
ヘルレイザー/ヘルワールド

えーと、これはヘルレイザー版ラストサマーですね。
なにやらネトゲにハマった若者グループのうち、アダムって男が謎の死を遂げます。
そのアダムの死に他の若者グループは責任があるらしいのですがしらんぷりを決め込むことにしました。
そしたらネトゲやってるうちに、そのゲームサイトからパーティーの招待状が贈られてきて、パーティーに出かけたら1人1人殺されていくわけです。
「アダムを思い出せ」
みたいなことを言われながらピンヘッドやランス・ヘンリクセン(エイリアン2のビショップ、AVPのウェイランド社長)に殺されていくわけですね。
もうほとんどラストサマーと一緒で、それまでのヘルレイザーシリーズ通してあった幻想的なムードも厳かさも皆無のごくフツーのよくあるティーンエイジ・スラッシャー映画になってました。
いや、ラストサマーを始めとするティーンエイジ・スラッシャーは好きなんですけど、なにもヘルレイザーでやらなくてもいいじゃん?って思ってしまいますね。
それにラストサマーなんかと比べても明かに退屈。
チャラい若者がパーティーでくだらん会話したりナンパしたりといったシーンを適当にダラダラ流して時々殺される。
ラストサマーだったら登場人物達が罪の意識を感じつつ、身に迫る姿なき殺人気の恐怖に怯えるという緊張感が映画全体を貫いているのですが、こっちの若者達は罪の意識なんてノミの毛ほども感じてなくて緊張感のカケラもありません。
そのせいで映画全体がダラーンと弛緩しきった印象を受けるんですよね。
殺人シーン以外は退屈で仕方ありません。
他にも言いたいことはいっぱいある。
まず事件のきっかけになるネトゲなんですが、どんなゲームなのかよくわからない。
パソコンの画面に映っているのはショボいCGのドアで、それをクリックするとドアが開いて「パーティーにご招待」みたいなメッセージが表示される・・・・・なんて場面しか出てこないのでどんなゲームなのかさっぱりわからない。
中毒者が続出するゲームだとか説明されるが、どう考えてもつまんなそうだ。
この映画撮った奴ネトゲなんかやったことないんじゃねえの?
いや俺もネトゲってハンゲームくらいしかやったことないけど、今流行ってるネトゲってこんなんじゃないだろ?
なんかドラクエみたいなロープレだったり、ゲーム参加者が互いにチャットしたりするもんなんじゃないの?
この映画の中のネトゲとやらは、なんかショボいウィザードリイみたいなものにしか見えない。
そもそもネトゲが事件のきっかけである必要がない。
登場人物をパーティー会場であるランス・ヘンリクセンの館に誘いこむための入り口にしか過ぎないので、それだったらラストサマー2のニセラジオ番組のクイズに当選とかでも、なんでもいい。
たんに「なんか今”ねとげ”ちゅーのが若い奴らに人気あるみたいだべ?したらそれにすんべ」みたいな田舎親父が町内会で村祭りイベント企画したみたいなノリでネトゲを絡めたくらいにしか思えない。
そしてネトゲにハマりすぎたためにアダムという若者が自殺したらしいのだが、それについても一切説明なし。
なにをどうしたらネトゲにハマった末に自殺するのか?
そしてそのアダムの死にネトゲ仲間がどう責任があったのか?
なんにも説明しない。
とにかくアダムはネットにハマって自殺。ネトゲ仲間に責任がある。以上!
これしか説明がなく後は強引に押し切ってしまう。
なんぼなんでも不親切すぎやしないか?
なんかシナリオ段階で思考停止してしまっていて、こんな考えなしの映画、真面目に見る気が失せてしまう。
そして、これがヘルレイザーである必要性が一切ないのが最大の不満。
若者を殺してるのは館の主人ランス・ヘンリクセンなのだが、ピンヘッドも殺している。
このあたりネタバレしないと説明がつかないので、後でネタバレしちゃいますが、欲望にまみれた人間、パズルボックスの力を得ようとした人間を地獄に導くのがピンヘッド以下セノバイドの仕事であって、単純な殺人そのものをピンヘッドがするわけないのだ。
だからピンヘッドが他のスラッシャー映画の殺人鬼と同じように人殺していくシーンは非常に違和感がある。
あの鉤ヅメの鎖も使わず大きな包丁で首を切ったりするのだ。
ジェイソンやマイケル・マイヤーズがやるなら拍手喝采だがピンヘッド様にこれはして欲しくない。
まあ、なんでピン様がこんなジェイソンもどきのことしてるかのラストまで見ると説明はつくのだが見ている途中は萎えてしまう。
さて、それでは以下ネタバレいたします。
見てない人は注意してください。
というかむしろこんなつまんない映画見なくていいのでさっさとネタバレ読んで見たつもりになってくださいませ。
これまで殺人を行ってきたのはランス・ヘンリクセンでピンヘッドは一切関わっていなかったのだ。
ランス・ヘンリクセンは自殺したアダムの父親で息子の復讐のために若者グループをパーティーに誘い出し殺していたのだ。
ピンヘッドが殺していたように見えたシーン、そのほか数々の現実にはありえない現象は全て「幻覚剤を飲ませていたから」
全てが「幻覚剤」で説明がついてしまう。
息子の復讐のために、父親が若者を殺していくという展開はまるっきりラストサマーですね。
ここまできたらパクリといってもいいんじゃないでしょうか?
まあ、ラストで申し訳程度に本物のセノバイドが登場しランス・ヘンリクセンを地獄へ導きますが、この映画全体は「なんちゃってヘルレイザー」だったんですね。
ふざけんな!
調べて見たらこの「ヘルワールド」の監督は「リターン・オブ・ナイトメア」、「ワールド・オブ・ペイン」と同じリック・ポーター
「リターン・オブ・ナイトメア」はなかなか面白かったものの、この人シリーズを撮りつづけていくうちに段々ひどくなっていく。
監督変えろよ!
幻覚と現実が交互に襲ってくるという展開はワンパターン化してるし、いいかげんこの人の撮ったヘルレイザーは見たくなくなってきた。
うーん、ヘルレイザーシリーズは番外編がお気に入りだと前に書いたけど、よかったのは最初の2本だけで残りの2本は駄作だなあ。
そうなると本編と呼ばれるヘルレイザー1から4までも良かったのは最初の1と2の2本だけ。
どちらも半分は見れるものの半分は見る必要ない、引き分けってところです。
シリーズも長く続くと傑作、駄作が出てくるものですがヘルレイザーはこれ以上無理して続けなくてもいいんじゃないかな?と思ってきました。
しかし、第1作目のヘルレイザーがリメイクされるという話も聞きます。
グダグダになってしまったヘルレイザーシリーズですが、ここで初心に返るのはいいことなのかもしれません。
ヘルレイザーのリメイクに期待します。
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