ぺるけ式 FET式差動ヘッドホンアンプ(AC100V版)


以前、遊び程度にFULL IC ヘッドホンアンプを作ったが、 やはり、内容を少しでも理解してディスクリートで作りたい願望が湧き上がってきた。 ま〜、それ以前に、以前のヘッドホンアンプはボワンボワンした感じであまり良い物ではなかった というのもあるのだが…。

今回は、以前から気になっていたぺるけさんが設計されたFET式差動ヘッドホンアンプを作る事にした。
ぺるけさんのHPは非常に洗練されていて、基礎情報とレベルアップのためのヒント等がギッシリと敷き詰められた感じだ。
12V版と100V版があるが、スイッチング電源をコンセントに挿しっぱなしというのは 何故かシックリこないので、100V版を作成する事にする。

本来は、オリジナルと同じ物を作って『音』を確認してから色々と自分好みに変更していくのが スジだと思うが、そこはショートカットです。
私としては、全ての設計は安定した電源からくると思っています。 ぺるけさんが設計された電源でも十分安定していると思いますが、最近ハマッている LED電源 を使用する事にしました。

アンプ回路

ぺるけさんの100版をほぼそのまま利用。
負電圧もLED電源で生成する関係上、少し大きめの電圧が取れるので(逆に言うと、4V以下の電源は作りにくい) 差動増幅回路の定電流回路部分をトランジスタ構成から JFET の Idss を利用した定電流回路に 変更したこと。




+B電圧直後の抵抗(10Ω)は、後述の電源が 14.5Vくらいだったのでオリジナルからは値を変更しています。 この抵抗はアンプ部の電圧調整をしていると共に、電源部からの電圧変動を吸収するためにパラ で入っている 4000μFのコンデンサとでローパスフィルタを構成しています。 電源を左右別電源にするのでこの抵抗は左右分離の役目からは離れています。




 
 



電源に近い方のコンデンサを OSコン(1000μF/16V x4) にし、出力コンデンサを 千石電商B1階にある東信工業の コンデンサ(1000μF/36V + 220μF/36V)にしました。16V耐圧ではなく、36V耐圧にしたのは、 ぺるけさんの掲示板(▲●■大人の自由空間▲●■)で 耐圧の高いコンデンサの方が内部抵抗が小さいというのを見て、実際に データシート で確認してから購入しました。何故か OSコン をこの部分に使用している作例は殆ど見当たらなかったので 物は試しという事で、選んでみました。 抵抗は全て タクマン REYオーディオ用金属被膜抵抗 1/4W品です。

GNDの取り込み口が入力側と出力側とで2箇所ありますが、実際には入力側のGNDの口しか使用していません。 こうする事によって回路全体のGNDループを無くす様にしています(受け売り)。

配置図から分るように、できる所は全て熱結合しています。 ぺるけさんの説明ではしなくてもよい設計という事でしたが、逆に「熱結合しても良い」 と解釈し、差動増幅のJFET同士、ダイヤモンドバッファの上(2SA1015, 2SC3421)と下(2SC1815, 2SA1358)を それぞれエポキシ系の接着剤で張り合わせています。更に差動増幅のJFETはより熱結合を強固に するために銅箔テープで被い、熱収縮チューブで固定しています。(写真は熱収縮チューブ装着前)


 



電源回路

電源部は先に書いたように左右独立とし、LED電源 を使用します。 トランス → コンデンサ → LED電源 では LED電源初段の定電流生成部分がふらつき、 ひいては回路全体が微小ながらふらつくことになるので、LED電源の前に 三端子レギュレータ によって電圧を安定化すると共に少し高すぎる(特に負電源側)トランスの電圧を落としてもらいます。



 
 


LED電源も、オリジナルのままではヘッドホンアンプの出力に耐えられない可能性があるので 私なりに工夫してみました。 先ず、定電流生成部分は LED の Vf を使用するのではなく、トランジスタの Vbe を使用する 構成に変更しています。また、電圧制御部分のトランジスタはより電流変動に強くなるように インバーテッド・ダーリントン接続を採用しました。 インバーテッド・ダーリントン接続は使用するのが初めてなので、少々不安があります。


 
 
 



すんさんの掲示板でノンノさんから インバーテッド・ダーリントン接続に関して ダンピング抵抗(R3:ベース容量で振動しない値), キャリア吸収用の抵抗(R1, R2:BE間に流れる電流の1/10を流すくらい) を追加した方が良いとの助言をいただいた。 既に作ってしまった後だったので、スペース的にきついため、今後の実験項目としてあげておこうと思う。 アナログ回路はまだまだ未知な部分が多く、こういった助言は非常にありがたい。





ケーシング



 


負電源側の三端子レギュレータがそれなりに熱くなるので、ケースの該当部分の上下に穴を開けました。


試聴

ヘッドホンはSONY MDR-CD900STを使用しています。

作成した直後は「シーーーーーー」という小さなノイズが音がなる場面で出ていました。 70時間くらい通電し続けた結果、この「シー」音は非常に小さな音になって相当耳を澄まさないと 分らないくらいです。 信号経路に OSコン を使用しているので OSコン のエイジングに時間がかかっている (約100時間通電が必要といわれている)のも原因の一部と思います。

出てくる「音」はボヤつかず、高音から低音まで満遍なく出いて、非常にスッキリとした 音になっています。 FULL IC ヘッドホンアンプ とは雲泥の差です。


オシロで電源周りを確認したところ、無音時、電源に最大 100mVpp のノイズが見られました。 やはり、電源に改良の余地ありです。 ただ、入力信号を入れない状態(JFET付近の470kΩの抵抗でGNDに落ちている状態)では この「シーーーー」という音はまったくしないので、直接は関係ないかもしれません。


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管理者: 宝 寿々郎(TAKARA Jujurou)