オーバーフローとその対処法

SRは1978年に最初のモデルが発売されました.
中古車の中には古いものも結構ありオーバーフローに関するトラブルは結構多いです.

フロート&フロートバルブの役割

Fig.1
キックアームに隠れて見にくいですがFig.1の赤枠で囲まれた部分がフロートチャンバーです.
この部分の内部を簡単に書いたのが下のFig.2です.
ちなみに写真ではキャブを右から見ていますが,Fig.2では左から見た図です.

Fig.2

まずはFig.2における各部の名称です.
@.フロート
Aフロートバルブ
Bバルブシート
Fig.2はキャブレターのフロートチャンバーの部分を表した図です.
これを用いて,まずフロートとフロートバルブの役割について解説します.
図の薄い灰色の部分はガソリンを表しています.
Fig.2の左の図を見てください.これはフロートチャンバー内にあまりガソリンが入っていないときの図です.
フロートはいわゆる”浮き輪”のようなもので,ガソリンの中に浮いています.
したがって左の図のようにガソリンの量が少ないときには,下がってしまいます.
フロートバルブはフロートの根元についているので,当然フロートの動きに連動して下がります.
すると,フロートバルブとバルブシートの間に隙間ができてガソリンタンクからガソリンホースを伝って
フロートチャンバー内にガソリンが流れ込みます.

Fig.2の右の図はフロートチャンバー内にガソリンがある程度流れ込んだ状態です.
赤い円の部分に注目してください.
フロートバルブがバルブシートにきっちりと引っ付いているがわかります.
この状態ではフロートバルブが”フタ”のような役割をしフロートチャンバー内にガソリンがこれ以上入らなくします.
フロートチャンバー内のガソリンが消費されると同様にフロートバルブが開きガソリンが供給されるわけです.
つまり,フロート・フロートバルブ・バルブシートはフロートチャンバー内のガソリンの量が一定になるようにしているのです.
オーバーフローとは?

オーバーフローの原因は大きく分けて2つあります.
1.ゴミのつまりによるオーバーフロー
 これはフロートバルブとバルブシートの間にゴミが挟まり,フロートバルブがきちんとしまらずに,
フロートチャンバー内にガソリンが入り込みつづけることによって起こります.
こうなると油面(フロートチャンバー内のガソリンの上面のこと)が上がりセッティングが全体的に濃くなります.
この影響は特にアイドリング付近の低回転域で顕著で,停止時にアクセルを離すとエンジンが止まってしまいます.
さらにエンジンが止まった後に非常に指導が困難になります.
症状が急に起こるのが特徴です.
2.フロートバルブの劣化によるオーバーフロー
 これはフロートバルブが長年の使用によって磨耗または損傷することによって起こります.
フロートバルブの三角錐の部分を見てみると,段がついていたり,傷がついてます.
劣化と言うものは急には起こらないので,症状に気づきにくいと思います.
症状は1.と同様にセッティングが濃くなります.
オーバーフローかな?と思ったら.
 ガソリンコックをいったんPREの位置にしてみてください.
キャブレターのドレインホースからガソリンが出てくれば100%間違いなくオーバーフローです.

オーバーフローの対処法
原因1.の場合
 このゴミと言うのは主にガソリンタンクやガソリンコック内の錆やガソリンのスラッジ(ガソリンが古くなり固まったもの)です.
よって,キャブレターの清掃とともにガソリンタンクの錆取り,ガソリンコックの清掃が必要です.
しかし,これだけでは不充分でもう一歩突っ込んで”なぜタンクが錆びたのか”を考えましょう.
タンクが錆びる原因は,ガソリンキャップの裏についているゴムのパッキンが劣化して,
ガソリンキャップの隙間からタンク内に水が入り込み,それがタンクの底にたまりタンクが錆びるのです.
古いタンクをお使いの方は交換しましょう.
 もし出先でオーバーフローが起こったら,フロートチャンバーを軽くたたいてみてください.
運良くゴミが取れて復活するかもしれません.
それとともにコックはONの位置にしRESやPREを使わないでください.
これはタンク内のゴミは大抵,下にたまるためガソリンをできるだけタンクの下部から取らないようにするためです.
原因2.の場合
 これはフロートバルブを交換するしかありません.
SRの場合,フロートバルブとバルブシートをせセットでフロートバルブAssyとして交換することになります.3000円くらいです.
長年SRに乗ってい方や,古いSR(VMキャブなどの)の方は一度チェックしてみてください.
最後に・・・
オーバーフローは良く聞くトラブルです.ほっておくとエンジン内のカーボンの堆積を早めますし,
何より火災の危険性があるので速めに対処してください.