随筆・ふるさと上田 1977(昭和52)731日発行

  著 者 滝澤主税

  A5版291ページ

  非売品

  「父 矢野泉86歳の誕生日に捧ぐ」  

 


地方紙「信州民報」に連載された 随筆を.まとめたもの

 本書より抜粋

 昭和34年の春、上田市の基礎調査の中心責任者と策定計画の編集者の任を了えた時の私は、実は云いしれぬ失意のうちにあった。それは上田の衰えをまざまざと知り、将来への確実に約束された飛躍台を遂に発見することができなかったからである。決め手のない都市構造と、変動きわまりない時代の流れに上手に適応できない“人のよさ”を一体どうすればよいのか、いたいけな病む兄に向けるに似た私の“弱者ふるさと上田”への愛着は確実にこの時点に生まれた。

(市役所八年間の思い出より)

 

詩  「ふるさと上田」

その信州人らしい人のよさ

理屈づめの上田威(おどし)の鎧を着て

そのくせ遠慮っぽくて

本当のことを口に出せずに

他人流にやり負かされる

 

海野町も松尾町も

常田や常磐城のはてまで

時代のカラッ風が 正々堂々と通り過ぎ

岩鼻あたりに今日も白いものがちらつく

 

信州御三家といわれた

古きよき時代は過ぎ去り

二十余年の中央の都市政策の煽りを食って

上田の後進性はひどいものだ

 

だが小牧や太郎の山脈の幼げさ

まだ美しい千曲の水の清さを見れば

これからの上田らしい都市づくりに

ほのかな勇気が生まれてくる

 

奇妙な革命

あくどい商法

つめたい権威主義

どこか仕込みのそんなやり方が

ふるさと上田に居着くものか

 

太郎の逆さ霧

今日は晴れぬか

 

(「ふるさと上田」文中より)

 

随筆・続ふるさと上田

  著 者 滝澤主税

  A5版214ページ  

  昭和54年発行

  非売品

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