ルース・レンデル 【英国女流小説館】

Ruth Rendell


ルース・レンデル

last updated: 30 August 2015

Biography +++

【生没】 1930.2.17 - 2015.5.2 (午年生まれ、享年85歳)
【家族】 両親ともに教師だった。
【仕事】 高校卒業後、記者として働くかたわら趣味で書いたミステリーを編集者に見せたところ、作家デビューに至る。
バーバラ・ヴァイン名義で、ミステリではない作品も執筆。友人P.D.ジェイムズとともに、現代英国ミステリーを代表する作家として評価が高い。ウェクスフォード警部シリーズが人気を博し、48作もの作品がルース・レンデル・ミステリーとしてTVドラマ化された。世界20か国以上に翻訳されている。
【功績】 1996年CBE勲章受章。1997年一代貴族(Aldeburghのレンデル女男爵)に叙された。
【結婚・出産】 20歳の時、レンデル氏と結婚し息子を出産。1975年に離婚するが2年後に再婚。

 

Bibliography +++

#1From Doon with Death (1964)
ウェクスフォード・シリーズ1。
『薔薇の殺意』 深町真理子(訳) <角川文庫・1981>
#2To Fear a Painted Devil (1965)
『絵に描いた悪魔』 小泉喜美子(訳) <角川文庫・1986>
#3Vanity Dies Hard (1965)
『虚栄は死なず』 富永和子(訳) <光文社文庫・1988>
#4A New Lease of Death  (1967)
ウェクスフォード・シリーズ2。
『死が二人を別つまで』 高田恵子(訳) <創元推理文庫・1987>
 
#5Wolf to the Slaughter (1967)
ウェクスフォード・シリーズ3。
『運命のチェスボード』 高田恵子(訳) <創元推理文庫・1987>
#6The Secret House of Death (1968)
『死のひそむ家』 成川裕子(訳) <創元推理文庫・1987>
#7The Best Man to Die (1969)
ウェクスフォード・シリーズ4。
『友は永遠に』 沼尻素子(訳) <光文社文庫・1988>
『死を望まれた男』 高田恵子(訳) <創元推理文庫・1988>
#8A Guilty Thing Surprised (1970)
ウェクスフォード・シリーズ5。
『罪人のおののき』 成川裕子(訳) <創元推理文庫・1988>
#9No More Dying Then (1971)
『もはや死は存在しない』 深町真理子(訳) <角川文庫・1987>
ウェクスフォード・シリーズ6作目
【あらすじ】 記事に取り立てるほどの事件なんて起こらない平和な町で、金髪の少年ジョン・ロレンスが行方不明になる。母親ジェンマを励ますことにバーデン警部が夢中になってしまったため、ウェクスフォードは1人で8ヶ月前の誘拐事件を掘り起こす。少女ステラを誘拐した犯人がジョンもさらったのか?関連するようでしない二つの誘拐事件を軸に、バーデンは最愛の妻を失った悲しみに決着をつける。

 

翻訳書で読みました 【感想】初めまして、ウェクスフォード警部。今回、相棒のバーデン警部は専ら私事に忙しいようでしたが、いつもは真面目な人なんでしょうか・・・?バーデンさんの名誉回復のためにも他の作品を読まなければ!ステラ・リヴァーズ事件の方は、ウェクスフォードの推理が冴えわたる巧妙なパズル、一方ジョン・ロレンス事件ではバーデンの男性としての(?)弱さが露呈した感じです。1度読んで2倍楽しめる作品です。地道な現場調査と聞き込み調査を重ね、被害者・加害者をちゃんと1人の人間としてみるウェクスフォードに好印象でした。

