンが、コーケーウもまもなく出頭の見通し。約1時間後にコープケーオが警察に出頭、逮捕された。アリスマンは依然逮捕されておらず逃走中。他の指導者20人余りは政府から指名手配。
これら3人は、他の幹部が収容されている中部ペチャブリー県チャーアム郡(クルングテープの南西約120㎞)の国境警備警察施設「ナーレスワン・キャンプ」に移送された。
13:15タイ政府より夜間外出禁止令の延長が発表されたことを受け、在タイ日本大使館より注意喚起。

バンコク都及び23県に対する夜間外出禁止令の延長(2010年5月20日13:15現在)

1. 20日(木)午後1時、タイ政府より、19日発出された夜間外出禁止令(バンコク都を含めて、非常事態宣言対象県は、下記の24都県)を 23日(日)の午前5時まで延長するとの発表がありました。同外出禁止令は連日午後9時から午前5時までの時間帯で、23日(日)午前5時までと説明しておりますので、同時間帯の外出は厳に控えて下さい。もし、スワンナプーム国際空港に緊急帰国・用務等で行かれる場合には、なるべく午後9時前には空港に到着するようにして下さい。また、空港に午後9時以降に着かざるを得ない場合には、周辺の安全を十分に確認の上、必ず身分を証明できるもの(旅券等)を携帯し、関係当局の係官に提示できるようにしておいて下さい。

2. バンコク都の最新の治安情勢は、依然として不安定であり、タイ政府は、封鎖地域は当面維持するとしております。同封鎖地域には一部暴徒が潜伏し、活動している可能性もあるとしており、現在治安当局は、暴徒の摘発と武器、爆発物等の危険物の捜索及び処分を実施していますので、引き続き十分な注意が必要です。また、サラデーン(ラマ4世通り)、ボンガイ(ラマ4世通り)、戦勝記念塔(パヤタイ通り)、ディンデーン地区は、本日午前中は、特に治安が悪化し、危険な場所となっておりましたので、今後とも近づかないようにして下さい。

2(ママ). 現在、「非常事態宣言」および夜間外出禁止令が発出されている都県は、次の通りです。バンコク都、バンコク都近郊を除く、対象都県においては、UDDデモ隊が県庁等の施設に放火などを行う抗議活動を行っておりますので、対象県に渡航される場合には、報道等から最新情報を入手し、今後とも集会・デモ等が開催されている付近には近づかないようにするなど引き続き十分な注意を払って下さい。

【夜間外出禁止令対象都県】
* バンコク都全域、ノンタブリー県全域、サムットプラカーン県全域、
* パトゥムタニー県全域、ナコンパトム県全域、アユタヤ県全域、
* チョンブリー県全域、チェンマイ県全域、チェンライ県全域、
* ランパーン県全域、ナコンサワン県全域、ナーン県全域、コンケン県全域、
* ウドンタニ県全域、チャイヤプーム県全域、ナコンラチャシーマー県全域、
* シーサケート県全域、ウボンラチャタニ県全域、マハーサラカム県全域、
* ロイエット県全域、ノンブアラムプー県全域、サコンナコン県全域、
* ムクダハーン県、ガラシン県全域

(問い合わせ先)
○仮事務所領事関係問い合わせ(旅券、証明、査証、邦人援護)
   電話:(66-2) 672-5304、5305、5306
   FAX :(66-2)207-8511
○在タイ日本国大使館領事部
   電話:(66-2)207-8502、696-3002(邦人保護)
   FAX :(66-2)207-8511
○緊急電話(休日、夜間(17:45~08:30)のみ受付)
   電話:(66-81)846-8265/(66-81)809-6074
タイ治安当局によるタクシン派の反政府集会強制排除、一部タクシン派の暴徒化から一夜明け、20日のクルングテープは徐々に落ち着きを取り戻しつつある。ただ、都心部の道路封鎖・規制は続き、高架電車、地下鉄は運休したまま。暴動による火災が鎮火していない場所もある。治安当局はクルングテープ都など1都23県の外出禁止令を22日まで延長し、「都内のラーチャプラソン交差点周辺、ラーマ4世通りなどに依然、暴徒が潜んでいる可能性がある。」として、注意を呼びかけている。
19日に発生したタクシン派によるとみられる放火はタイ証券取引所(SET)、テレビ局、銀行、ショッピングセンターなど約40ケ所に上った。セントラル・ワールドが炎上したタイ流通大手セントラルグループは、フューチャーパーク・ランシット店を除く首都圏の全店を休業。セントラル・ワールドの対面の仏系ディスカウントストア(DS)、ビッグCスーパーセンターのラーチャダムリ通り店、ラマ4世通りの英系DSテスコ・ロータス、仏カルフールも放火で被害。
地方では東北部ウドンタニー県とコンケン県で県庁が放火され、ウボンラチャタニー県では県庁前の路上で中古タイヤが燃やされた。北部チエンマイ県では反政府集会、放火、爆破、道路封鎖、投石などがあった。中部アユタヤ県、東北部カラシン県、東部チョンブリー県などでも反政府集会があり、北部プレー県ではバンコック銀行支店が銃撃。
ラーチャプラソン交差点で反政府集会を行っていたタクシン派は19日の強制排除後、数百人が近くの寺に逃げ込み、20日になり警察に投降した。寺からは6人の死体がみつかり、警察が捜査に乗り出した。タクシン派はラーチャプラソン交差点のショッピングセンター、アマリンプラザにも数百人が立てこもっている模様。
一方、外出禁止令を受け、ショッピングセンターなどは営業時間を短縮。バス、飛行機といった交通機関は外出禁止令に抵触する便が一部運休もしくは出発時間を変更。
20日に通行が禁止・規制されたクルングテープの主要道路は、スクムビット通りのアソーク交差点-ナナ交差点、プルンチット通りのプルンチット交差点-ラーチャプラソン交差点、ウィタユー通りのラーマ4世通り交差点-ペッブリ通り交差点、ラーマ1世通りのラーチャプラソン交差点 -チャルーンポン交差点、パヤタイ通りのサームヤーン交差点-戦勝記念塔、ラーチャダムリ通りのサラデーン交差点-プラトゥーナム交差点、ラーチャプラロップ通りのプラトゥーナム交差点-ディンデーン交差点、ディンデン通りの一部、ラーチャウィティー通りのディンデーン交差点-戦勝記念塔、チットロム通りのチットロム・ペッブリ交差点-チッロム・プルンチット交差点、ラーマ4世通りのクロントイ交差点-サパーンルアン、サトーン通りのサトーン・ナラティワートラーチャナカリン交差点-ウィタユー交差点、シーロム通りのシーロム・ナラティワートラーチャナカリン交差点-サラデーン交差点、ペッブリ通りのアソーク・ペッブリ交差点-ラーチャテウィー交差点。高速道路も一部が閉鎖。
高架電車BTS、地下鉄MRTは20、21日と全面運休。
チョムポン観光・スポーツ相は、「観光客総数が50%下落した。」と発表。「特にスワンナプーム空港の1日当たり乗客数が騒動前の3万人から2万人に下落した。諸外国がタイの騒動に対して渡航注意喚起を行ったことで、南部の観光地の観光客数が減少している。」と説明。
Big-Cラーチャダムリ店の被害はテナントが入居している1階部分のみで、上階は煙で覆われているものの商品に被害なく、1ケ月後に営業再開の見通し。ゲーソン・プラザは放火を免れたが、物を投げられガラスが割られた。
コーン財務相は、今回タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)と政府による騒動でタイ経済に与えた経済的損失を、GDPの0.5%にあたる約500億Bと算出。
相は経済政策に関し、全関係機関と会談したが、「アピシット首相に支援予算配分を提案前に、再度相談する必要がある。」としている。また信頼感の回復について、「まず国内問題を回復することで、国内からの信頼感を回復し、諸外国からの信頼感を取り戻すことができる。」と語った。
財務省は、「早急に経済問題を解決する必要がある。」、「短・中・長期的な解決策をそれぞれ準備している。」とのこと。
タイ商工会議所ポンサック副会長は、「タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)幹部の出頭及び集会解散により、事態は収束に向かっているものの、依然集会解散に不満を持つ一部支持者らが、情勢扇動目的で騒動を起こし、全国に拡大することを恐れている。」と発言。そのため、「政府は国内情勢を確実に安定化させるまで、非常事態宣言及び厳重な対応をとり続けるべきである。」とのこと。
「もし騒動が全国に拡大し、政府が制御できなくなった場合、タイは過去最大の経済的損失を被ることになる。」、「未然に防ぐためにも早急に騒動の安定化を図り、社会的分裂を緩和させる政策を発動させるべき。」としている。
タイ郵便局(Thai Post)は、「クルングテープ都、パトゥムタニー県、ノンタブリー県、サムットプラカーン県内にある全郵便局を、今月20~23日にかけて臨時休業とし、24日から営業再開とすることを決定した。
ラーマ4世通りにあるチャンネル3テレビ局のビルが危険区域として封鎖。昨日に引き続き放送を中止。
これは、昨日午後、タクシン派によって襲撃を受けたことによるもの。現在は、警官がビルの警備に当たっている。
暴徒化したデモ隊の放火で大きな被害を受けた大型ショッピングコンプレックス「セントラル・ワールド」を運営するセントラル・グループ傘下セントラル・パタッナ社(CPN)のナタキット副社長によれば、セントラル・ワールド南側の一角を占めるゼン・デパートは放火で焼け崩れたため、取り壊して建て直される見通し。

↓ UDDに占拠されていたラーチャプラソン通りをプラトゥーナムから見る。

だが、オフィスビル、センタラ・グランド・アンド・バンコク・コンベンションセンター、伊勢丹、TKパーク、SFワールドシネマなどには影響は及んでいない模様。「被害額については、保険会社と詳しい調査を行う必要があり、現時点では不明。」という。
このほか、戦勝記念塔近くのショッピングモール「センター・ワン」も放火で被害を受けたが、運営会社によれば、「建物は保険が下りるものの、入居店舗の被害は補償されないため、政府に支援を求める予定。」という。
16時までエラワン緊急医療センターは「52人の死亡、399人の負傷」と発表。負傷者のうち16人が重傷でICU内にいる。
先のタイラット紙の21人の口座凍結報道は誤報。実際は、SCアセット社の1法人及び22人の個人の計23口座を凍結。
フランス当局は、フランス国内での公的声明発表を阻止するため、シャンゼリゼのルイ・ヴィトンで目撃されたタクシンの行方を捜索中。31日には地元ジャーナリストの前で公表の予定。
国内治安維持本部は、「元運輸相のスリヤ・チュンルンルアンキットやデーンサヤーム幹部のソムヨット(6月24日グループ)、プア・タイ党のプロートプラソップ副党首等21人の口座を凍結した。」と発表。
Big-Cラーチャダムリ店の被害はテナントが入居している1階部分のみ、上階は煙で覆われているものの商品に被害なし。1ケ月後に営業再開の見通し。ゲーソン・プラザは放火を免れたが物を投げられガラスが割られた。
タイ警察当局は、「首都クルングテープで反政府集会を行った反独裁民主主義同盟(UDD)のメンバーは、全て故郷へ送り返された。彼らが法的制裁を受けることはない。」と述べた。
タイ国家警察局の報道官は、「政府は、汽車やバスで3560人の抗議者をそれぞれの故郷に送り返した。」と発表。「UDD強硬派の指導者アリスマンが逮捕された。」という報道を否定。「警察当局がその行方を追跡している。」と明らかに。
反政府組織、反独裁民主主義同盟(UDD)による反政府デモの中止を受け、デモ隊3000人近くが、政府が用意した長距離バスで帰省。
今回のデモは、参加者の多くが北部や東北地方などの出身者。UDD。幹部らが警察に出頭をした19日午後01時30分以降、多くの参加者が聖域とされていたパトゥムワナラム寺院に駆け込み、慈善団体などからの保護を受けた。
彼らの多くは即日の帰省を希望していたようだが、「寺院から出ると兵士に射殺される。」との噂が飛び交い、「恐怖のあまり寺院から一歩も出られなかった。」という。
年配の女性は、「故郷の村人に『民主主義のために戦おう』と誘われクルングテープまで出て来たのに、デモ拠点に兵士が乗り込むと、その人はすぐに消えてしまった。ほかの人からこの寺院で保護を受けることを知って避難したが、夜間も周辺で銃声が響き、恐怖を感じた。」と話す。この女性は、「もう二度と首都でのデモには参加しない。」としながらも、「故郷カラシン県で行うならまた参加する。」と付け加えた。
拠点に設置されたテントなどに立てこもるデモ隊残党もいたが、やがて当局に促され、運輸省が用意した無料バスに乗るための手続きを行った。
臨時バスの出発地となったラマ1世通りでは、タクシン派の野党プア・タイ党の議員も「デモ隊に無料バスを提供する。」と申し出たが、当局では不許可。
クルングテープ都庁は、「19日からのタクシン派の暴徒による放火や略奪で被害を受けた商業施設や公共施設が20日夜時点で300ケ所を超えた。」と発表。
デモ拠点ラーチャプラソン交差点に位置する大型ショッピングセンターのセントラル・ワールド、ほど近いサイアム・スクエアの映画館サイアム・シアターなど36の建物が放火されたほか、ラーマ4世通り、スクムビット通り、シーロム通り、ディンデーン地区、ラーチャプラロップ地区、ペップリ通りなどでも公衆電話ボックス、銀行支店、バス停が壊されたたり、商店が荒らされたりした。
タイ字紙のインターネット版によれば、クルングテープ都内でのデモ隊による放火・略奪に関与した疑いで、警察当局は計63人を逮捕。「犯人はクルングテープに隣接するパトゥムタニー県クロンルアン郡の警察施設に移送されており、面会は許されていない。」という。
ペーブリーで公衆電話をたたき壊していたカラシン県出身の男を逮捕。ある政治家から「1回につき1000Bで雇われて扇動を請け負った。」と供述。
24時時点19日のタイ治安部隊によるタクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の強制排除で、クルングテープ救急センターによると、19日午前06時から21日午前00時までにイタリア人の男性ジャーナリスト1人を含む15人が死亡、102人が負傷した。衝突が始まった13日からの累計は死者54人、負傷者約420人で、死者のうち治安部隊は2人。
UDDは03月12日にクルングテープで反政府集会を始め、04月03日からはショッピング街のラーチャプラソン交差点を中心とする都心部の広い範囲を占拠。05月19日の強制排除で集会参加者の一部が暴徒化し、ラーチャプラソン交差点のショッピングセンターなどクルングテープ都内の約40ケ所が焼き討ちにあった。
05月21日(金)06時時点エラワン緊急医療センターは、今月14~20日までに治安維持部隊とタクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)の衝突での死者が52人、負傷者が407人となった事を明らかに。
死者は民間人48人、兵隊2人、外国人2人となり、負傷者は依然集中治療室(ICU)に15人、一般病棟に161人が入院。
タイ地元紙によると、クルングテープ大量輸送公社(BMTA)は、21日のバスの運行時間を20時30分までとし、戦勝記念塔を通る29、34、39、95、59番については18時までとする。」と発表。だが、一部危険地帯内では、運行休止のまま。
セーンセープの運河ボートは24日からワット・シーブンルアン-アソーク間の運行を再開。
パトゥムワナラム寺の僧坊に潜んでいた赤服自警団2人を逮捕。うち1人はバンハーン邸爆破に関与した疑い。寺院内駐車中のクワンチャイのベンツから武器類が発見され、車を取りに来た妻を逮捕。また、寺院内の池から400発の銃弾が発見された。
11:00バンコック銀行プラカノン支店放火容疑で、集会参加者のカンボジア人トゥアナーイペット・セーンモン(27)を逮捕し、「平和(?????????)・非暴力(??????)・大衆の殺害を止めろ(??????????????)」と書かれたステッカー等を押収。会場から退散中に約20人の仲間と支店のガラスを割り放火。
流通大手「セントラル」を展開するセントラル・パッタナ(CPN)は、セントラル・ワールド(CW)の被害状況を発表。映画館の一部などに影響が出たものの、中心部の鉄筋構造に問題がなかったことから、6ケ月以内に営業を再開できる見通し。
「CWの保険の状況についてはショッピング・プラザ部分は全壊補償1300億Bの保険をかけており、事業停止の損害補償として『反乱騒乱特約』35億B分別途契約している。 ZENデパートについては同様の保険ではあるが、保険について保険局での協議を今一度行う必要があるだろう。」とした。
ナリスCFOによれば、「今回の損害については、部分的に崩落しているので、ZENデパート部分は全部新規に再建設する必要があるが、ショッピング・プラザ部分の構造部分については大きな問題はなく、6ケ月を超えない期間で再開できる。」と述べた。保険金は最大165億B下りる予定となっており、社員への給料の支払いや再建費に充てられる。全額支給されるかは不透明。社員の別の支店で日払いで就業できる機会を模索する予定。
夜間外出禁止令が続く首都クルングテープでは、食料品の「買いだめ」に走る市民が増えている。
郊外ランシット市場近くの「トップス・デイリー・スーパーマーケット」では、「20日頃から食糧の買いだめをする客が急増、インスタントラーメンなどはいち早く在庫が切れた。現在、トラックによる配送ができないため新たな商品の搬入が停止しているが、倉庫からストックを出して、できるだけ陳列棚を埋めている。」という。また、市場では野菜などが2倍近くまで値上がりするなど、特に生鮮品に影響。
しかし、商業省国内通産局では、「こうした現象は局地的なもので、広範囲における品薄、買いだめ、便乗値上げなどは見られない。」と発表。特に大型店には十分な在庫があるので、あまり心配しないよう市民に呼びかけている。
流通大手「セントラル」を展開するセントラル・パッタナ(CPN)は、首都圏で展開するデパートについて、一部店舗を除き午前11時から午後06時まで限定的に営業を再開することを決定。臨時休業を続ける店舗は、セントラル・チットロム及びセントラル・シーロム・コンプレックスの2店舗。また、北部チエンマイ県のカート・スワンケーオ支店も臨時休業。
タイ地元紙によると、タイ銀行協会(TBA)プラサーン会長は、「銀行7行が22~23日にかけて、全国のショッピングセンター内にある支店の営業を再開する。」と明らかに。営業再開となるのは、危険区域外にあるショッピングセンターに限定されており、現在確認ができている銀行は、バンコック銀行、タイ農民銀行、クルンタイ銀行、サイアム・コマーシャル銀行、タイ陸軍銀行、サイアムシティ銀行、タナチャート銀行の7行。
アピシット首相は記者会見で、「法に則り国民の生命を守り、秩序の回復に努め成果を収めてきた。今最も懸念されるのが心理面への影響。当面の課題は影響を受けた国民の心の治癒である。」、「中長期的には正常化の実現及び国民の権利を制限している規則の撤回、特に重罪に処せられる案件に対する公正な司法手続きである。心理面、社会面、政治面、経済面を基本に置いた和解推進が国家再生の鍵となる。」と演説。
テスコ・ロータスは、夜間外出禁止令が出ている地区では17時に閉店、その他の地区では通常通りの営業。
交通公社のウティチャート総裁は、「ラーチャプラソン交差点のデモ会場にいた数百名の赤服軍団の無料送迎を完了した。」と語った。公社では、エアコンバスを用意し、安全のため2運転手体制で、赤服軍団を送り届けた。
また、移動途中の休憩では、食事が無償提供された。また、クルングテープを発つ前に、社会開発治安省から、200Bが支払われた。この200Bは、地方の各都市から地元の街や村までの渡航費として支給されたもの。
ウドンタニー県から来た僧侶10名を含む約500人のタクシン派は、午前03時ごろ、地元に到着し、大きな声援を受けた。
今回の反政府デモでは商業地区が立て続けに占拠されたことから、多くの企業が 仮事務所を構えるなどして営業継続に努めた。
セントラル・ワールド内に事務所があるコンサルタント会社「タワーズ・ワトソン(タイランド)」では、04月初旬から従業員の自宅勤務を認め、05月初旬にはプルンチットに仮事務所を設置。その後、アソークに移動し、現在ではオンラインで通常業務を継続。同社代表は、「柔軟性をもって対処している。ビデオ会議などオンラインを最大限に活用し、ほぼ通常通りの業務がこなせている。」という。万が一に 備えて顧客情報のバックアップも万全とのこと。
資産運用大手「アバディーン・アセット・マネージメント」もデモ激化を機に仮事務所へ移動、現在はITシステムを駆使して従来通りの業務を続けている。
食品大手「CPフーズ」は、シーロム通りのCPタワーから安全な場所へ移動したばかり。交通網が一部運休となってからは自宅勤務に切り替える社員も多い。同社では「社員の安全が確信できるまで、CPタワーに戻ることはできない。」としている。
高架電車BTSと地下鉄MRTは22日も全線運休。BTSとMRTは都心部を占拠したタクシン派と治安部隊の衝突にともない14日午後から全線で運行を中止。
首都高速鉄道公社は、「23日より、午前08時から午後08時まで地下鉄の運行を再開する。」と発表。シーロム駅、ルムピニー駅を含めた全ての駅で停車。また、24日より通常の営業時間に戻って運行が再開される。
MRTは全線で、23日MRT全線営業08時から20時まで営業。24日は開始06時から翌24時まで。
午後デモ終結宣言に伴う放火・略奪も収まりタイ国内の状況が沈静化に向かいつつあることを受け、アピシット首相は、テレビ演説の中で、「タクシン派によるクルングテープ都心部の占拠と治安当局による強制排除、一部のタクシン派の暴徒化と連続放火といった混乱が概ね収束した。」という見方を示した。今後数日は治安回復に力を入れ、状況が正常に復帰次第、非常事態宣言などを解除する方針。
アピシット首相は、2ケ月に及んだ反独裁民主主義同盟(UDD)の大規模デモに関連する全ての犯罪を独立委員会を設置して詳しく調査する意向を示す一方、「放火で崩れ落ちた建物は建て直せば済む。」と述べ、「政治対立によって荒れた国民の心を癒すことが重要だ。」と強調。
「治安部隊との衝突でデモ隊に多数の死傷者が出たのは、デモ隊の武装グループによる攻撃が一因とされるが、デモ参加者の多くは、アピシット政権・治安当局に対する憎悪を募らせている。」という。
一方で、「長期に及ぶ反政府デモ、反UDD市民への攻撃や放火・略奪によってUDDとデモに参加した地方の農民らに嫌悪感を抱いている市民も少なくない。」とされる。
アピシット首相は、先に政府がUDDに提示した5項目和解案を実行する意向を明らかにし、「これを実現するには、これまでの混乱で増幅されたわだかまりを時間をかけて和らげる必要がある。」との考えを示した。
アピシット首相は一連の混乱について遺憾の意を示したが、タクシン派に対する一方的な非難は避け、「様々な考えがあると思うが、耳を傾けあおう。」と述べた。「中長期的には05月03日に発表した国民和解に向けた行程表(ロードマップ)の実現を目指す。」と表明。
ロードマップは特権階級、クルングテープの中間層を中心とする反タクシン派・王党派と、地方住民、低所得者層などタクシン派・民主派の和解を目指すもので、国民が一体となった王室の護持、教育、就労、賃金などの社会的不平等の是正、憲法改正を含む政治改革などが盛り込まれている。
タクシン派はアピシット政権に即時解散総選挙を要求し、03月上旬からクルングテープで数千~数万人規模の反政府集会を続けてきた。治安当局による強制排除を受け、タクシン派幹部は今月19日に投降したが、集会参加者の一部がクルングテープ都内の証券取引所、銀行、テレビ局などに放火し、クルングテープ最大級のショッピングセンターが半焼するなどした。一連の衝突による死者は約90人、負傷者は2000人近くに上る。
タイの混乱は2005年の下院総選挙で議席の75%を占めたタクシン政権(2001~2006年)が翌2006年09月19日の軍事クーデターで追放されたことが発端。その後、タクシン政権の低額医療制度やマイクロファイナンスなどで恩恵を受けた低所得者層、東北・北部などの地方住民がタクシン派、タクシンを反王室、腐敗政治家と批判する特権階級、クルングテープの中間層が反タクシン派という大まかな色分けで、政治闘争が続いている。軍は主流派が反タクシン派、警察はタクシン派寄りとされ、政府からの独立色が強まっている。司法は2005年のプミポン国王の演説以来、一貫してタクシン派に不利な判決を下し、一方、2008年の反タクシン派デモ隊によるスワンナプーム空港や首相府の占拠、反タクシン派政党の不正献金疑惑などは訴追、裁判が大きく遅れている。
コネ社会のタイでは、国家運営を担うと同時に様々な役得が見込める高級官僚、軍幹部、国営企業取締役などに旧貴族、富裕層の出身者が多い。また、相続税、固定資産税がなく、地方の所得・教育水準が低いことから、貧富の差、社会階層が固定化しやすい。タイ統計局によると、昨年、所得が最上位10%の世帯は月の平均所得が1人2万6678Bで、所得全体の33.7%を占めた。これに対し、最下位(10位)グループは月1169B(所得全体の2.2%)に過ぎず、5~10位の6グループを合わせても所得全体の3割に届かなかった。
タイの特権階級は長年、「国民は国王の良き子ども」「タイは平和な家族・農村国家」という像をテレビCMなどで国民に刷り込み、地方住民、貧困層の不満を統制してきた。しかし、経済・社会格差の拡大と、タクシン政権時の直接的な地方・貧困層支援策による政治的な覚醒で、一部でこうした幻想が崩れた。政府は今回、タクシン派の武力鎮圧に成功したが、経済発展の分け前と政治的権利を求める地方住民、貧困層の動きが沈静化するかどうかは不透明。
タイでは1970年代以来、国家的危機にプミポン国王が介入・調停し、事態を沈静化させてきた。国王は今回の危機で、タクシン派のデモの最中にアピシット首相と会談し、その映像(音声なし)がテレビで放送されたが、直接的な介入、発言はなかった。タクシン派がタイでタブーとされている王室批判に踏み込むなど王室自体が紛争に巻き込まれた上、国王が82歳と高齢で昨年09月19日から入院中という事情があったためのようだ。結果として、政府は当面の危機を自力で乗り切った。今後、タクシン派と反タクシン派の和解という、さらなる困難が予想されるが、今回の危機はタイ国民が国王への依存癖を克服するきっかけとなるかもしれない。

アピシット首相(左)、プミポン国王(右)、中央が国王の愛犬のトーンデーン ↑

反タクシン派の市民の多くはタクシン派を「タクシンに金で雇われた無教養な田舎者、貧乏人」と見做していたが、アピシット首相はこうした単純な図式を受け入れず、経済・社会的な構造問題の存在を認めた。メディアも一部を除き中立的な報道を維持し、政府による報道統制は一時的、部分的に留まった。こうしたことから、国民の間でタイが抱える問題への認識は深まっているようだ。
タイ治安当局は、タクシンの支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部で、貧困層の支援に尽力し、「スラムの天使」と呼ばれるプラティープ・ウンソンタム・秦の逮捕状を取った。非常事態令違反で逮捕状が出ているUDD幹部65人のうちの1人。
15:30夜間外出禁止令が延長されることを受け、在タイ日本大使館より注意喚起。

バンコク都及び23県に対する夜間外出禁止令の延長(続報)(2010年5月21日15:30現在)

1.タイ政府は、昨日(20日)発表した通り本日夜も午後9時から明日午前5時まで夜間外出禁止令を発出する予定です。ついては、夜間外出禁止令が出ている時間帯の外出は厳に控え、止むを得ない理由で外出される際は、必ず旅券等身分を証明するものを携行し、軍及び警察等に提示を求められた際は、速やかに見せられるようにして下さい。

2.バンコク都内の治安は徐々にではありますが回復に向かいつつあり、昨日(20日)火災が発生したディンデン地区を含み都内の暴徒の鎮圧はほぼ終息に向かっています。既に軍は、バンコク各所で銃器及び危険物等の押収作業を行っており、バンコク市職員が市内の清掃活動等に従事していますが、未だ各所のチェック・ポイントでの交通規制は厳しく実施されており、ラーチャプラソン交差点を含む通行制限地域の治安の回復には、まだ暫く時間がかかる見込みです。従って、制限地域周辺にはなるべく近寄らないことをお勧めします。

3.また、21日(金)午前11時、タイ政府報道官代行は政府の特別チームを立ち上げ、早急な事態の回復と国民生活の安定化を図る旨述べると共に、午後2時、アピシット首相は今後共、治安の維持、経済の回復及び国民和解に向け努力する旨、テレビで演説を行いました。

【夜間外出禁止令対象都県】
バンコク都全域、ノンタブリー県全域、サムットプラカーン県全域、
パトゥムタニー県全域、ナコンパトム県全域、アユタヤ県全域、
チョンブリー県全域、チェンマイ県全域、チェンライ県全域、
ランパーン県全域、ナコンサワン県全域、ナーン県全域、コンケン県全域、
ウドンタニ県全域、チャイヤプーム県全域、ナコンラチャシーマー県全域、
シーサケート県全域、ウボンラチャタニ県全域、マハーサラカム県全域、
ロイエット県全域、ノンブアラムプー県全域、サコンナコン県全域、
ムクダハーン県全域、ガラシン県全域

(問い合わせ先)
○仮事務所領事関係問い合わせ(旅券、証明、査証、邦人援護) 電話:(66-2) 672-5304、5305、5306
FAX :(66-2)207-8511

○在タイ日本国大使館領事部
電話:(66-2)207-8502、696-3002(邦人保護)
FAX :(66-2)207-8511

○緊急電話(休日、夜間(17:45~08:30)のみ受付)
電話:(66-81)846-8265/(66-81)809-6074
チュリン保健相は、03月12日から05月19日の期間に起きた、タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)と治安維持部隊の衝突などで発生した死傷者数を発表。総負傷者数は1898人、死者は85人で、05月14~19日の期間のみで、負傷者は480人、死者は53人に上った。

