Catalist-4 : ハイブロー武蔵さん
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2004/12/16(Thu)


--- 始めの文章 ---


ハイブロー武蔵(ハイブロー むさし)

1954(昭和29)年福岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。
勇気と元気と誇りを与える本を出すことを自らの使命とし、日々ペンを片手に原稿用紙と
格闘している。海外事業部での現地の工場設立などを含め数々のビジネスを経験した後、
会社経営者となる。経営者として意欲的に活動するとともに、ビジネスエッセイストとして活躍。

主な著書に『希望の星の光を見失うな!』『読書力』『本を読む人はなぜ人間的に成長する
のか』『通勤大学基礎コース 学ぶ力』(以上、総合法令出版)、『あなたの一番大切な夢が
実現する本』『元気の出る読書術』(以上、王様文庫・三笠書房、『ツキを絶対につかむ行動
法則42』(大和書房)。
訳書にベストセラーとなった『ガルシアへの手紙』をはじめ、『人生を幸せへと導く13の習慣』、
編著に『ポチ・たまと読む 人を好きになる技術 人に好かれる技術』『ポチ・たまと読む自分を
変えてくれる本にめぐり合う技術』『ポチ・たまと読む なりたい自分になれる魔法の習慣』
(以上、総合法令出版)など多数。

「634NET」 http://www.highbrow634.net


鈴木
まず最初に、ハイブロー武蔵さんは20代、30代の頃、
ずいぶん生きかたに悩んでおられたそうですが、その頃のお話を
お聞かせ頂けますか。

武蔵
私は、大学を卒業して、20代から30代の半ばにかけて、自分の人生に
大きな悩みを持ちつつ、あちらこちらとフラフラした人生を送っていました。
自分に何か世の中で役に立つことはないのか、自分でもできることはないのか
をずっと考えていました。
ですから、32歳で定職に就くまではずいぶんいろんな仕事をやっていましたよ。
例えば、クラブの呼び込み、広告代理店、新聞社、塾講師とか。

自分がこのままでいいのかなと今だって悩んでいます。

鈴木
それはどのような形で社会に役に立てるかということでしょうか。

武蔵
はい、自分をどれだけ社会に活かせるのかということです。

今のNEETやフリーターの人たちのなかには似たような意識を根本に持っている人
が多いんじゃないかな。僕は大学を卒業してからアルバイト生活を10年ほど
していました。その頃はちょうど昭和50年代でアルバイトという働き方が世の中に
出てきたばかりの時代でしたから正社員に
ならない自分の生き方などはもってのほかと周囲からさんざん説教されましたよ。

僕には大学を卒業して一流企業に就職することが果たしてやるべきことなのかどうか
わからなかったんです。組織の中で威張るのではなくて自分の力で何かできることは
ないかなと思って。


●爆発するほどエネルギーを溜め込む

鈴木
ちょっと唐突ですが、30歳の誕生日には何をされていたか覚えて
いらっしゃいますか?

武蔵
泣いてましたね(笑)。その年のクリスマスなんですけどね、うちの家内が
勤めていた会社のクリスマスパーティーがありまして夫婦同伴で連れて
行かれたんです。家内の勤めていた会社は世界的にも一流の企業だったんですね。そこの海外事業部のパーティーです。

パーティーに行ったらそれはそれは惨めなこと。そこに来ている人はエリート
サラリーマンばかりでしたから、ラフなかっこうの私を見ると、みんな勝ち誇った顔をしている訳ですよ。

そのエリートたちに「どんなお仕事されてるんですか?」なんて聞かれると、僕は
「いやーっ。特になにもしてませんー」みたいな感じでした(笑)。

そのころの僕の生活はといえば、生活費ぎりぎりのアルバイトしかせず、空いて
いる時間はずっと図書館で本を読む生活。その頃味わった屈辱をずっと溜め
込んでそれをエネルギーに替えて43歳で本を書くという形で爆発させました。
『希望の星の光を見失うな!』(総合法令)

鈴木
ハイブローさんは大学を卒業する時に一流企業に就職
しようという希望はなかったんですか?

武蔵
はい、これっぽっちもなかったですね。

鈴木
どのようなきっかけで32歳の時就職したんですか? 

武蔵
たまたま新聞でその会社の求人広告を見たんです。それがちょうど学生時代に早稲
田の生協で読んで知っている出版社だったのでなんとなくその会社に応募してみようかなと
思いまして。

教育関係の出版社でした。
総務の仕事で、要するに雑用係みたいなものです。

鈴木
仕事はいかがでしたか?

武蔵
いやぁ入社してみたら面白かったですねー。当初は3年くらいで辞めようかと
思ってたんですけど、結果的にはずいぶん長く勤めました。
同期に可愛い女の子がたくさんいましたし(笑)。
なんだ、こんなに楽しいならもっと早くから勤めていればよかった、なんて思ったこと
もありましたけれど(笑)。

会社の中では、その後、子会社の歌舞伎町のフィリピンクラブの
現場指揮を担当したり、海外の工場(フィリピンやタイ)の立ち上げ
の仕事をしました。

●具体的な目標を紙に書く

鈴木
ハイブローさんは、どんなきっかけで本を書くようになったのですか?

