拳銃無頼帖

抜き射ちの竜

企画:浅田健三
原作:城戸 禮
脚本:山崎 巌
監督:野口博志
撮影:永塚一栄
出演:赤木圭一郎 浅丘るり子
    宍戸 錠 香月美奈子

昭和35年2月26日の新聞「映画紹介」より

日活が石原裕次郎、小林旭に続いて‘第3の男‘というキャッチ・フレーズ
で売り出している赤木圭一郎が‘抜き射ちの竜‘と呼ばれる殺し屋に
ふんして、西部劇ばりの早撃ちをみせる映画。
筋書きは、例によって、麻薬密売組織をめぐる暴力団同士の争いを背景
に、中国人ボス(西村晃)に使われる竜が、最後にはボス一味をやっつけ
る、という話。話そのものに内容はないが、西部劇調の演出がうまく取り
いれられて撃ち合い場面や、ボスとの腹のさぐりあい場面に、演出の‘間‘
の面白さを取り入れて迫力が有る。
ことに、わき役にそれぞれ特異な性格を持たせ、クセのある演技をみせて
いる点が面白い。たとえば中国人ボスにふんした西村晃の知能犯的な
ずるさのかもしだす面白さ。また、この手下の中国人・藤村有弘の妙に
軽薄な感じ。そして「いつかお前と対決することもあろう」と、不敵な笑いを
浮かべる殺し屋・宍戸錠のふてぶてしい態度など。こういう演技派を赤木
圭一郎にからまして、わきをかためているところにこの映画の厚味が有る。
日活の若手監督に、西部劇やギャング物などの洋画を絶えず見せて、徹
底的にその演出を研究させ、マネさせているそうだが、最近ではその成果
が目に見えて、たとえば口にくわえたタバコをいきなりけん銃で撃つ、などと
いう場面も板についてきた。ほかに浅丘ルリ子、沢本忠雄らも出演している。

ホーム