放火され焼けたセンター・ワン(アヌサワリー近く) →

法務省中央科学捜査研究所のポンティップ所長は、「パトゥムワラナム寺院内で遺体で見つかった6人はいずれも高速の弾丸を受けて死亡した。」と述べ、ライフル銃が凶器との見方。ライフル銃はピストルに比べて弾丸が高速で射程距離も長い。
また、ポンティップ所長は、「同一の武器によるものではない。M16自動
小銃が使われた可能性もある。」としている。この小銃は、軍や警察が使用しているが、デモ隊も治安部隊から奪ったものなどを攻撃に使っていたとされる。どの方角から銃撃されたかは現在も調査中。
高架鉄道スカイトレイン(BTS)を運営するバンコク・マス・トランジット・システムは、独シーメンス社とともに、タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)が占拠を続けてきた地域にある3駅(ラーチャダムリ、チットロム、サイアム)の被害状況を確認。
これによると、チットロム、サイアムの2駅は、特に大きな被害は見られなかったが、ラーチャダムリ駅は放火による被害で、レールが損傷している。
このことなどから、高架鉄道スカイトレイン(BTS)を運営するバンコク・マス・トランジット・システムは、「依然乗客の安全が確保出来る状況ではない。」とし、22日も全区間の運休を決定。
またクルングテープの地下鉄(MRT)を運営するバンコク・メトロ(BMCL)も、同様に22日も全区間の運休を決定。だが23日は午前08時から午後08時、24日は午前06時から午後12時までの運行を発表。
地下鉄MRTと高架電車BTSはクルングテープ都心部を占拠したタクシン派と治安部隊の衝突にともない、14日午後から全面運休している。タクシン派による放火や破壊活動で、MRTはクイーンシリキット・ナショナル・コンベンションセンター、クロントイ、サームヤーン、フアラムポーンの4駅、BTSはラーチャダムリ、チットロム、プルンチットの3駅が被害を受けたが、MRTは損害が軽微だった。BTSは駅、線路などの修理、点検が必要で、営業再開は早くて24日になる見通し。
クルングテープ中心部の道路は21日時点で、ディンデーン通り、シーアユタヤ通り、ラーチャウィティー通り、ペッブリ通り、シーロム通り、ラーマ4世通り、パヤタイ通り、ウィタユー通り、ラーチャプラロップ通り、ラーマ1世通り、サトーン通りなどで通行止め・規制が続いている。
首都圏の路線バスは21日までに、多くの路線で運行を再開。
タクシン派が占拠していた地域内のホテルは21日になってもほとんどが休業中。ウィタユー通りのル・メリディアン・プラザアテネ・バンコクは21日に営業を再開。
都内の一部学校は新学期の開始を05月31日に延期する。新学期は17日に始まる予定だったが、治安悪化にともない24日に延期されていた。
タイ治安当局は、タイ東部のビーチリゾート、パタヤ市で夜間外出禁止令を解除。パタヤは夜の街が売り物で、夜間外出禁止令に対し、観光業界から苦情が出ていた。
夜間外出禁止令はタクシン派の暴徒化にともない、19日からクルングテープなど1都23県に発令された。23日朝まで、午後09時~午前05時の外出が禁止される。
タイラット紙によると、反独裁民主主義同盟と袂を分かったデーンサヤーム幹部のスラチャイ・セーダーンは、チャクラポップ・ペンケーのグループと共に非常事態宣言解除後にクルングテープのサナーム・ルワンで3日間に渡る集会を開催する方針を明らかにした。~5000人以上が集会に参加する見通しだ。」という。
スラチャイは発言の中で、「ラーチャプラソン集会場の強制排除により、巣を壊された蜜蜂のように赤服軍団が全国で暴動を引き起こし無政府状態に近い状態に陥れ、容易に抑え込む事ができないような状況にまで至った原因について舞台上で説明する考えである。」、「同盟幹部が国家のために活動するべきとする何回にもわたる警告に耳をかさなかった事が、情勢を無秩序に激化させ、多くの者の反発心や復讐心を抑制出来ない状況にまで陥れた原因になった。」という。
コムチャット紙によると、妻の故郷のコンケーンで大物や警察高官2人の保護下にあるアリスマンが出頭の意向。スポンは弁護士を通じて非常事態宣言解除後に出頭の意向。
タイラット紙によると、アリスマンも非常事態宣言解除後に出頭の意向。
タイのテレビ報道によると、タクシン派支持者による放火で建物の一部が炎上、倒壊したクルングテープ最大級のショッピングセンター、セントラル・ワールドで、焼け跡で10人の遺体が見つかった模様。パトゥムワン警察署によれば、放火で一部が焼け崩れた大型ショッピングセンター・セントラルワールドで、5月21日、警察の調査チームが4階のゾーンCに男性の遺体があるのを見つけた。年齢は25~30歳、身分証明書などは所持しておらず身元不明。死因はまだ特定されていないが、「煙に巻かれて死亡した可能性が強い。」という。消防隊は、同ビルの焼けた部分で遺体を9体ほど確認。
携帯ショップ内で発見された1人は、タクシン派集会に参加していた東北地方出身の自警団で、略奪目的で侵入中に煙に巻かれたと見られる。あとの9人は身元不明。遺体のうち、携帯ショップ以外で発見された9人は、デモ隊が休憩に使用し地下階へ移動可能な場所で発見された。
セントラル・ワールドは南側の一部が炎上、倒壊したが、伊勢丹が入居する北側は被害が軽微にとどまった模様。
チエンマイで、19日に知事公邸近くの広告看板に投石していた模様がYoutubeに投稿されており、元警官のポーランド人とタイ人妻がオランダ人外国語教師ギューズベルト・ハーデルビューク(44)を警察に突き出した。ハーデルビュークは、「タイ人に誘われ参加し、赤服に共感した。」と供述。
05月22日(土)ポストトゥデー紙によると、パニターン政府報道官代行は、「アピシット首相が、和解推進に向けた取り組みが完了した後に総選挙実施日を決定する考えを示している。」と発表。
パニターン報道官代行によると、「アピシット首相は、和解推進に向けた取り組みが完了し、清廉公正かつ騒乱が発生せず、さらに総選挙後に(全ての階層から)受け入れられる政府が組織される事が保障される状況になっているか見極めた上で総選挙の実施日を検討する考えを示している。」という。
地下鉄MRTは、23日は08:00から20:00までの予定で全区間運行し、24日から通常通り06:00から24:00まで全区間で運行予定。
また、BTS線も同様に23日はシーロム線及ぶスクムウィット線共に08:00から22:00までの予定で運行し、24日から通常通り両線とも06:00から24:00まで運行するとしているが、何れもラーチャダムリ駅のみ通過する。
治安当局は、各国の外交、報道関係者向けに記者会見を開き、タクシン派から押収した銃、爆弾などを公開。会見に出席したステープ副首相(治安担当)は「反政府派はテロ活動や武器の所持を否定してきたが、集会場所などで大量の武器が見つかった。」と、タクシン派を非難。「19日のタクシン派集会の強制排除後に起きた都内の連続放火については、集会参加者の暴徒化が原因ではなく、計画的犯行だった。」という見方を示した。
タクシン派はアピシット政権に即時解散総選挙を要求し、03月上旬からクルングテープで数千~数万人規模の反政府集会を続けてきた。治安当局は05月13日、タクシン派が占拠する都心部を包囲、19日に強制排除に踏み切り、クルングテープ救急センターによると、13~22日に治安当局の2人を含む56人が死亡、約430人が負傷。また、タクシン派が都心の約40ケ所に放火し、ショッピングセンター、銀行、証券取引所、テレビ局などで火災。
タクシン派による長期間の占拠、放火で荒れ果てたクルングテープ都心のショッピング街。清掃作業が続けられているが、再建には時間がかかる見通し。
プア・タイ党下院議員団長のチャルーム・ユーバムルン警察大尉は、「党会議の席上で、アピシット首相、コーン財務大臣、カシット外務大臣、チャーンチャイ内務大臣、ソーポン運輸大臣を対象にした不審任決議案及び首相罷免決議案を提出する方針が確認された。」と明らかに。
「24日朝に首相罷免決議案を上院議長宛に提出し、午後に不審任決議案を下院議長宛に提出する予定で、また不審任決議案審議の決議の際にチャルーム警察大尉を後任首相候補としてして指名する方針が確認されている。」という。
逮捕された反独裁民主主義同盟(UDD)幹部がゲストハウスでくつろいでいる写真がネット上に流出し、これに非難が集中している問題で、警察幹部は、「特別扱いはない。」と、批判を退けた。
UDD幹部は、19日のデモ終結宣言直後に6人、翌20日に3人の計9人が中部ペチャブリー県チャアム郡の国境警備施設「ナーレスワン・キャンプ」に収容されたが、警察庁の広報担当は、「わずか10人を留置する施設しかなかったため、当座の措置としてゲストハウスを使ったまで。」と釈明。
05月23日(日)00時半頃首都圏警察によれば、夜間外出禁止令施行中の、クルングテープラートプラオ区でのラートプラオ通りソーイ71にあるバンコック銀行ナーカニワート支店(報道によりラートプラオ71支店)に向け4発の銃弾が撃ち込まれた。この銃弾発砲により支店の外壁のガラスが損壊したが人的被害はなかった。警察は、情勢扇動目的の犯行と見て捜査を開始。
銃声に気づいた住民もいたが、夜間外出禁止令が出ていたこともあって、誰も現場を確かめようとしなかった。
なお、19~20日のデモ隊による銀行放火は、バンコック銀行の支店に集中しているが、これは、反独裁民主主義同盟(UDD)が、「反タクシン派のプレム枢密院議長と深いつながりがある。」と、バンコック銀行を非難していたため。
スカイトレイン(BTS)は午前08時から午後10時まで運行。24日は通常運行となる見通し。ただ、ラーチャダムリ駅は被害が大きいことから停車しない。
昼前国内治安維持本部のサンスゥン報道官は、「クルングテープ都と北部チエンマイ県、東部チョンブリ県など1都23県に発令している夜間外出禁止令を23、24日の2日間延長する。」と発表。午後11時~午前04時の外出を禁止。
治安当局は、23県はノンタブリー県、サムットプラカン県、パトゥムタニー県、ナコンパトム県、アユタヤ県、チョンブリ(パタヤ市を除く)、チエンマイ県、チエンライ県、ラムパーン県、ナコンサワン県、ナーン県、コンケン県、ウドンタニー県、チャイヤプーム県、ナコンラチャシマー県、シーサケート県、ウボンラチャタニー県、ノーンブアラムプー県、マハーサラカム県、ロイエット県、サコンナコン県、カラシン県、ムクダハーン県。クルングテープ都心部の道路の通行止め・規制は一部を除き24日午前05時に解除される見通し。
夜間外出禁止令はタクシン派の暴徒化にともない、19日に発令された。チョンブリ県パタヤ市については地元自治体と観光業界の要請を受け21日に解除。
なお、24日以降の対応に関しては、情勢を見極めた上で夜間外出禁止令の継続施行の是非等について判断する方針。
また、サンスゥン報道官は、「24日05:00までに現在CCTVシステムを含む復旧、清掃作業が行われているラーチャプラソン交差点及び周辺の路上の通行が可能になる。」との見通しを示し、24日に国内治安維持本部を第11地区歩兵部隊近衛師団本部からラーチャダムヌン通り沿いの陸軍本部に移転させる。」と発表。
タクシン派による7週間におよぶ占拠、放火で荒廃したクルングテープ中心部の大掃除が、都庁とボランティア団体の呼びかけで行われ、数千人がラーチャプラソン交差点やサイアムスクエア、ラーマ4世通りなどの清掃に汗を流した。
大掃除はテレビ、インターネットなどで呼びかけられ、交流サイト(SNS)のフェイスブックでは6000人以上が参加を表明した。当日集まったボランティアは20~40代の都市中間層が中心で、家族連れ、会社の同僚、友人同士、カップルなどのほか、欧米人や、1人でやって来て黙々と作業する人も見られた。タイの日本食ブームの火付け役である起業家・富豪のタンOISHIグループのタン社長もTシャツ姿で清掃に励んでいた。
清掃場所では都庁やボランティア団体から、ゴム手袋、マスク、水、食べ物、おしぼりなどが配布され、放火で被害を受けたセントラル・デパートのスタッフがショッピングカートに積んだ洗剤を配って歩いた。場所によっては道路が焼け焦げ、異臭が漂っていたが、参加者は声を掛けあい、デジタルカメラやスマートフォンで記念撮影したりと、学園祭のような明るい雰囲気。
仏企業の東部ラヨーン県の工場事務所で働いているという20代の女性は「フェイスブックを見て、朝のバスに乗って来た。私は東北部コンケン出身で、地元では赤(タクシン派)が多いが、何かしなくてはと思った。」と語った。
善意と良識の発露ともいえる今回の清掃だったが、実は都庁の清掃員が20日から作業し、最悪の部分はすでに清掃済み。下働きをこなす人々が赤服(タクシン派)、その上に立つ人々が黄服(王党派)という対立の構図は変わっていない。
反独裁民主主義同盟(UDD)がデモ拠点としていたラーチャプラソン交差点地域のBTSスカイトレイン駅近くで黒いポリ袋に爆発物25個が入っているが見つかった。
掃除を手伝っていた市民らが、爆弾発見のニュースに驚き、逃げ惑う場面もあった。警察の爆発物処理班が、爆発物を撤去。
警察に出頭、逮捕された反独裁民主主義同盟(UDD)幹部が別々の部屋に拘束されておらず、口裏合わせも可能な状況にあると報じられたことについて、アピシット首相はテレビ番組で、「警察当局に事実関係を調査するよう命じた。」と明らかに。
19日のデモ終結宣言に伴い、計9人のUDD幹部が警察に出頭し、国会会期中の不逮捕特権のあるチャトポン・プア・タイ党議員を除く8人が逮捕された。これら容疑者は、中部ペチャブリー県チャーアム郡の国境警備警察の施設に移送されたが、容疑者用の部屋でなく、来訪者宿泊施設に収容。その写真が報道され、警察の対応に批判が殺到。
これに対し、警察当局は、「宿泊施設を使ったのは準備ができていなかったため。」と釈明、「現在は容疑者用の部屋に別々に収容している。」と説明。
在タイ日本大使館は24日朝から、クルングテープ都内ウィタユー通りの大使館で業務を再開。日本大使館はタクシン派と治安部隊の衝突を受け、14日午後から事実上閉館。15日夕方から都内スクムビット通りのホテルに仮事務所を設け、業務を行っていた。
プーチャッカーン紙によると、チエンマイ県県都内にある民家内で、赤服軍団の自警組織に所属している男性が大型の爆竹により手を吹き飛ばされると共に足を骨折するという事故が発生。
「男性が大型の爆竹の改造中に誤ってタバコの火が導線に着火し爆発した。」と見られている。
また、男性の部屋から反独裁民主主義同盟の自警組織員の身分証明書が発見されているが、男性の母によると、「別の人物が置いていった物で、男性は1度も集会に参加した事がなかった。」という。
ポストトゥデー紙によると、ステープ副首相は、反独裁民主主義同盟のデモ隊によるセントラル・ワールドの放火を扇動した容疑でカンボジア人サン・モニーペート(27)とヨーロッパ人ジェフ・サヴェージの2人の身柄を確保した事を明らかに。
ステープ副首相によると、「カンボジア人モニーペートは2007年に就労目的でタイに入国し、セントラル・ワールド以外にも銀行や商店の放火にも関与していた。」という。
また、イギリスのミラー紙によると、逮捕されたヨーロッパ人は、「イギリスのケント出身で、現在パタヤ地区内でタイ人の妻と暮らしているジェフ・サヴェージ(48)で、他の赤服と共に『セントラル・ワールドに火を放つ。』と発言したビデオが公開されていた。」
タクシン派の反政府集会、暴徒化で悪化したクルングテープの治安は23日までに概ね回復し、高架電車BTS、地下鉄MRTが運行を再開。24日未明には都内の道路の通行止め・規制がほぼ全て解除され、企業、官公庁、医療機関、教育機関の多くが活動を再開する見通し。
24日のBTS、MRTの営業時間は午前06時~午後09時で、MRTは全線運行するが、BTSはシーロム線のラーチャダムリ駅には停車しない。
クルングテープ都、北部チエンマイ県など1都23県に発令されている夜間外出禁止令は25日の朝まで延長された。外出禁止時間は午後11時~午前04時。
夜の時点で、クルングテープ都内での反政府集会、放火などは報告されていない。ただ、00時過ぎ頃、クルングテープ都ラープトラオ71のバンコック銀行支店に銃弾が撃ち込まれ、窓ガラスが割れた。また、都内では、デモ隊が放置していったとみられる火炎瓶を作る材料が見つかった。
05月24日(月)00:00過ぎチョンブリー県パタヤ地区の警察当局は、外出禁止令施行期間中に北パタヤ地区内に設置していた検問所でラヨーン県内在住の5人の男を武器等の不法所持容疑で逮捕し、2挺の銃器や多数の銃弾を押収。5人は何れも地元の自警団メンバー。
逮捕された5人のうち40歳の男は取り調べに対して、「チョンブリー県内で開催されたサッカーの親善試合に出場した後に、友人が『パタヤで遊んでからラヨーンに帰りたい。』と言い出したかめ、パタヤ方面に寄り道していた際に検問に引っかかってしまった。所持していた銃器類は、護身用に所持していたものである。」と供述。
02:30前タクシンはTwitterに投稿された一連のメッセージの中で、「投票用紙を要求し銃弾を受け取った(they ask for ballots but they got bullets)。」と語るなど、「全世界は民主主義を要求する者たちに同情的で、また意気軒昂である。」、「決して(今回の件で)意気消沈するべきではない。」と民主主義を要求する者たちに訴えた。
さらにタクシンは、時間が空いている赤服軍団に対して、地場の武器で最新兵器を使用する政府に挑んだ赤服軍団と同様なシーンが展開されている映画「Avater」を見ておくよう訴えた。
また、フランスで開催されたカンヌ国際映画祭会場内で撮影された自分の写真が公開されている事に関しては、行った事は認めたが、「大型銃が登場する嘘で塗り固められた政府が撮影しようとしているものであり、映画を見ることはなかった。」と北部方言混じりで主張。
アピシット首相はテレビ番組で、「国内が平穏になって初めて自由で公正な政治活動、選挙が可能になる。」と強調し、「状況が今後どのように推移するか誰にも予測できない。」と述べ、「現時点で解散総選挙の時期は決められない。」との考えを明らかに。
これは、「反軍事クーデターを掲げる『6月24日グループ』が、新たに反政府活動を開始する動きを見せるなど、政情が再び悪化する恐れがあるため。」という。
アピシット首相は先に、大規模な反政府デモを展開していた反独裁民主主義同盟(UDD)に対し、事態収拾のため、「11月14日総選挙」を提案。UDDはこれを大筋で受け入れたものの、デモを終結しようとはせず、このため、治安部隊によって強制排除された。
これで、総選挙案は白紙に戻されることになったが、アピシット首相は今でも、「早期総選挙を政治問題解決の1つの選択肢と考えている。」とのこと。
なお、現在の民主党連立政権は、2007年12月の総選挙で勝利したタクシン派パラン・プラチャーチョン党が樹立した連立政権が2008年12月に解党処分で崩壊したあとに誕生しており、残りの任期は1年半あまり。
香港上海銀行(HSBC)のフレデリックは、「先週起きたクルングテープ都内・地方各県における騒動で、タイ経済に対する損害額は過去20年以内で最高額となるだろう。」としている。
シンガポール地元紙、ザ・ストレーツ・タイムズによると、「最低総額予測は約15億米ドルで約1351億円。タイ政府は夜間外出禁止期間を2日間延期したが、首都圏全域は間もなく正常に戻る。」と見ている。
反政府デモが一応の終結をみたことで、銀行や証券取引所などの金融機関は通常業務を始めた。
治安部隊によるデモ隊強制排除の影響で、05月20日と21日は銀行、証券取引所などが原則営業を停止。2カ月以上続いた今回の反政府デモでは、最大手のバンコック銀行で10支店以上が暴徒に狙われた。
放火の被害を受けたタイ証券取引所(SET)でも、月曜日から取り引きを再開。バンコック銀行の子会社ブアルアン証券では、「投資家は、デモを制圧した政府の能力を高く評価しており、取り引きが活発になっている。市場は反発に入るだろう。」と予測。
プア・タイ党国会対策委員会のウィタヤー委員長は、アピシット首相、ステープ副首相、チャワラット内相及びソーポン運輸相に対し、不正行為の容疑で、憲法270条に基づき、罷免動議をプラソップスック上院議長宛てに提出。また前後してウィタヤー委員長は、罷免動議の対象になった上記4閣僚及びカシット外相、コーン財務相の計6閣僚を対象にした不信任決議案を180人の党所属議員の署名を添えて下院議長宛に提出。
理由は、ステープ副首相が「憲法違反、法適用における怠慢」、チャワラット内相が「予算割当などでの職権乱用と不適切な言動」、ソーポン運輸相が「既得権益を守ろうとした政策のねじ曲げ」、コーン財務相が「不適切な金融・財政政策」、カシット外相が「国の対外イメージの棄損、隣国と政敵への脅迫的言動」。アピシット首相については、「反政府デモへの政府の対策で死傷者が出たことの責任を追及する。」としている。
解任要請をしないのはカシット外相とコーン財務相のみ。「この2人に関しては不正の証拠が十分になかったから。」という。また、解任要請に賛同したのは159名、不信任決議案の審議に対しては184名。
ウィタヤー委員長によれば、「今回の不信任決議案の審議は政府や与党からの賛同を得ることを全く期待はしてないが、国民に現政府の不正を示したいだけだ。」とか。
なお、アピシット首相は、「来年度予算案の審議のため26日と27日に予定されている臨時国会を延長して不信任案審議を行うことも可能。」と述べた。
デイリーニュース紙によると、反独裁民主主義同盟の集会活動により一時休業を余儀なくされていたクルングテープのサイアム地区にあるサイアム・パラゴン、サイアム・センター及びサイアム・ディスカバリーの3箇所のショッピングセンターが25日10:00から営業を再開。 なお、閉店時間に関しては、夜間外出禁止令の適用状況を見てから別途検討し公表。
クルングテープ都は「セントラル・ワールド、センター・ワン、サイアム映画館の3施設を撤去する。」と決定。
クルングテープ都はタクシン派による連続放火で被害を受けたビル全28ケ所中25ケ所の調査を終えた。それによると、被害状態が最も深刻な第1レベルの建物は3つあり、ラーチャプラソン交差点のショッピングセンター(SC)セントラル・ワールド、戦勝記念塔近くのセンター・ワン・ビル、サイアムスクエアの映画館サイアムシアター。被害が中程度な第2レベルの建物は、ラーマ4世通りのオフィスビル、チャンネル3の入るマリーノンビル、バンコック銀行ディンデーン支店、バンコック銀行テスコロータス・ラーマ4世支店、ディンデーンの麻薬防止撲滅委員会事務所、クロントイの首都電力公社ビルを含む8箇所、ラーチャダピセーク通りのタイ証券取引所(SET)など被害が比較的軽度な建物は14箇所。都は、「これらの建物の修繕を6ケ月以内にしたい。」としている。 また、「セントラル・ワールドの焼け跡で10人の遺体が見つかった。」という報道については、「24日までに見みつかった遺体が1体だけだった。」と確認。
高架鉄道スカイトレイン(BTS)を運営するバンコク・マス・トランジット・システムは、「タイ国内情勢が落ち着いた。」と判断し、「25日以後、BTSの運行を通常通りの06~24時で運行とする。」とした。 ただし、ラーチャダムリ駅のみ停車しない。
タイ地元紙によると、タイ法務省特別捜査局(DSI)はタクシンに対し、テロリスト容疑で逮捕状を要請。
国内治安維持本部のサンスゥン報道官は、本部会議の席上で、クルングテープ都など1都23県に発令している夜間外出禁止令を25日から31日延長する方針。外出禁止時間は00:00から04:00を予定。25日に閣議認可を求める。
夜間外出禁止令はタクシン派の暴徒化にともない、19日に発令された。チョンブリー県パタヤ市については地元自治体と観光業界の要請を受け21日に解除。夜間外出禁止令違反の逮捕者は20~24日で500人を超えた。
法務省特別捜査局(DSI)は、クルングテープ都ラートプラーオ区ソーイ・チョクチャイ4にある印刷所で家宅捜索を行い、反独裁民主主義同盟による違法集会関連の印刷物や同盟幹部の名簿、会計関係の書類を押収すると共に経営者夫婦をテロ支援の容疑で逮捕。
DSIのサンスゥン副局長によると、「逮捕された妻は、Pステーションの共同出資者に名を連ねているなどタクシンに近い人物として知られ、また、2~3週間前頃から印刷所内の書類を移転させるなどの証拠隠滅を図る動きが確認されていた。」という。
カーオソット紙によると、ステープ副首相は、反独裁民主主義同盟(UDD)の最大のデモ拠点だったラーチャプラソン交差点近くに位置し、安全地帯とされていたパトゥムワナラム寺の敷地内で、6人の射殺死体が発見された事件に関して、「初期段階の捜査で当局による銃撃による射殺の可能性が極めて低くなっている。」と公表。
また、「6人がBTS線の高架上にいた集団から銃撃されたことから、当局が射殺に関与しているとの見方がされている。」事に関しては、「射殺したのは犯罪者である。」と語るに留め、また、「当局以外の集団が何故BTS線の高架に上ることが出来たのか。」との質問に対しては、「彼らは常に高架上に居た。」と述べるに留めた。
一方、ステープ副首相は、「これまでに複数人の過激派と目されている黒服が逮捕され事情聴取を受けている。」との報告を受けている事を明らかにしたが、「詳細に関しては捜査を担当している法務省特別捜査局に問い合わせて欲しい。」と語り明らかにしなかった。
パトゥムワナラム寺はラーチャプラソン交差点に隣接するセントラル・ワールドとサイアム・パラゴンの中間にあり、赤十字ボランティアを含む6人が殺害されたのは、05月19日、治安部隊が同交差点に迫る中、デモ終結宣言に反発した一部のデモ隊が暴徒化、交差点から大勢のデモ隊が避難するという混乱の最中のこととされる。
法務省中央科学捜査研究所は、「6人はいずれもM16自動小銃(軍と警察が使用)を含むライフル銃で殺害された可能性が強い。」としている。これは、治安部隊とタクシン派武装グループの双方の犯行を示唆するものだが、パヤタイ地区からラーマ1世通を交差点方向に進んだ部隊は、「デモ隊が避難してきたため、われわれはサイアム・パラゴン近くで止まっていた。」と関与を否定、「寺院裏手から武装グループによる発砲があった。」と証言。また、軍関係筋は、「交差点を横切るスカイトレインの高架線路上に特殊兵が配備されていた。パトゥムワナラム寺前のラーマ1世通でサイアム・パラゴンなどに火をつけようとしていた者などが特殊兵に撃たれた可能性がある。」としている。
パトゥムワナラム寺の僧侶の1人も、「路上で撃たれた者が寺院内に運ばれた。医療ボランティアも寺院前で撃たれた」と証言しているという。
なお、「僧侶の多くは東北部出身。デモ隊も東北部の農民が多く、僧侶たちはデモ隊の武装グループも匿っていた。」との指摘もあるが、パトゥムワナラム寺は否定。
関係筋によれば、「長期に及んだ反政府デモや放火・略奪で大きな被害を受けた商業施設などに対し、政府はまず500億B程度を投入することを検討中。」という。具体的な支援額は、被害届提出の締め切り日05月31日以降に決められる予定。
アピシット首相はすでに、放火などで被害にあった商店、個人にそれぞれ5万Bの支援金を提供すると約束している。
なお、政府に支援を要請するため被害届を提出した人数は24日時点で約2900人に及んでいる。
東北部ウドンタニー県のアムナート知事は日、「クルングテープから戻ったデモ隊が地元で反政府集会を行う恐れがある。」との懸念を表明。
クルングテープで大規模な反政府デモを決行したタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)」の地方拠点の1つがウドンタニー県。県では、暴徒化したデモ隊がクルングテープ各所で放火などに及んだ19日、3000人規模の反政府集会が開かれ、また、県庁舎が放火され、約4億Bの被害。
アムナート知事によれば、「アピシット首相は、5項目の和解案を実行に移すとしているが、これが達成されない場合、反政府運動が再燃する可能性が強い。」とのことだ。
チエンマイ県ムアンチエンマイ郡において、反タクシン派団体の民主主義市民連合(PAD)が放送する民間ラジオに対し、扇動放送をしているとの報告があったため取締りを行った。
タイ地元紙によると、取締りを行ったスワット大佐は、「今回の取締りは非常事態宣言下の対処であり、赤服、黄服、その他の勢力にかかわらず、治安に影響を与える扇動放送をしてはいけない。」と話している。
05月25日(火)治安維持部隊は現在出ている夜間外出禁止令を1週間伸ばす案を政府に提出。提出された案は、25~31日、深夜100時ー早朝04時までを外出禁止とするもの。
これを受けステープ副首相は、この案を今日の閣議に提案する。
クルングテープ都サイアム地区にある大型ショッピングセンター、サイアム・パラゴン、サイアム・センター、サイアム・ディスカバリーが営業を再開。営業時間は10時~21時。
また、ショッピングセンターは、社員や販売エリアの貸主に対し支援を予定。「社員の納税期限の延期を政府に求めたり、店舗エリアの賃貸料を0にするなどする。」という。
反政府デモの拡大により閉店となっていたショッピングモール「サイアム・パラゴン」が、約2ケ月ぶりに営業を再開。懸念されていた水族館「サイアム・オーシャン・ワールド」については「全ての生き物が元気でいる。」と発表。 サイアム・パラゴンのあるラーチャプラソン交差点界隈はクルングテープ随一の商業地区として知られているが、04月上旬から反独裁民主主義同盟(UDD)が占拠、商業施設などが休業に追いやられた。デモ終盤には暴徒化したデモ隊が建物などに放火、サイアム・パラゴンも一部被害に遭ったほか、デモ制圧をねらう治安当局により一帯の水、電気の供給がとめられるなどした。 しかし、水族館では非常用に自家発電装置を用意、濾過システムなどへの影響を抑えることができた。「給餌についても、職員が交代で通いつめるなどして対応した。」という。水族館の職員は「ショーに出演していた鮫たちは、1ケ月以上の休暇で丸々としてきた。」と話している。
タイ観光協会連合会(FETTA)のチャルーンは、「一連のタイ国内における政治情勢が観光産業に対し与えた影響が次々と出てきている。」と述べた。
タイ地元紙によると、諸」外国でのタイ国内情勢に関する報道が、タイ人と外国人の間にある信頼感を壊し、外国人のツアー旅行が停滞したことを受け、今後、タイ国内の観光産業が停滞する。」との見通し。
今年の外国人観光客数は、当初の予測では1550万~1600万人を見込んでいたが、1千万人を割る見込み。また、「タイ人観光客も、この3~6ヶ月以内に海外旅行にあまり出掛けなかったことから、今年のタイ人海外旅行者数も減少する。」と予測される。
タイ人海外旅行者数は550万人(約2500億B)の見込みだったが、450万人(約1800憶B)に減少する見通し。
チャルーンは「今回の政治問題の影響は、去年の空港占拠時より2倍ほど酷い。」とも述べた。
ドバイにいるタイ人実業家シワポーンがタイの銀行口座に12億Bを3回振り込んだという情報が見つかり、法務省特別捜査局(DSI)が捜査している件で、タクシンの顧問弁護士ノパドンは、「タクシンとの関係はなく、タクシンはシワポーンという人物を全く知らない。」と述べている。
シワポーンはDSIに対し、「ドバイで投資をしているタイ人ビジネスマンは多数いることから、ドバイからタイにお金が振り込まれただけで、政治の道具として使うのは止めて欲しい。本当にタクシンの罪にしたいのであれば、そのお金は誰に振り込まれているのか、何に使ったのかも調査するべきだ。」と述べた。
タクシンも、「ドバイからタイにお金が振り込まれただけで、自分に繋がっているとなることを不思議に思っている。シワポーンという人物には会ったことも知ったこともない。」と述べた。
03月12日~05月19日にわたって行われた集会により、死者88人、負傷者1885人と確認された。タイ地元紙によると、チュリン保健相は「今後、物質的・精神的両面での援助をしていく。」としている。
高架鉄道スカイトレイン(BTS)を運営するバンコク・マス・トランジット・システムは、政府の夜間外出禁止令延長を受け、25~28日の運行時間を06時~22時までとすることを決定。
また、地下鉄(MRT)を運営するバンコク・メトロ(BMCL)も、同様に、25~28日の運行時間を06時~22時までとすることを発表。
13時政府は定例閣議の席上で、25日から28日まで施行時間を24:00から04:00まで短縮して夜間外出禁止令を非常事態宣言が適用されている地区を対象に延長施行する方針を決定。
当初、国内治安維持本部の提案では1週間となる予定だったが、政府は、これ以上夜間外出禁止令を延長すると国民に迷惑をかけるため、4日間のみの延長に止めることにした。今後、状況が良くならなければ再び延長するが、良くなれば解除する方針。
違反者には2年以下の禁固、4万B以下の罰金、もしくはその両方が科される。ただ、夜間の運搬が必要な運送業者、深夜の移動が必要な観光客などは関係書類を提示することで夜間の外出を許可される。
政府は閣議で、2ケ月に及んだ反政府デモや暴徒化したデモ隊による破壊行為で被害を受けた商業施設や従業員の救済措置を承認。具体的内容は、社会保障基金加入者に月7500Bの失業手当を6ケ月間支給、大規模・中規模の企業は政府が従業員の給与を3ケ月間負担(従業員を解雇しないことが条件)、ラーチャプラソン交差点界隈では政府が店舗賃貸料の3割引き下げを求める、サイアムスクエアの小規模店舗は政府が店舗賃貸料の2~7割引き下げを求め仮店舗を設営、セントラル・ワールドの従業員と小規模店舗をセントラルデパート・ラートプラオ支店などに移すための支援を政府が提供、センター・ワンのテナントに対しては、政府が土地を見つけ、6ケ月間賃貸料を無料とするなど。
タクシン派による集会が始まって以来、治安維持部隊は情報技術・通信省に、扇動サイトの取り締まりを命じていた。先週までに770のサイトが閉鎖されたが、今週になり1150のサイトが閉鎖。インターネットは、多くの人に情報を発信するために最も容易な手段であることが、扇動サイトが増えた要因と見られている。
治安維持部隊は、「非常事態宣言の解除にはまだ3ケ月間の猶予があるため、これからの状況をみて今後の対応を判断していく。」としている。
刑事裁判所は、汚職で実刑判決を受け国外逃亡中のタクシンに対し、法務省特別捜査局(DSI)の要請を受け入れ、テロ罪で逮捕状を出した。多数の死傷者を出した03~05月のタクシン派デモを資金援助しテロ行為を支援した疑いで、最高刑は死刑。
法務省特別捜査局(DSI)のナラット副局長は「刑事裁判所の判決により、タクシンに対し、テロリスト容疑で逮捕状の発行を承認した。」と発表。DSIは、タクシンを2ケ月に及んだ反政府デモに関連する一連の暴力事件の首謀者と断定。逮捕状を請求していた。逮捕状発行を受け、タクシンの潜伏先の国々にあらためて身柄引渡しを求めるべく、26日にも関係当局と協議を開始する見通し。
タクシンは在任中の2003年、職権を乱用して夫人(当時)ポチャマンに政府機関から都内の一等地を市価を大きく下回る価格で購入させ、2008年11月に禁固2年の有罪が確定。
これを理由に関係当局は、タクシンの身柄引渡しを求めてきたが、タリットDSI局長は、「これまでは政治絡みとみられ、諸外国はあまり協力的ではなかった。だが、テロ罪が加わったことで、身柄引渡しが要求しやすくなった。」としている。
タクシンはミニブログのツイッターで容疑を否定し、「多くの赤服の兄弟(タクシン派)を殺害しておいて、私に逮捕状を出すとは、恥ずかしくないのか。」などとタイ政府に怒りをぶつけた。政府はツイッターを含むタクシン、タクシン派のウェブサイトの遮断を試みているが、全面的には成功していない。
03月上旬から05月19日まで続いたクルングテープでのタクシン派反政府デモでは兵士8人を含む90人近くが死亡、2000人近くが負傷した。20日以降、クルングテープ都の治安は改善しているが、地方では23日から24日にかけ、東北部ヤソートン県、中部アントン県、北部スコータイ県などで政争絡みと見られる放火があった。
政府は、19日にタクシン派が県庁を焼き討ちにするなどしたコンケン、ウドンタニー、ムクダハン、ウボンラチャタニーの4県の県知事を職務怠慢で内務省付に左遷。クルングテープ都など1都23県で夜間外出禁止令を29日朝まで延長し、タクシン派退治に本腰。ただ、連立政権の重鎮であるバンハーン元首相が「06月にも政治混乱が再発する恐れがある。」と警告するなど、情勢は依然として流動的。
タクシン派・民主派と反タクシン派・王党派の抗争はタイ社会を2つに割り、家族が「赤(タクシン派)」と「黄(王党派)」に分かれ対立するケースもあるなど、深刻な事態になっている。両派はそれぞれ独自のケーブルテレビ局、新聞などを持ち、ツイッターや交流サイト(SNS)のフェイスブックなどで自派の結束を固めている。既存のテレビ、新聞はどちらかにつくか、不敬罪により表面的な報道に止まり、両派の和解は困難な情勢。
東北部のコンケン、ムクダハン、ウボンラチャタニー、ウドンタニー4県で県庁舎がタクシン派のデモ隊に放火された事件で、チャワラット内相は、職務怠慢があったとして、県知事4人を内務省に異動するという懲戒処分を決めたことを明らかに。
農民が人口の大部分を占める東北部は、タクシン政権(2001~2006年)のバラマキ政策で恩恵を受けた者が多いとされ、タクシン色の強い地域。
チャワラット内相は、「県知事は就任の際、治安と秩序を維持すると宣誓していたはず。」と異動理由を説明。ただ、「今回は重い懲戒処分ではない。そのため、次の異動で県知事に復帰することも可能。」とのこと。
反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のチャトポン、プア・タイ党議員は、法務省特別捜査局(DSI)に出頭し、テロ罪に関する説明と事情聴取を受けた。ただ、取調官からどのような質問を受けたかは明らかにされていない。
国会議員には国会会期中の不逮捕特権があるため、チャトポン議員は事情聴取後、帰宅したが、タリットDSI局長は、「聞き取りを拒んだり、証拠隠滅などの恐れがあったりすれば、議会に逮捕許諾請求をする」としている。
一方、UDDの主要幹部の多くはすでに警察に出頭、逮捕されている。アリスマン容疑者については、死亡説も流れているが、ステープ副首相(治安担当)は、「死んではいない。だが、居場所は言えない。」と述べた。
クルングテープ騒乱の舞台となったラーチャプラソン交差点界隈では、高級ホテル群が続々と営業再開の準備に入っている。
デュシタニー・バンコクは本日05月25日にリオープン、創業40周年記念と合わせたイベントを立ち上げ、新たな幕開けを祝う。常連の外国人男性は、「不運にもめげない誇り高い姿に感銘を受けた。他に予約してあったが、リオープンを受け、デュシタニーに予約を入れ直した。」と話していた。
インター・コンチネンタル・ホテルは05月26日に再開、当面はグループ傘下、ホリデーインの客も受け入れる予定。
グランド・ハイアット・エラワン・バンコクとコートヤード・バイ・マリオット・バンコクを運営するエラワン・グループは、「損失額は1億5000万B前後、その他クルングテープ、パタヤ、サムイ、プーケットにあるホテル10ケ所でも予約が低迷している。」、「復興には最低6ケ月が必要。」とのこと。
タイホテル協会(THA)では、ラーチャプラソン交差点界隈のホテル代表を招集して正確な被害額を算出、政府に具体的な救済プランを申請する予定。
ネーション系のタイ語速報は、「AFPの報道としてモンテネグロ国内のタクシンに近い消息筋が、タクシンが現地日付24日に家族と共に同国に入国し、25日に出国する予定になっている事を確認した。」と報じた。また、モンテネグロの地元メディアは、「タクシンがブドヴァに滞在中である。」と伝えている。
タクシンに対しテロリスト容疑で逮捕状が出た事を受け、タクシンはツイッターで反論。
タクシンはツイッターで、「私は嘘の証拠でテロリスト容疑をかけられた。メディアを使い一方的に私を共産主義者呼ばわりし、王室転覆を目論んでいるとの濡れ衣を着せ、今度はテロリスト扱いした。これは過去の事件(政府が市民を虐殺した1976年10月06日事件)の時と同じだ。」と呟いた。
この他、タクシンは現政府に対し、「私はこれからのタイはどうなるんだろうかブ。ンミーおじさんに聞いてみたい。なぜなら今のタイは、口では和解したいと言うが、内心では極悪非道で、何の道徳もなく、独裁政権あるのみだからだ。」と述べ、他にも、「現在の政府は大勢の市民を虐殺したが、民主主義を求める者をテロリストと呼び私を訴える事により原告になろうとしている。すばらしい政府だ。」、「タイ国民は、軍事政府ではない政府にするため再選挙を要求しただけだが、逆に殺されテロリスト扱いされた。」などとも発言。ブンミーおじさんとは、今年の仏カンヌ国際映画祭で金賞を得たタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の映画「ブンミーおじさん」の主人公。
タクシンは、刑事裁判所が自らに対してテロ罪で逮捕状の発行を許可した事を受け、「このような容疑が政治的な思惑により自らになすりつけられた。」と指摘し、「自らがテロリストではない事を証明するために徹底的に闘っていく考えである。」とする声明を元法律顧問のノパドン・パッタマを通じて発表。
タクシンによると、「自らは平和、非暴力、立憲君主体制の護持を旨として活動してきており、これまで一度も暴力やテロを支持した事はなく、自らがテロリストであるとのレッテルは、一般選挙による絶大な支持を得て首相に就任した自分を追い落とした2007年のクーデター以降に継続的に行われている自らの失墜を狙った動きの一環としてなすりつけられたものである。」と言う。
また、タクシンは、「クーデター以降に自分や家族に対してとられてきた不公正で法治国家の精神に反する措置や国民を二分化した二重基準の存在に不満を持つ国民が、民主主義の精神に則った議会解散を要求するために立ち上がったが、結果として民主主義や公正の回復の代わりに国家防衛のために国民の税金で調達された武器による殺害や、票を投票箱に投じる権利を要求した約100人の国民の体が遺体用の箱に投じられ、民主主義運の回復を求めた国民に対してテロリストというレッテルが貼られるという形で彼らの決起が終結した。」と述べた。
アピシット首相は、「特別国会期間終了前の05月31日から06月01日にかけてプア・タイ党が提出した不審任決議案審議のための国会が招集される可能性が極めて高い。」との考え。
プア・タイ党は24日に、アピシット首相、ステープ副首相、チャワラット内務大臣、ソーポン運輸大臣、カシット外務大臣及びコーン財務大臣の6閣僚を対象にした不審任決議案を180人の党所属議員の署名を添えてチャイ下院議長宛に提出。
プア・タイ党は、アピシット首相、ステープ副首相、アヌポン陸軍司令官及び国内治安維持本部執行委員会委員を職務遂行義務違反及び人権侵害容疑で国家汚職防止取締委員会に対して告発。
プア・タイ党のプロームパン報道担当は、「04月10日、28日及び5月19日に行われた反独裁民主主義同盟のデモ隊に対する武力行使が伴う強制排除により、多くの死傷者を出した事が職務遂行義務違反及び人権侵害に該当する。」と指摘し、今回の告発の際に不法行為を証明するビデオクリップや画像を証拠の一部として提出した事を明らかに。
クルングテープ都は、政府の協力によりシーロム通りでイベント「Together we can Grandsale」を開催。28、29日の2日間、09時~20時の予定。
タイ地元紙によると、都は、集会事件による被害を受けた企業などを救済する、救助センターを設置。被害を受けた企業などへの救済措置の1つとして、同イベントを催す。
シーロム通りのあるバーンラック区では、出店者の募集を26日17時まで受け付け。出店者は最大で600件。このイベントの来場者数は30万人で、約1億Bの経済効果を見込んでいる。
このほか、都は、センター・ワンの被害により戦勝記念塔周辺の歩道を露天市場にすることを検討しており、既に出店登録を370件以上受け取っている。また、サイアム・スクエアも、チュラロンコーン大学と相談し、チュラ・ソイ1~3のスペースに仮市場を開く計画。
クルングテープ都は、「ディンデーン交差点にある高架橋を06月01日まで封鎖する。」と発表。
同橋は、タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)がタイヤを長時間燃やし続けた事により、強度が弱くなっている恐れが高く、都は、橋の強度が安全と確認できるまで封鎖を続ける。
日本政府は、タイの治安情勢が回復に向かいつつあるとして、クルングテープ都の危険情報を「渡航の延期をお勧めします」から「渡航の是非を検討して下さい」に1レベル引き下げた。
タイのその他の地域に関する日本政府の危険情報は、タイ政府がタクシン派の反政府活動で非常事態宣言を発令している東部チョンブリー県、中部アユタヤ県、北部チエンマイ県など23県が「十分注意して下さい」、イスラム過激派のテロが続く深南部のナラティワート、ヤラー、パタニーの3県の全域とソンクラー県の一部が「渡航の延期をお勧めします」、ソンクラー県のその他の地域に「渡航の是非を検討して下さい」、カンボジアとの国境紛争が続く東北部シーサケート県の一部地域が「渡航の是非を検討して下さい」。
クルングテープ日本人商工会議所は26日から、都心部の事務局(ラーチャプラソン交差点横のアマリンタワー)で業務を再開。営業時間は午前09時~午後05時。31日以降に商工会議所会議室で予定されている会議はすべて予定通り開催。
クルングテープ日本人商工会議所は反タイ政府デモ隊がラーチャプラソン交差点一帯を占拠したことから、12日から都内の仮事務所に移転していた。
タイの主要6空港を運営するタイ国営企業エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)によると、スワンナプーム空港で19~23日に運休した便は計380便に上った。都心部を占拠したタクシン派と治安部隊の衝突で19日以来、夜間外出禁止令が発令されている。
タクシン派の反政府デモで休業を余儀なくされた都心のホテルのうち、インターコンチネンタル・バンコクが24日、ドゥシタニー・バンコク、ノボテル・バンコク・オン・サイアムスクエアが25日に営業を再開。26日にグランド・ハイアット・エラワン・バンコク、フォーシーズンズ・バンコク、アノーマ・ホテル、06月01日にはセンタラ・グランド・ホテル、ルネッサンス・ホテル・バンコクなどが続く予定。
ショッピングセンターではサイアム・ディスカバリー、サイアム・センター、サイアム・パラゴンが25日に営業再開。06月01日からセールを検討中。ゲイソンプラザは06月01~04日に順次営業を再開し、10日から08月末まで30~70%引きのセール。
デモ拠点周辺の小中学校では05月31日、新学年がようやく始まる。デモの一応の終結を受け、05月24日から始業を開始する学校もあったが、現在33校が依然として閉校のまま。
教育省ではこれらの学校に対し、授業の遅れを取り戻すための補習カリキュラムのほか、反政府デモで受けた心の傷を癒すためのカウンセリングなどを行う予定。また、民主主義を基礎に「良き市民」の育成にも力を入れる方針。
警察当局は、非常事態宣言に違反して反政府活動に関与した容疑などで、オーストラリア人と英国人の男2人を逮捕したことを明らかに。有罪となれば、最高2年の禁固刑が科される可能性がある。
オーストラリア人コーナー・デヴィッド・パーセル(30)はクルングテープで反独裁民主主義同盟(UDD)の反政府集会に参加、ステージ上で演説を行っていた。また、英国人ジェフ・サヴェージ(49)は過激な発言が罪に問われている。
アピシット首相は、「オーストラリア人パーセルについては、(違法行為があったか)明らかではないが、英国人サヴェージは反政府活動に関与していた。」と述べている。
UDDがデモ終結宣言をした19日、暴徒化したデモ隊がセントラル・ワールドに放火するなどの破壊行為に出たが、逮捕された英国人サヴェージが「われわれは、セントラル・ワールドをぶっ壊し、略奪して火をつけようとしている。」と興奮気味に話している映像がネット上に流れている。ただ、サヴェージ本人は、「放火には直接関与していない。」と主張。
05月26日(水)首都圏警察は、夜間外出禁止令が発令されている時間中に、強盗事件が多発していることを明らかに。
タイ地元紙によると、00時過ぎバーンカピ区シーナカリン通りソイ17で4人組の犯人が、銃やスタンガンでバイクの運転手を襲い、金品等を強奪する事件が発生。
また、02時過ぎにもラームカムヘーン通りソイ43にあるゲーム屋に、2人組の犯人が押し入り、店内にある金品等を強奪し、店主を拘束し逃走。
政治情勢が長期化した影響で、タイ国内の観光業が大幅に冷え込んでいることから、ホテル会社各社が宿泊料金を大幅に値下げをする可能性。
タイ地元紙によると、タイホテル協会はプラキット会長は、「政情悪化の影響で05月のクルングテープ都内のホテル宿泊率は10%で、休業したホテルを除いた場合でも宿泊率は過去40年最悪となる21%となっている。」と明かした。「このようなことから、観光業促進のため、ホテル各社が大幅に値下げする可能性があると危惧している。」とのこと。
タクシン派による長期占拠と放火で大きな被害を受けたクルングテープ都心のラーチャプラソン交差点で、仏教僧侶数百人による大規模な托鉢が行われた。シリキット王妃の誕生日の色である「青」のカバンを持った僧侶が目立ったほか、托鉢に応じるため集まった人の中には青い襟の「桃(プミポン国王の健康を祝う色)」のポロシャツという集団もいた。
タイの政治闘争は当初、タクシン派が「赤」、反タクシン派が「黄(プミポン国王の誕生日の色)」という色分けだったが、その後、「青」や「桃」も政治的な色付けがされ、揉め事を避けるため、こうした色の服を避ける市民も増えている。
タクシン派によるクルングテープ中心部での反政府デモで被害を受けた事業者の救済に向け、タイ政府や財界人が動き出した。
タイ政府は25日の閣議で、被害を受けた事業者、失業者の支援策をまとめた。反政府デモで失業した社会保険の非加入者に6ケ月間、月7500Bを支給するほか、小規模事業者に一時金5万Bを給付。また、解雇を行わなかった事業者に対する人件費支援金として4.2億Bを用意。低利融資、家賃補助、移転支援なども行う。
外食大手オイシ・グループのタン社長は個人的に手がける都内トンロー・ソイ10のサッカー場とカラオケボックスを、被害を受けた小売店に05月28日から06月06日まで無料で貸し出す。開場時間は午後05時~午後09時を予定。臨時の市場として営業を支援。
一方、クルングテープ都庁とタイ観光庁(TAT)は28、29日、都心のシーロム通りを歩行者天国にし、衣料品、食品などの約600店を誘致。ラーマ4世通り交差点(サラデーン交差点)からナラティワートラチャナカリン通り交差点までの約1㎞で、時間は午前10時~午後08時。
約7週間にわたり反政府デモ隊に占拠されたショッピング街、ラーチャプラソン交差点の商店街協会によると、デモの被害額は05月19日の放火を除いて113億Bに上る見通し。タイ経済全体に与える影響については、タイの大学、証券会社などが、投資や外国人観光客の減少などを含め、2000億~4500億Bに上る。
デモ隊に占拠され大被害を受けた商業地区ラーチャプラソン交差点界隈では、これから年末にかけて、買い物客を呼び戻すためのマーケティング・キャンペーンを続々と立ち上げる。
ラーチャプラソン・スクエア商業組合では現在、都庁やタイ国政府観光庁と共同で予算1億Bの「復興活動」について検討中。組合代表は、「暴動や武力衝突のイメージを払拭し、消費者の信頼を取り戻したい。また、復興活動を通して結束やホスピタリティーを訴えたい。」と話した。また、組合では再び惨事が起こらないよう、公共の場での抗議活動を制限する「抗議活動法」の制定を政府に求めている。
現在予定されているキャンペーンは、「アメージング・タイランド・グランド・セール」(06月15日から08月31日)、フード・フェスティバル(10月)、大晦日に向けての「バンコク・カウントダウン」など。
国家警察は、反タクシン派団体の民主主義市民連合(PAD)によって不法に占拠されたドンムアンとスワンナプーム国際空港の事件の進捗状況を発表。
タイ地元紙によると、国家警察ソムヨット中将が今年03月11日に2空港を占拠したPAD幹部112人に対し、逮捕状の発行許可をパティプ司令官代行に求めたものの、追加調査が必要と判断を下され再調査を行っていた。そして再び今月07日に追加調査の報告をした上で、パティプ司令官代行に逮捕状の発行許可を求めたものの、再び再調査を指示された。「パティプ司令官代行の対応には各方面から批判が出ているものの、パティプ司令官代行は09月に定年を迎えることから、それまで引き伸ばし、PAD幹部に恩を売っておきたいのではないか。」と見られている。
刑事裁判所は、現在逃走中の反独裁民主主義同盟幹部のアリスマン・ポンルアンローンに対して、アピシット首相に対する名誉毀損容疑で逮捕状を発行。
先にアピシット首相は、「昨年10月11日及び同17日に開催された同盟の集会の場でアリスマンが、『アピシット首相が国王体調不良の元凶、アピシット首相は国民の殺害を命じた、アピシット首相は国民の権利を強奪して首相に就任した。』と発言した事が名誉毀損に該当する。」として、アリスマンを刑事告発。
今回の逮捕状発行は、非常事態宣言違反等で逮捕状が発行され逃走中のアリスマン及びアリスマンの顧問弁護士が公判に出廷しなかった事を受け発行が決定。
法務省特別捜査局(DSI)のターリット局長は、外務省条約局及び検事総局外事刑事局長とを交えた3者協議の席上で、テロ罪でタクシンの逮捕状が発行されたことを受け、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて逮捕状発行を国際的に周知させるよう近く警察当局に要請する方針を発表。外務省条約法務局が各国に対しタクシンの所在に関する情報提供を求める予定。身柄引渡しの実現に向け手はずを整えることで圧力を強め、タクシンの政治的言動を制限するのが狙い。
さらにDSIでは、また、タクシンがタイに帰国次第逮捕できる態勢を整えるため全国に指名手配する。
ターリット局長は、「テロ罪の逮捕状発行で諸外国の協力的姿勢を引き出すことが可能。」としている。
ただ、警察内部には、「首相時代の職権乱用での禁固2年の有罪確定と同様に、政治絡みと受け取られ、諸外国が積極的に動いてくれない恐れもある。」(テートサク警察庁外事課長)との見方もあり、新たな逮捕状発行が有効手段となり得るかは現時点では定かでない。 また、タクシンの代理人として弁護士らが、「逮捕状発行は、裁判所がDSIによる一面的かつ不正確な説明を受け入れた結果。」として、逮捕状取り消しを求める手続きを取った。これを受け、刑事裁判所は逮捕状発行を見直すかを06月18日に決めることになった。
チャーイ下院議長は、「不信任案審議を週明けの31日と06月01日の2日間行うことにした。」と明らかに。
また、審議では、野党プア・タイ党が、治安部隊とデモ隊の衝突などの映像を上映して政府の責任を追及すると見られるが、これについて、チャーイ議長は、「タイが直面する問題の悪化を招かないよう注意してもらいたい。テレビ中継で審議を見る国民への配慮が必要。」と指摘。対立を徒に煽りかねない映像の上映を認めない考え。
関係筋によれば、「放火や略奪で反政府デモへの反感が強いことから、中小与党の賛同を得て不信任案可決に持ち込むことは不可能。」との見方が支配的。このため、タクシン派の野党プア・タイ党は、不信任案審議で、「政府に非があった。」と主張、反政府活動の正当性を訴えることでイメージの回復を図る作戦。
パニターン政府報道官は、政情が落ち着きを取り戻したことで、英国・オーストラリア・ニュージーランドが、タイの渡航危険レベルを引き下げたことを明らかに。「だが依然諸外国は非常事態宣言が発令されていることから、ひき続き注意深く見守っている。」とのこと。「26日の情勢を再調査した結果、正常に戻り始めた。」としているものの、夜間外出禁止令の時間を短縮し延長する可能性を示唆。
タイ旅行業協会(ATTA)は、タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)による2ケ月にわたる集会の影響で、観光業への損失は500億B以上と算出していることを明らかに。
「03月までは観光客が多かったものの、04月に入りUDDが商業地区を占拠し情勢が長期化、政府による非常事態宣言が発令されたことで、04月中旬頃から国内外の観光客が減少した。」とのこと。
タイ地元紙によると、タイ旅行業協会マサリン会長は、「今回の事件は過去稀に見る悲惨な状況である。」とした上で、「一刻も早く具体的な和解案が提示され解決されることを望む。」としている。
05月27日(木)アピシット首相は、「プア・タイ党が提出している首相を含む6閣僚を対象にした不審任決議案審議が終了した後に内閣改造に着手する可能性がある。」と確認。
これは、前日夜に首相付秘書官長のコープサック・サパーワスが、「不審任決議案審議の終了後に内閣改造が行われる可能性がある。」とするメッセージをTwitter上に掲載した事について聞かれた際に語られたもの。アピシット首相は、「連立政党との間で審議終了後の内閣改造の是非について協議されていた事を認めた上で、審議で信任を得られた後に再度内閣改造の是非について連立与党間と協議する必要がある。」との認識。
アピシット首相は、タクシン政権時代の大量殺戮案件の再捜査を法務省に指示した事を明らかに。
発言の中でアピシット首相は、「タクシンは最も人権侵害を侵してきた人物である。」と指摘し、「スラユット政権時代に一度は真相解明委員会を組織して解明が進められていた、タクシン政権時代に発生した2500人の麻薬密売組織関係者に対する殺害案件の捜査を前進させるよう法務省に指示した。」と明らかに。
パニット外相補佐官は、国交15年目となるモンテネグロとの関係緊密化を期すためにモンテネグロを訪問する際に、「近々モンテネグロを訪問しタクシンの身柄引き渡しを求める予定である。」とを明らかに。
現在モンテネグロは選挙期間中となっており、訪問時期を調整中。「タクシンは市民権を持っており、身柄が引き渡される可能性は低い。」と見られている。外務省は、「身柄引き渡しを断られた場合の対処について、検討していない。」とのこと。
パニット外相補佐官によると、「モンテネグロは自国の市民権を持つ者を国外で法的措置を受けるために送還した事が一度もない。」という。
治安維持部隊本部は、24日、醸成扇動や情報操作を目的としているタクシン派新聞や雑誌を、新たに4紙を発行禁止を命じた。発行禁止となったのは、「ボイス・オブ・タクシン」、「タイ・レッド・ニュース」、「トゥルース・トゥデイ」、「ウィワータ」の4つ。国家の安全保障を脅かす内容としている。
ステープ副首相は、「赤服系メディアはきちんとしたメディアではなく、ただの情勢扇動目的で作られたものであるため、非常事態宣言に基づき厳しい処置を取るべき。」としている。
公安警察局のタリート局長は、「地下組織化した赤服軍団の動向に関する具体的な情報を得ている。」と明らかにし、「過激な動きを未然に防ぐためにコーソン副局長を首班とする特務班に対して地下組織の動きを全国に渡って緊密に監視するよう指示した。」と発表。しかし、「地下組織に関する情報の詳細については、公安警察の職務遂行の障害になる恐れがあるとして明らかにする事ができない。」とした。
パニターン政府報道官は、「アピシット首相が05月30日に外交官、国際機関の代表、外国人記者などを首相府に招き、今回の反政府デモにおいて政府が講じた治安対策などについて説明を行うほか、各国からの質疑にも応答する。」と明らかに。
パニターン報道官は、「デモ収束後はより多くの情報が公開され、諸外国にも伝えられているはず。現状が正しく認識され、早々にもタイへの渡航制限が解除されることを願う。」と述べた。さらに、今回のデモにおける違法行為について、「政府はすべての違反者に対し法的措置をとる。例外はなし。」と明言。
タイ中央銀行(BOT)タリサ総裁は、「タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)による政治集会による騒動が、今年第2四半期のGDP成長率に深刻な影響を及ぼす。」との見方。「だが依然好調な輸出が、経済を下支えする。」、「しかし、政治リスクの増加により、今後格付け機関がタイの信用格付けを引き下げる可能性が高い。」、「BOTは今年タイのGDP成長率見通しを再検討する予定である。」としている。また今回の騒動による金融機関の損害について、「8銀行55支店が被害を受け、106台のATMが破壊された。」と発表。
野党プア・タイ党スナイ下院議員は、「治安維持本部がタクシン派新聞や雑誌4紙を発行禁止が命じたことは、アピシット首相の和解案とは逆行している。」と述べた。「政府が治安維持のためという名目であれば、なぜ反タクシン派のASTVを野放しにしておき、一方的な報道を許しているのか。」と批判。
スナイ下院議員は、発行禁止命令が下された4紙のうちの「ボイス・オブ・タクシン」の創刊者として、「夜間外出禁止令が解除されてからボイス・オブ・タクシン紙の今後の方針を検討する。」としている。
警察当局は、反独裁民主主義同盟幹部のクワンチャイ・プライパナー及びパーヤップ・パンゲートが集会期間中に休憩場所として使用していたコンドミニアム内で家宅捜索を行い、銃器類や銃弾を押収。
家宅捜索が行われたのは、ラーチャプラソン交差点の集会会場に近いパトゥムワン区ソーイ・ランスワン5にあるサワディー・ランスワン・インで、室内にあるトイレの天井裏から拳銃1挺や8発の銃弾、覆面が入った鞄が、4階通路(報道により4階の階段)の天井裏から突撃ライフル1挺やマガジン6個、98発の銃弾、銃剣1本、赤十字のマークが入ったベストを押収。
都庁は、放火されたショッピングセンターのセンター・ワンについて、「基礎構造に問題はなく、取り壊す必要はない。」との調査結果を明らかに。
都内戦勝記念塔近くの商業施設のセンター・ワンは05月19日、暴徒化したデモ隊に放火され炎上し、内部が焼け焦げた状態となった。だが、専門家による調査では、「壁は焼け崩れたが、柱や梁の強度に問題はなく、補修工事だけで済む。取り壊す必要はない。」とされた。なお、「各階の床については、まだ瓦礫に覆われていて調査できなかったため、そのまま使用可能かは現時点では不明。」という。
国内治安維持本部のサンスゥン報道官は、「28日で期限を迎える夜間外出禁止令が適用されている地域のうち、クルングテープに関してのみ、更に情勢の分析を行った上で適用延長の是非を検討する方針である。」と発表。
「クルングテープ以外の非常事態宣言が施行されている地域を対象に適用されている夜間外出禁止令に関しては、27日の時点で第2及び第3国軍本部や対象県の県知事を交えて情勢を分析した限りでは、再延長の必要がないことで意見が一致している。」という。
コンケーン県の警察当局は、プームチャイ・タイ党下院議員団長で前副農業・協同組合大臣のプラチャック・クレーオクラハーンの自宅内で銃を発砲し、赤服軍団1人を死亡させた容疑で、秘書の男を逮捕。
調べによると、男は、19日にクルングテープで行われた反独裁民主主義同盟のデモ隊に対する強制排除に怒った武装した赤服軍団がプラチャックの自宅前を包囲し、放火しようとした際に銃を屋内に押し入ろうとした赤服軍団に向け乱射し、赤服軍団関係者1人を死亡させ、13人を負傷させた。なお、プラチャックの自宅前に集結していた赤服軍団は、火焔瓶や石を屋内に投げつけ放火し銃弾を屋内に向け発砲し立ち去った。
関係筋によれば、「長期に及んだ反政府デモにやっと終止符が打たれ、クルングテープにも平穏さが戻ったように見えるが、軍当局は、武装グループが報復に出る恐れがあることから、警戒態勢を緩めず、情報の収集に努めている。」という。
05月19日は、治安当局が本格的な強制排除に着手したことから、反独裁民主主義同盟(UDD)がデモ終結を宣言、これに反発した一部デモ隊が放火・略奪という破壊行為に出る中、大勢のデモ隊が逃げるようにデモ拠点のラーチャプラソン交差点地域から退避。
同筋は、「武装グループも一般のデモ隊に交じってデモ拠点を離れた。彼らがクルングテープ、そして地方でも仕返しのために事件を起こす可能性が今でもある。」としている。
タイ刑事裁判所は、クルングテープのタクシン派集会に参加して逮捕された英国人はクルングテープで反独裁民主主義同盟(UDD)の反政府集会に参加、ステージ上で演説を行っていた。また、英国人ジェフ・サヴェージ(49)とオーストラリア人コーナー・デヴィッド・パーセル(30)の拘留期間の1週間延長を認めた。非常事態宣言に違反した疑い。2人は19日の連続放火に加わった容疑で取り調べを受けている模様。
パティープ警察庁長官代行は、「タクシン派の市民による県庁放火などが起きた東北部コンケン、ウドンタニー、ムクダハン、ウボンラチャタニーの4県の県本部長を警察庁に異動させる懲戒処分を決めた。」と明らかに。当座は副本部長が部長を代行。
これら4県では、すでに県知事が県庁舎放火の責任をとらされ、内務省に異動となっている。内務省によれば、デモ隊による県庁舎焼き打ちの被害は総額13億Bに上る。
警察はタクシン(退役警察中佐)の古巣で、「タクシン派による反政府デモの鎮圧に消極的だった。」とされる。クルングテープ都の警察本部はタクシン派が04月03日から05月19日まで占拠したラーチャプラソン交差点から数百mしか離れておらず、タクシン派がバリケードを築いた占拠地の内側に入っていた。政府は主に軍を動員しタクシン派を強制排除し、警察の出番はほとんどなかった。警察の仕事ぶりに関しては、政権与党であるタイ民主党のチュワン顧問会長(元首相)が「警察は機能しておらず、信頼されていない。」として、「抜本的な改革が必要。」と主張。
タクシンがテロ罪で逮捕状が出たことに「でっち上げだ。」と反発していることに対し、ステープ副首相(治安担当)は、「本当に潔白なら、帰国して裁判で無実を証明すべきだ。」と述べた。
この容疑は、タクシンが過去2ケ月間の反政府デモに関連したテロ行為の首謀者というもの。刑事裁判所がこれを認め、逮捕状を発行したことを受け、捜査当局は、国際刑事警察機構(ICPO)を通じテロリストであることを国際的に周知させようとしている。
だが、タクシンは、「インターポール(国際刑事警察機構)は、内政問題と受け止め、逮捕状発行に対応することはないだろう。」としている。
なお、タクシンは、自ら創設したタイ・ラック・タイ党が解党処分、職権乱用で有罪、一族の資産が没収となったことなどから、クーデター後の捜査・司法当局を「反タクシンに偏向している。」と全否定。このため、タクシンが帰国して裁判を受けることは現時点では考えられない。
05月28日(金)タイ大量輸送電化鉄道公社は日、地下鉄線を運行しているクルングテープ電化鉄道社と共同で、集会により影響を受けた事業者に対して商品販売用スペースを6ケ月間にわたり無料で貸し出す方針を明らかに。
無料で貸し出されるのは地下鉄線チャトゥチャック駅にあるメトロ・モール内の200の販売用スペース。、28日から来月01日にかけてメトロ・モール内で希望者の受付を行う予定。
クルングテープのスクムパン都知事は、反独裁民主主義同盟による集会活動及び強制排除を契機とした暴動により、道路や歩道橋、バス停等の民間関連を除く公共資産に対して初期段階の見積もりで約1億8千万Bの損害がもたらされていた事を明らかに。
また、「これまでに集会により影響を受けた約1500人の住民がクルングテープ都の行政当局に登録を済ませている。06月03日には、1万Bの支援金の支給対象になる、集会により影響を受けた事業者の登録を受け付ける予定になっている。」と明らかに。
クルングテープ救急センターによると、タクシン派の反政府デモによるクルングテープでの死傷者はデモが本格化した03月15日から治安当局による強制排除・鎮圧が終わった05月23日までで、死者86人、負傷者1407人に上った。このうち民間人は死者75人、負傷者994人。
アピシット首相は、年内の下院解散、総選挙に否定的な考えを示した。即時解散総選挙を求めるタクシン派のデモを鎮圧、状況がいったん沈静化したことから、現下院の任期である2011年末まで、できる限り先送りを図る見通し。ただ、タクシン派の反攻は不可避と見られ、情勢は不透明。
アピシット首相はタクシン派が04、05月にクルングテープ都心部を占拠した際に、09月後半解散、11月総選挙という日程を提案した。タクシン派は首相提案の原則受け入れを表明する一方、都心部占拠を続け、05月19日に治安部隊により強制排除された。強制排除後、クルングテープや東北、北部の一部都市はタクシン派による連続放火などで混乱したが、情勢は落ち着きを取り戻しつつある。29日にはタイの76都県中、クルングテープ都、北部チエンマイ県など1都23県に発令されていた夜間外出禁止令が解除。
タクシン派は下院総選挙で、2001年、2005年、裁判所の判断で無効とされた2006年、反タクシン派軍事政権下で行われた2007年と4度連続して第1党になり、2005年には議席の75%を占めた。現在の下院(定数480)議席数はタクシン派野党のプア・タイ党189、連立与党の民主党172、プームチャイ・タイ党32、プア・ペンディン党32、チャート・タイ・パッタナー党25など。
アピシット首相が党首の民主党はタクシン派が今回の過激な反政府集会、暴徒化で支持を減らしたと分析、現時点で総選挙を行った場合、プア・タイ党が180議席を割り込む一方、民主党は180~190議席を獲得し第1党になると予想している模様。ただ、これまで4連勝というタクシン派の実力は侮れず、勝敗が読めない選挙は避けたいのが本音。チュワン元首相ら民主党の一部幹部はアピシット首相の09月解散案にも強く反対していた。
国際刑事警察機構に加盟する188国間の捜査の手配に関与している消息筋はAFPの取材に対して、機構の規則として加盟国からの政略的な逮捕要請を受け付けない事を確認。
これに先立ち、タクシンは26日にオーストラリアのラジオ局と行われたインタビューの中で、「国際刑事警察機構はタイの自身に対する逮捕要請を政略的と見なし拒否する事になる。」との認識を示していた。
一方、国際刑事警察機構のロナルド事務局長は、「テロ罪で逮捕状が発行されているタクシンの逮捕協力要請が未だタイから寄せられていない事を確認し、「協力要請があった場合は、機構内の規則に基づいた通常の手続きに付される予定である。」と明らかに。
法務省特別捜査局(DSI)のタリット局長は、「タクシン政権下(2001~2006年)の薬物一掃キャンペーンでの大量殺人疑惑を再捜査することも可能。」との考え。
薬物一掃キャンペーンは、薬物を国内から一掃するためとしてタクシン首相(当時)の号令のもとに2003~2004年にかけ断続的に実施。だが、全国で密売容疑者ら2500人以上が死亡したことが判明。その多くが現場の警察官による処刑との見方が有力だったが、これまでの調査では責任の所在が明らかにされていない。
タリット局長によれば、「DSIは特別事件のみを扱っているが、この疑惑はこれに該当する。」とのこと。
タクシンは、先の強制排除や一連の衝突で大勢の死傷者が出たことから、人権無視でタイ当局を国際司法裁判所に訴える構えを見せているが、大量殺人疑惑の再捜査は、これに対抗して、「タクシンこそ非人道的。」とアピールすることが狙い。
05月29日(土)タイ政府は、「クルングテープ都、北部チエンマイ県など1都23県に発令していた夜間外出禁止令を29日朝で解除する。」と発表。クルングテープ都心部を占拠したタクシン派デモ隊の治安部隊による強制排除、一部タクシン派の暴徒化を受け、19日から発令していたが、「治安状況が落ち着いた。」と判断。
夜間外出禁止令の解除を受け、クルングテープの高架電車BTSと地下鉄MRTは29日から、これまで短縮していた営業時間を通常の午前06時~午後12時に戻す。
昼過ぎアピシット首相は、外国メディアに対し、「年内の総選挙実施はさらに難しくなった。」と述べ、先に示した11月総選挙案の実行は不可能との認識。
この案は、反政府デモを終わらせるためアピシット首相が提示したものだが、反独裁民主主義同盟(UDD)は受け入れる姿勢を見せながらデモを継続し状況がさらに悪化。その結果、デモ隊は治安部隊によって強制排除され、同案は事実上意味を失った。
ただ、アピシット首相は、「問題解決に役立つのなら早期に(来年末の任期満了前に)解散総選挙をするという考えに変わりはない。」としている。
アピシット首相は、クルングテープ都を含む非常事態宣言が発令されている1都23県を対象に施行されていた夜間外出禁止令を解除し、延長施行しない事を明らかに。しかし、非常事態宣言に関しては、「情勢掌握のために継続して施行する方針である。」と明らかに。
首都圏警察本部のスメート副本部長は、「今月14日クルングテープクのディンデーン三叉交差点で発生した反独裁民主主義同盟のデモ隊による軍用車両包囲及び軍関係者への暴行事件の際に強奪された2挺のライフルの内の1挺を隠匿していた容疑で、35歳の男を28日に逮捕し、引き続き共犯関係にあると見られる3人の行方を追っている。」と発表。
スメート副本部長によると、「男が強奪したとされるライフルは、集会解散後の20日にパトゥムワナラム寺内で行われた捜索の際に、ござの下に隠されていたもので、その後軍で調査を行った結果、ディンデン三叉交差点で発生した軍用車包囲の際に強奪されていた事が確認されていた。」という。
仏誕節(休日)の28、29日午前10時~午後08時まで、クルングテープ都心のシーロム通りで行われた歩行者天国が盛況。タクシン派による都心部の長期占拠で被害を受けた小規模小売業者の支援を目的に、タイ政府と都庁が開催したもの。シーロム通りのラーマ4世通り交差点(サラデーン交差点)からナラティワート・ラチャナカリン通り交差点までの約1㎞に、衣料品、食品などの屋台数百店が出店。政府は2日間で来場者30万人、売上高1億Bを見込んでいる。
靴を販売していた男性は、「サイアムスクエアの店舗が燃えてしまった。従業員への給与支払いのため現金が必要。普段は1足600~1000Bの靴を100Bで売っている。」とのこと。
大型ショッピングセンター・セントラルワールドのゼンデパートの再建を担当する建築専門家によれば、05月19日に暴徒化したデモ隊に放火・略奪されたゼンデパートの建て直しには約1年かかる見通し。
ゼンデパートは、ラーチャダムリ通に面する部分が南北300m以上に及ぶセントラル・ワールドの南端に位置しているが、放火によって1~7階合計で床面積約1万平方メートルにのぼる部分が焼けた。
一方、「北端の伊勢丹を含む他の部分やゼンデパート裏手のセンタラグランド・ホテルコンプレックスは、一部修繕が必要なものの、ほとんど被害がない。」とのこと。
反政府デモからの復興活動が進むクルングテープでは、大手ショッピングモールなどがイベントを開いて小規模店の売り上げを支援。
「ザ・モール・グループ」では06月02日から06月06日にかけて、バンコク国際貿易展示場(Bitec)で特別セールを企画、同グループ所属のテナントがファッション小物から電気製品まで5000ブランド、100万アイテム以上の商品を販売。
同グループでは既にエンポリウム・スタジアムにおいて14日間のセールを実施、6000万B近い売り上げを記録したが、テナントからは「もっと在庫を売りたい。」との声が強く上がった。「Bitecにおけるイベントの成果によっては、さらに同様のイベントを立ち上げていく予定だ。」という。
戦勝記念塔近くの「センチュリー・ザ・ムービー・プラザ」でも、放火被害に遭った店舗のために3階と地下駐車場に特設スペースをもうけ、3ケ月間無料で貸し出す。100店から120店が入る予定。
05月30日(日)05月31日から2日間の不信任案審議で使用される参考資料の審査手順を巡って意見が対立し、審査委員会の野党代表3人のうちプア・タイ党議員2人が委員を辞任。委員は、連立政権、野党、下院議長の代表各3人の計9人からなる。
これら議員によれば、「動画、写真、書類などの参考資料は、これまで審議で使用する1時間前に提出し承認を得ることになっていたが、今回は3時間前とされており、受け入れがたい。」とのこと。
関係筋によれば、プア・タイ党は、不信任案審議を通じて、デモ対策などで「政府に非があった。」と国民に印象づける作戦。だが、政府は、「政治対立の再燃を招きかねないこともあって、防戦一方という事態を避けようと参考資料の使用に神経質になっている。」とのこと。
なお、プア・タイ党が不信任決議案を提出したのは、首相、外相、財務相、副財務相、内相、副内相の6人。
市民グループ「タイ・ルアムチャイ」(タイ団結)が、「タクシン派の野党プア・タイ党の議員10人が反政府活動に積極的に参加した。」として、その罷免をプラソップスック上院議長に請求。
タイ・ルアムチャイは、反独裁民主主義同盟(UDD)による反政府活動に対し、「一般市民の代表」を掲げて抗議運動を行ってきた「多色派ネットワーク」に属している。
これら野党議員は、UDDの集会で演説を行ったとされており、同グループは、「国会議員などの免職を規定した憲法270条に基づき罷免されるべき。」としている。
プラソップスック上院議長によれば、180日以内すなわち11月25日までに同グループが有権者2万人以上の署名を提出すれば、罷免請求が上院に受理される。これに続き、国家汚職制圧委員会が捜査、最高裁が議員罷免の是非を決めることになる。
NGO「マイナー・ファウンデーション」のソムバット代表は、反独裁民主主義同盟(UDD)による大規模デモの参加者少なくとも39人の消息が不明のままだとして、当局に対し、治安部隊が身柄を拘束したデモ参加者の氏名を公表するよう求めた。
「これら行方不明者のほとんどが、デモ終結宣言に反発した一部デモ隊が暴徒化し放火や略奪を始めた05月19日を境に連絡が取れなくなった。」という。
ソムバット代表によれば、「運び込まれた負傷者について医療機関に問い合わせをしたが、行方不明者の所在を確認することができなかった。」という。また、治安部隊に身柄を拘束されたデモ参加者の情報を当局に照会したが、「国内治安維持本部では氏名の公表を拒んでいる。」とのことだ。
政府保険評議会事務局のチャントラ事務局長によれば、「暴徒化したデモ隊の放火で被害を受けた企業に対し、保険会社が特例として『テロによる火災』を保険対象として、補償 を行うことに同意した。」という。これは、政府保険評議会が、保険金500万B未満の火災保険に加入している中小企業の救済を保険業界に要請したことによるもの。保険会社は、「これら中小企業について06月03日までに被害査定を行う。」としている。
なお、「放火されたセントラル・ワールドを所有するセントラルグループやバンコック銀行など大企業8社は、テロ被害も補償対象に含める保険特約を交わしている。」とのこと。
民主党ラヨーン県選出下院議員のサーティット・ピトゥテーチャは、31日に開始が予定されている内閣不信任決議案審議に先駆けて、09:00に反独裁民主主義同盟に関係しているプア・タイ党所属のチャトポン・プロームパン、ウィチヤン・カーオカム及びカールン・ホーサクンの3人の下院議員の罷免を要求する動議を上院議長宛に提出する方針を明らかに。
一方、反集会派の多色グループ幹部のポチャナパン・ミッサッチー♀は、同盟の集会で演説を行ったり、司法制度を中傷するなどの重要な倫理違反があったとして、プア・タイ党所属の10人の下院議員の罷免を要求するため2万人の署名を集める方針を明らかに。対象となるのは、アピワン下院副議長、アヌディット・ナーコンタップ空軍大佐、スラポン・トーウィチャックチャイヤクン、スナイ・チュラポンサトン、スチャート・ラーイナムンクン、ソムチャーイ・プートプラスット警察中佐、ソムキット・バーントーソン、ウティポン・チャーイセーン、ウィサーラディー・テーチャティーラーワット♀、ピーラパン・パールスックの10人。
INNによると、民主主義市民連合シンパで「タイは1つ協会」代表のタイゴン・ポンスワンは、「東北部に拠点を置く反独裁民主主義同盟の過激派が、東北部を南部国境三県域と同様な状況に陥れるために、夜間外出禁止令解除後に不穏な動きを計画している恐れがある。」と警告。
タイゴンによると、「『同盟幹部の指揮下にある過激派が暴動を引き起こすための訓練をカンボジア国内で受け、サコンナコン県内に指令本部を設置し夜間外出禁止令解除後の不穏な動きに備えている。』との情報を同盟の最高幹部筋から得ている。」という。
20時半頃チエンマイ県県都内プラシン地区内の歩行者天国で爆発が発生。付近に駐車してあったバイクに被害を及ぼしたが、幸い人的な被害はなかった。
現場は毎週日曜日に歩行者天国として開放されているソーイ・ワットチャイヤプラキアットの入り口から約5~10m離れた地点で、約100m離れた場所にはチエンマイ県警察本部や本部長邸がある。
爆発物は、「爆発した際に釘が飛び散るように製作された手製のものが使用された。」と見られている。
警察は、情勢扇動目的の犯行と見て捜査を開始。
21時半頃ナコンパノム県シーソンクラーム郡内で、赤服軍団地元幹部のスップルック・ターキラ(40)が、小型トラックで現れた何者かに銃撃され重傷を負った。
調べによると、スップルックが友人2人と共に自宅前で酒を飲み交わしていた際に、自宅前に駐車した小型トラックに乗った2人組が村長宅への道順を聞く振りをして、スップルックを車の近くにおびき寄せた上で銃弾1発を発砲し逃走。
警察は、「スップルックが赤服軍団の幹部で、また過去に県行政機構評議会議員選挙に出馬した事があったことから、何らかの政治的な対立が事件の背景にある。」と見て捜査を開始。
05月31日(月)朝民主主義市民連合(PAD)の顧問弁護士としても知られるニティトン・ラムルア弁護士が選挙権を持つ国民として中央選挙管理委員会を訪問し、反独裁民主主義同盟の違法活動に関与したプア・タイ党の解党及び党首、党執行幹部の向こう5年間にわたる被選挙権剥奪を要求。
要求書の中でニティトンは、「プア・タイ党は反独裁民主主義同盟(UDD)の反政府活動に深く関与し、党役員を含むプア・タイ党議員などが昨年から、国外逃亡中のタクシンやUDDの呼びかけで開かれた政治集会に参加している。集会は立憲君主体制の打倒を目的としたもので、これは、国家安全保障や平穏、秩序に脅威をもたらした事が政党法94条及び憲法68条にの規定に違反し、更に党として所属する党員が違法行為を侵すことを防止しなかった事が政党法17条及び18条に違反している。」と指摘。
30日の爆弾テロについて、チエンマイ総領事館より注意喚起。

総領事館からのお知らせ(2010年5月31日)

北部タイの治安情勢に関する注意喚起

1.30日午後8時30分頃、チェンマイ市内中心部で開催されていた日曜歩行者天国区域内の小路において手製爆弾が爆発し、駐車中のバイク1台が軽い損害を受けました。またプレー県では、31日未明、ムアン郡のサイアム・コマーシャル(タイ商業)銀行プレー支店前及び同所から50メートルほど離れた場所に設置されている各公衆電話ボックスのガラス破損事件が発生しました。いずれも人的な被害はありませんでした。

2.チェンマイ県、チェンライ県、ランパーン県、ナーン県の北部4県等の非常事態宣言は引き続き発令されています。上記情勢を踏まえ、チェンマイ県等北部タイに渡航・滞在される方は、引き続き報道等から国内の治安情勢等に関する最新情報の入手に努めてください。

(問い合わせ先)
○在チェンマイ日本国総領事館
 電話: (66-53) 203367
  FAX: (66-53) 203373

○在タイ日本国大使館
 電話: (66-2) 207-8502、696-3002(邦人援護)
 FAX: (66-2) 207-8511
タイ観光協議会(TCT)は、今月24日に開設した観光業者支援センターに、1週間で500人を超える観光ガイドが支援を求めてきたことを明らかに。観光業者支援センターに支援を求めている理由について、「多くの観光ガイドはフリーランサーであるため、公的機関からの支援を受けることが出来ないため。」という。
「ここ2ケ月の情勢悪化の影響で、観光客が大幅に減少したことから、すでに仕事が見つからない観光ガイドが5000人を超えている。」としており、「今後観光省に総額2000万Bの観光ガイド支援を求めていく。」とのこと。
タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)による集会解散後に何者かによって放火されたショッピングモール「センター・ワン」だが、営業再開に少なくとも半年は掛かる見通し。
タイ地元紙によると、センター・ワンのターニーは、「撤去及び再建作業を開始した。再建に半年ほどかかる見通しである。」としている。だが今後詳細な調査が必要としており、場合によって最悪再建に1年以上かかる見通し。
ポストトゥデー紙によると、「現在逃走中の反独裁民主主義同盟幹部のアリスマン・ポンルゥアンローンに似た人物がビルマのソーン島にあるアンダマン・クラブのカジノで目撃された。」との話が、同地を訪れたカジノ客の間から持ち上がっている。
なお、対岸のラノーン県の入国管理警察当局は、「アリスマンが目撃されたとの話を聞いていない。」、「既にアリスマンを含む逮捕状が発行されている同盟関係者の個人情報や画像が要注意人物リストとして全国各地の検問所でオンラインで管理されている他、出入国者に対して詳細に渡って事情を聴取している事から、アリスマンが検問所を通過してビルマに入国する事は不可能である。」との考え。「但し、ラノーン県はビルマと約160㎞にわたって国境を接していることから、密出国した可能性は否定できない。」という。
AFPによると、タクシンの法律顧問団は、反独裁民主主義同盟のデモ隊に対する強制排除行動に関する調査を進めるため国際戦争犯罪の専門家を雇った事を明らかに。
「調査のために新たに雇ったのは、これまでにユーゴスラビアやルワンダ、シェラレオネ関連の案件に関与してきたオランダ人教授のAlexander Knoopsで、人権侵害容疑でタイ政府を司法の場に引き出す一助になる事が期待されている。」という。
一方、プーチャッカーン紙は、カナダのニュースサイトの報道として、「モンテネグロの市民権を持つタクシンが、市民権の取得によるモンテネグロ国内で最も金持ちになった。」と報じた。
不信任案審議初日、野党プア・タイ党は、デモ拠点近くの安全地帯、パトゥムワラナム寺院内で6人が射殺体で見つかった問題で、「これを治安部隊の銃撃によるもの。」と決めつけ、「責任は政府にある。」と強く主張。
これに対し、政府は、「治安部隊の配置など当時の状況から判断すれば、当局に責任があるとは言い切れない。」と反論。
寺院内で遺体が確認されたのは、治安部隊がデモ拠点のラーチャプラソン交差点に迫ったことで、反独裁民主主義同盟(UDD)がデモ終結を宣言したが、これに反発したデモ参加者らが暴動を起こした05月19日のこと。「赤十字ボランティアの看護婦など6人は、暴動に伴い大勢のデモ隊がデモ拠点から退避、武装グループと治安部隊が撃ち合うという混乱の中、寺院内あるいは寺院周辺で銃撃により死亡した。」と見られている。
プア・タイ党は、デモ拠点を横切る高架線路上で銃を構える兵士の姿を撮影したビデオクリップと写真を示して、「治安部隊が犯人。」と訴えたが、ステープ副首相(治安担当)は、「19日には高架線路上に兵士は配備されていない。映像は翌日20日のもの。」と主張。
また、アピシット首相は、「6人全員が高架線路上からの銃撃で死亡した。」とのプア・タイ党議員の言い分に対し、「6人のうち4人は銃撃の弾道が低角度で、高架線路上から撃たれたとは考えられない。」と反論。
ただ、アピシット首相は、「詳細な事実関係を明らかにするため、さらに詳しく調査する必要がある。」との見方も示した。
法務省特別捜査局(DSI)のタリット局長は、2ケ月に及んだ反政府デモに関連したテロ罪でさらに20人の逮捕状請求を予定していることを明らかに。
この中には、カルン、プア・タイ党議員、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のコーケオなどが含まれる。

暴徒に放火されたセントラル・ワールドの被害状況を調べる首相秘書官ら →

DSIは06月01日にも検察庁と協議し、意見がまとまれば、逮捕状を刑事裁判所に請求する方針。これが認められれば、反政府デモの際の攻撃や破壊行為に関連したテロ犯罪者は39人となる。
なお、犯罪者のうち、タクシンは国外逃亡中であるため、また、チャトポン、プア・タイ党議員は国会会期中の議員特権のため、まだ逮捕されていない。
夜半タイラット紙によるとチエンマイ県ドイサケット郡内で、何者かが雑貨店に向け爆発物を投げ込み、店内にいた店主の妻のパントラー・テーチャパン(57)と店の前でつみれを販売中だったコーングケオ・トーングインファー(36)が負傷。
ドイサケット郡サンプールゥーイ地区行政組織の元首長でもある店主のモントリー・テーチャパン(57)によると、「店の前をバイクで行き来していた若者が店内に向け爆発物を投げ込んで行った。」という。警察は、若者が世間を騒がす目的で爆発物を投げ込んだと見て捜査を開始。
06月01日(火)高架鉄道スカイトレイン(BTS)を運営するバンコク・マス・トランジット・システムは、タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)による政治集会により、収入損失が1億Bに達したことを明らかに。「集会末期に情勢が悪化したことで、BTSが休業または運行時間の短縮を余儀なくされたことから、1日当り1000万Bの収入損失が発生した。」とのこと。同社は、」これまで営業してきた10年間で最も厳しいものだった。今後利用者の安全及び信頼を取り戻すため、全力で取り組んでいく。」としている。
反集会、反議会解散派の多色グループ幹部のトゥン・シッティソムウォンは、「下院議会で行われている不審任決議案審議の際にグループの名誉を毀損する発言があった。」として、発言をしたプア・タイ党所属下院銀のウィチャーン・ミーンチャイヤナン、アルン・チャムナーンヤー♀及びパイチット・シーウォラカーンの3人を名誉毀損で告訴する考え。
トゥンによると、「多色グループが政府から雇われて活動を行っている、同盟の活動に関与した3下院議員の罷免要求のための署名を集めるために金銭を払った、治安当局に協力してパトゥムワナラム寺から帰郷するデモ隊の所持品検査を行った等々の指摘は何れも事実ではない。」という。
アピシット首相は、「不審任決議案審議終了後に、反独裁民主主義同盟に対する強制排除案件調査のための独立委員会の陣容が明確になる。」との見通し。アピシット首相によると、「独立委員会は中立、透明が保障されており、また自らの首相という立場を利用して独立委員会の任務遂行に干渉する考えはない。」という。
関係筋によると、不信任案審議のあと、アピシット首相が憲法改正を検討する委員会の設置を中小5与党首脳と協議する見通し。同委員会は、現行憲法のどの部分を改正すべきかを検討するため設置されるもので、検討作業は2ケ月程度で完了する予定。同筋は、「改憲をどのように進めるかが合意されたあと、国民投票が行われ、議会で改憲が審議されることになる。」と説明。
なお、現行憲法は、軍事クーデターでタクシン政権が崩壊したあとの軍事政権下で制定されたことから、タクシン派がこれを廃止し、旧憲法(1997年憲法)を復活させるよう強く求めている。だが、「タクシン政権の議会制独裁を招いた1997年憲法の復活は認められない。」とする反タクシン派が猛反発するのは必至のため、アピシット政権は、現行憲法の改正で国民和解の実現を図ろうとしている。現行憲法は、軍事クーデターでタクシン政権が崩壊したあとの軍事政権下で制定されたことから、タクシン派がこれを廃止し、旧憲法(1997年憲法)を復活させるよう強く求めている。
不信任案審議2日目(最終日)の、野党プア・タイ党のチャルーム議員は、約2時間にわたり、アピシット首相やステープ副首相ら閣僚5人の「汚職疑惑」などを次々に指摘。
なかでも、ソポン運輸相に対しての追求は厳しく、「首都圏の鉄道整備計画でチャワラット内相の関係する大手ゼネコンに工事を受注させるという汚職を働き、これにアピシット首相とステープ副首相も関与した。」と糾弾。
また、カシット外相について、王制に関する過去の発言を取り上げ、「王室への忠誠心に欠ける。」と批判。
アピシット首相は、「タクシンによるタイ政府を国際法廷の場に引き出す計画は失敗に終わる。」との考え。
これは、先にタクシンの顧問弁護団が、「反独裁民主主義同盟に対する排除行動に関する調査を進めるために国際戦争犯罪の専門家を雇った事を明らかにした事を受けたもので、アピシット首相は、タクシン一派による議会内での活動や、大衆を動員した抗議活動等は、当初から政府を打倒するために政府に情勢掌握能力がない、政府が武力を行使した等のイメージを植え付けることにより外国からの内政への干渉を喚起する事を意図していたものである。」と指摘し、「これまでに諸国が政府に理解を示し計画されている国内和解に向けた取り組みに賛意を示している事から、タクシンの計画は失敗に終わる。」との考えを示した。
2ケ月に及んだ反政府デモで少なくとも87人が死亡したことについて、先に国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の弁務官から独立調査の必要性が指摘されたが、ステープ副首相(治安担当)は、「国内問題であり、国連は介入できない。」と述べ、原因調査への国連の関与を認めない姿勢を明らかに。
都庁のエラワン救急救命センターによれば、今回のデモに関連した死傷者数は、先に入院中の民間人1人が死亡したことから、06月01日時点で死者87人(民間人76人、兵士・警察官11人)、負傷者1406人(民間人993人、兵士・警察官413人)。
23時頃チエンマイ県県都内にあるワローロット市場前にある、主に衣料品が販売されている中規模ショッピングセンター前のゴミ捨て場に向け火炎瓶が投げ込まれ、住民等が総出で消火にあたり消し止められるという事件が発生。
これまでの調べで、「火災が発生する前に爆発音が聞こえた。」との証言は得られているが、実行犯に関する目撃証言は得られていない。警察は、情勢を扇動する目的の犯行と見て捜査を開始。
06月02日(水)10時過ぎタイ下院(定数480)はアピシット首相と5閣僚の不信任案を31日、01日に審議し、02日の採決で6人全員を信任。ただ、連立政権の中核である民主党の閣僚への信任票が244~246票だったのに対し、連立パートナーのプームチャイ・タイ党の2閣僚は別の連立パートナーであるプア・ペンディン党の一部議員が不信任に回り、信任票が過半数の240票を下回った。 プームチャイ・タイ党は強い不快感を示し、プームチャイ・タイ党のチョークチャイ副運輸相はアピシット首相に対し、プア・ペンディン党の連立からの追放を要求。
6閣僚への信任票は民主党のアピシット首相(党首)246票(不信任186票、棄権11票、無投票21票)、ステープ副首相(幹事長)245票(不信任187票、棄権11票、無投票21票)、コーン財務相244票(不信任187票、棄権12票、無投票21票)、カシット外相239票(不信任190票、棄権15票、無投票21票)、プームチャイ・タイ党のチャワラット内相(党首)236票(不信任194票、棄権14票、無投票22票)、ソーポン運輸相234票(不信任196票、棄権13票、無投票22票)。タクシン派野党のプア・タイ党が不信任票を投じ、連立与党は信任、野党の小政党が棄権した形。
プア・タイ党は不信任案審議で、死傷者約1500人を出したクルングテープでのタクシン派デモと軍による強制鎮圧を取り上げ、「国境警備の兵士を動員して民間人を殺害した。」などとして、アピシット首相、ステープ副首相を糾弾。ステープ副首相についてはサムイ島の土地所有疑惑でも追及した。チャワラット内相とソーポン運輸相に関しては、「首都圏の鉄道新路線の建設を内相が創業者オーナーであるゼネコン大手シノタイが受注した。」と指摘し、「汚職の疑いが強い。」と主張。
不信任決議案の採決でプームチャイ・タイ党所属の2閣僚に対する信任票に連立与党のプア・ペーンディン党の票割れがあった事を受け、チャワラット内務大臣(プームチャイ・タイ党党首)が「プア・ペーンディン党は政治的エチケットにかけている。」、ソーポン運輸大臣が「今後プームチャイ・タイ党とは一緒に仕事が出来ない。」と発言するなど、両党間の対立が浮き彫りになっている。これは、「予算配分、政府高官の人事、東北部で支持獲得などでの対立に起因する。」との見方が支配的。
一方、プア・ペーンディン党党首のチャーンチャイ工業大臣は採決終了後に、党員に対して自由投票を認めていた事を確認し、個人的な考えとして「内務大臣のポストはチャワラットではなく民主党が押さえるべきである。」と指摘。
ステープ副首相は、プームチャイ・タイ党所属の大臣への投票にプア・ペーンディン党の票割れがあった事を認め、票割れの背景に予算を巡る不満がある可能性を示唆。
タクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のチャトポン下院議員は、幹部の大半が逮捕、拘留されていることから、「UDDが6月中に活動を再開する可能性は低い。」と述べた。
UDDは03~05月にクルングテープで大規模な反政府集会を行い、治安部隊との衝突などで、民間人76人など計87人が死亡、1400人以上が負傷。放火でクルングテープ最大級のショッピングセンターが炎上、一部倒壊するなどした。
法務省特別捜査局のターリット局長は、03日をもって特別国会期間が終了する事を受け、不逮捕特権により拘置を免れているプア・タイ党所属下院議員のチャトポン・プロームパン、カールン・ホーサクン及びウィチヤン・カーオカムの3人を08日09:00に刑事裁判所に召喚する方針を明らかに。刑事裁判所が出頭した3人の保釈を認めなかった場合は、クルングテープ特別刑務所に拘置する方針。
一方、チャトポンとカールンは、「既に特別捜査局に出頭し容疑事実の開示を受けると共に抗弁のために30日間の猶予期間を得ている。」として、「刑事裁判所への召喚に応じる考えがない。」と明らかに。
アピシット首相は、ステープ副首相に対して連立与党2党間の対立解消に取り組むよう指示した事を明らかに。
発言の中でアピシット首相は、プア・ペーンディン党による票割れにより不審任決議案審議の対象になった、何れもプームチャイ・タイ党所属のチャワラット内務大臣及びソーポン運輸大臣に対する信任票が、同じく審議対象になった他の閣僚よりも少ない結果になった事を認め、「既にステープ副首相に対して2党幹部間の話し合いによる解決を進めるよう指示しており、向こう2日以内に問題は解消される。」との見通し。
この発言に先立ち、プームチャイ・タイ党所属のスチャート副運輸大臣が、「もはやプア・ペーンディン党と共に政府としての職務を進める事ができなくなった。」とし、アピシット首相に対して、プームチャイ・タイ党とプア・ペーンディン党のどちらを取るのか今週以内に回答するよう通告し、事実上中堅連立政党であるプア・ペーンディン党の連立からの放逐要求を突き付けていた。TPBSによると、「地方行政機構関連等の地方予算や地方部の幹線開発予算配分を巡った対立が今回の票割れの背景にあるという見方もされている。」という。
国内治安維持本部は本部会議の席上で、反独裁民主主義同盟のデモ隊が軍から押収した銃器の返還を促す方針を決定。
サンスゥン報道官によると、「現在68挺の銃器が同盟のデモ隊により押収されているとみられ、所定の期限内に当該銃器を軍に返還すれば法的責任を問わない方針だ。」という。「但し、期限内に返還されない銃器に対しては、軍及び警察共同で摘発を進め、所持している者に対して法的責任を問う方針だ。」という。
また、サンスゥン報道官は、会議の席上で非常事態宣言を継続施行する方針が確認された事を明らかに。
ピラパン法相は、タクシン政権下(2001~2006年)の薬物一掃キャンペーンで密売容疑者など2500人あまりが殺害された問題を再調査する独立委員会の設置計画を明らかに。
現場の警察官に容疑者が「処刑」されたとの疑惑については、タクシン政権崩壊後の軍事政権下でも調査が行われたが、「警察が非協力的だったため」(関係筋)、責任の所在を明らかにできなかった経緯がある。
ピラパン法相によれば、独立委員会の委員選定は06月中に閣議で検討、決定される見通し。
刑事裁判所は、反政府デモ隊による放火・略奪に関連したテロ罪での20人の逮捕状請求を却下。
テロ罪ではタクシンなどすでに19人の逮捕状が発行されているが、法務省特別捜査局(DSI)は先にさらに20人の逮捕状発行を要求。だが、刑事裁判所によれば、7人は別の容疑で逮捕状が発行済みのことから、逮捕後にテロ罪で再逮捕する方向で検討し直すよう助言。また、「1人はすでに出頭してテロ罪の説明を受けている。」とのこと。さらに、残り12人については、「テロ罪を裏付ける十分な証拠がない。」と判断。
06月03日(木)首都圏警察本部のスメート本部長は、「クルングテープのラーチャプラソン交差点を占拠し集会活動を展開していた反独裁民主主義同盟が集会の解散を宣言した直後に発生した、集会会場に隣接するセントラルワールドの放火に絡んで、4人の男に対する逮捕状の発行が02日に許可された。」と明らかに。
スメート本部長によると、1人目は身長175㎝未満の40歳くらいの略奪した高級品を持ち出そうとしていたタイ人の男、2人目は身長170㎝位の25歳から30歳位の右手に棍棒を所持したタイ人の男、3人目は35歳位のタイ人の男、4人目は身長170㎝位の25歳から30歳位のタイ人の男で、何れも監視カメラ映像に基づき逮捕状の請求が行われていた。
パニターン政府報道官代行は、アピシット首相がWorld Economic Forumに出席するため08日に日帰りの日程でベトナムのホーチミンを訪問する予定を明らかに。
World Economic Forumへの出席の他に、東南アジア諸国連合の各国首脳との会談やタイの国内情勢を説明の記者会見、タイへの信用回復を目的としたビジネス関係者との会合に出席する予定。
プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「不信任決議案の採決の際にプームチャイ・タイ党所属の2閣僚に対してプア・ペーンディン党が信任票を投じない事が事前にプア・ペーンディン党と民主党の間で合意されていた。」と指摘した。
プロームポン報道担当によると、「この情報は民主党のある幹部から得られたもので、背景に現在プームチャイ・タイ党が押さえているAグレードの閣僚ポストを民主党が奪取するためにプームチャイ・タイ党に対して圧力をかける狙いがあり、また、『プア・ペーンディン党のチャーンチャイ党首が採決後直ぐに民主党が内務大臣ポストを押さえるべきである。』と発言した事からも、両党間で密約があった事は明らかだ。」という。
ステープ副首相は、「04日に連立政権に所属する1つの政党が政権から離脱するか否か明確になる見通しである。」と明らかに。
これは、午後に対立しているプームチャイ・タイ党とプア・ペーンディン党とを含む連立政党との協議結果報告及び次期内閣改造の方向性の打ち合わせのためにアピシット首相と面会した後に語られたもの。ステープ副首相によると、「04日に招集される党執行部会及び党下院議員総会が終了した後に今後の連立政権の概要を明確化出来る見通しだ。」という。
その際、ステープ副首相は、「プームチャイ・タイ党幹部と面会した際に、プームチャイ・タイ党から、先の不審任決議案の採決の際にプームチャイ・タイ党所属2閣僚に対して14人の所属党員が信任票を投じなかったプア・ペーンディン党の連立政権からの放逐要求が再度あった。」と明らかに。
一方、プア・ペーンディン党のアロンゴン報道担当は、アピシット首相に対して、次期内閣改造の際に、不審任決議案審議の対象になったチャワラット内務大臣とソーポン運輸大臣を解任するよう要求。「要求が通らなかった場合は、与党国会対策委員会に委員として参画している全ての党所属議員を辞任させる考えである。」と明らかに。
日本政府は、クルングテープ都の「危険情報」を「渡航の是非を検討して下さい。」から「十分注意してください。」に1レベル引き下げた。「治安状況が落ち着いた。」と判断。
クルングテープ都の危険情報は05月17日、都心部を占拠したタクシン派と治安部隊の衝突で市街の一部地域が戦闘状態になったため、4段階あるうちの上から2段階目である「渡航の延期をお勧めします。」に引き上げられた。その後の治安回復を受け、同25日に1段階低い「渡航の是非を検討して下さい。」に引き下げられた。
タイのクルングテープ以外の地域の危険情報は、タイ政府がタクシン派の反政府活動で非常事態宣言(5人以上の集会禁止、報道統制など)を発令している東部チョンブリー県、中部アユタヤ県、北部チエンマイ県など23県が「十分注意して下さい。」、イスラム過激派のテロが続く深南部のナラティワート、ヤラー、パタニーの3県の全域とソンクラー県の一部が「渡航の延期をお勧めします。」、ソンクラー県のその他の地域が「渡航の是非を検討して下さい。」、カンボジアとの国境紛争が続く東北部シーサケート県の一部地域が「渡航の是非を検討して下さい。」
米政府は05月27日にタイへの渡航警告を解除。
ステープ副首相は、現在もクルングテープ都内を中心に施行されている非常事態宣言について、継続させる見通しを明らかに。一部で「非常事態宣言を解除すべき。」との見方があることについて、「解除することで治安が再び悪化するよりは良い。」と反論。
また02日、サンスゥン報道官も、国内治安維持本部会議で、非常事態宣言を引き続き施行する方針を明かしていた。
05月19日の混乱の最中、「安全地帯」のパトゥムワラナム寺院内で射殺体6体が確認された問題で、アヌポン陸軍司令官は、「当時現場周辺には兵士はいなかった。それを示す証拠もある。」と述べ、治安部隊の銃撃が死因との見方を否定。ただ、その証拠が何かには言及しなかった。 デモ拠点のラーチャプラソン交差点界隈に隣接するパトゥムワラナム寺院は、高齢者、女性、子どもなどが避難する「安全地帯」とされていた。ここで赤十字ボランティアの看護婦などの遺体が見つかったことから、タクシン派の野党プア・タイ党は先の不信任案審議で「治安部隊が犯人」と主張し、政府批判を展開。
だが、アヌポン司令官は、「兵士には、デモ参加者を傷つけないよう細心の注意を払うことが命じられていた。治安部隊が慎重な対応に終始していたことは、ほとんどの人が理解している。」と反論。同時に、「デモ隊に紛れ込んでいた武装グループが治安部隊を攻撃した。」と指摘し、武装グループが犯人との見方。
法務省特別捜査局(DSI)のタリット局長は、先の反政府デモに関連したテロ罪に問われている野党プア・タイ党の議員3人に対し、裁判への出廷を命じたことを明らかに。DSIは、裁判で3人の拘留を請求することにしているが、「出廷を拒否した場合、逮捕状を請求する。」としている。
これに対し、3議員の1人チャトポン容疑者は、反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)による08年末の空港占拠でテロ容疑をかけられたカシット外相が出頭したことで身柄を拘束されなかったことを例にあげ、「すでに出頭して容疑の説明を受けている。DSIには逮捕する権限はないはず。」と反論。
不信任案採決で与党第3党プア・ペーンディン(国土貢献)党が与党第2党プームチャイ・タイ(国家威信)党の閣僚を信任せず、両党間の確執が表面化した問題で、関係筋は、「ステープ民主党幹事長(副首相)が、プームチャイ・タイ党の実質的党首ネーウィンの案を受け入れ、近く行われる内閣改造でプア・ペーンディン党を連立政権から排除する可能性が濃厚になった。」と明らかに。
プア・ペーンディン党を政権から外すと、政権は議席を32減らすことになる。だが、ネーウィンは、「プームチャイ・タイ党とプア・ペーンディン党のどちらを取るのか。」と迫るとともに、「プア・ペーンディン党の反主流派や野党第1党プア・タイ(タイ貢献)党および野党第2党プラチャーラート(国王臣民)党などから議員を取り込んで政権は議席数を今以上に増やすことも可能。」と説明し、党の排除を要求。ステープ幹事長がこれを呑んだとのことだ。ネーウィンの案について、民主党は04日にも幹部会議で詳しく協議する見通し。
06月04日(金)14時過ぎ民主党は4日招集された執行部会の席上で、現在プア・ペーンディン党が押さえている情報通信大臣のポストに民主党副党首のチャイヤウット・バンナワットを据える方針を決定した模様。
同じくプア・ペーンディン党が押さえている工業大臣のポストは民主党以外の連立政党が押さえる予定。
また、民主党持ち分の閣僚ポストに関しては、サーティット首相府大臣の後任にチュティ・クライルック、ティーラ文化大臣の後任にチャルームチャイ・シーオーン、カラヤー科学技術大臣の後任にオンアート・クラームパイブーン、パイトゥーン労働大臣の後任にニピット・イントラソンバットを据える方針を決定した模様。
また、各メディアは、今回行われる「大規模改造」で、プラチャラート党やマトゥプーム党が新たに連立政権に加わる可能性があるとの見方を示している。
なお、内閣改造の概要は、04日15:30以降に正式に発表される予定。
16時過ぎマトゥプーム党最高顧問のソンティ・ブンヤーラカリン大将は、ネーションチャンネルの電話インタビューの中で、今回行われる大規模内閣改造で閣入りする事を非公式に確認。
情報通信技術大臣等を歴任してきたマン・パタノータイがプア・ペーンディン党が押さえていたポストに就任するとの見方が濃厚。
また、「今回の改造でプア・ペーンディン党のうち、連立政権派だったコラート及びパヤナークの両グループが連立から放逐され、代わりに同党のプラチャー・グループを初めとする非連立派から新入閣がある。」との見方も。
首都圏警察本部のスメート副本部長は、「04月10日にクルングテープのコークウア交差点で発生した反独裁民主主義同盟のデモ隊と治安当局との衝突の際に目撃された黒服を特定した。」と明らかに。「特定された黒服の詳細に関しては、今後の捜査の障害になる。」として明らかにしなかった。
スメート副本部長によると、「07日に法務省特別捜査局が証人の警察官に事情聴取を行い証拠固めを行った上で、同局が逮捕状の申請を行う予定になっている。」という。
マトゥプーム党党首代行のマン・パタノータイは、ステープ副首相からの連立政権入り要請を03日に受諾していた事を明らかに。
党内から入閣する人物や割り当てられる閣僚ポストに関しては、「恐らく党内から1人が副大臣クラスに就任する事になるだろう。」と語るに留め明らかにしなかったが、「連立入りに絡んでプア・ペーンディン党時代に行動を共にしていた人物を含む5~6人の下院議員に対してマトゥプーム党への移籍を働きかけているところである。」と明らかに。
タイの有力紙マティチョンは、反タクシン派の経済紙ASTVプーチャッカーン、同紙の編集者、コラムニストらを名誉棄損で告訴。「プーチャッカーン系の2つのニュースサイトとASTVプーチャッカーン紙が05月27日、28日、マティチョンが王制廃止派であるかのような記事を掲載し、新聞のイメージを傷つけられた。」としている。 プージャッカーンは「タイの現状に関するマティチョンの分析記事がフランス革命を想起させるような内容だったこと、同紙が以前、ネパールの王制廃止を特集したことを指摘しただけ。」として、裁判で争う構え。 プーチャッカーンの創業者で現在も事実上の社主であるソンティはもともとタクシン政権(2001~2006年)の強力な支持者で、政権内部に自らの人脈から人材を送り込んでいた。しかし、2005年に突然、タクシン政権打倒を呼びかけ、2006年春には激しい街頭デモで政権を窮地に追い込んだ。タクシン政権は同年09月の軍事クーデターで崩壊。 マティチョンはタイ屈指のクオリティペーパーで、取締役にタイ王族が2人いる。タクシンの盟友である実業家がオーナーのタイ音楽最大手GMMグラミーが2005年にマティチョン株の22%を取得。
06月05日(土)平和維持隊本部は、ICT省に命じ、新たに750サイトの情勢扇動サイトへの接続を遮断したことを明らかに。前回発表では1150サイトだった。
タクシンが利用しているTwitterについて、「現時点では接続が可能となっているものの、扇動行為が見られれば徹底して接続を遮断する。」としている。
06月06日(日)プミポン国王は、アピシット首相から提出されていた工業、労働など8閣僚が交代する内閣改造を承認。認証式典は07日に行われる予定。なお、認証式典の日付に関しては明らかにされていないが、アピシット首相によると、「07日に月次報告のために国王に拝謁する予定になっている。」という。
アピシット首相(タイ民主党党首)は02日の閣僚不信任案採決で造反した連立与党、プア・ペンティン党の派閥を追放するとともに、政権与党・民主党の閣僚を入れ替え、政権内のガス抜きを図った。また、2006年の軍事クーデターを指揮したソンティ前タイ陸軍司令官が党首を務める小政党、マートゥプーム党を新たな連立与党に迎えた。
解任されたのはプア・ペンディン党のチャーンチャイ工業相、ラノーンラック情報通信技術(ICT)相、プルティチャイ副財務相、民主党のパイトゥーン労相、ティーラ文化相、カラヤー科学技術相の6人。プア・ペンディン党は閣僚不信任案の採決で、党所属の下院議員32人の約半数が連立パートナーのプームチャイ・タイ党の2閣僚に不信任票を投じ、プームチャイ・タイ党がアピシット首相に対し、造反議員の追放を求めていた。
アピシット首相はプームチャイ・タイ党の要求を受け入れ恩を売る一方、民主党のチャイヤウット・バンナワット副教育相を空席となった工業相に横滑りさせ、新任のチュティ・クライルーク下院議員をICT相に就け、重要閣僚ポストを連立与党から民主党のもとに奪還。民主党はまた、科学技術相にウィラチャイ・ウィーラメーティクン首相府相を転任させ、労相に新任のチャルームチャイ・シーオーンン下院議員、ウィラチャイの異動により空席となった首相府相には新任のオンアート・クラームパイブーン下院議員、文化相に新任のニピット・イントラソンバット下院議員を充てた。プア・ペンディン党からはチャイヨット・チラメータコン下院議員が副教育相に就任。マートゥプーム党からはタクシン派ソムチャーイ政権(2008年)でICT相を務めた新任のマン・パタノータイが副財務相に就任。
今回の人事で首相府大臣に就任するオンアートが、従来サーティット首相府大臣が管掌していた政府広報局関連を管掌し、サーティットは首相府大臣として国内和解推進関連等を管掌するものと見られている。
タイ字紙報道によると、政権を追放されたプア・ペンディン党の派閥には下院第1党でタクシン派の野党プア・タイ党が共闘を呼びかけている模様。また、民主党のパイトゥーン前労相にはチャート・タイ・パッタナー党のサナン副首相とルアムチャート・パッタナー党のプラディット副財務相が新党結成を打診。3人はいずれもタイ北部ピチット県出身。
アピシット政権は2008年末に2空港を占拠した反タクシン派団体、民主主義市民同盟(PAD)の実質的な幹部であるカシット元駐日・駐米大使が外相を務めるなど、反タクシン派色が鮮明だが、タクシン政権追放のクーデターを指揮したソンティ前陸軍司令官が党首を務める党の政権入りは対外的なイメージ悪化に繋がりかねない。
ソンティ前陸軍司令官は2006年09月の軍事クーデターでタクシン政権を追放した後、元の上司であるスラユット枢密顧問官(元陸軍司令官)を首相とする暫定政府を発足させ、軍を定年退官後の2007年10月からスラユット政権の任期が終わる2008年01月まで副首相を務めた。当初はメディアなどでクーデターを実行した大物として扱われたが、2008年のタクシン派政権発足後は表舞台から姿を消し、昨年、イスラム教徒が多数派のタイ深南部を地盤とするマートゥプーム党の党首に就任。同党の下院(定数480)議席は3。
タイの陸軍司令官は国の武力を実質的に統括する実力者。「ソンティは2005年に陸軍司令官に就任したが、これはプミポン国王の側近であるプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)の強い意向によるものだった。」という説がある。このときの人事は直前に、「反タクシン派の会計検査院長の解任が国王の承認を得られない。」という異例の事態があり、手足を縛られたタクシン政権は鍵を握る陸軍司令官ポストの制御を失った。タクシン派は2006年のクーデターについて、プレム議長が黒幕という立場を取っている。
タイ流通大手セントラルグループはタクシン派による放火で一部が炎上、倒壊した都心のショッピングセンター(SC)、セントラル・ワールドのうち、被害が少ない北端のクルングテープ伊勢丹を06月中(報道により07月中)、スーパー・スポーツとパワーバイは10月、これらを含むプラザエリア全体は6ケ月以内に営業再開の見通し。運営するセントラル・パタッナ社のコプチャイ最高経営責任者が記者会見で明らかに。一部が焼け落ち被害の大きかった南端ののゼンは再建に14ケ月必要と見ている。なお、「シネコンSFシネマシティーは被害がなく、06月中に再開できる状態だが、これを機に改装するため、営業開始がやや遅れる。」という。
セントラル・ワールドは延床面積55万平方メートルで、伊勢丹や紀伊国屋、小売店500店以上、飲食店約100店が入居する東南アジア最大級のSC。SC前がタクシン派の反政府集会場となり、04月上旬から05月中旬まで休業を余儀なくされた。05月19日、タクシン派が軍に強制排除された際に放火、略奪され、大きな被害を受けた。

