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人のイグドラシル:東国人


要点

周辺環境


設定

越前藩国に住む人々は、皆艶やかな黒髪でおしなべて細身、小柄な体型をしていて、その性質は努力や誠実であることを美徳とし、怠惰を嫌う。
国は北部に山、南部に海と、縦に長い領土が与えられている。
その町並みは、紙と木で出来た古くからの家屋の立ち並ぶ住宅地と、高度に情報化が進められた中心部という一見相反する組合せで構成されている。
こうした、旧きに固執するでもなく、新しきを拒否するのでもなく新旧を並列させるということを、自然と出来てしまうのがここ越前藩国の一番の特色である。
こうしたお国柄は越前藩国の他国にはない環境的な要因が強く影響している。
まずこの国特有の「四季」の存在は越前藩国の人々を語る上ではかかせない要素である。
季節によって気候、天候が猫の目のように変わるこの環境は彼らに、変化する状況に対処する能力を育んだ。
またそれに加え、地形的な要素も見逃せない。
急勾配や足場の悪さなど、登山の難易度が高いために難攻不落の山である、と登山家たちに言わしめたことから名づけられたイワヤト山脈は、この地形的要素の象徴的な例と言えよう。
イワヤト山は標高およそ2500メートル。火山ではあるが、藩国の成立以後目立った活動は無く、山頂近くに設置された観測所によって継続して行われている観測でも、噴火の兆候はまったく見られていないため、現在は休火山として分類されている。
しかしずっと以前には猛威をふるっていたと見え、火山を鎮めるための祠などが目立たないが残っている。また年に一度開催されるイワヤト祭りは、元々は火山を鎮めるための祭りであったというのが通説となっている。実際、イワヤト山周辺の入り組んだ海岸線や、山麓付近の複雑な地形は、かつてのイワヤト山の猛威を今に伝えている。
こうした四季の存在やイワヤト山に代表されるこの国の自然は、人々にとって困難を生むことも多かったが、しかし与えてくれるものも多く、またその力を利用すれば、人の力だけではけして為しえないことも可能であった。
イワヤト山に沸くイワヤト温泉は地下の地熱によって湧き出しているもので、またこの山は旧い火山でもあるため生態系が育っていて樹木が多いため、水資源にも恵まれている。
よく他国から越前藩国には肌がきめ細かく、美しい女性が多いと言われるのはこうした温泉や地下水のおかげである。この温泉は現在、観光名所ともなっていて、他国から訪れるものが後を絶えず、藩国の収入源の一つとして寄与している。これもまた、自然が与えてくれた恩恵の一つと言えるだろう。
また近年は地熱を利用した発電施設や、近海の海水の温度差を利用した変温層発電の技術も発達した。このようにまさに自然を活用してこの国は発展してきたのである。
四季を楽しみ、自然に畏敬の念を抱きつつこれを利用する、という一見矛盾した思考。
これこそが異質なものでも受け入れ、しかも旧きをおろそかにしないという越前藩国の人々の性質を養ったのである。
(書:セントラル越前)