| 作・マリン |
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「いよいよ おまえと勝負だな」 塚越、山川が 挨拶の時に、目線を合わせながら心でこんな会話をした。 パーン 最初の1〜2球は肩慣らし程度の投球練習を始めた。 バシーン そして3球目以降から剛速球を投げ込んだ。 オー この剛速球を見て、改めて山川の凄さを感じた観衆から歓声が轟いた。 「さあ、こっちは準備万端だ。 投球練習を終えた山川は東条ベンチを見てこう心で叫んだ。 迎え撃つ東条ナインは、前日『浦和のランデイ・ジョンソン』の異名を持つイムから最後は8得点を奪っただけに、タイプは違うがこの日の山川相手にどう挑むかである。 「山川から点を取れるとしたら立ち上がりだ。 富岡からの指示だった。 昨日、反撃の狼煙となるホームランを放った池山が打席に入る。 「お前にはあれこれ細かい指示はしない。 一発・三振かの池山に対し、本人にとってもっとも的確な指示を送った。 ブーン 池山が打席に入る前に鋭いスイングを行なった。 「プレー」 主審の右手が上がる。 ガガ 山川が投球モーションに入る。 ゴーーーー 山川の右腕から放たれた。 バシーン だが池山の鋭いスイングを持ってしても、山川の剛速球の球威は更に上手だった。 「ストライク・スリー」 池山は結局山川の前に3球三振に倒れた。 「手元でもの凄くホップする。 と、三振に倒れた池山が、続いて打席に立つ風間に山川に対して こんな言葉を掛けた。 今度は風間が打席に入った。 「こいつは、前の試合でもそうだったが・・・曲者だ」 山川は、前の試合の風間のプレーや打席から醸し出される雰囲気から警戒心を強めた。 ガガ 風間に対する第1球を シュ 投じた。 「何」 山川の右腕から放たれたボールは風間のバットの軌道より上空を通過して バシーン 「ストライク」 捕手のミットに突き刺さった。 「ボールがホップするという現象は実際には起きない。 まだ初球だったが、山川の予想を上回るスピード・球威に驚愕する富岡だった。 「ストライク・スリー」 結局、風間は山川の前に三振に倒れた。 その後、東条高校は、続く葛西も山川の前に三振に倒れ、もっと言えば一度もバットにボールが当たらずに終わってしまった。 「塚越・・・」 「わかってます。俺も背中にエース・ナンバーを背負う身。 「頼んだぞ」 「任せて下さい」 塚越は・・・、山川の投球を間近で見て、投手として、いや塚越の場合は侍魂に完全に火がついた。 マウンドには代わって塚越が登る。 「さあ、今度は敵さんのお手並み拝見と行こうか」 ベンチで汗を拭いながらスポーツドリンクの入ったコップを片手に 余裕の表情を浮かべる山川。 「見てろ、山川」 塚越が投球モーションに入る。 「これが俺のボールだ」 シュ 塚越の左腕からボールが放たれた。 バシーン 球速では山川にやや劣るものの、この日も塚越の状態は良さそうだ。 「ストライク・スリー」 塚越は、1人はセカンドゴロに打ち取り、他の2人は三振に切ってとった。 「ほほう・・・、中々やるねー。 山川も塚越の投球を見て、闘争本能を再点火させた。 初回の両エースの火花を散らせた投球に場内は、 「これは今日、仕事サボって、見に来た甲斐があったよ。 というような声があちらこちらから聞こえて来た。 「・・・塚越は、心配ないようだな、 富岡は、山川攻略へと策謀を巡らせた。 |