* セントラル・グループ
中国・海南島出身のチラティワット(鄭)家が1947年にタイで創業。百貨店のセントラル、ロビンソン、スーパーのトップス、ホテルのセンタラ、ファストフード店などを展開。米経済誌フォーブスがまとめた2009年版の「タイの富豪40人」によると、チラティワット家の推定資産はタイ3位の29億ドル。
クルングテープ都50区のうち14区で都議会議員選挙行われ、即日投開票の結果、民主党が10区で全議席を独占するなど79人が当選、議席数を約3倍に増やした。一方、14区中11区でほとんどの議席を占めていたタクシン派野党プア・タイ党は、3区内で全議席を確保し、勢力を大きく減らすことになった。ミンブリー区のみ民主党が4議席、プア・タイ党が3議席を確保する結果。14区の有権者146万8354人のうち54万2955人が投票。投票率は37.42%に留まった。
今回の敗北について、プア・タイ党のアヌディット下院議員は、「プア・タイ党支持者の多い地区で投票所が変更され、事前に住民に知らされていなかった。」などと選挙管理委員会を非難。
今回行われた14区内の区議会議員総数105人中、民主党が79議席、プア・タイ党が26議席を確保。
民主党が全議席を確保した区は、ラートプラーオ区、ラクシー区、サーイマイ区、サパーンスン区、ワントーンラーン区、クローンサムワー区、バーンケーン区、バーンカピ区、ブゥンクム区、チャトゥチャック区。
プア・タイ党が全議席を確保した区は、カンナーヤーオ区、ラートグラバン区、ドーンムアン区。
アピシット首相はテレビ番組で、「政府は政策を遂行するため、議会で安定多数を確保しなければならなかった。」と、今回の内閣改造の理由を説明。
与党第3党のプア・ペンディン党の造反組を排除する代わりに新党マトゥプーム党が加わったことなどで下院議席475に占める連立政権の議席数は約265となっている。新規入閣・新ポスト就任の閣僚は、チャイウット工業相、チャイヨット副教育相、チャルーム労相、チュティ情報通信技術相、マン副財務相、ニピット文化相、オンアート首相府相、ウィラチャイ科学技術相の8人。
06月07日(月)内閣改造で入閣、転任する閣僚8人とアピシット首相が、プミポン国王の前で就任宣誓。国王は宣誓後の訓示で、閣僚に対し、「強い意志を持ち、障害に直面しても職務の遂行に専念してほしい。」、「国家の繁栄と国民の幸福を実現するには、閣僚が誠実で団結し、強い意志を持つことが大切。」と、全体のために正直に職務に邁進するよう求めた。
就任宣誓は国王が昨年09月から入院している都内シリラート病院で執り行われた。国王は椅子に座り、いつものように、足下に愛犬のクン・トーンデーンを従えていた。

入閣、転任した閣僚
工業:チャイウット・バンナワット
1959年生。チュラロンコーン大学工学部卒。下院当選4回。2008年12月から副教育相。民主党。
情報通信技術(ICT):チュティ・クライルート
1956年生。下院当選6回。民主党。父親は副首相、商務相などを務めた政治家で、元証券会社オーナー。
労働:チャルームチャイ・シーオン
1965年生。タイ国立ラムカムヘーン大学法学部卒。下院当選3回。民主党。
文化:ニピット・イントラソムバット
1957年生。ラムカムヘーン大学法学部卒。下院当選7回。民主党。
科学技術:ウィーラチャイ・ウィーラメーティクン
1967年生。米クラーク大学経営学修士。下院当選1回(タクシン派パラン・プラチャーチョン党)。2008年12月から首相府相。
首相府:オンアート・クラームパイブーン
1954年生。タマサート大学行政学修士、カセサート大学経営学修士。新聞記者を経て政界入り。下院当選4回。民主党。
副財務:マン・パタノータイ
1941年生。米アメリカン大学行政学修士。クルングテープ近郊のサムットプラカン県の県議会副議長、下院議員、上院議員を経て、ソムチャーイ政権(2008年)で情報通信技術(ICT)相。マートゥプーム党。
副教育:チャイヨット・チラメータコン
1960年生。ラムカムヘーン大学法学部卒。下院当選5回。プア・ペンディン党。
タイ地元紙によると、ベトナムで開催されている世界経済フォーラム・東アジア会議に出席していたアピシット首相は、「04~05月に反政府デモによってタイ経済の一部に影響はあったものの、安定して成長している。」と強調。また任期満了前に議会解散をする考えを示し、「国民全員が和解に向け話し合いを進めていくべき。」としている。首相は、今年の外国人観光客数について、反政府デモの影響で目標としていた1600万人から1400万人引き下げている。
法務省特別捜査局(DSI)の民主党が絡む2億5800万Bの迂回献金案件捜査チーム長のウォラチャイ・アーラックラット警察中佐の私用車内に置いてあったノートパソコンが何者かに盗まれていた事が06日明らかに。
ウォラチャイ警察中佐が05月中旬に首都圏警察本部パホーンヨティン署に提出した被害届によると、「私用車であるベンツをラチャダーピセーク通り上に駐車していた際に、何者かが車のガラスを割り車内に置いてあったノートパソコンを盗んでいった。」とされ、また実行犯が車内にあった他の金目のものに一切手をつけていない事から、当初から民主党の解党申請要件となった迂回献金疑惑に関する捜査資料が保存してあったノートパソコン目当てに犯行に及んだ可能性が指摘されている。
一方、迂回献金疑惑関連の捜査資料が保存してあるノートパソコンが盗まれた事に関しては選挙委員会のアピチャート委員長は、「まだ事実関係を確認していない。」と断った上で、「実行犯が捜査資料に記録されている証人に関する情報に基づき脅迫する事を意図していたとしても、既に選挙委員会でも証人に対して尋問を行い記録を保存している事から、民主党に対する解党申請手続きに影響を与える事はない。」との認識。
プア・タイ党のプロームポン報道担当は、長期にわたり党と共に活動する事を拒否してきた2人の下院議員を綱紀違反で除名処分にする方針を決定。党執行部及び下院議員を交えた合同会議の場で党としての最終判断を下す方針を明らかに。
除名されたのは、ポーンポン・アディレークサーンの息子としても知られるサラブリー県選出のポーラポン・アディレークサーン及びサコンナコン県選出のチュマポット・ブンヤイで、「何れも親ネーウィン派で長期間にわたり党会議を欠席し、また最近では不信任決議案審議の採決の際に信任票を投じるなど、プア・タイ党に所属しながら他党の党員のように振る舞ってきた事が憲法や政党法の精神に反する。」と判断。



30章  赤服暴乱冷める間もなく国境紛争再燃 黄服再登場
06月08日(火)朝タイ東北部シーサケート県クンハーン郡のタイ、カンボジア国境で両国の兵士数十人が約10分間(報道により6分間)にわたり銃撃を交わした。今回の銃撃戦による人的被害は報告されていない。
カンボジアの防衛省付報道官は、カオ・プラウィハーン遺跡から約40㎞離れた国境線近くでタイ軍との間で銃撃戦が発生した事を確認。報道官によると、「銃撃戦は違法伐採組織と勘違いした事から発生したと見られ、両軍が互いに連絡を取ることにより銃撃戦は収まった。」という。タイ軍は、「現場から報告がない。」として状況説明を行っていない。
両国軍は2008年から今年にかけ、国境で度々武力衝突し、双方の兵士数人が死亡。
タイとカンボジアの国境はカンボジアがフランスの植民地だった当時に線引きされ、タイには領土を奪われたという感情が根強い。2008年には国境係争地域にあるヒンドゥー寺院遺跡カオ・プラウィハーン(プレアビヒア)遺跡がカンボジアの世界遺産として登録され、共同登録を主張していたタイが態度を硬化。同年末に発足したタイのアピシット政権はカンボジアのフン・セン首相を「やくざ者」と呼んだカシット元駐米大使を外相に起用したほか、カオ・プラウィハーンの世界遺産登録について、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に異議を申し立て、両国の関係は険悪化。カンボジアは昨年、タイで汚職で懲役2年の実刑判決を受け国外逃亡中のタクシンを政府顧問に任命、タクシンが同年11月にカンボジアを訪れ、タイ、カンボジアの双方が大使を召還する事態に発展している。
午前首都圏警察本部のサンターン本部長は、セントラル・ワールド放火容疑でチャイナート県出身のサーイチョン・ペーブア(28)を逮捕し、反独裁民主主義同盟の身分証明書等を押収した事を明らかに。
逮捕されたサーイチョンは、05月19日に同盟が集会の解散を宣言した直後に仲間らとともにセントラル・ワールドのガラスを破り、金品を盗み放火をしたのが監視カメラに写っていた4人のうちの1人。窃盗と放火で逮捕状が発行されていた。
サーイチョンは取り調べに対して、1日500Bで雇われて同盟の自警組織員として働いていて監視カメラの映像に写っていることは認めたが、「当日はビル前でデモ隊がビル内に突入するのを阻止していただけで、窃盗と放火には一切関与していない。」と供述。サーイチョンによると、「ビルが放火された当時はビル前で突入の阻止にあたっていたが、火が広がったのを見て約30分後に現場をあとにしていた。」という。また、「放火された当時に黒服を着込んだ集団がバラバラにビルから出てくるのを目撃したが、誰が火を放ったかに関しては心当たりがない。」という。
「(タイの前王朝の創始者)タークシン王陛下がタクシン警察中佐(元首相)に生まれ変わりタイに再度降臨された。」などと印刷された100B札がタイの東北地方などに出回り、タイ政府が回収を急いでいる。印刷された文は王族のみに使用される特殊用語をタクシンに使うなど、反タクシン派・王党派を激怒させる内容。タクシン支持派はタークシン王の戴冠日に反政府集会を開くなど、タークシン王とタクシンを結びつけるイメージ戦略を進めており、政府は今回の事件もタクシン派の犯行と見ている。
支那系タイ人でアユタヤ王朝の官僚だったタークシン王(1734~1782年)はアユタヤが隣国ビルマに滅ぼされた後、支那系住民の力を借りて、現在のクルングテープ都トンブリ区を首都とする新王朝を創設し、タイの独立を回復。しかし後に、家臣で現王朝の始祖であるラマ1世に精神錯乱を理由に処刑された。
2006年の軍事クーデターで追放されたタクシンは当初、「タイ国王側近がクーデターを実行した。」と主張。タクシン派の批判の矛先はその後徐々に王室に向かい、タイの国論はタクシン派・民主派対反タクシン派・王党派に2分された状況。今年03~05月にはクルングテープでのタクシン派と治安部隊の衝突、数十回に上る爆破・銃撃テロで90人近くが死亡、1400人以上が負傷。
政府は定例閣議の席上で、2ケ月に及んだ先の反独裁民主主義同盟(UDD)に対する強制排除の際に発生した衝突及びそれに伴う被害に関する事実関係を調査するための独立委員会の委員長に元検事総長のカニット・ナ・ナコン(73)を据える決定。この決定を受けカニットは独立委員会メンバーの選出及び委員会の調査方針等の策定に入る事になる。
カニットは、2006年09月のクーデター後の軍事暫定政権下でも、特別委の委員長に任命され、タクシン政権下(2001~2006年)の「薬物一掃大量殺人疑惑」の調査を陣頭指揮したことがある。
アピシット首相は、カニットを選んだ理由について、「知識が豊富、有能で信頼できる。」と説明。
一方、プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「カニットが政府内の人物と近い関係にあり、独立委員会の中立性に依然不安がある。」と明らかにし、「国際機関から中立的な人物を招致して独立委員会を組織するべきである。」と発言。
民間人や兵士・警察官合計89人(06月08日時点)が銃撃や爆弾攻撃などで死亡したことについては、政府が、「デモ隊の武装集団の仕業」との見方をとっているのに対し、デモを主導したUDDや人権活動家は、「犠牲者のほとんどが治安部隊の銃撃で死亡した。」として、政府を批判。
大規模な反政府デモを主導したタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部の野党プア・タイ党議員2人が刑事裁判に出廷後、刑事裁判所に保釈が認められた。 チャトポン、カルン両議員は反政府デモに関連してテロ、騒乱扇動、違法集会の容疑をかけられており、法務省特別捜査局(DSI)から出廷を命じられていた。
DSIは、身柄拘束を求めたが、裁判所は自主的な出頭などを理由に、それぞれ 100万Bの保証金で2人を保釈することを認めた。
サティット財務次官は、政治情勢悪化による経済的損失をGDP1.5%分の1450億Bと算出していることを明らかに。
「今年の外国人観光客数を、前年比0.3%減の1410万人となる見通しから、530億Bの観光収入減。また集会が74日間続いたことで、都内の消費に210億B、その他非常事態宣言が発令された24県の消費に120億B。その他民間企業の投資が停滞したことで600億Bが影響した。」とのこと。このことから、今年のタイのGDP成長率予測を+4%~+5%としていることを明かした。
政府は閣議で、反政府活動で影響を受けた旅行業界の救済に向けた追加策を承認。これには、税優遇措置や低金利融資が含まれる。財務省の説明によれば、「追加策で政府の税収が約40億B減少する見通しだが、観光業が回復すれば政府収入は確実に増加するq5 とのこと。
骨子は、年内に旅行代理店を通じた国内旅行のパッケージツアー購入費を最大1万5000Bまで個人所得税の控除対象とする、2010年末まで、国内外の見本市、展示会への出展経費を実際の支出の倍額まで法人所得税の控除対象とする、2011年末まで、 国内でのセミナー開催経費を実際の支出の倍額まで法人所得税の控除対象とするなど。このほか、観光関連事業に携わる中小企業に対しては、低金利融資の上限が400万Bにまで引き上げられる。
今年03~05月のタクシン派によるクルングテープでの反政府集会を受け、タイを訪れる外国人旅行者は大幅に落ち込んでいる。政府はタイ人の国内旅行を後押しし、ホテル、旅行会社など業界の支援を図る。
アピシット首相は、「タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)による集会が2ケ月後に開催されるとの情報を得たことから、政府は引き続き非常事態宣言の発令を続けていく。」と明らかに。「このため治安維持部隊に、情勢の監視を引き続き行わせていく。」とのこと。
クルングテープ都のタヤー副都知事は、反政府デモによって多大な被害を受けた小規模小売店を救済するため、今月12~13日にかけて再びシーロム通りのサラデーン交差点からナラティワートラチャナカリン交差点までの区間を、19~20日にはランナム通りを封鎖し、露天市場を開催する予定を明らかに。タクシン派の反政府デモで被害を受けた小規模小売業者の救済が目的で、今回出店スペースは衣料、食品などの露店がシーロム通りは約2000店舗分。両日午前09時から午後11時(報道により午後10時)まで開店が可能。出店希望者は、今月08~09日にかけてルンピニー公園のポンラムアンアウソークラブで出店応募ができる。
また、「センター・ワンやプラトゥーナムで被害を受けた小規模小売店等を対象に、今月19~20日にラーチャテーウィ区ランナム通りを封鎖し、同様の露天市場を開催する予定である。」と明かした。ランナム通りは約700店舗分。
被害者救済の露天市場は先月28、29日にシーロム、今月05、06日に開催され、数万人が来場 。
今回の内閣改造は連立政権内のトラブル解消が目的とされているが、工業相が交代したことなどから、経済界は好意的に受け止めている模様。
タイ商工会議所のドゥシット会頭は、「まだ改善の余地はあるが、今回の入れ替えはよかった。6ケ月後に新閣僚の仕事ぶりを評価したい。」と述べている。また、国内最大の経済団体・タイ工業連盟(FTI)のパユンサク会長は、新工業相がマプタプット問題の解決にこれまで以上に努力することに期待を表明。
100人以上(報道により約200人)の宝籤販売に従事する盲団体関係者が首相官邸前に集まり、盲に割り当てられる宝籤の枚数増を要求する抗議活動を展開。
団体は、「07日に行われた政府宝籤局との協議の際に芳しい回答を得る事ができず、現状のままでは大口の代理人のみを利する事に繋がるだけである。政府が要求を無視した場合は赤服軍団への合流も辞さない。」としている。また、抗議活動が展開されていた際に、庁舎敷地内に入り込もうとして警官隊ともみ合いになり、うち23人を非常事態宣言違反容疑で逮捕。逮捕を免れようとして近くの運河に飛び込んだ者もいたが、全員引き上げられ、怪我人はなかった。
盲協会のソムチャイ会長によれば、「毎回200万枚発行されている宝籤は、すべて主要3業者に割り当てられ、盲の宝籤売りへの割当がない。これを改めてもらうため、07日に副財務相に陳情しようとしたが会えなかったことから、08日に政府庁舎の敷地内に入り込んで抗議しようとした。」とのこと。
反政府デモ被害者救済のための施策に不正があったとして、中小規模の商店らが商業省に陳述書を提出。
内容は、商業省が企画した「タイランド・グランド・フェア」において、一部の高官らが出店希望者に賄賂を要求したというもの。このフェアは、反政府デモで売り上げが落ちた小売店を支援する特別イベントのため、参加費は無料とされていた。
参加者のひとりは、「問題の高官らに、賄賂を払わないと出店させないといわれた。彼らは大企業は避け、我々のような小規模の商店ばかりをねらっていた。」と証言。
「タイランド・グランド・フェア」は05月中旬から下旬にかけてムアントンタニー、シーロム通り、パタヤの3ケ所で開催された。この週末にはノンタブリー県庁での開催が決まっている。
06月09日(水)宝籤販売の盲らが政府庁舎の敷地内に入り込もうとして逮捕された問題で、アピシット首相は、「きちんと話し合えば、このような事態を招かずに済んだはず。」として、警察の対応が適切だったか調査するよう指示。
逮捕を免れようと運河に飛び込んだ盲もおり、マスコミで大きく報じられた。
宝籤販売で生計を立てている盲は少なくないが、盲ら約200人は08日、政府庁舎前に集まり、政府宝籤庁から盲に宝籤の直接割当がないことに抗議。23人が敷地内に入り込もうとしたとして逮捕。その後、首相の働きかけもあり、全員その日のうちに釈放された。
中央選管のプラパン委員は、中央選管創設12周年を記念した記者会見の席上、「次期総選挙はこれまでなく荒れた選挙になる。」との見通しを示し、中央選管が断固たる姿勢で選挙違反の取締に当たる方針であることを明らかに。
次期総選挙については、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)による大規模な反政府デモを終結させるため、アピシット首相が11月実施を提案。UDDは同案を受け入れる姿勢を示したものの、デモを継続。その結果、強制排除でデモに終止符が打たれ、同案は意味をなさなくなった。
だが、タクシン派は目的を達成できなかったことから、政権党の民主党への反感をこれまで以上に強めており、このため、首相は今でも、「問題解決につながるなら、早期(来年末の任期満了前)の解散総選挙はあり得る。」としている。 プラパン委員は、「次の総選挙は非常に荒れたものになるだろう。有権者買収もこれまでなく増えることが予想される。」と述べ、「候補者の資金の流れに関する調査に踏み切る事案も考えられる。」としている。
インターネットのアクセス解析などを手がけるインターネット・イノベーション・リサーチセンター・タイランドによると、タイのニュースサイトの05月のユニークIP数トップはタイ字紙大手プーチャッカーンの「MANAGER.CO.TH」で36万8425(前月比10.1%増)だった。プーチャッカーンは反タクシン派の機関紙的存在で、中立派、タクシン派からは偏向報道として批判を浴びている。
ユニークIP数2位はタイ字大衆紙最大手タイラットの「THAIRATH.CO.TH」で21万6743(同20.9%増)、3位はプーチャッカーンと裁判で係争中のタイ字高級紙マティチョンの「MATICHON.CO.TH」で10万1133(同26.8%増)、4位は英字紙バンコクポストの「BANGKOKPOST.COM」で9万7353(同20.9%増)。
タイではタクシン政権(2001~2006年)を追放した2006年の軍事クーデター以来、同政権の低額医療制度やマイクロファイナンスなどで恩恵を受けた低所得者層、東北・北部などの地方住民がタクシン派・民主派、タクシン氏を反王室、 腐敗政治家と批判する特権階級、クルングテープの中間層が反タクシン派・王党派という大まかな色分けで、政治闘争が続いている。今年03~05月にはクルングテープでタクシン派と治安部隊が衝突し、90人近くが死亡、1400人以上が負傷。
両派はそれぞれ独自のケーブルテレビ局、機関紙を持ち、ミニブログのツイッターや交流サイト(SNS)のフェイスブックなどで自派の結束を固めている。中立的な新聞は報道統制で表面的な報道にとどまっている。反タクシン派は高学歴者が多く、フェイスブックなどを見る限り、ネット上では圧倒的に有利。
警察当局は、「クルングテープ都のマリニー副知事の甥で修士課程に通うノップン・ソワンニー(24、報道により26)の他殺体がチョンブリー県ノーンヤイ郡のゴム農園内で発見された事件に絡んで、ムクダハーン県出身のタナット・タタトンチョティ(35)とウボンラーチャタニー県出身のタノーム・ケートホーム(42)を逮捕し、ライフル2挺やスタンガン等を押収し、共犯の3人の行方を追っている。」と発表。
調べによると、逮捕された2人及び逃走中の3人の5人組は、05月29日、強制排除以降に困難に晒されている赤服軍団関係者を支援するためにクルンタイ銀行の現金輸送車の襲撃を計画し、実行するのに必要な車を確保するため、車に女性を乗せてパトムタニー県タンヤブリー郡内のラブホテルに入ろうとしていたノップンに目をつけ、ノップンを脅し車に乗り込んだ上でノップンを殺害し車を強奪し、同乗していた女性をガソリンスタンドで解放。
「現金輸送車の襲撃が成功した場合は、クルングテープ都とチョンブリー県シーラーチャー郡の赤服軍団に対して 4:3の割合で強奪した現金が配分される計画になっていたが、道中各所で治安当局が検問を行っているのを見て恐れをなして、現在逃走中の3人が途中で車から降りてしまったため、計画の実行が中止されていた。」という。
警察によると、「逮捕された2人は何れもレームチャバン地区の赤服軍団の自警組織員で、またタナットはコンケーン県内で別途逮捕状が発行されており、タノームはクルンタイ銀行レームチャバン支店で警備員として働いていた。」という。
主犯格のタナットは取り調べに対して、「クルングテープで行われていた反独裁民主主義同盟の集会の際に、約1ケ月間にわたって仕事に行かずサラデーンの警戒に従事し金に困っていたため、自分と同様に長期間集会に参加し職を失い金に困っている者を助けようと思い仲間4人を誘って現金輸送車の襲撃を計画した。犯行に使用した3挺のライフルは一緒に集会に参加していた赤服軍団の仲間から2万Bで手に入れた。」と供述。
06月10日(木)法務省特別捜査局は、チョンブリー県パタヤ地区内にある赤服軍団強硬派の隠れ家で家宅捜索を行い、M79発射装置やライフルを押収した事を明らかに。
特別捜査局は、「押収された武器が反独裁民主主義同盟に関係している可能性がある。」と見て、関係するネットワークの解明を急ぐ方針である事を明らかに。
首都圏警察本部のスメート副本部長は、反独裁民主主義同盟が集会解散を宣言した05月19日に首都圏警察本部バーンラック署管内にあるバンコック銀行サパーン・ルアン支店が放火された事件に絡んで、5人の男に対する逮捕状を取得した事を明らかに。スメート副本部長によると、「5人に対する逮捕状は、何れも監視カメラ映像や携帯電話で撮影された映像に基づき申請されていたもので、各人の名前や居所等に関しては現時点では明らかになっていない。」という。
プア・タイ党のプロームポン報道担当は、ステープ副首相及び息子のテーン・トゥアックスバン等をサムイ島内で所有している土地の不正登記容疑で法務省特別捜査局に告発。プロームポン報道担当は、「ステープ副首相が問題の土地の事実上の所有者であるにもかかわらず、不正に息子に所有権を移転させる事により、虚偽の記載がされた資産報告書が国家汚職防止取締委員会に提出されていた。」と指摘し、「このような不正行為に関与した同副首相親子及び役人は法的責任に問われるべきであると指摘した。
副教育大臣のナリサラー・チャワーラタナピパット♀は、先の内閣改造で副教育大臣に就任したチャイヨット・チラメーターコンの派閥を中心にした 17人のプア・ペーンディン党所属の下院議員が連立第2党のプームチャイ・タイ党へ移籍する意向を示している事を明らかに。
この発言に先立ち、プームチャイ・タイ党のチャイ・チットチョープ(下院議長)が、他党から多くの下院議員が同党に合流する見通しであることを明らかにしていた。
また、下院副議長等を歴任したスチャート・タンチルンの夫人としても知られるナリサラー♀によると、「先の17人の他に更に2人の下院議員がプームチャイ・タイ党へ移籍する意向を示しているが、現時点では2人の詳細について明らかにする事ができない。」という。
内閣改造後に政府副報道官を辞任したプア・ペーンディン党のプーミノン・シティラプラストの後任に関しては、「首相が判断する事である。」としてコメントを避けた。
実現すると、プームチャイ・タイの下院(定数480)議席は49になり、タクシン派の野党プア・タイ党の189議席、連立政権の中核である民主党の172議席に次ぐ勢力となる。 プア・ペンディン党は02日の閣僚不信任案採決で一部派閥の議員が造反し、同派の閣僚が06日の内閣改造で閣外に追われた。「下野した造反派にはプア・タイ党が接触している。」という。
プームチャイ・タイ党はタクシンの右腕と呼ばれたネーウィン元首相府相らが率いる政党。ネーウィンは5年間の参政権停止中だが、次期総選挙での政権獲得を目指し、タイの権力中枢との関係強化を進めている。
ピーラパン法務大臣は、タクシン政権時代に取り組まれ、結果として2500人の死亡者を出した麻薬撲滅戦争政策に関する独立調査委員会の再設置をアピシット首相から指示された事を明らかにし、元検事総長のカムピー・ケーオチャルンに委員長への就任を打診している事を明らかに。
ピーラパン法務大臣によると、「来週中に独立調査委員会の正式名称を決定する事ができる見通しだ。」という。
麻薬撲滅戦争政策に関する独立調査委員会は、スラユット政権時代に、強制排除案件に関する真相解明委員会委員長に就任したカニット・ナ・ナコンを委員長として設置されていたが、具体的な結論を出さないままサマック政権時代に活動が停止。
「タクシンが反独裁民主主義同盟のデモ隊に対する強制排除に絡んで政府を人権侵害で国際法廷の場に引き出そうとしている事に対抗するために調査委員会の再設置が決定された。」と指摘されている事に関して、ピーラパン法務大臣は、「再設置の背景に政治的な思惑はなく、あくまで真相を明らかにするために再設置させるものである。」と説明。
法務省特別捜査局(DSI)のタリット局長は、「反独裁民主主義同盟(UDD)を支持している元DSI幹部らが、DSIの信用失墜を図っている。」と訴えた。
これは、政権党民主党の不正献金疑惑を捜査している10人が「圧力をかけられている。」との理由で「捜査チームから抜けたい。」と申し出たことに端を発するもの。
タリット局長によれば、「元幹部らが影響力を行使して、DSIがアピシット政権寄りとの印象を与えようとしている。」とのこと。同局長は、「DSIスタッフの 95%は誠実で政治的に中立。だが、残りの5%は(反アピシット政権の)元幹部らの影響下にある。」としている。
国外逃亡中のタクシンの所在確認・身柄送還に国際刑事警察機構(ICPO)の協力を求める件について、警察庁と法務省特別捜査局(DSI)の主張が食い違っている。
警察庁外事課のテートサク課長は、「DSIからの求めがなければ、警察庁はICPOに協力を要請できない。」と指摘。一方、タリットDSI局長は、「先週、警察庁に要求した。先方の指摘はまったく訳がわからない。」と話した。
また、ICPOへの協力要請では、タクシンの逮捕状を英訳したものを提出する必要があるが、これについても、警察庁が、「DSIが英訳すべき。」としているのに対し、DSIは「われわれに押しつけるな。」と反発。
18時過ぎアピシット首相は国民向けスピーチの中で、政府が重要課題に掲げている和解推進に向けた取り組みの開始を宣言し、国民に対して和解推進への取り組みへの参加を呼びかけた。
アピシット首相は、「今こそ国民が一丸になって、国家を改革し、王室を擁護し、平等な社会や創造的な報道、効率性や透明性がある民主主義を実現させるために和解に取り組むべき時である。」と、全ての国民に取り組みへの参加を呼びかけた。アピシット首相によると、「国家を危機から脱出させ、国家に新たな未来をもたらすために国民からの声に耳を傾ける用意がある。」という。
このスピーチに先立ってアピシット首相は、「和解推進実現に不可欠な問題の解明、解決や、各構造改革には現政府の任期以上の期間が要する事が予想される。」とした上で、「国民への新年の贈り物としての和解を実現させるため、年内に完了が可能な必須項目の解決に注力し、国家を危機から脱出させ、国際社会から信用され役割を果たすことが出来る国家への脱皮を目指していく考えである。」と明らかにしていた。
06月11日(金)第2地区警察本部は、クルングテープ副都知事や民主党顧問のバンヤット・バンタッターンの甥のノップン・ソワンニー(24)が殺害された事件で逃走中だったノップラットまたはヌム・ルップソム(24)、クリアングクライまたはティー・ニムサンガー(40、報道により41)及びサチェム・ブンアパイ(45)の3人をウドンターニー県内で逮捕。
調べによると、3人は、先に逮捕された反独裁民主主義同盟の自警組織に所属するタナット・タタトンチョティ(35)とタノーム・ケートホーム(42)と共謀して、強制排除後に困難に晒されているクルングテープ都やチョンブリー県シーラーチャー郡レームチャバン地区の赤服軍団を支援する目的で現金輸送車を襲撃するために必要な車を確保するため、当時恋人と一緒だったノップンを襲い殺害し車を強奪。
逮捕されたクリアングクライは取り調べに対して、「旧ライ・ラック・タイ党幹部系財団の111番地の家財団内で地下活動や非常事態宣言解除後の情勢扇動を意図したグループの組織に向けた話し合いに参加していた際に他の2人と知り合い計画に参加した。ノップン殺害後ウドンターニー県内に潜伏し、時期を見て赤服軍団の地下活動開始に向け動くつもりでいた。」と供述。
一方、ノップラットは、「主犯格のタナットの理想や赤服軍団を支援したいとの気持ちに賛同して犯行に参加し、タナットに命じられてノップンを射殺した。強奪した現金は赤服軍団関係者の支援や今後の活動費に充てる考えでいたが、その後意見の相違から計画から離脱していた。ノップンを射殺したあとに同乗していた女性を強姦し、また使用した銃は同盟のラーチャプラソン集会会場内でウドンターニーの赤服軍団向けの食堂用テントを管理していた人物に預けた。」と供述。
2006年09月のクーデターを首謀した元安全保障評議会議長のソンティ・ブンヤラカリン大将は、「次期総選挙の際には比例代表区、選挙区何れからも出馬する用意ができている。」と語り、事実上政界入りを宣言。
また、マートゥプーム党最高顧問でもあるソンティ大将は、「国家のために最善であると判断し党の連立政権入りを決定した。」と明らかにしたが、プア・ペーンディン党所属の下院議員の党への吸収に関しては、「現在でも両党間で良好な関係を維持しており、吸収の是非に関しては選挙委員会の規則次第である。」と語り、また現在空席になっている党首の選抜に関しては、「急ぐ話ではない。」と語るに留めた。現在、先の内閣改造で入閣したマン副財務大臣が党首代行を務めている。
タリット法務省特別捜査局(DSI)局長が、「タクシン派の元DSI幹部らが捜査を妨害している」旨の発言をしたことについて、キティポン法務事務次官は、「そのような問題があったとは気が付かなかった。」と述べ、タリット局長から話を聞く意向を明らかに。
タリット局長によれば、「DSIの元トップなどが影響力を行使して、DSIによる政権党民主党の不正献金疑惑の捜査に間接的に介入し、『DSIがアピシット政権寄り』との印象を与えようとしている。」とのこと。この批判は、元DSI局のタウィ法務副事務次官などに向けられたものと見られている。だが、キティポン事務次官は、「タリット局長は名指ししていない。現時点でタウィ副事務次官に話を聞く必要はないだろう。」との考え。
アピシット首相は、「国民の政治対立解消を目的とした和解案は国民の95%以上の参加が必要。」と指摘し、「現状では歩み寄りは期待できず、国民和解は非常に困難。」との見方。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)による大規模反政府デモの最中に首相が示した案は、現行憲法の改正などを通じてタクシン派、反タクシン派の意見を1つにまとめるというものだった。だが、アピシット首相は、「和解案については、私の支持者から不満の声が出ている。両派に譲歩を期待できる状況にはないようだ。」と分析。
また、先の内閣改造で連立政権に参加した新党マートゥプーム(祖国)党のソンティ党首(2006年クーデター当時の陸軍司令官)は、アピシット政権がタクシン政権下(2001~2006年)の「薬物一掃大量殺人疑惑」の再捜査に着手したことに対し、「時機が良くないのではないか。」と述べ、国民和解の妨げになるとの懸念を表明。この疑惑は、薬物一掃キャンペーンの下で密売容疑者など2500人以上が死亡し、その多くが現場の警察官に処刑されたというもので、「タクシン派は再捜査を快く思っていない。」とされる。
06月12日(土)国内治安維持本部のサンスゥン報道官は日、現時点では非常事態宣言の期限である07月07日前に施行を解除する可能性がない事を確認。
サンスゥン報道官によると、「『全ての関係機関が非常事態宣言の継続施行が必要である。』と認識しており、また継続施行をもってしても影響を与えるのは特定の非常事態宣言の継続を望まない集団だけで、一般の善良な国民には影響を与える事はない。」という。
一方、ポストトゥデー紙によると、民主党党首付のテープタイ報道担当は、「アピシット首相が安全保障当局による情勢分析を待って、北部及び東北部を訪問する意向を示している。」と明らかに。「不用意な訪問による情勢混乱を避けたいためだ。」という。
反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、「ナコンラチャシーマー県の赤服軍団幹部やナコンパノム県の赤服軍団、パタヤ地区の赤服自警組織員の殺害事件は政府による暗殺である。」と指摘し、政府に対して集会解散後も地方まで赤服を追いかけて殺害するような行為を止めるよう訴え、「『果たしてこのような状況の中で和解推進が実現できるのか、国民を騙して赤服軍団を2%にまで減少させた上で議会を解散しようとしているのではないか。』という疑問に対して政府は応えるべきである。」と指摘。
チャトポンによると、「このような追跡・暗殺行為が蔓延れば、政府は復讐心を晴らそうと思う赤服軍団と3回目の局面を迎える事になる。」と述べた。
タリット法務省特別捜査局(DSI)局長は、DSIが先の反政府デモ関連の逮捕者のうち比較的罪の軽い者の釈放を可能にする法案を作成するよう国内治安維持本部から要請を受けたことを明らかに。
これは、テロ罪以外の犯人を釈放することでタクシン派の反感を和らげ、アピシット首相が示している国民和解案の実現に繋げようというもの。
DSIは、法案作成について、国の最高法律諮問機関・法令委員会と近く協議する予定。
06月13日(日)アピシット首相は定例政見放送の中で、「国家に損害をもたらしたテロリストとの和解推進を拒否し、引き続きかかる集団に対して厳格に法を執行していく考えである。」と明らかに。
また、国家に新たな対立をもたらすために、「過去に行われた反独裁民主主義同盟の集会に参加した者の追跡を行っている。」との指摘を否定し、「国民意識を1つに融合させ社会問題の解決につなげるために国家の疲弊に繋がった対立の元凶となった問題点の解決を重要課題として和解推進に取り組む考えである。」と明らかに。
タクシン派の野党プア・タイ(タイ貢献)党の広報担当プロムポンは、「1都23県に適用されている非常事態宣言が人権を侵害している。」として、非常事態宣言の解除を政府に要求。
この宣言については、国家人権委員会やアムネスティインターナショナルなども解除を求めている。
プロムポンは、逮捕された反独裁民主主義同盟(UDD)のデモ参加者がベッドにつながれて治療を受けている写真を示して、「人権の侵害だ。」と批判し、「アピシット首相が本当に国民和解を望んでいるか疑問。」と糾弾。
06月14日(月)アピシット首相は、「通信衛星会社タイコムによる衛星運営は国家的資産であり、タイに帰属する必要がある。」として、「国家安全保障の観点から、タイコム社を買い戻すことを全面的に支持する。」と明言。財務省に対してタイコム社買い戻しに取り組むよう指示し、現在テマセク社との間で協議が進められている事を明らかに。
アピシット首相の個人秘書でもある民主党所属下院議員のシリチョーク・ソーパーは、シンガポール政府の投資会社のテマセク社との間で、タクシンがテマセク社に売却した通信衛星事業会社「タイコム社」の買い戻しに向けた協議を1~2ケ月前に行っていた事を確認。協議にはコーン財務大臣も同席していた。
シリチョークによると、「先に行われた協議でテマセク社から原則合意の意向を得られており、株式の移転等を始めたとして条件面での詰めの検討が行われている段階にある。」という。また、シリチョークによると、「タイコム社買い戻しのためにオー・ソー・モー・トー(MCOT)社及びCAT社を初めとする公社系企業にテマセク社の株式を取得をさせる方向で情報通信技術省が調整に動いている。」という。
タイコムはアピシット政権と対立するタクシン派のテレビチャンネルを通信衛星を通じ放送し、今年04月にはチャンネルの放送停止をめぐり、タクシン派市民と治安部隊が通信施設で衝突する騒ぎがあった。
なお、残り約1年半のアピシット政権の任期中に、買い戻しができるか定かでないが、首相が支持を表明したことで、関係当局によるテマサク側との交渉が加速するのは確実と見られている。

* タイコム
ブロードバンド(高速大容量通信)通信衛星IPスターなど通信衛星4基を所有・運営するほか、カンボジアとラオスで電話事業を行っている。2010年01~03月は総売上高18.5億B、最終赤字1.6億B。
タクシンが1991年に創設したシン・サテライト(現在のタイコム)やタイ携帯電話サービス最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)などは、タクシン一族が、親会社であるシン・コーポレーション株を2006年にシンガポールの国営投資会社テマサク・ホールディングスに売却したことから、現在テマサクが実質的経営権を有している。シン社はタイコム株の41%を所有。
この株売却は、「汚職」、「国家に対する背信」、「脱税」といった厳しい批判を招き、これが当時のタクシン政権への反感を増幅させた。「このような状況を受け、2006年09月に軍部がクーデターによる同政権追放に踏み切った。」とされる。
政府は閣議で、反政府デモで打撃を受けた観光業を支援する措置の一環として、ホテル宿泊料を1万5000Bを上限にその年の個人所得から差し引き、所得税を軽減する措置を構ずることを決定。適用期間は06月15日~12月31日。
一方、先の閣議では同様の目的で、ツアー会社を通じて国内旅行した費用を1万5000Bを上限にその年の個人所得から差し引き、所得税を軽減する措置が承認されていた。適用期間は06月07日~12月31日。
国内治安維持本部は、先の大規模反政府デモを財政的に支援した容疑で著名人を含む84の個人・法人の名前を06月15日にも公表する予定。
資金洗浄対策室(AMLO)のシハナート事務局長は、「反政府活動に関連するとみられる1500億Bにも及ぶ資金の動きがあり、非常事態宣言違反が疑われている。政治家、実業家、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部が含まれるが、彼らは1日に10万Bもの現金をATMで引き出していた。」と話す。
国内治安維持本部はすでに違法デモ支援容疑で106の個人・法人の資産を凍結する措置をとっているが、AMLOは84の個人・法人についても資産凍結を国内治安維持本部に要請する予定。
タリット法務省特別捜査局(DSI)局長は、「国民和解の実現のため、反政府デモ関連で捕らえられた者のうち、テロ罪以外の逮捕者を釈放するという恩赦案を国の最高法律諮問機関である法令委員会も支持している。」と明らかに。容疑者釈放については、同日、DSIと法令委員会、国家治安委員会の間で協議が行われた。
タリット局長は、「釈放は、勅令あるいは新法制定・法改正という形をとることになろう。DSIが案をまとめ、これが内閣と国内治安維持本部によって審査されることになる。」と説明。
ラチャブリー県内にある国境警察隊ナレースワン基地内に拘置中の反独裁民主主義同盟幹部のウィーラ・ムシッカポンは、全幹部の総意としてカニット・ナ・ナコンの強制排除案件調査委員会の委員長就任及び和解推進への支持を表明。
これは、ナレースワン基地を訪問したカニットとの約3時間にわたる協議を終えた後に語られたもので、ウィーラは、カニットの委員長就任には支持を表明し、調査に必要な資料の提供に協力する意向を示したが、委員会そのものに関しては、「国民に対する暴力で法的責任を負うべきアピシット首相が設立した疑念を払拭できないものである。委員会への参加を拒否し中立且つ独立性がある委員会による調査に委ねる考えである。」と明らかに。
一方、今回行われた協議に先立って行われた記者団とのインタビューの中でウィーラは、「毎日食っては寝るという生活を送っているおかげで2㎏太り、また外部からの面会者から逮捕等に関する情報を得ている。」と明らかに。
クルングテープ都ポーンテープ副都知事は、タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)による集会解散に伴ない、放火・破壊された戦勝記念塔近くのショッピングモールのセンター・ワンについて、「現在のものを取り壊し再建築されることになった場合、現行の建築法では放火前の4階建てではなく2階建てに変更しなければならない。」と語った。「現在専門家によって、精密な調査が行われている。」とのこと。
盲協会代表は、明日首相官邸で盲への宝籤の配布割り当て増を求め、集会を行うことを発表。
今月08日に宝籤の配布割り当て増を求める集会を行ったが、一部が暴徒化したため警察によって強制排除が行われ、一部参加者が逮捕を免れるため運河に飛び込み逃走を図る事件に発展した。その際警察に多くの人が逮捕されたが、逮捕者の多くが盲だった。
タイ地元紙によると、チャルーン・ポーカパン(CP)グループのアート副会長は、「今後政治情勢が悪化するような事態にならなければ、今年のタイのGDP成長率は前年比+4.5%~+5.5%となる見通しである」と明らかに。「今年の反政府デモによりGDP成長率を1.1%押し下げたが、今年第1四半期のGDP成長率が+12%となり、輸出が急回復していることから、大幅なプラス成長が期待できる。」とのこと。「だが、欧州圏内の国債問題及び米経済について、注意深く見守る必要がある。」としている。
アピシット首相がタイコム(THCOM)の株式を、テマセクグループから買い戻すことを財務省に指示したことを明かしたことで、THCOMの株価が急騰しストップ高となる先週末比29.36%増の7.05Bで引けた。タイ地元紙によると、「THCOM社は、アピシット首相が同社の買い戻しを指示したことについて、大株主のシン・コーポレーション(SHIN)及びテマセク・グループと交渉する必要がある。」としている。
クルングテープでは長期化した反政府デモの影響でホテル業界の低迷が続き、運営コスト削減にあの手この手で対応。
現地資本のホテルでは、従業員の勤務時間を減らしたり、「無給休暇」を取らせるなどして対応しているが、大手国際ホテルチェーンでは余った労働力を国外に派遣するところも出てきた。
シャングリラ・ホテル・バンコクでは、反政府デモを理由に予約キャンセルが殺到した05月からスタッフの国外派遣を始めた。主な派遣先は、シンガポール、ドバイ、マレーシア、インドネシアなどとなっている。特に、「シンガポールでは稼働率が90%を超え、フロント、飲食系、技術系などの人材が不足。中東でも、連日記録的な好業績を更新中。」という。派遣期間については23ケ月間前後、もしくはタイ国内の経済が回復するまでとしている。
06月15日(火)アピシット首相は、現行憲法の改正を検討する委員会の委員に学識経験者など19人を任命する案を承認。委員長は、タイ国立開発行政研究院(NIDA)のソムバット学長が務める。
ソムバット学長によれば、「委員会は17日に政府庁舎でアピシット首相を議長とした初会合を開く予定で、ここで憲法改正の進め方が話し合われることになっている。」と言う。
現行憲法の改正については、アピシット首相が、政治対立を解消し、国民和解を実現するために必要との姿勢を示している。今回設置が決まった特別委員会は、議会設置の委員会が昨年打ち出した6項目改正を重点的に検討することになる。だが、改憲に同意していたタクシン派の野党プア・タイ党は、その後、現行憲法廃止と旧憲法(1997年憲法)復活を主張。このため、プア・タイ党に現行憲法改正を受け入れさせられるかどうかが最大の課題。
タイ政府がシンガポールの国営投資会社テマセクから通信衛星会社タイコム(旧シン・サテライト)を買い戻そうとしていることについて、スラユット軍事暫定政権(2006年10月~2008年1月)で情報通信技術相を務めたシティチャイは、「タイコムが運営するブロードバンド通信衛星タイコム4(iPSTAR)は合法性が不明確で、タイコムの買い戻しは法的問題に巻き込まれる恐れがある。」と警告。
買い戻しについては、シティチャイが大臣当時に国の最高法律諮問機関・法令委員会に判断を求めたが、法令委員会は、「タイコム4が運輸通信省(当時)との契約に違反しているかどうかについての最高裁判断を待つ必要がある。」として、回答を保留したままとなっている。また、シティチャイは、政府が「国家安全保障の観点から買い戻しが必要。」としている点について、「タイコム4は違法の可能性がある衛星であり、また、商用衛星であるため安全保障とはあまり関係がない。タイコム5もあと数年使用できるだけだ。タイコム買い戻しは意味がない。」としている。
なお、タイコム社の衛星は計5基打ち上げられているが、タイコム1~3は耐用年数を過ぎており、タイコム5(2006年05月打ち上げ、耐用年数12年)についてもバックアップ衛星がまだ打ち上げられていない。2005年08月に打ち上げられたタイコム4は耐用年数が16年となっている。
国内治安維持本部は、「違法デモを財政的に支援した疑いで86人から事情聴取する方針である。」と明らかに。これは、法務省特別捜査局(DSI)、国税局、麻薬制圧委員会などの代表からなる特別委員会がデモを支援したとされる152人について過去9ケ月間の資金の動きを調査し、うち86人の疑いが濃厚と判断したことによるもの。
国内治安維持本部のサンスゥン報道官は、「86人は5月12日~19日にかけてのテロに資金援助した可能性がある。関与が証明されれば、テロ共謀の罪で裁かれることになる。」としている。
刑事裁判所は、タクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の幹部8人と自警団員3人の保釈請求を「テロ行為という重い罪に問われており、逃亡する恐れもある。」という理由で棄却。11人の弁護士は保釈を申請したが、起訴されている罪が重いものであり、保釈後逃走される可能性が高い。また、拘留期限を06月26日まで延長。16日に期限が切れることから、警察が延長を求めていた。
このことから、UDDカーロム弁護士は、「保釈金を1人当たり10万Bから100万Bに引き上げ、再度保釈要請をする。」と明かしている。
05月19日のUDDによるデモ終結宣言の直後から中部ペチャブリー県の国境警備警察施設に拘留されている11人は、裁判所の判断を聞くため、ヘリコプターでクルングテープ都内犯罪制圧課本部、そこからバスで刑事裁判所に移送され、裁判に出席。裁判所には数百人の支持者が押しかけ、保釈請求却下に怒った支持者が騒ぎだすという一場面もあった。
UDDは03~05月にクルングテープで大規模な反政府集会を行い、治安部隊との衝突などで、民間人76人など計87人が死亡、1400人以上が負傷し、放火でクルングテープ最大級のショッピングセンターが炎上、一部倒壊。幹部11人は軍が反政府集会を強制排除した05月19日以降に逮捕され、テロ罪などで取り調べを受けている。UDDは集会で、即時解散総選挙と選挙結果の尊重、司法などの二重基準(ダブルスタンダード)の是正を求めていた。
2008年に首相官邸やスワンナプーム空港を占拠した反タクシン派団体、民主主義市民連合(PAD)」は事件後、幹部のほぼ全員が一度も拘留されず、現在まで起訴されていない。
ウドンタニー県のウィラット県知事代行は、「県内の赤服軍団が22日に集会の開催を計画しているとの情報がある。」と明らかに。「現在拘置中の幹部のクワンチャイ・プライパナーが、電話でコン・ラック・ウドンの関係者に対して、22日に集会を開催する方向で準備を進めるよう指示したとの情報がある。」という。
22日は、クワンチャイを初めとする反独裁民主主義同盟幹部の拘置期限到来日で、「クワンチャイ等の保釈が認められなかった場合は、集会参加者が県都警察署を訪れ非常事態宣言施行規則違反での逮捕を要求する方針だ。」という。
プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「政府が計画している通信衛星事業会社タイコム社株式のシンガポールのテマセク社からの買い戻しにより、 K(コーカイ)とS(ソーサラー)がつく政治家が3億Bの利益を享受する。」と指摘。
一方、プア・タイ党経済政策チームのプラキヤット・ナーシムマーは、「タイコム社買い戻し計画の背景に政治的な思惑や不適切な利益供与がある。」と指摘し、証券取引監視委員会に対して、「計画の透明性や職権乱用による利益追求行為がないか、また計画が報じられて以降にタイコム社株式の異常な取引がなかったか調査するよう要請する方針である。」と明らかに。
クルングテープ都内ラチャダピセーク通りのタイ証券取引所(SET)ビルが16日から通常業務を再開。SETビルは05月19日にタクシン支持派に放火され、都庁などが被害状況、建物の強度などについて検査を行っていた。
06月16日(水)タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)のカーロム弁護士は、午後にも幹部11人の保釈を裁判所に再度要請することを明らかに。「現在弁護チームによって保釈手続きのための書類を集めている。」とのこと。
刑事裁判所が昨日、国外逃亡の恐れがあることから、幹部11人の保釈要請を棄却していたことから、弁護チームは「保釈金を当初の1人当たり10万Bから150万Bまで引き上げ、保釈を求める予定である。」としている。
検察は、2008年08~12月にクルングテープの首相官邸を長期占拠した反タクシン派団体、「民主主義市民連合(PAD)の幹部9人の起訴に関する判断を08月04日まで延期する。」と発表。「騒乱罪などで捜査を進めているが、証人の取り調べが終わっていない。」としている。9人は実業家でPAD創設者のソンティ、チャムロン元クルングテープ都知事ら。
起訴延期は2008年11月が最初で、今回で10回目。PADは2008年末にスワンナプーム空港を占拠するなど過激な反タクシン派デモを展開し、多数の死傷者を出したが、事件後、幹部のほぼ全員が1度も拘留されず、現在まで起訴されていない。
一方、タイの刑事裁判所は昨日、タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)の幹部11人の拘留期限を26日まで延長。16日に期限が切れることから、警察が延長を求めていた。11人の弁護士は保釈を申請したが、裁判所は「逃亡の恐れがある。」として却下。
UDDは03~05月にクルングテープで大規模な反政府集会を行い、治安部隊との衝突などで、民間人76人など計87人が死亡、1400人以上が負傷し、放火でクルングテープ最大級のショッピングセンターが炎上、一部倒壊するなどした。幹部11人は軍が反政府集会を強制排除した05月19日以降に逮捕され、テロ罪などで取り調べを受けている。UDDは集会で、即時解散総選挙と選挙結果の尊重、司法などの二重基準(ダブルスタンダード)の是正を求めていた。
タイ政府が通信衛星会社タイコムをシンガポールの国営投資会社テマセクから買い戻す方針を明らかにしたことに対し、タイコム社アラクCEOが、「タイ政府は企業買収のやり方がよくわかっていない。」などと否定的な見方。
これは、テマセクがタイコムの親会社シン・コーポレーションの大株主であることによるもので、アラクCEOは、「最初にシン・コーポレーションの経営権を取得しなければ、タイコムを買い戻したことにはならない。」としている。また、買い戻しについて、タイ政府は、「国家安全保障の観点から必要。」と説明しているが、アラクCEOは、「タイコムの経営方針はタイ人役員によって決定されており、テマセクは関与していない。」と説明。
なお、「タイ政府は市場で株を取得しタイコムの実質的経営権を握ることも可能だが、この場合、インターネット接続業者のCSロックスインフォや、ラオスやカンボジアで携帯事業を手がける企業など子会社すべての経営権を取得する必要がある。」とのこと。
国内治安維持本部が先に明らかにした、違法デモなどに資金援助した疑いのある86の個人・法人について、資金の動きの詳細が明らかに。
法務省特別捜査局(DSI)関係筋によれば、DSIは、昨年09月~今年05月の9ケ月間における預け入れ・引き出しを詳しくチェック。その結果、「86の個人・法人に違法行為を資金的に援助した疑いがある。」と判断。
口座からの資金の出し入れ額は以下の通り。
タクシン一族ではタクシン元夫人ポチャマンが5700万B、長男パーントーンテーが42億4000万B、長女ピントーンターが76億3000万B、ポチャマンの兄バンナポット・ダマポンが54億5000万B、妹インラックが3億1700万B。
政治家ではサームサック元議員が2700万B、野党プア・タイ党のプラチャー議員が3000万B、カルン議員が4600万B、アヌソン議員が3200万B、スダラット元タイ・ラック・タイ党役員が3億3400万B。
反独裁民主主義同盟(UDD)幹部ではウィーラが1050万B、ウェーンが140万B、コーケオ容疑者が2100万B。
退役軍人・警察官ではチャットが6000万B、プルンが1400万B。実業家ではソンクラムが6億9500万Bで、企業ではSCアセットが47億Bなどとなっている。
タイ政府が、テマセクグループから衛星企業のタイコム(THCOM)の株式を買い戻す検討していることをアピシット首相が発表以降、タイコムの株価が急騰落していることを受け、首相がタイ証券取引所(SET)及びタイ証券監視委員会(SEC)に違法性の有無を調査するよう命じたことがわかった。
また政府が、タクシンから没収した資産450億Bを買い戻し資金に利用すると噂されていることについて、首相は「この資金は財政安定化への資金である。」とし噂を否定。
タイ証券取引所(SET)は、先にタイ政府がシンガポールの国有投資会社テマセクからの買い戻しの方針を確認した通信衛星会社タイコムの株売買に不正な取引の疑いがあり、SETが証券取引委員会(SEC)とともに調査を進めていることを明らかに。
タイコム株は、買い戻しの方針が報じられたことで14日に29%値を上げ、16日には9.72%下げた。
このため、野党プア・タイ党の議員からは、与党政治家によるインサイダー取引の疑いを指摘する声があがっている。プア・タイ党の広報担当プロムポンは、「政治家10人ほどが不正な株取引に関与した疑いがある。うち2人のイニシャルはSとK。」と述べている。これは、シリチョーク民主党議員とコーン財務相を指すものと見られている。
06月17日(木)三越伊勢丹ホールディングスは、連結子会社のイセタン(タイランド)が運営するバンコク伊勢丹の営業再開日を、今月24日とすることを発表。営業時間は1~5階が午前10時~午後09時、6階のレストラン街と紀伊国屋書店は午後10時まで。駐車場はセントラル・ワールド(CW)地下1階が使用できる。
タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)によるデモ集会が、店舗近くのラーチャプラソン地区で2ケ月にわたり開催され、その後店舗に併設されているCW南側やZENなどの一部に火が放たれ炎上したものの、幸い北側の店舗への被害はわずかだったことから、CWなどに先行して営業再開することとなった。
24日の開店前には有名人を招いたオープニングセレモニーを開催し、酒樽の鏡開き、オリジナルうちわの配布などを行う。
07月02~28日には全館で記念セールを実施。07月02日~08月01日には眼鏡店の「パリミキ」(5階)が眼鏡、サングラスの、06月24日~07月28日には紀伊国屋書店が日本の雑誌のセールを行う。
CWは延床面積55万㎡で、伊勢丹や紀伊国屋、小売店500店以上、飲食店約100店が入居する東南アジア最大級のSC。SC前がタクシン派の反政府集会場となり、04月上旬から05月中旬まで休業を余儀なくされた上、タクシン派が軍に強制排除された05月19日、暴徒化した集会参加者に略奪、放火され、大きな被害を受けた。炎上、倒壊した南側のZENデパートは再建に1年以上必要と見られている。
アピシット首相が示した国民和解案を実行に移すため具体的な作業・手続きが開始されているが、その一環としてアナン元首相を長とする「タイ改革委員会」設置プランが提案。しかし、アピシット首相が同意したのに対し、タクシン派の野党プア・タイ党のチャトポン議員は、「受け入れがたい人選」と反対意見を表明。
元外交官で実業家としても知られるアナン(77)は、1991年の軍事クーデター後の暫定政権と翌1992年の05月事件後の暫定政権の計2度首相を任された。在任中に古い体質からの脱却を図って制度改革に着手、その後の経済・政治改革の礎を築いた。だが、少なからぬ良識派の学識経験者と同様にタクシン流政治には否定的で、このため、タクシン派はアナンを敵と見做している。
アナン率いるタイ改革委員会の設置は、市民団体から提案されたもので、反タクシン派からも特に反対意見は出ていないにもかかわらず、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のチャトポン議員は、「アナンは首相在任中に国に危害を加えた。アナンは国を改革する前に自らを改める必要がある。」と批判。
通信衛星会社タイコムを買い戻すという政府の方針に否定的意見が出ていることに対し、アピシット首相は、「買い戻すかどうかは価格次第。高値では買い戻さない。」と述べ、態度を後退。タイ地元紙によるとアピシット首相は、「買い取るかどうかの決定には多数の要素があり、現在、財務省と情報通信技術(ICT)省間で協議中である。」としている。
タクシン一族が2006年01月、親会社シン・コーポレーション株の約49%をシンガポールの国営投資会社テマセクに売却したことから、タイコムは現在、テマセクが経営権を握っている。だが、この売却には当初から「国の資産を手放した。」といった批判があり、タクシン政権崩壊後の軍事暫定政権がタイコムを買い戻そうとした。アピシット政権もこれを引き継いだ形。
政府は、「タイコムの静止衛星軌道利用権はタイに帰属すべき。」と、国家安全保障の観点から買い戻しが必要と説明。だが、シン・コーポレーションがタイコムの大株主であることや、「タイコムがタイ政府と交わした契約に違反がある。」との指摘されていることから、関係者は、「買い戻しは一筋縄ではいかない。買い戻したとしても法的問題がつきまとう。」と慎重な対応を提言。
国内治安維持本部は、「タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)による違法な反政府活動に資金援助した疑いのある個人・法人リストに誤りがあった。」と認めた。
先の発表では、「86の個人・法人」とされていたが、リスト作成で重複があったことが判明。「83の 個人・法人」と訂正。
また、リストの詳細が発表されたことに対し、名指しされた人々から早くも批判意見・反論が出ている。プア・タイ党チャトゥポン議員は、「国内治安維持本部の関係者が、リストに載せないことを条件に企業から金をゆすろうとした。」と指摘。また、プア・タイ党プロートプラソプ副党首は、「議員の口座を凍結することでわが党を解散に追い込もうとしている。」と批判。
パトゥムワン地裁で、検察は、クルングテープのタクシン派集会に参加した英国人ジェフ・サヴェージ(48)とオーストラリア人コーナー・デヴィッド・パーセル(30)を「5人以上の集会を禁じた非常事態宣言に違反した。」として起訴。有罪の場合、最高刑は禁固2年。

← 左から、ジェフ・サヴェージ(48)とコーナー・デヴィッド・パーセル(30)

