ダークマン

さて、今回は「死霊のはらわた」のサム・ライミが監督した悲劇のヒーロー「ダークマン」を紹介します。

サム・ライミといえばアメコミ・ヒーロームービー「スパイダーマン」が大ヒットし、一躍ハリウッドでのトップクラスのドル箱監督へと出世いたしましたが、自分としては同じヒーロー者でも「スパイダーマン」より、この「ダークマン」のほうが断然好みですね。

ダークマンはサム・ライミのオリジナルヒーローですが、じつにアメコミ・テイストに溢れていて、アメコミ好きのライミの趣味が全開になった作品です。

医療のために人工皮膚の研究をしている科学者ペイトン。

彼の恋人は弁護士のジュリー。

ジュリーはとある大物政治家の汚職の証拠となる書類を発見する。

その書類を間違って実験室に持ち帰ったペイトンのもとへ、政治家が雇った狂暴なギャングの集団が書類を回収しにやってくる。

いかにも悪党ヅラのデュランをリーダーとするギャンググループはペイトンに残酷なリンチを加える。

顔面を化学薬品に漬けられたペイトンの顔はドロドロに溶けてしまう。

さらにギャングは実験室内にガスを充満させ、ライターのスイッチの前に鳥のオモチャを置き、首を上下する鳥のオモチャのクチバシがライターのスイッチに触れ、ライターは着火し、ガスに引火し実験室は大爆発を起こす。

爆発に巻き込まれたペイトンは全身に大火傷を負う。

すっかりペイトンを殺したと思いこむギャング団。

しかしペイトンは奇跡的に生きていた。

病院で目覚めるペイトン。全身をひどい火傷に覆われ怪物のようになってしまったペイトンは神経に異常をきたし、怒りを抑制することができず、怒りと共に超人的なパワーを発揮する体質となっていた。

病院から脱走するペイトン。

焼け落ちた実験室に戻り、鏡で自分の姿を見て愕然とする。

まるでバケモノのような姿になってしまったペイトンは激しい怒りに囚われ、ギャング集団に復讐することを誓う。

奇跡的に無傷だった人工皮膚製造装置を使い、ペイトンはギャングのメンバーそっくりの顔のマスクを作る。

ギャングのメンバーになりすまして、1人1人に復讐していくペイトン。

そしてリーダー、デュランと直接対決。

ペイトンをヘリコプターに吊るして殺そうとするデュランだったが、ペイトンはヘリコプターにつながるロープを大型トレーラーにフックで引っ掛けて、トレーラーに引きずられたデュランを乗せたヘリコプターはトンネルに激突、大爆発を起こす。

そしてペイトンはギャング団のバックに居る黒幕の政治家と、夜のビル建設現場で最後の対決を挑むのだった!



残酷なリンチにより怪物と化してしまった悲劇のヒーロー、ダークマンことペイトン。

しかし、その悲劇的な背景にも関わらず、映画そのものは非常にスピーディーでパワフル、そしてユニークである。

ダークマンの復讐の仕方はどれもなんだか笑っちゃうようなおかしさをかもし出している。

地下に引きずり込んだギャングの顔だけをマンホールの外に出し、自動車に轢き殺させたり、ギャングのひとりに化けて、取引に出かけ大金を騙し取り、濡れ衣を着せられたギャングが仲間に殺されたり、特にギャングのリーダー、デュランに化けたダークマンが本人と出くわして回転ガラスドア越しに追いかけっこをするシーンなんかはまるでコントのようだ。

サム・ライミはもともとコント風の演出が得意のようで「死霊のはらわた2」などは、まるで「スプラッタードリフ」とでもいいたくなるような映画だった。

「キャプテン・スーパーマーケット」では、ちょっとやりすぎの感じがあり、笑うに笑えない映画になってしまっているのが残念。

コントとアメコミ・ヒーローを融合したかのような「ダークマン」だが、顔を包帯で覆い、ボロボロのコートに身を包むダークマンはなかなかかっこいい。

スパイダーマンのようなポップなスタイリッシュさとは違うゴシックな雰囲気が実にイカす。

ダークマンを見て、「オペラ座の怪人」や「ファントム・オブ・パラダイス」を思い出す人も多いのではないだろうか?



ラスト、恋人の元を去り、孤独に生きることを選ぶダークマン。

人ごみの中にまぎれ別人になりすました彼のその顔は、なんとブルース・キャンベル!

「死霊のはらわた」ファンにはうれしいラストシーンである。



痛快娯楽ヒーローアクションの傑作「ダークマン」、アメコミヒーローファンにはおすすめである。

派手な特撮を多用した「スパイダーマン」に比べると地味かも知れないが、内容は断然こっちのほうがおもしろいと思うので、「スパイダーマン」でライミのファンになったかたにはぜひ見て欲しい作品です。

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