Good King Wenceslas


1520年ごろドイツで制作された
聖ウェンセスラスのステンドグラス

英語詞

Good King Wenceslas looked out,
On the Feast of Stephen,
When the snow lay round about,
Deep and crisp and even;
Brightly shone the moon that night,
Tho' the frost was cruel,
When a poor man came in sight,
Gath'ring winter fuel.

"Hither, page, and stand by me,
If thou know'st it, telling,
Yonder peasant, who is he?
Where and what his dwelling?"
"Sire, he lives a good league hence,
Underneath the mountain;
Right against the forest fence,
By Saint Agnes' fountain."

"Bring me flesh, and bring me wine,
Bring me pine logs hither:
Thou and I will see him dine,
When we bear them thither."
Page and monarch, forth they went,
Forth they went together;
Thro' the rude wind's wild lament
And the bitter weather.

"Sire, the night is darker now,
And the wind blows stronger;
Fails my heart, I know not how,
I can go no longer."
Mark my footsteps, good my page;
Tread thou in them boldly:
Thou shalt find the winter's rage
Freeze thy blood less coldly."

In his master's steps he trod,
Where the snow lay dinted;
Heat was in the very sod
Which the saint had printed.
Therefore, Christian men, be sure,
Wealth or rank possessing,
Ye who now will bless the poor,
Shall yourselves find blessing.

英国のクリスマスカロル
ウェンセスラスはよい王様

19世紀の英国で作曲された「ウェンセスラスはよい王様」は、とてもハッピーでリズミカルな、ぼくの大好きなクリスマスカロルです。そこに出て来るウェンセスラスは、10世紀のボヘミア(今のチェコ)の王様で、敬虔なクリスチャンであり、心優しく慈善にも熱心だったそうです。

降る雪つもる夜の山道を、家臣をひきつれ踏み進み、辺鄙な里の貧しい農夫に「肉とワインとたきぎ」のプレゼントを届けに行く、奇特な王様。あまりの雪に「王様、これ以上は進めません!」と音を上げる家臣に、王様は「ぢゃあ、わしが先頭を行くから、わしの足跡を踏んで参れ。そうすれば、少しは歩きやすいぢゃろ?」と、みずから道を作って行った……そういう歌です。これは、ぼくたちにお手本を示してくれた昔の聖人様をならって、その足跡をみんなでたどってついて来なさい、というメッセージなのですね。

日本語詞

ウェンセスラスの王様 宴で見た
つもった雪が 固くこおり
月かげさえて しも降るよる
貧しいひとが たきぎをひろう

「これこれ家来 わしに話せ
あれなるものは どこの誰か」
「はいはい あれは山の子ども
森の木陰の 泉にすみまする」

「おまえと共に そこへ行こう
肉と酒と たきぎをもて」
王様と家来 すすんでゆく
つめたい道を すすんでゆく

「夜道けわしく 風はげしく
おそれながら すすみませぬ」
「わしの足跡 ふんですすめ
いくらからくに 歩けるだろう」

主人のあとに したがううち
つもった雪は とけてきたよ
みなさんたちも めぐみなされ
あなたじしんが めぐみをうける

ウェンセスラス1世について

907年頃、プラハ近郊のStochovで誕生。
929年9月28日、死去。殉教者。
聖ウェンセスラス、または聖ヴァーツラフ。
チェコスロヴァキアの守護聖人。祝祭日は9月28日─じつは、ぼくの誕生日でもあります(笑)

敬虔なクリスチャンであった祖母の聖ルドミラのもとで育てられ、薫陶を受けましたが、異教徒で野心家の母ドラゴミールは、ルドミラを殺してしまいました。ウェンセスラスは924年頃に若干17歳でボヘミア候に即位し、祖母の信仰を受け継いで、神と共に歩み、生涯の貞潔を誓いました。また、ボヘミア地方のキリスト教布教のために、ドイツから宣教師を招きました。彼の熱心な努力によって、キリスト教が広まりましたが、そのために異教徒から強い反感を抱かれるようになりました。

929年にドイツから侵入を受け、ウェンセスラスはドイツのヘンリー鳥捕王に臣従を誓いますが、これを怒った貴族たちはひそかに暗殺の陰謀をめぐらします。そそのかされたウェンセスラスの弟のボルズラフが実行者となり、ミサに出かける途中を弟に呼びとめられたウェンセスラスは教会の正面玄関前で殺されてしまいます。ところがその後、ウェンセスラスの墓で奇跡が頻繁に起こり、驚いたボルズラフは932年に遺骸を聖ヴィトゥス教会に移し、手厚く葬ります。この聖ヴィトゥス教会は巡礼の一大中心地となり、中世全期にわたって民衆の信心を集めました。

暗殺されたほとんど直後から、ウェンセスラスはボヘミアの守護聖人とみなされるようになり、国難の際には聖ウェンセスラスが家臣の騎士団を率いて救国にかけつける、と信じられています。社会主義政権が倒された東欧革命の際にも、プラハの聖ウェンセスラス広場や聖ヴィトゥス大聖堂に集結した民衆によって民主革命がなしとげられたという、シンボリックな性格を今日も有しています。

 

 

 

ウェンセスラスのメッセージ

クリスマスをよろこび祝う日に、どうして暗殺されみじめな死を遂げた無力な王様のことなど、歌にして
歌うのでしょうね? 考えてみれば、おかしな話しです。ウェンセスラスは歴史的には敗北者でしたが、
魂の世界においては、人々の心をとらえた勝利の王となったのです。なんと人々は、自分の身ひとつ
守れなかったこの王様が、今も自分たちの国を守っていてくれる、と、本気で信じているのです。

キリストの恵みの世界では、しばしばこのような逆転現象が起こります。

負けたひとが、永遠の世界で勝者となる。
一番ちいさい人が、天国では最も大いなる者となる。
遅れて最後に来た人が、真っ先に天国に入る。
放蕩息子が、赦されて父なる神に抱きしめられる。

いったいどうして、こんなおかしなことが、起きるのでしょう?

それは、あの日に、始まったことなのです……
全能の神様が、無力な小さな赤ん坊となって、わらのしかれた飼葉桶に身を置いて下さった、あの瞬間から、わたしたちの宇宙では、すべてのものごとが、さかさまにひっくりかえされてしまったのです。

 

 

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