検察によると、2人は04月14日から05月19日にかけ、都心部を占拠した反タクシン派集会に参加し、演壇から暴動を起こすよう呼びかけるなどした。ジェフ・サヴェージはアピシット首相を「人殺し」と非難し、首相夫人に対しても暴言を吐くなどした。コーナー・デヴィッド・パーセルは「赤服集会」の常連で、「我々はこれからセントラルワールドに押し入り、 金や時計などすべてを強奪する、そして最後に火を放つ!」と叫ぶ姿がビデオに記録されている。2人は05月19日から拘留。
起訴状の内容は通訳を介して伝えられたが、2人とも罪状を否認。そのまま拘置所に収監。なお、2人とも保釈請求が認められず、裁判も08月もしくは09月まで行われない。
文化省、情報通信技術(ICT)省、法務省の3省が合同で、不敬罪の情報から国民を守るために協力体制。監視がより強化されることになった。
情報通信技術(ICT)相チュティは、現在の治安維持に関し、「軍事面だけではなく、王室関係や文化的な面に対しても危機に直面している。それらに関連して、アダルトやインターネットカジノなどの取り締まりも必要だ。」と王室に関する不適切なコメントなどをネット上から排除する新たな行動計画を明らかに。「政府に非協力的なインターネット接続業者(プロバイダー)に対しては免許停止などの法的措置を取る。」と警告。
法務相ピラパンは、「現時点で王室侮辱サイト4万3千サイトを既に閉鎖しており、さらに3千サイトを閉鎖する。」と述べた。
チャートタイ・パタッナー党ワッチャラ報道担当は、タクシン派団体の反独裁民主集会(UDD)の政治集会参加者への恩赦に、党として賛成していることを明らかにした。ただし対象者は、政治集会に参加した人のみであり、その他の犯罪を犯した人は対象外としている。また、「この恩赦は和解のため、UDDに限らずその他団体にも適用させるべき。」としている。
06月18日(金)プア・タイ党クルングテープ地区委員会のウィチャーン委員長は、「現在拘置中の反独裁民主主義同盟幹部のナタウット・サイクアを、民主党所属議員の病死を受け07月25日にクルングテープ第6選挙区で行われる補欠選挙に擁立する可能性がある。」と確認。
これに先立って、同盟幹部で党所属議員のチャトポン・プロームパンが、「ナタウットが補欠選挙に立候補する可能性がある。」と明らかにし、「ナタウットの候補者資格要件等を調べた上で立候補届提出のための保釈申請を行う予定である。」と明らかにしていた。
アナン元首相とプラウェート博士が、「政府の要請を受け入れ、国民和解実現に向けた検討作業のため、それぞれが独立委員会の長を務めることになった。」と明らかに。
両者はともにアジアのノーベル賞と称されるマグサイサイ賞の受賞者。アナンによれば、「両者は、アピシット首相から『国民和解案を実行に移すことが必要。』と説得され、これに協力することにした。」という。
アナンは国民和解を目的とした改革の進め方を検討する委員会、プラウェートは国民の意見を改革に反映させるための検討委員会を率いることになっている。
なお、アナンの起用には、内定段階からタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部が「受け入れがたい。」と表明。プラェートについても、「親タクシンとはみられていないため、UDDなどが反発することが考えられる。」という。
06月19日(土)クルングテープのスクムウィット通りソーイ31にある、アピシット首相私邸の向かい側にあるユーロ・グランド・ホテルが稼働率低下に悲鳴。首相私邸の向かい側にあるユーロ・グランド・ホテルのオーナーの息子は、各メディアに対して、「反独裁民主主義同盟の大規模集会が開催されて以来敷かれている治安当局側の厳格な警戒態勢により客足が鈍り赤字を計上しなければならない状況に置かれている。」と、首相に対して、一国の指導者として影響を受けているホテルに対する支援策を早急に講じるよう訴えた。
オーナーの息子によると、「メイン客である日本人を中心とした予約客のキャンセルにより赤字状態が続いており、これまでにオーナー自らが度々首相やコップサック首相付秘書官長に対して早急な救済策を講じるよう要請してきているが、以前救済策が講じられないままの状態が続いている。」と言う。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)のデモ隊と治安部隊の衝突などで大勢の死傷者が出た問題で、タマサート大学で開催されたフォーラムの席上、「当局の対応にも人権無視など重大な問題があった。」とする厳しい批判意見が相次いだ。
このフォーラムは、UDDのデモ終結宣言(05月19日)からちょうど1ケ月経過したのに因んで開かれた。
マヒドン大学人権センターのクリティヤは、「04月10日と05月14~19日のデモ対策は、国連の人権規定に反する。『テロ』を持ち出すことで当局はみずからの過ちを隠そうとした。」と指摘。
人権活動家のクワンラウィも、「兵士にそれぞれの判断で実弾射撃を許したのは国際的な人権保護の原則に違反している。」と批判。
なお、チュラロンコーン大学政治学部のチャクリットは、「デモ隊を悪者に仕立て上げるため、当局は巧妙に情報を操作した。」と発言。
民主党議員の死去に伴うクルングテープ6区の補欠選挙について、野党のプア・タイ党は、「選挙運動ができない。」として非常事態宣言を解除するよう求め、「政府がこれに応じない場合、選挙をボイコットする。」と表明。
反政府活動のエスカレートに伴い発令された非常事態宣言下では集会などが禁止されている。
プア・タイ党のウィチャン副党首は、「非常事態宣言下で選挙運動を行うのは困難。政府は与党候補を国営メディアを通じて支援できるだろうが、われわれ野党は不利。」と訴えている。「プア・タイ党は今月28日までに補選参加について決定を下す予定だが、抗議の意を示すため候補を擁立しないというケースも考えられる。」という。
06月20日(日)アピシット首相は定例政見放送の中で、「政府が進める和解推進が国民の力の増強や不平等問題の解決といった国家全体を視野にいれたもので、特定の政治勢力間の和解のみを視野に入れたものではない。」と改めて確認し、「特に国民生活に影響を与えている不平等問題の解決を重要課題として改革に取り組む考えである。」と明らかに。また、アピシット首相は、元首相のアーナン・パンヤーラチュンやプラウェート・ワシー、パイブーン・ワタナシリタムが和解推進・国家改革のための委員会への参加を快諾した事を明らかにし、「向こう6ケ月以内に取り組みに対する指針が明確になる。」との見通し。
国民和解案の実現に向けた委員会設置に批判が出ていることに対し、「政府のためや政権の延命が目的ではない。」として、「これら委員会に仕事をする機会を与えてほしい。」と訴えた。
2ケ月に及ぶ反独裁民主主義同盟(UDD)の大規模反政府活動はデモ隊強制排除で幕を閉じたが、政治対立は依然として存在しており、「政府はこれを乗り越えて国民和解を実現する必要がある。」として首相案の具体化に向け、社会的評価の高い識者らを長とする委員会を設置。だが、これに対しては、「政権の延命が狙い。」、「国民の関心をデモ隊虐殺からそらそうとしたもの。」といった否定的な意見がタクシン派のプア・タイ党などから出ている。また、政府が先に、UDDの違法デモなどに資金援助した疑いで83の個人・法人を調査する方針を示したことに批判が出ていることについて、アピシット首相は、「巨額資金が頻繁に出し入れされるという疑わしい動きを調査するのは当然。(主要なタクシン支持者への)嫌がらせではない。」と強調。
06月21日(月)法務省特別捜査局のターリット局長は、クルングテープで起きた反独裁民主主義同盟の反政府集会に対して資金支援をしていた容疑で、タクシンとその親族、関係者69人と関連企業14社に対する出頭令状が発行された事を明らかに。捜査を担当するタイ法務省特捜局は「タクシン派が昨年後半から100億B以上の現金を引き出した。」と見て使途を追求する。クルングテープなど1都23県に発令中の非常事態宣言に基づき、非常事態対策本部長を兼務するアヌポン陸軍司令官が出頭令状に署名。
出頭令状発行の対象になった83人(関係者と企業)は、タクシンの親族、同盟・赤服軍団幹部、政治家、官僚・軍・警察関係者、ビジネス関係者の5つのグループに分類されている。この83人(関係者と企業)には、今月28日より資金移動についての聴取を行う。
出頭命令を受けたのはタクシン本人と元妻ポチャマン、長男パーントーンテー、長女ピントーンター、タクシン派政党の下院議員、タクシンに近い財界人、元軍人などで、すでに銀行口座が凍結されている。
タクシン派は治安当局の動きに対し、「2008年の反タクシン派による長期デモではデモ組織者が逮捕されず、デモの資金源の捜査も行われなかった。」として、「反タクシン派現政権のダブルスタンダード(二重基準)だ。」と批判。
03から05月にかけクルングテープで行われたタクシン派集会では、治安部隊との衝突などで民間人76人など計87人が死亡、1400人以上が負傷。軍が強制排除に踏み切った05月19日には都内約40ケ所が放火された。集会参加者の多くは地方の農家らで、日当が払われていた。
アピシット首相は、情報当局が逃走中の反独裁民主主義同盟幹部の動向の追跡や情勢再激化に繋がり得る動きの監視を行っている事を確認。
この発言は、先にアジア・タイムスが同盟筋からの情報として、カンボジアに逃走中とされるアリスマン・ポンルアンローンやスポン・アッターウォンが、2009年04月の大規模集会後に国外逃亡したチャクラポップ・ペンケーと手を組んで次なる段階の抵抗に向けた計画を練っていると報じた事を受けたもの。
チャクラポップは、過去に国外メディアに対して、「武装地下闘争の用意ができている。」と発言。
野党プア・タイ党カモン幹部は、クルングテープの民主党系議員の急死を受け行われる下院補欠選挙にタクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)ナッタウット幹部を選出することについて、「党推薦を与えるに値する人物である。」と発言。
ただし、「ナッタウット幹部は、今年のUDDによって行われた反政府デモの主導者であることから、逮捕され拘置所に入れられており、裁判所が選挙活動を認めない場合、公認候補を変更せざるを得ないもの。」と見られている。
タクシン派の野党、プア・タイ党では、「党執行部のためプア・タイ党が機能不全に陥っている。」として、東北部出身議員などを中心に「党首・役員を入れ替えるべき。」との声が強まっている。
東北部ヤソートン県選出のピラパン議員は、党首・役員が非議員で占められていることについて、「今は議会で野党リーダー不在の状態。議員が党首に選ばれ、野党リーダーとして力を発揮する必要がある。」と指摘し、「東北部を地盤とする同党議員80人以上が党首・役員の交代を求めてゆく方針だ。」と明らかに。
プア・タイ党で執行部が浮いた存在となっているのは、「タクシン創設のタイ・ラック・タイ党、プア・タイ党の前身のパラン・プラチャーチョン党がそれぞれ2007年05月、2008年12月に役員の選挙違反で解党、役員全員が公民権5年停止となったことから、議員が役員就任を嫌うようになったたため。」とされる。
だが、ピラパン議員らのグループは、「議員が党の方針決定にも関与せず、党を代表することもできない現状では、政府を打ち負かすことは不可能。」と考えている。
通信衛星会社タイコムの買い戻しに関連してプア・タイ党政治家が、「タイコム株の不正取引があった。」と主張している問題で、コーン財務相は、「私は何も隠していない。」と述べて、改めて疑惑を否定。
野党プア・タイ党の広報担当プロムポンは先に、「名前の頭文字がKとSの政治家2人がタイコム株の不正取引で3億Bを超える利益を得た。」と指摘。Kはコーン財務相との見方が有力であるが、コーン財務相は、「実際にインサイダー取引などの不正があったというなら、プロムポンは証拠を提示すべき。」と強く反論。
タイコムは、2006年01月に親会社シン・コーポレーションの株式50%弱をタクシン一族がシンガポールの国営投資会社テマセクに売却したことから、テマセク社が実質的経営権を取得することになった。
また、アピシット政権は、「タイコムの静止衛星軌道使用権は国の資産であり、国家安全保障の観点からタイコムを買い戻す必要がある。」と説明。コーン財務相によれば、テマセクは、「子会社の携帯電話最大手AISを取得したかったため、シン・コーポレーション株を購入した。」と説明しており、「条件さえ合えばテマセクからタイコムを買い戻すのは難しくない。」とのことだ。
首相官邸の芝生に6つの鉢植えが置かれた。風水に従ったもので、悪運を払うためという。
首相官邸は2008年の08月末から12月に掛け、反タクシン派のデモ隊数百~数千人に長期占拠された。今年03~05月には都内でのタクシン派による反政府集会で政府首脳が首相官邸を放棄し、一時、軍の基地で執務した。
タイでは風水や占いが広く信じられ、特に政財界の需要が大きい。財閥グループの中には風水に応じ本社ビルを丸ごとデザインしたり、契約調印の日時分秒を決めるところもある。風水に合わせ顔を整形した大物財界人もいる。「一寸先は闇」の政界はさらにこうした傾向が強く、大物政治家の多くは定期的に掛かりつけの風水師、占い師を訪ねる。タクシンは在任中の2006年08月、突如ビルマを訪問したが、これはビルマの著名占い師を訪れるためだった。タクシンは帰国後すぐ、暗殺事件が発覚。09月に入り異例の長期外遊に出かけ、その際にクーデターで失脚。
チエンマイ県県都の警察は、毎週日曜日に歩行者天国になっているラーチャダムヌン通りソーイ1で、爆発物を所持していたチエンマイ県メーワーング郡バーンカート区136/1ムー8に住むキヤッティポング・ポングブン(17)を逮捕し、拳大の手製手榴弾2発を押収。ラーチャダムヌン通り沿いでは、先に爆発物が投げ込まれる事件が発生して以来警戒が強化されていた。
キヤッティポングは取り調べに対して、「手榴弾が入っていたバッグは友人から預かったもので、手榴弾が入っているとは知らずに歩行者天国に入ってしまった。」と供述しているが、警察は、「キヤッティポングの供述が信用できない。」と、「引き続きキヤッティポングが先に発生した爆破に関与していた可能性を含めて捜査を行う。」と述べた。
06月22日(火)11時前クルングテープのパホンヨーティン通りソーイ43にあるプームチャイ・タイ党本部ビル前で爆発が発生。15㎏のガスボンベが積まれた揚げバナナや果物販売用の手押し車を押していたラヨーン県出身のアネーク・シングクントッド(28、報道により27、26)が重傷(報道により軽傷)を負い、付近の乗用車2台が損傷し、付近の建物の窓ガラスも割れた。プミポン病院に搬送された後、逮捕され警察病院に移送。
爆発が発生したのは、ネーウィン・チットチョープを初めとする党最高幹部専用駐車場出入口脇の食堂前。
病院に搬送されたアネークはバンケーン署の事情聴取に対して、「人から雇われてプームチャイ・タイ党本部内で爆発を発生させるためにチョンブリー県レームチャバン郡で手押し車を積んだピックアップトラックに乗せられてクルングテープのソイ・チョクチャイ4に滞在していた。ソイ・パホンヨティン43の入り口で降ろされ、手押し車を党本部前まで押していくよう指示を受けた。手押し車に爆発物が仕掛けられているのに気づいていた。」、「党本部に向かっている途中、食べ物売りの屋台で雨宿りしていたところ、ピックアップトラックの運転手から携帯電話に確認の連絡があり、その直後に爆発物が爆発した。」と供述。雇った人物や受け取った金額に関しては語っていない。報道によっては、「人から雇われて手押し車を駐車場内に置いて来る予定だった。」とアネークが供述しているとするものもある。
警察は、犯行の背景に政治的な思惑があると見て捜査を開始。
プームチャイ・タイ党はタクシンの右腕と呼ばれたネーウィン元首相府相らが2008年末にタクシン派を離脱し組織した政党。反タクシン派の民主党陣営に寝返り現政権を発足させ、内務省、運輸省などを管轄。
「反政府デモで被害を受けた小売店の多くが、政府やクルングテープ都庁などの支援を受け順調に復興している。」という。
05月19日のデモ終結を受け、05月25日には大型ショッピングモールのサイアム・パラゴン、サイアム・センター、サイアム・ディスカバリーなどが営業を再開。サイアム・パラゴンでは初日の来客数が5万人、その後も週末は10万人を越えるなど順調が集客を記録している。
都庁では、小規模店舗を対象にシーロム通りなどで路上市場を開催。さらに、デモ隊に占拠されたラーチャプラソン交差点界隈では、10月もしくは11月に、インターナショナルクラスのモデルが出演する高級ブランド・ファッションショーの開催が企画されている。なお、戦勝記念塔近くで焼き討ちの被害に遭ったショッピングセンター、「センター・ワン」は、一部のフロアでクリスマスイベント時期の再開を目指している。現在、タイ地場銀行のSMEバンクに3億5000万Bの無利子融資、政府に8年間の所得税免税を申請中。なお、「オーボンパン」や「ダンキンドーナツ」を運営するエービーピーカフェ(タイランド)は、「消費者も戻り始めており、復興は順調。ただ、唯一の心配は政治情勢。」と述べた。
チュティ情報通信技術大臣は、向こう2週間以内にシンガポールのテマセク社に売却されたタイコム社の買い戻しの是非に関する判断が下される見通しを明らかに。「現在省内に設けられた複数のチームが法律面や事業者免許との兼ね合いで起こり得る問題点等について検討を進めており、今週中に各チームの見解をまとめた上で、首相や財務大臣を交えて是非に関する検討を行う予定になっている。」という。
先月射殺されたタクシン派の幹部、カッティヤ陸軍少将の火葬が、都内ポムプラップサトゥルパイ区の仏教寺院で行われ、タクシン派の市民ら数千人が参列。タクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の幹部はほとんどが拘留もしくは逃亡中で、姿を見せなかった。
カッティヤ少将(享年58)はUDDの戦闘部隊を組織・指揮した武闘派として知られ、今年に入り首都圏で頻発した銃撃・爆破テロへの関与が疑われていた。05月13日、UDDが占拠した都内ラマ4世通りサラデーン交差点で、報道関係者の取材に応じていた際に頭をライフル銃で撃たれ、意識が戻らないまま4日後の17日、入院先で死亡。この狙撃事件については、治安部隊が武装グループによる爆弾攻撃や銃撃に手を焼いていたことから、武装グループを率いていたカッティヤ少将を、「治安当局・政府が狙撃手を使って暗殺した。」という見方があるが、治安当局は否定。
UDDは政府に即時解散総選挙を要求し、03月中旬からクルングテープで反政府集会を開始。04月03日からは都心の広い範囲を占拠した。05月19日に治安当局により強制排除されたが、一部が暴徒化し、テレビ局や銀行など約40ケ所に放火し、ショッピングセンター、コンビニエンスストアを略奪。2ケ月にわたった反政府デモの死者は民間人76人など計87人、負傷者は1400人以上。
民主党は、07月25日にクルングテープ第6選挙区で行われる補欠選挙に外務大臣補佐官のパニット・ウィキットセートを擁立を決定。
この補欠選挙は、民主党所属のティワー・ングンユワンの病死を受け行われるもので、民主党の執行幹部会は、前クルングテープ都知事のアピラック・コーサヨーティンを委員長とする候補者選抜委員会が推挙した6人の候補の中からパニットの擁立を決定。
民主党に入党して8年目となるパニットは、クルングテープ副都知事時代に東部地区の洪水対策プロジェクト等に関与。
関係筋は、反政府組織、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部であるチャトポン、プア・タイ党議員が、「クルングテープでUDDへの支持を盛り返すため、UDD幹部のナタウットをクルングテープ6区の下院議員補欠選挙に立候補させるようプア・タイ党に求めている。」と明らかに。下院補選は民主党議員の死去に伴うもの。ともにテロ罪に問われているが、チャトポン議員は保釈中で、ナタウットは現在も拘留されている。
同筋は、「(長期に及ぶ反政府デモと放火・略奪で)クルングテープではUDD 支持者が大幅に減少しているとされるが、チャトゥポン議員らは、あえてUDD幹部を候補に擁立することでUDDの支持率アップを図ろうとしている。このため、プア・タイ党は現在、ナタウット擁立も視野に入れて候補の選定を行っているところ。」という。
だが、拘留中のテロリストの立候補が認められるか定かでないうえ、プア・タイ党に影響力を持つスダラット元タイ・ラック・タイ党副党首(公民権停止中)が腹心を立候補させる動きを見せており、「ナタウット容疑者の擁立は難しい。」との見方が強い。
先の内閣改造で閣外に出た前労働大臣のパイトゥーン・ケーオトーンは、民主党から離脱し他党に合流する、ないし
は党所属北部選出議員有志を集め小政党を結党する可能性を示唆。
地盤であるピチット県に帰郷し、地方リーダーや地方政治家、住民等から激励を受けたパイトゥーンは、先の内閣改造により閣外に出された事により心に傷を負った事を認め、「今後他党に合流する、ないしは民主党所属北部選出議員15~19人を集め小政党を結党し政権の組織に参画する事もあり得るが、これはあくまで将来の話で、現在は確実に任期を全うすると思われる政府を支える事に専念するべき時である。」と語った。
06月23日(水)タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)による集会によりクルングテープ及び各地に施行された非常事態宣言だが、施行期限が来月07日に迫っており、延長するか解除するかで議論が進められている。タイ地元紙によると、国内治安維持本部タウィン秘書官は、「現在非常事態の施行の延長について議論が進められているとした上で、来月06日に結論を出す。」と明かしている。
情報通信技術(ICT)省、法務省、文化省は「王室、文化、国民」の保護のため、共同でインターネットの検閲を強化。タイ政府は不敬罪と軍事政権下の2007年に制定された「コンピュータ関連犯罪法」に基づき、2007年以降、王室を誹謗中傷した4万3000のウェブサイトを閉鎖し、さらに3000を閉鎖する予定。また、近くインターネット検閲を担当する新組織を設立する方針。
反独裁民主主義同盟の会員女性(40)がプア・タイ党を訪れ、「集会の警戒に当たっていた兵士に性的暴行を受けた。」と訴えた。
女性によると、05月15日18時頃に集会会場から帰宅しようとした際に、「検問所でタクシンの写真や同盟の会員証を所持していた。」として身柄を拘束され、その後、「『いつになったら帰らせてくれるのか。』と不満混じりに叫んだところ、兵士1人に連れ出されマーブンクローンセンター近くで腹部を2回殴られた上で性的暴行を受けた。」という。
また、女性によると、「既に05月16日に警察に被害届を提出済みで、また児童・女性権利擁護財団を主宰するパウィーナー・ホンサクン♀にも告発したが、『虚偽の告発である。』と門前払いを喰らった。」という。
プア・タイ党は、「警察の対応を待つべき。」と、女性の支援要請を拒絶。女性に対し、「次回に党を訪れる際には、他の者と同様に事前に予約を取ってから訪れるべき。」と要請。
首都圏警察本部のサンターン本部長は、22日に発生したプームチャイ・タイ党本部ビル前で果物等の搬送用カートから爆発が発生した事件で、自傷したアネーク・シングクントッドから、カートの持ち込みを依頼した男を特定した事を明らかにし、「口封じのために殺害される恐れがある。」として、自ら警察に出頭するよう呼びかけた。
サンターン本部長によると、「依頼したのはチョンブリー県シーラーチャー郡レームチャバン地区周辺に住みカムポンで、携帯電話番号が判明しているが不通になっている。」という。
また、前後して国家警察本部のアサウィン本部長補佐が、「依頼した男はムアントーン交差点付近にあるバイクタクシースタンドのリーダーのカムポン・カムコン(42)で、バイクタクシー運転手の傍らで反独裁民主主義同盟レームチャバン支部の自警組織に幹部として参加していた。」と明らかにした。
使用された爆発物に関しては、これまでの調べで、ガソリンが充填された調理用ガスボンベとTNT火薬が使用された遠隔操作式の物が使用された可能性が高い事が判明。
プア・タイ党のプロートプラソップ副党首は、07月25日にクルングテープの第6選挙区で行われる補欠選挙に、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部で、現在拘置中のコーケーウ・ピグントーンを擁立する方針を決定。候補選びでは、UDD幹部のチャトポン議員(テロリストで保釈中)らの推すUDD幹部のナタウット・サイクアが有力と見られていたが、「選挙区内の居住期間が短く、居住者要件等で欠格になる恐れがある。」と判断され擁立が見送られた。公職選挙法では、選挙実施の当該都県の生まれか居住期間5年以上が立候補の条件とされている。
プロートプラソップ副党首によれば、「プア・タイ党は近く、コーケオが立候補届できるよう保釈を刑事裁判所に請求する予定。これが却下されれば、出馬は不可能となるが、保釈が認められた場合でも、選管が立候補届を受理するか定かでない。不受理の決定を覆させるには、最高裁への提訴が必要。」という。
なお、「テロリストの擁立には各方面から厳しい批判が相次いでおり、これが選挙結果に反映される。」との見方が支配的。だが、プア・タイ党やUDDなどタクシン支持勢力は、「先の反政府活動は正当。UDD幹部らがテロ罪で逮捕されたのは不当。」と訴えており、テロリスト擁立への反対意見についても、反タクシン派による不当な批判と受け止めている。
最高裁判所は、タクシンが閣僚らに義務づけられた資産報告で不正申告を行ったとする国家汚職制圧委員会(NACC)の訴えを受理することを決定。初公判は07月29日に行われる。
この訴えは、首相在任中の不正蓄財などを理由にタクシン一族の差し押さえ資産のうち約6割、463億7000万Bを没収するとの02月26日の最高裁判決に基づいたもの。不正蓄財については資産報告で申告されておらず、NACCは、不正申告と判断。
このほか、最高裁は、「チュムポン民主党議員に不正申告があった。」とする訴えも受理。NACCによれば、「チュムポン議員は1億9100万Bに及ぶ負債のあることを隠し、初当選の1997年以来 13回にわたり不正申告をした。」とのこと。公判期日はまだ決まっていない。
プラウィット国防相は、「与党第2党のプームチャイ・タイ党本部近くで起きた爆弾事件が非常事態宣言を延長するか否かの判断材料の1つ。」との見方を示した。
非常事態宣言は、反独裁民主主義同盟(UDD)のデモ隊がクルングテープ最大の商業地区ラーチャプラソン交差点界隈を占拠したことから04月07日に発令されたものだが、反政府活動が収まらず、何度かにわたり適用期間が延長。
また、05月19日にUDDがデモ終結を宣言した直後に暴徒化した一部デモ隊が放火・略奪に及んだこともあって、当局は、「平穏さは戻ったものの、暴動再発の恐れがある。」として、宣言解除に踏み切っていない。現在の適用期間延長は07月07日までだが、「先の爆弾事件を理由に当局が宣言を改めて延長する。」との見方も出ている。
プラウィット国防相は、「国内治安維持本部が国内の全体的な状況を総合的に判断し、宣言延長の是非を首相に進言することになっている。」と述べた。
ポストトゥデー紙によると、サムットプラカーン県プラプラデーン郡の警察は、04月22日に妻のチョダーラット・チャンボン(48)を殺害し逃走していたチョンニン・チャンボンまたはフー(55)をパトゥムターニー県タンヤブリー郡内の親戚宅で逮捕。
チョンニンは取り調べに対して、「妻が愛人と共謀して自分を家から追い出そうとしたため、恨みを晴らすためソーイ内で待ち伏せし、妻が運転する車に向け銃弾を複数発発砲し、妻を殺害し、その後クルングテープのラーチャプラソン交差点で開催されていた反独裁民主主義同盟の集会に参加していた。強制排除後は、ナコンシータマラート県内の親戚宅に身を寄せ、その後パトゥムターニー県内の親戚宅に身を寄せていたところで逮捕されてしまった。」と供述。
06月24日(木)朝テレビ報道によると、05時半頃、東北部ウドンタニー市バーンチャン地区の交差点近くにある電話ボックスにPVC管を使用した手製爆弾4個が仕掛けられているのが発見され、国境警備警察の爆発物処理班により回収処理が行われた。
回収された爆発物は、「点火された線香により導火線に点火される仕掛になっていた。」と見られるが、幸い爆発が発生する前に住民により発見され回収処理が行われた。この爆弾には起爆しようとした形跡があった。警察は、情勢扇動目的の犯行と見て捜査を開始。
ウドンタニーはタクシン派の活動が活発で、05月19日にクルングテープのタクシン派集会が強制排除された際に、県内のタクシン派が県庁に放火。
クルングテープのカンナヤーオ区ラームイントラー通りソーイ81を200mほど入ったところでガスボンベを使用した爆発物が発見され回収処理。
警察は、「爆発物の形状から、22日に発生したプームチャイ・タイ党本部前爆破事件と同一グループが情勢を扇動する目的で製作した爆発物を捨てた可能性がある。」と見て捜査を開始。
「今回の爆弾発見によって、非常事態宣言の解除が遅れる。」との見方も出ている。アピシット首相は、「政治状況が安定しているところが多く、このような地域では非常事態宣言が解除されるだろう。」と述べており、全面解除はまだ先との見方が強まっている。
タクシン派による反政府集会で約12週間にわたり休業を余儀なくされたバンコク伊勢丹が営業を再開。在留邦人の主婦らでにぎわった。開店前にはバンコク伊勢丹の伊藤毅社長、スクムパン、クルングテープ都知事らによる鏡開きが行われ、来店者には伊勢丹のスタッフが手作りしたという「幸せ」と書かれた団扇が無料配布。
バンコク伊勢丹は07月02~28日に全館で記念セールを実施する予定。5階の眼鏡店「パリミキ」は07月02日~08月01日に眼鏡、サングラスの、6階の紀伊国屋書店は06月24日~07月28日に日本の雑誌のセールを行う。
営業時間は1~5階が午前10時~午後09時、6階のレストラン街と紀伊国屋が午後10時まで。
バンコク伊勢丹が入居するショッピングセンター(SC)、セントラル・ワールドは05月19日にタクシン派により放火され、建物の一部が炎上、倒壊した。完全復旧は1年以上先になる見通し。
タイ地元紙によると、カムヌーン上院議員は、反タクシン派団体のカンムアン・マイ党に、来月25日に行われる下院補欠選挙にPAD秘書担当のスリヤサイを擁立するよう勧めたことを明かした。
「カンムアン・マイ党として初の選挙であることから、それ相応の人物を擁立すべきである。」との持論を展開し、「このことにPAD幹部のサムラーン及びプラパンも賛同している。」と明かした。
情報通信技術(ICT)省、法務省、文化省は「王室、文化、国民」の保護のため、共同でインターネットの検閲を強化。タイ政府は不敬罪と軍事政権下の2007年に制定された「コンピュータ関連犯罪法」に基づき、2007年以降、王室を誹謗中傷した4万3000のウェブサイトを閉鎖し、さらに3000を閉鎖する予定。また、近くインターネット検閲を担当する新組織を設立する方針。
22日にプームチャイ・タイ党本部前で発生した爆破事件に絡んで、爆発物が仕掛けられていた果物搬送用手押し車の本部内への持ち込みを指示していた、バイクタクシー運転手で反独裁民主主義同盟レームチャバン支部自警組織員のカムポン・カムコンがカンボジアとの国境線付近に潜伏している事が明らかになった。
初期段階の報道では、「警察がカムポンの居場所を突き止め、逮捕状の発行を待って逮捕になり出す方針である。」と伝えられていたが、その後の報道では「カムポンは既にカンボジア領内に逃走したと見られている。」と報じられている。
一方、警察は、「手押し車を押している際に爆発が発生し負傷を負ったアネーク・シングクントッドが、雇われて果物搬送用手押し車を押し、党本部前についたところで電話で手押し車を本部脇に置くよう指示され、その直後にカートから爆発が発生した。」と供述している音声テープを公開。
また、プームチャイ・タイ党のスパチャイ報道担当は、「手押し車を置くよう指示された場所がネーウィン・チットチョープを初めとする党の重要幹部の通り道であること、また爆破発生日に党会議が招集される予定になっていたことから、首謀者は党の重要幹部の生命に危害を加える目的で犯行に及んだ可能性がある。」と指摘。
反タクシン組織、民主主義市民民主連合(PAD)を母体とするカンムアン・マイ(新政治)党はクルングテープ第6区の下院補選に党役員のキティサックを候補として擁立することを決定。新党であるカンムアン・マイ党が選挙で候補を立てるのは今回が初めて。
候補選びでは、スリヤサイ幹事長などの名もあがっていたが、キティサック以外は全員立候補を辞退した。
スリヤサイ幹事長は、「プア・タイ党がテロリストの擁立を決めたので、カンムアン・マイ党も候補を立てることにした。私は幹事長としてやるべきことがあるので、出馬しないことにした。」と述べた。
なお、カンムアン・マイ党は、PAD首脳のソンティを党首に発足したが、ソンティはすでに党首を退き、ソムサックが党首代行を務めている。
刑事裁判所は、プア・タイ党が07月25日にクルングテープ第6選挙区で行われる補欠選挙への擁立を決定、現在クロンプレム刑務所に拘置中の反独裁民主主義同盟幹部のコーケーウ・ピグントーンの一時釈放を許可する決定。決定によると、本人の出頭が義務づけられている候補者受付が行われる28日にコーケーウを一時釈放し、候補者受付が終了し次第コーケーウの身柄が再拘束される。立候補届の期間は06月28日~07月02日。
刑事裁判所は、「有罪宣告までは無罪と推定する(推定無罪)。」という基本原則に基づき、「現時点で国民に付与された権利の行使を阻む理由はない。」と判断した。ただ、コーケーウは刑務所の職員を伴ってクロンサンワ区役所で立候補届をし、刑務所に戻ることになる。なお、立候補届をすることは認められたものの、その受付を管轄する選管がコーケーウの立候補を認めないことも考えられる。
06月25日(金)朝まで22日にプームチャイ・タイ党本部前で発生した爆破事件に絡んで、国家警察本部のアサウィン本部長補佐が率いる捜査陣は、爆発物の現場への持ち込みを指示した容疑でデートポンとカムポン・カムコン(42)をチャンタブリー県内で逮捕。11時過ぎに正式な記者発表が行われる予定。何れもチョンブリー県シーラーチャー郡レームチャバン地区の反独裁民主主義同盟地元支部の自警組織員。
昼前国家警察本部のアサウィン本部長補佐は、22日に発生したプームチャイ・タイ党本部前爆破に関与した容疑で、反独裁民主主義同盟レームチャバン支部の自警組織に所属するデートポン・プッタチョンとカムポン・カムコンの2人を逮捕した事を明らかに。
2人は、「爆破により重傷を負ったアネーク・シングクントッドを雇い、プームチャイ・タイ党本部に爆発物が仕掛けられた果物搬送用手押し車の持ち込みを指図した。」とされている。
2人は取り調べに対して、「アネークを雇い入れ爆発物のプームチャイ・タイ党本部への持ち込みを指図した事だけでなく、24日にラームイントラー通りソーイ81で発見されたガスボンベ爆弾への関与に関しても認めている。」という。
警察によると、「2人の供述に基づき僧侶を含む4人(報道により3人)の逮捕状を取得する方針。」という。僧侶は、「2人のカンボジア領内への脱出の手引きをしたとされ、また残りの3人に関しては、何れも政治と何らかの関わりがある者。」という。
反タクシン派団体の民主主義市民連合(PAD)による政党カンムアン・マイ党サムラーン報道担当は、クルングテープで来月25日に行われる下院補欠選挙に公認候補を擁立しないことを発表。「野党プア・タイ党が擁立を進めている人物がテロリストであることから、同じ選挙に公認候補を擁立すべきではないとの党内からの反発があったため。」としている。
カンムアン・マイ党スリヤサイ秘書担当は、「プア・タイ党が現在拘置中のコーケーウを擁立しようとしていることから、テロリストと一緒の選挙には参加すべきではない。」と発言。
06月26日(土)22日にプームチャイ・タイ党前で発生した爆破事件に絡んで逮捕された反独裁民主主義同盟レームチャバン支部付自警組織員2人のうち、デートポン・プッタチョンが26日までに、「純粋な理想のために犯行に及んだが生命に危害を加える事までは考えていなかった。」と供述している事が明らかに。デートポンによると、「爆破は政府に対して強力な打撃を加え、赤服軍団の関心を惹く事を意図したもので、当初は民主党本部を狙ったが、警戒が厳しかったためプームチャイ・タイ党本部に変更した。」という。
なお、「第11歩兵部隊近衛師団本部を狙った。」と報じられている事に関しては、否定。
また、「共犯として浮かび上がっている僧侶を除く3人の男女の内、オーと名乗る女とは同盟のデモ隊と治安当局が睨み合いを展開していた05月18日にクローントイで知り合い、またアーイと名乗る男とは、センター・ワンの放火現場にいた時に知り合い、その後チョンブリーまで来たオーからクルングテープでの不穏な動きへの参加を持ちかけられ、共に逮捕されたカムポン・カムコンと爆破現場で重傷を負ったアネークを誘ってオーとアーイが立案した計画に参加した。」と供述している。
「1988年にパランタム党公認候補としてナコンパノム県の選挙区から出馬し落選した事がある。」というデートポンによると、「オーとアーイは既にカンボジア領内に逃走済み。」という。
22時頃チエンマイ県県都内で2箇所の電話ボックスに向け連続して大型の爆竹が投げ込まれた。
最初に爆竹が投げ込まれたガソリンスタンド前の電話ボックスと2回目に投げ込まれたソーイ・ワット・ムアンカーイ付近の電話ボックスとの間は約1㎞離れており、また爆竹が投げ込まれた事によりボックスのガラスが割れる等の被害を受けたが、人的な被害は確認されていない。現場は、何れも陸軍第33管区カーウィラ基地近くの路上で、何れの現場でも爆発発生前にバイクに乗った2人組の若い男が目撃されている。
警察は、情勢扇動目的と見て捜査を開始。
06月27日(日)カンボジアと国境を接するサケーオ県の入国管理警察当局は、22日に発生したプームチャイ・タイ党本部前爆破事件に絡んで、これまでに逮捕された犯人の供述から計画を立案したと見られている男女が23日の時点で既にカンボジアに向け出国していた事を確認。
出国が確認されたのはオーことワリサリーヤー・ブンソン♀(42)とコープチャイ・ブンロート♂(41)で、「ワリサリヤーは23日07:07に、コープチャイは23日08:42に国境検問所を通過しカンボジア領内に入ったことが確認されている。」という。
「カンボジアのポイペットのカジノでは、『2人が地元当局によってカジノから連れ出されたあと、プノンペンに逃げた。』との噂が広まっていたというが、タイ警察は2人の居場所は把握していない。」という。
07月25日のクルングテープ6区下院補選は、カンムアン・マイ(新政治)党役員のキティサックが立候補辞退を表明したことから、政権党の民主党と最大野党のプア・タイ党の一騎打ちとなる可能性が強まった。
反タクシン派のカンムアン・マイ党は、「プア・タイ党がテロリストの擁立を決めたことから、(これに対抗して)候補を立てることにした。」(スリヤサイ新政治党幹事長)はずだったが、キティサックは25日、「テロリストを相手に選挙戦を戦うようなことはしたくない。出馬を辞退する。」と明言。同時に党の決定に背いたことを謝罪。
関係筋は、「カンムアン・マイ党は、候補擁立の方針を決めたものの、手持ちの駒が限られていた。キティサックを選んだのは苦肉の策だったが、これには党内で批判が多かった。キティサックが辞退してくれたことで党執行部もほっとしている。」と指摘。
候補選定では、スリヤサイ幹事長や俳優のサランユの名もあがっていたが、「前者は居住期間が足りず、後者はフルタイムの政治家になることにまだふんぎりがついていない。」とされる。
一方、プア・タイ党執行部は、テロ罪に問われ、拘留中の反独裁民主主義同盟(UDD)幹部コーケーウの擁立を決めているが、プア・タイ党議員のほとんどがこの人選に難色を示している。ある議員は、「コーケーウで勝てるとは思えない。コーケーウを選んで満足しているのはUDDだけ。」と苦言を呈した。
07月25日のクルングテープ6区下院補選でカンムアン・マイ党が候補に選んだキティサック党役員が立候補を辞退したことについて、野党プア・タイ党の広報担当プロムポンは06月27日、「民主党と結託した結果ではないか。」と問題視し、「プア・タイ党の法律専門家チームが違法性を調査中。」と明らかに。
「反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)を支持母体とするカンムアン・マイ党とタクシン流政治に批判的な民主党がともに候補を擁立すれば、反タクシン派の票が割れ、プア・タイ党に有利に働く。」と見られていた。
だが、キティサックは党が擁立を決めた翌日に不出馬を表明。先の反政府活動や放火・略奪で都民の反発を買ったプア・タイ党は、民主党との一騎打ちという厳しい戦いを強いられることになった。なお、立候補届の期間は06月28日~07月02日。
22時頃カーオソット紙によると、ノンタブリー県ムアン郡内にある陸軍補給連隊の燃料貯蔵施設に向け、ロケット弾が撃ち込まれたが、貯蔵タンクが空だったため爆破を免れた。スチール製大型円筒形タンクに穴が2つできたが、タンクは20年以上使用されておらず中は空で、爆発もせず、怪我人もなかった。
ノンタブリー県の県都警察署は、「爆発物は補給連隊裏手のソーイ・サイトーン15から撃ち込まれたと見られ、また現場から回収された爆発物の破片等から、犯行にRPGが使用された可能性が高い。」との見方。「ロケット弾は約100m離れた地点から発射された。」と見られ、また「バイク2台に分乗した不審な4人組が現場付近を周回していた。」との目撃情報がある。警察では、「施設に近接する学校の周辺から何者かが携帯用装置でタンク目がけてロケット弾を発射した。」とみている。
首都近郊では今年04月、パトゥムタニー県の航空燃料貯蔵施設にロケット弾が撃ち込まれ、火災が起きている。
06月28日(月)朝07月25日投票の下院にクルングテープ第6選挙区で行われる補欠選挙の立候補者受付が行われ、5人が立候補。候補者登録を済ませたプラチャーティパット(民主)党所属のパニット・ウィキットセート(46)が1番、タクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部でテロ罪で拘留されているプア・タイ(タイ貢献)党所属のコーケーウ・ピグントーン(45)が4番の候補者番号を引き当てた。候補者番号2番はルアムチャイ・タイ・チャート・パッタナー(タイ団結国家開発)党のノパドン・チャイリットデート、3番はクワームワング・マイ(新希望)党のアヌソン・ソムオーン、5番はプア・ペンディン党のチューチャート・ピムガー。
非常事態宣言施行規則違反等の容疑で拘置中のコーケーウは、都内のクローンプレーム刑務所から一時的に出所して立候補の届出を済ませ、「我々の国には二重基準がある。」、「民主主義を選ぶならコーケーウを、不公正を選ぶなら民主党を。」などと演説した後、再度拘置先のクローンプレーム刑務所に移送。
プア・タイ党は当初、「テロ罪に問われクローンプレーム刑務所に拘留中のコーケーウに刑務所支給の服、いわゆる囚人服を着せたまま立候補届を行わせる。」としていた。だが、「テロによる逮捕・拘留の不当性を訴える。」というこの戦略に矯正局が難色を示したことから、コーケーウはTシャツの上に党のジャケットという服装で手続きを行い、また、報道陣の前で、自身の幼い娘を抱き上げてソフトイメージを強調。
タクシン派の野党プア・タイ党が擁立したコーケーウはモンクット工科大学工学部卒の元会社員。
一方、反独裁民主主義同盟の顧問弁護士のカーロム・ポンタクラーンは、「選挙演説等が出来ないコーケーウに代わり、プア・タイ党所属のチャトポン・プロームパン等の議員が中心になって選挙運動を展開する予定になっている。コーケーウ自身が選挙運動に参加できるようにするために週1~2日なしは選挙期間中の一時釈放許可を法務省矯正局に申請する考えである。」と明らかに。
民主党のパニットは米ボストン大学政治学部卒で、2004~2008年にクルングテープ副都知事を務めた。登録所にはコーン財務相、元上司のアピラック首相顧問(前クルングテープ都知事)らに付き添われ現れた。
UDDは03~05月にクルングテープで大規模な反政府集会を開き、政府に即時解散総選挙と選挙結果の尊重、司法などの二重基準の是正を要求。強制排除を図った治安部隊との衝突などで、民間人76人を含む計87人が死亡、1400人以上が負傷し、放火でクルングテープ最大級のショッピングセンターが炎上、一部倒壊するなどした。コーケーウら幹部11人は軍がデモ隊を強制排除した05月19日以降に逮捕、拘留されている。UDDは2008年にタイ首相官邸やスワンナプーム空港・ドンムアン空港を占拠した反タクシン派団体、民主主義のための市民同盟(PAD)の幹部が事件後、拘留も起訴もされていないことを指摘し、「政府の二重基準だ。」と非難。