#10One Across, Two Down (1971)
『悪魔の宿る巣』 小尾芙佐(訳) <角川文庫・1987>
#11Murder Being Once Done (1972)
ウェクスフォード・シリーズ7。
『ひとたび人を殺さば』 深町真理子(訳) <角川文庫・1980>
#12Some Lie and Some Die (1973)
ウェクスフォード・シリーズ8。
『偽りと死のバラッド』 深町真理子(訳) <角川文庫・1987>
#13The Face of Trespass (1974)
『緑の檻』 山本楡美子・郷原宏(訳) <角川文庫・1986>
#14Shake Hands Forever (1975)
ウェクスフォード・シリーズ9。
『指に傷のある女』 深町真理子(訳) <角川文庫・1986>
#15A Demon in My View (1976)
CWA受賞。
『わが目の悪魔』 深町真理子(訳) <角川文庫・1982>
#16A Judgement in Stone (1977)
1996年仏独映画化(La ceremonie「沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇」 監督:クロード・シャブロル 出演:イザベル・ユペール)。
『ロウフィールド館の惨劇』 小尾芙佐(訳) <角川文庫・1984>
#17A Sleeping Life (1978)
ウェクスフォード・シリーズ10。
『乙女の悲劇』 深町真理子(訳) <角川文庫・1983>
#18Make Death Love Me (1979)
『死のカルテット』 小尾芙佐(訳) <角川文庫・1985>
#19The Lake of Darkness (1980)
『地獄の湖』 小尾芙佐(訳) <角川文庫・1986>
#20Put on by Cunning  (1981)
 
ウェクスフォード・シリーズ11。
『仕組まれた死の罠』 深町真理子(訳) <角川文庫・1988>
#21Master of the Moor (1982)
『荒野の絞首人』 小泉喜美子(訳) <角川文庫・1985>
#22The Speaker of Mandarin (1983)
ウェクスフォード・シリーズ12作目
『マンダリンの囁き』 吉野美恵子(訳) <ハヤカワポケットミステリ・1985>
#23The Killing Doll (1984)
『殺す人形』 青木久恵(訳) <ハヤカワポケットミステリ・1985>
#24The Tree of Hands (1984)
『身代りの樹』 秋津和子(訳) <ハヤカワミステリ文庫・1995>
CWA受賞。英TVドラマ化('Innocent Victim')。2001年仏映画化('Betty Fisher and Other Stories')。1989年英映画化(監督:ジャイルズ・フォースター 出演:ヘレン・シェイヴァー)。
【あらすじ】母モプサを出迎えるため、ヒースロー空港で待つベネットは、女手ひとつで幼い息子ジェイムズを育てる作家だ。モプサは精神病を患っている狂気の母だった。「母を憎んではならない」と何度も自分に言い聞かせるベネット。ちょうどこの時ジェイムズの体調が悪く、付き添って病院に泊り込むが、その間もモプサのことが気がかりでならない。だが、そんな気苦労も束の間、幼い命が失われたことでベネットの人生は重犯罪の渦へ巻き込まれていく。

 

翻訳書で読みました 【感想】中心となる登場人物は上記の二人だけではなく、魅力的な3児の母キャロル、彼女の愛人バリー、臆病なテレンスがいます。それぞれベネットたちと直接的な知り合いではありませんが、ばらばらの糸がだんだんと巧妙な刺繍へと編み上げられていきます。悲劇的殺人はなく、ミステリーという感じが全くしません。こんなに先が読めない推理小説は初めてです。犯人が判明して事件が解決!というキレのいい結末ではありませんが、後味は悪くありませんでしたよ。

#25An Unkindness of Ravens (1985)
ウェクスフォード・シリーズ13。
『無慈悲な鴉』 吉野美恵子(訳) <ハヤカワポケットミステリ・1987>
#26Live Flesh (1986)
CWA受賞。1997年西・仏映画化(監督:ペドロ・アルモドバル 出演:リベルト・ラバル)。
『引き攣る肉』 小尾芙佐(訳) <角川文庫・1988>
#27Talking to Strange Men (1987)
『死を誘う暗号』 小尾芙佐(訳) <角川文庫・1992>
#28The Veiled One (1988)
ウェクスフォード・シリーズ14。
『惨劇のヴェール』 深町真理子(訳) <角川文庫・1989>
#29The Bridesmaid (1989)
『石の微笑』 羽田詩津子(訳) <角川文庫・1998>
普通の男性が愛におぼれ、殺人の罪に染まっていく。
2004年仏独映画化(監督:クロード・シャブロル 出演・ブノワ・マジメル)。公式HPへのリンク
【あらすじ】人一倍、暴力や殺人事件など、物騒な事柄を嫌悪しているフィリップ。家庭の悩みは多々あるものの、ごく普通の日常を過ごしていた。だが、銀髪の美女ゼンダと出会い、彼女の嘘や価値観の違いにとまどいつつも、狂おしい愛に呑み込まれていく。そして、ゼンダの言葉が全て真実であると悟った時、2人の関係はもう切り離せないものになっていた。

