ピーター・フランプトン

70年代のロック界において、スーパースターと呼ばれた人が何人もいるが、フランプトン
もその一人に違いない。
なにせ、一発屋と言われてかなり久しく、知ってる人も私らの年代前後の人だけだと思う
けど、2006年にインストアルバムでグラミー賞を獲得したりしている現役バリバリの人で
変なことを言うと叱られるのである。

当時、突然シーンに登場したと思ったら、「FRAMPTON COMES ALIVE!」という2枚組み
のライブアルバムが爆発的にヒットし、1000万枚以上を売り上げた。('76年)
ラジオじゃ、毎日のようにどこかの局で”Show Me The Way”がオンエアされていて、
音楽雑誌でも表紙を飾り、次々特集を組まれて知らない人はいないほどのスーパースター
だった。甘いマスクで、女の子の熱烈な人気がバックアップしていたことは言うまでも
ないが、あまり気にしていなかった私も”大ヒットアルバム”を思わず買ってしまった。

シングルヒットは前述の”Show Me the Way”の他、カバーもされている甘いメロディ
の名曲”Baby、I Love Your Way/君を求めて”や”Do You Feel Like We Do”の
3曲で、これらを含むライブアルバム「FRAMPTON COMES ALIVE!」は予想外?に大きな
成功をもたらしたが、その後は、'78年には自動車事故で大怪我をしたり、コンサート
のキャンセルの訴訟を起こされたりと良いことがなく、80年代はヒット曲も無し。完全
に過去の人となっていった。

もともと、フランプトンは突然シーンに登場した訳でなく、60年代からハードという
アイドルグループに在籍していたが、アイドルとして扱われることに嫌気がさした彼は、
スモール・フェイセスを脱退したスティーヴ・マリオットとハンブル・パイを結成して
デビューシングル”Natural Born Boogie”を'69年にリリースし、イギリスでヒット
させた。しかし、アルバム2枚リリースするも評価は今百歩で、レコード会社の倒産など
もありシングルもリリースできない状態になった。
マネージャーであったディー・アンソニーがA&Mへ彼らの売り込みに成功し、'70年には
「HUMBLE PIE」をリリース、フィルモアイーストに出演した時のライブアルバムである
「PERFORMANCE ROCKIN' THE FILLMORE」では念願のゴールドディスクを獲得。('71年)
そして、'72年には名盤名高い「SMORKIN'」で最高潮に達した。

しかし、「SMORKIN'」録音する時には、フランプトンの代わりに、デイヴ・クレムソンが
ギタリストとして加入。フランプトンは脱退していたのだった。
理由はハンブル・パイ結成時から指摘されていた、フランプトンとマリオットの音楽的な
志向の違いであった。ソウルフルでヘヴィなブルースを好むマリオットに対し、アコース
ティックなロックを好むフランプトンがもたなかったのだ。
脱退後、フランプトンはソロ活動に専念。アメリカツアーを精力的にこなしながら、徐々に
知名度を高め、'76年に花が開いた訳である。

アルバムは上記「FRAMPTON COMES ALIVE!」を聴けばわかるが、アメリカンポップロック
である。取り立てて評価するものは正直無いが、結構当時からギターは充分な腕前を持って
いたことはわかる。歌もロックギタリストとしては、まあまあという感じある。
今から聴く人にとっては、なんでもないロックではあると思うが、リアルタイムの人はやはり
”Show Me The Way”のトレードマーク的だったトーキングモジュレータを通したギター
の音を聴くと、なつかしく聴き入ってしまう。
スタジオ録音ではなく、このライブ録音のアルバムで当時の雰囲気を味わってもらいたい。


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