ノンタブリー県の軍の燃料貯蔵施設に小型ロケット弾が撃ち込まれた事件について、パニタン政府報道官代行は、「非常事態宣言の解除・継続を決めるひとつの判断材料。」との見方。
非常事態宣宣言は、タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)がクルングテープ最大の商業地区ラーチャプラソン交差点界隈を占拠する手段に出たことから、クルングテープ都などを対象に04月07日に発令。その後適用期間が繰り返し延長され、適用地域も1都23県に拡大。現在の宣言の延長期限は07月07日。前日06日の閣議で国内状況を検討し、解除か再延長かを決めることになっている。
プア・タイ党の議員らが「首相がデモ隊の殺害を命じた。」と批判していることについて、アピシット首相は、「プア・タイ党議員が、下院補欠選の選挙運動でこの批判を繰り返した場合、名誉毀損で訴える。」と明言。
アピシット首相の側近テープチャイによれば、「2005年の総選挙で南部サトゥン県から立候補したタニン民主党候補が、選挙運動中に、タクシン政権(当時)のイスラム過激派対策に関連して『タクシン首相がイスラム教徒の若者を殺害した。』と訴えたことから、最高裁に当選を取り消されたことがある。このため、プア・タイ党は、この事例を忘れるべきではない。」としている。なお、民主党は、選挙運動でのプア・タイ党関係者の発言を逐一録音、チェックする予定。
06月29日(火)午前選挙管理委員会ウィチットは、「民主党による2億5800万Bの献金問題について、次回の会議が行われる07月06日にも判断を下せる。」との見方。
タイ地元紙によると、選挙管理委員会関係者が最高検察庁関係者が会議を行ったが、解党判断を下すためにも証拠が不十分との結論が下されていた。
刑事裁判所は、クルングテープ6区下院補選に立候補したコーケーウの一時釈放請求を却下。
テロ罪に問われ拘留中のコーケーウの所属する野党プア・タイ党は、「候補者は口座の残高などに関する詳細な報告を選管に行うことが義務づけられている。」として、書類手続きのために一時的に同容疑者を釈放するよう求めていた。だが、裁判所は「候補者本人が行う必要はない。」として、一時釈放を認めなかった。
このほか、控訴院(高等裁判所に相当)は、テロ罪に問われ拘留中の反独裁民主主義同盟戦線(UDD)の幹部と自警団員計10人の保釈請求を却下。
テロ罪の最高刑は死刑だが、控訴院は、これを理由に、「社会に危害を及ぼす恐れがあり、逃亡する可能性もある。」として、請求を却下。
パニタン政府報道官代行(首相副秘書官)は、「非常事態宣言の解除後に一部地域に国内治安法を適用することを検討中。」と明らかに。
治安対策は、最も強力なもの(最も国民の権利を制限するもの)が戒厳令、次いで非常事態宣言、国内治安法の順となっているが、反独裁民主主義同盟(UDD)による反政府活動の拡大に伴い発令された同宣言に対しては、「国民の権利を侵害している。」といった批判が野党や学識経験者などから出ている。「このため、政府は、宣言を解除し、不穏な動きのある地域に関しては国内治安法を適用することを考えている。」という。
適用期間が繰り返し延長されてきた非常事態宣言は、現在の適用期限が07月07日とされている。06日の閣議で治安当局の報告に基づいて延長か解除かの決定が下される予定だが、治安当局は、宣言の一部・全面解除も含め今後どのような治安対策を講ずるべきかについてまだ意見がまとまっていない。
反タクシン派のアピシット政権は閣議で、タクシン派・民主派と反タクシン派・王党派の和解に向けた国家改革計画を策定する国家改革委員会と国家改革評議会の設立を決め、委員長にアナン・パンヤラチュン元首相(77)、評議会の議長に医師のプラウェート・ワーシー(77)を任命。両者はプミポン国王(82)に近いことで知られる。改革委員会・評議会はタイの政治・社会混乱の原因である社会・経済格差の是正に向けた政策の取りまとめに当たるが、古い国家体質、利権構造を改革し、公正、平等で透明性の高い民主国家のシステムを築くのは困難と見られている。
タイでは2005年の下院選で議席の75%を占めたタクシン政権(2001~2006年)が翌2006年に軍事クーデターで追放され、以来、タクシン政権の低額医療制度やマイクロファイナンスなどで恩恵を受けた低所得者層、東北・北部などの地方住民がタクシン派、タクシ氏を反王室、腐敗政治家と批判する特権階級、クルングテープの中間層が反タクシン派という大まかな色分けで、政治闘争が続いている。タクシン派は2007年末に行われた民政移管のための総選挙で勝利し政権に復帰したが、裁判所がタクシン派の首相を解任、与党を解党し、2008年末に反タクシン派に政権を奪われた。タクシン派は今年03~05月にクルングテープで大規模な反政府デモを行い、治安部隊との衝突などで、90人近くが死亡、1400人以上が負傷。
アピシット首相はタクシン派の反政府デモの最中に、国民が一体となった王室の護持、教育、就労、賃金などの社会的不平等の是正、憲法改正を含む政治改革などを盛り込んだ行程表(ロードマップ)を発表しており、今回の改革委員会・評議会設置はこの行程表の一環。
タクシン派と反タクシン派の抗争は当初、タクシン率いる新興財閥勢力と旧来の特権階級の権力闘争とみられたが、今年に入り、階級闘争の色合いを強めている。平和問題に関する有力シンクタンク、インターナショナル・クライシス・グループ(本部ブリュッセル)はタイの混乱について、「経済発展の恩恵を受けず、選挙で選んだ指導者(タクシン)を追放された地方住民らが国家の実権を握る特権階級に失望したために起きた。」と分析。また、王位継承の時期が近付いているときに問題が起きたことを指摘し、「プミポン国王による調停は困難。」という見方。
タイはコネ社会の上、相続税、固定資産税がなく、地方の所得・教育水準が低いことから、貧富の差、社会階層が固定化しやすい。タイ統計局によると、昨年、所得が最上位10%の世帯は月の平均所得が1人2万6678Bで、所得全体の33.7%を占めた。これに対し、最下位(10位)グループは月1169B(所得全体の2.2%)に過ぎず、5~10位の6グループを合わせても所得全体の3割に届かなかった。タイの特権階級は長年、「国民は国王の良き子ども」、「タイは平和な家族・農村国家」というイメージを学校教育やテレビCMなどで国民に刷り込んできたが、経済・社会格差の拡大と、タクシン政権時の直接的な地方・貧困層支援策による政治的な覚醒で、一部でこうした幻想が崩れた。
財務省は、今年のタイ経済成長見通しをこれまでの4~5%から5~6%に上方修正したことを明らかに。
これは、長期に及んだ反政府活動とデモ隊による放火・略奪の影響が比較的小さなものに止まり、また、政情不安の中で輸出が世界経済の回復に後押しされて順調に拡大し続けていることによるもの。
世界銀行も先に、「輸出が伸び続ければ、タイ経済は今年、最高で6.1%成長する可能性がある。」との見方を示していた。
06月30日(水)11時頃クルングテープ都バーンクンティヤン区内のラーマ2世通り脇の歩道上で爆発物と思われる不審物が発見され回収処理。現場は、ラーマ2世通りのソーイ47と49の間の歩道上で、現場から約500m離れた地点にはセントラル・ラーマ2世店がある。
回収された不審物は、爆発物に見せかけた偽爆弾で、警察は「発見現場付近に設置されている警察のバイク検問所に不満を持つ暴走族が嫌がらせ目的で偽爆弾を置いた可能性もある。」と見て、情勢扇動目的の可能性を含めて捜査。
クルングテープ6区下院補欠選(投票日07月25日)の開始を受け、関係当局が警戒態勢を強めている。
国家警察本部のパティープ本部長代行は、「アピシット首相やステープ副首相、裁判所判事中央選管の委員などを狙った暗殺が計画されている恐れがあるとの情報に基づき、標的となっている個人に対する警戒態勢を強化した。」と明らかに。
また、パティープ本部長代行は、「国内40箇所の政治関連の施設やインフラ関連施設等を狙った、ノンタブリー県県都内の陸軍補給連隊基地内にあるオイルタンクに向けたRPG攻撃を初めとする、これまでに発生してきた形態と同様な攻撃が計画されている恐れがあるとの情報に基づき、当該施設に対する警戒態勢を強化した。」とも明らかに。
首都圏を管轄する陸軍第1管区のカニット司令官は、「補欠選挙を政治的に利用しようと何者かが事件を起こす恐れがあることから、重要施設や要人の警備・警護を強化するよう指示を受けている。」と明らかに。
関係筋によれば、「強制排除によって反独裁民主主義同盟(UDD)の大規模デモに終止符が打たれたことから、反政府勢力は現在なりを潜めているが、下院補選を機に再び過激な行動に出る可能性も否定できない。」とのこと。
ステープ副首相は、現在もクルングテープ都内を中心に施行されている非常事態宣言について、段階的に解除する見通しであることを明らかに。「ただし、都内は、テロ活動が活発化する可能性が高いことから、非常事態宣言は継続すべき。」としている。
またステープ副首相は、「行方不明となっているタクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)アリスマン幹部について、国外脱出しカンボジアに潜伏しているとの情報を得た。」と明かした。
当局が違法な反政府活動への資金提供の疑いで83の企業・個人の資産を調査していることについて、下院金融財政・金融機関委員会内マクロ経済小委員会の委員長を務めるスラポン、プア・タイ党議員は、「国内治安維持本部や法務省特別捜査局(DSI)の中に賄賂を受け取った者がいる可能性がある。」として、その資産に関する調査を資金洗浄対策室(AMLO)に要請する意向を明らかに。
国内治安維持本部は先に、「これら企業・個人が大規模な反政府デモを主導した反独裁民主主義同盟(UDD)などに巨額の資金を供与した疑いがある。」として、資産を凍結し、DSIに捜査を命じた。
だが、スラポン議員によれば、「国内治安維持本部の関係者などが、『容疑者リストから外してほしければ、金を払え。』と要求した可能性がある。」とのこと。
07月01日(木)非常事態対策本部は、首都圏警察本部に対して管下にある68箇所の公共設備及びオイルタンクの警戒強化を指示し、地方の各警察署に対しても同様な警戒態勢を敷くよう指示した。非常事態対策本部は警察に対して、銃で武装した警察官を当該施設に配置し厳格な警戒態勢を24時間体制で敷くよう要請。
また、非常事態対策本部は、「要人を狙った暗殺が計画されている恐れがある。」との情報に基づき、要人に対する警戒態勢の強化を要請したが、」現時点では当該要人に対して予定の変更や中止を要請する方針がない。」と確認。
野党プア・タイ党のソムチャイ議員が委員長を務める下院軍事委員会は、「首都圏の治安対策としてテロが頻発する最南部よりも多くの予算が割り当てられているのはおかしい。」として、予算庁の担当者を呼んで説明を求めた。
04月07日の非常事態宣言発令に伴い、国内治安維持本部が首都圏など適用地域の治安対策を担当しており、政府から予算が割り当てられている。
下院軍事委員会によれば、「イスラム過激派によるテロが毎日のように起きている最南部では兵士1 人に対する手当が1日210Bに設定されているが、クルングテープでは400Bも支給されており問題だ。」という。予算庁の担当者によれば、「国内治安維持本部は現在も稼働中であるため、使われた予算の正確な額はまだわからないが10億Bは超えていると見られる。」とのこと。
一方、軍関係筋は、「首都圏の治安強化では、05月11~25日だけで兵士への手当と燃料費に20億Bが投入された。その他の経費を含めると総額37億Bに上る。」と説明。なお、首都圏の治安強化にかかった費用の詳細については、07月06日の閣議で非常事態宣言の継続・解除が決まる前に、国内治安維持本部を統括するステープ副首相に報告する予定。
米下院は、「タイの政治混乱をアピシット首相が提案した行程表(ロードマップ)に基づき平和的かつ民主的な方法で解決すべきだ。」とした決議案を賛成411、反対4で採択。タイではアピシット政権のタクシンに対する外交的勝利と受け止められている。
行程表はタクシン派の反政府デモ隊がクルングテープ都心部を占拠していた今年05月に首相が提案したもので、国民が一体となった王室の護持、教育、就労、賃金などの社会的不平等の是正、憲法改正を含む政治改革などが盛り込まれている。
07月02日(金)法務省科学捜査研究所のポンティップ所長は、ノンタブリー県県都内にある陸軍補給連隊基地の空のオイルタンクを狙って2発のRPGが撃ち込まれた事件に絡んで、実行グループの特定に結びつく可能性がある証拠を掴んでいる事を明らかに。
ポンティップ所長は、「ノンタブリー県の警察本部長から科学捜査研究所に分析依頼があったある証拠品から実行グループの特定に結びつきそうな重要な痕跡が確認された。」と明らかにしたが、証拠品の詳細に関しては明らかにしなかった。また、「RPGが発射されたと思われる地点付近で発見された、実行犯が乗り捨てたと見られるバイクから爆発物の成分の付着が確認されなかった。」と述べた。
「タクシンの法律顧問ノパドンが米国で政府要人と会うなどロビー工作に力を入れている。」とされるが、チャワノン外相秘書官は、「彼の動きは、米当局からの報告などで把握しているが、予想の範囲内であり、心配していない。」と述べた。  タクシン派はアピシット政権を退陣に追い込むため、現在の政治対立に国際社会を巻き込む戦略とされ、反独裁民主主義同盟(UDD)は先の反政府活動の最中に、国連に平和維持部隊の派遣を求めたことがある。
チャワノン秘書官は、「ノパドンは、ロビイストや弁護士を雇って米政府に働きかけようとしている。これは、これまでのタクシン派の戦略と変わりがない。」としている。
野党プア・タイ党が「国内治安維持本部に予算が過剰に割り当てられている。」と批判している問題で、国内治安維持本部を統括するステープ副首相(治安担当)は、「予算は適切に使用されている。」と反論、「国内治安維持本部が近く、疑惑を払拭すべく使途の詳細を報告することになっている。」と明らかに。
「タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)は03月からクルングテープで大規模な反政府デモを開始し、抗議活動をエスカレートさせたことから、治安当局は兵士を大量動員して警備を強化することになり、その費用は総額で数十億Bに達する。」とされる。
一方、これを「使いすぎ」と批判するプア・タイ党は、下院軍事委員会などを通じて政府への攻勢を強める姿勢を示している。
米議会が「タイの政治問題は平和的手段で解決されるべき。」との動議の支持を411対4で決めたことについて、アピシット首相は、「国際社会がタイの現政権を肯定的に見ている証拠。」と称賛。
米議会の決定は、アピシット首相が示した国民和解案を支持するものとされる。国民和解案では、憲法改正、政治改革などを通じて政治対立を解消し、国民和解を実現することが求められている。
一方、野党プア・タイ党のプロートプラソップ副党首は、「国民和解案では、11月の総選挙を実施することになっていた。米議会は、これを含めて計画の支持を決めたもので、アピシット首相は約束を守る必要がある。」と述べ、首相に下院解散を迫った。
だが、「11月総選挙」は、反独裁民主主義同盟(UDD)が即時解散を求めて反政府デモを続けていたことから、デモを終わらせるようと打ち出された妥協案。デモが05月19日に終結したことから、首相は、「政府は国民和解の実現に専念する必要がある。」として、年内の解散総選挙を否定。
07月03日(土)民主主義市民連合系のカーンムアン・マイ(新政治)党は、ソムサック・コーサイスックを新党首に指名。
ソンティ・リムトーングクンが党首を辞任した事を受けは、ソムサック、スリヤサイ・カタシラー、プラティープ・チュゥナーロム海軍中将、プラパン・クンミー、キッティサック・ラッタプラスト大将及びアンチャリー・パイリラック♀6人に党首候補を絞り込み選出を進めていたが、最終的にソムサックを除く5人の候補が指名を辞退し、ソムサックに対する信任を問う形で投票が行われた。
プア・タイ党議長のチャワリットは、改めて「全ての政党が参加した挙国一致政府の樹立が唯一の国内対立問題を解決する手段である。」との考えを示した。プア・タイ党のセミナーの中で行われた特別講演の中でチャワリットは、対立を最悪化させ、衝突を発生させる原因となっている依然解決されていない問題として根底部分の問題及び行政面での問題を挙げ、解決に約10年間を要するこれらの困難な問題を解決させるためには王室、軍及び政府の3機関が重要な役割を演じるべきである。」と指摘。
更にチャワリットは、「これら3機関が解決に乗り出しても、解決に失敗すれば国民同士の衝突は不可避である。直面している問題を解決するためには全ての党が参加した挙国一致政府の樹立が不可欠である。」と指摘。またチャワリットは、「プア・タイ党が政権を握れば向こう8~16ケ月以内に問題を解決させた上で議会を解散させる事ができる。」と訴えた。
タクシン派の野党プア・タイ党は、今後の党運営などを話し合うためパタヤ市で開いていたセミナーの中で、「指導体制強化のため総選挙までに党首を交代する必要がある。」との点で意見が一致。
現党首のヨンユット元内務事務次官は、タクシン派政権崩壊直後の2008年12月07日、党を牛耳るタクシンの後押しで民間から党首に起用された。これは、暫定的な措置で、適切な時期に改めて党首を選ぶとされていた。これまでにも何度か党内で党首交代が議論されたが、人選で意見がまとまらず、現在に至っている。だが、「近い将来に総選挙が実施される。」と見方が強まっていることもあって、最近になって一部の主要議員らが、「党首と党役員が全て非議員であることが党の弱体化を招いている。党運営を議員に任せるべき。」と主張し、足並みの乱れが表面化していた。党役員が非議員で占められているのは、解党処分となった場合、役員が公民権停止となるため。
また、今回のセミナーでは、党の経済チームの最高責任者ミンクワンの交代も取り上げられる予定だったが、タクシンが難色を示したことで、同氏の続投が決まったとのこと。 なお、アピシット首相は、年内の解散総選挙を否定しているが、「民主党が選挙態勢に入った。」とする見方があり、「来年初めにも選挙が実施される。」との意見が出てている。
国民和解案に国民の声を反映させることを目的として、政府が市民の意見を電話で受け付けるキャンペーン「6日間で6300万の意見」を展開していることに対し、反タクシン組織の民主主義市民連合」(PAD)首脳のソンティは、「国民受けだけを狙った中身のないパフォーマンス。タクシン流政治を思い起こさせる。」と酷評。
「タクシン政権(2001~2006年)は、テロ頻発で治安が極度に悪化している最南部で、平和の象徴である折り鶴を空から投下するというパフォーマンスを行ったが、今回のキャンペーンもこれと同じで、全く意味がない。」という。
ソンティは、「電話で市民が訴えてくるのは、ほとんどが借金といった個人的な問題。(このような苦情をいくら受け付けても国民和解には役立たず)時間の無駄。」と指摘。
ボイスTVで放送された、メディア改革に関するテレビ討論会で、メディア改革を政府が推進することに否定的な意見が相次いだ。
メディア改革は、「これまでの報道のあり方を見直す必要がある。」との理由で政府の国民和解計画に盛り込まれることになったものだが、タイ字紙「デイリーニュース」のウォラウィット編集長は、「必要性は認めるが、政府は直接タッチすべきではない。独立機関に任せるべき。」との見方を示した。また、英字紙「ネーション」のプラウィットは、「軍部が複数のテレビチャンネルを管理下に置いている国はあまりない。チャンネル5、7、11を政府が統制している状態を改めべき。これがメディア改革に役立つ。」と述べた。
なお、ボイスTVは、タクシンの長男パントンテー・チナワットが運営するインターネットテレビ局。
07月04日(日)
午前01時半頃
タイ中部ナコンパトム市のパブ店内に銃弾が撃ちこまれ、客と店員の男女6人が重軽傷を負った。調べによると、犯人は乗用車に乗った男2人で、店の前を徐行しながら10発ほど発砲し、速度を上げて走り去った。タイ字紙タイラットが報じた。
06月22日に与党第2党プームチャイ・タイ党本部が狙われた爆弾事件で、カンボジア外務省は、「カンボジア東北部シアムリアップで03日にワリサリーヤーとコープチャイの男女2人を逮捕し、その身柄を05日にタイ当局(プノンペンの在カンボジア・タイ大使館)に引き渡す。」と発表。これを受け、タイ政府は、「犯人のタイ移送について両国間で調整を行っている。」とを明らかに。
06月22日に起きた同事件では、すでに数人が逮捕されているが、「犯人2人が陸路で隣国カンボジアに逃亡した。」と報じられていた。
カンボジア当局は、「タイから逮捕要請は出ていない。だが、カンボジア政府は反テロの方針を堅持しており、犯人の身柄を拘束してタイ当局に引き渡すことにした。」と説明。
一方、アピシット首相は午前、「カンボジア当局が2人の身柄を確保したとの連絡を受けており、現在在カンボジア大使館が身柄の引渡を要請している段階である。」、「05日に詳細を明らかに出来る見通しである。」と明らかに。
「タイが領土をカンボジアに割譲した。」との市民団体の訴えに対し、アピシット首相は、「国境線が変更された事実はない。」と明言。この主張を否定。
国境問題などに取り組んでいる市民ネットワーク「タイ市民連合会議(UPAT)」は東北部ナコンラチャシーマー県で、メンバー200人以上を動員して集会を開き、「東北部ウボンラチャタニー県ナムユンから東部トラート県クート島にかけ24万haに及ぶ領土をタイ政府は手放した。」と主張。タイ当局による国境視察とカンボジアとの交渉の内容を明らかにするよう軍当局に求めた。
だが、アピシット首相は、「タイが簡単に他国に領土を譲り渡すことなどあり得ない。」と反論。
タイとカンボジアの間では、国境未画定地域の領有を巡って軍事衝突も起きている。だが、2国は話し合いでの解決で合意しており、これに基づく調査が国境地帯で進められている。 アピシット首相は、「国境線画定には慎重な調査が必要で、現在GPSを用いて位置確認を行っている。国境線に関する最終的な決定は議会で下されることになる。」と説明。
07月05日(月)04:47首都圏警察本部スッティサーン署管内で、何者かが民家前に駐車してあった旧型のBMWのタイヤに向け手榴弾を投げ込まれ、車のタイヤやラジエーターが損壊。人的な被害はなかった。狙われた車は、テレビ局ch9の中継車付技術車男性所有のもの。
男性は警察に対して「これまでに自分が狙われるような係争を抱えた事がない。」と語っているが、警察は「情勢扇動目的以上に男性が絡む個人的な係争が事件の背景にある可能性が高い。」と見て捜査を進めている。
昼過ぎ06月22日に発生したプームチャイ・タイ党本部前爆破事件に関与した容疑で指名手配され、昼前にカンボジア当局に逮捕されタイに身柄を送還された、オーことワリーサリーヤー・ブンソン♀(42)とアーイことコープチャイ・ブンプロート(41)の夫婦は、記者会見の中で爆破の実行役を雇った容疑を全面否認。
事件は06月22日、プームチャイ・タイ党本部近くで、果物売りの手押し車に仕掛けられていた爆発物が爆発。これを押していた男が負傷し、駐車中の乗用車や近くの建物が破損したというもの。爆発物は、ガソリンを詰めたガスボンベと爆薬2㎏を組み合わせたものだった。警察は、党本部を狙った事件として捜査を開始。負傷した男など数人を逮捕し、その自供から、宝石商のコープチャイと妻の宝石デザイナー、ワリーサリーヤー容疑者を指名手配。だが、その直後、2人がすでに陸路でカンボジアに逃亡していることが判明。これを受け、カンボジア当局は07月03日、2人をシェムリアップのホテルで逮捕し、その身柄をプノンペン国際空港でタイ当局に引き渡した。2人はそのまま飛行機でタイに送還された。
記者会見の中で、夫婦は、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の活動に加わっていたこと、先に逮捕された犯人らを東部チャンタブリー県の自宅に泊め、手押し車を買い与えたことなどは認めたものの、爆弾事件への関与については「ぬれぎぬを着せられた。」と否定。ワリーサリーヤーは、既に逮捕されたデートポン・プッタチョンに隠れ家を提供したこと及びデートポンから「行商用の手押し車を買って欲しい。」と言われ購入用の金を与えた事は認めたが、「デートポンが爆破を計画をしている事までは知らなかった。」と述べた。また、ワリーサリーヤーは、「ある者による裏切りにより嵌められた。」と主張したが、「そのある者の詳細については話すことが出来ない。」とした。
ワリーサリーヤーによると、「カンボジアに滞在中に同盟幹部のアリスマン・ポンルアンローンを初めとする逃走中の幹部を捜したが見つける事ができなかった。」という。
またコープチャイによると、「潜伏先のシェムリアップのホテル部屋にいたところを、『逃走中の幹部のパーヤップ・パンゲートやDJオーン(ラック・チエンマイ51の女性幹部)がロビーで待っている。』と電話で呼び出され、下に降りたところでカンボジア当局に逮捕された。」という。
治安維持部隊本部で開かれた会議でクルングテープ都内を中心に施行されている非常事態宣言について、「依然情勢を扇動する不穏な動きが見られることから、引き続き継続させるべき。」との意見で一致。非常事態宣言は施行期限は07日となっていたことから、06日中にも閣議で延長の有無が検討される予定。
ステープ副首相らは、都内の解除には否定的だったが、その他地域に関しては段階的に解除すべきとの見方を示していた。
プア・タイ党のチラーユ副報道担当は、当局により閉鎖された反独裁民主主義同盟系のピープル・チャンネルPTVに代わる新たなテレビ局「Asia Update」が来週中に開局できる見通しである事を明らかに。担当者や資金提供者は非公開としている。
ただし、「以前閉鎖されたピープル・チャンネルほどUDDよりではない番組を配信していく予定であることから、非常事態宣言下において強制的に閉鎖されることはないだろう。」と予測。
旧iTVやch11のキャスターだった事でも知られるチラーユによると、「Asia UpdateはPTVと同様に国外の衛星を利用して番組を配信する予定だが、番組内容に関しては赤服軍団色が濃かったPTVとは異なる、政府の任務遂行の監視に焦点をあてる予定で、正式放送開始後には、国内関連や情勢関連の番組が25%、国際関係が40%を占め、残りには芸能関係や外部製作の番組が割り当てられる見通しだ。」という。また、初期段階ではチラーユ、カールン・ホーサクン、アヌディット・ナコンタップ空軍大佐が番組進行役を務める予定。
反独裁民主主義同盟幹部でプア・タイ党議員のチャトポン・プロームパンは、強制送還されたプームチャイ・タイ党本部前爆破事件の共犯容疑の夫婦がカンボジア国内で不審な動きをしていた事を明らかにし、改めて「この事件で利益を得るのは政府である。」と指摘し、事件の背景に政府の謀略があることを強調。
発言の中でチャトポンは、「カンボジアの政府高官と電話で話をした際に、今回強制送還された夫婦がカンボジアに入国してから、クーデター政権時代に同盟の幹部だった『アピワン下院副議長から頼まれた。』と言って、カンボジアに逃走中とされるアリスマン・ポンルアンローンやスポン・アッターウォンとの面会をカンボジアに要求するという不審な行動を取っていたため、カンボジア当局が『両者ともカンボジア国内にはいない。』と夫婦に言い、タイ当局と連絡を取り2人の送還に向けた話し合いを進めていた。」との情報を得ている事を明らかに。
先にチャトポンは、「夫婦はアリスマン等の同盟幹部がカンボジア国内に逃走していないか確認するために送り込まれた当局のスパイである可能性がある。」と指摘。また、チャトポンは、改めてプームチャイ・タイ党本部前爆破事件に絡んで逮捕された全ての容疑者とは一切の面識がない事を確認。
クルングテープ6区下院補欠選(07月25日投票)にプア・タイ党からテロ容疑者が立候補したことについて、反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)は、「コーケーウに立候補の資格はないはず。」として、選挙管理委員会に対し、関連法や規定を照らして詳しく審査するよう要請。
PADの法律顧問ニティトン弁護士によれば、「プア・タイ党の党規に従えば、テロ容疑で身柄拘束された段階で党員資格を失っているはずであり、憲法にも違反している可能性がある。」という。
タイでは、下院議員は政党に所属していることが義務づけられており、無所属で立候補することできない。
なお、中央選管は先に立候補届を行った計6人の資格について審査を行っており、その結果は09日に発表される予定。
検察当局は、公の場での不敬発言の引用が不敬罪に当たるとして、反タクシン組織の民主主義市民連合(PAD)首脳のソンティを起訴する手続きを取った。
ソンティは、タクシン派の反独裁民主主義同盟(UDD)メンバー(のちに不敬罪で有罪)が集会で述べたことを、PADの集会などで繰り返し引用したことから、不敬罪に問われることになった。
検察は、「不敬発言の引用は、大勢の前でラウドスピーカーを使って行われ、PADの衛星テレビやウェブサイトでも流された。」として、「この引用も不敬罪に当たる。」と判断。
これについて、ソンティは、報道陣に対し、「検察は私に不敬の意図があったかには触れていない。真当な判断とは思えない。」と不満を露わにした。
なお、ソンティは、保証金50万Bで保釈が認められた。
07月06日(火)政府は定例閣議の席上で、クルングテープ都、北部チエンマイ県、東部チョンブリー県など1都23県に発令している非常事態宣言を1都18県で90日間延長することを決定。シーサケート、カラシン、ナーン、ナコンサワン、ナコンパトムの5県では解除。
現在1都23県を対象に適用されている非常事態宣言は07日に期限を迎える予定になっていた。
非常事態宣言は5人以上の集会禁止、容疑なしでの30日間の身柄拘束、報道統制などを合法化するもので、タクシン派の反政府デモを受け、04~05月から発令されている。タイ治安当局は05日、1都23県全てで延長する方針を固めたが、タクシン派や人権団体から人権軽視という批判が出ていることから、アピシット首相が5県での解除を決定。
チュムポン観光・スポーツ相は、非常事態宣言が一部地域を除き3ケ月間継続されたことについて、「観光業への影響はないと確信している。」と発言。
現在非常事態宣言下にもかかわらず、外国人観光客数が増加を続けていること、多くの国がタイへの危険情報を引き下げ及び取り消したことが理由。
法務省特別捜査局のターリット局長は、プームチャイ・タイ党前爆破事件で05日にカンボジアから強制送還された2人のうちワリサリーヤーが所持していた旅行用鞄の中から爆発物の製造に関する記述があるメモ帳が発見された事を明らかに。
ワリサリーヤーは、メモ帳が自分の物である事は認めたが、問題の記述については「筆跡が自分のものとは異なっており、この件に関しては一切関知していない。」と供述。
ターリット局長によると、「2人は、これまでに逮捕された犯人に宿泊する場所を提供した事と、爆破に使用される事を知らずに事件の際に使用された行商用の手押し車を購入するための資金を提供した事は認めているが、事件への関与に関しては一貫して否認している。」という。
治安当局が先に発表した「違法デモへの資金提供が疑われる83の個人・法人リスト」に基づいて捜査当局による聞き取りが行われているが、そのうちの1人サラン元警察庁副長官が、法務省特別捜査局(DSI)に出頭。
同日は7人が呼び出しを受けていたが、出頭したのは熱心なタクシン支持者とされるサラン元副長官を始め、マナット元陸軍第3管区司令官、チャトポン、プア・タイ党議員など5人だけ。
なお、06月28日に始まった83の個人・法人への聞き取りは、07月12日まで続けられる予定。
市民の声を国民和解計画に反映させるためとして政府が07月01日にスタートした、市民からの電話を受け付けるキャンペーン「6日間で6300万の意見」が終了。政府庁舎内に設けられたコールセンターでは、最終日とあってアピシット首相ら閣僚が自ら電話に応対した。
スチャート副運輸相が受けた電話は「ほとんどが政府を支持するものだった。」というが、イサラ社会開発人権保護相は「『景気が良くならないのは政府のせい。下院を解散すべき。』などと一方的にまくしたてられ、途中で電話を切った。」とのこと。
キャンペーン期間中に電話をしてきたのは延べ5万5796人、述べ6万1700件。7015人が「政治問題」、その他が「福祉、教育、環境、天然資源などに関する苦情・提言など」。
なお、今回のキャンペーンに対しては「タクシン流の大衆迎合策を真似たもの。」、「時間の無駄。」、「国民受けを狙ったもので、何の役にも立たない。」といった批判意見が反タクシン陣営の民主主義市民連合(PAD)創設者のソンティから出ていた。
07月07日(水)法務省特別捜査局のターリット局長は、プームチャイ・タイ党本部前爆破事件でカンボジアから強制送還された夫婦の供述に基づき、カンボジアに潜伏中とされる反独裁民主主義同盟の複数の幹部の身柄確保及びタイへの身柄送還をカンボジア当局に要請している事を明らかに。
先に夫婦は、カンボジアのシェムリアップ滞在中に、ホテルでテロ容疑等で逮捕状が発行されている同盟幹部のパーヤップ・パンゲート、チャラン・ディッターアピチャイ、DJオーン(ラック・チエンマイ51の女性幹部)等と面会していた事を認める供述を行っていた。
また、ターリット局長は、ワリサリーヤー容疑者のメモ帳から爆発物製造に関する記述が見つかった事に絡んで、一緒に送還されたコープチャイ容疑者が、自分が書いたものであると認めている事を明らかにした。しかし、「誰のために何の目的で書いたものなのかについては供述が得られていない。」という。
ターリット局長によると、「記載されている爆発物の配合は、プームチャイ・タイ党前で使用された物とは異なる破壊力のある爆発物の製造に使用されるものだ。」という。
アピシット首相は、「赤服軍団が年末までに確実に活動を再開する。」との考えを示した。この発言に先立ち、ステープ副首相が、「反独裁民主主義同盟が年末に活動を再開する恐れれがある。」と指摘。
アピシット首相によると、「赤服軍団の活動再開による情勢激化を回避するために、過激思考を持つ集団に対して法を厳格に執行すると共に国民が過激派の道具として利用される事を防止するために国民との理解共有に努めていく考えだ。」という。
特に、過激派の道具として利用される恐れがある層との理解共有に関しては、依然困難がある事を認め、「各階層の協力の下で理解の共有に努めていく必要がある。」との考えを示した。
テロ罪に問われているコーケーウが野党プア・タイ党からクルングテープ6区下院補欠選に立候補したことに対し立候補資格を疑問視する意見が出ている問題で、中央選管が、「選挙区の監督責任者が判断すべき。」との判断を示していることが明らかに。 反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)は先に、「プア・タイ党の党規では、拘留された時点で党籍を失う。このため、コーケーウ者は、政党所属という立候補要件を満たしていない。」などして、中央選管に立候補資格の厳格な審査を要請。 だが、公職選挙法では、「当該選挙区の選挙監督責任者が、候補者の資格を審査し、問題があれば、最高裁の判断を仰ぐ。」と規定されている。このため、PADは、「中央選管でなく、クルングテープ6区の選挙監督責任者に党籍チェックなどを要請すべき。」とのこと。
07月08日(木)パトゥムワン刑事裁判所は、非常事態宣言施行規則違反で拘置されていた、反独裁民主主義同盟の自警組織員として活動していたイギリス人のジェフ・サヴェージ(49)に対し、05月14日から19日にかけて非常事態宣言施行規則に違反し集会に参加していた事を認めたため情状酌量し、3ケ月の禁固刑から1ケ月と15日間の禁固刑に減刑。「拘置期間が既に判決による収監期間を超えている。」と判断し刑期満了での釈放を命じた。入国管理局の監視下に置かれ、近く国外退去処分の見通し。
ジェフは、同盟の自警組織員として活動していた際に、セントラル・ワールドの放火を仄めかす発言をしたビデオが公開され話題になっていた。
ジェフは容疑を認めたことから比較的早く判決が下ったが、同じ非常事態宣言施行規則違反で拘置されているオーストラリア人のコーナー・デヴィッド・パーセル(30)に関しては、コーナーが無罪を主張し裁判で争う構えで、09月05日に検察側の証人尋問を行う方針が決定されている。
検察によると、2人は04~05月にクルングテープ都心部を占拠した反政府デモに参加した。このデモでは治安部隊との衝突などで計87人が死亡、1400人以上が負傷し、05月19日には都内の約40ケ所が放火された。
タイの政権与党、民主党のテープタイ・セーンポン党首付報道官は、「反政府勢力が武装訓練施設をクルングテープ、西部ラチャブリー県、東北部ナコンラチャーシーマ県の国内3箇所に設置し軍事訓練を行っている。」と主張。アピシット首相とステープ副首相(治安担当)は「事実関係を調査する。」としている。
03~05月にクルングテープで大規模な反政府デモを行ったタクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のチャトゥポン・プロームパン下院議員は、「テープタイが虚偽の情報でUDDを誹謗中傷している。」として、「発言が事実なら事実なら逮捕すればいい。」と反論。UDDの今後については、「当面は07月25日投票のクルングテープ6区下院補欠選に集中し、反政府デモを再開する考えがない。」と明らかに。
また、民主党党首付報道官のテープタイを名誉毀損で告訴する事を視野に法務チームと協議を進めている事を明らかに。チャトポンは、「『武装訓練施設を設置した。』とのテープイの指摘は事実無根である。」と指摘。「治安当局がそのような情報を掴んでいるにも関わらず、武装訓練施設の設置に関与した者の逮捕に乗り出していないというのは、政府及び非常事態対策本部側の職務怠慢と言わざるを得ない。」と皮肉った。
タクシン派野党のプア・タイ党は補欠選にUDD幹部でテロ容疑などで拘留されているコーケーウ(45)を擁立。党幹部のチャルームやコーケーウの妻らが獄中のコーケーウに代わって選挙活動を行っている。
社会・経済格差の是正に向けた政策提言を取りまとめる国家改革委員会と国家改革評議会のメンバーが発表された。委員会は委員長のアナン元首相(77)のほか、カサマー元教育次官、チャイアナン元憲法裁判所判事ら委員19人。評議会は医師のプラウェート(77)が議長で、評議員は財界団体代表、地方行政組織代表ら27人。タイのメディアは「明らかな反タクシン派が数人選ばれているものの比較的無難な人選。」という見方。
タイでは2005年の下院選で議席の75%を占めたタクシン政権(2001~2006年)が翌2006年に軍事クーデターで追放され、以来、タクシン政権の低額医療制度やマイクロファイナンスなどで恩恵を受けた低所得者層、東北・北部などの地方住民がタクシン派、タクシンを反王室、腐敗政治家と批判する特権階級、クルングテープの中間層が反タクシン派という大まかな色分けで、政治闘争が続いている。
タクシン派は2007年末に行われた民政移管のための総選挙で勝利し政権に復帰したが、裁判所がタクシン派の首相を解任、与党を解党し、2008年末に反タクシン派のアピシット政権が誕生した。タクシン派は今年03~05月、クルングテープで大規模な反政府デモを行い、アピシット政権に即時解散総選挙を要求。治安部隊との衝突などで、90人近くが死亡、1400人以上が負傷した。
タクシン派と反タクシン派の抗争は当初、タクシン率いる新興財閥勢力と旧来の特権階級の権力闘争とみられたが、今年のデモで階級闘争の色合いを強めた。また、東北・北部対クルングテープという地域・民族対立の構図も浮き彫りになっている。
クルングテープ6区下院補選(07月25日)は、「タクシン派にとっては逆風の中での戦い。民主党がきわめて有利。」との見方が支配的だが、タクシン派の最大野党プア・タイ党の主要議員ウィチャンは、「コーケオ候補が自ら選挙運動をできないのが痛い。だが、これが得票につながる可能性がある。」と述べて、同情票に期待していることを明らかに。
反独裁民主主義同盟(UDD)幹部コーケーウは、テロ罪に問われ拘留中であるため、プア・タイ党の議員らが代わりに選挙運動を行っている。
関係筋によれば、「クルングテープは、もともと民主党の支持基盤であるうえに、先の大規模な反政府活動や放火・略奪でタクシン派に対する風当たりが強くなっている。」という。これは、民主党が圧勝、プア・タイ党が惨敗した先のクルングテープ都議選でも明らかで、「コーケーウは苦戦を強いられる。」との見方が支配的。
だが、ウィチャン議員には、「コーケーウ候補は立候補が認められながら選挙運動が許可されていない。この不当な扱いを逆手にとることで票を集められる。」との見方。
元国内治安部隊指令本部副本部長でプア・タイ党党員のパンロップ・ピンマーニー大将は、「自らがプームチャイ・タイ党本部爆破を指示した首謀者のP氏である。」との指摘を否定。
この発言は、先にプームチャイ・タイ党幹部のネーウィン・チットチョープが、アピシット首相やステープ副首相等の要人を狙った暗殺計画やプームチャイ・タイ党本部爆破を首謀しているのはP氏なる人物である。」と指摘した事を受けたもので、パンロップ大将によると、「現在は政治とは距離を置き毎日ゴルフをやるだけの生活を送っており、そのような不穏な動きに関与するような事すら考えた事がない。」という。
一方、同じくP氏ではないかと指摘されている、プア・タイ党東北地区委員長でタクシンの弟でもあるパーヤップ・チナワットは、「自分は敵を作ることを好むような人物ではない。」、「件のP氏ではない。国内に数多くいる他のP氏を取材するべきである。」と語った。
ステープ副首相(治安担当)は、「反政府勢力が再び騒動を起こそうと画策している」と指摘。治安当局が警戒態勢を強めていることを明らかにした。
ステープ副首相によれば、「反政府勢力の関係者が各地で、タクシン派のグループなどに『行動を起こす用意ができている。』と触れ回っている。」とのこと。
また、アピシット首相の側近テープタイが、「反独裁民主主義同盟(UDD)が密かにメンバーに対し軍事訓練を行っている。」と発言したことについて、ステープ副首相は、「国内治安維持本部にも同様の報告があったが、どこから得た情報なのか知らない。情報源を調査中。」と述べるに留まった。
07月09日(金)アピシット首相は、政府広報局系テレビ局ch11(NBT)で行われた講演の中で、改めて「ch11局の中立性を確保するため野党が意見を表明する放送時間を確保するべきである。」との考えを示し、「既にオンアート首相府大臣に対して、政府とは反対の意見を持つ層を初めとするあらゆる層が等しく意見を表明する機会がある開かれた放送局への脱皮を目指すよう指示した。」と明らかに。
アピシット首相は、野党時代や総選挙期間中、「首相就任後に首相の定例政見放送と同時に野党首班による政見放送の時間を確保するべきである。」と主張し、政権誕生後に野党第1党のプア・タイ党も賛意を示していたが、今日まで国王の認証事項でもある野党首班の指名がなされないままでいた。
またアピシット首相は、「和解推進・国家改革に対する政府の姿勢を国民が推し量る手段としてch11が国民の監視に晒されている。」とし、改めて「中立性の確保が重要である。」と指摘。「他の放送局との競争力を確保するため組織の柔軟性と高度な独立性の保障が重要である。」と述べた。
政権党の民主党が不正献金に問われている問題で、中央選管と検察当局が、民主党を憲法裁に起訴することで一致。中央選管と検察の合同作業部会の座長、ウィチット中央選管委員長顧問が明らかに。
この疑惑は、セメント大手TPIポーリングが2005年に広告代理店を通じて民主党に2億5800万Bを献金し(献金額の法定限度違反)、民主党がこれを当局に報告せず(政党法違反)、また、党幹部がこの献金を着服したというもの。
関係筋によれば、「裁判の長期化が予想されるが、有罪となれば、民主党は解党処分となる可能性が強い。」という。
合同作業部会は「起訴すべき」との決定を07月13日までにアピチャート中央選管委員長に報告。これに基づき起訴の手続きが取られる見通し。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)が2009年08月に行ったタクシンの恩赦請求について、矯正局のチャチャイ局長は、「提出された署名をチェック中。あと200万人分を確認する必要がある。」と明らかにした。
この請求は、首相時代の職権乱用で2008年11月に禁固2年の有罪が確定したタクシンを国王陛下の恩赦で無罪放免とするよう求めるもの。UDDは、恩赦を支持する約350万人分の署名を提出しており、矯正局が署名者が実在するかをチェックしている。チャチャイ局長は、「これまでに戸籍との合致が確認されたのが約100万人。残りは約200万人分。」としている。
なお、この請求については、「恩赦が適用されるのは受刑者のみ。刑に服すのを拒んでいる元首相には適用されない。」との指摘もあり、法的要件を満たしていても却下される可能性が高い。
07月10日(土)国内治安維持部隊指令本部のディタポン本部長は、「タクシンの誕生日である26日にあわせた不穏な動きが計画されている恐れがある。」として、監視体制を強化した事を明らかに。これはINNの質問に答えたもので、先にアピシット首相が、「タクシンの誕生日に合わせた不穏な動きに関する具体的な情報はないものの、油断する事無く警戒を強化する考えである。」と明らかにしていた。
首相側近のテープタイ民主党議員が先に、「反独裁民主主義同盟(UDD)がメンバーに対し密かに戦闘訓練を行っている。」と述べたことについて、アピシット首相は、「情報が誤りだったら、信頼を失うことになる。裏をとってから発言すべき。」と述べ、不快感を露わにした。
テープタイ議員によれば、「東北部ナコンラチャーシーマー県パクトンチャイ郡、クルングテープ都内クロンサムワ区、中部ラチャブリー県で戦闘訓練が行われている。」というが、東北部を管轄する陸軍第2管区など関係当局は、「そのような動きはない。」としている。
テープタイ議員の発言は、治安当局にとっても寝耳に水だったという。テープタイ議員は現在、民主党党首(アピシット首相)の広報担当を務めているが、発言が「根拠なし」とされれば、広報から外される可能性が高いとのこと。
14時半頃クルングテープ都チョムトーン区の寺院の敷地内で、プア・タイ党所属の元チョムトーン区議会議員のスラット(46)が拳銃で胸などを3発撃たれ、病院に運ばれたが死亡。犯人はバイクに2人乗りし、後部座席の男が発砲後、バイクで逃走。
スラットは、赤服軍団の地元幹部で、前回の区議会議員選挙で落選するまで、クルングテープ都チョムトーン区議会議員を3期務め、08月29日投票の区議補選にタクシン派の野党プア・タイ党から立候補。
調べによると、スラットが知人の出家式への出席を終え、帰宅のために寺院から出ようとしたところで、待ち伏せしていたバイクに乗った2人組の内の後部座席に乗った男に銃撃され死亡。
警察は、スラットの兄の証言等から、「事件の背景に地元政治を巡る対立がある可能性もある。」と見て捜査を進めていたが、11日までに新たにスラットがバーンボーン地区に顔が利く女性と付き合っていた際に借りた30万Bの返済を反故にし、女性が治安当局関係者を使って取り立てを行っていたが未だに返済されていないこと、またスラットが麻薬容疑で逮捕された者から容疑を揉み消すことが出来ると言って20万Bを受け取っていたが、揉み消すことが出来ず受け取った20万Bを巡ったいざこざが発生していた事が確認されており、事件の背景にこれら2つのいざこざが関係している可能性もある。」と見て捜査を進めている。
07月11日(日)まで反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)が2008年に当時のタクシン派政権の退陣などを求めて長期にわたり政府庁舎を占拠したうえ、座り込みでスワンナプーム、ドンムアン両空港を閉鎖に追い込んだ問題で、最近になって警察当局が迷惑行為、不法占拠、治安関連法違反、テロ行為などの容疑でPAD幹部や同調者ら80人に出頭を命じていたことが明らかに。出頭期間は07月28日~09月06日。
スラポン元中米タイ大使は11日、「08日に出頭命令を受けたが、私はスワンナプーム空港で舞台上からデモ隊を教育し、『平和的なキャンペーンを支持する。』と述べただけ。容疑は馬鹿げている。」と指摘。「二重基準(反タクシン派に甘い)との批判をかわそうとした政府の演出。」と、警察の対応を批判。
また、PADを支持母体とするカンムアン・マイ(新政治)党の広報担当サムランは、「政治的な駆け引き。カンムアン・マイ党の弱体化を狙ったもの。」と反発。
スリヤサイカンムアン・マイ党幹事長も、「PADは抗議活動に武器を使うようなことは一切なかった。反独裁民主主義同盟(UDD)による反政府活動とは全く違う。」と強調。「テロなどの容疑をかけることでPADやカンムアン・マイ党の勢力を削ぐことが政府の狙い。」との見方を示した。
なお、政権党の民主党とPADは、タクシン流政治に反対との点では一致しているが、民主党が「政治問題は議会で解決すべき。」との姿勢を基本としているのに対し、PADは「既存の政治システムにはなにも期待できない。」と、デモや集会など街頭活動に力を入れてきたことから、両者が共闘路線を取ることはなかった。
また、PADが方針をやや転換し、カンムアン・マイ党を立ち上げたが、これによって反タクシン票が割れて民主党が議席を減らすことが予想されることから、「民主党内では、PAD・カンムアン・マイ党に対する警戒感が強まっている。」との見方もある。
21時半頃タイ東北部ウボンラチャタニー県ムアン・ウボンラチャタニー郡のウボンラチャタニー空港近くのオーソーモートー(旧タイ・マスコミ公団、MCOT)系列のラジオ局の前で、爆弾が爆発する事件が発生。更に現場に不発のままで残されていた爆発物が回収された。現場は、ウボンラーチャターニー空港から約300m離れた地点。
「爆発により近くの植木鉢等が破壊されたものの、夜だったこともあり負傷者は出なかった。」という。爆発物は、携帯電話を使用して遠隔操作で起爆するように製作された殺傷力がないものだったことから、情勢扇動目的の犯行と見られている。地元警察は、爆発による建物への被害はなかったことから、脅迫を目的とした爆発事件として捜査を進めている。
また、この爆発に絡んで、発生直後に現場に残されていた携帯用のSIMカードを拾って投げ捨てるところが目撃されていた39歳の男性が警察の事情聴取を受けているが、「何も知らずに投げ捨てた。」と語り事件への関与を否定している。
23時頃中部ナコンサワン県の県庁舎前の芝地で行われたフットサル大会の会場近くで県行政体長のオンアート(58)がライフル銃で胸を撃たれ、病院に運ばれたが死亡。数十m離れた場所から狙撃された模様。警察は県内の政争絡みの犯行とみて捜査を進めている。
県行政体長は県民が選挙で選ぶポストで、内務省から派遣される県知事とは別。
調べによると、オンアートが地元で開催されたサッカー大会の表彰式終え、会場内で放映されていたワールドカップ・サッカーの決勝戦の模様を見ていた際に、何者かが議長に向け2発の銃弾を発砲した上で、待たせていた小型トラックに乗って逃走。報道によっては、実行犯は複数で、逃走した際にオンアートの約10人の付き人が実行グループに向け銃を発砲したがグループは車に乗り逃走したとするものもある。
警察は、地元内で複数の政治家グループが激しい競争を展開していることから、競争により利権を失った者が国政選挙ないしは地方選挙の際に有利に戦うためにオンアートの暗殺を指示した可能性もあると見て捜査を開始。 オンアートは、最近プームチャイ・タイ党への入党を宣言し、選挙の際には県内の全ての選挙区から候補者を出馬させる方針を明らかにしていた。
07月12日(月)法務省特別捜査局のターリット局長は、プームチャイ・タイ党爆破事件絡で実行犯を雇い爆破を指示した容疑の、夫のコープチャイとカンボジアから強制送還されたワリサリーヤーのクルングテープのチョークチャイ4にある自宅から、爆発物に使用されるRDXの成分が検出された事を明らかに。
「当初爆破事件への関与を否定していたワリサリーヤーは、問題のRDXの成分が発見された台上で爆発物の製作が行われていた事を認めている。」という。
民主党が法定限度を超える献金を受け、これを報告しなかったとされる問題で、検察庁ナンバー2のワイヤウット次長検事は、「検察が解党・公民権停止処分を求めて民主党を憲法裁に起訴する方針である。」と明らかに。起訴状は検事総長に提出済みで、その内容に変更がなければ、13日にも起訴手続きが取られる見通し。
民主党は2005年にセメント大手TPIポーリング社から密かに2億5800万Bの献金を受けたとされ、検察は、「現行政党法(2007年制定)95条に抵触する。民主党を解党、2004~2005年に党役員を務めた約40人を公民権5年停止とすべき。」としている。この中には、2004年当時副党首で2005年03月に党首に就任したアピシット首相も含まれる。
一方、民主党の法律専門家チームの1人、ウィラット議員によれば、「民主党は、公民権停止処分を回避すべく、不正があったとされる当時の政党法(1998年制定)の罰則規定(解党処分のみ)適用を求めてゆく方針。」という。
なお、民主党は2005年に受けた政党交付金2900万Bを不正流用したとの容疑でも起訴されており、初公判が08月09日に開かれることになっている。
与党第2党のプームチャイ・タイ党本部を狙った爆弾事件で、先にカンボジアで逮捕されたワリサリーヤーは、「爆薬でなくシロアリ駆除剤。」と述べて、捜査当局の見方を否定。法務省特別捜査局(DSI)は、「自宅内の至る所から爆薬が検出された。」としているが、これは、「家具をシロアリなどから守るためにまいた殺虫剤。」とのこと。
また、ワリサリーヤーはタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)のメンバーとされるが、カロン弁護士によれば、「ワリサリーヤーがかつてナタヤ民主党議員の夫のもとで働いたこともあり、UDDはカロン弁護士が弁護を担当することに反対している。」とのこと。このため、カロン弁護士は、「ワリサリーヤーがUDDメンバーというのも疑わしい。」と述べた。
07月13日(火)06:15クルングテープ6区下院補欠選(07月25日投票)で、パニット民主党候補の選挙カーにタクシーが衝突し、タクシーを運転していたプラソップチョック・プラサートサング(22)を飲酒運転などの容疑で逮捕。
候補の運動員は選挙カー2台で都内ブンクム区を回っていたもので、その前方にタクシーが割り込もうとしたため衝突、運動員5人が負傷。
クルングテープのタクシー運転手は、タクシン派の支持基盤東北部の出身者が多く、タクシン支持者が少なくないとされるが、今回の衝突が政治絡みかはまだ不明。
ステープ副首相は、民主党による2億5800万Bの献金問題を違法と判断し、最高検察庁が憲法裁判所に民主党の解党を要求したことについて、「解党命令前に下院議会を解散するようなことはしない。」と発言。
また民主党の一部が、「解党命令が下された場合に対応するため、タイ・ケムケン党という受け皿政党を設立した。」という報道について、「民主党党首以下幹部は一切関与していない。」とし、政党の設立を否定しなかった。
検事総局は、「2004、2005年に反タクシン派で知られる実業家、プラチャイ・リャオパイラットがオーナーのセメント大手TPIポーリング社から法定限度を超える2億5800万Bの献金を受け、それを報告しなかった。」として、民主党の解党及び当時の党執行幹部の向こう5年間に渡る被選挙権剥奪を要求する訴訟を正式に憲法裁判所に提訴。中央選管からは段ボール箱54箱に及ぶ証拠書類が憲法裁判所に提出された。
この問題はタクシン派の野党プア・タイ党が2009年の閣僚不信任案審議で追及し、明るみに出た。民主党は政党交付金の不正流用容疑による起訴に続き、不正献金容疑でも起訴されるなど、政党助成金の使途違反でも起訴されるなど、窮地に立たされている。
根拠法は1998年制定の政党法第66条及び2007年制定の政党法第94条で、もし憲法裁判所が両根拠法に基づき解党判決を下した場合は、問題となった献金が為された2004年から2005年の間に民主党の党首だったバンヤット・バンタッターンを初めとする約40~50人の当時の党執行幹部の被選挙権が向こう5年間に渡り剥奪される事になる。当時副党首だったアピシット首相が被選挙権剥奪の対象になるか否かについては、検事総局は「当時執行幹部だった者が対象である。」と語るに留め、具体的な対象者に関する言及を避けている。
憲法では、下院議員は政党に所属していなければならず、解党処分を受けた政党の議員は60日以内に他の政党に入党しないと議員資格を失うことが規定されている。
2005年から続くタクシン派と反タクシン派の政治抗争で、司法はタクシン派政党を2度解党し、タクシン派の首相を解任するなど、一貫してタクシン派に厳しい判決を下してきた。それだけに、反タクシン派の民主党への判決があいまいな形での無罪となれば、「司法のダブルスタンダード」というタクシン派の主張を裏付ける形になりかねない。一方、民主党解党の場合、反タクシン派は政権を担う政党、人材を失い、タクシン派に政権を奪還される恐れがある。
万が一の解党判決に備え、民主党が党員受け入れのために予備政党の結党に動いている疑いが浮上。選挙委員会のソトシリー委員によると、「民主党系とされるマナット・パーニットを党首、プラターン・プロームオーンを幹事長とする、(民主党の支持基盤タイ南部の)ソンクラー県ハジャイ郡を本拠地とする『タイ・ケムケン(強いタイ)党』の結党届けが提出されているが、選挙委員会委員の立場として、当該政党が民主党の予備政党であるか否かについては確認する事ができない。」という。党首に就任するパニットは民主党の選挙運動員だったこともあるが、「自らが民主党に近い事は認めたものの、タイ・ケムケン党は自分の政治活動のために結党したもので、民主党とは無関係である。」と説明。
ただ、マナット党首は、「解党処分となった場合、民主党議員がタイ・ケムケン党に移籍することがあっても不思議ではない。」としている。なお、タイ・ケムケン党の政党登記は、06月04日の申請に伴い審査がすでに終わっており、あとは官報掲載を待つのみ。
07月14日(水)人気のアイドルオーディション番組「アカデミー・ファンタジア」に出場中のウィタワット(17)が交流サイトのフェイスブックでアピシット首相を罵倒したことが明らかになり、番組を降板。
ウィタワットさんは、両親とともに記者会見し、首相を批判したことを認め、「思慮が足りなかった。」と謝罪。「ウィタワットが王室を誹謗した。」という報道については、ウィタワットさんの父親が「わが家は王室に忠誠で、捏造だ。」と否定。タイには不敬罪があり、最高刑は懲役15年。
在クルングテープのアメリカ大使館は、大使館前で抗議活動を展開していた赤服軍団系の6月24日グループ及び赤色日曜日グループ幹部のソムヨット・プルックサーカセームスック等約20人のグループが提出した要求書の受け取りを拒否。
ソムヨットは、反独裁民主主義同盟第2幹部団の元メンバーで、その後同盟から絶縁状を叩き付けられたデーン・サヤームに合流するなど同盟主流派とは距離を置いて反政府・反クーデター活動を展開していた。また、03月中旬から行われていた同盟の集会では、自らが主宰するメディアを利用した言論等を通して活動を後方支援していたが、本人が集会の演壇上に立つことはなかった。
ポストトゥデー紙によると、「ソムヨット等のグループは、政府が進める和解推進を支持したアメリカ下院の決定の見直しを要求するための書状を大使館宛に提出したが、大使館は、大使館前に抗議文が記載されたプラカードを掲げ、軍が市民に武力を使用したとするグループの主張を再現パフォーマンスにより訴えた事が合意事項違反に該当するとして受け取りを拒否した。」という。
解党の是非が問われている民主党の予備政党として新たにタンマーティパット(道義主義)党の名が浮上。
タンマーティパット党は、タンワー・クライルックを党首、チュリンヤーポン・チューンター♀を幹事長とする、クルングテープ都ブングム区内に本部を置く政党で、今年03月26日にタンマーティパット党の幹部と民主党との関係は不明だが、タンワーの姓が情報通信技術大臣のチュティ・クライルックと同じ事、及び民主党が党解党後の党員受け入れ政党を設立した場合、道義を意味するタンマという単語と主義を意味するパットという言葉を政党名に使うと見られている事が、タンマーティパット党が予備政党と見られている根拠。
チュティは、タンワーの母親がクライルック家に嫁入りしクライルック姓を名乗っていること、またタンワーがTPIポーリング社経営者のプラチャイ・リヤオパイラットに近い人物である事を明らかにしたが、「個人的には付き合いがなく、また民主党の予備政党云々とは無関係である。」と語っている。
また、コム・チャット・ルック紙によると、先に予備政党として名前が浮かんだタイ・ケームケン党は、政党名的に政敵からの攻撃に晒され易い名前である事から、民主党が予備政党名として強いタイという言葉を使用する可能性が低いとの見方もされている。
民主党の政党交付金不正流用疑惑で、アピシット首相(民主党党首)は、「10月もしくは11月にも判決が下される。」との見通しを明らかに。
この事件は、2005年に民主党が政党交付金2900万Bを目的以外の用途に使用したというもの。検察は、解党処分・党役員の公民権5年停止を求めている。これに対して、アピシット首相は、「さほど入り組んだ事件ではない。数週間で公判が終了するだろう。早ければ10月か11月に判決が出る。」としている。
関係筋によれば、民主党関係者は、「収支報告書への単純な記載ミスで、無罪となる可能性が強い。有罪でも解党だけで公民権停止はないだろう。」と、比較的楽観視。
一方、民主党は、法定限度を超える2億5800万Bの政治献金を受け、これを報告しなかった容疑でも起訴されているが、こちらは複雑な事件であり、「憲法裁の判決が出るのはだいぶ先。」との見方が支配的。この事件でも検察は解党・公民権停止を求めている。
政府が国民和解実現のため設置した特別委員会の1つを率いるプラウェート博士(マグサイサイ賞受賞者)は、「緊急を要する課題の中には、強力な処方薬を使わなければならないものもある。」と述べ、これまでの制度などを大幅に変更する大胆な措置が必要との認識。
「具体的には、格差是正のための公平な土地使用や税制改革、教育改革、司法改革などが必要。」という。
また、プラウェート博士は、「対立解消を目指した構造改革が成功するかは政府でなく、社会の力にかかっている。」と述べ、「国民が主体的に発言、行動することが重要。」との見方。
クルングテープ6区下院補欠選で、民主党は、「民主党のパニット候補が悪質な嫌がらせを受けている。」として、候補と運動員の警護を強化するよう選挙管理委員会に要請。先にパニット候補の選挙カーにタクシーが突っ込むという事件があったが、民主党は、「タクシン派の仕業」との見方を強めている。
民主党は、このような事件を防ぐため、特に投票日(07月25日)までの10日間、選管は警察車両を派遣するなどして候補の警護を強化するよう中央選管に求めている。
一方、テロ罪に問われ拘留中のコーケーウを候補に擁立した野党プア・タイ党も、「都庁管轄の学校周辺で選挙運動が妨害された。」として、「民主党が汚い手を使っている。」と主張。現都知事は民主党所属。
07月15日(木)朝、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)による大規模デモのさなか、治安部隊が爆弾攻撃や銃撃を受けた事件で、警察が指名手配して行方を追っていたUDD自警団員の男、スラチャイが中部ロッブリー県ムアン郡(県庁所在地)のホテルで逮捕された。
法務省特別捜査局のターリット局長は、治安当局により身柄を確保されたカッティヤ・サワディポン少将の右腕的存在として知られるスラチャイことラン・テーワラット(25)が、警察の取り調べに対して、反独裁民主主義同盟の集会期間中にM79の発射に関与した黒服軍団に関係し、また自らが複数回にわたり武器を使用していた事を認める供述を行っている事を明らかに。
UDDの武闘派として知られたカッティヤ陸軍少将(デモ現場で狙撃され死亡)に近い存在だったというスラチャイは、取り調べに対し、「黒ずくめの男たちの1人だった。」と、事件への関与を認めたとされ、捜査当局は、全容解明への期待を強めている。
UDDのデモでは、一般のデモ隊に交じって、黒の戦闘服に黒の目出し帽という出で立ちの武装した男が物陰から自動小銃で治安部隊に発砲している様子などがカメラに捉えられていた。スラチャイによれば、「『黒ずくめの男』に武器の扱い方など戦闘訓練を施したのがカッティヤ少将だった。」という。
スラチャイはカッティヤ少将が05月13日に狙撃されたあと、カンボジアに逃亡。06月26日にタイに戻り、「仲間たちと大仕事について謀議していた。」との報道もある。また、警察によると、「スラチャイは、黒服軍団の一員としてカッティヤ少将の立案及び指令に基づき行動し、また黒服軍団が台湾で戦略的軍事訓練を受けていたこと、スラチャイが潜伏先のカンボジアから帰国した後にカッティヤ少将配下のグループの再組織に動いていた事を認める供述を行っている。」という。
予てからルンピニー公園前の検問所に向けM79を発射し警察官4人を死傷させた容疑の他に首都圏警察本部ルンピニー署の警察官住宅に向けたM79の発射やサラデーン交差点の検問所に向けたM16の発砲容疑で特別捜査局から身柄を追われていた。スラチャイに関しては、非常事態宣言施行規則絡みでの逮捕状は発行されていない。また、スラチャイが関係を認めている黒服軍団は、同盟のデモ隊と治安当局が衝突した際に度々姿が目撃されていた。
スラチャイは逮捕された際に、「『地方の指導者の暗殺準備のため別の場所に向かうところだった。』と語っていた。」という。
プア・タイ党で、元タイトヨタ重役のミンクワン議員を党首に推す声が強まっている。プア・タイ党では、「党首も党役員も非議員という現体制では、選挙戦を戦えない。」と、議員から党首を選出する動きが出ているが、ここに来て、党内で大きな影響力を持つ東北部出身議員らが、副首相経験者のミンクワン議員を推す姿勢を鮮明にしている。
しかし、今のところ、党上層部は、「党首候補に名乗りを挙げている者が複数いる現段階で、ミンクワン議員を党首に選べば、党内に不和が生じかねない。」と、慎重な姿勢。関係筋によれば、「東北部出身議員のまとめ役を務めるタクシンの実弟パヤップ議員に対し、東北部議員からなる複数の派閥が不満を表明するなど、プア・タイ党は結束を欠きつつある。このため、党首脳部は、亀裂がさらに大きくなることを恐れ、党首選びを先送りしている。」とのこと。
07月16日(金)国家汚職防止取締委員会は、アピシット首相の罷免を請求する5件の案件全てを棄却する決定を下した。
アピシット首相は、解散総選挙の際に憲法の精神に反して候補者を擁立しない方針を決定したこと、十分な議席を確保しないまま政府の組織に動いたこと、総選挙のために入党届けに基づき党員として受け入れたこと、選挙委員会から支給される政党助成金の支出報告を怠ったことが首相の欠格事由になるとして罷免請求が為されていたが、国家汚職防止委員会は、これら4件に関しては全てアピシット首相が首相に就任する前に発生した案件であるとして、請求を棄却する決定を下した。
また、アピシット首相が、カンボジアによるカオ・プラウィハーン遺跡地域の国境紛争地の道路建設を容認したとされる案件に関しては、外務省が継続的にカンボジアに対して警告しており、首相欠格事由となる職務遂行義務違反に該当しないと判断し、同様に罷免請求を棄却する決定を下した。 一方、国家汚職防止取締委員会は、アピシット首相とコーン財務大臣が現職就任時に国内3社の携帯電話事業会社を通じて無料で就任挨拶のSMSを1720万の電話番号宛に送信した事が職権乱用に該当するとして罷免が請求されている件に関しては、再度最終判断を先延ばしにする決定を下している。
本案件に関しては、当初15日に最終判断が下される予定になっていたが、その後16日に先延ばしにされていた。案件の重大性に鑑み、より多くの案件にかかわる情報を収集した上で検討する必要があることを受けた措置だという。
グラーナロン報道官によると、「現段階では SMS送信に関わる民間部門への利益供与は確認されていないが、送信に関与した携帯電話事業会社からより詳細な情報を収集する必要がある。」という。
法務省特別捜査局(DSI)のターリット局長は、反独裁民主主義同盟が集会活動を展開していた時期に発生したルンピニー公園脇の検問所に向けたM79発射等の容疑で15日に逮捕された、カッティヤ・サワディポン少将配下のスラチャイが、少なくとも以下の8件の事件に関与したと見て捜査を進めている事を明らかに。
1.03月28日に発生した第11歩兵部隊近衛師団本部に向けたM79発射
2.04月10日にクルングテープのコークウア交差点でロムクラオ・トゥワタム大佐が黒服を着込んだ集団に銃撃され死亡した事件
3.04月21日に発生したパトゥムターニー県ラムルッガー郡内にある石油タンクに向けたRPG発射
4.04月22日に発生したBTS線サーラーデーン駅に向けたM79発射
5.05月07日に発生し警察官2人が死亡したサラデーン交差点の検問所の警察官に向けたM16の発砲
6.05月08日に発生したウォーヂューリヤン・ビルに向けた3発のM79発射
7.05月17日に発生したドゥシターニー・ホテルに向けたRPG発射
8.05月19日に発生した首都圏警察ルンピニー署の警察官住宅に向けたM79発射
これらは、03月28日~05月19日にクルングテープやパトゥムタニー県で起きた事件で、銃撃・爆弾攻撃による犠牲者数は27人に上る。DSIでは、「スラチャイが擲弾を発射し、自動小銃で発砲した実行犯。」としている。
事件の中には、サラデーン交差点に面するドゥシタニーホテルへの攻撃が含まれるが、スラチャイは、「われわれのボス、カッティヤ陸軍少将が交差点近くで撃たれたのは、ドゥシタニーホテルに潜んでいた狙撃兵の仕業。(狙撃を許した)ドゥシタニーホテルに恨みがあったので、自動小銃でドゥシタニーホテルに発砲した。」と述べている。
なお、DSIによれば、スラチャイがカッティヤ少将率いる元軍人などのグループに加わったのは3年前。昨年03月にはカッティヤ少将の支那訪問にも同行したとのこと。
また、ターリット局長は、スラチャイが逮捕される前に、特別捜査局と海軍関係者との共同で行われた囮捜査により、スラチャイから6万Bでライフル4挺、M79発射装置、手榴弾25発が囮捜査官に引き渡されていた事を明らかに。詳細に関しては、19日に発表する予定。
「これまでのスラチャイに対して行われた事情聴取により、黒服を着込んだ集団の幹部や扇動を受け持つグループ、実働部隊、資金支援者に関する有用な供述が得られている。」という。
一方、警察が、「16日に発生したナコンサワン県行政機構評議会議長暗殺事件にスラチャイが関与した疑いがある。」と見て捜査を行っている事に関しては、「特別捜査局の捜査範囲ではない。」と語るに留めた。
パニタン政府報道官はタイを訪れたバーンズ米国務次官との会談で、アピシット首相が早期総選挙に言及したことを明らかに。
ただ、アピシット首相は、「来年になったら早期総選挙の検討を始めたい。」と述べただけで、任期満了前の総選挙を確約してはいない。
現民主党政権は、2007年12月の総選挙でのタクシン派のパラン・プラチャーチョン党の勝利で誕生したタクシン派政権が2008年12月に同党の解党処分で崩壊したことを受けて発足。来年末に任期満了となる。だが、反独裁民主主義同盟(UDD)などタクシン派は、「タクシン政権が追放された2006年09月の軍事クーデターが全ての間違いの始まり。その後に制定された現行憲法も現アピシット政権も正統性を欠く。」として、アピシット政権の退陣を求めて先に大規模な反政府デモを展開。デモは不成功に終わったものの、現在も退陣要求の姿勢を変えていない。
これに対し、アピシット首相は以前から、「条件がそろえば、早期総選挙は可能。」と明言。だが、その条件は、憲法改正など難しいものばかりで、「現状では、早期総選挙の可能性はきわめて小さい。」というのが大方の見方。
07月18日(日)アピシット首相は定例政見放送の中で、今週中に非常事態宣言が適用されている1都18県の内の一部の県に対して適用が解除される見通しを明らかに。アピシット首相は、「治安状況が正常化しているところもあり、非常事態宣言の解除は可能。」としている。解除か継続かはまず非常事態対策本部(非常事態宣言下の管理機関)が検討、答申し、閣議で最終決定が下されるが、早ければ20日の閣議で一部解除が決まる見通し。
しかし、アピシット首相は、「国内を騒乱状態に陥れる事を意図している過激派が依然活動している。」として、非常事態対策本部や警察に対して油断する事なく引き続き情報の収集に努めるよう伏せて指示している事を明らかに。
また、先に反政府感情が根強い北部や東北部訪問の意向を示していたアピシット首相は、「治安当局に負担を強いたり、衝突の発生が予想される状況下では行かない方が良い。」と、適切な時期を見極めた上で当該地域を訪問する考えを明らかに。
タクシン支持派の反独裁民主主義同盟(UDD)の大規模デモのさなかに起きた爆弾攻撃・銃撃事件で、実行犯とされるスラチャイの逮捕に「でっち上げ」との批判で出ていることに対し、法務省特別捜査局(DSI)のタリット局長は、「逮捕前にスラチャイの事件関与を裏付ける情報を得ていた。」と反論。
タクシン派の最大野党プア・タイ党のプロムポンは先に、「兵役も経験していない、わずか25歳のスラチャイに厳重な警戒態勢の中で事件を起こすことなどできない。」と述べ、「スラチャイが実行犯」との当局の説明を否定。
だが、タリット局長によれば、「捜査当局は、事件現場の目撃証言、情報提供者の証言、デモ隊に紛れ込んでいた軍関係者の証言に基づいて捜査を進めていたもので、これらの情報と自供が一致したことから容疑者の関与を確信した。」とのこと。
07月19日(月)04時半頃パトゥムターニー県タンヤブリー郡プラチャーティパタイ地区の民家前に駐車してあった、デイリーニュース紙とテレビ局ch7を兼務するパトゥムターニー県常駐の記者(48)の車に向け10発以上の銃弾が撃ち込まれるという事件が発生。銃弾が撃ち込まれた車は今月12日に購入したもの。
記者は、パトゥムターニー県の常駐記者として、県内の警察高官同士の対立や違法営業をしている娯楽施設を度々告発し、その告発が当該施設の摘発に繋がっていた。記者自身は「取材活動絡みのトラブルを抱えた事はない。」と語っている。
「クルングテープ6区下院補欠選は、連休中の投票となるため、政権党の民主党は、タクシン派の組織票に危機感を感じている。」という。
民主党議員の病死に伴う今回の選挙(投票日07月25日)は、6党から6人が立候補。だが、実質的には、民主党のパニット候補とタクシン派のプア・タイ党のコーケーウ候補の一騎討ち。
コーケーウ候補は、組織力で知られるタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の幹部。クルングテープは民主党支持者が多く、特に6区は反タクシン色が強いとされるが、連休で投票率が低ければ、組織票が物を言うことになるため、民主党は懸念を強めている。
なお、07月17~18日の不在者投票は投票率が4.16%(有権者約39万人中1万6097人)に止まり、選管の予想5%に及ばなかった。
法務省特別捜査局のターリット局長は、「反独裁民主主義同盟の集会期間中に発生したルンピニー公園脇の検問所に向けたM79発射等の容疑で逮捕された、カッティヤ・サワディポン少将の配下とされるスラチャイが、武器の密売にも関与していた。」と明らかにし、「武器密売容疑で共犯の4人に対して逮捕状の発行を申請する方針である。」と述べた。先にターリット局長は、スラチャイが囮捜査官に武器を引き渡していた事を非公式に明らかにしていた。
法務省特別捜査局(DSI)は、反政府デモに関連したテロ容疑などで逮捕されたスラチャイらが購入したとされる武器弾薬を報道陣に公開。今回公開されたのは、自動小銃「AK47」4丁と弾薬、携帯用擲弾発射装置2丁、擲弾37個など。
ターリット局長によると、「特別捜査局と海軍との共同で06月10日にチョンブリー県サタヒップ郡内で行われた囮捜査の際に、6万Bの代金でライフル2挺やM79発射装置等15点の武器類がスラチャイ及び4人の共犯から囮捜査官に引き渡された。」という。
また、台湾当局は、「スラチャイが台湾で戦闘訓練を受けた。」とするDSIの報告を全面的に否定。同容疑者は、反独裁民主主義同盟(UDD)の武闘派カッティヤ陸軍少将(狙撃され死亡)に近い存在だったとされるが、DSIは、「カッティヤ少将が外国でUDD自警団員に戦闘訓練を受けさせた。」との見方。
法務省特別捜査局のターリット局長は、民主党迂回献金疑惑の献金元とされるTPIポーリング社の起訴を断念した事を明らかに。
問題の案件は、TPIポーリング社から広告製作費やコンサルタント料名目で提供された2億6300Bの献金が、民主党所属下院議員系のメサイア・ビジネス・アンド・クリエーション社を迂回して民主党に提供され、総選挙の費用として流用されていたとされるもの。この問題に絡んで検事総局は民主党の解党を要求する訴訟を憲法裁判所に提訴。
ターリット局長は、「前の捜査チームが風説だけに基づいて証取法違反の疑いがあるとしていたことが判明した。当時のTPI社の会計帳簿等から同社とメサイア社との間で正当な業務契約が交わされていた事は確認出来たが、両者が共謀関係にあった事を裏付ける十分な証拠がなかったため不起訴処分にした。解党の是非が問われている民主党を救済する思惑が今回の決定の背景にない。」と強調。
この「違反」が「不正献金」を裏付ける証拠との1つとなっていたことから、今回のDSIの決定は、裁判で民主党に有利に働くものと見られている。
プア・タイ党下院議員団長のチャルーム・ユーバムルン警察大尉は、「明確な証拠があるにも関わらず民主党が絡む迂回献金の献金元とされるTPIポーリング社の不起訴を決定した法務省特別捜査局のターリット局長を政府は更迭するべきである。」と指摘。
チャルーム警察大尉によると、「自分の手元にあるTPIポーリング社からメサイア・ビジネス・アンド・クリエーション社に振り出された香港上海銀行発行の小切手を初めとする証拠だけで十分に立件可能であった。プア・タイ党が政府であれば不起訴処分を決定したターリット局長を24時間以内に更迭していた。」と発言。
しかし、チャルーム警察大尉は、「今回の決定が憲法裁判所の民主党解党審理の行方に影響を与える事はない。」との考えを示し、「もし民主党に対してシロの判決が下された場合は、次期総選挙でプア・タイ党が300以上の議席を獲得する事になる 」と指摘。
タクシン派の野党プア・タイ党は、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)による大規模デモにちなんだ展示会を党本部で開始。クルングテープ最大の商業地区ラーチャプラソン交差点界隈などを占拠したデモは、治安部隊による強制排除で05月19日に一旦幕を閉じた。しかし、プア・タイ党は、デモ中に死亡した人々を悼むことなどを目的に展示会を行うことを決定。初日はプア・タイ党議員らも喪服姿で展示会場に姿を見せた。
なお、今回のデモでは、デモ参加者に多くの犠牲者が出たことから、タクシン派はアピシット政権への反感を強めているようだが、商業活動や市民生活に大きな影響が及び、デモ隊による放火・略奪もあったことから、少なくともクルングテープでは、タクシン派は支持を大きく減らした。
07月20日(火)10時前都内のタイ政権与党、民主党の党本部のメイプラトラニー(地球の女神)像にスラチャイ・カートディー(45、報道により48)が人の糞尿が入った袋を投げつけ、糞尿は像の土台に当たった。警備の警察官10人により逮捕された。
スラチャイは元タイ軍人銀行付運転手で、03月02日にも民主党本部前に糞尿入りの袋を投げ込んだとして逮捕され、その際に、「家の周辺で人が吸う煙草に悩まされ区役所や警察に対策を要請したにもかかわらず一切の対応が取られていなかった事に対する怒りや政府がマスコミに偏向報道を強いている事が気に入らなかったため犯行に及んだ。」と供述。また、スラチャイは先の犯行で裁判所から犯行を認めている事を情状酌量し禁固期間を10日から5日に減刑され、500B(報道により1000B)の罰金の支払いを命じる判決が下されていた。
警察によると、スラチャイは取り調べに対して、「放送局や携帯電話、警察無線から発せられる電波に悩まされており、アピシット首相に対して対策を要請したにもかかわらず一切の対応が取られていなかった怒りから再度犯行に及んだ。」と訳の分からない事を言っている。スラチャイはまた、「自身の排泄物を使用した。」と供述。土曜日以来彼は排泄物を集めていた。
03月02日に逮捕された際にVoice TVが行なったスラチャイの元妻とのインタビューによると、「スラチャイは精神疾患を患っており、約10年間精神科治療のために入院した事があった。」という。警察はスラチャイの精神鑑定を行う方針。
タイ政府は閣議で、クルングテープ都、北部チエンマイ、東部チョンブリーなど19都県に発令している非常事態宣言を、北部ラムパング、東北部サコンナコン、ロイエットの3県で解除すると発表。「タクシン派による反政府活動が収束した。」と判断。
非常事態宣言は5人以上の集会禁止、容疑なしでの30日間の身柄拘束、報道統制などを合法化するもので、タクシン派の大規模な反政府デモを受け、04~05月に24都県に発令され、今月06日、東北部シーサケートなど5県で解除。依然として発令されているのは、クルングテープ、ノンタブリー、アユタヤ、パトゥムタニー、チエンマイ、チエンライ、ウボンラチャタニー、マハーサラカム、ノンブアラムプー、ムクダハン、ウドンタニー、ナコンラチャシーマー、チャイヤプーム、コンケン、チョンブリー(パタヤ市を除く)、サムットプラカン。
午後、スッパチャイ首相府副報道官は、「反政府派団体の幹部が逮捕された上、活動資金用の口座も凍結されたことから政治的活動がなかったことが解除理由。」と発表。
パニターン首相府報道官は、「クルングテープ都内などに施行されている非常事態宣言について、今週中に解除の検討を行う予定である。」と明らかに。「現在治安維持部隊の判断を待っている。」とのこと。
また最近政治的活動が活発化している「日曜日の赤」幹部ソムパットやプア・タイ党の行動について、「現在は法の許容範囲内だが、情勢扇動行為が見られれば、政府が何らかの対処を行うことになるだろう。」としている。
反独裁民主主義同盟顧問弁護士のカーロム・ポンタクラーンは20日、今週中にカッティヤ・サワディポン少将の本物の右腕とされる人物と共に記者会見を開く方針を明らかに。
カーロムによると、記者会見の席上で、「先に逮捕された、法務省特別捜査局がカッティヤ・サワディポン少将の右腕で、同盟の集会期間中に目撃された黒服を着込んだ集団や不穏な動きの解明の鍵を握る人物であるとしているスラチャイ容疑者がでっち上げられた偽物の右腕である事が明確になる発言が本物の右腕から為される予定だ。」という。
法務省特別捜査局(DSI)が保管中の宝飾品40点あまりが紛失したとされる問題で、タリットDSI局長は、「DSIでは証拠品などは記録に残しているが、それに含まれていない。」と述べ、「DSIに責任はない。」との見方。
宝石をあしらった指輪やブレスレットなどの宝飾品は、05月19日に反独裁民主主義同盟(UDD)のデモ隊が宝石店から盗み出したもので、「パトゥムワン署が回収し、非常事態対策本部からDSIに引き渡された。」とされる。
DSIでは非常事態対策本部から受け取った証拠品など全てについて、記録を残し、写真も撮っていたが、その中に、紛失したとされる宝飾品はなかった。」とのこと。
政権党の民主党がセメント大手TPIポーリング社から2億5800万Bに及ぶ不正献金を受けたとされる問題で、法務省特別捜査局(DSI)が「ポーリング社の証券取引法違反容疑を取り下げる。」としたことについて、検察庁特別訴訟部のタナピット課長は、「DSIの調書を検討して起訴するかを判断する。捜査が不十分となれば、さらなる証拠の提出をDSIに求める。」と述べた。容疑の取り下げでは、DSIに対し、「民主党を助けようとしたもの。」との批判が出ていることから、検察庁は訴訟手続きの進め方を具体的に説明。DSIの決定で直ちに不起訴となるわけではないことを指摘。
07月21日(水)タクシン一族の凍結資産766億Bのうち約6割、463億7000万Bを没収するとした最高裁判決について、再審の是非が08月11日に決定されることが明らかに。
再審請求は、最高裁副長官ら上級判事5人が検討を行っており、その判断に基づいて、08月11日に最高裁判事約140人による採決が行われる。賛成票が過半数に達しなければ、請求は却下、資産没収が確定する。
「俳優のポンパットに不敬発言があった。」とされる問題で、アピシット首相は、警察に対し、「不敬罪に当たるかの判断に困ったら、政府の専門家委員会に相談してほしい。」と助言。
専門家委員会は、不敬罪など王室関連の事柄について警察、法務省特別捜査局(DSI)、情報通信技術省にアドバイスを行うため昨年11月18日に設置された。
首都圏警察によれば、06月23日に歌手のプミパットから不敬発言との訴えがあったことから、「近くポンパットさんに事情聴取する。」とのことだ。この訴えは、05月16日に執り行われた、優秀な俳優に贈られるラータラート賞の授賞式で、最優秀助演賞に選ばれたポンパットがスピーチの中で王室に関する不適切な発言をしたというもの。
首都圏警察は、クルングテープ6区下院議員補欠選挙の投票日に投票所などに警察官計2000人を配置して警備に当たらせる方針を明らかに。
25日投票の下院補欠選には、6人が立候補しているものの、注目されているのは政権党の民主党のパニット候補と最大野党のプア・タイ党のコーケーウ候補の2人だけで、反タクシン派と親タクシン派による一騎討ちの様相を呈している。このため、警察は「何らかのトラブルが起きる可能性が高い。」と見ている。警察官は24日午後06時から25日深夜まで投票所と開票所を警備。
反独裁民主主義同盟顧問弁護士のカーロム・ポンタクラーンは、「カッティヤ・サワディポン少将の本物の右腕とされる人物を伴い今週中に記者会見を開くとする20日の発言は、単なる冗談で、そのような記者会見を開く予定がない。」と明らかに。
カーロムによると、「当局がこれまでに逮捕された複数の人物に対して、ぞれぞれ『カッティヤ少将の右腕である。』と発表していた事を皮肉るため、『プア・タイ党も本物の右腕の存在を暴露しなければならない。』と発言した事がマスコミに誤解して受け止められただけで、そのような人物も存在を認知しておらず、また記者会見を開いて右腕を紹介する考えもない。」という。
刑事裁判所は、タクシンがカシット外務大臣以下3名を相手取り提訴していた名誉毀損訴訟の受理を決定した。
タクシンは、2008年11月に首相官邸を占拠して行われていた民主主義市民連合の集会の演台上で、当時連合の主要な論客の1人だったカシット外務大臣が、「受刑者たるタクシンはあらゆる手段を講じてタイを自分の財産にしようとしている。」と発言し、更にその発言がASTVを通して生中継された事により「名誉を毀損された。」として訴えていたもの。刑事裁判所は訴訟の受理を決定し、09月06日09:30に第1回公判を開く方針を決定。
カシット外務大臣の「『タクシンが南部のムスリムを根絶やしにしようとした。』とする発言や『麻薬撲滅戦争で虐殺を行った。』とする発言により名誉を毀損された。」としてタクシンが訴えている件に関しては、刑事裁判所は、「当該発言が公人だった人物に対する論評行為に該当する。」と判断し訴訟の不受理を決定している。
タイで有罪判決を受け海外逃亡中のタクシンが、滞在先のモンゴルの首都ウランバートルで鈴木宗男衆議院外務委員長(新党大地代表)と会談。鈴木も会談の事実を認めた。「タクシンは鈴木に今年03~05月に起きたタクシン支持派による反政府デモや、デモ隊と治安部隊との衝突、騒乱などについて説明し、理解を求めた。」という。
タイ国内のタクシン支持派は今年03~05月にクルングテープで大規模な反政府デモを行い、治安部隊との衝突などで、約90人が死亡、1400人以上が負傷。タクシンは、「デモ隊と治安部隊の衝突を取材中のロイター通信日本支局のカメラマン村本博之(43)を含む多数が死亡した事件について報告書を作成した。」と説明。民主主義を求める活動を武力弾圧するタイ政府を非難し、日本の協力を求めた。
関係者によると、「両人はウランバートルのホテルで約1時間会談。06月に訪日したタクシンの弁護士と鈴木が知り合いだったことから実現、私的な立場での面会だ。」としている。ただ鈴木氏は衆院外務委員長であることから、騒乱の黒幕としてタクシンをテロ容疑で手配しているタイ政府が不快感を示す可能性もある。
鈴木は自身のブログで、ウランバートルでタクシンと「偶然」遭遇し、タイの現状などについてタクシンの考えを聞いたことを認めた。また、今年04月、タクシン派デモ隊と治安部隊の衝突を取材中に銃撃され死亡したロイター通信の日本人カメラマン、村本博之さんの死亡時の状況についてタイ政府から明確な返答がないことを指摘し、タイ政府の姿勢に「憤りを感じている。」と記した。
タクシンは警察官僚から実業家に転じ、通信事業でタイ屈指の富豪となった後、政界入り。2001~2006年に首相を務め、過去に例のない高い支持率を誇った。しかし、国内の特権階級と衝突し、2006年09月の軍事クーデターで失脚。首相在職中に当時の妻ポチャマンが国有地を購入したことで2008年に禁固2年の実刑判決を受け、現在は国外逃亡中。タイの現政権は反タクシン派で、各国にタクシン氏の逮捕、送還を求めているが、タクシンはモンテネグロなどのパスポートを取得し、昨年から今年にかけ、アラブ首長国連邦、ロシア、フランス、カンボジア、ブルネイなどを訪れている。鈴木によると、モンゴル政府はタクシンの入国を認め、「車も出し、警察車両も付いていた。」という。
07月22日(木)男優のポンパットが不敬発言をしたとの訴えが警察にあった問題で、上院王室護持特別委員会書記を務めるカムヌン上院議員は、「発言は王室を守ろうとしたもの。不敬には当たらない。」と擁護。
ポンパットはナータラート賞授賞式でのスピーチの中で、王室に言及、「ここで『父』という言葉を使ったことが不適切だ。」と訴えられた。
ただ、首都圏警察首脳は、「訴えがあったのでポンパットの事情聴取を予定しているだけ。法律およびタイ語の専門家が問題なしと判断すれば、出頭する必要はない。」と説明。なお、タイ語のウェブサイトではポンパットを起訴した歌手への批判が炎上している。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)と反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)の首脳らが、これまでの政治対立の中で複数回にわたり互いに相手を名誉毀損で訴えていたが、刑事裁判所が和解を勧めたことから、話し合いが行われ、双方が訴訟を取り下げを合意。
訴訟は、UDDからPADに対するものが6件、その逆が2件。話し合いは、PAD首脳のソンティの代理人が、ウィラーやコーケーウなどテロ罪などに問われ拘留中のUDD幹部らに面会するという形で行われたもので、約7時間。
政府が国民和解実現のため設置したアナン元首相を長とする独立委員会は、「タクシン派と反タクシン派の双方に譲歩の姿勢が見られる。」として、和解実現に向けた環境作りのために非常事態宣言を全面解除するようアピシット首相に進言。
軍主導の強力な治安対策を可能にする非常事態宣言は、対象地域が狭められているが、現在も1都15県に適用されている。
独立委員会は、「宣言適用が国民和解を妨げる要因になっているほか、民主主義の原則にも反している」と指摘。「政府は強権発動でなく、政治的手段で問題を解決すべき。」としている。
プア・タイ党のプロームポン報道担当等は日、選挙委員会に対して、25日に補欠選挙が行われるクルングテープ第6選挙区に出馬している、非常事態宣言施行規則違反等で拘置されているコーケーウ・ピクントーンの選挙活動のため、仮釈放を法務省矯正局に対して要求するよう要請。プロームポンによると、「コーケーウが逃走しない事を保証するため、党所属の5人から10人の議員が保証人になる用意がある。」という。
07月23日(金)法務省特別捜査局は武器密売及び反独裁民主主義同盟(UDD)による大規模な反政府活動でデモ隊に交じって治安部隊などに銃撃・爆弾攻撃をしたテロ容疑で、カッティヤ・サワディポン少将に近いラチョット・ウォンヨート伍長の身柄を確保した模様。
攻撃は、UDDの武闘派カッティヤ陸軍少将(狙撃され死亡)の率いる武装集団の仕業とされているが、先に逮捕された、カッティヤ少将の右腕とされるスラチャイもラチョットもこの集団に所属しており、顔見知りとのこと。
法務省特別捜査局(DSI)は、武器の調達や攻撃に関与したとしているが、ラチャタ容疑者はこれを全面的に否認しているという。特別捜査局筋からの情報として伝えたところによると、「逮捕されたのは、プラチュッアプキーリーカン県プラーナブリー郡内にある第15歩部隊シースリヨータイ基地に所属するコップことラチョット・ウォンヨート伍長。軍から特別捜査局に身柄が引き渡された。」ラチョット伍長には、先に反独裁民主主義同盟の集会期間中に発生したルンピニー公園脇の検問所に向けたM79発射及び武器密売等の容疑で逮捕されたスラチャイ・テーワラットと共にテロや武器密売に関与した容疑が持たれている。
一部報道によると、「ラチョット伍長はカッティヤ少将の運転手だった事がある。」という。
民主主義市民連合は、政府に対し「カンボジアとの間で係争を抱えている地上及び海上のタイの主権を死守せよ。」とする最終警告を政府に突き付けた。
最終警告の中で連合は、25日に開かれる第34回世界遺産会議に絡んで、フランスが一方的に線引きをしたカオ・プラウィハーン遺跡周辺の国境線を無効化し、タイ領土内に侵入しているカンボジアの国民や軍を放逐し主権を守り、タイ湾のエネルギー資源から得られる恩恵を確保するため海上主権の死守に努めるよう要求。
連合によると、「世界遺産会議でカオ・プラウィハーン遺跡の世界遺産登録が認められることにより、カンボジアにタイ領土占有のきっかけを与える事に繋がるおそれがある事から、政府は25日からブラジルで開催される世界遺産会議に代表を送り、カオ・プラウィハーン遺跡の世界遺産登録を徹底的に阻止するべきだ。」という。
カンボジア政府は、タイ・カンボジア国境地帯に位置するカオ・プラウィハーンと隣接する国境未画定区域4.6?の管理を提案すると見られているが、PADは、「提案が認められれば、国境未画定区域を巡る領土紛争でタイが不利になる。」としている。
07月24日(土)00時過ぎチエンマイ県県都ワットゲート地区内の民家近くで爆発が発生し、民家前の立木や駐車中だった隣人の車に被害をもたらしたが、幸い人的な被害はなかった。
現場は、カーウィラ基地から500mと離れてない地点で、標的となったと見られる民家の家主(59)は、民主主義市民連合系テレビ局ASTVの受信用衛星アンテナの設置を請け負っており、民家には衛星放送受信用のアンテナ2個が取り付けてあった。爆発物は、大型の爆竹を使用した手製の物と見られている。
警察は、「使用された爆発物が身体に危害を与える性質の物ではなかった事から、非常事態宣言が施行されている状況下で情勢を扇動する目的で爆発物が投げ込まれた。」との見方。
07月25日(日)17:45頃クルングテープ都内のショッピングセンター、ビッグCスーパーセンター・ラチャダムリー店前のバス停で爆発。黒いポリ袋の中に隠された爆弾の榴霰弾を胸と腹に受け、タワチャイ・トングマック(51)が死亡。ソムバット・タングシリパニット(46)、ソムチャイ・イアムプラチャー(37)チャヌ(24)、プアン・ポーンニテート(37)、バスの運転手のウィーラサック・セーテー(40)などビルマ人の女を含む男女約11人が重軽傷。爆発があったのは04~05月にタクシン派のデモ隊が占拠した場所で、セントラル・ワールド北端の伊勢丹の道路を挟んだ向かい。警察は現場で3個の乾電池、ソフトドリンク缶、電線と電子回路を見つけ、「ゴミ箱に仕掛けた爆弾が目覚まし時計によって爆発した。」と見て、現場を封鎖し捜査を進めている。
タイでは東北部、北部の住民とクルングテープの低所得者層を中心とするタクシン派と、主に特権階級、クルングテープの中間層からなる反タクシン派が国家を2分する政治抗争を続けている。今年03~05月にはタクシン派のデモ隊と治安部隊がクルングテープで衝突して市街戦状態になり、90人近くが死亡、1400人以上が負傷。
多数の死傷者を出したタクシン派による反政府デモ・暴動後初の国政選挙として注目を集めたタイ下院クルングテープ6区補欠選の投票が行われ、タイ選挙委員会の集計速報によると、与党民主党公認のパニット元クルングテープ副都知事 (46)が9万6480票を獲得し、タクシン派野党プア・タイ党のコーケーウ(45)の8万1776票に約1万5000票差をつけ勝利。投票率は49.5%。
今回の補欠選は民主党下院議員の病死に伴うもの。民主党はコーン財務相、アピラック前クルングテープ都知事といった人気者をパニットの応援に送り、追い上げるプア・タイ党を振り切った。コーケーウはタクシン派デモの指導者として05月下旬に逮捕され、獄中から出馬し、本人による選挙活動は行えなかった。
プア・タイ党は選挙結果について、「クルングテープに非常事態宣言が発令されている上、民主党政権が選挙区に兵士を送り込んで圧力をかけるなどし、公平ではなかった。」と主張。ただ、敗北はしたものの、予想以上の善戦で首都で根強い支持があることを見せつけた形。
07月26日(月)テロ罪に問われている反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のチャトポン、プア・タイ党議員が、「法務省特別捜査局(DSI)局長の妻が脱税を手助けすると称して実業家から15万Bを受け取った。」と主張している問題で、タリットDSI局長は、これを全面的に否定し、チャトポン議員を告訴する構えを示した。
チャトポンによれば、「タリット局長の妻は、170万Bの納税を求められている実業家から、『国税局幹部に知り合いがいる。納税せずに済むよう便宜を図る。』と約束し、2008年07月21日に15万Bを受け取った。その後、税務署から納税を求める督促状が届いたことから、実業家が『話が違う。』と返金を求めたが、妻はこれに応じなかった。」とのこと。
タリット局長は、「テロ罪に問われたことに対する腹いせ。文句があるなら、私に直接言うべき。家族を巻き込むな。」と、強く反発。なお、「局長の妻は、国税局に勤めていたが、タリットがDSI副局長のときにDSIに異動となり、タリットの局長昇格に伴い、法務省内の他の部署に異動した。」とこと。
国家警察本部は、前日夕方にビッグCラーチャダムリー店前のバス停付近で爆発が発生した事件に絡んで、犯行にM67を利用した時限発火式の爆発物が使用されていた可能性が極めて高いことを明らかに。「同様な形状の爆発物は、今年04月から05月にかけて首都圏警察本部ナーンルン署管内及びコークラーム署管内で発生した2件の爆発事件でも使用されていた。」という。
現場となったビッグCラーチャダムリー店前を含むラーチャプラソン交差点を占拠し集会活動を展開していた反独裁民主主義同盟及び赤服軍団と今回の犯行との関連性に関しては言及されていない。
また、付近に設置された監視カメラの記録映像から犯行に関係している疑いがある不審な男が浮かび上がっている事を明らかに。首都圏警察本部第5分署によると、「付近にある5台の監視カメラ映像から、爆発物が仕掛けた時点から30分後に起爆するように設定されていた疑いが強い。」という。
タクシンは61歳の誕生日を迎え、生まれ故郷のタイ北部チエンマイで、家族・親族や支持者が仏教儀式を行った。国外逃亡中のタクシンは、会場の寺に国際電話をかけて謝意を伝えたほか、ミニブログのツイッターに「11万6814人のフォロワー(読者)の皆さんに感謝します。」、「61歳になりました。もう歳です。」また、ツイッターでタイ国内の支持者に対し、「誕生日を祝ってくれたことに感謝する。」と述べ、「過激な手段には賛成できない。」と明言。非暴力に努めるよう呼びかけた。
タクシンは、首相時代の職権乱用で禁固2年の有罪が2008年11月に確定したが、判決を不当とし、帰国して刑に服すことを拒んでいる。
また、ツイッターの中でタクシンは、「タイで良いことが起きるよう望んでいる。タイに愛と平和がもたらされるよう協力する用意がある。」、「暴力に訴えないでほしい。わたしは暴力は好まない。容認できない。」などと述べている。
なお、タクシン派の反政府活動は、デモ隊が暴走、暴力事件に発展することがしばしばで、タクシン派が、これを容認、「強み」としているとの見方もある。また、ことあるごとにデモ隊を煽って来たのがタクシンであることから、「非暴力の呼びかけ」は対しては、「単なる建て前。」、「保身のために武闘派と距離を置こうとしたもの。」といった指摘も出ている。
07月27日(火)プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「赤服軍団の排除を意図したものである。」として、政府が計画している第7歩兵部隊本部のチエンマイ県への設置に反対を表明。
プロームポン報道担当は、「設置に10億B以上の無駄な予算支出が強いられるだけでなく、設立の背景に北部地区の赤服軍団や反政府派の排除がある。」と指摘し、「アピシット首相は指導者らしさを発揮してこの計画を白紙撤回させるべきである。」と述べた。
反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)が、「国境地帯の世界遺産カオ・プラウィハーンと周辺地域を管理する。」とのカンボジア案に強く反対している問題で、アピシット首相は、同案を拒否する姿勢を再確認し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会(WHC)が同案を受け入れた場合、タイ政府が委員会に協力しない方針を明らかに。
ブラジルで開催中のWHCでは、「国境未画定区域4.6?を含むカオ・プラウィハーン周辺地域もカンボジアが管理する。」との案が取り上げられることになっているが、タイ政府は、「カオ・プラウィハーン周辺地域の領有権を巡ってカンボジアと争っている最中であり、カンボジアが管理することは許されない。」としている。
PADは、約1000人を動員して都内スクンビット通のユネスコ・タイ支部の前で抗議集会を行い、カオ・プラウィハーンの世界遺産認定とカンボジア案の見直しを求める要望書を担当者に提出。