武蔵
仕事でフィリピンにいた頃、自分の目標を文字に書き出していったら
忘れていた人生目標が明確になったんです。  
三十五、六歳の頃でしょうか。 
これをしばらくやっていました。すると、自分の目指している原点のようなもの、そ
のイメージを思い出しました。そして具体的な目標を次のように書き込みました。
1.四十五歳までに自分で会社を経営する。
2.五十歳までに本を書く。 
そのための〈工夫〉として 
・人の倍は仕事する。 
・ビジネス書を読みまくる。英語にも強くなる。基礎から勉強する。 
・書斎を持つ 
・いずれ書きたいテーマごとのカードを作成し、本、資料を収集していく。  

現実にどうなったかと言いますと、 
・四十一歳で会社社長になりました。 
・四十三歳の時『希望の星の光を見失うな!』を書きました。  
こうしてやっとのこと苦しんだ末に、イメージ→目標→日々の工夫と勉強という成功
のサイクルがいかに重要かを知ったのです。

鈴木
そんなふうに自分の目標が現実になるというのはすごいですねー。
何か秘訣みたいなものがあったら教えていただきたいのですが。

武蔵
そうですねぇ。
それでしたら是非、自分の目指したい、なりたいイメージ→人生の目標を紙に書い
てみてください。また、そのためにやらなくてはいけないことを考えて、書き出して、
それを実行してみてください。三年後に、とてつもない力を得ていると思います。

結局成功している人、つまり、必ず自分の願いや目標を実現している人
は、次のような三つの「成功のスパイラル」を実践しています。

1.なりたい自分の「イメージ」をつくる
2.なりたい自分になるために「目標」を紙に書く
3.目の前の仕事を毎日、工夫する

ということです。

この、「イメージ」→「目標」→「工夫」をくり返します。循環させていくのです。
すると、人生は、スパイラルして上昇を始め、結果、自分の願いを実現させ
ていく事ができるのです。

目標は、人生の目標、3年目標、1年目標ぐらいに三つに分けるとよいと思います。

鈴木
なるほどー。なるほどー。(鈴木は何度も何度も頷いていました)。

●遠回りの人生もよし

鈴木
ハイブローさんは、著書のなかで「遠回りの人生もよし」と書かれていますよね。
その言葉に「同感!」と、僕は惹かれました。

武蔵
遠回りしないと見えない人生ってあるじゃないですか。
挫折しないと分からない、嫌われないと分からない、みたいな。

(ハイブロー武蔵さんの著書から関連する文章を引用させていただきます)

私が人生は遠回りするほど、人は、優しくいろんなことを教えてくれる。
遠回りすることで見えてくることもある。私もだんだん強くなる。
遠回りしてもよい。
道を踏みはずしてもよい。
私は希望を捨てずに自分にふさわしい人生を求めていく。

(『本を読む人はなぜ人間的に成長するのか』総合法令)

人生をストレートに生きてる人と、私達みたいに
遠回りして生きてる人と、果たしてどっちが幸せな
んだか分かりませんよね。


●つらい体験をプラスに

武蔵
これは遠回りの話と少しずれてしまうかもしれませんが、
つらい体験をした人は、人としてかなり良い面を持っていますよね。
ある意味、若い時に傷ついたり苦労した体験を持つ人のほうが
いい本は書けると思います。
ヘレンケラーもあれだけの本が書けたのはとてつもない苦労をしているからでしょう。
言葉の重みが違います。

鈴木
僕は、不幸な思いとか、つらい体験をした人に
その経験をプラスに受け取って、
よりよい人生を送っていって欲しいなと思うんです。
傷ついたことで感受性やら優しさみたいなものが育つと思うんです。
その側面に光を当てていきたいんです。
今現在、自分の目標や希望が見つかっていない人に向けて
メッセージをいただけたら嬉しいのですが。

武蔵
『チャタレイ夫人の恋人』を翻訳した伊藤整さんが、
青春についてこんなことを言っていました。
「青春とは待つことだ」つまり、
「青春とは自分の才能を信じて待つことだ」と。
努力をしながら待てば、いつかはやりたいことは見つかるし、
いつしか認められ花開く時がやって来る、と。

鈴木
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉もありますが、
できるだけのことをしたら、あとは結果はただ天に任せて
努力をしながら待つ、くらいの気楽さも必要ですよね。

武蔵
それはそうですね。

つらい経験を通してやりたいことを見つけた人がよく使う言葉があります。
「楽天的に行こう」です。
悲観してたってダメなんです。
楽天的に考えることが大事なんです。

イギリスの政治家ウィンストン・チャーチルも苦労した人です。
彼はこう言います。
「私は楽天家である。それ以外の者であることは、人生において役に立たない」
チャーチルはどんなことがあろうとも、絶対に希望を捨てない生き方をしました。
苦しい中で楽しんでいくしかない。
自分で夢を見て、努力をして、必ず暗闇は抜けられる
そう信じるより他ないわけです。

「諦める」という選択の方がある意味ではラクなんです。

●人は一人ひとりそれぞれの成功がある。同じ成功なんかない。

鈴木
ハイブロー武蔵さんの人生における「3つのテーマ」を挙げるとしたら
何ですか?

