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死と再生の儀礼と演劇の起源
最初の公開2008-6-8  最新の更新2011-10-3

 演劇の起源は、宗教の「神人交会」の儀礼と関連をもつ。
 すなわち、冥界から「この世ならざる者」を一時的に舞台空間に勧請し、観衆がこれと時空を共有することでマジカルなパワーを得るという呪術的感覚である。

古代人の世界観
logical thinking
論理的思考
 ↑↓
analogical thinking
類比的思考

○目に見える世界(現世)の背後には、目に見えない世界(幽冥界)が広がっている。

○現世の似ているものどうしは、霊的なパワーでつながっている。

○現世と幽冥界の境界は、呪術的演出によって一時的に開くことができる。

 →祭祀儀礼、marginal man(マージナル・マン。境界人)

「聖・賤、相通ず」「聖俗の逆転現象」
 最も神聖なものと、最も卑賤なものは、ともに「人間界」の周辺の存在であり、両極端ゆえに意外に近い。
 例)英語のswear words、日本語の宗教的な卑語、…

境界人、被差別民、演劇、…
cf.「歌舞伎と部落差別の関係
< 「東京の被差別部落
 


循環世界観

一日) 朝 昼 黄昏 夜 →…→ 朝

一月) 新月 三日月 満月 晦日 →…→ 新月

一年) 春 夏 秋 冬 →…→ 春

一生) 出生 若年 老年 死 →…→ 再生


WOMBからTOMBへ(誕生→死)

TOMBからWOMBへ(死→再生)

 母胎回帰願望

 墓所と子宮の類似性

屈葬

亀甲墓



村山智順『朝鮮の風水』1931




招魂儀礼の呪術的演出

imitative magic 模倣呪術
sympathetic magic 類感呪術
contagious magic 感染呪術・接触呪術

死の三徴候
 呼吸
 →風 気鳴楽器(笛など)・声楽

 鼓動
 →リズム 打楽器

 瞳孔
 →光 灯火・眼の演技 歌舞伎のにらみ


ふえ(笛) < 動詞「ふゆ」(殖ゆ)の連用形転成名詞。タマフリ(魂振)の楽器。

 石笛

 石笛奏上

こと(琴) < 名詞「こと」(言・事)。信託の楽器。


ヨリマシ
 寄り坐し。神主。神霊を自分の体に憑依させる霊媒
 → 能のシテ方(主役)

サニワ
 審神者。神霊の霊界語を現世の言葉に翻訳する霊能者
 → 能のワキ方(脇役)

カンナギ
 神和ぎ。神降ろしのための儀礼的演出を担当する技師
 → 能の囃子方(楽隊)


cf.ウィジャボードのデザインと、能の舞台空間のコンセプトの類似性


能楽と擬似再出生体験


Life-death-rebirth deity
死と再生の神

日本神話「天岩戸(あまのいわと)」説話

真床追衾(マトコオウフスマ) 折口信夫「大嘗祭の本義」

ギリシア悲劇
 …仮面、舞踊合唱隊(コロス)、アウロスの笛

能楽
 …能面、囃子方、能管

cf.文化デジタルライブラリー

京劇と呪術


魔法とは、弱者の権力である。

魔法の奥義は、血とSEXである。

魔法の極意は、「宇宙の缶詰」である。
明治大学リバティアカデミー教養文化講座「文化としての生老病死」第3講
2009/10/19「死と再生の儀礼と演劇の起源」
明治大学「日本文化の深層を探る」2009年度前期火曜5限(16:20〜17:50)


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