都内ラーチャプラソン交差点地域のビッグC前での爆発で市民が死傷する事件が起きたことを受け、アピシット首相は、「少なくともクルングテープでは非常事態宣言を継続する必要がある。」との認識を示した。
非常事態宣言は現在、1都15県に適用されている。ただ、「クルングテープ以外の地域については、早い段階で宣言が解除される可能性がある。」という。
25日の事件では、バス待ちのタワチャイ・トングマック(51)が死亡、10人ほどが重軽傷を負った。
アピシット首相は、「危険な行為を訴える者がいる以上、当局はこれを止めさせる必要があり、法的手段(非常事態宣言)が不可欠。」としている。また、「事件が起きたのが、クルングテープ6区下院補欠選の結果が明らかになる直前だったことから、選挙との関連性についても調査する必要がある。」とのこと。
タイ・ホテル協会(THA)のプラキット会長によれば、都内ラーチャプラソン交差点界隈で市民1人が死亡する爆弾事件が起きたことから、観光業の完全回復が来年後半にずれ込むとの見方。
2ケ月に及んだ反政府活動も05月19日に終結し、その後、大きな事件が起きていなかったことから、タイを訪れる外国人も増加する傾向にあった。だが、プラキット会長は、「完全回復は、年内を期待していたが、事件が起きたことで、来年前半も望めない状況。」と説明。
「とりわけ事件のあったラーチャプラソン交差点界隈に位置するホテルは再び利用者が大幅に減少する恐れがある。」という。なお、今年上半期における協会加盟の主要ホテルの客室稼働率は、平均51%で、前年同期の49%をわずかに上回っていた。
チュムポン観光・スポーツ相は、日系大手旅行代理店と会談後、「国内政治情勢がタイの観光業に非常に影響を及ぼしていたことがわかった。」と明かした。以前起きた国内情勢悪化の影響で、日本の旅行代理店が観光先をタイから隣国に移していたが、「今後旅行代理店の多くは、タイへの観光ツアーを再びプロモーションを行っていく。」と語っていた。
またチュムポン観光・スポーツ相は、25日に起きたビッグCラチャダムリー店前での爆発事件について、「観光業への影響はない。」と強調。
法務省特別捜査局(DSI)のタリット局長は、「タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部など、大規模反政府活動に関連して逮捕されたテロ容疑者26人が30日にも送検される。」との見通しを明らかに。
これらUDD幹部は、「04~05月にかけての大規模反政府デモの最中に起きた銃撃・爆弾事件などに直接・間接的に関与した。」として逮捕された。UDD幹部の弁護士は、「テロ関与を示す明確な証拠はない。」として拘留に抗議している。一方、DSI関係筋によれば、「UDD首脳部に近い者などからの情報提供もあり、容疑を裏付ける証拠が集まっている。」とのこと。
関係筋によれば、警察本部長が不在という異常事態が10ケ月に及んでいるが、ここに来て、ウィチエン副本部長が新本部長の最有力候補として浮上。
警察本部長選びが難航したのは、警察幹部の人事権を有す警察委員会とアピシット首相など政府首脳との意見が対立したことによるもの。
また、これまでは政府の推すパティープ本部長代行(今年9月末に定年退官)が次期本部長との見方が強かったのだが、警察の規定で、本部長就任時に残りの任期が6ケ月以上であることが条件とされており、パティープの起用は不可能となった。
関係筋によれば、「ウィチエン副本部長は特に目立ったところはないものの、政治的には中立で、政府に楯突くこともなく、アピシット首相やステープ副首相に気に入られている。」とのこと。
1都15県に適用されている非常事態宣言について、人権活動家らや野党プア・タイ党が、以前から「国民の権利を制限するもの。」と批判して解除を求め、政府特別委の国民和解委員会(委員長・アナン元首相)も先に「国民和解の障害」との認識を示し解除を政府に進言したが、25日にクルングテープ中心部で一般市民1人が死亡、10人が重軽傷を負うという爆弾事件が起きたことから、少なくともクルングテープ都に関しては、治安対策のさらなる強化が必要となっており、宣言解除がさらに遠のいたとの見方が支配的。
また、今回の事件では、「非常事態宣言の継続を正当化することが狙い。」といった政府支持派・反タクシン派犯行説がプア・タイ党などタクシン派陣営から出ている。
一方で、アピシット政権を窮地に追い込もうとした見られる爆弾事件が過去に何度か起きていることから、「一般市民を巻き込んでまでも政情不安を煽ろうとするのはタクシン派のいつもの手口。」とする見方も出ている。警察によれば、爆発物は、目覚まし時計に連動して電気仕掛けでM67破片手榴弾を爆発させるというものだった。
爆弾内のリード線の配線の仕方が、04月03日と05月14日に爆発前に処理された爆弾と同じだったという。手榴弾は、半径約15mの範囲に殺傷能力のある破片が飛散する。なお、最南部で起きている爆弾テロはほとんどが起爆装置に携帯電話が使われており、今回の事件にイスラム過激派が関与している可能性は低いとされる。
05月14日にクルングテープのラマ4世通りで被弾したタイ人男性(71)が07月27日、入院先の病院で死亡した。男性は屋台で食事していた際に、タクシン派の市民と治安部隊の衝突に巻き込まれ、流れ弾に当たった。タクシン派の野党プア・タイ党によると、03~05月のタクシン派反政府デモによる死者は男性を含め計91人になった。
07月28日(水)マティチョン紙によると、反独裁民主主義同盟パヤオ支部は、政権を握った民主党が野党だった時代から主張していたカオ・プラウィハーン遺跡の世界遺産登録反対に全面支持を表明し、「政権がカオ・プラウィハーン遺跡の世界登録遺産登録の阻止に成功した場合は民主党に合流し党員増に寄与する用意がある。」と明らかに。
パヤオ支部のシリワット調整役は、「民主党が政権を握った今こそ野党時代から主張していた1962年のカオ・プラウィハーン遺跡周辺の国境策定の無効化及びカオ・プラウィハーン遺跡の世界遺産登録阻止、カオ・プラウィハーン遺跡のタイへの取り戻しを実現させる機会である。」と指摘し、「カオ・プラウィハーン遺跡の世界遺産登録阻止に失敗した場合は、国内対立を煽らないためにも2度とカオ・プラウィハーン遺跡問題を総選挙の材料として持ち出すべきではない。」と述べた。
プア・タイ党所属下院議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、法務省特別捜査局のターリット局長夫人のワンサモン(元国税局職員)が、実業家のティラチャイが絡む追徴課税案件の揉み消しの口きき料として15万Bを受け取っていた事を裏付ける証拠を公開。
公開された証拠は15万Bが2008年07月21日にターリット局長夫人のワンサモンの口座宛に振り込まれた事を裏付ける振り込み証書で、チャトポンによると、「170万Bの追徴課税案件の揉み消しの口利き料としてワンサモン宛に振り込まれたものだ。」という。
一方、収賄疑惑を指摘されたワンサモンは、顧問弁護士を通じてチャトポンを相手取った名誉毀損訴訟を刑事裁判所に提訴。
なお、チャトポンは、「ワンサモンが名誉毀損訴訟を提訴した場合は、虚偽の告発により名誉を傷つけられたとして反訴する考えである。」と明らかにしていた。
タリット法務省特別捜査局(DSI)局長の妻のワンサモンが「納税せずに済む。」と持ちかけて実業家のティラチャイから15万Bを受け取ったとされる問題で、、ワンサモンが疑惑を暴露したチャトポン、プア・タイ党議員を名誉毀損で訴えたことを受け、ティラチャイがプア・タイ党の開いた記者会見で、「局長夫人に15万Bを渡したのは事実。」と反論。ティラチャイによれば、2008年に国税局から税未納分170万Bの納入を求められたことから、息子の友人の兄弟でタリット局長のいとこでもある弁護士に相談。弁護士のつてでワンサモンに会ったところ、「納税者データベースを改竄すれば納税せずに済む。」と言われ、要求通りに15万Bを送金。だが、2009年 に国税局から再び納税を求める督促があったことから、「話が違う。」と返金を求めたものの、ワンサモンが無視。このため、プア・タイ党に助けを求めたものという。ティラチャイは、「送金の控えがある。」としているが、これについて、ワンサモンの顧問弁護士は、「控えが存在し、受取人がワンサモンさんであることは承知している。だが、これは、詳しく説明できないが、正当な手数料として受け取ったもの。」と、「違法性はない。」と説明。
午後クルングテープ都バーンポーンパーン区サートゥプラディット通りソイ34にある繊維工場前の公衆電話ボックスに、不審物が置かれ爆発物処理班が出動する事態となった。
タイ地元紙によると、「この不審物は爆弾に似ていたが、特に爆発するものではなかったことがわかっており、騒動目的により何者かが仕掛けたもの。」と見て捜査が進められている。
アピシット首相は、 「国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会(WHC)が、タイ・カンボジア国境にある世界遺産カオ・プラウィハーンと周辺地域をカンボジアが管理するとの案を受け入れた場合、タイがWHCを脱退する可能性がある。」と明言。
現在ブラジルのブラジリアで開催中の同委員会でカンボジア案が承認されるとの見方が有力とされるが、タイは、周辺地域に国境未画定区域4.6?が含まれることから、カンボジアの領有権を認めることに繋がると懸念を強め、同案に反対する姿勢を示している。
都内サイアムスクエアの宝石店「サイアム・ジュエリーセンター」が、反政府デモ隊に盗まれた宝飾品500万B相当が法務省特別捜査局(DSI)の保管中に紛失したと訴えていたが、、保管物の中から指輪、イヤリング、ブレスレットが見つかり、DSIから宝石店に返却された。ただ、これら3点は、約500万Bということだったが、実際には10万B程度のものだった。
サイアム・スクエアやラーチャプラソン交差点界隈などでは、05月19日の反政府活動終結宣言に伴い、暴徒化したデモ隊が放火・略奪を働き、大きな被害が出たが、この宝石店は、「宝飾品約80点をデモ隊に盗まれ、そのうち警察がデモ隊から回収したものがDSIの保管中に紛失した。」と主張していた。DSIは当初、「保管物リストに記録がない。」としていたが、「詳しく調べたところ宝飾品が出てきた。」という。
法務省特別捜査局(DSI)は07月29日にも、国外逃亡中のタクシンを反政府活動に関連したテロ容疑で送検する予定。「2ケ月に及んだ反政府デモのさなかに起きた銃撃・爆弾事件などに直接・間接的に関与した。」として、捜査当局はタクシンや所在不明の5人を含め計26人を送検することにしている。
タリットDSI局長は、「われわれが送検を急いでいるのは事実。だが、非常に慎重に手続きを踏んでいる。」と説明、また、「(早期の送検で早い段階での)起訴となれば、外国にタクシンの身柄引渡しを要求しやすくなる。」との見方を示している。
タイ人俳優優で歌手のポンパット・ワチラバンチョン(50)が公の場でプミポン、タイ国王のことを「お父さん(タイ語で「ポー」)」と呼び、タイの演歌歌手に不敬罪で告発された問題で、警察は学識者と弁護士から意見聴取した結果、「ポンパットの発言は国王への忠誠心を示したもので問題はなかった。」として、捜査を打ち切った。タイには不敬罪があり、国王夫妻、王位継承者、摂政に対する批判は重い刑事罰の対象となる。
ポンパットは05月16日、タイ放送業協会が放送関連の業績を称えるナータラート賞の授賞式で助演男優賞を受賞し、壇上で「ポーは今も、この家の面倒をみて、家族の幸せを守るため、苦労している。」、「ポーを非難し、嫌い、家から追い出そうとしている人がいるが、『出て行け。』と言いたい。なぜならここはポーの家だから。」、「私は国王を愛しています。命を国王に捧げる!」などとスピーチ。会場の俳優、歌手らの多くは立ち上がって拍手を送り、涙ぐむ人もみられた。授賞式の様子はテレビで生中継されて大きな反響を呼び、動画投稿サイト、ユーチューブに投稿されたこのスピーチの再生回数は200万回近くに上っている。
タイでは2005年の下院選で議席の75%を占めたタクシン政権(2001~2006年)が2006年、軍事クーデターで追放され、以来、タクシン政権の低額医療制度やマイクロファイナンスなどで恩恵を受けた低所得者層、東北・北部などの地方住民がタクシン派、タクシン氏を反王室、腐敗政治家と批判する特権階級、クルングテープの中間層が反タクシン派という大まかな色分けで、政治闘争が続いている。今年03~05月にはタクシン派のデモ隊と治安部隊がクルングテープで衝突して市街戦状態になり、90人近くが死亡、1400人以上が負傷した。ポンパットさんは反タクシン派団体、民主主義市民連合(PAD)の支持者で、PADの集会で度々登壇し、タクシンを非難。
タイの支配階級は長年、「国民は国王の良き子ども」、「タイは平和な家族・農村国家」というイメージをテレビCMなどで国民に刷り込んできた。しかし、経済・社会格差の拡大と、タクシン政権時の直接的な地方・貧困層支援策による政治的な覚醒で、一部ではこうした幻想が崩れた。タイ統計局によると、昨年、所得が最上位10%の世帯は月の平均所得が1人2万6678B(約7万1500 円)だったのに対し、最下位(10位)グループは月1169B(約3100円)だった。
07月29日(木)アピシット首相は、タイの全76都県中、クルングテープ都など16都県に発令している非常事態宣言を、東部チョンブリ、中部アユタヤ、東北部ノンブアラムプー、マハーサラカム、ムクダハン、チャイヤプームの6県で解除したことを明らかに。
非常事態宣言は5人以上の集会禁止、容疑なしでの30日間の身柄拘束、報道統制などを合法化するもので、タクシン派の大規模な反政府デモを受け、04~05月に24都県に発令され、今月20日までに8県で解除されていた。発令が継続されるのは、クルングテープ都、中部ノンタブリー県、パトゥムタニー県、東部サムットプラカン県、北部チエンマイ県、チエンライ県、東北部ウボンラチャタニー県、ウドンタニー県、ナコンラチャーシーマー県、コンケン県10都県となった。
ただ、「クルングテープに関しては、先に市民1人が死亡、10人が重軽傷を負う爆弾事件が発生し、治安当局が懸念を強めていることから、宣言の解除は当分ない。」との見方が支配的。
非常事態対策本部の最高責任者、ステープ副首相(治安担当)は、「クルングテープと近隣県では、いまだに不穏な動きが報告されている。速やかな容疑者の逮捕、身柄拘束、取り調べを可能にし、事件の再発を防止するため、非常事態宣言の継続が必要。」と説明。
法務省特別捜査局は、タクシン及びウィーラ・ムシッカポン、ナタウット・サイクア、チャトポン・プロームパン等反独裁民主主義同盟幹部・同関係者26人をテロ及び同補助で送検する方針を決定。送検後に検事総局が専門委員会を設置し訴追の是非に関する検討を行う事になる。また、送検対象になった者には検察に対して異議申し立てを行う権利が認められている。
クルングテープ中心部で爆弾が爆発し、市民1人が死亡、10人あまりが重軽傷を負った事件について、タイ商工会議所(TCC)のドゥシット会頭は、「事件が起きたことは、状況が正常化していないことを示している。政府が治安を回復できなければ、経済にも影響が及びかねない。」と懸念を表明。
事件は、まだ犯人が特定できていないが、政治対立に絡んだものとの見方が支配的。「観光業が再び落ち込む。」との指摘もある。これについて、ドゥシット会頭は、「関係者は誰も、被害がどの程度になるかを口にしたがらない。それを明らかにすれば、またタイ人・外国人観光客に不安を与えてしまうからだ。」と述べた。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会(WHC)が、現在ブラジルの首都ブラジリアで開催中の第34回会議で、タイ・カンボジア国境地帯の国境未画定区域を含む地域をカンボジアが管理するいう提案を承認するとの見方が強まっていることから、これを阻止すべく、カシット外相が、同案に反対するタイの姿勢を説明した書簡をWHC委員国に送付。
この中で、カシット外相は、「タイとカンボジアは、国境線画定でまだ合意していない。この時点で、国境未画定区域の管理をカンボジアに任せることはできない。」と指摘。
なお、世界遺産委員会は、世界遺産条約締結国のうち21ケ国が委員国を務める機関で、委員国の任期は6年となっている。
最高裁判所は、タクシンが閣僚に義務づけられた資産報告で不正申告をしたとされる事件の初公判に本人も代理人も出廷しなかったことから、タクシンの逮捕状を発行。
最高裁は今年02月、タクシンに不正蓄財などがあったとして一族の凍結資産の約6割、460億Bあまりの没収を命ずる判決を下したが、不正蓄財が資産報告に含まれていなかったことから、不正申告でも起訴されることになった。
なお、タクシンは首相時代の職権乱用で2008年11月に禁固2年の有罪が確定しているが、判決を不当とし、帰国して刑に服すことを拒んでいる。中東のドバイが活動拠点とされるが、頻繁に居場所を変えており、現在の所在も不明。
民主党のチュワン顧問団長(元首相)は、憲法違反との訴えが選管に提出されたことに対し、「違反がないことを説明、証明する用意がある。」と反論。
憲法は、上院・下院議員が政府機関の役職に就くことを禁じているが、ルアンカイ上院議員は先に、「チュワンが国立大学2校の理事を務めているのは憲法違反。」として、選管に法的措置をとるよう求めた。
なお、ルアンカイ議員は、歯に衣着せぬ発言で知られており、これまでにも何度か国会議員や政治家を告発したことがある。
ブラジルで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は、2008年に世界遺産に登録されたカンボジアの山上遺跡カオ・プラウィハーン(プレアビヒア)の管理計画の検討を来年に先送りした。カオ・プラウィハーン周辺の土地の領有権を主張するタイが「管理計画の承認で国土を侵犯される恐れがある。」として強硬に反対したため。タイとカンボジアの関係は国境紛争に加え、タイの現政権と対立するタクシンへのカンボジアの接近で冷え切っており、当分は「冷戦」が続く見通し。
タイ政府は世界遺産委員会に対し、カオ・プラウィハーンの管理計画が承認されればユネスコからの脱退も辞さないと強い姿勢で警告。また、2008年末の空港占拠で知られる反タクシン派団体、民主主義市民連合(PAD)が27日、クルングテープのユネスコ事務所前で数百人規模の抗議集会を開き、計画反対を訴えた。PAD幹部は28日にタイのアピシット首相と会談し、カオ・プラウィハーン周辺のカンボジア軍を武力制圧するよう提案したが、さすがにこれは首相に拒否された。
カオ・プラウィハーンはカンボジアのクメール王国が09~11世紀に建立したヒンドゥー寺院遺跡。タイ、カンボジア国境のがけの上にあり、タイ側からしかアクセスが困難だが、両国が領有権を争った末、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。ただ、周辺の国境は未画定のままで、カンボジアが世界遺産登録を申請した際に、タイは共同登録を主張して横やりを入れた。登録後はプレアビヒア周辺で両国軍の小競り合いが度々起き、双方に死者が出ている。国境紛争に加え、カオ・プラウィハーンは昨年、タイで汚職で懲役2年の実刑判決を受け国外逃亡中のタクシンをカンボジア政府顧問に任命。タクシンが同年11月にカンボジアを訪れ、タイ、カンボジアの双方が大使を召還する事態に発展。
07月30日(金)01:20頃クルングテープ都ラーチャテーウィー区ソイ・ランナムのキングパワー・コンプレックスの近くで、爆発が発生し付近にいた30歳から40歳位と見られる男性が重傷、駐車中の車1台が破損。タイ地元紙によると、「爆発時男性は廃品回収をしており、仕掛けられていた爆弾が入った袋を開け、爆発させてしまったもの。」と見られている。
30代から40代と見られるこの男性は、頭部・胸部に破片を受けており、18時現在、意識不明の重態。
マリニ副都知事は、「この時期はどこに行くにも警戒を怠らないでほしい。また、爆弾を設置できそうな危険な場所を見かけた場合にはすぐに都庁まで連絡してほしい。」と呼びかけている。
現場はキングパワー・コンプレックスの正面で、「爆発物は付近にある立木の下に仕掛けられていた。」と見られている。
爆発があったのは大型免税店キングパワーの向かい。ランナム通りはタイ人に人気の飲食店街だが、免税店のほか、高級ホテルもあり、外国人の旅行者、在住者も多い。クルングテープ都では25日にも、都心のバス停で爆弾が爆発し、1人が死亡、10人が重軽傷。
現場から約200m離れた地点で車を駐車し仮眠中だった、爆発を通報したタクシー運転手(37)は、「爆発が発生した際、急発進する緑のタクシーを目撃した。」と証言。「爆発発生直後に負傷した男性の近くに駐車してあったタクシーが急発進していったが、爆発に驚き現場から避難するために急発進したのではないか。」という。
警察によると、「今回使用された爆弾は支那製またはロシア製の手榴弾を改造した爆発物が犯行に使用された。」と見られている。
刑事裁判所上訴法廷は、03~05月にクルングテープで大規模な反政府デモを行ったタクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の議長で05月20日に逮捕されたウィーラ元副内相が保釈された。保釈保証金は600万B。都外・国外の移動禁止、親族を除く5人を超える集会参加の禁止、15日毎に出頭義務がある。
ウィーラはUDDの議長を務めたが、非暴力や政府との対話路線を主張して他の幹部と対立し、デモの終盤では集会場から姿を消していた。裁判所はウィーラが暴力的なデモに参加していないこと、治安当局に投降したことUDD幹部の捜査を進めている法務省特捜局がウィーラの保釈に反対していいないことなどを理由に保釈を認めた。
また、控訴裁判所は、「同様の容疑で拘留中のUDD幹部10人の拘留期間を08月13日まで12日間延長する。」との法務省特別捜査局(DSI)の請求を承認。
同盟顧問弁護士のカーロム・ポンタクラーンによると、「08月03日にコーケーウ・ピグントーンとウェーン・トーチラーカーンの保釈を申請するのを手始めに順次拘置中の同盟関係者の保釈申請を行い、最後にナタウット・サイクアの保釈を申請する方針だ。」という。
ステープ副首相(治安担当)は、未明にクルングテープ中心部で再び爆弾事件が発生したことに対し、「治安機関は連携ができていない。状況の変化に対応し切れていない。非常事態対策本部はこれら機関の仕事ぶりを快く思っていない。」と不満を表明。非常事態対策本部は、非常事態宣言下の管理機関で、ステープ副首相が最高責任者。
爆発で負傷した、廃品回収で生計を立てている30代の男性は、飛散した破片などで脳、眼球、肺を損傷しており、意識不明の重体という。捜査当局は、犯行に使用されたのは支那製M59手榴弾とみている。
また、相次いで起きた爆弾事件については、「タクシン派など反政府勢力が、市民を不安に陥れ、アピシット政権への信頼を失墜させようとしたもの」といった見方が多いようであるが、プア・タイ党などタクシン派は、過去の銃撃・爆弾事件同様、「政府が強力な治安態勢を維持し強権を発動できるよう、軍や警察の関係者が事件を起こした可能性がある」との主張を繰り返している。
夜半カンボジアと国境を接するシーサケート県ガントララック郡中心部で、カンボジアによるカオ・プラウィハーン遺跡の世界遺産登録反対、カオ・プラウィハーン遺跡のタイへの返還、国境紛争地からのカンボジア人の撤退等を訴えていたグループに向け爆発物が投げ込まれ、たまたま通りかかったサムローの運転手1人が負傷。
調べによると、グループが郡内中心部にある行政庁裏手に演台を設置し集会活動を展開していた際に、バイク3台に分乗して現れたグループの内の1人が演台に向け爆発物を投げ込んだ。使用された爆発物の種類に関しては明らかになっていない。
07月31日(土)昼過ぎ首相官邸の敷地内で不発のM79が発見され回収処理が行われた。
クルングテープ行政当局の清掃作業員が官邸内のナリーサモーソン・ビル裏手のサンティマイトリー館近くの下水溝を掃除していたところ、排水パイプの中から擲弾M79が1個(2個との報道も)発見された。外部から発射装置を使用して撃ち込まれたものと見られている。警察は、「反独裁民主主義同盟の集会期間中に首相官邸に向け撃ち込まれた可能性もある。」と見て捜査を進めている。
マスコミ各社が首相官邸周辺の警察署に問い合わせた限りでは、「前日から当日未明にかけてM79が首相官邸に向け撃ち込まれたとの通報は寄せられていない。」という。
法務省特別捜査局のターリット局長は、反独裁民主主義同盟議長のウィーラ・ムシッカポンの保釈が認められた背景に、「コープサック首相付秘書官長の裁判所での証言がある。」と伝えられている事に関して、「事実である。」と認めた上で、「何れにしても今回の保釈が既に送検済みのテロ案件に影響を与える事はない。」との認識。
これに先立ち、「コープサック秘書官長が裁判所で『ウィーラは過激派ではない。』と証言した事がウィーラの保釈決定に繋がった。」と報じられていた。コープサック秘書官長は、当時民主党所属だったウィーラが第1次チュワン政権に副内務大臣として参画していた際に、ウィーラのワーキングチームの一員だった。
プア・タイ党下院議員団長のチャルーム・ユーバムルン警察大尉は、現政権は強力なバックに支えられ少なくとも来年04月まで存続するとの考えを示し、今年末までに解散するとの党所属議員の大方の見方を否定。
チャルームは、「軍幹部人事及び来年度予算編成の終了を根拠に今年末までに解散があるとの党所属下院議員の大方の予測は根本的な要因を見逃したものである。」、「現政権には後ろで支えている要因が存在している事を忘れるべきではない。」と述べた。
チャルームによると、「議会が解散され次第、自らが党の代表としてチャート・タイ・パッタナー党やルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナー党等と次期政権組織に向けた話し合いに乗り出す考えだ。」という。
反独裁民主主義同盟元幹部で現在国外逃亡中のチャクラポップ・ペンケーは、「タクシンが赤服軍団との政治的共闘関係を清算する方向で検討している。」との認識。
これは国外メディアとのインタビューの中で語られたもので、チャクラポップはその理由として、タクシンがメリットをキーに今後の政治活動の方向性の見直しを進めていると確信していること、また赤服軍団には新たな資金支援者が既に存在しタクシンや一族等からの支援に依存する必要がなく、タクシンも赤服軍団の支持者としてこれまで活動していた事をあげた。また、多大な損害をもたらした今年05月の騒乱に関しては、「全て集会参加者をしっかり掌握していなかった『舞台上の幹部』によって引き起こされたものである。」と指摘。
カンボジア政府が「国境地帯に位置する世界遺産カオ・プラウィハーンと周辺地域を管理する。」と提案し、これにタイが強く反対している問題で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会(WHC)はブラジルの首都ブラジリアで開催中の第34回会議で、カンボジア案に関する決定を見送り、来年バーレーンで開かれる次回会議で改めて同案を取り上げ、審議することにした。
カンボジアが管理するとしている周辺地域には、国境未画定区域4.6?が含まれることから、タイは激しく反発、WHCを脱退する構えも示していた。
関係筋によれば、①カンボジアが地図でなくイラストで「周辺地域」を説明したこと、②カンボジアがカオ・プラウィハーンに大型兵器を持ち込んだ証拠があること、③国境未画定区域に関するタイ・カンボジアの覚書が提出されなかった事などを考慮し、WHCはカンボジア案の決定を先延ばしにすることにした。」とのこと。
23時半過ぎから
00時過ぎ
チョンブリー県県都内中心部2箇所で連続して爆発物と思われる不審物が発見され、回収処理が行われる騒ぎ。パタヤ地区を除くチョンブリー県を対象に施行されていた非常事態宣言が2日前に解除されたばかりだった。
不審物が発見されたのは、県都警察署から約50m離れたチャルームタイ交差点近くと、そこから約300m離れた地点の2箇所。何れも爆発物に見せかけた偽爆弾である事が確認されている。
警察は、「非常事態宣言が解除された機会を狙った情勢扇動目的の犯行の可能性もある。」と見て捜査を開始。
08月01日(日)カンボジアが国境未画定区域を含む世界遺産カオ・プラウィハーン周辺地域の管理を世界遺産委員会(WHC)に申し出ていた問題で、WHCがカンボジア案の決定を来年に先延ばししたことを受け、アピシット首相はテレビ番組で、「十分な準備期間があるので、(来年は)有利に交渉を進められる。」との見通し。
カンボジア案について、WHCは、タイが反発しているため、第34回会議での決定を見送り、来年バーレーンで開催される第35回会議で改めて取り上げることにした。
アピシット首相によれば、タイはカンボジア案のコピーを入手しており、これをじっくり検討して対抗策を打ち出す方針。
国境未画定区域4.6?に近接する古代寺院跡カオ・プラウィハーンは、長年2国間の領土紛争の原因となっていたが、2008年07月、タイ国内で反タクシン派が反発する中、当時のタクシン派・サマック政権が異議を唱えることもなくカンボジアの単独申請が受け入れられ、世界遺産に認定された。
また、反タクシン派の民主党は、これまで表立って世界遺産認定を批判することはなかったが、カンボジアが周辺地域の管理をWHCに提案したことから、「カオ・プラウィハーンを足がかりに国境未画定区域をも実効支配しようとしている。」と危機感を募らせ、同案を阻止すべく、WHC脱退の構えを示すことになった。
なお、現カンボジア政権は親タクシンであることから、カンボジア案については、「民主党政権に揺さぶりをかけることが狙い。」との見方も一部で出ている。
プーチャカーン紙によると、プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「アピシット首相は、国家レベルの専門委員会を設置してカオ・プラウィハーン遺跡問題の解決に取り組むべきである。」と述べた。発言の中でプロームポン報道担当は、「カオ・プラウィハーン遺跡問題は国家的な問題である。」「各界からの意見を吸収すると共に国益保護に向けた戦略を練るために国家レベルの委員会の設置が必要である。」と述べた。
先に国外メディアとのインタビューの中で、「『赤服軍団には既に新たな資金提供者が存在している。』と発言していた。」と国内で報じられていた、反独裁民主主義同盟元幹部で国外逃亡中のチャクラポップ・ペンケーが、オーストラリア放送協会のLatelineのキャスターと秘密の場所で行われたインタビューの中で、「国外の支援者が赤服軍団による政府打倒を目指す活動を資金支援している。」と語っていた事が01日までに明らかに。
チャクラポップは、「赤服軍団がタイ国内からと同様に国外からも資金支援を受けているということなのか。」との質問に対しては、「特に国外から資金支援を受けている。」と答えた。また、チャクラポップはインタビューの中で、「タクシンが依然赤服軍団の強力なシンボルとして存在しているとしたが、タクシン自身に関しては、既に赤服軍団の活動以上に自分のための次の対応について考え始めている、即ち赤服と共闘する価値の再評価をタクシンが進めている。」との認識を示し、「タクシンが赤服軍団との共闘からの離脱を考えている。」との考えを示した。
03~05月にクルングテープで大規模な反政府デモを行ったタクシン支持派が徐々に活動を再開しつつある。07月30日にはタクシン派の野党で下院第1党のプア・タイ党が北部ラムプーン県で、31日には同じく北部のカムペンペット県で政治集会を開き、支持者数千人が集まった。プア・タイ党が08月01日、クルングテープ都の隣のサムットサコン県で開いた集会には国外逃亡中のタクシンが国際電話をかけ、集まった支持者に対し、「正義と民主主義のために戦い続けよう。」などと呼びかけた。
タリット法務省特別捜査局(DSI)局長の妻のワンサモンが脱税の便宜を図ると約束して実業家から15万Bを受け取ったとされる問題で、タリット局長は、妻のワンサモンの口座に送金のあったことを認めた。だが、「正当な税務相談料で違法な点はない。」との見方を示した。
実業家のティラチャイは、2008年に前年の収入約500万Bに対し170万Bの納税を求められ、弁護士らに相談し、そのつてで当時国税局職員だったワンサモンから、「局の幹部に働きかけ、納税者データを改竄すれば納税せず済む」と持ちかけられ、15万Bをワンサモンの口座に送金。だが、2009年に再び国税局から納税の督促があったため、「話が違う。」と返金を求めたが、拒否された。
なお、この事件については、過去に政府汚職対策委員会に報告があり、調査が行われたが、「ワンサモンの税務管轄地域はパトゥムタニー県。都内バンカピ区の実業家の会社の納税については職務権限がなかった。」として、お咎めなしとされている。
クルングテープ中心部ラーチャプラソン交差点界隈で爆弾が爆発し、1人が死亡、10人が重軽傷を負った07月25日の事件で、捜査担当者が捜査の進み具合について意見を交換。その結果、爆弾に類似点が多いことから、過去に起きた事件と同一犯との見方が大勢を占めた。
事件発生当初から「配線の仕方が同じ。」といった指摘が出ていたが、首都圏警察首脳は、「05月に都内で駐車中の乗用車内から見つかった爆弾、最近報告された事件5件に使われた爆弾、今回の事件に使用された爆弾は、いずれも作りが同じ。」と指摘。「犯人グループは、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の武闘派カティヤ陸軍少将(狙撃され死亡)と繋がりがあった可能性が高い。」という。
また、07月31日に政府庁舎内で発見された擲弾について、アピシット首相は、「04月10日にUDDのデモ隊が庁舎に押しかけた際、撃ち込まれた。」との警察の見方を明らかに。
08月02日(月)13時過ぎアピシット首相は、プラウィット防衛大臣から提出された次期軍幹部人事を承認し国王認証に必要な手続きに付したことを明らかに。
午前に各メディアが一斉に報じたところによると、「大方の予想通り赤服軍団に対して強硬姿勢を示しているプラウィット陸軍副司令官が陸軍司令官に昇格する他、プラウィット副司令官に近いティーラワット陸軍司令官補佐が陸軍副司令官、ウィット陸軍司令官補佐が陸軍最高顧問、キッティポン国軍副司令官が防衛省次官、ピチェート第4地区国軍本部長及びカニット第1地区国軍本部長がそれぞれ陸軍司令官補佐、ダーオポン陸軍副参謀長が陸軍参謀長にそれぞれ昇格する。」と見られている。
民主主義市民連合傘下団体幹部のウィーラ・ソムクワームキット率いる30人前後の集団が首相官邸前に集まり、「ブラジルで開かれた世界遺産委員会年次総会の際に、タイ代表のスウィット天然資源・環境大臣がカンボジアが提出したカオ・プラウィハーン遺跡の運営方針案に署名をした。」と伝えられていることに関して事実関係を確認するよう首相に要求。
この動きは、先にカンボジアの外務大臣が、「タイが運営方針案を承認し署名した。」と語ったことを受けたもので、ウィーラは、~この発言が事実であればカンボジアが勝利しタイが敗北をしたことを意味する。」と、首相に対して、事実関係の確認と署名が事実であった場合は、タイが事実上承認したことになるカンボジアの運営方針案の詳細を明らかにするよう要請。
ウィーラによると、連合シンパ等を動員して07日に再度官邸前を訪れ、回答を要求し、改めて政府に対し、「第2次チュワン政権時代にカンボジアとの間で締結された2000年度覚書(MOU2543)やタイ領土からのカンボジア軍や住民の追い出しに対する政府の姿勢を問い糾す方針だ。」という。
首都圏警察本部のサンターン本部長は、クルングテープのビッグCラーチャダムリ店前で発生した爆破事件に絡んで、「事件に関与した疑いがある2人(報道により2~3人)がカンボジアとの国境線周辺に逃走中である。」との通報に基づき行方を追っていることを明らかに。
また、これまでの捜査で乗り合いワンボックスカーの運行に関与しているグループが事件に関係していた疑いが浮上していると共に、バンコク銀行シーロム支店前爆破を初めとする3~4件の爆破案件に関与した疑いが持たれている、カッティヤ・サワディポン少将と近い関係にあると思われるグループが爆発物の製作や仕掛ける行為に関与している疑いが濃厚になっていることを明らかに。
これに先だって、01日に行われた国家警察本部と首都圏警察本部との共同記者会見の中でサンターン本部長は、首都圏警察本部コークラーム署管内のアパート前に爆発物が積まれた乗用車が発見された事件に絡んで事情聴取が行われていた女性の証言から、女性の弟を含むカッティヤ少将配下の者に繋がる乗り合いワンボックスカーの運行に関係している4人が事件に関与していたことを窺わせる情報が得られていることを明らかにしていた。
また、その際にサンターン本部長は、カッティヤ少将以下のグループが「ある老人」の指揮下で活動していたことを明らかにしたが、老人の正体に関しては「良からぬ考えを持つ者である。」と語るに留めていた。
パンロップ・ピンマーニー大将、タクシンの従兄でもあるチャイヤシット・チンナワット大将及びチャワリット元首相何れも02日までにカッティヤ少将との関わりを否定。
法務省特別捜査局のターリット局長は、捜査当局から捜査資料が提出され次第、既に別件で逮捕状が発行されている男を除く3人の容疑者の逮捕状申請を視野に証拠固めを行う方針を明らかに。
07月10日に起きた同事件では、ゴミ袋に紛れ込ませた爆弾が爆発して1人が死亡、10人が重軽傷を負った。
タリット局長によれば、「首都圏警察から事件を引き継いだDSIは、爆弾の破片などから過去の事件との関連を疑い、別の事件で指名手配中の4人を容疑者と特定。その後、新たに3人が捜査線上に浮上したことから、逮捕状を請求することにしたもの。」という。
世界遺産委員会(WHC)の第34回会議で、国境未画定区域の管理を巡ってタイがカンボジア案に強く反発することになったが、アピシット首相は自身のウェブサイトの中で、「問題の原因は2008年に古代寺院跡カオ・プラウィハーンの世界遺産認定をカンボジアが単独で申請したのをタクシン派のサマック政権が支持したことにある。」として、単独申請の2国間共同宣言に署名した当時のノパドン外相を非難。
アピシット首相によれば、「両国間の国境紛争の火種だったカオ・プラウィハーンがカンボジアの申請で世界遺産に認定されたことで、国境紛争においてカンボジアの立場を有利にし、これが、国境未画定区域を含むカオ・プラウィハーン周辺地域の管理をカンボジアに提案させることになった。従って、単独申請が認められていなかったら、現在の問題は起きていなかった。」とのこと。
また、カシット外相は、民主党政権下の2000年にカンボジアとの間で交わされた国境問題の覚書に「タイの立場を不利にしている。」との批判が出ていることに対し、「2国間交渉を進めるための枠組みを定めたもの。タイに不利益はない。」と反論。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)は、先に送検されたタクシンやUDD幹部などテロ容疑者25人の潔白を証明するためとして、新たに250人から聞き取りをするよう検察当局に請求。
検察は08月中に起訴するかを決める見通しだが、UDDの弁護団は、「その前に、治安部隊とデモ隊の衝突現場にいた人など250人から意見を聞くべき。」としている。請求が却下された場合、UDDは250人を証人として裁判に出廷させる方針う。また、先に25人のうちUDD最高幹部ウィラー容疑者が保釈されたが、UDDは、コーケーウ、ウェーン両容疑者についても近く保釈を請求する予定。
08月03日(火)朝警察中央捜査局は、アピシット首相を初めとする要人の携帯電話宛に不敬罪に該当するショートメッセージを送信した容疑で、アムポン・タングノップクン(60)をサムットプラカーン県バングボ郡クローンサン地区にある家で3台の携帯電話と共に逮捕。アムポンは容疑を否認。アムポンは、予てからサムットプラカーン県内の筋金入りの赤服軍団の過激派メンバーとして国内治安維持部隊作戦指令本部ブラックリストに載せられていた。
調べによると、「アムポンは今年05月09日から12日にかけて、アピシット首相や閣僚、トゥン・スリソムウォング(多色服の指導者)の携帯電話に不敬罪に該当するショートメッセージを4回にわたり送信した。情報通信技術省の協力のもとで行われた捜査で当該メッセージが所有者登録が行われていないプリペイド式の携帯電話から発信されていたことが確認され、使用履歴等を調べた結果、アムポンが当該携帯電話機を使用していることが判明。警察は、「高齢で定職を持たないアムポンが国内要人の携帯電話番号をしることが出来る立場にあったと考えられないことから、一連のメッセージ送信を手助けした者ないしは背後で送信を指示した者がいる。」と見て捜査を行っている。
警察がアムポンの部屋の家宅捜索に乗り出した際に赤服軍団シンパと見られる20人以上の住民が捜査妨害に乗り出す場面も見られた。
連立与党第2党のプームチャイ・タイ党は、プア・タイ党所属を含む6人の下院議員が党に合流したことを明らかに。
今後プームチヂャイ・タイ党と行動を共にするのは、プア・タイ党所属のウティチャイ・キッティタネーサーン(ナコンナーヨック県選出)、ソムブーン・ワンチャイウヤタナウォン(チエンラーイ県選出、報道により比例代表)の2名、プア・ペーンディン党所属のユサリー・スーサロー(パッターニー県選出)、マーノップ・パタナウォン(比例代表)、ニムッター・ワーバー(ナラーティワート県選出)の3名及びチャート・タイ・パッタナー党所属のマンリカー・チラパンワーニット♀(ロッブリー県選出)の計6名。
一方、プア・タイ党は、党の決定に従わず、除名の検討対象になっているパラポン・アディレークサーン少尉(サラブリー県選出)、チュンマポット・ブンヤイ(サコンナコン県選出)、ニコム・チャオキッティソーポン(比例代表)及びソムブーン・ワンチャイウヤタナウォンの党名を語った活動を禁じる旨記した告知書を党本部前に掲示。
政府は閣議の席上で、内務省からの提案に基づき、タイ東北部ノンカイ県を分割して、国内77番目の県となるブンカーン県を設置するための法案を承認。承認された法案は国家法制委員会の審査を経た後に国家に上程される予定。
法案により新たに設置されるブンカーン県は、現在ノンカイ県に属しているブンカーン郡、パークカート郡、ソーピサイ郡、ポーンチャルン郡、セーカー郡、ブアンコングロング郡、シーウィライ郡、ブンクラー郡の8郡を分離して成立する県で、県設置のため県庁を初めとする行政機関の設置やインフラ関連現業の設置の予算5億Bを含む計7億3000万Bの予算の初期投下が見込まれている。県庁舎は約140haのクッティン公園内の区画に建設される予定。
ノンカイ県はラオとの国境のメコン川沿いで、東西350㎞。一部地域では県庁所在地までが遠く、行政サービスを受けるのが困難だった。「ラオからの麻薬流入を防ぐため、国境警備の点からも分割が望ましい。」と判断。ノンカイ県の在住の住民を対象に行った調査では、98.83%がブンカーン県の設立を支持。
また、現在ノンカイ県の下院議員定数は6だが、これが、ノンカイ県3、ブンカーン県3に変更される見通し。
今年度末(09月末)の人事異動で陸軍司令官就任が内定しているプラユット陸軍副司令官は、「私が司令官に就任したら、軍事と政治の分離に努める。」と明言。
ただ、「現在のような政情不安と治安状況では、政府のもとにある軍部が、治安維持といった形で政治に巻き込まれるのは止むを得ない。」としている。
関係筋によれば、プラユット副司令官の司令官就任は数日中に確定する見通し。プラユット副司令官は、「深南部のテロ対策や国境警護が軍部の本来の仕事。しかし、(政府の命令で)部隊が治安維持などに出動するのも致し方ない。」と述べている。
なお、軍部の年度末人事異動案は、承認を得るため、異例の早さで国王の下に提出されたが、これについては、「アピシット政権が、人事を巡る軍部内のごたごたを避けるため、同政権に近いプラユットの司令官昇格を早期に決めた。」との見方も。
タイのテレビ報道によると、首都警察は「車両爆弾など殺傷を狙った爆弾テロがクルングテープの繁華街で起こる可能性がある。」とみて警備を強化。特に警戒しているのは、シーロム通り、ルムピニ公園周辺、ラーチャプラソン交差点、トンロー通り、ヤワラート通りなど。
「テロが頻発する深南部では、自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し、一般市民が多数死傷する事件が何度か起きているが、遠く離れたクルングテープでも同様の事態が懸念される。」という。ステープ副首相は、「何者かが08月初めにビジネス街のシーロム通りや中華街のヤワラート通りで自動車爆弾事件を企てているようだ。」としており、首都圏警察はすでに所轄の警察署に警戒態勢の強化を指示。
クルングテープでは07月25日にショッピング街のラーチャプラソン交差点近く、30日にランナム通りで爆弾が爆発し、1人が死亡、十数人が重軽傷。捜査当局は、関与が疑われる48人のうち2人から事情聴取。
世界遺産委員会(WHC)の第34回会議でカンボジア案にタイが反発した問題で、政府は閣議で、スウィット天然資源環境相に来年のWHC会議に向けた準備を任せることを決定。
ブラジルの首都ブラジリアで開催された第34回会議では、国境未画定区域を含む世界遺産カオ・プラウィハーン周辺地域をカンボジアが管理するとの案に対し、タイが抗議。このため、同案の決定はバーレーンで開催される次回会議に先延ばしされることになった。
来年の会議でもカンボジアは同案の承認を求めるとみられるため、これを承認を阻止すべく、タイ政府は、スウィットを長とする特別委員会に検討とWHC委員国への根回しを行わせることにした。特別委は、関係政府機関の代表や専門家で構成される予定。
08月04日(水)プア・タイ党所属サコンナコン県選出下院議員のチュンマポット・ブンヤイは、「自らが連立与党第一党のプームチャイ・タイ党に合流する考えである。」と確認し、「さらに6人がプームチャイ・タイ党へ、1人がプア・ペーンディン党への合流を考えている。」と明らかに。「他党への合流を考えている7人は何れも旧権力系のPがつく者が首班を務める派閥に所属しており、下院議会の解散後に離党を考えている。」という。また、「離党理由に関しては、買収云々とは無関係である。背景に党外のカリスマとの対立や暴徒の下に党を置く党側の姿勢に対する不満がある。」と明らかにした。 一方、プア・タイ党が、「党を離脱した者には次期総選挙での勝機はない。」と発言していることに関しては、「票の行方ははデモ隊やタクシンが決めるものではなく国民が決めるものである。」とした。チュンマポットによると、「これまで一度も党と行動を共にしたことがなく、地元の住民も既に自分がプームチャイ・タイ党所属の議員と思っている。」という。
ステープ副首相は、カオ・プラウィハーン遺跡周辺の国境線問題解決のためにフンセン首相と直接協議を行う用意があることを明らかに。
この発言は、カンボジアの国内紙プノンペン・ポストの報道として「カンボジアのシハモニ国王付顧問が地域の調和及びカオ・プラウィハーン遺跡問題や国境紛争問題解決への協力を呼びかける親書をアピシット首相宛に送付した。」と伝えられていることを受けたもので、ステープ副首相は、「親書に関しては関知していない。」と断った上で、「相互理解を旨とした解決を目指すため自らが問題解決のためにフン・セン首相と直接協議を行う用意がある。」と語った。
首都圏警察本部パヤータイ署は、反独裁民主主義同盟のデモ隊と治安当局との間で激しい衝突が発生した05月19日に戦勝記念塔付近で発生した爆破、戦勝記念塔の近くのセンター・ワンの放火、ATMを破壊して略奪に関与した容疑でノンカイ県出身のコーことソラティアン・シングカンヤ(23)を逮捕。
ソラティアンは、事件後逃走していたが、最近になってクルングテープに戻り、戦勝記念塔付近での衣料品販売の仕事に戻っていた。自宅から巨大な爆竹、2個の手製爆弾、支那製82-2型手榴弾、携帯電話、赤いオートバイ、および黒いヘルメット、軍隊歩兵大隊兵卒の古い身分証明書を押収。
警察の取り調べに対してソラティアンは、「同盟の集会期間中にルンピニー公園のラーマ6世像周辺で黒服を着込んだ自警組織員から爆発物に関する訓練を受けた後に、戦勝記念塔を始めとする複数箇所に仕掛けるために改造された支那製の手榴弾が支給された。」と供述。この支那製82-2型手榴弾は、選挙管理委員会アピチャイ委員長邸近くの攻撃に使われ、また、軍隊が来ると現場から逃げ、戦勝記念塔近くの靴屋に82-2型手榴弾を含む爆発物を入れた鞄を隠した。また、05月プレム枢密院議長邸と近くの陸軍経営のChannel5の攻撃で目撃された赤いオートバイに乗る黒いヘルメットの犯人がソラティアンか調査中。
警察によると、「ソラティアンが使用した爆発物の形状がクルングテープ内数ケ所で発生した爆破に使用されたものに酷似していることから、ソラティアンが先月発生したソーイ・ランナムやビッグCラーチャダムリ店の爆破に関与していた疑いもある。」と見て捜査を展開。また、警察は、ソラティアンの証言に基づき、ソラティアンに指示していたスウィット通称バン・ワイに対する逮捕状を取得する方針を明らかに。
夕方過ぎ法務省特別捜査局のターリット局長は、「ビッグCラーチャダムリ店前バス停で発生した爆破事件に絡んで逮捕状が発行されていたセークサン・ウォラピティチャルンクンが首都圏警察本部コークラム署管内で逮捕され、事情聴取のため特別捜査局に移送中である。」と明らかに。
セークサンは、重要証人である女性の証言から浮かび上がり、04日付けで逮捕状が発行されていた3人の1人で、残りの2人はウワンことキッティサク・スムシリー及び姓不明のパン。
タリット法務省特別捜査局(DSI)局長の妻ワンサモンが「脱税を手助けすると約束して実業家から15万Bを受け取った。」と批判されている問題で、タリット局長が、「家族を巻き込んだ嫌がらせ。」と反論していることに対し、この疑惑を暴露したチャトポン、プア・タイ党議員は、「話をすり替えようとしている。」と逆襲。
実業家のティラチャイは、「翌年も国税局から納税の督促があったことから騙されたと思い返金を求めたが、ワンサモンは応じなかった。」としている。
しかし、タリット局長は、「正当な税務相談料を受け取ったまで。」と説明し、「私に恨みを持つ者による仕業」と反論。だが、チャトポンは、「不正な金を受け取ったことから世間の関心を逸らそうとしている。」と非難。
カンボジアが国境未画定区域の一部を含む世界遺産カオ・プラウィハーン周辺地域の管理を提案し、タイがこれに反対している問題で、アピシット首相は、「ステープ副首相を話し合いのためカンボジアに派遣するのは延期した。関係機関との調整も必要で、機が熟すのを待つ必要がある。」と述べた。この直接対話については、「カンボジアも今のところ関心を示していない。」とされる。
「08月中にクルングテープで治安を揺るがす事件が起きる。」と関係当局が警告していることを受け、首都圏警察は、新たに都内の153ケ所にチェックポイントを設けるという警備強化策を明らかに。これは、首都圏警察のサンタン長官が、国軍や都庁の代表、都内全50区の整備担当者などとの会合のあと、報道陣に述べたもの。
首都圏警察によれば、王室関係の建物、重要な政府機関、公共施設、石油貯蔵庫、バスターミナル、金融機関、政党本部、デパートやコンビニ、幹線道路などが要注意箇所であり、警備がさらに強化される予定。また、「爆弾処理班も速やかに出動できる態勢を取る。」とのこと。
08月05日(木)反タクシン派団体の民主主義市民連合(PAD)チャムロン幹部は、タイ国境沿いカンボジアのカオ・プラウィハーン地域周辺の国境問題について、依然進展が見られないことから、市民を集め首相官邸を包囲し、政府に進展を求めていくことを明らかに。
これに対し、ステープ副首相は、「現在クルングテープ都内は非常事態宣言が施行されていることから、大規模の集会は禁じられている。首相官邸を包囲するような行為は明らかに法律違反している。穏便に事を進めるべきだ。」と語った。
首都圏警察本部第1分署のウィチャイ本部長は、「05月19日に発生した戦勝記念塔前爆破に絡んで逮捕されたノンカイ県出身のソラティアンの供述に基づき身柄を追っている、姓不明のスウィット、またの名をバンワイが出頭の意向を打診してきている。」と明らかに。
スウィットは、反独裁民主主義同盟の集会末期に、先に逮捕されたソラティアンに対して爆発物関連の訓練を施すと共に複数箇所を標的にした爆破のために爆発物をソラティアンに支給したとして身柄を追われていた。ウィチャイ本部長によると、「スウィットは、治安当局に暗殺される恐れがあることを理由に出頭の意向を打診してきているが、出頭時期に関しては当人の口から語られていない。」という。
法務省特別捜査局のターリット局長は、04日夕方までに首都圏警察本部コークラーム署に出頭し身柄を確保されたセークサン・ウォラピティチャルゥンクンが、ビッグCラーチャダムリ店前爆破事件への関与を否定していることを明らかに。セークサンは、コークラーム署管内で爆発物が大量に搭載された自動車爆弾と思われる乗用車が発見された件に絡んで逮捕状が発行されていた。
ターリット局長によると、「セークサンは、反独裁民主主義同盟の集会に参加していたこと及び問題の乗用車に乗車したことがあることは認めているが、爆発物が搭載された乗用車が何の目的に使用されるかまでは関知していなかったと供述している。」という。
また、「ビッグCラーチャダムリ店前爆破に関しては無関係と供述しているが、特別捜査局側は、乗用車内で発見された爆発物に使用された電子部品と ビッグC前爆破で使用された物が酷似していること、またこれまでの捜査でセークサンが同盟過激派の実行要員だった疑いが浮上していることから、セークサンが何らかの事情を知っていると見て引き続き捜査を行う方針である。」と明らかに
プア・タイ党所属のアピワン下院副議長は、5千万Bでプア・タイ党所属下院議員を引き抜く動きが他党により展開されている事を明らかに。「他党への合流に合意した議員に対して前金として2千万Bが支払われている。」という。
しかし、党としては引き抜きの動きの阻止に動かず党員の自主性に委ねる方針で、また「東北部や北部からの堅実な支持を背景にして政策面での向上や党内結束の強化に取り組む事により、党所属議員の他党合流による影響を抑え込む事が可能だ。」という。 また、アピワン下院副議長によると、「次期総選挙では経済政策だけでなく、首相返り咲きの可能性の有無に関係なく党の政策立案顧問という立場でのタクシンを前面に出して戦っていく考えだ。」という。
一方、プア・タイ党チエンマイ県選出下院議員のスラポン・トーウィチャックチャイヤクンは、「総選挙直前に自らの身を高額で引き抜かせるために2つの党を天秤にかけている者が党内に少なからずおり、これらの者の裏切りにより次期総選挙の際に代わりの候補者を立てることが出来ないような事態になることが懸念されている。」と明らかにし、「このような者に対して、既にタクシンが両天秤にかけている者が誰なのか把握していること、また次回の総選挙ではタクシンが立案した政策を前面に打ち出す方針であるということを心しておくべきである。」と警告。
反タクシン派団体、民主主義市民連合(PAD)などが、2008年に世界遺産に登録されたカンボジアの山上遺跡カオ・プラウィハーンをめぐる民主党政権の対応を批判し、クルングテープの首相官邸前で抗議集会を開催予定。タイはカオ・プラウィハーン周辺の4.6?の土地の領有権をカンボジアと争っているが、PADは「民主党政権だった2000年にタイ政府がカンボジアと結んだ係争地域に関する覚書がタイを不利な立場に追いやった。」と主張。
ステープ副首相は、「非常事態宣言がクルングテープに適用されていることを忘れないでほしい。違反行為があれば、法的措置を取らざるを得ない。」と忠告。5人以上の集会を禁じる非常事態宣言がクルングテープに発令されていることを指摘し自制を求めた。
アピシット政権もPADも反タクシン色が強いが、カオ・プラウィハーン問題では、PADの方がより強硬な姿勢を示しており、政府の姿勢に対して不満を表明している。
PADはタクシン派政権当時の2008年にタイ首相官邸やクルングテープのスワンナプーム空港などを占拠し政権を窮地に追い込み、反タクシン派の民主党政権誕生のお膳立てをした。PADによる占拠事件について、現政権で追求の動きは鈍く、PAD幹部は事件後、ほぼ全員が一度も拘留されず、現在まで起訴されていない。検察は今月04日、「PAD幹部の起訴に関する判断を10月07日まで延期する。」と発表。起訴延期は2008年11月以来11回目。こうした関係からPADと民主党は緩い同盟関係にあるとみられるが、PADは昨年06月に自前の政党を結成するなど、民主党と距離を置く姿勢を取り始めていた。
アピシット首相は、「警察庁長官を選ぶための警察委員会が09日に開かれる。」と述べ、約1年空席となっていた警察トップがやっと決まるとの見通し。
警察人事の決定権を持つ警察委員会は、首相が委員長を務めるものの、昨年度末は次期長官の選出で他の委員らと意見が対立。副長官などが長官代行を務める状態が1年に及ぼうとしている。
首相は、「09日の委員会で、候補9人のうち最適任者が長官に選ばれる。」としている。また、首相が04日にワチャラポン警察副長官を呼んで話し合いをしたことから、「警察の将来について自身の考えを伝えた。」と一部で報道され、「自身の望む長官選びを働きかけた。」との見方も出ているが、これについて、首相は、「警察改革について意見を交わしただけ。」と述べ、憶測を否定。
ステープ副首相(治安担当)が先に「クルングテープで爆弾事件の恐れ」と警告したことに対し、野党プア・タイ党のチャトポン議員は、「不安を煽ることで非常事態宣言の適用を継続しようとしている。」と、政府を批判。
プア・タイ党や反独裁民主主義同盟(UDD)などタクシン派は、最近クルングテープで起きた爆弾事件が「タクシン派の仕業」と見られていることに対して、「政府の自作自演」と反論。UDD幹部でもあるチャトポン議員は、「『08月に自動車爆弾事件が起きる。』といった警告もタクシン陣営に罪を着せるとともに非常事態宣言を継続することが狙い。」と主張。
東北部に新しい県を設置するという内務省の計画に対し、野党プア・タイ党が、「東北部におけるプア・タイ党の議席削減が狙い。」なと批判。メコン川に沿って東西に延びるノンカイ県のうち、東側に位置するブンカンなど8郡を新たにブンカン県とするもの。08月03日の閣議で承認。
ノンカイ県は現在、2選挙区、定数それぞれ3で、プア・タイ党が全6議席を独占。
与党第2党のブームチャイ・タイ党(チャワラット党首が内相)は、「新しい県の設置は住民の要望。」と説明するが、プア・タイ党は、ブンカン県が郡の数の関係から定数2の選挙区となることから、「プア・タイ党の勢力削減が本当の目的。」と反発。プア・タイ党は、「ブンカン県を9つの郡、定数3とし、議席減少を回避すべき。」と主張。
08月06日(金)アピシット首相は、反タクシン派団体の民主主義市民連合(PAD)チャムロン幹部が、07日首相官邸を包囲する大規模行動を起こすと宣言したことを受け、PADと交渉を行うことがわかった。タイ地元紙によると、首相は「PADと交渉を行うことを明かした上で、都内は非常事態宣言下にあるものの、法律の範囲内であれば、集会は可能。」と語った。
しかし首都圏警察はPADによる集会対策のため、今夜から首相官邸周辺への立ち入りを禁止し、警察と軍を動員が決定。
その後、政府がPADと交渉を行うも、PADは「幹部チャムローンによる独断でありPADの総意ではない。」と強調。物別れに終わった。
治安当局が「クルングテープで爆弾事件が起きる。」と警告していることについて、非常事態対策本部の広報担当サンサーンは、注意喚起のため市民に協力を求めるプロジェクトを開始したことを明らかに。
爆弾事件は、政府への信頼を失墜させることが狙いとみられるが、ステープ副首相が先に、情報機関からの報告として、「シーロム通りやヤワラート通りが要注意。」と指摘したことで、都民の間に不安が広がっている。
サンサーンによれば、現在展開中のプロジェクトは、爆弾の見分け方や対処方法について、警察官・地域代表・ゴミ回収作業員・オートバイタクシー運転手・警備員などにトレーニングをするというもの。「プロジェクトは現在、クルングテープに限定されているが、地方でも実施される可能性がある。」という。
プア・タイ党のプロートプラソップ副党首は、「民主党もプームチャイ・タイ党も目立った政策を打ち出せず、成果も上げていない。」として、「次期総選挙では、プア・タイ党が有利。下院議席480議席中250~270議席を獲得できる。」との見方を示した。
総選挙について、アピシット首相は、「問題解決に繋がるなら早期に(来年末の任期満了前に)実施する。」としているが、憲法改正などを解散・総選挙の条件にあげており、「早期総選挙はない。」とする見方も根強い。
また、プロートプラソップ副党首は、アピシット首相について、「家族が休むよう求めている。近く政界を引退するのではないか。」と述べている。
夕方過ぎ07日に首相官邸前で抗議活動を計画していた民主主義市民連合系のタイ愛国者連盟は、首相官邸前での抗議活動の展開を断念し集結場所を泰日競技場に変更。
この変更は、夕方首相官邸内で約2時間にわたって行われたアピシット首相と連合及びネットワークの代表との協議の際に決定されたもので、当日午後にはアピシット首相自らが会場に赴き意見に耳を傾ける予定。また、連合・タイ愛国者連盟代表3人と政府代表3人との公開討論番組が08日09:00から放送される首相の定例政見放送後に放映される予定。
08月07日(土)午後アピシット首相は、クルングテープにある泰日競技場内で開催されていた民主主義市民連合やタイ愛国者連盟を中心としたグループの集会の場でカオ・プラウィハーン遺跡問題に対する政府の姿勢を説明したが、グループの主張との溝を埋めるにいたらず、改めて08日10:00から約3時間にわたり政府広報局系テレビ局ch11で生中継される公開討論の場で再度協議が行われることになった。なお、泰日競技場に集まったグループは夕方までに解散。
一方、第1地区国軍本部前に集結したグループを率いているタイ愛国者連盟幹部のウィーラ・ソムクワームキットは、「依然2000年覚書の破棄や遺跡周辺の国境紛争地からのカンボジア国軍の追放等4つの要求に対する明確な回答が政府側から為されていない。」として、明確な回答が得られるまで同本部前で座り込み活動を展開する方針を明らかに。
ウィーラ等が率いていたグループは、当初首相官邸前に集結していたが、最終的に当局の要請を受け入れ集会場所を第1地区国軍本部前に移動していた。
プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「政府と民主主義市民連合との間で行われたカオ・プラウィハーン遺跡問題に関する公開討論は、国民の狂信的な愛国心を鼓舞することを意図した、カンボジアとの国家関係という繊細な問題に影響を与えるだけのものである。政府及び連合に真摯に問題解決に取り組む考えがあるのであれば、国家的問題として各階層の参加のもとで解決に取り組むべきである。」と指摘。
さらにプロームポンは、「政府は抱きかかえてくれる者がいなければ存続不可能な手をしゃぶっている子供のようなものである。特にタクシンを追っかけているだけで何もしていない、ビジョンを持たず世界各国から信頼されていないカシット外務大臣が一体何をやっているのか政府は説明するべきである。」と述べた。また、プロームポンは、「ウィーラ・ソムクワームキット率いるタイ愛国者連盟が非常事態宣言施行規則に違反して首相官邸前に集結できた背景に、関わりのあるデモ隊に対する政府の二重基準や差別的職務遂行がある。連合と同様に法的責任を問われている赤服が収監されている中で、連合が集結している会場の壇上に首相が立っても国内和解の実現は不可能である。」と述べた。
08月08日(日)反タクシン派団体、民主主義市民連合(PAD)などの団体が、2008年に世界遺産に登録されたカンボジアの山上遺跡カオ・プラウィハーンをめぐるタイ民主党政権の対応を批判し、07、08日、首相官邸前や陸軍基地前で数百人規模の集会を開いた。アピシット首相はPAD支持者らに状況を説明し、「カオ・プラウィハーン周辺の国境問題でカンボジアに譲歩しない。」と強調。
アピシット首相は、PAD系のタイ愛国者連盟の代表と行われたカオ・プラウィハーン問題に関する公開討論の席上で、タイ愛国者連盟から破棄を求められている2000年覚書を破棄する考えがない事を確認。アピシット首相は、「カンボジアによるカオ・プラウィハーン遺跡周辺の国境紛争地の不当な占拠や利用を阻止する上でも2000年覚書は有用であり、それを破棄することはカンボジアに対して容易な占拠・利用を可能ならしめることに繋がる。」として、改めてタイ愛国者連盟の破棄要求を受け入れる考えがない事を確認した。タイ愛国者連盟が、「覚書によりカンボジアが主張する国境線をタイが受け入れた。」と指摘していることに関しては否定。チャンネル11で放送された。
また、カンボジアの住民が紛争地に侵入していることに関しては、国境線上で両国間の衝突を引き起こしている10年来の懸案事項であることを認めた上で、タイの主権を守るために必要と判断されれば、武力行使による不法侵入の阻止も辞さない考えである。」と明らかにし、カシット外務大臣に対して防衛省と共同で外交的な手段での問題解決に取り組むよう指示している事を明らかにした。
一方、PAD及びタイ愛国者連盟は、首相の見解に一定の評価を下した上で、「2000年覚書のままではタイが領土を失う可能性を完全に拭い去ることが出来ない。」として、「改めて覚書の破棄を要求し代わりに 1904年にフランスとの間で締結された協定に則り、タイの主権を主張するべきである。」と指摘。
また、第1地区本部前で座り込み活動を展開していた連盟幹部のチャイヤワット・シンスウォンは、座り込み活動の一時中止を宣言。チャイヤワットは、座り込み参加者が伸び悩んでいることを一時中止の理由にあげた上で、末端幹部等と今後の活動戦略を練り直した上で活動を再開する考えであることを明らかに。PADは08日に散会したが、首相の説明に不満を示し、再度集結する可能性を示唆。
国境未画定区域を巡る問題で反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)」が07日に首相官邸前で抗議集会を行ったことについて、タクシン派のプア・タイ党は、「非常事態宣言違反であるにもかかわらず取り締まらない。」と、治安当局を非難。プア・タイ党は、「現アピシット政権とPADは、同じ反タクシン陣営であり、PADは特別扱いされている。」と糾弾。
5人以上の集会などを禁止した非常事態宣言は、タクシン派が反政府活動をエスカレートさせたことから04月07日に発令、クルングテープでは解除されていない。
08月09日(月)警察幹部の人事権を持つ国家警察政策委員会は、次期警察長官に警察副長官(治安担当)のウィチアン・ポットポーシリー警察大将(56)を充てる人事を決めた。プミポン国王の承認を受け、10月に就任。
警察長官ポストは昨年09月にパチャラワート前長官が事実上解任されて以来、空席となっている。アピシット首相は後任にパティープ警察長官代行を充てようとしたが、連立パートナーのプームチャイ・タイ党などが反対し、実現しなかった。パティープの残余任期が足らなくなり、長官就任は不可能となり、「代行」のまま、09月末で定年退官。警察長官が1年間不在という異例の事態について、タイ政府は詳しい説明を避け、メディアはある時期から沈黙を続けている。
ウィチアンの昇格については、警察政策委委員長のアピシット首相が棄権し、出席した委員10人のうち9人(ネーションのみ9人のうち8人と報道)が賛成票を投じた。
民主党の強力な後押しがあったとされるウィチアン警察大将は現在56歳で、本部長就任から定年退官まで3年間残されているが、今後の政権交代次第では3年を全うせず本部長職から解任されることもあり得る。ウィチアン警察大将は、パチャラワート前国家警察本部長が退官日まで休職を宣言した際にアピシット首相により国家警察本部長代行に任命された。また、パチャラワート前本部長の退官後、後任の国家警察本部長が指名されないまま警察監察官のパティープ・タンプラスート警察大将が本部長代行を務めていた。
ウィチアンは1953年、東北部コンケン県生まれ。クルングテープの名門高校を卒業後、タイ警察士官学校に進み、任官後、タイ国立カセサート大学で経営学修士号(MBA)、タイ国立開発行政研究院(NIDA)で行政学修士号を取得。米連邦捜査局(FBI)や英警察などで研修を受けた。2009年から現職。
タクシン派による暴動で一部が炎上、倒壊したクルングテープの大規模ショッピングセンター(SC)、セントラル・ワールドが09月28日、被害が大きいゼン・デパート部分を除き、営業を再開する見通し。セントラル・ワールドを運営するタイの流通大手セントラル・グループは隣接する自社のホテル、センタラ・グランドで飲食やスパ、宿泊のキャンペーンを実施し、再開を盛り上げる計画。
セントラル・ワールドは延床面積55万㎡で、バンコク伊勢丹や紀伊国屋、小売店500店以上、飲食店約100店が入居する東南アジア最大級のSC。SC前がタクシン派の反政府集会場となり、04月上旬から05月中旬まで休業を余儀なくされた上、タクシン派が軍に強制排除された05月19日、暴徒化した集会参加者に略奪、放火され、大きな被害を受けた。直接的な被害を受けなかった北側のバンコク伊勢丹は06月24日に営業を再開。炎上、倒壊した南側のゼン・デパートは来年08月の再開業を目指している。
治安維持部隊は、関係者等の総意として、「現在クルングテープ都などの10都県に施行されている非常事態宣言を継続すべき。」としている。「12~15日にかけて大型連休があることから、シンボル的な建物、重要人物の邸宅、主要都市中心部は注意が必要。」とのこと。「現在打倒政府を掲げた集団がいること、反タクシン派団体の民主主義市民連合(PAD)による集会が活発化することから、クルングテープ都で実施されている非常事態宣言は10月まで継続する。」と見ている。
アピシット首相は、「近々2~3県に施行されている非常事態宣言を解除する。」と語っている。
パニターン政府報道官代行は、カオ・プラウィハーン遺跡に対するタイの姿勢を説明する親書を国連総会議長及び安全保障理事会議長宛に提出する方向で外務省が動いていることを確認。
この動きは、「カンボジアのフン・セン首相が、タイの首相が2000年覚書の破棄及び国連憲章に反した武力による国境紛争問題の解決を志しているとする親書を両議長宛に送付した。」と伝えられていることを受けたもの。この親書送付に先駆けてアピシット首相が08日行われた民主主義市民連合系の愛国者連盟との間で行われた公開討討論の中で、「2000年覚書を破棄する考えがなく、またカンボジアの住民が国境紛争地に侵入している問題に関しては、必要があれば武力行使による不法侵入阻止も辞さない考えである。」と明らかにしていた。
パニターン報道官代行によると、「タイは国連憲章に違反しておらず、平和的共存と法に則った解決に取り組む方針に変わりはない。」という。
先の世界遺産委員会で国境未画定区域の領有権を巡ってタイがカンボジア案に強く反発した問題で、カンボジアのフン・セン首相は、2国間の論争について「非常に熱い。軍事衝突に繋がりかねない。」との見方を示してタイを牽制。フン・セン首相によれば、「論争は沸点に達しようとしており、流血の事態が懸念される。」という。
この問題は、カンボジアが、「国境未画定区域を含む世界遺産カオ・プラウィハーン周辺地域を管理する。」と提案し、タイがこれに強硬に反対しているというもの。
また、タイは、「国境未画定区域は2国間の問題。」として、カンボジアとの2国間交渉で決着をつける姿勢を示しているが、カンボジアは、「国連や東南アジア諸国連合(ASEAN)などの介入を求めるべき。」としており、この点でも意見が対立。
法務省特別捜査局(DSI)は、「クルングテープにおける先の反政府活動でデモ隊をあおって過激な行動に走らせた。」などとして、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のチャトポン、プア・タイ党議員ら17人を騒乱、違法集会、非常事態宣言違反の容疑で書類送検。送検に伴い、段ボール箱8個分、1万5800頁に及ぶ調書がDSIから検察庁に提出された。
08月10日(火)午前刑事裁判所控訴法廷は、現情報通信技術大臣のチュティ・クライルークに対して、当時副公共保健大臣だったスラポン・スップウォンリーの夫人に対する名誉毀損で禁固3ケ月、執行猶予1年及び1万Bの支払いを命じる判決を下した。
この裁判は、2003年05月28日にわれた内閣不信任決議案審議の際に、当時副公共保健大臣だったスラポンが、「『職権を乱用して夫人が経営するマッサージパーラーに対して免税措置を講じる事を意図した法律を制定した。』とチュティが指摘したことにより名誉を毀損された。」として、夫人が経営するボディー・シェイプ社が告訴していたもので、夫人はスパ関連の事業を展開しているが、マッサージパーラーの経営に関与したことは一度もなかった。控訴法廷は、「チュティによる事実無根の告発により原告の名誉が毀損された。」と認定した一審判決を支持した。チュティは上訴する意向を明らかにしている。
ネーション系のタイ語速報によると、プア・タイ党のプロームポン報道担当は、07日に首相官邸前に集結した後に第一地区国軍本部前に移動した民主主義市民連合系の愛国者連盟幹部のウィーラ・ソムクワームキット及びチャイヤワット・シンスウォン等を非常事態宣言施行規則違反で同日中に刑事告発する方針であることを明らかに。また、非常事態宣言により禁じられている5人以上の集会行為に該当するにもかかわらず、これらの行為に対して対応を取らなかったアピシット首相、ステープ副首相、非常事態宣言対策本部幹部及び警察幹部を職務遂行義務違反で16日に国家汚職防止取締委員会に告発する方針。
国境未画定区域を巡るタイ・カンボジア間の対立が激化の様相を呈しているが、カシット外相は、この問題を早期に解決すべく、カンボジアに話し合いを申し入れたことを明らかに。これは、「合同国境委員会を早期に開催し、国境未画定区域の問題を話し合う。」というもの。タイは、「2000年に交わされた交渉の枠組みを定めた覚書に基づいて、話し合いを進めるべき。」としている。
また、カシット外相は、「2国間交渉で問題を解決する。」とのタイ政府の姿勢を説明するため、国連に書簡を送ったことを明らかに。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部のチャトポン、プア・タイ党議員は、「検察が(同議員を含むUDD幹部など)25人をテロ容疑などで起訴する方針を固めた。」と述べ、その背景には、「ピラパン法相が検察に法的手続きを急ぐよう求めた事実がある。検察への不当介入だ。」と批判。
また、タクシンを含む25人のうち、UDD首脳2人の拘留期限は08月10日だが、チャトポン議員は、「期限切れを機に検察が起訴に踏み切る可能性がある。」としている。
なお、反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)のデモ隊による2008年末の空港占拠事件の捜査が現在も続いているが、タクシン派はこれも、「タクシン派・アピシット政権が捜査当局に圧力をかけた結果。」と批判。
08月11日(水)最高裁判所は、タクシンの資産差押え案件に絡んで、資産没収命令を不服とするタクシン(61)等から提出されていた再審請求を却下。
今年02月、最高裁判所政治家刑事案件部が「タクシンが首相在任中に職権を利用して不正に利益を得た。」として、一族の凍結資産約766億Bの6割の463億B強の資産の国庫没収を決定。04月末までに利子を含む約490億Bがタクシン一族の銀行口座から国庫に納付。
タクシン等は「決定を覆すことが出来る新たな証拠がある。」として再審を求めていた。今回の却下は最高裁判所の判事及び上級判事計142人のうち、出席した119人の判事による投票により決定されたもので、103人が不受理とすべき、4人が受理すべきと判断し、12人が棄権。
再審請求が却下されたことで資産の国庫没収が確定。
タイとカンボジアの合同国境会議が08月27~28日にかけパタヤで開かれる予定だったが、両国が開催の無期延期で同意が明らかに。タイは会議で国境未画定区域を巡る問題を協議する方針だったが、カンボジアが難色を示し、延期を申し入れていた。なお、タイの当局者は、「ある重要な理由によるもの。国境問題が原因ではない。」と説明。
検察庁は、先の大規模反政府デモなどに関連して送検されたタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部やタクシンなど25人のうち19人をテロ容疑で起訴する方針を固めたことを明らかに。起訴されるのはUDD最高幹部のウィーラ議、チャトポン下院議員、ナタウット、ウェーン、コーケーウなど。残りの6人は、現在も逃亡中であるため、今回は起訴見送り。
UDDは司法、政治の二重基準廃止、下院総選挙の実施と選挙結果の受け入れなどを政府に要求し、04月からクルングテープ中心部を数千~数万人のデモ隊で占拠。デモ隊の強制排除を図った治安部隊との衝突や爆破、銃撃などで約90人が死亡、1400人以上が負傷した。UDD幹部の多くはデモが強制排除された05月19日に逮捕され、現在も拘留されている。
アピシット首相は、「観光業への影響を考慮してさらに2~3県で非常事態宣言を解除する用意がある。」と明らかに。
クルングテープでの反政府活動のエスカレートに伴い04月07日に発令された非常事態宣言は現在も1都9県に適用されている。さらなる宣言の解除は、非常事態対策本部の最高責任者ステープ副首相(治安担当)が16日までに提言し、首相が承認する運びとなりそう。
プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、同盟幹部をテロで起訴する方針を決定した検事総局に抗議するため、人員を動員して検事総局前で大規模な抗議活動を展開する考えであることを明らかに。
「民主主義市民連合系団体によるカオ・プラウィハーン遺跡問題抗議を名目とした活動に対して措置が講じられていないということは、同盟による非常事態宣言の主旨に反した5人を超える集団による活動も当然許されるはずである。」という。
この発言に前後して検事総局は、同盟のウィーラ・ムシッカポンを初めとする19人の幹部や主要メンバーをテロで刑事告訴。
チャトポンは、「検事総局は政治家の指示で動いている。」と主張し、「人々がタイの検察、裁判所に正義を期待できるとは思えない。」、「抗議活動の際には、検事総局の非独立性や二重基準を糾弾すると共に検事の誇りを取り戻すよう要求する考えである。」と述べたが、時期に関しては、「関係者と詰めの協議を行ってから決定する予定である。」とし、明らかにしなかった。
08月12日(木)チエンマイ県サンパートン郡内にある学校前の休憩所内で爆発物が発見され回収処理が行われた。
回収された爆発物は、ビール缶2個や電子部品を利用した時限発火式で、起爆した場合は休憩所や近くにある警察の派出所(報道により警備員の詰所)を始め半径50m前後の範囲に被害を及ぼす可能性があった。
警察は、「爆発物に関する知識がある者が情勢を扇動する目的で仕掛けた可能性もある。」と見て捜査を開始
国境未画定区域を巡る問題でタイ国内でカンボジアに抗議する動きが報じられ、これに反発したフン・セン首相が「国連事務総長の介入を求める。」としていることに対し、アピシット首相は、「このような微妙な問題では報道の解釈に慎重さが必要。」と指摘し、カンボジアに自制を求めた。
一部報道では、「タイが国境未画定区域からカンボジア人を強制排除する。」とされている。これについて、アピシット首相は、「カンボジア人には出て行ってもらう。」としながらも、「われわれは、力を用いずに問題を平和的に解決することを望んでいる。」と説明。このほか、タイが合同国境委員会での国境問題の協議を望んでいるものの、カンボジアが拒否していることについて、フン・センは、「過去数年間の委員会での合意事項をタイ議会が承認しないかぎり、2国間で交渉するつもりはない。」と明言。なお、カンボジアは、国連などを介入させることで問題を大きくさせようと狙っているとされ、「合意事項うんぬんも2国間交渉を拒むための単なる口実。」との見方が強い。
「与党第2党プームチャイ・タイ党が民主党への不満から、近く行われる来年度予算案審議で造反する。」との見方が出ているが、プームチャイ・タイ党幹部のスパチャイ副農相は、「予算案不支持はあり得ない。」と明言、憶測を全面的に否定。
来年度予算案(2兆0700億B)の審議は、第1、第2、最終と読会を3回行い、承認されれば、下院通過となる。
関係筋によれば、「プームチャイ・タイ党が推進を強く求めている路線バス4000台導入計画が、先の閣議で、再び決定先送りとなったことから、プームチャイ・タイ党内に民主党への不満が高まっている。」とされる。「11日の国会審議が定足数に達せず開催できなかったのもプームチャイ・タイ党の不満の表れ。」との見方もある。
だが、スパチャイ副農相は、「ほかの党の議員も欠席した。我が党の議員が出席しなかったことだけが原因ではない。」と反論。
08月13日(金)未明マティチョン紙によると、パヤオ県県都内中心部にある携帯電話販売店の店先に向け石や瓶が投げ込まれ、ガラス等約1000B相当が被害にあう事件が発生。経営者の証言から、04:00~05:00に被害にあったものと見られている。
男性は地元の赤服軍団代表で、また店では携帯電話やコンピューターを安価かつ長期の分割払いで販売していたことから、警察は「男性の赤服軍団としての活動絡み及びビジネス絡みの両面で捜査を行っている。」と明らかに。
パニターン政府報道官代行は、来週以降にチエンマイ県とチエンライ県に施行されている非常事態宣言の適用解除が首相に提案される見通しであることを明らかに。
パニターン報道官代行によると、「首相の方針に従い第3地区国軍本部管下のチエンマイ県及びチエンライ県を始めとする主要県に適用されている非常事態宣言の解除が検討されており、来週以降にこれらの県に対する施行の解除の提案が首相宛に為される見通し。」という。
しかし、第5地区警察本部のソムキット本部長は、「非常事態宣言の適用解除により治安の掌握や容疑者の捕捉に支障を来す恐れがある。」として、チエンマイ県やチエンライ県を対象にした適用解除に反対を表明し、第3地区国軍本部に見直しを要求する考えを明らかにしている。
来年度予算案の審議が数日後に迫る中、与党議員、とりわけ与党第2党のプームチャイ・タイ党の議員らが影響力を行使して出身県への割当予算を増額させているとの疑惑が強まっている。これを受け、アピシット首相は、「予算案審議までに、問題があれば、これを正す。」との意向を明らかに。下院予算検討委員会の副委員長スワロート民主党議員によれば、一部の県では割当額が3億Bに上っており、「政治的な意図。次期総選挙との関連が疑われる。」とのこと。
08月14日(土)午前ランパーン県県都内にある市場前の立木の下で拳大の瑠弾が発見され回収処理。回収された瑠弾は信管が外されたものだった。
警察は、「若者グループが何らかの騒動を引き起こす目的、ないしは情勢扇動目的で置いたもの。」と見て捜査を開始した。
昼過ぎチエンマイ県県都内ハイヤー地区の日本領事館入り口前の路上で不審物が発見され、一時周囲の路上を通行止めにした上で回収処理が行われる事態。回収処理後に行われた調査で、発見された不審物が単なる空の贈答用の箱であることが確認されているが、警察は、12日にチエンマイ県サンパトーン郡内で爆発物が回収されていることから、「情勢扇動目的で置かれた可能性もある。」と見て捜査を行っている。
「政権党の民主党と与党第2党のプームチャイ・タイ党との確執が強まっている。」とする見方があるが、ステープ副首相(治安担当)は、「両党間の関係は健全。連立政権も安定している。」と述べ、「来年度予算案の下院通過後に内閣改造」との一部報道を全面的に否定。
運輸省はプームチャイ・タイ党の担当となっているが、~運輸省のバス4000台導入計画が先に再び決定先送りとなったことから、党内では不満が高まっている。」とされる。
だが、ステープ副首相は、「個人的な不満と党と党の関係は別問題。」としている。
パトロール警察局のスティポン局長は、カッティヤ・サワディポン少将配下の元海軍関係者のカッティヤ少将付きの運転手だったチャクララット・コンスワン(37)の身柄を確保し、事情聴取のためプラチンブリー県内にある基地に身柄を移送済みであることを確認。「カッティヤ配下の者の逮捕やカッティヤが絡む一連の動きの解明に繋がる有用な証言を得られている。」という。
この発言に先立ち、13日に消息筋からの情報として、「パトロール警察隊がチャクララット(報道によりチャクラチャラット)をマハーサーラカーム県カントラウィチャイ郡内で12日に逮捕し、チャクララットのこれまでの供述からタクシンとカッティヤから流れた資金との関係やその資金の提供元、その資金が如何なる形で一連の不穏な動きに使用されたか等に関する証言が得られている。」と伝えていたが、スッティポン局長は、供述内容の詳細に関しては確認を避けた。
カンボジア政府は、隣国タイとの国境問題が悪化するのを回避するため、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のベトナムに仲介を要請。「多国間協議の場で自国の立場を主張し、域内主要国のタイを牽制する狙いがある。」と見られる。一方、タイ政府は2国間問題だとして強く反発。国境地域の緊張が再び高まる可能性もある。
08月15日(日)アピシット首相は定例政見放送の中で、「カンボジアがタイとの間で締結された2000年覚書に違反してタイ領内に侵入し国境紛争地内に居所を構えたことがカオ・プラウィハーン遺跡問題の元凶である。」と指摘。これは、先にカンボジアのフン・セン首相がカオ・プラウィハーン遺跡問題に対するタイの姿勢を非難する書簡を国連総会議長や安全保障理事会議長宛に送付したことを受けたもので、アピシット首相は、既にタイの姿勢を説明する書簡を国連宛に送付したことを明らかにし、書簡の中で「問題の元凶はカンボジア側が2000年覚書に違反して住民を国境紛争地に住まわせていることにある。」と指摘し、タイは国際原則及び同覚書の主旨に則り解決に取り組む方針である旨説明していることを明らかに。
国境未画定区域を巡る領土問題を2国間交渉で解決すべく、外務省は17日にも、過去の合同国境委員会での合意事項について議会の承認を求める予定。
この問題は、カンボジアが世界遺産カオ・プラウィハーンの周辺地域としてカオプラウィハーン区域の一部を管理することを世界遺産委員会(WHC)に申し出たことから再燃することになったもの。 タイは、2国間交渉を通じて解決を図ろうとしているが、カンボジアは国連や東南アジア諸国連合(ASEAN)の仲介を求めている。
また、カンボジアのフン・セン首相は先に、「合同国境委員会の過去の合意事項をタイが議会承認していない段階で、タイと話し合うつもりはない。」と述べていた。
プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「政府はカオ・プラウィハーン遺跡問題を巡るタイとカンボジアの対立を己の人気取りに利用している。政府は一方的な見解をマスコミを使用して伝えるべきではない。」と述べた。プロームポン報道担当は、「アピシット首相は国境紛争地を巡る対立を選挙票取り込みのための道具として利用している。問題の繊細性に目を向けマスコミを通した一方的な見解の伝達を止め、国家的問題として各階層の意見を吸収しながら問題解決に取り組むべきである。」と指摘。
一方、プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、「政府の一方的な情報では伝えられていない国境紛争地問題に関する正しい情報を国民に伝えるため、17日に予定されている上下院合同議会の際に2000年覚書問題を取り上げる考えである。」と明らかに。チャトポンによると、「(第2次チュワン政権時代に締結された)2000年覚書は、政府の見解に反して明らかにタイに不利な内容で、国際司法裁判所で争われた場合はタイが敗訴する根拠になり得る。」という。
サティット首相府相は、国民の直面している問題を把握、解決するため情報を収集するとの政府方針に基づき、政権党の民主党が09月にオートバイタクシー運転手を一堂に集め、意見を聞く予定。
路線バスの走っていない小路などで提供されているオートバイタクシーは手軽な庶民の足となっており、運転手の数は全国で70万人を超え、クルングテープだけで約18万人に上る。また、クルングテープでは、運転手はタクシン派の支持基盤・東北部などの地方出身者が多いことから、大多数がタクシン派で、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の反政府活動にも積極的に参加している。このため、今回の民主党の動きは、「タクシン派を取り込む作戦」との見方。
しかし、サティット首相府相は、「運転手にタクシン派が多いのは事実。だが、政治的意図はない。」としている。
08月16日(月)朝、ステープ副首相は、アピシット首相が、非常事態宣言の適用により観光や経済に影響を与えているチエンマイ県、チエンラーイ県及びウボンラチャタニー県の3県を対象に非常事態宣言の適用を解除する方向で検討していることを明らかに。招集される首相を交えた安全保障当局者会議の席上で是非に関する検討が行われる見通し。
内閣は、非常事態宣言が施行されている10都県のうち、一部地域の解除を決定。解除を提案した県は、チエンマイ県、チエンラーイ県及びウボンラチャタニー県の3県。この決定により非常事態宣言が適用されている県は、クルングテープ、ノンタブリー、パトゥムタニー、ウドンタニー、ナコンラチャシーマー、コンケン及びサムットプラカーンの7県となった。
ステープ副首相よると、「この3県は非常事態宣言の施行により、観光業をはじめ地元経済に多大な損害を受けてきた地域であり、首相が注目していた地域だ。」という。
チエンマイ県県都のメーピン警察署は、第5地区警察本部の警戒に当たっていた警察官に向け大型の爆竹を投げ込み警官を負傷させた容疑で、チエンマイ県メーテング郡在住の49歳の男を県都内で逮捕したことを明らかに。
調べによると男は、今年03月25日に第5地区警察本部のソムキット本部長の辞任を要求するためにコン・ラック・チエンマイ51を中心とした赤服軍団が警察本部前に集結していた際に、仲間と共に警戒に当たっていた警察官に向け大型の爆竹を投げ込み警察官を負傷させた。
2008年10月07日に反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)のデモ隊と治安部隊が衝突した事件で、刑事裁判所は、自動車で警察官5人を轢き殺そうとしたとされるプリチャーに殺人未遂で禁固3年、執行猶予2年を言い渡した。
この事件は、当時のソムチャーイ首相(タクシンの妹婿)の所信表明演説を阻止しようと国会議事堂前などに集まったPADデモ隊に対し、治安部隊が強制排除しようと爆発力の強い催涙弾を撃ち込んだことから、デモ隊側に多数の死傷者が出たというもの。
は、「(ピックアップトラックを運転中に)催涙弾らしきものが顔面に当たり出血したことから逆上し、警察官に向け突っ込んだ。」と説明。裁判所は、「発作的で、計画性はなかった。」と判断。
反政府活動対策で発令された非常事態宣言が北部のチエンマイとチエンラーイ、東北部ウボンラチャタニーの計3県で解除され、北部などでは早速タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の支持者(赤服軍団)が集会を行った。
また、宣言解除で反政府勢力が活発な動きを見せ始めたことについて、アピシット首相は、「政情不安を煽る活動は宣言以外の治安関連法でも取り締まることが可能。」と、釘を刺した。
プア・タイ党のプロームポン報道官担当は、招集された党会議の席上で、ラーマ4世通り沿いにある党本部を旧タイ・ラック・タイ党やパラン・プラチャーチョン党が入居していたペッブリータットマイ通り沿いのOAI(旧IFCT)ビルに移転させる方針を決定したことを明らかに。
「これまでに2回にわたり政府を組織し、また3人の首相(タクシン、サマック、ソムチャーイ)を生み出した舞台となった場所に移転することにより、党につきまとっている憑きものが祓われることが期待されている。」という。
プロームポン報道担当によると、「19日09:00に党所属議員が移転先に集合し、同日09:59に党看板の掲示式を行う予定。」という。
プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、カッティヤ・サワディポン少将配下の元運転手が逮捕された件に絡んで、「法務省特別捜査局が虚偽の証拠によりカッティヤが絡む資金の流れをでっち上げた。特別捜査局は虚偽の情報の喧伝に注力する前にまずカッティヤ暗殺案件の捜査に注力するべきである。」と述べた。
先に特別捜査局は、逮捕されたチャクラチャラット・コンスワンの供述から、タクシンに近いKなる女からカッティヤに流れた資金が、集会期間中に各所で発生した破壊活動に使用されていた疑いが浮上していることを明らかにしていたが、チャトポンがチャクラチャラットの弁護士に確認した限りでは、「チャクラチャラットはそのような供述を行っておらず、またチャクラチャラット自身がカッティヤの資金関係に一切関係していなかったことが確認されている。」という。
チエンマイ商工会議所ナロン会長は、「政府がチエンマイ県に施行されていた非常事態宣言を解除したことで、観光業が正常化し始めるだろう。」と語った。非常事態宣言の解除により、信頼感が上昇し、旅行会社がツアーなどを再開し始めることが理由。
また北部ホテル協会プーナット会長も、「年末にかけて受け付けていたホテル予約にキャンセルが発生しにくい状況になった。」として、政府による同宣言の解除を支持とのこと。
セントラルグループ傘下のセントラルプラザ・ホテル社は「今年第2四半期(04~06月)の収支が、前年同期の2148万Bの黒字から、2億0460万Bーツの赤字に転落した。」と明らかに。収入は2.4%増の20億4000万Bだった。同社は第2四半期の収支悪化について、「04~05月の反政府活動のエスカレートが大きく影響した。第2四半期は、食品ビジネスで売り上げが13億2000万Bに達し7.8%の増加を記録したが、ホテルビジネスは11%減の6億6290万Bに収入が落ち込んだ。」と説明。今年上半期(01~06月)の同社の収支は108万Bの黒字となっており、前年同期の1億6648万Bを大きく下回った。
08月17日(火)国家汚職防止取締委員会は、検事総局が不起訴を決定し差し戻されていたクルングテープの消防車・消火挺調達汚職案件及びアルパイン・ゴルフ場土地不正収容案件の2件を最高裁判所政治家刑事案件部に起訴を決定し、委員会独自による起訴実行のためそれぞれ専門の弁護士チームの結成を決定。
消防車、消火挺調達汚職案件に関しては、調達の計画、推進に関与した当時クルングテープ都知事だったサマック元首相(死亡)やポーキン元内務大臣、ワッタナー元商務大臣及び調達実行のために信用状(L/C)に署名したアピラック元都知事等7人が起訴対象。アルパイン・ゴルフ場案件に関しては、民間が取得不可能な寺院の土地を不正に取得した、現プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンが起訴対象。
控訴裁判所(高等裁判所に相当)は、テロ罪に問われ拘留中のタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部ウェーンの保釈請求を、「下級審の刑事裁判所に提出すべき。」との理由で、不受理。請求はウェーンの夫人から提出された。
その後、控訴裁判所の判断を受け、ウェーン夫人は、刑事裁判所に保証金としてクルングテープ都内ドンムアン区内の土地の権利書(700万B相当)を提出し、保釈請求を行った。
タクシン派の最大野党プア・タイ党のチャトポン議員は、「パニタン政府報道官代行が嘘をついている。」と批判、告発も辞さずとの構え。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部でもあるチャトポンによれば、当局は非常事態宣言の対象地域を3県減らし、1都6県で宣言の適用を継続することを決めたが、パニタン報道官代行は、これを正当化するため、「1都6県ではいまだにUDDが反政府思想を広める活動を行っている。」と述べた。だが、これに対して、チャトポンは、「真っ赤な嘘。」と反発。「アピシット首相が宣言を解除しなくても構わない。だが、パニタン報道官代行に、このような虚偽情報を流させるべきではない。」と批判。
08月18日(水)プア・タイ党比例代表選出議員のニコム・チャオキッティソーポンは、民主党に移籍する考えであることを公式に明らかに。
ニコムは、「エチケットに反するとして、これまで党移籍の意向発表を控えていたが、党が自分やプームチャイ・タイ党に移籍する意向を示している3人の党所属議員を非難する文書を掲示し個人の名誉を毀損してきたため、敢えて移籍する方針を公式に発表した。」と明らかにしたが、党を名誉毀損で告訴する可能性に関しては否定。また、ニコムは、「明確な党幹部が存在していない党の執行部体制や赤服軍団を党に合流させ政治対立を解決不能な状態にまで深刻化させ、党内にまで対立を生み出したことに対して不満を持っている党所属議員が少なからずおり、20人以上の議員が他党、特にプームチャイ・タイ党に移籍するため離党する。」と見通しを示し、「全ては年末ないしは年始に行われるであろう総選挙前にはっきりするだろう。」との認識を示した。
プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、先にマッサージ・パーラーの常連である疑惑を否定した法務省特別捜査局のターリット局長が絡む、本人だけでなく国民全員衝撃を受けそうな情報を近日中に暴露する考えであることを明らかに。
チャトポンによると、「ターリット局長周辺の調査を進めた結果、数々の事実が浮かび上がっており、衝撃情報の暴露によりターリット局長は現在の職務を継続させることが出来なくなる。」という。また、ターリット局長がクルングテープのシーアユッタヤー通りのNo.161にご執心だとの指摘を否定していることに関しては、「自分の指摘内容を超える具体的な情報を同局長が提供した上で否定している。ターリット局長は自分の妻に詳細を説明する用意をしておく必要がある。」と皮肉った。
プア・タイ党下院議員団長のチャルーム・ユーバムルン警察大尉は、シンガポールのテマセク社に売却された通信衛星事業会社「タイコム社」の株式買い戻し計画を発表ないしは計画の存在を追認したアピシット首相、コーン財務大臣及び民主党所属議員のシリチョーク・ソーパーの罷免動議を19日に上院議会宛に提出する方針を明らかに。
チャルーム警察大尉によると、「買い戻し計画の発表ないしは計画の存在の追認により株式市場に影響を与えた行為が証券取引法及び職務遂行義務違反に該当し、罷免事由になる。」という。上院が罷免を決定した場合は、当該人は憲法274条の規定により即日付けで職位を失うと共に向こう5年間に渡り被選挙権を剥奪され政府関連の職務に就くことが禁じられることになる。
治安維持部隊最高責任者のステープ副首相は、「治安維持部隊が今週中に非常事態宣言の解除地域を追加発表する。」という情報について、「状況によって検討する。」と明かした。また「非常事態宣言解除地域について、クルングテープ都が最後になる。」との見方。
現在非常事態宣言の施行地域は、クルングテープ都をはじめ、ノンタブリー県、サムットプラーカーン県、パトゥムターニー県、コンケーン県、ナコンラチャシーマー県、ウドンタニー県の7都県。
クルングテープ都庁が割高な消防車・消防艇を購入させられた問題で、検察庁は、ポキン元内相、アピラック元都知事、ワタナ副商業相の3人を嫌疑不十分で不起訴を決定。これら3人は、国家汚職制圧委員会(NACC)が送検していた。
この問題は、2004年08月に当時のサマック都知事がオーストリア企業からの消防車・消防艇購入を承認したことが発端。後に消防車・消防艇がタイ製車両・船舶を外国で消防用に改造したものであることが判明したというもの。後任のアピラック都知事(当時)が契約を破棄しようとしたが、内務省などが「政府間の合意に基づいたもの。」などとの理由で破棄を認めず、結局、都庁は割高な消防車・消防艇を買わされることになった。
今回の検察の決定に対し、NACCは、「子細に検討し納得できないとなれば、法的措置を取る。」としている。
国境未画定区域を巡る問題でカンボジアが先に東南アジア諸国連合(ASEAN)に協力を求めたことについて、タニ外務副報道官は、「2国間の既存の手だてを通じて解決できる。これをASEAN議長国ベトナムに説明する」と述べ、国連やASEANなどの介入は不要とのタイ政府の姿勢を再確認。
カンボジアは先に、国境未画定区域の一部を含むカオ・プラウィハーン周辺地域を自ら管理すると世界遺産委員会(WHC)に申し出て、タイの反発を買うことになった。タイ政府は、合同国境委員会など2国間交渉で解決を図ろうとしているが、カンボジアは、問題を大きくし、タイ政府に揺さぶりを掛けようと、タイとの直接対話を拒否、国連やASEANに介入を働きかけている。
下院での来年度予算案審議で、最大野党プア・タイ党は、「治安機関への予算割当が多すぎ、国民生活に関連する予算が少なすぎる。」と、政府を批判。
来年度予算2兆700億Bのうち、全体の8%に当たる1700億Bが国防省に割り当てられることになっているが、サタポン、プア・タイ党議員は、「農業省への予算割当700億Bより多い。」と指摘。「この予算では農民の生活向上は望めない。」と非難。
来年度予算案は、野党議員が反発する中、賛成239で第2読会を通過。
08月19日(木)タイ連立政権の重鎮であるバンハーン・シルパアーチャー元首相(与党第4党チャート・タイ・パッタナー党党首付顧問)が、78歳の誕生日を迎え、アピシット首相、ステープ副首相ら政財界の要人、一般市民ら数百人がクルングテープ都内チャランサニットウォン通りのバンハーンを祝賀に訪れた。
アピシット首相から花束を受け取ったバンハーンは「昨日(18日)の国会答弁を見たが、首相は3、4年前のことでも全てすらすら答えていた。私だったらああは行かない。」と持ち上げ、「任期いっぱいまでやるべきだ。問題があったら相談に乗る。力になるよ。」と伝えた。
一方、午前にバンハーン宅を訪れたチャワラット内相(74、与党第2党プームチャイ・タイ党党首)は直後に激しい下痢と胃痛などを訴え、正午過ぎに都内のラマ9病院に緊入院。病院によると、チャワラット内相は食中毒で、1晩入院する予定。