   

翻訳書で読みました 【感想】ルース・レンデル著作なのでミステリーだろうと思い込んで読み始めたら・・・あれ、事件が起こるどころかロマンス小説??半分以上がそんな雰囲気で進んでしまいました。後半、ゼンダの犯した罪が明らかとなっていく過程も予想ができてしまって、サプライズ感は全くありません。ゼンダのミステリアスさもいまいち弱いです。フィリップがずぶずぶと破滅の道を歩んでいく様子がじっくりと描かれた作品といえます。(8,2013)
【幸福指数 60%  陰鬱指数 50%  恐怖指数 20%  幻想指数 20%】

#30Going Wrong (1990)
『求婚する男』 羽田詩津子(訳) <角川文庫・1996>
#31Kissing the Gunner's Daughter (1991)
ウェクスフォード・シリーズ15。
『眠れる森の惨劇』 宇佐川晶子(訳) <角川文庫・2000>
#32The Crocodile Bird (1993)
『殺意を呼ぶ館』 小尾芙佐(訳) <扶桑社ミステリー・1999>
#33Simisola (1994)
『シミソラ』 宇佐川晶子(訳) <角川文庫・2001>
ウェクスフォード・シリーズ16。1996年TVドラマ化。
【あらすじ】事件の真相ともう一つの謎、「シミソラ」とは何なのか?ワンランク上の推理小説。
田舎町キングズマーカムで、三つの事件が発生した。一つ目は黒人の娘の失踪。二つ目はその娘が失踪前、最後に話した失業保険アドバイザー女性の殺人。三つ目が身元の判明しない黒人少女の殺人。数えるほどしか黒人がいない町で、事件解決にはそれほど時間を要しないものと思われた。しかし、人種差別や移民問題が真相への道のりを困難にする。これらの事件に関連性があると判断したウェクスフォード警部が、冴えわたる直感で真相を突き止める。

   

翻訳書で読みました 【感想】思い込みは真実を見逃す原因となることを、ウェクスフォードが身をもって教えてくれました。黒人って同じような顔に見える、老人の言っていることはあてにできない。そう思ったことのある人は多いのではないでしょうか。『シミソラ』ではその思い込みが災難のもとでした。
また、重要な場所として登場するのが、ESJ(雇用サービス職業案内センター)です。日本でのハローワークのような所だと思います。ちょうど今、失業保険受給のためにハローワークへ通っているので、親近感がわきました。ESJを通して、様々な状況の人々が登場します。しかも、スポットがあてられる登場人物がざっと20人もいるのです。そのため容疑者も多く、担当刑事ですら困惑するほどです。心して読んでください。次にハローワークへ行った時は、周囲をよく観察してみようと思います(笑)。(10月,2012)
【幸福指数 5%  陰鬱指数 85%  恐怖指数 10%  幻想指数 0%】

#34The Keys to the Street (1996)
『街への鍵』 山本やよい(訳) <ハヤカワポケットミステリ・2015>
#35Road Rage (1997)
ウェクスフォード・シリーズ17。
『聖なる森』 吉野美恵子(訳) <ハヤカワポケットミステリ・1999>
#36A Sight for Sore Eyes (1998)
愛情と無縁に育ったテディと、心に傷を持ったフランシーンの出会いは、悲劇の幕開けだった。
『心地よい眺め』 茅律子(訳) <ハヤカワポケットミステリ・2003>
#37Harm Done (1999)
ウェクスフォード・シリーズ18。
『悪意の傷跡』 吉野美恵子(訳) <ハヤカワポケットミステリ・2002>
#38Adam and Eve and Pinch Me (2001)
#39The Babes in the Wood (2002)
ウェクスフォード・シリーズ19。
#40The Rottweiler (2003)
#41Thirteen Steps Down (2004)
#42End in Tears (2005)
ウェクスフォード・シリーズ20。
#43The Water's Lovely (2006)
#44Not in the Flesh (2007)
ウェクスフォード・シリーズ21。
#45Portobello (2008)
#46The Monster in the Box (2009)
ウェクスフォード・シリーズ22。
#47Tigerlily's Orchids (2010)
#48The Vault (2011)
ウェクスフォード・シリーズ23。
#49The St Zita Society (2012)
No Man's Nightingale (2013)
ウェクスフォード・シリーズ24。
The Girl Next Door (2014)
Dark Corners (2015)

