J.R.R.
トールキン
『指輪物語』

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 



  

じめて『指輪物語』を読んだのは中学生のとき。

 毎晩遅くまで布団にもぐり9ポ詰め文庫版を懐中電灯で読んだために近眼になり、今や視力0.07まで落ちてしまった。

 しかし、「指輪体験」は私の想像力に回心を与えてくれた。ちょうど、ジョージ・マクドナルドの『ファンタステス』がC..ルイスの想像力に回心を与えたように。私がイエスキリストへの霊的な回心を体験するのは、それから一年後のことだった。

 ファンタジーの世界なのに、道端に落ちているひとつぶの小石にまでリアリティーを感じさせるトールキンの作品はC..ルイスがまさに言うところの「準創造」だと思う。創造主に似せて作られた私たち人間は、聖霊の息吹に生かされてイマジネーションの世界において、創造の模倣─準創造行為をなし得るのだ。

 チャールズ・ウイリアムズ、C..ルイス、J...トールキンのオックスフォード大学関係者による文学会インクリングズは同時期に『万世節の夜』『宇宙三部作』『ナルニア国物語』そして『指輪物語』を生み出した。これら霊的巨人たちの批評・示唆・励まし・交わりは毎週木曜夜の会合を中心として三位一体の神の創造にも似た、三人の友人の準創造行為を展開した。

 今頃この三人は天国で、似たような文学会を楽しんでいることだろう。そして、紙とインクで構成された彼らの作品世界に、神はある種の実体を与えることをお許しになっているかもしれない。それが、黙示録の言う「新しい天、新しい地」だとしたら私たちはいつか、本当にアスランやガンダルフ、バギンズ氏と近しく交わる日が来るのかもしれない。