* バンハーン・シラパアーチャー
1932年タイ中部スパンブリー県生。支那移民の2世で、支那名は馬徳祥。建設、運送などで財を成した後、政界入りし、1995~1996年に首相を務めた。1990年代の仇名は抜群の資金力から「歩くATM」、巧みな政界遊泳術で知られ「鰻」とも。
タクシン派の最大野党プア・タイ党の本部が、クルングテープ都内ホアランポン地区からニューペッブリ通のOAIタワー(旧IFCTビル)に移転。これを祝うセレモニーが、ヨンユット同党党首によって執り行われた。「本部移転は、風水を考慮した結果で、党専属の風水師の承認も得ている。」とのこと。また、タイでは、9が縁起がよい数字とされており、移転のセレモニーは19日午前09時59分から行われた。
ソムチャーイ前首相は、「次期総選挙の際にタクシンの名を集票のために使用するべきではない。」と指摘。これは、朝行われたプア・タイ党本部のペッブリー・タットマイ通りにある旧タイ・ラック・タイ党等が入居していたビルへの移転式を終えた後に語られたもの。タクシンの義弟でもあるソムチャーイ前首相は、たとえタクシンが国民から絶大な支持を得ていようとも、現在政治から距離を置いているタクシンの名前を集票のために使用するべきではない。」と次期総選挙の際にタクシンの名やタクシン立案の政策を前面に打ち出す方針を明らかにしていたプア・タイ党のチャルーム・ユーバムルン警察大尉に釘を刺した。
世界遺産カオ・プラウィハーンに近接する国境未画定区域を巡る領土問題でカンボジアが東南アジア諸国連合(ASEAN)の介入を求めたことについて、アピシット首相は、「ASEAN議長国ベトナムのグエン・タンズン首相が、ASEANの会議でカオ・プラウィハーン問題を取り上げることはないだろう。」と述べた。「ベトナム首相は、カンボジアの要請について加盟国に打診した。」とされるが、アピシット首相は、「単に加盟国に意見を求めただけ。」と指摘。「ASEANが正式に同問題を取り上げることはない。」との見方。
08月20日(金)1957年から1990年にかけ副首相、国防相、内相などを歴任したプラマーン・アディレークサーン退役警察大将が、入院先のクルングテープ都内の病院で死亡。96歳。
故チャーチャーイ・チュナワン元首相の義兄。1976年10月06日にタマサート大学が襲撃され学生多数が死亡した事件に深く関与したとされる。10月06日事件では、1973年の民主化運動で亡命した元独裁者のタノム陸軍元帥の帰国に抗議しタマサート大学に立てこもった学生、市民数千人を右翼団体が襲撃し、公式発表で46人が死亡。強姦、焼殺といった残虐行為も多発。前年の1975年には共産勢力が南ベトナム、カンボジア、ラオスを制圧し、ラオスでは王制が廃止された。こうした状況が事件の背景にあった可能性があり、真相はタイの歴史の中で封印された形となっている。
タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)の反政府デモに加わり、非常事態宣言違反に問われていたオーストラリア人のパーセルが釈放。パーセルは、パトゥムワン地方裁判所から禁固1ケ月と15日の有罪判決を言い渡されたが、こう留期間が2ケ月に及んでいたことから、即時釈放となったもの。また、パーセルは釈放後、国外退去処分の手続きのため、入国管理部に移送。
08月21日(土)カンボジアのプノンペンポスト紙は21日までにカンボジア外務省報道官の言として、「フン・セン首相が、今年10月にベルギーで開催されるアジア欧州会合の場で国境紛争問題に関してアピシット首相と直接協議を行う用意があることを明らかにした。」と報じた。カンボジアは、第3者が介在しない2国間の直接協議を希望している。
これに先立ち、東南アジア諸国連合のスリン事務局長がカンボジアを訪問した際に、「アジア欧州会合の場を利用して両国首脳間で国境紛争問題解決に向けた協議を行うべきである。」と提案。
08月22日(日)16日に非常事態宣言が解除されたタイ北部チエンマイ市で、タクシン支持派の反独裁民主主義同盟(UDD)約200人が反政府集会。歩行者天国に集まり、03~05月のクルングテープでのタクシン派集会の模様を撮影したCDを配布したり、シンボルカラーである赤服を販売。タクシン派はまた、クルングテープの集会の強制排除で多数の死傷者が出たことに抗議し、路上で倒れこんだり、デモ行進。今回の集会は、05月にUDDへの強制排除への反発と抗議で、現政権に即時解散を求めるもの。
来年度予算案審議が当初予定されていた期間中に終了せず、24日から引き続き審議を行うことになったが、政府は同審議をテレビ中継しないことに決定。
これに対して、最大野党プア・タイ党の広報担当プロムポンは、「不適切な予算割当を国民に知られたくないため。」、「納税者である国民には予算がどのように使われるかを知る権利がある。」などと、政府を厳しく批判。
予定されていた3日間で審議が終わらなかったことについては、与党幹部が先に、「野党議員が国民の関心を引こうとパフォーマンスを繰り広げたため。」と述べており、政府は、「中継するとまともな審議ができない。」と判断。
なお、プロムポンは、「野党の厳しい追及に対し、政府は口裏を合わす時間が必要だった。このため、政府は審議をすぐに延長せず3日おいて再開することにした。」と憤慨。
アピシット首相はテレビ番組の中で、「09月のASEM会議開催の際、領土問題についてカンボジアのフン・セン首相と直接対話する用意がある。」と明らかに。
この問題は、カンボジアが国境未画定区域の一部を世界遺産カオ・プラウィハーン周辺地域を含めて管理する方針を示し、これにタイが強く反発しているというもの。カンボジアは、問題を大きくしてアピシット政権に揺さぶりをかけるためか、国連などに介入を求めているが、アピシット首相は番組の中で、「ASEM会議では、国際機関や第3国の関与なしに直接話し合うことができる。」と述べ、直接対話による解決を望む姿勢を改めて示した。
08月23日(月)午前憲法裁判所で審理中の民主党解党裁判の原告側証人の1人であるタチャポン・プロームチャン1等巡査が首相官邸を訪れ、法務省の証人保護規則に則った人身保護を遂行するよう要請する首相宛の書状を提出。タチャラポンによると、「憲法裁判所で証言を行った際に、法務大臣や関係官僚、民主党の弁護団等から、証人たる自分の人身保護に関係する個人情報を暴露され著しい人権侵害を受けた。」、更に証言を終えた後に、「脅迫目的の尾行にあったことによる自身の身に危険を感じた。」という。
午後タクシンがカンボジア政府の経済顧問を辞任したことが明らかに。タクシンは23日付けでカンボジア政府付経済顧問及びフン・セン首相付顧問から辞職したとされ、また辞職理由に関しては「職務を十分に遂行することが困難であるため。」としている。
タクシンの処遇や国境問題でカンボジアと対立するタイのアピシット首相は辞任について「いい知らせだ。」と述べ、両国の関係修復に期待を示した。カシット外務大臣は、両国関係改善に向けたカンボジア側の姿勢に歓迎の意を表明。「外交レベルの引き下げ要因がなくなった。」として、24日付けで在プノンペンの大使の帰任を命じたことを明らかに。カンボジアも同日付で在タイ大使を帰任させる見通し。
カンボジアは昨年、タイで汚職で懲役2年の実刑判決を受け国外逃亡中のタクシンを政府顧問に任命。タイ政府はこれに抗議し、同年11月に駐カンボジア大使を引き揚げ、カンボジアも駐タイ大使を召還。タイ政府はタクシンがカンボジアを訪問した際に身柄引き渡しを要求したが、カンボジアはタクシンへの有罪判決は政治的なものとして、引き渡しを拒否。両国関係は今年に入っても好転せず、08月上旬にはカンボジアの山上遺跡カオ・プラウィハーンが国連教育科学文化機関(UNESCO)の世界遺産に登録されたことに抗議し、数百人規模の集会を開催。会場でアピシット首相がカンボジアへの武力行使の可能性を示唆したことから、カンボジアが国連安全保障理事会にタイ政府を糾弾する書状を送付。カンボジアはタイとの国境紛争で東南アジア諸国連合(ASEAN)や国連の調停を求め、法的に不利と見られるタイは2国間協議での解決を目指している。
2ケ月に及んだ大規模な反政府活動における治安部隊との衝突や銃撃・爆弾事件で91人が死亡したことについて、法務省特別捜査局(DSI)が記者会見。「死亡した全員が他殺もしくは不自然死だった。」、「調査にさらに時間が必要。」と発表。事件から3~4ケ月経過したにも関わらず、捜査は全く進んでおらず、このまま闇に葬り去られる公算が大きい。
死者の多くはタクシン派の市民で、外国人では取材にあたっていたロイター通信の日本人カメラマン、村本博之、イタリア人カメラマンのファビオ・ポレンギの2人が銃弾を受け死亡。ポレンギの姉のイザベラは05月と07月に来タイし、タイ政府に捜査の進捗状況をただしたが、具体的な回答はないまま。村本についても、タイ政府は「情報、証拠が少なく捜査は困難。」との言を繰り返している。2人は治安部隊に銃撃された可能性が高く、捜査の進展は見込み薄。
これに対し、人権活動家などから批判が相次いだ。発表では、捜査の概要が明らかにされただけで、個別の死因などについては説明がなかった。人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のスナイは、「非常に不満足。91人がどのような状況で死に至ったかだけでも明らかにすべきだった。」としている。一方、DSIによれば、「現在抱えている捜査事案が266件と多忙を極めており、また、警察庁からはまだ42人の検案書を受け取ったに過ぎない。」とのこと。
岡田克也外相は、タイを訪問し、カシット外相と会談。アピシット首相を表敬訪問。日本の外相が国際会議出席などでなくタイを2国間訪問するのは5年ぶり。2006年09月のタイの軍事クーデター以来初めて。
カシット外相は岡田克也との会談で、今年04月、ロイター通信の日本人カメラマン村本博之がタクシン派のデモ隊と治安部隊の衝突を取材中に銃撃され死亡した事件について、「情報、証拠が不足し、捜査が進展していない。」と説明。タイ東部のマプタプット地区で日系を含む石油化学、鉄鋼などの大型投資案件が裁判所命令で凍結されている問題に関しては、「早期解決を目指し対処している。」と話した。両外相はこのほか、国連安保理改革、ビルマ情勢、タイ・カンボジア関係などについて意見交換。
岡田克也は外相会談後、アピシット首相を表敬訪問し、村本事件の早期真相解明とタクシン派デモで被害を受けた日系企業への補償について対応を求めた。その後、プミポン・タイ国王が入院中の病院を訪れ、快癒を祈り記帳。村本が死亡した現場で献花。また、日本の有償資金協力で建設されたクルングテープの地下鉄、トヨタ自動車のタイ工場などを視察。
08月24日(火)タクシンがカンボジア政府の経済顧問を辞任したことを受け、タイ政府は、駐カンボジア大使をカンボジアに再度派遣。カンボジアも25日に駐タイ大使を任地に戻す予定で、両国は大使レベルの外交関係を再開。
タイは汚職で懲役2年の実刑判決を受け国外逃亡中で、フン・セン首相と親交のあるタクシンをカンボジア政府は昨年11月04日カンボジアの政府顧問に任命。これに抗議してタイ外務省は翌05日にカンボジアからの大使召還を決定し、カンボジアも対抗措置として大使を召還。
なお、タイ政府関係筋は、「タクシンの顧問辞任は、2国間で進められてきた関係正常化に向けた話し合いの成果。」としているが、カンボジア当局は、「タクシンは個人的理由で顧問を務め続けることが困難になった。」、「領土紛争とは無関係。」などと説明。「関係正常化のためタクシンに顧問辞任を働きかけた。」との見方を否定。
大規模な反政府デモに関連して死亡した91人の死因などに関する捜査が遅れていることについて、予算案審議で野党議員から批判されたステープ副首相(治安担当)は、「法務省特別捜査局(DSI)に迅速な捜査を求めた。」と述べ、政府も捜査の進み具合に不満足であることを明らかに。
一方、非常事態対策本部の最高責任者であるステープ副首相は、「非常事態対策本部が捜査に干渉することはない。」と明言。
予算案審議では、野党議員から「デモ参加者などを早々と逮捕しておきながら、死因についてはなかなか結論を出そうとしない。」といった政府批判が相次いだ。
プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、「非常事態宣言が解除されようとも現段階ではクルングテープで政治集会を再開する方針がない。」と明らかに。「集会活動をクルングテープで再開させることにより、再度デモ隊に死傷者が出ることが懸念されているためだ。」という。またチャトポンは、改めて「政府が二重基準に基づいて民主主義市民連合と同盟に対応している。」と指摘し、「同様にテロ容疑が持たれている連合幹部が警察に出頭する26日に、同盟と同様に連合幹部に対して拘置措置や迅速な法的手続きが進められるか注目している。」と述べた。
パニターン政府報道官代行は、アピシット首相とカンボジアのフン・セン首相との直接協議が、アジア欧州会合に先駆けて09月に開催される東南アジア諸国連合+アメリカ首脳会談の際に実現する見通しを明らかに。当初アピシット首相は、フン・セン首相の提案に基づきアジア欧州会合の場で直接協議を行う意向を示していた。
パニターン報道官代行によると、現在外務省が直接協議実現に向け調整中で、実現した場合は第三国が介在しない文字通りの直接協議が行われる見通し。
一方、24日中に両国の大使が帰任し外交関係が正常化する見通しになったことを受け、フン・セン首相は24日までに、狩猟中にカンボジア領内に侵入し身柄を拘束された3人のタイ人の釈放を命じたことが明らかに。チャワノン外務大臣秘書官によると、向こう2~3日以内に3人の帰国が実現する見通し。
08月25日(水)朝までにカンボジアの首相府付き報道官は、「フン・セン首相が、狩猟中に国境線を越えたとしてカンボジア当局に拘束された3人のタイ人の釈放を命じた。」との報道を否定。この報道官によると、「フン・セン首相は司法に介入する権限を持っておらず、2~3日以内に3人を釈放するよう命じたという報道はタイによって捏造されたものだ。」という。
しかし、スリン県のラピー知事は25日午後、カンボジアに拘束されている3人のタイ人が26日に釈放される予定になっていることを明らかにし、身柄引き取りのために26日10:00にカンボジアのシエムリアップに赴く予定であることを明らかにしている。「既にフン・セン首相が3人の釈放許諾署に署名している。」という。
昼過ぎ下院議会は、賛成多数で2兆0700億Bの来期予算案を承認。
5日間、のべ約60時間にわたって行われた審議を経て行われた採決で、466人の出席議員中253人が賛成票を投じ、178人が反対票を投じた。また14人が保留票を投じ、21人が投票を棄権。
一方、来期予算案が下院を通過したことを受けプラソップスック上院議長は、来月06日に予算案審議のための上院議会を招集する方針であることを明らかに。
プラウィット国防相(元陸軍司令官)、アヌポン陸軍司令官らタイ軍の幹部は、タイ国王の諮問機関である枢密院の議長、プレム・ティンスラーノン(元首相、元陸軍司令官)のクルングテープ都内の私邸を訪ね、翌26日に90歳となるプレム氏に祝辞を述べた。
プレムはプミポン国王の代理人的な立場で、誕生日前には毎年、現役の軍・警察の最高幹部が祝賀に訪れる。こうしたことから、「軍の人事権はプレムが握っている。」という見方もある。
プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、武器密売等の容疑で拘束されている「死の商人」ことビクトル・ボウト(43)と面会したとされる、首相側近のシリチョーク・ソーパーを権利乱用で罷免請求する方向で調整する考えであることを明らかに。
ボウトは武器商人を描いた2005年公開のアメリカ映画「ロード・オブ・ウォー」(主演:ニコラス・ケージ)の主人公。1990年代から、ウクライナなどで調達した大量の兵器を、国連決議で武器輸出が禁止されているアフリカの紛争地帯や中央アジア、中東などに売り捌いた。米当局がテロ、謀殺などの容疑で起訴し、米国に移送される見通し。ロシア政府は今回の判決について、「タイが米国の圧力に屈した。」として不快感を示している。