 

Collection +++

The Fallen Curtain (1976)
「カーテンが降りて」「誰がそんなことを」「悪い心臓」「用心の過ぎた女」「生きうつし」「はえとり草」「しがみつく女」「酢の母」「コインの落ちる時」「人間に近いもの」「分裂は勝ち」収録
『カーテンが降りて-レンデル傑作集1』 深町真理子(訳) <角川文庫・1988>
Means of Evil and other short stories (1979)
ウェクスフォード・シリーズ5作品収録。
The Fever Tree (1982)
「熱病の木」「最後の審判」「私からの贈り物」「女を脅した男」「不幸な暗号」「毒を愛した少年」「メイとジェーン」「悪魔の編み針」「思い出のベンチ」「絵具箱の館」「タイプがちがう」収録
『熱病の木-レンデル傑作集2』 小尾芙佐ほか(訳) <角川文庫・1988>
The New Girlfriend (1985)
「女ともだち」「ダーク・ブルーの香り」「四十年後」「殺意の棲む家」「ポッター亭の晩餐」「口笛を吹く男」「時計は苛む」「狼のように」「フェン・ホール」「父の日」「ケファンダへの緑の道」収録
『女ともだち-レンデル傑作集3』 酒匂真理子ほか(訳) <角川文庫・1989>
Collected Short Stories (1987)
The Copper Peacock (1991)
Blood Lines (1995)
Piranha to Scurfy (2001)
A Spot of Folly (2017)

 

『女を脅した男』 酒匂真理子ほか(訳) <光文社文庫・1998>
「女ともだち」「女を脅した男」「父の日」「時計は苛む」「雑草」「愛の神」「カーテンが降りて」「ウェクスフォードの休日」「藁をもつかむ」「もとめられぬ女」「追いつめられて」収録

 

Written as Barbara Vine +++

A Dark-Adapted Eye (1986)
『死との抱擁』 大村美根子(訳) <角川文庫・1988>
A Fatal Inversion (1987)
CWA受賞。
『運命の倒置法』 大村美根子(訳) <角川文庫・1991>
The House of Stairs (1988)
『階段の家』 山本俊子(訳) <角川文庫・1990>
Gallowglass (1990)
『哀しきギャロウグラス』 幸田敦子(訳) <角川文庫・1993>
King Solomon's Carpet (1991)
CWA受賞。
『ソロモン王の絨毯』 羽田詩津子(訳) <角川文庫・2001>
Asta's Book (1993)
『アスタの日記』 榊優子(訳) <扶桑社ミステリー(上下)・1997>
No Night is Too Long (1994)
『長い夜の果てに』 榊優子(訳) <扶桑社ミステリー(上下)・1998>
The Brimstone Wedding (1995)
『ステラの遺産』 富永和子(訳) <ハヤカワポケットミステリ・1999>
The Chimney Sweeper's Boy (1998)
『煙突掃除の少年』 富永和子(訳) <ハヤカワポケットミステリ・2002>
Grasshopper (2000)
The Blood Doctor (2002)
The Minotaur (2005)
The Birthday Present (2008)
The Child's Child (2012)

 

Short Stories +++

『追いつめられたネズミ』
専門誌「ミステリー・シーン」編集のアンソロジー『現代ミステリーの収穫1-ケラーの療法』に収録。
『黄色い百合』
15人の女流作家が、女性を主人公に描いた短編選集『ウーマン・オブ・ミステリー』に収録。
『桜の木農場』
15人の女流作家が、女性を主人公に描いた短編選集『ウーマン・オブ・ミステリー2』に収録。
『銅の孔雀』
『フィーバー・ツリー』

 

References +++