Angela Carter


アンジェラ・カーター

last updated: 20 April 2018

Biography +++

【生没】 1940.5.7 - 1992.2.16 (辰年生まれ、享年51歳)
【縁の地】 東京(1969年から2年間を過ごした)
【結婚】 1960年にカーター氏と結婚するが、1970年に離婚。1977年に再婚して息子を出産。
【遺作】 C.ブロンテ『ジェイン・エア』の続編、娘アデルのその後を元にした作品を執筆中だった。
【評価】 晩年から死後に評価が高まった。2008年「タイムズ誌が選ぶ戦後の英国人作家ベスト50」の10位に選出された。

 

Bibliography +++

#1Shadow Dance (1965)
でたらめなハニバザードと親友のモリス、娼婦ギスレイン、猫好きのエミリをめぐり、真夜中に進行するストーリー。カーター26歳の時の作品。各書評で一躍話題となる。
#2The Magic Toyshop (1967)
ジョン・ルーウェリン・リース賞受賞。早く結婚したい15歳のメラニーが孤児となり、失われた自己像回復の旅に出る。
『魔法の玩具店』 植松みどり(訳) <河出書房新社・1988>
#3Several Perceptions (1968)
1968年Somerset Maugham Prize(サマセット・モーム賞)受賞。このときの賞金で来日。1960年代を色濃く反映した作品。
#4Heroes and Villains (1969)
文明が崩壊した世界。
#5Love (1971)
『ラヴ』 伊藤欣二(訳) <講談社・1974>
#6The Infernal Desire Machines of Doctor Hoffman (1972)
欲望や想像性を一つの既成の秩序にはめこもうとする抑圧への痛烈な風刺。狂気から帰還したデシデリオの旅日記。現実の上に成り立つ都市を守る大臣と装置で混乱させる博士との「リアリティ戦争」。SF的要素が比較的強い。
#7The Passion of New Eve (1977)
女だけの地下世界で女性に改造されてしまったイギリス人青年がたどる、神話と性の旅。
→ アンジェラ・カーター『新イブのパッション』 『現代英米小説の担い手たち 2』に収録。
『新しきイヴの受難』 望月節子(訳) <国書刊行会・2018>
#8Nights at the Circus (1984)
『夜ごとのサーカス』 加藤光也(訳) <国書刊行会・2000>
1984年British Science Fiction Award、ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞受賞。2012年、ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞歴代作品の中で最高傑作に選ばれる。
「彼女は事実(ファクト)か、それともつくり物(フィクション)か?」

 

翻訳書で読みました【感想】19世紀末を背景とした本作品は三部から成っています。第一部「ロンドン」では、アメリカ人記者ジャック・ウォルサーによる、花形空中ブランコ乗りフェヴァーズのインタビューです。翼を持つフェヴァーズは数奇な半生を長々と語り出します。それは卵から生まれ、売春宿で育ち、怪物を見せ物にする秘密クラブに身売りし、逃げ出し、捕まり、また逃げ出して最終的に、サーカスへ入るという奇想天外な顛末です。第二部「ペテルブルク」は、ウォルサーがフェヴァーズを追ってサーカス団に道化として入り、その中で出会うインパクトの強い人物のオンパレードです。第三部「シベリア」では、サーカス団が日本への道中、シベリアで事故に遭ってしまいます。捕らわれるフェヴァーズ達と、記憶を失ってしまったウォルサーは離れ離れになってしまいます。
 読み始めはあまりに突飛な設定についていけませんでしたが、途中からはその不思議さに飲み込まれてしまいました。

#9Wise Children (1991)
75歳の元ショーガール、ドーラが書く自伝。彼女自身、父親、姉妹たちみな双子。遺作。カーターの名を一気に高めた作品。
『ワイズ・チルドレン』 太田良子(訳) <早川書房・1993/早川epi文庫・2001>

 

Collection +++

#1Fireworks:Nine Profane Pieces (1974)
収められている9作品のうち、「日本の思い出」など日本を舞台にした話が3編。「フリーランサーにささげる挽歌」「主人」「冬の微笑」「日本の思い出」「映像」「森の奥まで達して」「死刑執行人の美しい娘」「紫の上の情事」「肉体と鏡」収録。
『花火-九つの冒涜的な物語』 榎本義子(訳) <2010・星雲社>
#2The Bloody Chamber and Other Stories (1979)
童話や民間伝承をもとにした作品10編を収録。チェルトナム文学祭賞受賞。「血染めの部屋」「野獣の求愛」「虎の花嫁」「長靴をはいた猫」「妖精の王」「雪の子」「愛の館の貴婦人」「狼人間」「狼たちの仲間」「狼アリス」収録。
『血染めの部屋-大人のための幻想童話』 富士川義之(訳) <1992・筑摩書房/1999・ちくま文庫>
#3Black Venus (1985)
カーター自らが選んだ短編集。World Fantasy Best Collectionノミネート。「ブラック・ヴィーナス」「キス」「わが殺戮の聖女」「エドガー・アラン・ポーとその身内」「『真夏の夜の夢』序曲と付随音楽」「ピーターと狼」「キッチン・チャイルド」「フォール・リヴァー手斧殺人」全8編収録。
『ブラック・ヴィーナス』 植松みどり(訳) <河出書房新社Modern&Classic・2004>
#4American Ghosts and Old World Wonders (1993)
「幽霊船―クリスマスのお話」「パントの国で」「シンデレラ、あるいは母親の霊魂」「プラハのアリス、あるいは奇妙な部屋」「印象」「マグダラのマリア」「リジーの虎」「ジョン・フォードの『哀れ彼女は娼婦』」「魔弾の射手」「幻影の商人」 収録
『シンデレラあるいは母親の霊魂』 富士川義之・兼武道子(訳) <筑摩書房・2000>
#5Burning your Boats: Angela Carter's Collected Short Stories (1996)
'A Souvenir of Japan' 'The Bloody Chamber' 'Black Venus' 'Wolf Alice'など全41編収録。

 

Short Stories +++

"Master" from Fireworks
「ご主人様」 大久保寛(訳) 『レベッカ・ポールソンのお告げ 13の恐怖とエロスの物語』<文春文庫・1994>に収録。レンデルシンクレアの短編も収録されている。
"The Merchant of Shadows" from American Ghosts and Old World Wonders
「影の商人」 加藤光也(訳) 『ゴシック短編小説集』<春風社・2012>に収録。ウィンターソンテナントの短編も収録されている。
"The Lady of the House of Love" from The Bloody Chamber and Other Stories
「愛の館の貴婦人」 藤井光(訳) 『幻想展覧会 ニュー・ゴシック短篇集』<福武書店・1992>に収録。

 

References +++