武蔵
3つのテーマですか?うーん難しいなぁ。(しばし考えて)
以前、書いた僕の考える「成功とは何か」の10個でもいいですか?

鈴木
はい、もちろん結構です。是非聞かせていただけますか。

武蔵

1いつまでも人間的に成長している人

2心が柔らかく、そして優しい人

3必要なお金は稼げるが、お金に縛られない人

4家族を大切にし、友人を大切にする人

5まわりから信頼される人、信用される人

6仕事ができ、成果を出し続ける人

7同性からも異性からも年上にも、年下にも好かれる人、モテる人

8美味しいものがわかり、よい芸術がわかる人

9健康な体と健康な心を維持していこうと努めている人

10本を読み、心を浄化し自分を磨くことのできる人

これらは、私自身がすべて出来ている訳ではなくて、
これからも目指したいことなんですけどね。

鈴木
おー、なるほど〜。

ひとくちに成功といっても、「成功」の定義をする必要があるということですね。
定義することなしに「俺は成功したいんだ」なんて言っていても
自分がどういう状態になったら成功なのかが曖昧だったら
一生成功できっこありませんよね。だってそもそも成功を実感しにくいですよね。

武蔵
ええ。
成功はひとりひとり違いますから。

以前だと、お金をたくさん持って、有名で、権力を握っている人が「成功者」と呼ば
れていた時代がありました。でも、新しい時代の成功者は違うのではないかと思うん
です。

人は、それぞれ、一人ずつ生き方があるのだと思います。
人の人生の成功はその人ごとにあります。
人の生き方のある面だけを見てうらやましがっても何の意味もないのです。
あなた自身の成功の道を歩みましょう。
その道はあなたにしかないのですから。

さきほど挙げた10個の条件は、私の勝手なイメージの成功者、つまり私たちがこう
なりたいという人です。

鈴木
なるほどなるほど。 時代が変化してきていますよね。
昔みたいな単純な成功者の定義ではなくなってきたということですね。

●階級を努力で乗り越えられるニッポン

武蔵
現代の日本では仕事が出来るかどうか、努力しているかどうかで
評価が決まりますよね。まぁ、すべてではないですけど。
しかし、世界を見渡すと日本のように努力や能力だけでは
どうにもならない国や社会があるんですよね。

たとえば、僕が赴任していたタイやフィリピンも階級社会でした。
私の働いていた会社の工場でも、スタッフとワーカーという階級があって、
ワーカーの人たちはとても差別されていました。
私たちは、その工場に読書室をつくり、
「どうぞ勉強してください。勉強して努力すれば認められて、リーダーにも、トップにもなる道が開けますよ。」
ということをワーカーの人たちに伝えたんです。

鈴木
「努力すれば偉くなれる」という考えは、フィリピンにあっては、
革新的な考えだったんじゃないですかー!
すごいことをやられましたね。
それで思い出したのですが、僕は新婚旅行の行き先にインドを選びました。

インドではカースト制度が残っているために、親が靴職人なら子どもは靴職人にしかなれない。
日本では職業が選べるという自由が足かせとなって、職業選択に苦しんでいる人もいる状況で、
カースト制度という不自由な状況の人たちの現実を自分の目で見るのが目的でした。

自分で見て来た結果、自分は職業選択の自由があるニッポンを好きになり、そして、
日本人である自分を幸せだと思えました。
目で確かめて実感して、良かったと思います。

●説教していた10代、説教されてた20代、そして今

鈴木
ハイブロー武蔵さんは、10代の頃はどんなタイプの青年でしたか?

武蔵
僕は説教魔でした。高校、大学時代は、イキがってる奴、
女とやりまくる奴に説教してました。

鈴木
それで、大学を卒業した後は、今度は説教される側にまわった訳ですね(笑)
そして、本を書くようになってからまた説教する側になったんですか?

武蔵
いえいえ、僕の本は説教とは違いますよ。エール(応援)ですよ。

鈴木
説教と応援は違うんですね。

武蔵
説教っていうのは上から下に偉そうに言うことでしょ。
僕の本は読者に「一緒に頑張ろうよ」と語りかけてる訳ですから説教とは違います。
僕は日本で一番読者からの手紙やメールへの返事を出す作家だと思います。

僕の本を読んで自殺を思いとどまった人もたくさんいます。
離婚を踏みとどまった人もいるし。
まぁ、逆に離婚に踏み切った人もいますけど(笑)。

鈴木
最後に読者の方々にメッセージをお願いしたいのですが。

武蔵
人生なんか恐くない。
ひとはだれでも必ず成功できる、しあわせになれる。
希望の星の光を見失わなければ。

鈴木
本日は、素晴らしいお話をたくさん聞かせていただき
本当にありがとうございました!
これからのご活躍を応援しております。

-- おわり --