← 元ロシア軍将校で「死の商人」ビクトル・ボウト(43)。

これは、ボウトの顧問弁護士の発言を追認する形でシリチョークが04月11日にボウトと面会していたことを認めたことを受けたもの。チャトポンは、「シリチョークが下院議員という立場を利用して面会時間外にボウトと面会するという規則違反を犯した。」と指摘し、アピシット首相に対して適切な措置をシリチョークに対して講じるよう要求し、シリチョークの罷免請求を視野に党の法務チームと今後の対応について協議する考えであることを明らかに。
シリチョークは、下院議員としての職務としてボウトと面会したことは認めたが、面会は通常の手続きを経て所定の面会時間内に行われており、また言われているようなボウトが絡む武器の流れとタクシンを結びつける意図はなかった。」と語った。
また、ボウトの顧問弁護士も、シリチョークがボウトと面会した際にタクシンと結びつけるような話が一切出ていなかったことを確認。
大使をタイに復帰させるとの先のカンボジア政府の決定に伴い、昨年11月まで駐タイ・カンボジア大使を務めていたユー・アイ♀が、駐タイ大使に復帰するためスワンナプーム空港に到着。
タイ政府は昨年11月、カンボジア政府がタクシンを政府顧問に任命したと発表したことに抗議して、駐カンボジア大使を召還。カンボジアも対抗措置として大使を帰国させていた。だが、先に元首相の顧問辞任が明らかになり、タイ政府が大使復帰を決め、カンボジアも大使を帰任。
08月26日(木)入国管理警察局は、放火や非常事態宣言施行規則違反等でチエンマイ県地方裁判所から逮捕状が発行されていたイギリス人キース・ウェイン・ブッシュ(49)とタイ人アリサ・ブッシュ(33)の夫婦を逮捕したことを明らかに。
警察によると、25日深夜に夫が訪問先のアラブ首長国連邦からスワンナプーム国際空港にEY408で到着した夫キース・ウェイン・ブッシュ及び迎えに来ていた妻アリサ・ブッシュ両人の身柄を確保。
夫婦は反独裁民主主義同盟チエンマイ県支部のメンバーで、クルングテープで集会活動を展開していた同盟が集会解散を決定した05月19日に、公共施設に放火しようとしているところが監視カメラ映像に記録されていたことを受け逮捕状が発行されていた。
また、北部のチエンマイ、ナーン、パヤオといったタクシン支持者の多い県でUDDの反政府集会が行われた。だが、UDD幹部の多くが拘留中で動員力を欠いたためか、チエンマイの集会でも100人程度が集まっただけ。
タクシンの法律顧問のノパドン・パッタマは、「タクシンがカンボジア政府の経済顧問及びフン・セン首相の顧問を辞任したのは、単に時間がないという理由によるものだった。」と明らかにし、「タクシンとフン・セン首相との間に対立は存在しておらず、従来通りの関係を依然保っている。」と確認。また、タクシンの現況に関し「健康である。」とし、Twitterの更新が暫く止まっていることに関しては、「任務に追われ時間を取ることが出来ないためである。」とした。
タクシンの法律顧問のノパドン・パッタマは、タクシンが、死の商人ことビクトル・ボウトが関係する武器の密取引に関与しているとするアピシット首相側近のシリチョーク・ソーパーの指摘を否定。タクシンがシリチョークを名誉毀損で告訴することを視野に検討する意向を示していることを明らかに。
一方、プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは26日、「ボウトが『タクシンを知っている。』と語っていた。」とシリチョークが語っていることに関し、「この『知っている』という言葉は、『世界中の人が知っている、タクシンのことを単に知っているだけだ。』ということを意味しているだけで、タクシン自身はボウトのことを知らないと確信している。」と語った。
また、シリチョークが04月11日にボウトに面会したことを認めていることに関し、「パンファー橋周辺で行われた同盟のデモ隊に対する制圧行動の翌日である。」と指摘し、「面会の背景に政治的な思惑があるだけでなく、面会が認められていない日曜日に議員の立場を乱用して面会した疑いがある。」と指摘。
2008年11月24日から12月03日日にかけ、スワンナプーム国際空港とドンムアン空港(旧バンコク国際空港)が反タクシン派団体、民主主義市民連合(PAD)の支持者数千人に占拠された事件で、PAD の幹部、支持者ら59人が警察庁犯罪制圧課(CSD)に出頭し、テロ容疑などで取り調べを受けた。PAD幹部ら79人がテロ罪などに問われて出頭命令を受け、うち59人が今回出頭。その後、全員その日のうちに帰宅を許された。
出頭したのはPAD創設者で実業家のソンティ、副首相、クルングテープ都知事などを歴任したチャムロン陸軍少将ら。全員がすべての容疑を否定。ソンティは「デモ隊が手にしていたのは棒やハンドクラッパーだけ。容疑は事実無根で、政治的なものだ。」と述べ、担当の警察高官を告訴する考えを表明。ソンティは前日に「アピシット政権の汚職はタクシン政権よりひどい。」と、政権批判も行っていた。
PADは2空港のほか、2008年08月26日から12月まで、首相官邸にあたるタイ首相府を長期占拠。いずれの事件でも、PADの幹部、支持者のほとんどは一度も拘留されなかった。検察は首相府占拠に関するPAD幹部の起訴を2008年11月から今年08までに11回延期。
ステープ副首相は、「カンボジア国内の道路建設のためのタイ政府の有償援助が近く再開される。」と明らかに。
タイ政府は昨年11月、「カンボジア政府がタクシンを経済顧問に任命した。」と発表したことから、全長68㎞の道路建設のための援助14億Bの凍結を決定。だが、先にタクシンが顧問を辞任したことから、援助再開を決めたものという。
23:30頃クルングテープのラーチャテーウィー区ソーイ・ラーンナム入り口にあるキングパワー・コンプレックス正面の地下駐車場入り口付近前で爆発が発生。飛散した破片で、警備員のチェッサダ・チャンクラチャング(24)が頭部などを負傷し重傷。近くのラチャウィティ病院に搬送。爆発の影響により地面に直径10㎝ほどの穴ができ、近くのビルのガラスが6枚割れた。
クルングテープでは、07月25日にショッピング街のラーチャプラソン交差点近く、07月30日未明にはキングパワー前でゴミに見せかた袋に入れられていた爆発物が爆発し、廃品回収業の男が重傷を負うという事件が発生。計1人が死亡、十数人が重軽傷。いずれもタクシン派、反タクシン派の抗争絡みと見られている。
周囲の警戒が強化されていたが、一部報道によると、「爆発が発生した26日23:00頃には警戒に当たる治安当局者が現場周辺にいなかった。」という。現場で回収された爆発物の破片等からM67が犯行に使用されたと見て調査が進められている。
首都圏警察本部パヤータイ署は、爆発発生前にバイクで付近を周回し、爆発発生後に2回にわたり現場に戻ってきていた20歳位の男が何らかの事情を知っていると見て、身柄を確保し事情聴取を行っている。「この男が、爆発発生前にバイクを止め重傷を負った警備員と会話を交わしているところが目撃されていた。」とする報道もある。
08月27日(金)昼前まで26日夜にクルングテープ都内ランナム通りの大型免税店キングパワー前で爆弾が爆発し、警備員が重傷を負った事件で、タイ警察は、「M79グレネードランチャーを使い擲弾が撃ち込まれた。」という捜査結果を明らかに。「パヤータイ交差点(報道によりサヤーム・シティー前)から発射機を使用してM79が撃ち込まれた。」と見て捜査を展開。一方、事件の背後関係に関しては、「政治情勢が絡んでいる。」とみて捜査を行っていることを認めたが、キングパワー前を初めとする都内各所で発生している爆破事件と同一グループによる犯行の可能性に関しては確認を避けた。
今後、都内の警備を強化する方針。26日はタクシン派が反タクシン派の黒幕とみなすプレム枢密院議長(90)の誕生日。免税店を運営するキングパワー・グループのウィチャイ会長兼CEOが、与党第2党のプームチャイ・タイ党の最高実力者、ネーウィン元首相府相(元タイ・ラック・タイ党役員、公民権停止中)と親交があることから、今回の事件はプームチャイ・タイ党への悪質な嫌がらせとの見方も。ネーウィンはタクシン派から反タクシン派の現政権に寝返った。また、29日にはクルングテープ都議・区議選がある。
非常事態対策本部本部長を兼務するステープ副首相は、前日23:00過ぎに発生したキングパワー前爆破に絡んで、「29日に行われる都議会議員及び区議会議員選挙が爆破の背景に関係していると見て警察が捜査を進めている。」と明らかに。
また、爆破現場周辺に設置された監視カメラが機能していなかったり、実行犯特定に結びつく映像を記録していなかったことを受け、関係機関に対して都内全域に設置されている監視カメラの設置場所の見直しや改善を命じると共に29日の都議議会議員及び区議会議員選挙まで緊密に情勢を監視するようウィチヤン次期国家警察本部長候補に命じたことを明らかに。
プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、「前日深夜に発生したキングパワー前爆破事件は、29日に行われる都議会議員及び区議会議員選挙の票誘導を意識したものである。」と指摘。チャトポンは、「クルングテープ第6選挙区で行われた下院補欠選挙の前にもキングパワー前で爆発が発生していた。」、「赤服軍団の仕業であるとの印象を植え付けることによる票の誘導を意図している勢力が、政権に近く、爆発物を仕掛けやすいキングパワーを標的に利用した。」と指摘。チャトポンによると、「キングパワーは部外者の立ち入りは難しいものの、政権に繋がる者なら容易に立ち入ることが出来る。」という。
民主党のパニット下院議員は、「タクシンがタイと国境を接していない東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国に滞在している。」と述べた。タイ外務省も「どの国かは言えないが、ASEAN加盟国なのは事実。」としている。
タクシンは首相在職中に妻ポチャマンが国有地を購入したことで2008年に禁固2年の実刑判決を受け、同年から国外逃亡中。タイの現政権は反タクシン派で、各国にタクシンの逮捕、送還を求めているが、タクシンはモンテネグロなどのパスポートを取得して追跡を逃れている。タクシンの逮捕に消極的な国も多い。タクシンが昨年から今年にかけ訪れた国はアラブ首長国連邦、ロシア、フランス、カンボジア、ブルネイ、モンゴルなど。07月にモンゴルでタクシンと会談した鈴木宗男衆議院外務委員長(斡旋収賄罪、受託収賄罪、政治資金規正法違反、議院証言法の偽証で、1審・2審有罪で上告中の被告人、衆院で議員辞職勧告決議が可決)によると、モンゴル政府はタクシンの入国を認め、「車も出し、警察車両もついていた。」という。
武器密売の大物とされるビクトル・ボウトの妻アラ・ボウトがクルングテープで記者会見を開き、「シリチョーク民主党議員からタクシンのプライベートジェットの撃墜方法などを聞かれた。」などとするビクトル・ボウトの手記を読み上げた。
それによると、「アピシット首相(民主党党首)の側近であるシリチョーク議員が04月15日、バンクワン刑務所に拘留中のビクトル・ボウトに面会し、『どうすればタクシンのジェットを撃墜できるか。』、『武器密売にタクシンが関与したか。』、『タクシンの健康状態はどうか。』などと質問した。」という。これに対し、「『タクシンが誰か知らない。』などと返答した。」とのこと。
08月28日(土)アピシット首相は、クルングテープ都内ランナム通りで爆弾事件が起きたことを受け、「クルングテープの非常事態宣言が解除されるのは、他の全ての県が解除となった後。」と述べた。アピシット首相によれば、「26日夜の同事件と07月30日に近くで起きた事件は類似点がみられるものの、このような散発的事件は、予防や犯人逮捕が困難。」と言う。 その一方で、「この種の事件が今後多発することは考えにくい。」との考えを示した。
警察では、26日の事件はM79グレネードランチャー(携帯用迫撃砲)で擲弾を発射したものと見ているようだが、発射地点が付近のビル上階か地上かは特定できていない。
武器密売の疑いで拘留されているビクトル・ボウトが、米国への身柄引渡しを中止するようアピシット首相に嘆願する予定。
ボウトの弁護を担当するラック弁護士は、「バンクワン中央刑務所に面会に行き、嘆願書に署名してもらう。嘆願書は、犯罪人引渡しに関する法律の順守を求めるもの。法律に従えば、アピシット首相もステープ副首相も身柄引渡しを許可できないはず。」と述べた。
また、ボウトが、「首相側近のシリチョーク民主党議員から、タクシンのプライベートジェットの撃墜方法を聞かれた。」などとしている件について、シリチョーク議員は、ボウトに04月15日に面会したことは認めたものの、「首相側近として面会したものではない。」、「英語でやりとりしたため意思の疎通がうまくいかず誤解があったかもしれない。」などと説明、ボウトの言い分を部分的に否定。
シリチョーク議員は、タイ国内で摘発された武器密輸に関与していたグルジア籍航空機絡みでタクシンと武器密取引との関係について質問したことを認めた。これは、前日にボウト被告が妻アラ・ボウトを通して外国人記者クラブで発表した、「自らに持たれている容疑は全てアメリカによりでっち上げられたものである。」とする声明文の中で、アピシット首相の側近(シリチョーク)と面会した際に、タクシンと武器密取引との関係について質問を受けていたことを明らかにした事を受けたもの。シリチョークは、「タクシンが訪問していたスリランカの野党議員から提供された情報に基づいて、昨年12月12日にタイ国内で摘発された北朝鮮からスリランカへの武器密輸途上にあった航空機とタクシンとの関係について質問したが、あくまで事実関係の確認を目的としたもので、タクシンと武器密取引とを結びつける意図はなかった。」と語った。また、「面会の際に首相の側近である。」と語ったとボウトが指摘していることに関しては、「事実ではなく、あくまで下院議員の職務として面会した。また面会日に関してはボウトの指摘通り、04月15日だった。」と、04月11日とするプア・タイ党のチャトポン・プロムパンの指摘を否定。シリチョークによると、「04月11日は、スリランカの野党議員がタクシンとタイ国内で摘発された武器密輸途上の航空機との関係を指摘する記者発表を行った日だ。」と言う。
ボウトの妻アラが、「ボウトとシリチョークが面会した模様を記録したテープが存在している。」と発言していることに関しては、「ボウトが声明文の中で事実ではない。」と指摘している。
タイでは昨年12月、給油のためドンムアン空港に着陸した大型輸送機からスリランカ向けとされる北朝鮮製兵器が発見される事件があったが、シリチョーク議員によれば、スリランカの野党が04月11日に「事件直前にタクシンが密かにスリランカ首相と会っていた。」と明らかにした。このため、「本当は武器がタイ国内のタクシン派に提供される予定だったのではないかと疑い、それを確認すべくボウトに面会した。」とのこと。
プア・タイ党所属議員で反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、09月07日に招集される党綱紀委員会の場で、離党の意向を示しているサムット・プラカン県選出の2議員の党除名の是非について検討される見通しであることを明らかに。
この発言に先立ち、同党サムット・プラカン県選出のチラパン・リムサクンシリラットが、「31日に同じくサムット・プラカン県選出で、元俳優のクルン・シーウィライことナティー・スティンプアックと共にプームチャイ・タイ党の党会議に出席する予定である。」と語り、公式に離党の意向を示していた。
チャトポンは、皮肉混じりに、「両者のように予め離党の意向を示してくれれば綱紀委員会の招集が容易になる。共に何度も同じ釜の飯を食べた者として、党を離党した者が、葬儀の場から追い出されたり、挙式の場でペットボトルを投げられる様な運命を辿るということを自らの行動で証明してくれることを希望している。」と語った。
08月29日(日)プア・タイ党のプロームパン報道担当は、クルングテープの地下鉄線駅を狙った大規模な爆破攻撃が計画されているとの情報を安全保障当局筋から得ていることを明らかにし、政府及び安全保障当局に対して警戒態勢を強化するよう要請。プロームパン報道担当によると、「計画は09月から10月にかけて実行される虞れがあり、また計画の背景に、全ての責任を反政府勢力になすりつけると共に総選挙の早期実施を阻止したいとの思惑がある。」という。
08月29日投開票のクルングテープ都議選・区議選は、反タクシン派の政権党・民主党がともに約8割の議席を獲得、タクシン派の最大野党プア・タイ党に大きな差をつけて勝利。速報によれば、獲得議席数は、都議選(定数61)の獲得議席は、民主党45、プア・タイ党15、無所属1で、投票率41%。区議選の改選256議席中、民主党210、プア・タイ党39、無所属7で、投票率42%。クルングテープはもともと反タクシン派が多く、また、先の下院補欠選でも民主党が勝利していることから、今回の結果は予想の範囲内とのこと。ただ、投票率は、都庁の予想を下回った。
クルングテープ都議会は任期4年。2006年07月の前回選挙では民主が37議席、タクシン派のタイ・ラック・タイ党(2007年に裁判所命令で解党)が15議席を獲得。
一方、反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)を支持母体とする新党の新政治党(NPP)が初めて候補を擁立、選挙デビューとなったが、1議席も獲得できなかった。新政治党幹部は、「実績のなさや低投票率が敗北の原因。投票率が60~70%だったら何人かが当選していただろう。」としている。
このほか、今回の選挙を国政選挙の前哨戦とみて、「総選挙でも民主党が有利。」とする意見もあるが、民主党のクルングテープ選挙顧問オンアートは、「地方選挙と国政選挙は別物。有権者の判断基準は、地方選挙では候補者個人、だが、国政選挙では政党。結果は自ずから異なる。」と慎重な姿勢。
08月30日(月)午前民主党本部にテープタイ・セーンポン党首付報道官宛てに汚物入りの袋が届けられていたことがわかった。袋にはウドーンタニー県クムパワーピー郡の北東北部協会から、テープタイ報道官宛てと書かれた手紙も同封されていた。「問題の小包は、民主党本部の職員による内部検査が行われないままテープタイに届けられた。」と言う。
手紙には、「首相の忠実な犬ともいえる報道官は、汚物を食べるのがお似合いだ。」という皮肉とともに、「もし北東北部に現れた場合、その日が命日であると思え。」との内容が書かれていた。
糞尿入りの小包が届けられたことに関してテープタイは、「自分と反対の考えを持つ者による1つの表現手段でしかない。」として、「特に思うことはないが、意見を同じくする、意見を異にするに関係なく各人がそれぞれの職務を尊重し、過激な手段によらない方法で意見を表明することを希望している。」と語った。テープタイによると、「これまでにも度々この様な手紙や小包が送り届けられていた。」という。
政府は閣議で、内務省の行政局、地方行政振興局、コミュニティー開発局といった行政の要となる重要ポストに、プームチャイ・タイ党最高幹部のネーウィン・チッチョープの息がかかっていると見られる人物を据える人事を承認。特に最重要と目される行政局長のポストには、現コミュニティー開発局長のウィチヤン・チャワリットが据えられた。また、チエンライ県知事のスメート・セーンニマナウォンを解任し、監察官に更迭する人事が承認された。
政権党の民主党が2005年にセメント大手TPIポーリング社から広告代理店を通じて2億5800万Bに及ぶ不正献金を受けたとされる疑惑で、民主党の弁護士は憲法裁公判で、「法務省特別捜査局(DSI)の元副局長の働きかけに応じて同代理店の元幹部が民主党に不利な虚偽の証言をした。」との主張を展開。「元幹部は当時、自宅を抵当に銀行から融資を受けていたが、返済できず、自宅を手放さざるを得ない状況にあったが、元DSI副局長が便宜を図ると約束した。その後、元幹部は立ち退きを命じられ、この住宅は競売にかけられたが、ある警察官が400万Bで落札。しかし、この警察官の同意のもとに元幹部が入居し、現在、再び自宅として使用している。」という。
また、公判で民主党の弁護士は、「警察官の警護を受けてパタヤに滞在していた。」と警察関係者などとのつながりを指摘して確認を求め、「昨年03月の不信任案審議でチャルーム、プア・タイ党議員が不正献金疑惑を暴露する前にチャルーム議員と会って何を話したか。」などと質問したが、元幹部は返答を拒否。また、「400万Bはプア・タイ党が出したのではないか。」との質問には、「出どころは知らない。」とだけ答えていた。
この疑惑で有罪となれば、民主党は解党、アピシット首相(党首)を含む党役員も公民権5年停止となる見通しだが、「裁判が長期化する。」との見方も出ている。
都議選・区議選で最大野党プア・タイ党が惨敗したことについて、プロートプラソップ副党首は、「クルングテープで大規模な反政府活動を繰り広げた反独裁民主主義同盟(UDD)とプア・タイ党が同一視されたことが敗因の一つ。」と述べた。また、「投票率が低かったこともプア・タイ党の獲得議席数が伸びなかった原因。」という。
関係筋によれば、「UDDとプア・タイ党は、主要議員がUDD幹部で、多数の議員がUDDの集会にも参加しており、極めて親密な関係にある。」とされる。
だが、先の反政府活動に関連して多数の死傷者が出てUDD幹部らがテロ罪に問われたこともあって、プア・タイ党内では、「表向きはUDDと距離を置くべき。」との意見も出ている。
ステープ副首相は、安全保障当局が地下鉄線を狙った爆破が計画されているとの情報を掴んでいないことを確認。
先にプア・タイ党のプロームパン報道担当が、「09月から10月にかけて地下鉄を狙った大規模な爆破が計画されているとの情報がある。」と警告していたが、ステープ副首相は、「このような情報を安全保障当局は掴んでおらず、プア・タイ党が情報をでっち上げた疑いがある。」と指摘。また、首都圏警察本部のサンターン本部長も、警察の情報当局筋も当該情報を掴んでおらず、またかかる情報に絡んだ警戒態勢の強化も指示されていない事を明らかに。
一方、民主党のブラナット報道官は、「プロームポン報道担当は、この情報の詳細を明らかにし、情報が真実であることを証明するべきである。」、警察に対し、「プロームポン報道担当を召喚し事実関係を確認するべきである。」と述べた。
カシット外務大臣は、モンテネグロの外務大臣が、国際刑事警察機構の方針に則り、タクシンに対して適切な対応を取る意向を示していたことを明らかに。
英字紙The Nationは、「モンテネグロの外務大臣が、国際刑事警察機構の指名手配者リストに登録されることを条件にタクシンの送還を約束した。」と報じている。「カシット外務大臣は、現在モンテネグロを公式訪問中で、今回の訪問は両国間の友好関係強化を意図して行われているため、同日行われた同国外務大臣との会見の際にはタクシン関連の話題は話し合われなかったが、訪問に先だって同国外務大臣と面会する機会があった際に、国際刑事機構の方針に則った対応をタクシンに対して取る意向であることが伝えられていた。」という。
08月31日(火)閣議で内務省高官8人の人事異動案が承認されたことに対し、最大野党プア・タイ党の幹部であるチャルーム議員は、「年功序列や実績に基づかない縁故人事だ。」と非難。内務省職員に批判の声を上げるよう求めた。同人事は、局長4人、副事務次官3人、検査主任1人などを入れ替えるというもの。チャルーム議員によれば、「今回のような人事は、政治家に取り入った者だけが昇進できるというものであり、受け入れがたい。」とのこと。
なお、現政権では内務省は、与党第2党プームチャイ・タイ党に任され、チャワラット党首が内相を務めているが、関係筋によれば、「元タクシン派のネーウィン(公民権停止中)が牛耳るプームチャイ・タイ党は、利権に対する貪欲さが目立ち、これがしばしば政権党の民主党との対立の原因になっている。」とのこと。
13:45頃都内ウィパワディーランシット通りのタイ国営テレビ局NBT(チャンネル11)の駐車場で爆発が起き、自動車4台が破損。付近に人はおらず、怪我人はなかった。警察は「ウィパワディーランシット通りの高速道路上から擲弾が撃ち込まれた。」と見て捜査を進めている。小型爆弾は、敷地内の樹木の枝を折るなどして、正面玄関から5mほど入った地点に着弾、爆発。
NBTは「タクシン派がタイ王室の廃止を狙っている。」という論調で反タクシン派色の強い放送を続け、タイ・ジャーナリスト協会などが偏向報道として批判。反政府勢力からは、「チャンネル11が政府寄りの報道に終始している。」といった批判が出ており、「今回の事件も政府への悪質な嫌がらせ。」との見方が有力。なお、チャンネル11では、03月27日と04月04日にも同様の事件が起きている。
タクシンの法律顧問のノパドン・パッタマはクルングテープで記者会見を開き、「タクシンが重病である。」との報道を否定。
ノパドンは、27日に撮影されたという南アフリカのマンデラ元大統領と一緒に納まったタクシンの写真を公開し、「タクシンが重病である。」との健康不安説を否定。
ノパドンによると、「タクシンはビジネスで世界を飛び回っており、南アフリカを訪問した際に、マンデラ元大統領との間で真の和解実現に向けた取り組みに関して意見交換を行った。」という。写真は、マンデラの書斎とみられる部屋でマンデラとタクシンが握手しているものや、タクシンの元妻ポチャマンといっしょに撮影したものなど。ノパドンによれば、「タクシンは健康そのものだが、国民和解の妨げになることを嫌って、自分に関心が集まらないよう発言を控えている。」とのこと。
これに先立ち、タクシンの義弟でもあるソムチャーイ前首相は、2日前にタクシンから63歳の誕生日を祝う電話があり、その際に重病であるとの報道を否定し、「現在タイの隣国ではないタイに近い国に滞在している。」と語っていたことを明らかにしていた。また、ソムチャーイによると、「タクシンの言動が久しく伝えられていない背景に、国内の正常化実現と自分を政治的な攻撃材料として利用されたくないとの思惑がある。」という。
一方、ノパドンは、カシット外務大臣がタクシンが市民権を持つモンテネグロを訪問したことに関して、「明らかにタクシンの捕捉を目的としたものである。」と指摘し、「政府がタクシンの捕捉行動を止めない限り真の和解は実現しない。」と指摘。
09月01日(水)シーサケート県警察は、前日20:00過ぎにウトゥムポンピサイ郡内で発生した、次期総選挙でプームチャイ・タイ党から出馬する予定になっている男性(55)が銃撃され、男性と県行政評議会議員の女性が重傷を負った事件に絡んで、「同郡を地盤とするプア・タイ党所属議員付女性秘書の息子が事件に関与していると見て行方を追っている。」と明らかに。
男性は、プームチャイ・タイ党最高幹部のネーウィン・チットチョープに近いことでも知られ、一緒に重傷を負った女性宅前で近親者等5人と飲食中に、女性が経営するミニマートの客を装った男に銃撃され重傷を負っていた。
警察は、「国政レベルの政治を巡る思惑が事件の背景にある可能性が高い。」と見て、地方政治や事業を巡る係争や個人的な係争の線も含めて捜査を展開している事を明らかに。
警察の年度末人事異動が警察委員会によって承認されたが、この人事で、サンタン首都圏警察長官が閑職に左遷されるとの見方が強まっている。
警察庁のポンサパット報道官は、「(首都圏警察長官の)異動は審査部会の判断に従ったもの。だが、人事案が国王陛下のご承認を受けるまでは、詳しいことは言えない。」としている。
なお、関係筋によれば、「サンタン長官更迭の理由は定かではないが、後任は与党第2党プームチャイ・タイ党と近い関係にあるチャクティップ警察中将に内定している。」とのことだ。
09月02日(木)サムットプラカン県選出プア・タイ党所属議員のプラチャー・プラソップディーが、県選出党所属議員全員の他党移籍を視野に2~3日中にプームチャイ・タイ党のネーウィン・チットチョープやアヌティン・チャーンウィーラクン(チャワラット内相の息子)、チャート・タイ・パッタナー党のソムサック・プリーサナーナンタクン等と面会する予定になっていることが明らかに。
プラチャーは、サムットプラカン県の主要な親赤服議員としても知られ、県内の集会開催や赤服の動員に関与していた他、クーデター発生直後に独裁制に反対する日曜日の人々という団体の設立に関与したり、関連するセミナーを主催するなどしていたことでも知られる。また、タクシンの帰国説等々のタクシン絡みのデマ情報の流布にも関与していた。
ネーション系のタイ語速報によると、「プラチャーは、先に離党の意向を示した県選出2議員に対する党の対応に不満を示し、近々電話でタクシンと連絡を取り決別を伝える意向を示して、既にチャート・タイ・パッタナー党のソムサックと電話で連絡を取っていたことを認めている。」という。 01日時点の報道では、「離党の意向を示している2議員に追随して離党する議員は県内にはいない。」とプラチャーが発言していた。
サムットプラカン県選出プア・タイ党所属議員を引き連れて離党する意向を示していたと伝えられていたプラチャー・プラソップディーは、INNの番組内で行われたインタビューの中で、「引き続き党と共に活動していく意向である。」と語り、「離党の準備を進めている。」との報道を否定。「ネーウィン・チットチョープやソムサック・プリーサナーナンタクン等との面会は、県選出2議員の移籍や予算等に関して問い合わせるためのもので、離党を視野にいれたものではない。」のだという。
しかし、ネーウィンから党合流の打診があった場合の対応に関しては、「状況次第の問題である。」と語るに留め明言を避けた。また、プラチャーは、全ての政党に対して、「党の改善に努めれば党を離党するような議員が出てくることはない。」、「共に将来プア・タイ党が政権を組織することになると確信している。」と語った。
サムットプラカン県県都内の路上で、県行政評議会議長や県商業会議所会頭等を歴任した県内有数の実業家としても知られる男性が乗ったベンツが銃撃され、男性が死亡し、運転手の男性が重傷。調べによると、男性が乗ったベンツを追尾していたバイクに乗った2人組の内の後部座席に乗った者がベンツに向け複数発の銃弾を発砲した。
警察は、男性が国政・地方レベルの政治家の主要な票の取りまとめ役で複数の企業の主要株主であることから、事件の背景に政治ないしはビジネスが絡む対立があると見て捜査を開始。
国王は、アピシット首相から提出されていたタイ軍幹部550人の人事を承認。
09月末で定年退官するアヌポン陸軍司令官の後任には、大方の予想通り、現陸軍副司令官のプラユット・チャンオーチャー大将(56)が陸軍司令官、現陸軍副司令官のキッティポン・ケートコーウィット大将が防衛省次官、現陸軍副参謀のダーポン・ラタナスワン中将が陸軍参謀、現陸軍司令官補佐のティーラワット・ブンヤプラダップ大将が陸軍副司令官、現第4国軍本部長のピチェート・ウィサイチョン中将及び現防空指令本部長のユッタシン・ドーイチュンガーム中将が陸軍司令官補佐10月01日付けで就任。
強硬な反タクシン派とみられるプラユットが軍の最強ポストにつくことで、タクシン派と反タクシン派の抗争激化を懸念する声もある。
プラユットは1954年、タイ東北部ナコンラーチャシーマー生。士官候補生学校12期、陸軍士官学校23期卒。タクシン政権を追放した2006年09月のクーデターでは、当時のアヌポン第1軍管区司令官の副官として重要な役割を果たしたとされる。アヌポンを後を追う形で、第1軍管区司令官、陸軍副司令官と軍のエリートコースを歩んだ。妻でタイ国立チュラーロンコーン大学語学研究所準教授のナラーポンとの間に娘2人。
タクシンが、タイラット紙が行った独占インタビューの中で、「国民のための自分で有り続けることだけが望みである。」と語っていたことが明らかに。
この発言は、「将来首相に返り咲く考えがあるのか。」との質問に対して語られたもので、タクシンは、「政治的な将来がない立場として、国民のための自分で有り続けること以上のものは望んでいない。」と語った。
また、しばらくTwitterの更新がないことに関しては、「早期の国内正常化実現を希望しているからで、もしタイラット紙からの取材でなかったら、おそらくインタビューを受けることもなかっただろう。」と語り、また、(重病説等の)嘘の情報を流す輩が依然存在していることに不快感を示し、「そのような輩の嘘を信じる者は、果たして自分が異常であるのか、または嘘話が好きなのか自問するべきである。」と指摘。
一方、カンボジアのフン・セン首相付顧問や同国の経済顧問を辞職したことに関しては、「時間がなくカンボジアを頻繁に訪れることが出来ないだけでなく、このことをネタにした中傷に晒され鬱陶しくなったからである。」とし、また再度フン・セン首相から顧問就任の話があっても 「既に年を取っており、また時間を取ることができないことから、むしろ自分のことに専念した方が良いとして固辞する考えである。」と明らかに。
タクシンによると、「ダイアモンド鉱山関連事業のため、現在アフリカに滞在中で、また法律顧問のノパドン・パッタマが公開した南アフリカのマンデラ元大統領と一緒に納まった写真は08月27日14時頃にマンデラの財団で撮影され、マンデラ元大統領元夫人と一緒に納まった写真が同日16時頃に撮影されたものだ。」という。
09月03日(金)タクシンは、タイラット紙が行った独占インタビューの中で、「自分を国家・国民、王室を愛する者であると認めてくれる者とのみ協議に応じる用意あある。」と明らかに。
国家の最重要人物との協議に応じる可能性に関して聞かれたタクシンは、「自分が望んでいるのは国家の平穏と和解実現だけである。」、「自分を首相経験がある国家、国民、王室を愛するタイ人であると認めてくれる者なら誰とでも協議に応じる用意があるが、人間の言葉しか話すことが出来ない自分としては、虎やライオン、野牛や犀といった類との協議は遠慮させて貰いたい。」と語った。
また、現在のタイに関しては、「独裁が民主主義制度の中に入り込むと抜け出すのが難しく、クーデターから4年経った今でも独裁体制と民主主義体制が同居していてもおかしな話ではない。依然独裁体制が民主主義制度の中に潜み、政治家は生き残りと権力保持のために自らを独裁者に売り飛ばし、不正・汚職が蔓延るなど、依然政治に改善が見られていない。」と指摘。
「タイが4年前と同じ状況に戻ることはあり得るか。」との質問に対しては、「確実にあり得るが、政治家が権力保持のため民主主義の魂を独裁者に売り渡ている現在の状況下では多少の時間を要するだろうとし、また元の状況に戻るためには、国民が選挙権を行使し真の民主主義を選択することと、政治家が魂を売りとぼすことを止め真摯な姿勢で国民と向き合うことが必要である。」と答えた。
現在選挙が行われた場合に関しては、「民主主義発展のための法改正に取り組ませるため、国民に真の民主主義を追及する政党を選択する機会を与えることになるが、現行の非民主的な選挙関連法下で行われるのは望ましくない。またプア・タイ党の勝機に関しては、負けが分かる状況下で政府が早期解散に応じるか疑問である。」と断り、「国民は、軍の息がかかった政治家や軍よりな連立政権を望んでおらず、国民のための民主的な政府、民主的な法制度を望んでいる。」と語るに留めた。
また、プア・タイ党勝利後のクーデターの可能性に関しては、「全ての制度が指令者のためのものではなく国家・国民のためのものであるべきである。クーデターが起きても国民が順次立ち上がり 国民の手により司法や独立機関が是正されることになる。」と指摘。
さらに、首相返り咲きの可能性に関しては、「公正と民主主義が確保されている限りは首相に返り咲く、返り咲かないかには関心がない。」としたが、「国民から多大な恩を受け国民に借りを負っている身としては、国民に何らかの形で恩返しをしなければならないが、全ては国民が自分を支持することや、自分が国民のために働くことを許してくれるかにかかっている。」とした。
一方、クーデター発生を許したことに関しては、「情報当局の情報収集体制が最悪な状況にあったため、クーデターを許してしまったが、もし当時自分が国内にいれば発生を許す事はなかった。」とし、また自分側にいた人物に裏切られたことに関しては、「特に思うことはない。」としたが、ネーウィン・チットチョープと再度行動を共にする可能性に関しては、「政治家ではない失業者である立場として答えることが出来ない。」と明言を避けた。
また、赤服軍団との関係に関しては、「政治的理想について話し合う関係にあったが、活動そのものには関与していなかった。」とした。
アピシット首相は、カンボジアのフン・セン首相のここ最近の姿勢の変化に対して、「特に不思議な話ではない。この姿勢の変化により、フン・セン首相と顔を合わせる機会を利用した直接協議を行う決心を持つことが出来た。」と明らかに。
国境未画定区域を巡ってタイとカンボジアが対立している問題で、「関係修復に向け両国の首相が09月中に話し合う。」との見方。この発言に先立ち、カンボジアを訪問した際にフン・セン首相と面会したオンアート首相府大臣が、「面会の際にフン・セン首相が、アピシット首相が長期にわたり首相に留まり、自らの足下を確固たるものにすると共に自らが持つリーダーシップを証明することになると確信している。」と語るなど、アピシット首相を称賛していたことを明らかに。また、オンアート首相府大臣は、「フン・セン首相から来月初旬のアジア欧州会合に先駆けて今月24日から開かれる国連総会の機会を利用して直接協議を実現させたい意向が伝えられた。」という。これまで、「10月のアジア欧州会議の際に両首相が会談する。」との見方が有力だったが、フン・セン首相は「09月24日には2人ともニューヨークにいる。10月まで待つ必要はない。」と述べたとのこと。
この呼びかけに対してアピシット首相は、今後複数回あるフン・セン首相と顔を合わせる機会を利用して直接協議を行う意向であることを再確認。
また、防衛省筋は、直接協議が早期に実現される可能性が濃厚になったことを受け、プラウィット防衛大臣が、08日から10日の日程で開催が予定されていたタイ・カンボジア国境一般委員会の会合の延期を指示したことを明らかにした。
非常事態対策本部による首都圏の治安強化対策の一環として、クルングテープの464ケ所を24時間態勢で監視・警備することが合意された。これは、先に国営テレビ局が爆弾攻撃を受けたことに伴うもの。首都圏を管轄する陸軍第1管区、首都圏警察、クルングテープ都庁などの担当者が治安対策を協議。クルングテープの464ケ所を危険地点として監視・警備を強化することで意見が一致。
サウジアラビア在タイ大使館は、サウジアラビア人の男性実業家を拉致、殺害した容疑で今年01月に起訴されたソムキッド・タイ警察第5管区司令官(警察中将)が09月の定例人事異動で警察長官補に昇進する見通しとなったことに対し、「両国関係修復に向けた動きに反する。」として、強い遺憾の意を表明。ソムキッド中将は2007年の軍事政権幹部だったソムチェート陸軍大将の弟。
行方不明になったサウジアラビア人実業家はサウジアラビア王室の宝飾品数千万ドル相当が1989年にタイ人の出稼ぎ労働者に盗まれた事件の調査でタイを訪れた。この事件でタイ警察は盗まれた宝飾品の一部を取り戻し、サウジアラビアに送り返したが、「ブルーダイヤモンド」を含む半数以上が偽物だったことが発覚。1990年02月にはサウジアラビア駐タイ領事が殺害され、直前まで領事と一緒だったと見られる実業家が失踪。さらにサウジアラビアの外交官2人がタイで殺害され、サウジアラビアは以降、タイに正規の大使を置かず、外交関係を引き下げている。また、捜査を指揮したタイ警察幹部は事件の参考人のタイ人宝石商の妻子を身代金目的で誘拐、殺害した罪で死刑判決を受けた。
事件は完全に迷宮入りしたとみられたが、2008年末に発足したタイのアピシット政権がこの事件を再捜査すべき重要事件の一つと位置付け、今年02月の時効を前に、タイ法務省特捜局(DSI)がソムキッド中将ら現職警官4人と元警官1人を起訴。5人は起訴事実を否認し、即日保釈されていた。
09月04日(土)プア・タイ党のチラーユ報道担当は、「非常事態対策本部によるクルングテープ全域454箇所の警戒強化命令に支持を表明。「政府は、不穏な動きの再発を防ぐために真摯な姿勢で警戒を強化し国民が安心して普通の生活を送ることが出来るような状況を早期に実現させるため、これまでに発生した一連の不穏な動きに対する捜査の早期完了を目指すべきである。」と指摘。チラーユ副報道担当は、「クルングテープ全域を対象にした警戒強化は、かねがねプア・タイ党が主張していたことである。」と指摘し、「政府が耳を貸さず不穏な動きの再発を許していただけでなく、全てを赤服軍団のせいにして、実行グループの摘発ができない事誤魔化していた。」と指摘。その上で、警戒態勢強化の長期化による無駄な予算投下や経済、観光への影響を避けるために、「政側は早期の正常化を目指すとの心構えを持って警戒強化に望むべきである。」と指摘。
パタヤ市で開かれたタクシン派の反政府集会に、国外逃亡中のタクシンが電話出演。最近は集会への出演がなく、健康不安説も出ていたが、タクシシンは、「これはタクシンの肉声だ。私は生きている。元気だ。私が沈黙していれば、死んだと言われ、発言すれば、トラブルメーカーと言われる。」などと10分にわたり弁舌をふるい、健康であることをアピール。
集会には、プア・タイ党のチャトポン議員なども参加し、檀上から支持者に向かって政府批判を繰り返した。また、同議員らは、反独裁民主主義同盟(UDD)幹部らがテロ容疑などで捕らえられていることを批判。これら容疑者を激励するため、全国のタクシン支持者に対し、09月17日に最寄りの刑務所の前にバラの花を手向けるよう呼びかけた。
ピチット県タパーンヒン郡内にあるプア・タイ党地区支部前のゴミ箱内で手榴弾が発見され回収処理。
県警察本部は、発見された手榴弾が古く使用不可能なものであったことから、「政治絡み以外の目的で捨てられた。」と見て捨てた者の特定を急ぐ方針を明らかに。
爆発物の発見地点近くにあったプア・タイ党地区支部は、旧タイ・ラック・タイ党幹部のナーウィン・ブンサレートの自宅を兼ねており、またナーウィンはタクシンを愛するグループの幹部であると共に下北部地区の赤服軍団の調整役として活動。
09月05日(日)プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「民主党の解党審理に絡む重要証人の一部が政府関係者により香港に退避させられている。」との情報があることを明らかにし、「もし事実であれば、政府側は権力を背景にした極めて重大な不当行為を犯していたことになる。」と指摘。
プロームポン報道担当によると、「政府内の者が民主党の解党を避けるため一部の証人に政府権力による影響力を背景にした圧力を加え、審理終了まで香港に滞在させている。」という。
アピシット首相は定例政見放送の中で、プア・タイ党のプロートプラソップ副党首が明らかにした和解推進に向けた工程表や国内問題解に向けた取り組み案に対して良好な反応を示し、「プア・タイ党に真摯な姿勢があるのであれば国内和解推進のためプア・タイ党と協議を行う用意がある。」と明言。同番組は、アピシット首相が2020年万博招致を正式表明するため訪問中の上海から中継。
アピシット首相は、「和解を実現させる上で最も重要なのは、共同作業だけでなく異なった意見を議会制度に則りぶつけ合うことである。もしプア・タイ党がこの考えに賛同するのであれば喜んで協議に応じる。」とした。
これまでタクシン派のプア・タイ党は、反タクシン派の民主党を中核とする連立政権に批判的姿勢をとり続けてきた。だが、ここに来て、プア・タイ党が柔軟姿勢を示したことで、政治対立の解消、議会運営の健全化を期待する声も出ている。
また、アピシット首相は支那在住のタイ人と懇談。ここで、政府に早期総選挙の用意のあることを改めて示した。ただ、現政権の任期満了が来年末に迫る中、「年内総選挙はないとだろう。」としており、「早期総選挙の可能性は依然として低い。」との見方が支配的。これに前後してパニターン政府報道官代行は、現在支那を訪問中のアピシット首相が帰国した後にプア・タイ党幹部との協議の席が設けられる予定になっていることを確認したが、時期に関しては06日01:00にアピシット首相が帰国した後に首相のスケジュールと絡めて調整作業が行われる見通しであることを明らかに。
サウジアラビア在タイ大使館が警察人事を批判する声明を出した問題で、ステープ副首相は、サウジアラビアに釈明し、理解を求める意向を明らかに。
サウジアラビアが問題視したのは、先の警察人事で、サウジアラビア人実業家の失踪事件で今年01月に起訴されたソムキット警察中将が警察庁長官補佐への昇格が内定したこと。タイとサウジアラビアの関係は、約20年前に起きた同事件や宝石窃盗事件、サウジアラビア人外交官殺害事件で悪化。事件はいまだに完全解明にいたっておらず、しこりが残ったままとなっている。1985年にタイに移り住んだサウジアラビア人実業家は、1990年02月に車で自宅を出たまま行方不明となっているが、「サウジアラビア王室からタイ人が盗んだ宝石事件に関連して殺害された。」との見方が有力。
サウジアラビアは当初、ソムキット中将の起訴を「関係修復に向けた良い兆し。」と評価していたが、起訴にもかかわらず昇進が内定したことから強く反発。ソムキット中将の裁判は11月25日に初公判が予定されている。
新政治党のスリヤサイ幹事長は、国会議員が武器密売の大物とされるロシア人ボウトに接見したことを厳しく批判。04月15日にアピシット首相の側近シリチョーク議員が、また、09月04日には下院外交委員会の野党議員らが、バンクワン中央刑務所に拘留されているボウトに面会。
スリヤサイ幹事長は、「これら国会議員による面会は、司法への政治の干渉と国際社会に受け取られ、タイ・ロシア関係にも悪影響を与える恐れがある。国会議員は疑いを抱かれかねない行為を厳に慎む必要がある。」としている。
09月06日(月)06時半頃パタヤ市郊外の路上で新聞紙で包んだ手榴弾2個が見つかった。うち1個はM26手榴弾と見られる。道路の真ん中に置かれているの発見した付近に住む住民が、道路脇に移動させた上で警察に通報。また、回収された爆発物は何れも使用可能な状態にあった。現場はバーンラムン郡ナークルア地区スクムビット・パタヤ通りソーイ27の入口付近。現場は、バーンラムン郡警察署から約500m離れた地点。通報を受けて出動した警察の爆発物処理班が、現場から人を遠ざけ、爆発に備えて古タイヤを周囲に置くなどして手榴弾を処理。
警察では、現場近くの防犯カメラの映像をチェックし、「何者かが情勢扇動目的で置いた、または破壊活動もしくはゴミ箱に捨てる目的で爆発物を移動させていた際に誤って現場に落とした可能性がある。」と見て捜査を開始。
プラウィット国防相、アヌポン陸軍司令官らタイ軍幹部は、新任の軍事法廷判事を連れクルングテープのシリラート病院を訪れ、同病院に入院中のプミポン国王(82)から訓示を受けた。
法務省特別捜査局は、06月22日に発生したプームチャイ・タイ党前爆破事件に絡んで、更に1人が首都圏警察本部によりチエンマイ県内で身柄を確保され引き渡されたことを明らかに。
新たに逮捕されたのはスリヤー・プーミウォン(39)で、取り調べに対して、「先に逮捕されたオーことワリサリーヤー・ブンソン♀の自宅内でガスボンベを使用した爆発物の製造に関与したが、この爆発物が何所で何の目的で使用されるかまでは知らされていなかった。」と供述している。この事件に絡んで特別捜査局が逮捕状を取得した計7人の容疑者の内、姓不明のサムラーン容疑者を残し6人が逮捕された。
プア・タイ党のプロートプラソップ副党首は、党決定に基づき国内和解推進のための政府との直接協議に応じる方針に変わりがない事を確認したが、協議に参加する代表者に関しては現在調整中で未だ決まっていないことを明らかに。「総選挙実施を急がせる狙いが直接協議受け入れの背景にある。」との指摘に関しては否定。
また、01:00過ぎ、訪問先の支那から帰国したアピシット首相は、「プア・タイ党から正式な協議日程に関する打診がなく、現時点では協議が行われる時期が未決定である。」と確認。
一方、「プア・タイ党がチャワリット元首相、ヨンユット党首及び反独裁民主主同盟幹部でもあるちャトポン・プロームパンを代表として協議に送り込む。」と一部で報じられていることに関して、プロートプラソップ副党首は、「この3人の中に代表となり得る者はいない。」との認識を示した。
野党プア・タイ党幹部が示した和解対話提案に政権党・民主党党首のアピシット首相が前向き姿勢をみせたが、プア・タイ党幹部のチャトポン議員は、「対話提案は、平等と正義が前提。」と述べて、対話をする前に、先の反政府デモに関連して91人が死亡、約2000人が負傷したことの責任を取るよう政府に迫った。
対話の条件として、アピシット首相が「タクシンが王室への忠誠を誓うことが必要。」、コープサック首相秘書官が「プア・タイ党は、反王室の動きに反対すべき。」と述べているが、これについて、チャトポン議員は「政府は、対話に応ずる姿勢をみせながら、自分たちの言い分を呑ませようとしている。我々は、政府に対話をお願いしているわけではない。これまで通り首相が野党を見下し、反政府デモに関連して死傷者が出たことの責任を取らないなら、和解はあり得ない。」としている。
なお、ヨンユット、プア・・タイ党党首によれば、「党としては、行動に移す前に関係者の反応を見極める必要があると考えており、「対話を誰に任せるかもまだ決めていない。」とのこと。
09月07日(火)タイ治安当局は、都内の高架電車BTS、地下鉄MRTの駅に警備の兵士を送り込んだ。各駅に兵士を最低4人配置し、24時間態勢で警戒に当たる。タクシン政権を追放した2006年09月19日の軍事クーデターから丸4年を迎えることから、タクシン派の動きを警戒。駅以外にも、王宮、首相府、国会など400ケ所以上で警備を強化。
クルングテープでは今年03~05月にタクシン派のデモ隊と治安部隊が衝突し、91人が死亡、1400人以上が負傷した。5月下旬に治安部隊がタクシン派を強制排除し、状況は沈静化したが、その後も07月25日にショッピング街のラーチャプラソン交差点、同30日と08月26日にランナム通りの大型免税店キングパワー前で爆破テロがあり、1人が死亡、十数人が重軽傷。08月31日にはタイ国営テレビ局NBT(チャンネル11)に擲弾が撃ち込まれ、車数台が破損。
パニターン政府報道官代行は、24日からニューヨークで開催される第65回国連総会の場を利用してアピシット首相とカンボジアのフン・セン首相との会談が行われることを明らかに。「非公式会談は、国境紛争問題に精通している両国の高官を交えずに行われる予定で、この会談により、国境紛争問題や国境交易問題、観光開発問題を初めとした長年積み重ねられてきた問題解決に道が開かれることが期待されている。」という。また、両首脳は10月初旬にブリュッセルで開催されるアジア欧州会合の場でも会談を行う予定。
同盟離脱派のデーン・サヤーム幹部のソムヨット・プルックサーガセームスック(6月24日グループ幹部を兼任)は、「民主党とプア・タイ党等との和解推進の直接協議は単なる猿芝居でしかない。」とデーン・サヤームの名で反対を表明。
ソムヨットは、「和解実現のためには非常事態宣言の解除、政治的受刑者の釈放といった和解に向けた雰囲気作りが必要であるが、赤服軍団関係者が連日死亡し、自由権がない雰囲気下では和解の実現は不可能である。自己の利益のみを追求した民主党の和解推進の条件をプア・タイ党が受け入れるということは、過ち、ないしは王室崩壊や国家の焦土化を目指しているとする嫌疑を自ら認めるに等しい狂気の沙汰であると言わざるを得ない。」と指摘。また、ソムヨットは、「プア・タイ党を和解推進案の提案側として直接協議が行われる背景に特別な信号がある。」と指摘されていることに関しては、「もし事実であればそれは制度外の権力によるものであると考えられる。」と指摘。
プア・タイ党ロッブリー県選出議員のスチャート・ラーイナムンクンは、和解推進のためのプア・タイ党と政府との直接協議に反対を表明た。スチャートによると、「プア・タイ党の和解推進案は、党所属議員の殆どが知らない状態でプロートプラソップ副党首が先走って発表した、依然党内で十分に協議が行われていないもので、おそらく自分を含む大多数の党所属議員が反対を表明することが見込まれる。」と言う。
また、スチャートは、「和解推進そのものには反対していない。」と断った上で、「プア・タイ党が和解推進のきっかけを作る実行者ではなく、まず権力者たる政府側が和解推進のきっかけ作りの実行者として総選挙実施のため議会を解散し、これまでに発生した犠牲に対する責任を認めることが必要である。」と指摘。一方、プア・タイ党は党会議の席上で、和解推進への参加を正式に確認。
なお、直接協議の参加者に関しては選出に至っていない。プロームポン報道担当によると、「候補者の人選は終了しており、何れにしても政府が受け入れ難い人物を参加させる方針はなく、協議には必ず参加する方針だ。」と言う。
プア・タイ党と政府との間で和解推進に向けた直接協議が行われる機運が高まっていることに絡んで、タクシンの元夫人であるポチャマーン・ナ・ポーンペートやチナワット家関係者が直接協議実現に向けた交渉を水面下で行っているとの憶測が各メディアでが伝えられている事に関して、プア・タイ党サムットプラカン県選出議員のプラチャー・プラソップディーは、「水面下で何らかの交渉が行われているとの話を聞いている。」と認めた。
プラチャーは、「ポチャマーン等が関与しているという話までは聞いていなが、何らかの交渉が水面下で行われているという話を聞いている。」とし、「既にタクシンがプア・タイ党を提案者とした和解推進に賛意を示しており、また党内の大者との相談なしでプロートプラソップ副党首が単独で和解推進案を提案し、政府に直接交渉を呼びかけているとは考えにくいことから、水面下の交渉にポチャマーンが関与している可能性は大いにあり得る。」との認識。
 野党プア・タイ党から政権党の民主党に提案された和解対話は、両党が基本姿勢を変えようとしないことから、実現困難との見方が強まっているなか、対話を発案したプロートプラソップ、プア・タイ党副党首は、「プア・タイ党が民主党に対し柔軟姿勢を示すことはないだろう。」と述べて、対話実現が困難との見方を示した。これは、反独裁民主主義同盟(UDD)と距離を置くなどとする対話案に対し、プア・タイ党議員の多くが強く反対しているため。
関係筋によれば、プア・タイ党議員の会議では、対話案について、「政府に屈するもので、プア・タイ党支持者の賛同を得られない。」との意見が大勢を占め、「党内で協議する前に対話案を発表した。」とプロートプラソップ副党首を非難する意見も相次いだ。
09月08日(水)02:30頃クルングテープのラーチャテーウィー区内シーアユッタヤー通り沿いの学校前にかかる歩道橋下で、ショルダーバックの中に入れられていた消火器を使用した2発の爆発物が発見され回収処理が行われた。同日招集された非常事態対策本部の会合の席上で首都圏警察本部パヤータイ署の署長が明らかに。爆弾はガスボンベと火薬、時計などからなり、爆発すれば半径15~20mに被害が及んだとみられる。警察はこの件について、09日朝まで発表しなかった。
回収された爆発物はデジタル時計を使用した時限発火式のもので、南部国境3県域で発生している爆破事件に使用されているものと酷似。警察は、「一連の情勢扇動活動の一環として仕掛けられた。」と見て捜査を開始。
タイ・ラック・タイ党副党首だったスダラット♀が元同党役員らと新党を立ち上げると一部で報じられたが、スダラットは、「なぜそんな話が出てくるのか理解に苦しむ。」と述べ、報道を全面的に否定。
タクシンが創設したタイ・ラック・タイ党は、軍事クーデター翌年の2007年に党幹部の選挙違反で解党処分。タクシンやスダラットを含む党役員全員が5年間の公民権停止。
報道によれば、「新党設立を計画しているのは政治家9人。全員の名前がSで始まる。」という。だが、スダラットは、「(元タイ・ラック・タイ党役員などとは)大物政治家の誕生パーティーなどで顔を合わせたことはあるが、新党設立などを話し合ったことはない。」としている。
サウジアラビア人実業家の失踪事件で起訴されたソムキット警察中将の警察庁長官補佐昇格にサウジアラビアが反発している問題で、在タイ・サウジアラビア大使館のアシュリ代理大使は、下院外交委員会に出席し、「昇格が事件の捜査や裁判に影響しかねない。」などの懸念を表明。
ソムキット中将は今年01月に実業家の拉致・殺害の容疑で起訴されたが、年度末人事で昇格が内定。これについて、代理大使は、「起訴が考慮されずに人事が決まったのではないか。」と疑念を示した。また、代理大使が、これまでの2国間関係に言及。メディアがこれを誤解し、一斉に「外交的対抗措置の構え。」などと報じたことから、カシット外相が慌てて「関係悪化はない。」と釈明する一場面もあった。なお、警察当局によれば、「実業家失踪事件に関するソムキット中将の逮捕歴などは2度にわたる恩赦ですべて抹消されており、長官補佐への昇格は法的には何ら問題がない。」とのこと。
タクシン派団体の反独裁民主主義同盟(UDD)と野党プア・タイ党が今月19日に、2006年同日に起きたクーデターを記念し、タイ北部チエンマイ県で集会を開催する予定。今回の集会は2006年のクーデターをはじめ今年04~05月のUDDの強制排除など、現政府の対応を批判するというもので、東北部や北部の支持者を集め開催するという。またチエンマイ県での集会に参加できない支持者らによって、各県でイベントも行う予定。
クルングテープ郊外ノンタブリ市の2ケ所で手製の爆弾が見つかり、警察が爆発前に処理。
20:45頃、大型ショッピングセンターのザ・モール・ンガームウォンワン店の駐車場、20:50頃、公共保健省次官事務所駐車場で爆発物が発見され、それぞれ回収処理が行われた。爆弾は消火器に火薬を詰め時限発火装置を付けたものだった。
現場の視察を行った第1地区警察本部のクリサダー本部長は、実行犯割り出しのため監視カメラ映像の解析を指示。
今月19日にタクシン政権を追放した2006年の軍事クーデターから丸4年を迎えることから、タイ政府はタクシン派の動きを警戒し、高架電車と地下鉄の駅に兵士を配置したほか、王宮、首相府、国会など400ケ所以上で警備を強化している。
アピシット首相は、「一連の事件は、国民和解を望まない者たちの仕業。」としている。
09月09日(木)タクシン派の野党、プア・タイ党のヨンユット党首(68)が、党首を辞任。これに伴い執行部は総辞職し、14日の党大会で新党首と執行部が選出される。ヨンユットは以前から「暫定党首」を辞めたがっていたとされるが、唐突な辞意表明だったことから、「プア・タイ党に強い影響力を持つタクシンの意向が働いた。」との見方が出ている。タイの一部メディアは「事実上の党首であるタクシンが敵対する特権階級との関係改善を狙い、後任の党首にコーウィット・ワッタナー元警察長官を充てる模様だ。」と報じている。
ヨンユットは元内務次官で、2008年のプア・タイ党の結党で初代党首に就任した。辞任については、「党の基盤が固まった。」、「来るべき選挙に備え体制を刷新する必要がある。」、「適切な人材に次期総選挙の指揮を執る機会を与え党の構造刷新に道を開くために辞任を決断した。」と述べた。
ヨンユットは、党首及び新執行部選出の党大会が開かれる14日まで党首代行を務める。また、ヨンユット党首の辞任を受け、主要党員のチャルーム・ユーバムルン警察大尉は党下院議員団長を辞職する意向を明らかにした。チャルームによると、「あくまで政治的エチケットに基づき辞職するだけで、仮に再度党側から下院議員団長に指名されれば再度受け入れる用意がある。」という。 プア・タイ党は、タクシンの創設したタイ・ラック・タイ党(2007年05月に解党処分)の流れを汲むバランプラチャーチョン党が2008年12月に解党処分を受けたことから、所属議員の受け皿として設立され、2008年12月にヨンユットが初代党首に選ばれた。だが、これは、党首選びで意見がまとまらなかった結果で、ヨンユットの起用は暫定的なものとされていた。
関係筋によれば、「プア・タイ党は議員が与党第2党プームチャイ・タイ党に鞍替えするという問題に直面しており、総選挙に備えた態勢固めも求められている。このため、党を立て直すための党首交代が必要になった。」とのこと。後任党首には、元国家警察本部長で、クーデター後に国家安全保障評議会メンバーだったコーウィット警察大将(元内相)が最有力視。 プア・タイ党ノンタブリー県選出議員のアピワン下院副議長は、「党首として最善かつ受け入れられる人物であることからコーウィット警察大将の党首就任を支持する事ができる。」との認識を示している。反タクシン派の与党、民主党のテープタイ報道官は、プア・タイ党の次期党首にコーウィットの名前が浮上していることについて、「プア・タイ党は軍、警察の退役士官を大量に引き入れて、王室への忠誠を主張したいのだろう。」と述べた。 また、これまでにチャワリット元首相やアピワン下院副議長、ミンクワン元商務大臣の名も党首候補として上がっている。

* コーウィット・ワッタナー
1947年生。警察士官学校卒。2004~2007年警察長官。2008年副首相兼内相。
サウジアラビア人実業家失踪事件に絡んでサウジアラビアが、容疑者のソムキット警察中将の警察庁長官補佐昇格に反発している問題で、アピシット首相は、「警察人事は予定どおり進められる。」と明言し、サウジアラビアの要求を拒否する姿勢を明らかに。
これは、「警察人事に法的問題がなく、再考の必要がない。」との政府の見解を示したもの。なお、アピシット首相は、「理解を求めるため、サウジアラビアに説明する。」としており、また、関係当局も警察人事に関する情報をサウジアラビアに提供する方針。
20時頃チエンマイ県メーリム郡内にある第5特殊部隊基地に向け5発のM79が撃ち込まれた。発射された5発のM79は、守備隊近くの検問所近くに着弾し、内2発が爆発したが人的被害はなかった。
第3地区国軍本部がM79が撃ち込まれた事実を確認したが、地元警察には通報がされていなかった。なお、第5特殊部隊は、「基地内で行われている訓練中に発生した爆発音が誤解されて報じられたのではないか。」と語り事実関係の確認を避けている。
治安当局は、「守備隊から約50m離れた充足経済学習センター近くから発射された。」との見方を示した。ネーション系のタイ語速報によると、「今月05日にも守備隊付近に向け2発のM79が撃ち込まれ、内1発が爆発していた。」という。
09月11日(土)先に党首辞任を表明したプア・タイ党のヨンユット・ウィチャイヤディットは、元国家警察本部長でサマック政権時代に副首相兼内務大臣、ソムチャーイ政権時代に内務大臣を務めた事もあるコーウィット・ワッタナ警察大将が13日に入党届けを提出し、正式に党に合流する予定を明らかに。
プア・タイ党の党首選出は14日に招集される党会議で行われる予定になっており、ヨンユットによると、「党内は次期党首にコーウィット警察大将を据える事で一致している。」という。
「東北地方の議員グループ内で、チャワリット元首相やミンクワン元商務大臣、アピワン下院副議長の何れかを次期党首に据える動きがある。」と伝えられている事に関しては、「直接グループの者に聞いて欲しい。」と語りコメントを避けた。
アピシット首相及びステープ副首相(非常事態対策本部長)は、共にチエンマイ県内を対象に非常事態宣言を再適用する可能性を否定。
クーデター発生4周年目となる19日に反独裁民主主義同盟・赤服軍団が県内で集会を計画している中でメーリム軍内の第5特殊部隊基地に向けたM79撃ち込みが発生した事を受け、チエンマイ県を対象に非常事態宣言が再適用されるとの憶測が広がっていた。
ステープ副首相は、チエンマイ県を対象にした非常事態宣言の再適用を考えていない事を確認し、行動を再開する同盟・赤服軍団に関しては、「既に前日にウィチヤン国家警察本部長が対策方針を本部宛に提出しており、非常事態宣言の再適用云々とは無関係である。」とした。
一方、チエンマイ県の同盟幹部のシリワン・チャンポンは、「M79の撃ち込みの背景に、チエンマイ県に非常事態宣言を再適用することにより軍に県内の情勢を掌握させ、懸案となっている第7歩兵部隊本部の県内設置を急がせるために政府に圧力をかける狙いがあった疑いがある。」と指摘。
なお、5発のM79が撃ち込まれたとされる第5特殊部隊は11日現在公式に事件の発生を確認しておらず、またマテイチョン紙によると、守備隊関係者は、「夜間に行われている訓練の際に発生した発砲音でしかない。」と説明している。
非常事態対策本部は、「国内状況を子細に検討した結果、クルングテープには非常事態宣言がまだ必要と判断するとともに、宣言適用解除はクルングテープが最後になる。」との見通し。これは、先にクルングテープ2ケ所、隣接するノンタブリー県1ケ所で政情不安の悪化を狙ったとみられる爆発物が見つかったことなどによるもの。
非常事態宣言は、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)がクルングテープで反政府活動をエスカレートさせたことから、今年04月07日に発令。最初、1都23県に適用された非常事態宣言は、段階的に解除され、現在の適用地域は、1都6県。宣言解除は、治安当局による状況分析などに基づいて首相が最終的な判断を下すことになっている。
また、先に北部チエンマイ県で軍事施設に擲弾5発が撃ち込まれる事件が起きたが、アピシット首相は、今のところチエンマイ県に宣言を再適用する考えのないことを明らかにした。
09月12日(日)03時前現政権の実力者であるプームチャイ・タイ党最高幹部のネーウィン・チットチョープ元首相府相の義父が経営する、チエンマイ市ハーイヤー地区の建設会社チエンマイ・コンストラクション社の事務所前で手榴弾が爆発。M79が撃ち込まれたとする報道もある。怪我人はなかった。チエンマイはタクシンの生まれ故郷。ネーウィンはタクシンの元側近で現政敵。
チエンマイ・コンストラクション社には、今年03月16日、県都内ステープ地区にある事務所兼住宅にピンポン爆弾が投げ込まれる事件が発生。
爆発発生直後に付近にあるコンビニやガソリンスタンド等の従業員や警備員等が一斉に付近に集まり一時騒然となる事態になったが、当時企業内が無人だったため被害状況は確認されていない。また、爆発発生直後に高速度で現場前を通り過ぎて行く小型トラックが目撃されている。
この事件を受け、チュチャート副県知事は同日、チエンマイ県への非常事態宣言再適用を要請する考えを明らかに。チエンマイ県の軍駐屯地に05日と09日擲弾計7発が撃ち込まれ、このうち3発が爆発。
タイでは今月19日にタクシン政権を追放した2006年の軍事クーデターから丸4年を迎える。政府はタクシン派の動きを警戒し、クルングテープの高架電車と地下鉄の駅に兵士を配置したほか、王宮、首相府、国会など400ケ所以上で警備を強化。こうした中、08日にクルングテープ郊外ノンタブリ市のショッピングセンターと保健省本部の駐車場、クルングテープ都内シーアユタヤ通りの学校の入口近くの計3ケ所で手製爆弾がみつかり、緊張が高まっていた。
タクシン派は今年03~05月に都心部を占拠して大規模な反政府デモを行い、治安部隊との衝突で、91人が死亡、1400人以上が負傷。05月下旬に治安部隊がタクシン派を強制排除し、状況はやや沈静化したが、07月下旬から都内で爆弾テロが散発し、1人が死亡、十数人が重軽傷。
カンボジアの外務省報道官は、24日から開催される国連総会にあわせて招集される東南アジア諸国連合+アメリカ首脳会議のサイドラインで、フン・セン首相とアピシット首相の首脳会談が行われる事を確認。外電の報道としてタイ国内の各メディアが伝えた。「既にフン・セン首相がアピシット首相からの書状による直接会談の提案を受諾している。」という。
03~05月にクルングテープで大規模な反政府デモを行ったタクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)」が、クルングテープとチエンマイで数百人規模の反政府集会を開催。タクシン政権を追放した軍事クーデターから4周年となる19日にはさらに大規模な集会を予定しており、政府・治安当局が警戒を強めている。
UDDによると、19日の集会はクルングテープのラーチャプラソン交差点、チエンマイ市競技場、チエンライ市のセーンプープレース・ホテル前などで予定されている。開始時間は午後05時から。チエンマイでは集会前に市内でデモ行進を行う模様。治安当局は19日、ラーチャプラソン交差点付近に警官400人を配置し警戒に当たる方針。
09月13日(月)昼前ラムプーン県県都内の路上脇にある休憩用東屋近くの電柱下でM67が発見され、回収処理が行われた。現場は、M79の撃ち込み事件が連続して発生しているチエンマイ県との県境から約1㎞離れた地点。
警察は、M79の連続撃ち込み事件発生以来、チエンマイ県内の警戒態勢が強化されていることから、情勢扇動目的でM67を所持していた者、ないしは不良若者グループが摘発を恐れて捨てた可能性もある。」と見て捜査を開始した。
タクシン派の最大野党プア・タイ党の議員7人が、ロシアでタクシンに面談した模様。
このうちの1人、スチャート議員によれば、議員らはタクシンに会うため09月11日にロシアに向い13日に帰国。
タクシンに関しては、動向を伝える報道がなく健康不安説も出ていたが、スチャート議員は、「健康そうだった。」としている。また、タクシンは、「国民和解の実現を望んでいる。そのため、プア・タイ党議員は努力してほしい。」と述べていたという。
なお、総選挙が来年末の現政権の任期満了前に実施される可能性もあるが、選挙戦ではタクシンがプア・タイ党の選挙キャンペーン草案を作成する予定。
プア・タイ党ノンタブリー県選出議員のアピワン・ウィリヤチャイ大佐(下院副議長)は、次期党首候補として現在8人の候補者の名前が挙がっている事を明らかに。 次期党首選出のための党会議は14日に招集される予定になっており、13日現在元副首相兼内務大臣のコーウィット・ワッタナ警察大将が最有力。
一方、先に党首辞任を発表したヨンユット・ウィチャイヤディットが14日の党会議で党首に再任される方向で党内が動いているとの噂がある事に関して、プア・タイ党サムットプラカン県選出のプラチャー・プラソップディーが、タクシンがヨンユットの続投を希望していることを明らかにしている。プラチャーによると、「ロシアに滞在中のタクシンと11日に面会した際に、タクシンからヨンユットの党首続投を希望している旨伝えられた。」という。
なお、ロシアでタクシンと面会したとされる7人の党所属議員の内、プラチャー以外の議員からは、同様な話は伝えられていない。
夕方までに13日にプア・タイ党に入党届けを提出する予定と伝えられていた、次期同党党首の最有力候補と目されていたコーウィット・ワッタナ警察大将が入党を辞退した事が明らかに。自らの党首就任により党内に対立が引き起こされる事を懸念した上での入党辞退と見られている。党内には、東北地方出身議員を中心にコーウィット警察大将の党首就任に反対する声が上がっていたとされていた。
先にプア・タイ党サムットプラカン県選出議員のプラチャー・プラソップディーが、「ロシアでタクシンと面会した際に、タクシンがヨンユット前党首の党首再任を希望していた。」と語っていた件に関して、一緒にロシアで面会したロッブリー県選出議員のスチャート・ラーイナムンクンは、「面会の際にそのような事を仄めかす発言はタクシンから一切為されていなかった。」と語っている。
爆弾事件発生で北部チエンマイ県に非常事態宣言が再適用される可能性があるが、アピシット首相は、「再適用するにしても一部地区に限られる。県内全域はあり得ない。」と述べた。
タクシン派の拠点の1つであるチエンマイでは、タクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)が、9・19クーデターを糾弾する政治集会を予定しており、地元当局からは、当該地域への宣言再適用を要求する声が挙がっている。だが、アピシット首相は、「集会阻止を目的とした宣言適用は不要。」としている。
なお、2006年09月19日の軍事クーデターでタクシン政権が倒されることになったが、タクシン派は、「民主主義を否定したクーデターは受け入れられない。」として、タクシンへの有罪判決や現民主党政権を含めたポスト・クーデター体制を全否定する立場を取っている。
09月14日(火)連立与党プームチャイ・タイ党のスパチャイ報道担当(政府副報道官)は日、和解推進策の一環として、反独裁民主主義同盟(赤服)及び民主主義市民連合(黄服)の政治集会に参加し刑事責任を問われた国民を対象にした恩赦法の制定を前進させる方針を明らかに。党会議の場で国会審議に向けた詰めの協議を行った上で、来週中に与党国会対策委員会及び下院議会に法案を提出する予定。
また、プア・タイ党が、ラーチャプラソンでの強制排除絡みで刑事責任を問われた者をも対象にした恩赦法案を提出すると見られている事に関しては、「提出を阻止する方針はなく、議会制度に則った是非の判断に委ねる方針である。」とした。
20年前のサウジアラビア人実業家失踪事件で容疑者となっている警察高官の警察庁長官補佐昇格が内定したことにサウジアラビアが反発している問題で、タイ中央イスラム委員会のピチェート事務局長は、「サウジアラビアが抗議のため在タイ大使館を閉鎖する可能性がある。」と明らかに。
在タイ・サウジアラビア大使館の代理大使が、同事務局長との会談の中で、「サウジアラビア政府に大使館閉鎖を求めることを考えている。」と述べた。
タイとサウジアラビアの関係は、サウジ王家の宝石事件(1989年)、外交官殺害事件と実業家失踪事件(1990年)のため、非常に険悪な状態となったが、事件はいずれも完全解決に至っていないため、しこりが残ったままとなっている。
警察人事については、サウジアラビアが強い不満を表明しているが、タイ政府は、「合法であり、変更できない。」としている。
夕方までにプア・タイ党は14日賛成多数で、09日に辞任したヨンユット・ウィチャイヤデット前党首(68)を党首に再任。
総数273票中、賛成267票に対して、棄権が4票、無効が2票。報道により賛成267票に対して6票の反対票が投じられ、棄権が4票、無効票が2票だったとするものもある。
この投票に先立つ朝、東北地方出身議員の取りまとめ役でタクシンの実弟でもあるパーヤップ・チナワットが、ヨンユットの再任支持を表明。今回の候補者はヨンユットだけだった。
また、党会議の席上で、副党首が14人選ばれたほか、新幹事長にスポン・フォーンンガームを据えることやプロームポン・ノパリットの党報道担当続投が確認。党会議では、党首を初めとする20人以上の党執行幹部の選出が行われる予定。
ヨンユットの突然の辞任はプア・タイ党の実質的な党首であるタクシンの意向で、後任の党首にはコーウィット元警察長官が有力視されたが、プア・タイ党の国会議員数人がロシアに滞在中のタクシンのもとを訪れ会談した結果、ヨンユットの再任で決着。
ヨンユットは元内務次官で、2008年のプア・タイ党の結党で初代党首に就任するまで政治経験はなかった。飾りものの党首というイメージが強く、元陸軍司令官のチャワリット元首相、ベテラン政治家のチャルーム元内相といったプア・タイ党の重鎮の前で存在感は薄い。来年中に予想される下院総選挙でプア・タイ党がヨンユットを首相候補として戦う姿は想像しにくく、遅かれ早かれ、党首の交代は避けられないと見られている。
09月15日(水)在タイ日本大使館は、03~05月にクルングテープで大規模な反政府デモを行ったタクシン派団体、反独裁民主主義同盟(UDD)がタクシン政権を追放した軍事クーデターから4年、デモ終結から4ケ月を迎えることを受け、18、19日にクルングテープと北部チエンマイで反政府集会を計画しているとして、注意を呼びかけた。大使館によると、クルングテープでは19日、UDD支持者がラチャダムヌン・ナイ通り(王宮前広場)から民主記念塔、ラーチャプラソン交差点へ、車または徒歩でデモ行進し、ラーチャプラソン交差点で周辺の建物などに赤い布を巻き付ける。チエンマイでは19日から翌朝にかけ、チエンマイ市競技場で集会を行う。
刑事裁判所は、デモ隊の座り込みによる2空港閉鎖の責任を問われている反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)幹部ら45人の逮捕状請求を却下。
警察は、2008年末のスワンナプーム、ドンムアン両空港でのデモ隊座り込みに関与したPAD幹部ら79人に出頭を命令したが、45人がこれに従わなかったことから、逮捕状を請求。だが、裁判所は、「出頭延期の申請手続きを行っている者が多く、また、出頭命令書に書かれている氏名が仇名のみという不備も多い。出頭が遅れても警察の捜査に影響しない。」などとして、逮捕状を発行しなかった。
与党第2党のプームチャイ・タイ党最高幹部のネーウィン・チットチョープが、先の反政府デモに関連して逮捕された容疑者の恩赦による放免を求める動きを見せているが、最大野党プア・タイ党の幹部議員チャトポンは、「我々は、なにも悪いことはしていない。我々は、恩赦で得をしない。」、「一切違法行為を犯していない我々にとっては恩赦法は全く意味のい物である。恩赦法制定の動きの背景に公権力による殺害を正当化しネーウィン自身のイメージを向上させる狙いがある。」と述べ、恩赦案に反対する考えを明らかに。プア・タイや反独裁民主主義同盟(UDD)は、「先の大規模反政府デモで市民などが死傷したことについては、タクシン派に非はない。」と主張。チャトポン議員は、「恩赦で得をするのは、デモ参加者などの殺害を命じたアピシット首相、ステープ副首相(治安担当)、アヌポン陸軍司令官などだけ。」としている。
一方、反タクシン組織民主主義市民連合(PAD)も恩赦案に否定的な姿勢を示している。PAD幹部のスリヤサイによれば、「恩赦には国民の支持が必要。だが、プームチャイ・タイ党の恩赦案は支持を得られないだろう。」とのこと。
ステープ副首相及びパニターン政府報道官代行は、「アピシット首相の私邸近くのコンドミニアムを拠点にアピシット首相の動向を監視している黒服が存在しているとの情報を得ている。」と確認。これに先立ち、首都圏警察本部のサンターン本部長及びパトロール警察局のタナポン局長が、「アピシット首相等国内の重要人物を狙った暗殺計画が存在する。」との情報に絡んで、カンボジアで武装訓練を受けた者が行動準備のためにアピシット首相私邸近くのコンドミニアムに潜伏していることを明らかに、既に情報要員からの情報により潜伏している者の身元を特定し監視を行っていることを明らかにしていた。
ステープ副首相及びパニターン報道官代行によると、「現在当局が首相私邸近くのコンドミニアムに潜伏している者の動向を監視しているが、当該人が当局が介入できない民間のビル内に潜伏しているため、何らかの不審な行動をとらない限り当該人に対して措置を講じることが出来ない。」という。また、ウィチヤン国家警察本部長によると、「当該情報は1ケ月以上前から存在していた、反独裁民主主義同盟・赤服軍団が計画している集会とは無関係なものだ。」という。
赤服軍団の6月24日グループ及びデーン・サヤームの幹部であるソムヨット・プルックサーカセームスックは、6月24日グループ幹部の立場で、 19日に計画されているクーデター4周年及び国民の大量殺戮から4ケ月を記念する集会に、プレーム枢密院評議会議長を招待する考えである事を明らかにした。「激しい社会対立の元凶となったクーデターを支持した立場として、プレーム議長は集会に参加し演説に耳を傾けるべきだ。」という。
19日にチエンマイ県で開催される集会は、6月24日グループ及びチエンマイ県やチエンラーイ県内の赤服軍団と共催で開催される予定で、その一環として 18日06:00にグループの要求事項を掲げた50台の車がクルングテープのインペリアルデパート前をチエンマイに向け出発し、19日13:00から17:00までチエンマイで路上パレードを行う予定。また、19日17:00から23:00まで予定されている集会には、ソムチャーイ前首相やチャトポン・プロームパン、スナイ・チュラポンサトン等が演説する他、現在国外逃亡中の反独裁民主主義同盟のチャラン・ディッターアピチャイやアリスマン・ポンルワンローンの電話演説が予定されている。
尚、当初予定されていたタクシンの電話演説は15日までに中止になり、また一部報道は「国外逃亡中のチャクラポップ・ペンケーが電話演説を行う可能性がある。」と報じている。
09月16日(木)朝クルングテープのスワンルワン区内を通るラーマ9世通り沿いの住宅地にある小公園内の木の下でM79と思われる不審物が発見され回収処理が行われた。
回収後に行われた調査により、回収された不審物が、M79に似せて作られたガスライターで、既に使用不能の物であることが確認されている。警察は、小公園内にたむろしている若者が捨てた、ないしは近くの検問所で摘発されることを恐れて投げ捨てられたもののいずれかではないかとの見方を示している。
通報した建設業の男性(26)によると、「3~4日前からバーンカピ区の清掃職員が、不審物が発見された木の下の草を毎日のようにかき分けていたため、不審に思い今日見てみたところM79状の不審物があった。」という。
流通大手「セントラル」を展開するセントラル・パッタナー(CPN)は、セントラル・ワールドを予定通り営業を09月28日再開することを明らかに。セントラル・パッタナー(CPN)では今回、計2億Bをかけてグループ全15店舗の警備システムを強化。このうち、ラーチャプラソン交差点に位置するセントラルワールドでは、新しい警備機器の増設だけで1億5000万Bが投じられた。今回営業を再開するのはZENの隣に位置する1階~7階までのアトリウムゾーンを除く部分。小売エリアの約80%が改修を終えて通常営業に戻る予定。さらに、タイ初の屋外型アイススケートリンクや、女性限定の駐車場なども設けられる。年末までには全てが再開する予定。同施設の改築には28億Bの予算を掛けた。ZENは2011年08月までに営業を再開。
代表取締役のコーブチャイは「セントラルワールドの構造はクルングテープ都土木局に許可され、王立工学会(EIT)にも安全性を保証された。世界的な最新安全管理システムにもさらに追加で投資した。」と述べた。
タクシンが失脚したクーデターから4年、再びタクシン派が首都に集結するとの情報に、同社幹部は「憲法の下、誰もがデモを行う権利を有する。」としながらも、「社会はすでに暴動から誰も利益を得ることはないと学んだ。」と述べた。
今度の営業再開では、約40の新店がオープンする予定。レストランを集めた7階は「ガーデン」をコンセプトに改装。名前も「Garden on 7」とした。
最高裁判所政治家刑事案件部は、国家汚職防止取締委員会が提訴していた、現プラチャラート党党首のサノ・ティヤントーンが絡むアルパイン・ゴルフ・クラブの土地不正収容案件の受理を決定。
この案件は、サノが、パトゥムタニー県クローンルワン郡内にある、民間人女性から寺院に寄付された、民間使用目的での転売が禁じられている寺院の土地を職権を乱用して土地事務所に圧力をかけて土地の寺院への寄付を不許可にした上で土地を不正に収用したとして国家汚職防止取締委員会が提訴していたもので、当初同委員会は検察側に起訴の是非の判断を委ねていたが、検察側が不起訴を決定し差し戻したことを受け同委員会が独自に提訴していた。
最高裁判所は、「国家汚職防止委員会が独自に提訴した案件を受理することが出来る。」と判断し、今回の決定を下すと共に第一回公判を11月19日に開く方針を決定。
与党第2党のプームチャイ・タイ党の議員会長プラチャクは、「反政府デモなど政治活動関連の罪に問われている者を恩赦で放免する。」との案を取り下げる考えを明らかに。同案に対しては、親タクシン・反タクシンの両派から否定的な意見が出ていた。
プラチャクの説明によれば、「現行案では、恩赦の対象は、2008年05月25日~12月03日の反タクシン組織、民主主義市民連合(PAD)のデモ、2009年03月26日~04月14日のタクシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)のデモのみが恩赦の対象となっている。これを取り下げ、今年03月~05月のUDDのデモも対象に含めた案を作成し、下院に再提出する。」とのこと。
なお、恩赦案に対しては、UDDから「UDDは悪いことをしていない。恩赦は不要。恩赦で得をするのは反タクシン派。」、PADからは「国民に受け入れられない。」といった反対意見が出ている。
クシン支持団体、反独裁民主主義同盟(UDD)が9・19クーデターを糾弾する政治集会などを予定していることから、UDD幹部らが拘留されている刑務所などの警備が強化されることになった。
タクシン派は、タクシン政権が倒された2006年09月19日の軍事クーデターを民主主義を否定するものだと非難、クーデター後の体制を全否定する立場を取っている。このため、クーデターを糾弾する集会などを09月17日~19日に予定している。
UDDは「平和的な活動」と説明しているが、デモ隊が予想外の行動に出ることも考えられる。このため、矯正局では、テロ罪などに問われたUDD関係者が拘留されている刑務所にUDD支持者が押しかける事態を懸念し、警備の強化を指示した。
09月17日(金)反独裁民主主義同盟幹部のチャトポン・プロームパンは、非常事態宣言施行規則違反やテロ容疑等で刑務所内に拘置されている同盟・赤服軍団幹部や関係者全員の釈放が実現するまで、毎週当該関係者が拘置されている各地の刑務所前に集結し赤いバラを置く方針を明らかに。
この発言に先立ち、同盟・赤服軍団関係者が、不当な法執行に抗議すると共に民主主義の実現を訴えるため、各地の刑務所前に集結し赤いバラを置くという活動を展開。特に主要幹部が拘置されているクルングテープ特別刑務所前では、2000人を超えると見られる赤服軍団が集結し、刑務所前や壁、柵等に赤いバラを置くという静かな活動を展開した後に、昼前までに平穏裏に散会。
アピシット首相は、「ロッブリー県の陸軍の武器保管施設から武器が紛失した。」との報告を受けていたことを明らかに。
一部報道によれば、10日ほど前、ロケット推進擲弾72個などが紛失していたとされるが、首相は、「現在捜査中であり、陸軍から説明があるはず。」として、詳細を明らかにしなかった。
09月18日(土)20年前のサウジアラビア人実業家失踪事件に絡みサウジアラビア当局が警察人事に不満を表明している問題で、アピシット首相は、在タイ・サウジアラビア大使館のアシュリ代理大使に対し、同事件で今年01月に起訴されたソムキット警察大将の警察庁長官補佐への昇格が合法なものであることなどを説明。
サウジアラビアは、1989年の宝石窃盗事件や1990年の外交官殺害事件も完全解決に至っていないことから、タイ当局の対応を快く思っていなかったとされるが、容疑者が警察の要職に就くことになったことから、反発を強めることになった。
アピシット首相によれば、「ソムキット警察中将は2007年の恩赦で過去の懲戒処分が抹消されており、長官補への昇格に法的問題はない。」という。だが、アシュリ代理大使は、「タイの警察法に基づけば、起訴に伴い停職となるはず。」と主張。
アピシット首相は、「ロッブリー県内の武器庫から大量の武器が紛失した。」と伝えられている事に関して、報告を受けている事を確認した上で、既に軍当局に対して紛失した武器の数量等を初めとする事実関係の調査を行うよう指示した事を明らかに。
この発言に先立ち各メディアが、ロッブリー県内にある武器庫から72発のRPGないしは大量の武器が紛失したとの未確認情報を伝えていた。
アピシット首相は、「武器の紛失が政治と関係している。」との認識を示したが、「紛失した武器がこれまでに発生している一連の不穏な動きに関係しているとの報告までは受けていない。」と明らかに。
一方、プア・タイ党のプロームポン報道担当は、「首都圏で発生している一連の不穏な動きに武器庫から紛失したRPGやM79、手榴弾(発言まま)が関係している可能性は否定できない。」と指摘し、アピシット首相に対して、紛失問題の事実関係の確認と紛失に関与した者に対する処分のため、専門調査委員会を設置して調査を行うよう要求。
警察は、不敬容疑で逮捕状の出ていたウィセートをスワンナプーム空港で逮捕したことを明らかに。ウィセートの逮捕時期や容疑の具体的内容は明らかにされていない。警察は、ウィセートが出国する可能性があったことから入国管理当局に出国時のチェックを要請。出国手続き中のウィセートを逮捕。
15時前クーデター発生4周年及び強制排除4ケ月目を記念してクルングテープ中心部のラーチャプラソン交差点に集結していた赤服軍団の代表は、15:00時までに交差点前の路上を開放し近くにあるパトゥムワナーラーム寺へ移動するよう呼びかけた。一部の赤服軍団が呼びかけに応じパトゥムワナーラーム寺へ移動を開始したが、大半の赤服軍団は、カッティヤ・サワディポン少将の娘カッティヤー(ディア)の突然の参加も手伝い依然交差点周辺の路上に留まっている。
毎週日曜日に交差点に赤リボンを結びつける運動を展開しているグループの呼びかけ人であるソムバット・ブンガームアノンは、明確な幹部が存在しておらず、また集結している赤服軍団全員に声を届ける事ができるだけの拡声器が十分に確保されていない状況下では大衆を適切に統制する事が出来ないことを呼びかけの理由に挙げている。
ラーチャプラソン交差点に集結した赤服軍団は15:00までに4000人前後に膨れあがっており、早い時間からソムバット等が「路上の占拠では自分たちの主張を伝える事ができない。」と呼びかけ参加者に路上開放への協力を要請し続けていた。



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